Isle of Jura

人口わずか180人のこの島でウィスキーが造られていることに驚き、そして島の光景をみて納得する。人間よりも家畜が主役のこの島のモルトはやさしくもワイルドな味がした。


この島の日常
Isle of Jura
     
〜「Juraの乳房と呼ばれる山の麓に」〜

モルトウィスキーの聖地Islay島からFerryでわずか10分。「Juraの乳房」と呼ばれ知られている美しい3つの山をもつこの島に辿り着き、車をFerryから降ろす。人口わずか180人と言われるこの島の主役は家畜達。人口に対して家畜の数が圧倒的に多いことでも知られている。道路を我が物顔で横断する彼らに何度も車を止められつつ、島唯一の道路を北上すると突如小さな村に出くわす。そこが「ジュラ(Jura)蒸留所」のある村だ。というより蒸留所があるからこそ、そこに村ができたという方が正しいのかもしれない。そんな思いにとらわれつつ蒸留所へ入っていった。

ネックの長さが味の決め手?
案内をしてくれたのはこの蒸留所のマネージャーのマイケル。大柄でいかにも島の男、という感じの彼の説明はさすがにマネージャーらしく細部にわたっている。従業員の数を聞いた時「全人口の10分の一くらいだな!」と言って笑った笑顔が印象的だった。蒸留所の施設自体は特に目につくものはない。発酵樽もステンレスでできている。ただ特徴的なのは長いネックを持つと言われるポットスチル。このため比較的軽いスピリッツが生まれるとのこと。それとこの蒸留所の特徴はIslayモルトとは違いピートをそんなに炊き込まないこと。それでもピートを感じるのは、仕込水が蒸留所の上にある山からピートの草原を通って流れ出ているからで、そのJura島の自然でたっぷり濾過された水を使ってこそ初めてこのモルトが生まれると彼は言っていた。何よりこのモルトに自信と愛着を持って働いている人々がこのモルトにスパイスを加えているのかも知れない。

島の中心地
Tasting Note
      〜「Jura 21years」〜
今回蒸留所で試飲させてくれたのは、太っ腹にもオフィシャルの10年と16年それに21年。特に21年はマネージャーも一番のお気に入りだそうでたしかに香りからフィニッシュまでしっかりとした素晴らしいモルトだった。
〜16years〜
色:薄い琥珀色。
香:タール。乾いた干草。土。
味:オイリーで塩っぽい感じが徐々に僅かな甘味に変わる。決してフィニッシュは長くないが逆にそれが合っている。

〜21years〜
色:濃い琥珀色。
香:マスカット。清涼な果物の心地よい香り。
味:最初はフルーティな澄んだインパクトだが、徐々にスモーキーさと塩辛さが押し寄せる。
総評:この人も住まないような小さな島で、何故ウィスキーは造られつづけてきたのだろう。島の人々をモルトの関係に思いを寄せながらまたグラスを傾けたい。

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