Icon久保元宏2005年買ったモノ

2005年1229日 木曜日 晴れ
午前8時、除雪をしていたら、自分のモミアゲが凍った。気温、マイナス20度。

Hello! My name is Motohiro Kubo!
こんにちは!
僕、久保です。よろしくね!

★2005年2月20日の久保元宏は、エルエテ札幌店で最後のお買い物をしたのよ。
★★ A Happy New York 2005 !! ★★

『共犯新聞』社主からの年頭の提言

異物が起こす、

イベント



混乱

とは、

情況の鏡である。



2005年に買ったモノたち This is What I want, this is what I get.
2005年のBEST
◇■◇各ジャンルのNAMEの”背景色”が順位◇■◇
BEST 1BEST 2BEST 3BEST 4BEST 5

↑でも、この順位って私が買ったモノからの選択だから、作品の発表された年と関係ないので、注意。

うぇ〜ん!お買い物の下に書き込まれている緑色のコメントは、久保AB−ST元宏の感想です。
全て「初版」。ほとんど「古本」。
CD・中古や、もらいもんばかり。
映画ARTLIVE
DATE
NAME
DATE
NAME
DATE
NAME
01/04札幌
石川書店
阿部典英『親子で楽しむデザイン技法』
(1981.1.30第1刷 1985.4.1改訂第1刷
青蛾書房 編集;関根文範)
初出;北海道新聞・日曜版1979.8.12
定価\1400→古本\500
私にとって今年最初の本の買い物。
ちなみに去年の最初の本の買い物は、
柴橋伴夫『ピエールの沈黙』('83.4.30
白夜叢書4、白馬書房)。さらに去年の
最後の買い物は吉田豪介『北海道美術
をめぐる25年』。つまり最近は、偶然にも
年頭年始を北海道で今、活躍中の画家
や評論家の作の美術書でキメている。
これら3冊全て古本なので、先生たちに
印税が入らず申し訳ない(がくっ)。柴橋
さんで始まり、豪介さんで終わる1年って
どうよ?とも思うが、こーゆー偶然が私を
脳味噌の密室の中でくすくす笑わせる。
それにしても美術書などほとんど買わな
い不勉強な私に、こうして偶然にも年の
初めと終わりに毎度のように、古本屋の
店頭でニヤリとやつらが待っているのに
は脱帽してしまう。これは啓示なのか?
さて本書の出版は1981年なので阿部
が今の私と同じ年齢の時。それもそのは
ずまだサンタクロースになる前の(笑)画
伯の写真がカバーに印刷されている。
出版されてから24年経ったが今の阿部
画伯の作家&啓蒙活動につながる姿
勢が読めたような気がした。よく分らない
で言うのもマヌケだが(おそらく)在野か
らのスタートという現在の画壇では不利
な条件を、好奇心と才能が幸福なから
みつきをさせ成功者へと熟成した者なら
ではの徹底した「具体的」な美術論だ。
01/04札幌
セカンズ
平岸店
The Wailers / ザ・ウェイラーズ
『Burnin' / バーニン』
ボブ・マーリィーに、揺らされていたい♪
ボーナス・トラック3曲
(1973.10オリジナル, 2001.7.4再発)
Bob Marley / ボブ・マーリー(vo,g)
Peter Tosh/ピーター・トッシュ(p,vo)
BunnyWailer/バニー・ウェイラー(vo)
▼ゲスト
アストン・バレット(b,g)
カールトン・バレット(ds)
アール・リンド(key)
クリス・ブラックウェル(pro)
トニー・プラット(eng)
フィル・ブラウン(eng)
定価\1835→中古\1380
重要なのは、このアルバムの名義
が「ボブ・マーリー&ウェイラーズ」で
なくて「ウェイラーズ」であるということ
だ。もちろん現在の日本では前者の
名義で流通している。しかし、その名
が付いたのは次のアルバムからだ。
実際このアルバムは3人の個性的な
ボーカリストが交互にリードをとって、
カラフルな全体像を築いている。特
にバーニーのナチュラルなムードは
彼の名前がバンド名になった証拠。
01/03札幌
ユナイテッド
シネマ札幌
映画『カンフーハッスル』 早朝割引\1200
監督,脚本,主演;チャウ・シンチー
共演;ユン・チウ、ユン・ワー、ドン・ジーホウ、
シン・ユー、チウ・チーリン、ブルース・リャン
落語で言えば「長屋もの」。人物の描き分け
がうまい。これも日本のマンガの影響ありか?
01/03札幌
ギャラリー
どらーる
(北4西17
HOTEL
DORAL)

波田浩司氏は、全道展で受賞を重ねて、期待を一身に集めている若手の会友。
企画展『2005年個展プロローグ』 \0
西村 一夫 版画・具象・立体 道展(札幌)
過程が不明確の時、抽象は残酷に見える。
佐藤 武 油彩・具象 無所属(札幌)
スケール感は時間感覚と幻想に比例する。
今荘 義男 油彩・具象 新道展(栗沢)
一種の達磨絵。色を塗り重ねるという座禅。
黒阪 陽一 油彩・具象 日展(札幌)
湿度の高い絵。その理由は密室性の高さ。
末永 正子 油彩・抽象 道展(小樽)
計算されたポップな浮遊感と即興の憧れ。
中野 邦昭 日本画・具象 道展(札幌)
書き込むことによって浮かび上がる空気感。
渡辺 貞之 油彩・具象 全道展(深川)
部品組合せを超えた構図の工夫が欲しい。
奥野 侯子 油彩・具象 道展(苫小牧)
運動と図柄。つまり「連続」への興味の告白。
波田 浩司 油彩・具象 全道展(札幌)
そろそろスランプを体験してみてはいかが?
國松 明日香 立体・抽象 無所属(札幌)
バッハの流れる新宿のカフェの煙草の匂い。
01/03札幌
エルエテ
企画展『版画家のHANGAU』 \0
昨年一年間の、ここでの展示が回顧できる。
01/04札幌
ラ・ガレリア
3F アート
ホール
個展『神谷ふじ子 展』 \0
鉄の女と言えばサッチャーだけれど、青銅を
使った重厚な彫刻に取り組む女性彫刻家。鉄
は重厚でありながら腐る。だから鉄に形を造る。
02/23滝川
Book
Big Box
滝川店
Marshall McLuhan
マーシャル・マクルーハン
『The Gutenberg Galaxy
マクルーハン著作集 2
グーテンベルクの銀河系
(1968.9.15初版 竹内書店,元本1962)
訳;高儀進、装幀;粟津潔
定価\1200→古本\700
現在入手可能な、みすず書房(1986,
訳;森常治)版は定価7875円と、どえらく
高価であるし、本当の初版の竹内書店
版はとっくの間に企業倒産しているので
もはや私の生涯での入手は不可能かと
あきらめていたのだが、空いた時間で、
フラリと入った古本屋に鎮座していた。
そもそもこの本も安原顯がわずか3年間
在籍していた当時に雑誌『パイデイア』
や『ゴダール全集』(全4巻)とともに企画
編集した全3巻である。森(1931年生れ)
を私は読んではいないが彼よりもむしろ
4歳若い高儀訳はウワサと違ってかなり
読みやすい。特にまだパソコンもインタ
ーネットも発明されていない時期に繰り
返し使われる「電気時代」という訳語が
まるでマーク・ボラン出現の予言のよう。
「読みやすい」と私が感じる理由には、
もしかしたら私がインターネット体験済
みであるからかもしれない。そうでなけれ
ば理解に時間がかかる「文学的」レトリッ
クが多いのも事実。そう、ブッキッシュな
論理の進め方も読書家を堪能させる。
Cowboy Junkies
/ カウボーイ・ジャンキーズ
『Whites off Earth Now!!
/ ホワイト・オフ・アース・ナウ』
Whites off Earth Now!! ♪
(1986.6.28ライブ, 1990.12.16再発)
Alan Anton(b)
Margo Timmins/マーゴ・テミンズ(v)
Michael Timmins(g)
Peter Timmins(ds)
定価\3000→中古\500
ブートレグみたいなジャケットだが
曲目にブルーズの名曲が並んでる
し500円なので(笑)衝動買いした。
そしたら大当たり!PILなどのポスト
ロックを聴いていたカナダのインテリ
ロック・ファンがポスト・ポストロックと
してブルーズを選択したのはスゴイ。
01/04札幌
さいとう
ギャラリー
企画展『2004〜2005 展』 64名参加 \0
昨年は直球だった坂本順子も企画の意図を
踏まえて(?)遊びだす。遊びと実験の差は?
高橋ミチの絵が、岸本裕躬がスマトラ沖で羽子
板をしたような筆の、ぬる&ぬる感がイイ感じ。
01/29札幌
大丸札幌店
展覧会『竹久夢二 展 生誕120年記念』招待券
絵は上手いが、伸びない若手画家の弱点は
構図の貧弱さにあると思う。夢二の天才性は、
技術より先に構図力があったこと。それは元々
彼は画家よりも天性のデザイナーであったから
だ。彼の得意な柳腰の女とは、デザイン構図的
に発明(=発見)されたのかもしれない。人物
に与えられる「弱さ」のイメージもデザイン的な
役割分担。つまりデザインとは世界観なのだ。
01/29札幌
大同
ギャラリー
個展『墨彩画 神山美子 展』 \0
広がりを生む勢いと止め。中途半端な完成。
合同展『第35回札幌市小学校教員展』16人\0
教師らしい(?)仲良し展。八子晋嗣が良い。
01/29札幌
ギャラリー
たぴお
合同展『Exhibition of Box ART 展2』 10人 \0
亀井由利、古賀和子、高坂史彦、竹田博
亀井の指や注射の常套句がグループの礎?
棚田裕美、名畑美由紀、林教司
棚田を見ると阿部典英の貝シリーズが分る。
藤川弘毅、益村信子、Y.Michiko
1960年代に流行した、モビールを研究せよ。
篠原ともえ『スーパーモデル』
くるくるっ♪
(1996.10.2ライブ, キューンレコード)
石野卓球(総合プロデュース)
▼ゲスト
ピエール瀧、まりん、中原昌也、
CMJK、近田春夫、森若香織、
マドモワゼル朱鷺、山本アキヲ、
サーフコースターズ with P
定価\2800→中古\380
これもゲストのゼイタクさと、380円
にノセられ衝動買い。歌が上手いの
がバレる楽曲はつまらなさに比例。
準備された色モノの未来への不安。
01/29札幌
道新
ギャラリー
彫刻展『北尾久美子 作品展』
高度な技術のバード・カーヴィング。集中力
の維持が凄い。鳥の足の土台がリアルの基礎。
写真展『田本實、君子 野鳥写真展』
老夫婦の趣味を逸脱。美しい色と瞬間の技。
富岡多恵子『写真の時代』
(1979.1.5初版 毎日新聞社)
装幀;長峰友紀
定価\1500→古本\840
不機嫌にムスッとしていながら、常に
既成概念を歪ます生産的な悪意の声を
上げる毒を孕んでいるのが富岡だ。その
彼女が荒木経惟のモデルとして撮影さ
れた写真も掲載されている。私の印象
がそのまま写っているようでもあるが、さ
すがアラーキーである。彼女の女性とし
ての魅力も同時に捕らえている。言葉の
批評を上回る批評性をあらかじめ持って
いるのが写真の存在価値でもある。ただ
しプロもアマも安易に「芸術」に侵蝕でき
るのも写真だ。その安易さのスキを見付
ける自然体の嗅覚を富岡は持ってる。
01/29札幌
時計台
ギャラリー

「凍河−ながれゆくもの」(F130)、「凍河−予感」(F100)の奥山 哲三さんは、大谷高校で美術の教師をされておりますが、従来どの公募展にも出しておられなかった方です。
絵画展『2005年春陽会 道作家展』 34名
【会員】折登 朱実「桑園附近」(F40)
どんどん混濁して、泥のようになる色の深さ。
【会員】谷口 一芳「家族」(S50)
寄り添う3匹の梟の視線の造り方に緊張感。
【会員】八木 伸子「1月の窓」(S30)
絵画的快楽の集合体。加齢の意味の提示。
【会員】宮西 詔路「馬」(F60)
動くものこそ、部分が独立して意志を持つ。
【会員】安田 完 「復活について」(F100)
構図のアイディア止まり。必要なモノは何?
【会友】佐藤 愛子「ペットと私T、U」(F130)
自由の悦び。色を抜き、浮かび上がる重層。
【一般】荒川 敬子「13月の風A、B」(F100)
抽象の結論としての具象という裏口の回答。
【一般】奥山哲三「凍河―予感―」(F100)
今展の目玉。構図と色が面白く細部も良い。
古雑誌『rockin'on』2002年9月号
特集:創刊30周年記念特別号
「ロックとロッキング・オンの30年間」
懐かしのあの記事こんな記事を総まくり
渾身の86ページ完全保存版大特集
ブレット変身スウェード新作インタヴュー
2人アンダーワールド快作!カール激白
4猿になったスーパーグラスを緊急捕獲
ジーヴァズ、メンバー全員インタヴュー
特別付録;サンプルCD『コールドプレイ』
定価\550→古本\320
正直言って、私は創刊号がそっくり全
ページ再録されていると思って買った。
残念ながら創刊号からは表紙と編集長
からの創刊の言葉のみが再録。意外だ
ったのは、その言葉に使われたカットが
ビートルズとCSN&Y。私の知るこの雑誌
はCSN&Y的なものから一番遠いと思っ
ていたからだ。知られたくない過去か?
01/14郵送 Cocamellow『Cocamellow』
元エアロビクス⇒元Tv-eye(笑)♪その後は1993年頃に結成された“シビレクラゲ”の2人で、その後改名を重ね現在に至る。 
(2005.1.8 seventhdial record)
倉田肇(vo,g,pg), スミヨ(ds,b,scrach)
定価\?→本人からもらった。
音色派。小山田圭吾一人による
コーネリアス『Point』(2001年作)や、
武満徹の興味と近い方向。ただそこ
で使われる技術はローテクの手作業
とハイテクの電気信号。コラージュ?
5曲目の「Aquas de Hiway」は、我が
『共犯新聞』へのオマージュらしい。
絵画展『道彩会 会員会友展』 54名
今展は具象よりも抽象寄りの作家が面白い。
てゆーか、具象が下手すぎ。八木の影響か?
【特別会員】八木保次「春の風景」
わざと整理しない理由は何だ?シタタカさ?
【会員】青木美樹「Avignon」
プリミティブに見える線の自由さが、哲学的。
【会員】中田やよひ「花束のあるテーブル」
目眩の瞬間に見る白昼夢のバニシング点。
【会員】辺見富美子「ティー・タイム」
抽象に片足突っ込む瞬間を見逃さない眼。
【会友】宮下美奈子「花もよう」
モデルは佐藤潤子画伯か(がくっ)?微妙。
01/29札幌
ギャラリー
大通美術館
(中央区
大通西5
大五ビル)
個展『楢原武正 展』
墓碑銘のような巨大なインスタレーションと、
それを囲うように広い会場の壁に貼られまくった
モノクロの抽象油彩。全体を一つの作品として
見るべきなのだろう。個別に見ては魅力も意味
も立ち上がらない。しかし虚無というより、刹那。
03/06札幌
古本
らくだや
富岡多恵子
『行為と芸術 十三人の作家』
(1970.11.30初版 美術出版社)
取材評論の対象;横尾忠則、磯崎新、
唐十郎、栗津潔、土方巽、一柳慧、
高松次郎、杉浦康平、武満徹、
和田勉、山口勝弘、大島渚、東松照明
定価\650→古本\600
ヒゲ面の土方巽が女装してニヤつく
表紙が時代の気分を巧みに切り取って
いる。しかも13人を選んだ趣味も正確で
ある。ただし当初は雑誌『美術手帖』に
1年間連載された12人を8人に絞ったの
だから、そこに選択した出版社の意図
があると深読みしたくなる。私の調査に
よれば、落選した4人とは、斎藤義重、
アラン・ダーカンジェロ、岡本太郎そして
二川幸夫である。なぜ岡本太郎が落選
したのか疑問だ。残された8編や加えら
れた5人への文章が魅力的なので富岡
が会った1968年の岡本太郎の印象が、
どう書かれたかが読みたくなる。採用は
されたが連載時には「建築のゲバラ」と
いう題が磯崎新には付けられていたが、
単行本化で、その題は省かれている。
あまりにも恥かしかったからかな(笑)?
しかし文章の中にはそのようなことは略
されずに残っているし、アゴひげをたく
わえた少年のような磯崎の顔写真には
時のスターを感じさせる。今、読む本。
01/23旭川
GEO ゲオ
旭川
豊岡店
Grateful Dead / グレイトフル・デッド
『Live/dead / ライブ/デッド
♪ライヴ・バンドとしての真価を発揮。商業面でもそれまでの3作品より大きく成功した。(1969年作品)
(1969LP, 1990.12.16CD)
ボブ・ベティ(produced)
ジェリー・ガルシア(vo,g)
フィル・レッシュ(b,vo)
ボブ・ウィア(g,vo)
ミッキー・ハート(ds,perc)
ビル・クルーツマン(ds,perc)
トム・コンスタンティン(key)
ピッグペン(vo,conga,organ)
定価\1785→中古\1180
自由ってダラダラってこと?でも、
そのダラダラを1965年から1995年に
かけて続けたんだからかなり眩しい。
ギターの音は典型的サイケ・ファズ
とは違い、むしろ1980年代的音色。
全ての作詞をしたロバート・ハンター
に私は興味を持ったが1959年に17
歳で高校を中退したガルシアが陸軍
除隊後に知り合った最初の相棒だ。
01/29札幌
札幌
コンサート
ホール
Kitara
(キタラ)
川越コンダクター。
演奏会『北海道交響楽団
第50回・創立25周年記念演奏会』 \1000
指揮;川越守、メゾソプラノ独唱;荊木成子
合唱;札幌放送合唱団、コール・アイオーン、
HBC少年少女合唱団
大作。いくら記念演奏会とは言え、100分
この曲を選択したことにまずは敬服する。休憩
なしでの熱演にも敬服。オーボエが弱いなどの
欠点は相変わらずだが本当にアマチュアか?
指揮者は見た目は頑固っぽいが、いい人かも。
01/30札幌
ユナイテッド
シネマ札幌
主演俳優★若林伸篤
映画『北の零年』 早朝\1200
監督;行定勲 、脚本;那須真知子 時間;168分
出演;若林伸篤、吉永小百合、渡辺謙、
豊川悦司、石橋蓮司、石原さとみ、大口広司
大後寿々花、柳葉敏郎、香川照之、安部サダヲ
吉永小百合もあの年齢で強姦の対象になる
など映画ならではの魔法を堪能した。監督の
行定勲は岩井俊二の助監督をしていたがなん
だか日本映画のまったく新しい系譜が見えてき
たような気がした。つまりこの映画には香川照之
が強姦する黒木和雄監督『美しい夏キリシマ』
農民のクワの音という北野武監督『座頭市』など
の過去の映画へのオマージュを私は連想した。
それらは「引用」ではなく伝統への「すりより」で
もなく新しい系譜を築こうという潔い「決意表明」
だ。つまり、私はこの映画を世間が評価している
ように「大傑作」とは見ていない。むしろ、欠点も
含めて日本映画の未来を見せてくれた偉大な
る通過点であると思うのだ。次回作こそ楽しみ。
Frorence Turner
フローレンス・ターナー
『At The Chelsea/ チェルシー・ホテル』
(91.1.21初版 TBSブリタニカ、元本'86)
訳;中川晴子、富永和子
定価\1500→古本\750
時代の変遷ごとに登場する固有名詞
を分けた部屋割り図が欲しくなる記録。
TERAROCK名盤100 70位
Faces / フェイセズ
『A Nod Is As Good As A Wink...
To A Blind Horse / 馬の耳に念仏』
♪ROCK!!ローリング・ストーンズに、なれなかった、おちょーしものたち。
(1971.12LP, 1993.9.14CD再発)
グリン・ジョンズ(produced)
Ronnie Wood / ロン・ウッド(vo, g)
Rod Stewart/ロッド・スチュワート(v)
Ian McLagan/イアン・マクレガン(ke)
Ronnie Lane / ロニー・レイン(b)
Kenney Jones/ケニー・ジョーンズ(d)
定価\1835→中古\1080
ロッドのイメージが濃いバンドだが
実は9曲中3曲をロニーが歌っている
ことが重要。ブリティッシュ・ロックの
重要な交差点として聴けば重い作。
01/30札幌
カフェ
エスキス
個展『山里稔 展「静かなる空間』フレンチ\450
イマドキ喫茶店なんて流行っているのか?と
半分冷やかしで入ってみれば、狭いながらも約
8人の先客がいた。モダン・ジャズが流れ、定期
的にアコースティック・ライブもするようだ。そして
壁にはアート。美味しいコーヒーにケーキ。ああ
いい気分。うるさくないアートはBGMのよう。でも
しっかりと計算された新しい手法の主張がある。
上野千鶴子、小倉千加子、富岡多恵子
『男流文学論』
(1992.1.25初版 筑摩書房)
鼎談の対象;吉行淳之介、島尾敏雄、
谷崎潤一郎、小島信夫、村上春樹、
三島由紀夫
定価\1800→古本\200
最近、なぜか富岡多恵子の本に手が
伸びる。彼女の本領発揮は詩や小説よ
りも評論だろう。もちろん、その評論の文
体が詩や小説になってしまっているので
あるからスゴイのだが。で、これは鼎談。
話し言葉は彼女の詩性を抜き去り論の
中心を剥き出しにする。そうすると、やや
つまらなくなってしまうのはやはり彼女が
詩人&小説家である証明となる。ここで
はケンカ上手の上野の強引さが良い。
01/30札幌
北海道立
近代美術館
展覧会『”ユゴー生誕200周年記念”
ヴィクトル・ユゴーとロマン派展』 \招待券
『レ・ミゼラブル』の小説家の資料を中心に、
同時代の絵画・彫刻・工芸・写真・楽譜・本など
フランス国宝級の資料を展示。企画のコジツケ
ぶりには他人とは思えない滑稽さもあるが時代
を輪切りにして目の前に見せられると面白いの
だからしょーがない。そこで私が気が付いたの
は、この巨匠の時代ですらも文学ではシェーク
スピア、音楽ではベートーベンに異常なぐらい
に巨大なコンプレックスを持っているということ。
それはそのまま当時のフランスがイギリスとドイツ
に東西のコンプレックスを抱えたまま、都市文化
(=パリ)を乱舞させていたという秘密でもあるの
かもしれない。私が1996年にパリのユーゴーの
自宅に訪問した時には中国の陶器が印象的で
あった。それは今のニューヨークも持つ羨望か。
青山真治『ユリイカ』
(2000.12.24初版 角川書店)
装丁;朝倉哲也、写真;小野寺久雄
定価\1680→古本\200
大衆文学とは、読者の持つ紋切り型
の発想を探し出す芸であり、純文学とは
さらにその紋切り型から逃げ惑うブザマ
さを生き方とする表現。だからこの小説
は純文学なのだろう。重要なのは作者
が「希望」にこだわった点。紋切り型から
逃げる時にはネガティヴを目指すのが
より容易な手法なのだから。また、発表
されたのが2001年9月11日より前であっ
た偶然に今は感謝したい。この巨大な
悲劇の事件性に便乗しての「希望」で
はなくて、予言に近い「希望」への渇望
であると私は思いたいのだ。小説の中
心には悲劇がある。しかし、それをめぐ
る登場人物たちが見せる小さな仕草に
いちいち作者のアイディアが仕組まれ
ている。そのアイディアは紋切り型から
逃げ惑うために考え出されたのである。
TERAROCK名盤100 75位
blur / ブラー『blur / ブラー
♪ROCK!いきなり怒涛のパンクビート、ディストーションギター!
(1997.1.29 東芝EMI)
デーモン・アルバーン(vo)
グレアム・コクソン(g)
アレックス・ジェイムス(b)
デイブ・ロウントゥリー(ds)
定価\2500→中古\780
後にバンドを抜けるグレアムがノッ
ていたアルバム。しかも、ここで導入
されたノイズが表現力となった。彼が
いなくなると内省的過ぎてしまうよ。
02/06札幌
札幌
東宝プラザ1
映画『ハウルの動く城』(2004,日本) 早朝\1200
原作;ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
監督,脚本;宮崎駿
声優;倍賞千恵子、木村拓哉、美輪明宏
なぜだか、宮崎駿があれほど嫌っていた手塚
治虫の絵に似てきた。個性的なキャラクター
動きの集積にも手塚の好みっぽい。デジタル化
された絵の情報の多いアニメが氾濫しているの
で、なんだか間延びした絵のような気がしたのが
私にそう思わせたのかもしれない。ただしそれも
「動く城」が出てくるまでの印象だった。間延びし
たように情報量の少ない絵の中に、極端に情報
量の多い「動く城」が登場すると効果はバツグン
である。これは宮崎監督の狙いか?もちろん、
手塚には「動く城」のような絵は描けない。物語
の重層性や象徴性は相変わらずであり、過去の
作品より増している。そのことは「難解」であると
思わせたり、ビデオ販売に結びついたり(笑)も
するだろう。特に主人公が老婆と少女の顔を、
説明も無く変えだす後半はビデオ化されてから
改めて語られるだろう。戦争の意味も同時にだ。
澤井繁男『ルネサンス』
(2002.3.20初版 岩波ジュニア新書393)
定価\819→古本\300
クイズで、「イタリア文学の三巨星とは
誰か?」というのが出たら超難問だろう。
「それではヒント。ダンテとボッカッチョが
その内の2人。では、もう一人は?」と言
われてもヒントにゃぁーなりゃしない。答
は、ルネサンス運動の首唱者であった
ペトラルカ(1304―1374)だ。答を聞いて
すら「ふ〜ん」としかリアクションできない
のが普通だろう。そもそも平均的日本人
にとってルネッサンスと言えばレオナル
ド・ダ・ヴィンチでありミケランジェロなの
だ。この本は高校生向けの優しいガイド
のハズなのだが、ペトラルカに重きを置
いて論旨が進められている。そこに著者
のたくらみがある。もともと著者は悪魔学
や錬金術の研究家である。正統なことを
望むのが間違っているのかもしれない。
しかし結果的に周辺の人物が今までの
ビギナー本よりもよりクローズ・アップさ
れて、もともと分り易さに閉じ込められて
しまっていたルネサンスを可能性がむき
だしになった闇の中の裸の状態にして
読者の前に提示したことに意味は大き
い。一般読者にとっては耳慣れない名
が連ねられていっても、大きなうねりは、
「ダンテ=大衆的イタリア語の創出」→
「ペトラルカ=理想的人間像の追及」→
「ボッカッチョ=商人のような人間性」→
「ピーコ=自然魔術による宗教相対」→
「コペルニクス=宇宙本質の地動説」→
「ガリレオ=近代自然科学の萌芽」→
「ダ・ヴィンチ=機械考案の万能人」とな
るのは学校の授業通り。韻文の確立者
としてペトラルカが果たした役割の大き
を認めたい著者の文学者の気持ちだ。
02/03深川
ブック
バーゲン
深川店
Black Uhuru / ブラック・ウフル
『Red / レッド』
♪ROCK!ブラック・ウフルーのサードアルバムだが、初期の名盤との誉れ高いものだ。
(1981 Island Records, 1991.6.25)
Michael Rose / マイケル・ローズ(vo)
Puma Jones/ピューマ・ジョーンズ(v)
Derrick Simpson
/ ダッキー・シンプソン(vo)
演奏;Sly & Robbie / スライ&ロビー
Sly Drumbar(ds,synds)
Robert "Robbie" Basspeare(b)
Sticky Thompson(percussion)
Ranchie McLean(rhythm g)
Mikey Chung(rhythm g)
Robert Lyn(p)
Keith Sterling(p)
Robert Shakespeare(p)
Mikey Chung(lead g)
Dougie Bryan(lead g)
Ranchie McLean(lead g)
Barry Reynolds(lead g)
定価\2018→中古\924
ストリート・スライダーズのメンバー
全員が好きなバンド。聴いてみると、
確かにロックに近いレゲエ。それは、
ボブ・マーリィたちより若い世代だか
らか?スライダースの曲作りに影響を
与えているのも確認できる。歌詞は、
けっこう政治的なんだろうが、訳詩が
無い。演奏しているバンドも、良い。
02/06札幌
大丸藤井
セントラル
7F
スカイ
ホール
『大谷高等学校 美術科 第16回卒業制作展』
〜〜 言葉の意味 意味の絵画 〜〜
年齢からなのか、過剰なる内面をかかえつつ
も、拙い表現力でそれぞれが立ち止まってしまう
ラインが違うのが面白い。全体の共通点は絵の
中に文字を入れたがる嗜好だ。絵画だけでは、
表現しきれない自分の内面を文字(=言葉)に
頼ろうとするのか。はたして絵よりも言葉のほうが
意味を持っているのだろうか?その答えも出さな
いままに、彼女たちはとりあえず表現することを
強制されたようだ。しかし彼女たちが頼りにして
記号のように絵画の中に入れるその文字たちも
まるでレタリングの練習のように意味がない羅列
であったり、凡庸な意味であったりする。その中
伊藤都「病葉」が少し先に出て立ち止まった
印象を与えてくれる。意味を排した、ひらがなと
ローマ字の組み合わせであるが、構図が意味を
浮かび上がらせている。完成形ではないが絵画
を選択した者にとっては、言葉ではなく構図で、
意味を表現できる可能性を探る姿勢を大切にし
てほしいと思う。さらに絵画にとって重要なのは
構図の創造力と同時に技術力であるが、そちら
藤森詔子「私に中に必ずある真実を見つける
為に」が良いがヘタクソでも甕智子「隠す日々」
のイメージは面白い。本展の中で構図と技術の
力量のバランスが一番高いのは遠藤歌織「守り
人」だが、なんだか全道展向きだぁーっとカテゴ
ライズできてしまうと今度は魅力が減ってしまう。
では、どんな方向が一番私にとって魅力的かと
問われれば栗田彩「後ろを見てはいけないよ」
か。この絵はおそらく作者の怠惰などが原因で
完成の前に展覧会に提出してしまったのだろう。
しかし、「時間が足りない」ことは高校生の彼女
たちにとっては最もクリアし易い欠点なんだし。
02/06札幌
さいとう
ギャラリー
展覧会『多摩美術大学版画OB展2005』 \0
レベルが高く、しかもリーズナブルな価格で売
られている。ポップ後の石井桃が気に入った。
村上春樹、吉本由美、都筑響一
『東京するめクラブ 地球のはぐれ方』
(2004.11.15初版 文藝春秋)
鼎談の対象;名古屋、熱海、ハワイ、
江の島、サハリン清里
イラスト;安西水丸 
写真;都筑響一、石川啓次、松村映三
デザイン;大久保明子、斎藤深雪
定価\2100→古本\700(水ヌレアリ)
こーゆー本を読むとインターネットが
いつの間にか築いた新しい情報文化の
巨大な存在に今さらながらに気付かさ
れる。つまり手法とトリガーの発露が同じ
なのだ。ただし、こちらは文章のプロが
書いているのだから、そんじょそこらのH
Pやブログとは一緒にすんなー・とゆー
声も聞こえてくるかもしれない。しかし、
今や情報民主主義革命(?)は無血の
まま、とゆーか、いつの間にか達成され
たようで、文章のプロもアマも関係ない
インターネット解放戦線ではある。でも
「魔都、名古屋」とか「誰も(たぶん)知ら
ない」と言った、どっかで聞いたことがあ
りそーなフレーズは先に出版メディアで
使った方が勝ちであり、そんな微妙な、
優位性だけが残っている。とにかくこの
手の本は「ゆるさ」が命なので、その点
はサスガである。私は思わず根本敬ら
の『定本ディープ・コリア』を思い出した
が、両者の圧倒的な差は「品」である。
しかし同時にそれ以外は全て同じなの
かもしれない(笑)。「品」のグレードのみ
がブログの個性なのかもしれないけど。
02/24配送
ヤマト
クロネコ
メール便

田原本人
からの
謹呈。
V.A.(レーベル内CDのサンプル)
『booxbox annual CD 2004-2005』
♪「booxbox annual CD」シリーズ、いつかプレミア物になるようならいいなあ・・・。
(2005 有限会社ブックスボックス)
収録アーティスト;柳瀬美保、谷本光
長根あき、新田昌弘、タルバガン
プロデュース&MC;田原ヒロアキ
\無料進呈。
毎年更新で各年1000枚限定。
田原の仕事は”戦い”である。彼
のじっくりと重ね上げられてゆく仕事
の軌跡が描く巨大なラインが少しづ
つ私に見せてくれる全貌の円環が、
ある明確な意図を確実に持っている
ことを常に宣言している。その証拠に
彼がリリースしてきた全作品は1997
年12月の創業から全てが古くなって
いない。つまり彼の”戦い”の礼儀は
人間の暗部に潜んでいる「普遍」を
つまみ出すことにある。その作業が
情況を変えてゆくのであれば、彼の
”戦い”は勝利を得る。戦いはまだ道
半ばであるが蓄積された豊潤なコン
テンツを見せ付けられる時、私自身
が鼓舞されてゆくのであるから、この
ゆるやかなアジテーションは静かで
はあるが確実に大地に染み込んで
いってるのだ。そのまま、進むのだ。

柳瀬美保
fromCD『ふたつの小鳥』
たとえば、柳瀬の歌う歌詞を全て
反対の意味に変えて歌ってみれば
早川義夫になるかもしれない。では
柳瀬に価値が無いかと問えば、そう
ではなく浮かび上がってくる彼女の
固有の「自然」を楽しみたい。ただし
そんな時でも、私の乾いた脳味噌の
中では早川義夫が「♪鳥でも花でも
なんでもないのさ」と、歌っているが。

谷本光
from『サンクス・トゥ・ミュージック!!』
全面肯定が全面降伏ではないと
教えてくれる音。そこで我々が学ぶ
のは軌道修正の必要性よりも、世界
そのものを抱きしめることの重要さ。

長根あき
from『Mon-o-lah モノラー』
田原の”戦い”の手法は徹底した
情報の平等化だ。その前衛がこの音
なのだろう。力技でヒットチャートの
曲とムックリを同じ情報量の場にさら
すことによって、情況は変わるはず
だ。そのプロデューサーの意図を、
さらに上回る手法で大きく踏み込ん
だ音の造形を成しえた長根は逸材
だ。と、同時にそんな優れた表現者
に最も良い環境で芽吹かさせるのが
プロデューサーの仕事であるのだ。

新田昌弘
from『SHAMISEN KID』
新田の持っている、天性の才能の
本質は”ポップ”だ。拡張する電子の
時代の三味線の可能性を楽しみた
い。そのためにこそ、優れたプロデュ
ーサーが必要となってくるわけだが。

タルバガン
from『タルバガン大地に立つ』、
『TAIGAM マイ・タイガ
彼らが持っているそこはかとなく漂
うユーモアこそが、人間が持ちうる最
強の武器なのだと思える希望の音。

MC;田原ヒロアキ
なんだか往年のNHK-FM『サウン
ド・ストリート』の渋谷陽一を思い出し
た(笑)。ロマンチスト田原の相手を
選ばない書簡集が拡散されることを
夢みる私もまたロマンチストなのか。
02/06札幌
ギャラリー
どらーる
(北4西17
HOTEL
DORAL)

【昨日と明日の狭間で】山川彩子
展覧会『寒昴展
會田千夏 川畑摩沙子 山川彩子』 \0
真冬の休日の朝。布団の中で思うのは「風呂
に入ってから除雪をしようか」、それとも「除雪を
してから風呂に入ろうか」ということだ。厳寒の世
界に入る時、風呂上りの火照った体であれば寒
さはむしろ心地よい刺激になる。もしくは髪に寝
癖が残ったままに布団から一気に屋外に飛び出
した体が冷え切った後に入る湯温42度の風呂
からは肉体の再生の喜びを味わうことができる。
このどちらを今朝は楽しもうかと布団の中で怠惰
に悩むのも、それが休日であるからこそのこと。

 會田千夏が描くのは「風呂に入ってから除雪」
をした絵だ。それは楽園に満足できなかった者
のみが行う、自らを追放する厳しい世界だ。人工
的に暖められた肉体が自然の厳しさによって一
気に冷やされ、さらに除雪という自らの運動によ
り再び肉体の火照りを取り戻してゆく作業。体温
は再び暖かさを獲得するのだが、その暖かさは
まったく別の暖かさになっている。このように會田
にとっての「成長」とは、イメージを別のイメージ
に置き換えることだ。その過程で肉体が記憶(=
経験)するのは、イメージの重層だ。人間は無
数のイメージの網の中に放り出されるかのように
して生まれてくる。しかし、イメージを意味に置き
換えることが「成長」することであると学ぶ場が多
すぎる。會田の「成長」史は、むしろ複数のイメ
ージの間にあるエア・ポケットのような不確かな
空間への興味だけを頼りに独自の地図を作って
きた。そもそも彼女が注目され始めたきっかけの
2003年全道展の協会賞受賞作「雨の日の自画
像」も、我々はその写実技術の高度な確実さに
驚かされたのだが、彼女の興味は既に背景の
壁のシミが持つ不確かさの方であったのだろう。
油絵を志す者は、その技術の習得過程におい
て油彩画材が最初から持っている独特のマチエ
ールや筆の荒さが生む偶然に、このジャンル固
有の表現の面白さを獲得してゆき、その偶然性
と自分の力量のバランスの位置取りによって「個
性」のおさまりどころを探し当ててゆく。會田の場
合はそれら偶然に頼るまでもなく、最初から写実
技術を獲得していた。本来であれば天から選ば
れた才能として安心する権利すらあるのだが、
おそらく彼女は逆に、その自らの器用さゆえに、
通常の画家が成長過程で体験する筆の荒さが
生むマチエールの偶然性の魅力を享受してい
ないことにコンプレックスを感じていたのかもしれ
ない。つまり、せっかく築いたイメージの城が、彼
女の持つ過剰なる写実技術ゆえに、彼女の意
図を先回りしてイメージを”意味”の籠に押し込
めてしまったと彼女は感じたのではないだろう
か。ある意味、写実技術を獲得するのは画家の
目標の一つでもあるのだが、その写実技術によ
って同時に手に入れてしまった饒舌すぎる意味
が生む先回りの”説明”が彼女には不快であっ
たのだろう。絵画とは意味や説明ではなく、ただ
ただイメージの爆発だけで良いのだから。そこで
彼女が打って出た方法論が、油彩画家の初期
衝動のような筆の荒さやマチエールに相当する
イメージを、まったく逆のベクトルである高度な技
術を利用して、新しく創造することであった。そ
の理由から「雨の日の自画像」は壁にピンで貼
られた蝶や甲虫と同様に、自画像も過去の自分
の標本に過ぎないという深読みができる。もっと
踏み込めば、自画像を標本にしてしまった”遺
作”を描くことによって、彼女は次のステージへ
進もうと、雨の日の密室で決意したのであろう。
今回の展示の中では、作品「語り島 2005 Y」
がイメージの重層を最も分り易く見せてくれる角
度を提示している。植物らしき緑の生命体たち
が不完全な球体を寄せ合いながら、数学的な
パズルを形成している。さらにそれに、ぶら下
がる細い根のような蜘蛛の糸のような有機物の
存在を見せ、下部にチラリと水の広がりを見せ
る。ああ、これが「島」なのかと思わせておきなが
ら、その直後には、ぼやけた輪郭の謎を提示し
て、実はこの部分は”のぞき窓”から見た風景で
あるという種明かしを見るものに突きつけ、眼底
に記憶されたそのイメージそのものが、ふわりと
中空に浮かび上がる。すると、それらが複合化
された幻影そのものが「島」のようになり、ついに
は仮想のイメージが影を持つ。左下には遠い惑
星のような影さえも見えてくる。ここはいったいど
こなんだ?「語り島 2004 TUV」の連作は、さ
っきまで私が入っていた風呂の浴槽につかって
いる時に見た、バスタブの周辺の人差し指ほど
の幅の部分に、うっすらと乗っているお湯を思い
出させる。ステンレスの上に乗ったお湯は最高
に不安定な存在でありながら、風呂に入ってい
る者にとっては全てのお湯をそこから排除する
ことには無力である。お湯は、ゆっくりすべりな
がら伸びたり縮んだり、ゆっくり近づいてきた別
のお湯の玉と合体したりしながら、バスタブに肩
までつかっている私の視線の高さと同じ位置で
生き物のように変態を繰り返している。休日でな
ければ、こんなことに気がつく時間的な余裕は
無い。私は初めて2004年の全道展で「語り島
2004 TUV」を見た時、重力に正直なばかり
に二つに分離してゆくかのような姿に、口を開け
て語ろうとしている顔を連想した。それがタイトル
の「語り」であるのかと思ったのだが、今回の展
示では、そのような表現は他には無く、それで
も連作の題は「語り島」のままである。さらに、「語
り島 2004 W」では中央部に樹木を屹立させ、
「小品V」「小品W」では球根へと変態してい
る。そこでは、會田は植物のメタモルフェーゼを
イメージの重層の中から浮かび上げたのであろ
うか?その自問に即答できないほど、會田の絵
は動物的である。もっと言えば、これらは植物と
言うよりは、臓物である。限りなく清潔な臓物が
植物のフリをして”のぞき窓”の侵入者に、おど
けた仮の姿を見せているだけなのだ。「語り」と
は、「言葉」が紡ぐ「物語」であろう。「島」とは、
「生命」が紡ぐ「宇宙」であろう。會田の言葉は意
味ではなくイメージであるから、イメージでつづ
られた物語が島として可視化されたのだ。宇宙
に初めて言葉が生まれた時、それを使ったのは
人間ではなく、宇宙自身であったのだろう。それ
は、宇宙最初のイメージだった。植物とも臓物と
も区別がつかないイメージであった。そう。宇宙
で最も大きな島は、イメージだ。そして、最も小
さな島は、水に浮かぶ一粒の種子なのだろう。
イメージのDNAを運ぶ無限のマトリョーシュカ
しての種子。そこで聴こえてくる音楽は、たとえ
ローラ・ニーロのアルバム『ニューヨーク・テン
ダベリー』

 山川彩子が描くのは「除雪をしてから風呂」に
入った絵だ。それは寡黙な季節を知っている者
のみが経験できる、全身の皮膚が饒舌な花園
へと開く世界だ。真冬の北海道の屋外の気温と
同じ温度まで下げられた皮膚が、風呂に入るこ
とにより、全ての毛穴から一斉に原色の水中花
を咲かせる。その化学反応が起こる時の熱量が
山川の作品の魅力だ。しかし注意したいのは、
我々は熱量の魅力に気持ちが奪われてしまい、
その化学反応が何と何で起こったかということへ
の興味を見失ってはいけない。私が展覧会に訪
問した時に、在廊していた彼女が接客中の先客
と色について語り合っている声が壁の裏側から
聞えてきた。「私は色を減らすことができないん
です。」それはそれまでの会話の流れから急に
トーンが変わり、まるで彼女の独り言のようになっ
ていた。先客も少々あわてたらしく、笑いながら
それを否定していた。確かにこの発言には、まる
で64色の色鉛筆を誕生日にプレゼントされた少
女が喜んで全ての色を使って絵を描いたかのよ
うな印象に彼女の作品を一気に持っていく説得
力もある。しかし、私にとって印象的だったのは、
その発言の内容よりも、他者との会話の最中に
急に独り言の告白のような口調に変わることが
できる彼女の思考の流れの方だ。そのことに気
が付いてから改めて彼女の作品群を見てみる
と、豊潤な色使いの作品なのに、陽気なオシャ
ベリのような賑やかさが聞えてこないことが確認
できた。若さの特権とでも言うべき、はしゃいだ
気配も無い。それは色だけではなく、若者や南
国の動物や蝶などの素材が持っているイメージ
から考えてみても、彼女は素材本来の持つイメ
ージを別のイメージへと化学反応させて、不思
議な静寂を創造したと言える。つまり、中心に描
かれている人物と周囲に描かれている世界との
対比が生む化学反応がテーマなのだろう。その
対比を差異とか、違和とか、さらには対立などと
読み替えて絵を見てゆくと面白い。明らかに融
合や溶解ではないのだ。それでいて優しく包ま
れている。つまり、あえて言えば「出会い」なの
だ。人物は「昨日と明日の狭間で」ではアゴヒ
ゲにウォレット・チェーンの男性、「時の行方」
「landscape」は同じTシャツを着ているので同一
人物なのだろうが、ピン・ストライプのカーペンタ
ー・パンツをはいている男性であり、彼らのファ
ッションは明らかに現在の風俗の象徴である。
逆に自画像であろう女性が中心に描かれている
「とき放たれて」「組曲〜moderate〜」では、タ
イム・レスなファッションで身を包んでいる。さら
に、男性を囲むのは動物や泳ぐ魚であり、女性
を囲むのは植物や図鑑のように整列させた蝶や
貝殻である。ここにも明らかなモチーフの選択の
差がある。それらのファッションと動植物の差と
いうキーワードの放つメッセージから、現在の象
徴としての男性、普遍の象徴としての女性と見
分けることも可能だ。「とき放たれて」でとられて
いる女性のポーズは、大きな公募展では必ず
数点目にする絵画では定番のものだ。同様に
山川が描く全ての絵画の人物は、動かずに描
かれることを待っているモデルのポーズである。
かと言って、それらが豪華な花に囲まれた死体
のように描かれているわけではない。むしろ、
生の過剰さゆえにアンバランスさを抱えた「若
さ」が、現在と普遍との間で寡黙に希望を温め
つつ、来るべき予言者を待っているかのようだ。
そう私に思わせるのは山川の画力の興味が「意
志」を表現することに成功しているからであると
思う。たとえば、「時の行方」の青年の太い首に
隆起する筋や右腕の逞しさ。それでいて痩せ
た体をイメージさせるTシャツやズボンのシワ。
「とき放たれて」の首と左脇の魅力的な青の点
在から、ワンピースのシャープなストライプの流
れを経て柔らかい腰のボリュームへと広がるメロ
ディーのようなライン。山川流のリアリズムがいた
るところで確認できるのだ。そしてそのどれもが、
けっして弛緩されない意志の表現のために使わ
れているのである。これらの人物と化学反応を起
こそうとするのが若者を囲む世界である。「時の
行方」では、デザイン化された象などの南国の
動物に混じって、ニューオリンズのミシシッピ川
で活躍中の有名な観光用蒸気船ナッチェス号
の船体までもが見える。水の交通があれば、上
部にはヘリポート標識、下部には道路標識、左
中央には交通信号機まである。あらゆる交通手
段の象徴が揃った世界を、あらゆる原色が共生
しながら描かれる。交通手段は「出会い」の隠喩
であり、多彩な原色は「希望」の隠喩である。絵
の中央に置かれた若者の着る青系の服には赤
系の陰影が付けられ、彼を囲む世界は多彩な
イメージを黄色がつないでゆく。これだけの色を
使っていながら破綻しないのには、山川なりの
緻密な計算と配色の工夫があることが分る。山
川が「私は色を減らすことができないんです。」と
告白したつぶやき声が私の空耳ではないとす
れば、無限のピースのジグゾー・パズルのような
緻密な配色を楽しまずにはいられない業の深さ
に私は震える。また、「とき放たれて」「昨日と
明日の狭間で」に登場する「1945」の墓碑銘の
ような道しるべのようなものは何だろうか。1945
は、もちろん日本の敗戦の年である。そう考えれ
ば絵のタイトルの説明の補助にもなる。それでは
何故、山川はこの数字=年号を選択したのであ
ろうか。山川の世代であれば、阪神大震災とサリ
ン事件のあった1995や、911といった数字の方
が現在性をより持っているような気もするのだが。
もちろん、1968や1970などでも良いのだが。た
だ、1192では笑っちゃうかもしれないが。もしか
したら、山川の両親の生れた年が1945なのか
もしれない。いずれにせよ現在と普遍を化学反
応させようとする作家が選んだ数字であるのだ。
山川が演出する化学反応を私なりに単純化して
説明させてもらえば、こうだ。ホットな世界にクー
ルな人物を中央に置く。または、クールな人物を
ホットな世界が囲んでゆく。このイメージは、若
者と世界の関係の比喩でもあるのだろう。そのた
めの画法として、人物は写実的に、世界はグラ
フィックにデザイン化して描き分けているのだ。
もちろん、色も同様に。これらの化学反応はタペ
ストリーのように複雑に織り込められて全体像を
形成している。その時、単なるデッサン・モデル
のような人物が万物を吸収する形而上的な空集
合の存在に昇華して磁場を作り出し、絵画全体
が魅力的な熱量を発するのだ。そこで聴こえて
くる音楽は、たとえばキャロル・キングのアルバ
ム『つづれおり』

 川畑摩沙子が描くのは、「布団の中で旅をす
る」絵だ。それは見ることの訓練の果てに風景
を鷲づかみにすることができた者のみが再現で
きる、体温を持った記憶の世界だ。私は「記憶
の中の風景」の前に立った時に中央遠景にそ
びえ立つ岩山の左右に描かれた、赤い霞にか
かったような山なみの描き方が気になった。それ
はまるで描きかけのようにも見えるし、思い出せ
なかった記憶の空白を印象で埋めているように
も見える。これは、「樹のある風景」の主役の岩
山の影のように後部に描かれている、幽かな気
配のような遠景の山にも見て取れる川畑の嗜好
なのだと思う。小品ではその嗜好はさらに露骨
になって「彼方」の構図は手前の植物と遠景の
山脈の間に大胆な省略と独特の抽象が溶け合
った表現方法が使われている。さらに小品「道」
に至っては、風景が記憶という溶鉱炉で川畑の
深層心理と溶け合ったものが絵として再び生れ
なおしたかのようだ。極端な言い方をすれば、
記憶も絵画の一種である。現実が肉体のフィル
ターを通して加工されたものなのであるから。た
だ、それが紙などに転写されていないだけの作
品なのである。それでは記憶とは何だろう?私
が思う記憶とは、「風景の体温の私有化」であ
る。川畑の絵が持つ独特の包容力のようなもの
は、まさにそれである。遠い距離から見ると、細
部が融合しあい印象とでも呼ぶべき全体像が浮
かび上がる。それと同様に、時間を経て思い出
せば、同じことが起こる。川畑が描く山なみや樹
木は、そのように描かれている。では、近い距離
から見て描いた場合はどうだろうか。「森・ここか
ら始まる」ではそれを、葉などがランダムな方向
に向いて描かれ、それぞれの葉に選ばれた緑
色のバリエーションが作品全体にリズムを与え
ている。手前と遠景の影が濃紺で描かれ、その
間の葉の隙間の暗部は赤系の色で処理されて
いる。その結果、黄色系で描かれた中央の人物
を突き抜ける一直線のラインが見るものの印象の
中に強く浮かび上がってくる。左上に広がる巨
大な植物は謎を秘めた豊かな形状を我々に見
せつけ、いよいよ「森」は創造の源であるカオス
の比喩として人物を包み込む。風景画を風景の
ままに描きながらにして、そこに明確な作者の意
思を刷り込ますには、このように見つめきった風
景を一度、記憶として取り込む作業が必要にな
るわけである。そこで聴こえてくる音楽は、たとえ
ニーナ・シモンのアルバム『ヒア・カムズ・ザ・
サン』

 かつてアドルノが「アウシュビッツ以後、詩を書
くことは野蛮だ。」と言ったのをもじって、「北海道
立近代美術館以後、絵を描くことはオバンだ。」
と私が言えば、またまた怒られるか?とにかく画
廊を回っても絵画教室を回っても、オバサンたち
は元気である。ある意味、私は彼女たちが日々
の営為で維持してくれている環境のおこぼれを
享受させていただいているので、素直に感謝し
ている。さて、かつての北海道の美術作家たち
は、展示スペースが無くて泣く泣く展示の規模
縮小を断行していた時代、北海道立近代美術
館の完成を長い間、夢みていたはずだ。これが
1977年の北海道立近代美術館の開館以後、
北海道内にも美術館は増え、相対的には画家
にとって幸福な時代になり、オバサンたちも展覧
会の間口が広がり、モチベーションとテンション
と血圧が同時に上がってきたのかもしれない。そ
んな元気なオバサンの横で男たちはどうであっ
たかと言うと、「定年して暇になった、はて何する
べ?と毎朝、新聞とにらめっこの日々のなか、ふ
と広告をみると美術館で○○展やってる。ちょっ
と言ってみるか!と腰をあげたのが切っ掛けと、
いうのが、アート人口の大半です。」という立場で
北海道立近代美術館以後の時代を楽しんでい
る。ちなみに今、引用したのは『寒昴展』終了と
同時に札幌店を終了させるエルエテ・ギャラリー
スペースの渡辺良隆オーナーの発言だ。北海
道立近代美術館をセンターに置いて、画廊主
は個別の理想と問題を抱え、泡沫としながらも、
作家とユーザーの間で天使の役割を演じてきて
いるわけだ。それでは、生れた時から北海道立
近代美術館があった世代は、それまでの世代と
どう違うのだろうか?技術の個人差とは別に、観
る環境の充実は製作者にとっては喜ばしいこと
である。いよいよ北海道近代美術も100年の蓄
積を持って、体系を俯瞰して楽しめる時代になっ
たということである。20歳を超えたらもはや「若さ
」とは相対的な概念に過ぎない。あえて言えば
蓄積された時間の中で、描く時間より見る(=学
ぶ)時間が多い現在が「若さ」なのであろう。そう
いう意味から言えば、偉大なる先輩作家たちの
後から来たものたちの作品は、ある意味では過
去の作家への批評として存在しているとも言え
る。今展覧会の企画者である美術評論家の吉
田豪介氏が、「道美術界全体が保守化傾向と
いう大きな安穏の中で意識の眠りにつく前に、意
義を申立てるあまのじゃくが出現してほしい。無
関心が日常に蔓延する前に、差別でも軽蔑でも
嘲笑でもいい、声高に叫んで知的な停滞を切り
裂くトリック・スターの出現をぼくは期待している
。負の連帯感が熟成することを熱望している。」(
『北海道美術をめぐる25年』1983年刊)と書いて
からも20年以上が経った。このタイミングで、生
れた時から北海道立近代美術館があった世代
による合同展が、通常はベテラン作家の健筆の
場であるギャラリーどらーるで開催されたことは
規模は問わないまでも新鮮なブレイク・スルーを
楽しみたいという環境の熟成が生んだ見事な結
晶であると思う。また、それはけっして重荷では
なく、軽やかに自分の創造したい意志にまかせ
るだけでよいということを作品を持って示してくれ
た三人から観客が与えられたものは、大きな希
望というやつであった。先にあげた3枚の音楽ア
ルバムを続けて聴いてみると、Coccoのアルバム
『クムイウタ』が私の耳の奥から鳴り出した。
坪内祐三VS福田和也
『暴論これでいいのだ!』
(2004.11.20初版 扶桑社)
構成;石丸元章
装丁;藤川コウ(サエラ)
カバー写真、写真;高橋聖人
定価\1890→古本\940
この本の出版当時、本屋で手にとっ
て連想したのは、浅田彰VS田中康夫の
『憂国呆談』(1999年)、『新・憂国呆談
神戸から長野へ』(2001年)だった。装丁
がまるでソックリだし、対談だし。両者の
歳も田中(1956年生れ)、浅田(1957年
生れ)、坪内(1958年生れ)、福田(1961
生れ)、ついでに石丸(1965年生れ)と続
いている。さらに&ついでに(笑)私は、
1962年生れなので、「ほーっ。」と面白
がりながら読んでいる。まぁ、明らかに、
石丸は『憂国呆談』のパロディのような
位置付けでこの本を企画編集したのだ
とは容易に想像がつく。ではなぜその
ようなことをしたのだろうか?そもそも『憂
国呆談』だって、幾多の先輩本のパロ
ディのようなスタンスである。パロディを、
さらにパロディ化することによって反転し
て浮かび上がってくる「社会」を記録した
かったのだろう。両者の相違点は多いが
その分析が、真っ直ぐ現代の分析にも
成りうる。そーゆー意味でも魅力ある組
み合せの二人である。とにかく、インター
ネットの普及による情報飢餓の現代に、
情報のカタマリである二人のガチンコの
対談は面白くないはずはない。そして、
重要なのは「文科系の不良」という隠し
味にして、実はメインディッシュの匂い。
別冊SIGHT『日本一怖い!
ブック・オブ・ザ・イヤー2005』
ジャンル別・恐怖の定番書評対談
(人気評論家の選んだ今年の5冊、
編集部の話題本3冊、計13冊を厳選)
●文芸・評論
高橋源一郎×斎藤美奈子
島田雅彦の文壇メッタ斬り
●エンターテイメント
北上次郎×大森「文学賞メッタ斬り」望
●ビジネス&サイエンス&政治
藤原帰一 山形浩生 稲葉振一郎
●マンガ
荷宮和子×南信長
●爆笑図解解説
誰もが知りたかった。このベストセラー、
誰が読んでいるのか
(『蹴りたい背中』、
『だめんず・うぉーかー』、
『堀江貴文のカンタン!
儲かる会社の作り方』など)
● スペシャル・インタビュー
北野武 「私はこんな本を読んできた」
よしもとばなな 「自作を語る」
伊坂幸太郎 「自作と文壇を語る」
(2004.12.25初版 ロッキング・オン)
編集長;渋谷陽一
編集;柳憲一郎、鈴木あかね、星真穂
アート・ディレクション;春日優子
定価\787→古本\390
私の数少ない習慣(=楽しみ)であっ
た年末恒例のリテレール別冊『ことし読
む本いち押しガイド』(メタローグ)を買お
うと昨年末は何度も書店に出向いた。が
しかし、いつまで経っても入荷はせず、
なんとこの企画本は中止になったような
のだ。出版社は倒産していないようなの
で、売れなかったから止めた・と、判断さ
せていただくしかない。その代わり(?)
に、書店に行くといつも鎮座していたの
が、この本。むむむ。私が買いにきた本
と似ている。版型も執筆者も。では代わ
りにこちらを買おうか?と、何度も手にし
たのだが、結局買わなかった。なんだか
リテレール別冊の「ハシャいでる」部分
ばかりを拡大したようで、生理的に(?)
しっくりこなかったからだ。買ってしまうこ
とは簡単なのだが、ここは買わない自由
を選択するという投票意志みたい(?)
な頑固さが私の中で勝ったのだった。で
思わぬ早さで、この本が古本屋で売ら
れていたので、こーなると私は迷わず
ソッコーで買っちゃう(笑)。で、読んで
みたのだが、なるほど。北野武の巻頭
インタビューという渋谷陽一の常套手段
も、読む前の不快感をぬぐうだけの面白
さがあった。よしもとばななを渋谷陽一が
プッシュする理由が、かつて彼が蜷川
幸夫や押井守、黒澤明に感じた日本の
海外評価に反比例する現象への不快
感だと知ったのも良かった。ただしこれら
は読者は一度知れば解決することなの
で来年のこの企画本に北野武やばなな
の代わりにどんな人物を選択して持って
くるかというメッセージが、今から期待&
心配してしまう(大きなお世話だろーが)
のだ。つまり、やはりどーしても私はどこ
かでリテレール別冊とこの別冊を比較し
てしまっているのだ。リテレールに登場し
ていた著者に対しては安心してOKを出
し、登場していない人物には疑念の目
から入って評価を下してしまっている。そ
れは不幸な対応の方法かもしれない。
しかし、やはりここで確認しておきたい
のは、リテレールに登場してこちらには
出てこない執筆者である。少なくとも私
は、毎年このようなベストものの企画で
四方田犬彦、笙野頼子、沼野充義、高
山宏、岡井隆、森毅、加藤典洋、平岡
正明、巽孝之、萩原朔美、穂村弘、鎌
田慧、平出隆、藤井省三、野崎歓、上
野千鶴子、斎藤慎爾、猿谷要、小谷野
敦、鶴見俊輔、青山南、久世光彦、清
水良典、石飛徳樹、飯沢耕太郎、小沼
純一の書評を読みたいのだ。さらにここ
に富岡多恵子、丸山健二、坪内祐三、
福田和也、中条省平が加われば文句
は言わない。つまり、何を論じるのかより
も、誰が論じるのかの方に興味があるの
だ。おそらく、したたかな渋谷陽一のこ
と、リテレール別冊が無くなったことを織
り込み済みで今回の単行本化を決定し
たのだと思う。で、あるならばこそ、来年
のこの企画にはさらに大胆にリテレール
別冊の執筆陣をサルベージして欲しい
と切に願う。それならば、スグ買うよ〜。

<今後、本誌に望む特集>
・四方田犬彦の竹島現地レポート。
・山口昌男の札幌大学学長顛末記。
・高山宏の悪魔学入門。
・平岡正明の古典落語CDレヴュー。
・中条省平の小説。
・富岡多恵子のギャラリー逍遥。
03/06札幌
Book off
札幌
南1条店
Orange Juice / オレンジ・ジュース
『You can't hide your love forever』
♪ROCK!You can't hide your love forever!
(1982.2オリジナル, 1991.7.25再発)
エドウィン・コリンズ(vo,g)
ジェイムズ・カーク(g)
デヴィッド・マックリモント(b)
スティーヴン・ダリー(ds)
CD化監修;フリッパーズ・ギター
バイオグラフィー、ネオ・アコ通信付
定価\2000→中古\950(\400値引)
かつて単行本『前略小沢健二様』
とゆー性格極悪だが興味本位では
とても面白い本を読んだ時、かつて
フリッパーズ・ギターがパクッた曲を
細かく紹介している後半のリストに出
てくるのがアズテック・カメラやモノク
ローム・セットなどで、本来であれば
私がリアル・タイムで聴いているべき
ポスト・パンクのバンドたちが集団で
並べられていて驚いたことがあった。
当時、PILやスージー&バンシーズ
らの根暗ニューウェーブの方に可能
性を感じていた私には聴く必要すら
感じていなかったバンドばかりだから
だ。そしてフリッパーズ・ギター人気
が最高潮の1991年に、彼らの手によ
って再発されたのが、このアルバム
であった。しかもCD付録の宮子和真
「ネオ・アコ通信」によれば、「オレン
ジ・ジュースは、アズテック・カメラ等
と比べても当時の日本では不幸とい
うしかない扱いを受けていたバンドだ
った。発売されたアルバムは『キ・ラ・
メ・キ・トゥモロー』という凄い邦題の
付いた2nd『リップ・イット・アップ』だ
け。」だという。だから私なんかには、
聴くチャンスすらなかったのもやむを
えない・かも。なんだか根暗とネアカ
の比較で、ネオ・アコがネアカにダブ
ってしまうのは暗い青春を過ごした私
のヒガミか(笑)?でもまぁ宮子によれ
ば、「オリジナル・ネオ・アコ組の中で
は最もアルバム・リリースの早かった
彼等」らしーので、歴史的役割は大
であったようだ。実際、聴いてみると
当時流行したナルシスティックなボ
ーカルは気にはなるが、かなり良質
なポップスではある。今また忘れ去
られてしまっただろうが、今後も何度
かよみ返る価値のあるアルバムだ。
矢野顕子『愛がなくちゃね。』
♪矢野顕子〜。教授との蜜月の日々!
(1982.6.25オリジナル, CD化1985)
Produced by 坂本龍一・矢野顕子
Steve Jansen(ds)
Mick Karn(b)
David Rhodes(g)
Robbie MaCkintosh(g)
高橋幸宏(ds)
細野晴臣(b)
大村憲司(g)
矢野顕子(vo,key)
坂本龍一(vo,key)
浜口茂外也(percussion)
駒沢裕城(steel guitar)
David Sylvian(sang Good Night)
定価\3500→中古\600(\400値引)
CDケース内に保護用のフェルトの
布がひいてある。当時の定価はLPよ
りも1000円高い。高級なイメージ。し
かし、当時のYMO〜矢野顕子ファン
にはブルジョワが多かったから、新し
モノ好きのくすぐりもあって売れただ
ろうなぁ。その象徴が4曲目「おいし
い生活」で糸井重里が作詞した西武
のCF曲だ。出演は、ウディ・アレン。
演奏はジャパン。豪華というよりは、
日本側が海外のアーティストを選択
することができるようになった国力の
向上(?)の意味が今から考えると大
きい。さらに作詞にピーター・バラカ
ン、作曲に高橋悠治も参加していて
選択は海外優先だけではないという
インターナショナルな自信も感じる。
しかも2曲目「悲しくてやりきれない」
はフォーク・クルセダースによる日本
のスノッブ・ポップス(?)の古典であ
り、これを加えることにより、派閥や、
歴史的ポジションすらもメッセージに
含ませたプロデュース能力は凄い。
03/06札幌
Book off
札幌
南1条店
三上義一『アウン・サン・スー・チー
囚われの孔雀』
(1991.12.10初版 講談社)
カバー写真;Sandro Tucci/Blackstar
定価\1500→古本\105
アウン・サン・スー・チーは、この本が
出版される2ヶ月前の1991年10月14日
にノーベル平和賞を受賞している。その
せいかこの本はハード・カバーで、表紙
の写真も美人をアピールしていて豪華
な雰囲気プンプンである。さぞや当時の
店頭では平積みされて多くの人が立ち
読みをしたのだろう。ただし、あれから14
年、日本人がミャンマーの現状を理解し
たとか、興味を持っているとは到底思え
ない。それはこの本が古本屋で105円
で売られていることが証明しているのか
もしれないのだが。さらに、私にとっての
ビルマのマイ・ブームのきっかけになっ
た本、田辺寿夫&根本敬『ビルマ軍事
政権とアウンサンスーチー』の出版は、
2003年5月だが、この『囚われの孔雀』
の出版の1991年12月までのビルマでは
激しい民主運動弾圧、特にスー・チー
が書記長だったNLD(国民民主連盟)
への弾圧がひどかったようだが、ここまで
政治が揺れ動いたのに、この12年間を
はさむ二冊の本の主張がほぼ同じなの
には驚かされる。書中の各章の分け方
も「アウン・サン・スー・チー伝」、「日本
とビルマ」、「民主化運動」などほぼ同じ
である。これは12年後の方の本が怠惰
であったからではなく、問題が進展して
いないということであり、むしろ国際的に
問題を放置していた世界の責任である
と解釈すべきである。ここまで問題が純
化しているのも、キー・パーソンとしての
アウン・サン・スー・チーの存在のお陰
である。しかし同時にビルマ・ミャンマー
の政治情報と言えばスー・チーの監禁
情報しか報道しない世界中のマスコミの
怠惰さを見ていると、彼女の存在のみが
全てであるかのような巨大な存在が本人
の意図とは別に、流動的で複雑な問題
を単純化しようとする巨大マスコミの嗜好
が隠蔽してしまう巨大なゴミ箱のフタのよ
うな広告塔に彼女がなってしまっている
というヒニクを感じてしまう。もしも彼女が
この世からいなくなってしまったらビルマ
報道は無くなるのだろうか?まさか。が、
彼女が存在しているうちにこそ、行動を
しておかなければならないことは沢山あ
るのだ。それはビルマ人だけの課題で
はなく他国の我々の課題でもあるのだ。
V.A.『拝啓、越路吹雪様。
Sans toi ma-mix
Koshiji Fubuki Tribute』
すてきの系譜♪拝啓、越路吹雪様。Sans toi ma-MIX!
(1996.11.7 東芝EMI)
Produced by 永瀧達治&仙波知司
1.サ・セ・パリ〜セ・シ・ボン
(T.V.ジーザス produced 小西康陽)
2.アマリア(本田美奈子)
3.ろくでなし(小島麻由美)
4.人の気も知らないで
(石井好子&新井英一)
5.イカルスの星
(エレクトリック・グラス・バルーン)
6.芽生えて,そして(越路吹雪・
remixed by ナガタキ&コンドウ)
7.サン・トワ・マ・ミー(RCサクセション)
8.ラストダンスは私に(高橋クミコ)
9.暗い日曜日(暴力温泉芸者)
10.枯葉(あがた森魚&玉貴)
11.そして今は(桜井鉄太郎)
12.明日は月の上で(KAZMI)
13.愛の讃歌(越路吹雪 original ver)
定価\3000→中古\600(\400値引)
永瀧達治の名前が付いているモノ
は迷わず買って失敗は無い。この企
画もドンピシャだった。もちろん、多く
の参加者は私の想像の範囲内だが
今回は高橋クミコの存在を知ることが
できたのが、編集者としてのプロデュ
ーサーに感謝したい。高橋クミコの
録音は1996年1月に東芝EMIにて、
仙波知司のプロデュースで行われて
いる。その条件の一致が、実はこの
企画の中心にこの録音があったので
はないのだろうかという邪推が私の中
で起こった。もちろん、それでいいで
はないか。エスプリとかスノッブとか、
名付けてみたところで私たちは快楽
の奴隷であることの確認にすぎない
のであるから。越路吹雪という巨大な
器を再発見し続ける行為こそが贅沢
な「発見」の連鎖を生む交差点なの
だ。その器の中ではRCサクセション
も、暴力温泉芸者も、あがた森魚も、
一芸を持つ芸人として再登場する。
安原顯『畸人・怪人伝
シュルレアリスト群像』
(2000.7.25初版 双葉社)
評論の対象;ガラ、アルトー、バタイユ、
ルーセル
カバー;サルバドール・ダリ
装幀;山田英春
定価\1785→古本\800
この本を読むとどーしても吉本隆明の
『書物の解体学』(1975年)を思い出す。
こちらも、ジョルジュ・バタイユからユング
まで9人の評伝である。しかも編集者は
安原顯なのだ。つまりどちらも安原顯の
趣味がトリガーになっているのは間違い
ないっ!ただし、安原の著作の方は彼
らしいと言えばそれまでだが、読んだ本
の内容を思いついたままに、つらつらと
(=もしくは、ダラダラと?)書いているの
にすぎなく、吉本のように「評」にはなっ
ていない。だから、読み始めは興ざめも
していたのだが、すぐにこの本の本当の
面白さは評伝&書評の姿を借りた安原
の自伝であることに気が付いた。例えば
1960年刊の飯島耕一『アポリネール』を
美術出版社の鈴木一男に古本屋で捜
してもらい進呈を受けたり、「ぼくが、エリ
ュアールの詩を読んだのは、1950年代
安東次男訳『万人のための詩』(青木書
店)だった。」という回想などは、私には
ゾクゾクする。これも百戦錬磨の乱読の
地獄道を歩いてきた者だからこそ書ける
「自伝」なのだ。つまり、書名の『畸人・
怪人伝』とは、著者のことでもあるのだ。
04/09札幌
PAGE On
Bob Dylan / ボブ・ディラン
『John Wesley Harding /
ジョン・ウェズリー・ハーディング』
はじけるドラミング♪ROCK!John Wesley Harding!
(1968オリジナル, 1991.12.1再発)
ボブ・ディラン(vo,g,harmonica,p)
チャーリー・マッコイ(b)
ケニー・バトリー(ds)
ピート・ドレイク(steel g)
CD解説;菅野ヘッケル
定価\1800→中古\1200
12曲中10曲をたった3人で演奏。
しかもメロディ楽器は全てディランが
演奏し抜いている。もともとアコギ1本
のフォーク・シンガーであったから、
当たり前なのかもしれないが当時は
ビートルズ『サージェント〜』が発表
された年だ。まるで『ジョンの魂』の先
取りのような世界だ。唯我独尊の彼
らしい、世間のモードとは違う姿勢が
興味深い。バックを固めるリズム体の
2人も、はじける演奏で好演。曲も、
名曲の連続である。多義的な歌詞も
いつも以上に魅力的で、この時期の
彼の神がかりな才能に驚かされる。
03/16札幌
ギャラリー
どらーる
から届く。
鬼丸吉弘『創造的人間形成のために
子どもの絵を考える』
(1996.11.15初版 勁草書房)
装丁;寺山祐策
定価\2472→古本\0いただいた。
同じこの著者の著作を、同じ方からい
ただいたのは2冊目である。つまりこの
プレゼントには一貫したメッセージが贈
った側にあると受け止めるのが貰った側
の礼儀である。そのメッセージの一つは
北海道在住の数いる美術評論家の中
でも読むに値する著者がこの人であると
いうこと。この本も最初にいただいた『児
童画のロゴス』(1981年12月20日 初版)
も、内容も主張するところもレトリックも、
ほぼ同じである。大きく違うのは15年前
は「で・ある体」で書かれ、今作が「です
ます体」で書かれている点。それは58
歳の処女作を密度の濃い学術書として
仕上げようという気負いと、73歳の超ベ
テランが余裕を持ちながら啓蒙しようとし
ていることの差である。その幅を持ったス
タンスへの変化は著者が過ごした15年
間が幸福な学者生活であったことを証
明しているかのようだ。実はその「幅」や
「余裕」こそが著者が子どもたちへ向け
ている視線でもあるのだ。ただし、そのあ
まりにも原理主義的な論理の進め方に、
私のようなヘソマガリは居心地が悪くな
る場合もある。そこで今回は私はあえて
反論しながら読み進めてみた。著者は
あとがきで「反発もむろんあったわけで
す。ですがこうした類のものは残念なが
ら、すべてまったく感情的な反発に留ま
って、論理的あるいは実証的に、私の
言うところを正面から反論したと言ってよ
いものは、残念ながら一つも目にするこ
とができませんでした。」と自信に溢れた
勝利宣言をしているが、確かに面白いし
本人が思っている以上に凡庸な理論で
あるからこそ原理的なのだが、本文中に
は反論が可能な箇所が沢山あるのもま
た事実なのである。たとえば「段階を、
自分の力で超える」という著者の代表的
な考え方も、段階に気がつかせる近道
を教えることこそが教育である、と反論
することが可能だ。また、段階をさらに
細かく分析する必要があると私は思うの
だが、その作業の現場もまた教育なの
である。そこで引き出されてくる私の疑
問、「段階は全ての人に共通なのか?
ましてや細かいレベルでも?」というのは
そのまま反論として成り立つ。そのほか
にも著者は「大人の、視覚による認識を
押しつけること」を戒め、「子どもの絵に
は、身体感覚主導型から視覚主導型に
向っての、自然な段階移行を保障して
やらなくてはなりません」と主張するが、
ここにも論理展開のねじれがある。視覚
主導型へ線状に進むのであれば、観察
力を指導することは方向性として正しい
という矛盾に著者は気が付いていない。
矛盾の最大のものは、子どもの「内的必
然性」の重要性を声高に唱えながら「結
果より過程です」と進化の方向を直線上
と信じている点だ。個性としての「内」で
あるはずなのに、「過程」は同一であると
しているのは明らかに矛盾である。この
矛盾をカバーするレトリックが「どれだけ
真摯に立ち向かったか」と、一気に精神
論になるのもいかがなものか?もちろん
私の「反論」は細かい点にこだわりすぎ
ているのかもしれない。しかし、原理を
見つけようとする作業には常に矛盾が
内包されているということに著者はもっと
自覚的になっても良いはずだ。この本
は魅力的であるし、それゆえに多くの
教師やPTAが原理本として利用していく
価値がある。だからこそ、著者にはさら
なる論理武装をしてほしいのだ。15年前
の著作の普及版を再生産することに甘
んじて欲しくないのだ。また今後は得意
のピカソだけではなく幅広い画家と児童
画の比較を展開していってもらいたい。
Bob Dylan / ボブ・ディラン
『Planet waves /
プラネット・ウェイヴズ』
はじける言葉♪ROCK!Planet waves!
(1974.1オリジナル, 1991.12.1再発)
ボブ・ディラン(vo,g,harmonica)

THE BAND
Robbie Robertson(g)
Rick Danko(b)
Levon Helm(ds)
Garth Hudson(organ)
Richard Manual (ds,p)

Recorded November 5, 6 & 9
Village Recorder,
1616 Butler, West LA
Engineer ; Bob Fraboni
Assisted ; Nat Jeffery
Special Assist ; Robbie Robertson
CD解説;菅野ヘッケル
定価\1800→中古\1200
7年間の隠遁生活から出てきた彼
のファンファーレのようなアルバム。
ロビー・ロバートソンのギターも個性
的だし、ガースのオルガンも哲学的
ですらある。なによりもディランが生き
生きと自信満々に歌っている。しかし
何となく薄っぺらな感じがするのは、
楽曲と詞に深みがないからだろう。
ソウル・フラワー・ユニオン
『WINDS FAIRGROUND』
はじけるドラミング♪ROCK!『WINDS FAIRGROUND』
(1999.2.20 Ki/oon records, Sony)
Produced by Nakagawa Takashi
M-1,2,6 Produced by Donal Lunny

SOUL FLOWER UNION
Nakagawa Takashi(vo,g,mandolin)
Itami Hideko(g,vo)
Okuno Shinya(key,cho)
Kawamura Hiroshi(b,cho)
▼ゲスト
Ohkuma Wataru(clarinet)
Donal Lunny(bouzouki)
Samm Bennett(ds,percussion)
Ray Fean(ds)
Furuta Takashi(ds)
Seamus Begley(accordion)
John Mcsherry(uileann pipes)
Ota Keisuke(fiddle)
ALTAN
KILA
定価\3059→中古\1500
中古CDで売られているとつい買う
ソウル・フラワーではあるが、愛聴盤
となると私には無い。このアルバムも
チンドン囃子と、アイルランド音楽の
融合という大胆な実験を、中川敬の
「思想」の裏付けで大風呂敷に展開
しているし、歌詞も私好みの単語や
言い回しが、豊潤に使われている。
それなのに頭脳警察のアルバムの
ように愛聴盤にならない理由は何だ
ろうか。歌詞を具体的にしてはどうだ
ろうか?彼らは充分に具体的だと思
っているようだが、まだまだ抽象的な
気分を楽しんでいるだけだと感じる。
清水穣『永遠に女性的なる現代美術』
(2002.3.12初版 淡交社)
デザイン;吉野愛
カバー;ヴォルフガング・ティルマンス
定価\1890→古本\0いただいた。
驚いた。つい先日、ギャラリーどらー
る『寒昴展』の批評を私が書いた時に、
「かつてアドルノが「アウシュビッツ以後
詩を書くことは野蛮だ。」と言ったのを
もじって、「北海道立近代美術館以後、
絵を描くことはオバンだ。」」と書いたら、
それに近いことを書いて本を一冊仕上
げた男がいたのだ。しかも1963年生れと
いうから私と同世代だ。きっとこの本を私
に進呈してくれた人も、この両者の相違
の面白さに気が付いたというメッセージ
を含ませてくれているのだろう。淡交社と
言えば抹茶文化の殿堂のような出版社
だから、つまりオバサン文化の享受者で
あるのだから、そこからオバサン文化を
論じた本が連載され単行本化されたと
いうブラック・ユーモアにすら近い組み
合せがまた面白い。もちろん、この本、
そのものもとても面白い。一見、軽薄っ
ぽく見える文体だが、その実、文章の密
度と情報量は高く、主語が入れ子状態
になる独特の文章もオリジナリティが高
い。ただ、マジメな論考になると密度も
低くなり、つまらなくなる。どうやら、この
著者の持ち味は、軽薄な文体を装った
攻撃性の高い饒舌体のようだ。しかも、
オバサンを俎上に上げておきながらも、
ちゃんと持ち上げている論理展開など
まるでベテラン・ホストのようだ(笑)。私
は恥ずかしながらこの著者を知らなかっ
たが、おそらく椹木野衣(1962年生れ=
私と同い年)と並ぶ、この世代の有名な
美術評論家なのだろう。今後、彼の名を
見つけたら雑誌でもなんでも必ず読む
ようにしたい。そう思わせる快著である。
なにより現代美術にこだわって欲しい。
04/09札幌
レコーズ&
レコーズ
南2条店
Serge Gainsbourg /
セルジュ・ゲーンスブール
『Le Poinconneur des Lilas
Vol.1 : 1958・1959・1960 /
ゲーンスブール・コンプリートVol.1
「リラの門の切符切り」(1958〜60)』
はじけるドラミング♪ROCK!Gainsbourg !!!
(1989フランス盤、1994.3.25日本)
定価\2800→中古\1780
タバコと酒にノドをやられる前の声
が若々しい。ボブ・ディラン『ナッシュ
ビル・スカイライン』とは、まるでこの
アルバムの声を目標に作られたので
はないかという楽しい邪推すら、思い
浮かべてしまう。このルックスでデビ
ューできたのだから(?)実力派では
あるのだろうが、その歌の上手さが一
番現れているのがこの最初期のLP
なのだと思う。この後ゲーンスブール
はどんどん歌い方をくずし、自由に
なってゆく。その結果が彼が最初期
にわざと避けたシャンソン風になって
ゆくのが鳥瞰してみることができる今
だからこそよく分かり、面白い。もしか
したらボブ・ディランもシャンソン歌手
なのかもしれない(笑)。そういう意味
から言えば、このシャンソン全盛期
のパリで発表された音源が最も彼が
シャンソンから遠い表現をしていたと
解釈できる。しかも、彼はそれを意識
的に行ったのだから、その意図を見
つけ出すのは、面白い作業である。
選ばれたジャズでありロックなのだ。
02/20札幌
エルエテ
金子國義★『オルフェウス』
エッチング 金子國義 \30000
『オルフェウス17/条件 A Conditions, imposed』
(1983,縦13×横10cm,限定15部,鉛筆サイン)
出版元;美術出版、刷り元;林グラフィックス
絵画というよりは、イラストのようなマンガ絵の
ような金子の絵を好きになってよいのか保留にし
ていた私だが、いつの間にか鼻の横の線が生
むオリジナルな魅力のトリコになっていたのだ。
02/20札幌
北海道
浅井

学園大学

北方圏
学術情報
センター

ポルト
ホール
指揮;中山耕一、オーボエ;菊池慎也
ハイドン交響曲 第60番「うっかり者」全6楽章
弦楽器の厚みあるウネリが豊な表情を演出。
チャイコフスキー幻想序曲「ロメオとジュリエット」
マーラー直前の神経症楽曲を、見事に再現。
マスネ組曲「絵のような風景」全4楽章
一転して19世紀末の曲だが神経症が無い。
展覧会『北海道浅井学園大学
生涯学習システム学部 芸術メディア学科
第2回 卒業制作展』 \0
何を指導したんだろう?何を学んだんだろう?
02/20札幌
ユナイ
テッド

シネマ
札幌
映画『Ocean's12 /オーシャンズ12』深夜\1200
監督;スティーヴン・ソダーバーグ
出演;ジョージ・クルーニー,ブラッド・ピット
ジュリア・ロバーツ,キャサリン・ゼタ=ジョーンズ
モンタージュ技法だけがトリックなのは安易。
02/23滝川
滝川市
美術

自然史館
博物館 常設展 \600
自然史部門
保育園の遠足コース以外に観客は来るの?
美術部門
日本画家 岩橋 英遠(1903〜1999年)
鳥瞰できる風景を見て育ったからこその作。
洋画家 一木 万寿三(1903〜1981年)
骨太のラインと省略法。国松登に近い感性。
書家 上田 桑鳩(1899〜1968年)
過剰な自信が生きていく杖であったのだろう。
02/23芦別
ROCK
HOUSE
DYLAN
ライブ『佐渡山 豊』 \2500
ほとんどが初めて聴く曲なのだが、歌詞が全
て聴き取れる。意味も分る。自分の首がリズムを
とって揺れているのか、うなずきながらなのか?
03/19札幌
時計台
ギャラリー
展覧会図録『第4回サッポロ未来展 
北海道新世代作家達の現在』
(2005.3.14初版サッポロ未来展事務局)
事務局代表;波田浩司
編集;河野健
\0 ギャラリー受付で、いただいた。
巻頭言;浅川泰(北海道近代美術館)
面白いが引用に頼りすぎ。次、期待。
秋元美穂『OYA』 パネル、アクリル
稚拙さが文明に犯されて、衰弱した。
風間真悟『pose.62』 垂木
東川町生れだから木材か?半端だ。
河野健『castanet』 キャンバス、油彩
スーパー・フラット時代の、ノーテク。
久津間律子『跡(T)』 キャンバス、油彩
ビール瓶なら、『十階のモスキート』。
斉藤麗『untitled』 蝋纈染、布
ヌードにならない草間彌生。神経画。
佐藤正和『Lucanus cervus』 御影石
小品なのに不思議な空気感がある。
高村葉子『底の一部』 キャンバス、油彩
詩人の描く絵。技術が載れば良い。
田中怜文『黙』 木板、油彩
けっして厚塗りではないが、重層的。
戸山麻子『はるかなるものT』 銅版
具体的な題名ならば惹かれたかも。
中川治『kiss』 キャンバス、油彩
イマドキ一番多い作風だが印象的。
長屋麻衣子『和』 雲肌麻紙、岩絵具
真面目すぎる。もっと描くと、変わる。
西山直樹『自然物『樹』』キャンバス、油
ロジャー・ディーン的かっこよさあり。
間笑美『入江』 キャンバス、油彩
清潔感が無い。個性を整理しては?
波田浩司『花弁の舞う日』 油彩
垂直の次は水平の広がりを描けば?
秦朋子『雨降り』 クレヨン、色鉛筆
ほんの少しブキミに寄ると魅力向上。
平松佳和『想』 キャンバス、油彩
不器用さを、手法で誤魔化している。
藤井康子『予感』 キャンバス、油彩
緊張の持続が途切れるので整理を。
船橋彩『on a slice of bread』 油彩
電子音の快楽。しかし、シビレルか?
水野智吉『truth』 乾漆
背の高い少女の肉体は、既に文学。
宮地明人『青い壁』キャンバス、アクリル
何かが過剰だ。それは若さでは無く。
棟方一沙『定義』 キャンバス、油彩
こーゆー絵は、線に魅力が無けりゃ。
村山之都『ポラロイド』 キャンバス、油彩
現代のマネ?と呼んだらホメすぎか。
谷地元麗子『猫百姿T』 綿布、岩絵具
今までと同じ題材なのに熱が下がる。
渡辺和弘『蒼流』 カシュー漆、螺鈿、金
素材との格闘が中途半端な和解に。
渡邊慶子『木霊』 版画(ミクストメディア)
神秘とは、偶然によって表現される?
渡辺元佳『Ω』 紙
今展で最も印象深い。その理由は?
TERAROCK名盤100 89位

Robert Wyatt / ロバート・ワイアット
『Rock bottom / ロックボトム
♪Oh ! ROCK!!Robert Wyattの世界♪
(1997.1.29 東芝EMI)
Produced by Nick Mason
Robert Wyatt (vo,key,percussions)
▼ゲスト
Richard Sinclair (b)
Laurie Allan (ds)
Hugh Hopper (b)
Ivor Cutler (vo)
Alfreda Benge (vo)
Gary Windo(bass clarinet,tenorsax)
Fred Frith (viola)
Mike Oldfield (g)
定価\2500→中古\1480
大きな人生の物語を抱えている人
の転機となった記録であり、同時に、
作品としても高水準を成し遂げてい
る。それを同時に成すのは簡単そう
であるが実は難しい。そのことを知っ
ている多くのリスナーからリスペクト
されているのもうなずける。私は彼の
活動周辺であるカンタベリー・ロック
事情に詳しくないので分からないが
おそらく歌詞にも多くの隠喩としての
引用などのキーワードがあるのだろう
と思う。そもそもタイトルの意味すると
ころが知りたい。どん底ロックかな?
03/06札幌
ユナイ
テッド

シネマ
札幌
映画『香港国際警察 New Police Story』 \1200
監督;ベニー・チャン
出演;ジャッキー・チェン、ニコラス・ツェー、
ダニエル・ウー、シャーリーン・チョイ
最近の映画はヒット作ほど、テレビなどでの前
宣伝で映像が沢山流通するので実際に見終わ
ると既視感の部分のみが脳味噌で拡大再生産
されるよーな気がしてたが、さすがチェン!久々
の重量級作品で、いつも以上にアイディアの宝
庫。ストーリーはちょい『踊る大捜査線@ライブ
ドアを封鎖せよ!(←だっけ?)』路線のアイディア
なども加味されていたが、でもまぁちゃんと香港
映画として消化されていたから、まっいーか!
きっと日本1950年代の映画全盛期のような現場
の熱が今のアジア中にはあるんでしょーねぇ!
03/06札幌
さいとう
ギャラリー
個展『車谷津矢子 油絵展』 \0
加齢が収まり処を学んだ、国松登の幼児性。
個展『高山洋夫 絵画展』 \0
70年代パルコのCFのよう。ニューヨーク的?
03/06札幌
ギャラリー
ユリイカ
個展『米谷雄平 展』 \0
神田一明風、横尾忠則風、『リボルバー』風、
などがあり、影響が時代の匂いを封印している。
03/06札幌
ギャラリー
どらーる
個展『西村 一夫 展』 \0
1980年代レトロ。しかし作者はレトロとの自覚
は無い。せめて一部分でも新しさが欲しかった。
03/16札幌
ギャラリー
どらーる
から届く。
油絵 會田千夏 \30000
『小品W』 (2005.1,縦22×横22cm,ペンサイン)
浮遊感を持つ「生き物」としての植物の有機
性。長い物語を紡ぐであろう画家の中間報告。
03/19札幌
時計台
ギャラリー
展覧会『第4回サッポロ未来展
北海道新世代作家達の現在』 作家26人 \0
アット・ホームな雰囲気がいい感じの通過点。
03/19札幌
道新
ギャラリー
写真展『やさしい写真教室・中級・初級』
道新文化センター後援 初級13人 中級10人 \0
初級より中級がツマラナイのは技術のせい?
03/19札幌
三越
ギャラリー
個展『真柄 修一 油彩画 展』 \0
多彩なモチーフが集結したのも販売展こそ。
04/17旭川
Book off
旭川
豊岡店
Bob Dylan / ボブ・ディラン
『Nashville Skyline /
ナッシュヴィル・スカイライン』
はじけるドラミング♪ROCK!Nashville Skyline !
(1969.4.9オリジナル, 1991.12再発)
ボブ・ディラン(vo,g,harmonica,p)
チャーリー・マッコイ(b)
ケニー・バトリー(ds)
ピート・ドレイク(steel g)
Norman Blake
Charlie Daniels
Bob Wilson
Johnny Cash(vo on 1)
CD解説;菅野ヘッケル
定価\1800→中古\750
前年に録音の『ジョン・ウェズリー・
ハーディング』と同じ私のお気に入り
のドラマーとベーシストがここでも、
はじける音を表現している。しかし、
それでも歴史的事件のディランの爽
やか声が、そのはじけさを、凡庸な
カントリー音楽の範疇に閉じ込めて
しまいそうだ。が、なんだか井上陽水
の声にも聴こえてくる(笑)。もしかし
たら、ジョン・レノンを意識したのか?
この変化を計算でやっているのか、
どーなのか、まったくディランは変な
オヤジだ。とにかくこの爽やかな声が
このアルバム1枚だけで終わってくれ
たことに感謝。つまりこれはゲテモノ
アルバムなのだが、カントリー・ロック
という大きなジャンルを作っちゃった。
個展『セイ・ハシモト 絵画展』 \0
少ない筆数なのに、魔法のように光を記録。
03/19札幌
ユナイテッド
シネマ札幌
映画『オペラ座の怪人』 深夜割\1200
監督;ジョエル・シュマッカー
製作・作曲;アンドリュー・ロイド・ウェバー
キャスト;ジェラルド・バトラー、エミー・ロッサム
テーマは中年ブ男の純情。ストーカー・ラブ。
映画『ロング・エンゲージメント』 深夜割\1200
監督;ジャン=ピエール・ジュネ(アメリ)
出演;オドゥレイ・トトゥ、ギャスパー・ウリエル
必然性のある映像実験の連続。これぞ映画。
03/19札幌
ユナイテッド
シネマ札幌
映画『シャーク・テイルズ』
監督;ビボ・バージェロン、
ヴィッキー・ジェンソン、ロブ・レターマン
声優;オスカー(ウィル・スミス:香取慎吾)
ドン・リノ(ロバート・デ・ニーロ:松方弘樹)
ローラ(アンジェリーナ・ジョリー:小池栄子)
サイクス(マーティン・スコセッシ:西村雅彦)
レゲエ・クラゲのアーニー(ジギー・マーリィ)
隣の客が観ながら踊ったヒップ・ホップ映画。
03/22郵送 同人誌『羚 Rei』
第4巻 第15号 2005年春季号
2005年3月20日発行 もらった
●巻頭エッセイ《私の漂い方》15
辻佐保子「テオ・アンゲロプス
『エレニの旅』をめぐって」
辻邦夫未亡人の文を初めて読んだ。
美術史家らしい考察と美意識の徹底。

●詩
森哲弥「スリッパ(雑貨寸考1)」
巧いユーモアと思索。続きが楽しみ。

●短編小説(読み切り)
澤井繁男「大晦日」
相変わらずの「古臭い」手法なのだが
読後感が不思議と、つげ義春と同じだ。
その理由は「古臭さ」の中にも、巧みに
計算された無駄の無い人物設定と主人
公である長男の少年らしい過敏さと羞恥
にあるのだろう。その「羞恥」が「古臭さ」
になってもいるのだが。印象的なレトリッ
クとして「言葉の意味に圧されて、一階
に下りていけなかった。」「家の中身が
そっくりそのままどこか遠くへ飛んでいっ
てしまった気がした。」の二つがあった。
それがあっただけで、良い小説なのかも
しれない。ただ弟が急に「へん、糞った
れ、あの男」と態度を急変させたことへ
の説明がされていないなど、不格好な
部分を抱えた小説ではあることは確か。

●評論・批評
橋本安央
「隠喩の論理―高橋和巳再読(6)
 棄子の遺書―『日本の悪霊』」

神谷光信
「へりくだりの詩学13
 手書きの詩―高橋睦郎」
画廊を訪問する書き出しは、素人の
ブログのような文章で無駄が多い。が、
詩人と交流の長い作者らしい「これが、
あのナルシズムとエロティシズムに彩ら
れた絢爛豪華な作品を書いた高橋睦
郎の詩であろうか」という発見は面白い。
それでも考察に深みが無いのが残念。

横山英行
「ベートーベン後期弦楽四重奏曲論 6」

●評伝
関口裕昭「パウル・ツェラーン 第8回」
●書評
神谷光信「小柳玲子著
 『サンチョ・パンサの行方』」
近藤昌夫
 「佐々木力・山本義隆・桑野隆 編訳
 『物理学者ランダウ』(みすず書房)」
山本義隆は精力的に仕事をしてる。
04/04旭川
ディノス
シネマズ
旭川
映画『アビエイター/The Aviator』深夜割\1200
監督;マーティン・スコセッシ
出演;レオナルド・ディカプリオ、ジュード・ロウ
ケイト・ブランシェット、ケイト・ベッキンセール
スコセッシ監督は「大作病」にかかっている。
04/09札幌
ユナイテッド
シネマ札幌
映画『エターナル・サンシャイン』深夜割\1200
監督;ミシェル・ゴンドリ(ヒューマンネイチュア)
脚本;チャリー・カウフマン(マルコヴィッチの穴)
出演;ジム・キャリー、ケイト・ウィンスレット
低予算でも、極上アイディアがあれば勝利。
映画『ナショナル・トレジャー』深夜割\1200
製作;ジェリ・ブラッカイマ(パイレツ・カリビアン)
監督; ジョン・タートルトーブ
出演;ニコラス・ケイジ、ハーヴェイ・カイテル
ジョン・ボイト、ダイアン・クルーガー
ショーン・ビーン、ジャスティン・バーサ
ディズニー・ランド遊戯的。血の代わりに知?
David Bowie / デビッド・ボウイ
『Pin Ups / ピンナップス +2』
はじけるドラミング♪ROCK!David bowie ”pinups”!
(1972オリジナル, 1990再発 Ryko)
Producer;Ken Scott, David Bowie

David Bowie(vo,g,sax)
Mick Ronson(g,p,vo)
Trevor Bolder(b)
Aynsley Dunbar(ds)
Mike Garson(p)
Ken Fordham(sax)
GA MacCormack(backing vo)
定価\2620→中古\1350
これを入手したので、私のボウイ
70年代コレクションは全部そろった。
聴くまでは、単にレコード会社との間
の契約つなぎのため、手軽に作った
カバー集であると思っていたのだが
完成度の高さと、カバーながらボウイ
のオリジナリティがあふれているし、
なにより選曲と表現方法に彼のメッ
セージが濃く記録されている。考え
れば超名盤『ジギースターダスト』と
名盤『ダイアモンドの犬』のブリッジ
になったアルバムなので重要な作品
であって当たり前。ザ・フーの解釈が
印象的。この時期のボウイはスゴイ。
04/10札幌
ギャラリー
どらーる

佐藤武「刻」・・・時間の旅。
個展『佐藤 武 展』 \0
個性をしっかり持った画家だが、個展を観る前
に内容が分かってしまう弱さも、その個性ゆえに
ある。その点から考えても先に売れて行った絵
「十月の朝」(10F、40万円)と「刻」(30H、120
万円)である点にユーザーの鋭さがある。つまり、
これらの絵には彼の個性とは別のもの、「湿度」
がある。その理由とは、絵の中に猫がいるからで
ある。しかし、彼の個性と目的は有機的なものを
徹底して排除することにこそあったはずである。
されど、絵の受け手は有機的な存在を「窓」にし
て作品に接する。つまり、佐藤武とは「窓」の無
い画家、とも言えるかもしれない。あれほど広大
なインドの風景を取材して高度な技術で描き留
めているのだが、その「窓」のない印象が、奇妙
な閉塞感を観る者に与える。それは「不安な時
代」という題を好む作者の意図が成功していると
も言えるだろう。空中に浮かぶ巨大な石、しかも
それは自然界のままの石ではなくて人工的加工
が想像できる鋭角さを持ったものだ。それを大江
健三郎風に「核兵器」の比喩と捉えるほど私は
単純ではないが、作者が感じる不安には人工
的な「文明」の匂いが染み込んでいることには、
間違いない。さて、大きく分けると彼の作品には
その石シリーズと、もう一つ別に、空中に回廊が
浮かぶシリーズがある。両者とも、人工の文明の
手によるものかもしれないが、決定的な差として
「窓」があるかないかがある。回廊は石で作られ
た迷路の入り口のようでもある。路地の設計とは
複数の人智による生活の計算の結論である。石
よりも有機的な存在だ。ここに彼が提示する2つ
のモチーフが持つ、2つのテーマの意図がある
のだ。その両テーマの差異に立つ作者に「窓」
(3F)という題の絵があることは象徴的だ。ここで
作者は、窓そのものを描いている。つまり、その
ままこの絵を壁に飾れば窓と錯覚するようにだ。
「窓」を拒む思想と、「窓」を求める思想。それら
が逆の立場で矛盾しているのではなく、作者の
中では合一なのだ。そこには絵に対して極度に
真摯な作者の態度が想像できる。そして「陽光」
(6F)の青の美しさや、青と黄色という作者が描き
続けてきた静寂の色の中央で動きを得た赤い旗
が誇りの象徴のように描かれていることに触れる
時、作者の内面にある「窓」をめぐる大きな「ゆら
ぎ」は希望のためにあるのだと確信できるのだ。
04/17旭川
Book off
旭川
豊岡店
村上春樹 柴田元幸
『翻訳夜話2 サリンジャー戦記』
(2003.7.20初版 文藝春秋 文春新書)
定価\777→古本\350
今、翻訳論が面白いのは私たちが、
お互いに理解しあうことに大きな不安を
持っている時代に生きていることの裏側
からの証明であると思う。それは『ねじま
きどりクロニクル』以降、安原顯ら評論家
から厳しい批判を受けることを常としてし
まった、村上春樹自身の問題でもある。
さらに、既訳がすでに名訳と言われてい
る『ライ麦畑でつかまえて』を再度訳する
行為は、複数の意味での「理解」を求め
る実験であり、実践でもある。つまり情報
過多の現代の私たちは常に新しく言葉
を翻訳し直してゆかねばならない時代
に生きているのだ。それが文学なのか。
高田渡『日本に来た外国詩・・・。』
Produced by 高田渡、佐久間順平♪高田渡さんが死んだ直後に、中古CD屋で見つけた。うううう。
(2001.4.21 Consipio record)
Produced by 高田渡,佐久間順平

musicians
かしぶち哲朗 :Dr. (M-2,6,7,13)
鈴木博文(ab,eb)
佐久間順平(ag,dobro mandorin)
星川 薫 :E.G. (M-2,6,13)
小林 清 :A.G. (M-10)
高田渡 :A.G. (M-15)
Darie(pf ,Acco)
松田 (ari) 幸一(blues harp,bass h)
青木廣和(keyboard) (M-1,2,5,6)
三沢 泉(tsubo)(M-11)
栗コーダーカルテット :Recorder
 栗原正己(sopranino r,alt r)
 川口義之(sopranino recorder)
 近藤研二(tenor recorder)
 関島岳郎(great bass recorder)
Irleen合唱隊 :(M-13)
 Darie、楠見陽子、松田幸一、
 かしぶち哲朗、鈴木博文、
 佐久間順平、星川 薫、
 高橋信之、浜崎 聖
定価\3150→中古\1000
彼は詩人の息子として、死んだ。
04/12深川
アートホール
東州館
個展『イタリア紀行小さなスケッチ展 渡辺貞之』
ハガキ大の紙に鉛筆のみ。極限の素材による
偉大な地との真剣勝負。目は無意識を育てる。
04/17旭川
北海道立
旭川美術館
展覧会『大 Oh ! 水木しげる 展』 \1000
プロデュース;荒俣宏、京極夏彦
妖怪への興味とは、過激なる超無差別主義。
04/12深川
アートホール
東州館
個展『藤池 恵美子 展』 \0
画風から20歳代かと思いきやベテラン(笑)。
丁寧な作品は良いが省略と速度で弱点露出。
04/29札幌
Book off
札幌
中の島店
忌野清志郎『瀕死の双六問屋』
(2000.9.25初版 光進社)
解説;町田康
ブックデザイン;鈴木成一デザイン室
定価\2000→古本\105
安いっ!と思ってあせって買ったら、
なんと「特製CD付き、この本のために作
った極上のロックン・ロール4曲入り」が、
入っていないではないか!がくっ。まぁ、
仕方が無い。私もオトナだ。素直に読ん
でみよーじゃぁーないか。ってコトで、読
み始めたのだが、面白い。これってCD
紹介付きの「小説」なんだけれど、中に
加部正義『コンパウンド』の紹介もあって
映画『ゴールデン・カップス・ワンモアタ
イム』を観た直後の私にとって「あっ!そ
ーか、清志郎とルイスはつながっていた
んだ」とゆー重要な事項にも気が付かせ
てくれた。さらに、映画でも話題であった
ポール・バターフィールド・ブルース・バ
ンドの紹介まである。残念なのは両者と
も、この国では杯盤だえるとゆーこと。そ
の点だけでも、清志郎の役割の重要性
が感じられる。やっぱCD聴きたいぞー。
04/24札幌
シアター
キノ
個展『ザ・ゴールデン・カップス ワンモアタイム』
\1400
監督;サン・マー・メン
出演;ザ・ゴールデン・カップス
インタビュー出演者;内田裕也、忌野清志郎
ムッシュかまやつ、萩原健一、矢野顕子
すごい映画。いまだに、私は興奮している。
1960年代後半の横浜というか本牧の不良どもの
記録なのですが、昔は美人だった風のオバサン
が出てきて「品川ナンバーなんて、ダサイし嫌い
じゃん?カップスの店の前に泊まっていたら、み
んなで盗んで乗り回してガソリンが無くなったら
海に捨てていたわ(笑)」てな証言ばっか(笑)。
ゴールデン・カップスは、米兵2世や華僑2世で
作られたバンドで、クリームのコピーなんか今さ
ら私が言うまでもないがカックイー。当時、ボー
カル以外はみんな10代だったと言うから、こりゃ
かなわん。がくっ。ミッキー吉野なんて、16歳で
ドアーズからR&Bまでちゃんとグルーブを再現
できていたんだからねぇ。映画はA面、B面に分
かれていて(笑)、A面つまり前半はメンバーや
当時の横浜の不良グループ(=ナポレオン党
←知ってる?)や周辺のバンド・マンへのインタ
ビュー。ザ・スパイダースの井上尭之(1941年
生れ)が、こっそり本牧までスパイダースのメン
バーを連れてデビュー前のゴールデン・カップ
スを観に行ったら若いネェーチャンに「ここはア
ンタたちの来るとこじゃあないよ。帰りな。」と、ク
ールに言われたとか。当時のテレビ番組『ヤン
グ720』出演時のブルースのコピー曲なんかミニ
スカートのゴーゴー・ガールをしたがえてテレビ
カメラもぐにゃ&ぐにゃで、サイケ〜。そして彼ら
の解散の原因が、ベトナム行きの米軍兵相手の
沖縄のディスコでライブの最後の曲「長い髪の
少女」を演奏中に時に起きた火事!ビル全焼。
楽器が燃えてリーダーのデイブ平尾が「飲みに
行こう!」と言ったのが解散宣言だったとか。そ
の時の火事の映像も映画で見ることができるん
だけど。こりゃザ・バンドの「ラスト・ワルツ」よりも
ドラマチック!B面は、昨年の再結成ライブ。
特にエディ藩(本名・藩広源。1947年6月22日
生れ)がクライマックスに歌う「グローリア」には思
わず私もうかつに目に涙が・・・。くくくー。エディ
藩のギターすごいっす。ルイズルイス加部(本名
加部正義。1948年11月5日生まれ、b)は私に
とっては「ジョニー・ルイス&チャー」なんだけど
現在はギターをライブハウスで弾いているようで
その映像は、まるで裸のラリーズ(笑)。ライブの
映像はカメラはステージと平等に客席も撮影し
ていたんだけれどそこには映画のA面に出てき
た元不良の中年&老人が踊っている姿が発見
できてフィルム編集センスは素晴らしい。ちゃ
んと分かっていて構成しているのだねぇ〜。
主役はステージと客席の両方であって、脇役は
本牧のライブ・ハウスに来ないバカどもだけって
ことか?不満は映画館の音が小さいこと。私は
あれの2倍の音で彼らの音楽を受け止めたかっ
たよ〜。それとB面のライブは素晴らしいのだが
結局はコピー・バンドであったということ。私たち
が乗り越えるべき点は、そこか?そんなワケで、
還暦ロッカーが死ぬ直前に同窓会以上の仕事
をしているので、次は、40歳代か(笑)?
04/29札幌
Book off
札幌
中の島店
10cc『Deceptive bends / 愛ゆえに
10cc『Deceptive bends / 愛ゆえに』
(1977.5.3オリジナル, 1997.7再発)
Eric Stewart(vo,g,moog,p,organ)
Graham Gouldman(b,side g,ag)
Paul Burgess(ds,tambourine,gong)
定価\1750→中古\1350
あーこれはポールだな、こっちは
ジョン、こっちジョージ。なぜかリンゴ
は無い(笑)のだが、ビートルズの曲
を連想させる。じゃぁービートルズの
レコードを買えばいいじゃん、と思っ
て当時の私は買わなかったが、やは
りこの怒涛のポップ王道は無視でき
ない。職人、エリック・スチュワート!
吉村萬壱『クチュクチュバーン』
(2002.2.10初版 文藝春秋)
装画;しりあがり寿
装幀;大久保明子
定価\1300→古本650
まぁ、こんなタイトルだし、表紙もあー
だし、イロモノと思われるのが当たり前。
ってゆーか、そう思われようというシタタカ
な戦略さえ見えてくる。そう思った時に、
作者の年齢を調べると1961年大阪生れ
だってー。こりゃぁー、高校生の時から
町田町蔵を意識しながら成長してきた
男の40歳の存在証明(笑)だな。それも
そのハズ、シタタカ戦略を無視して丁寧
に読み込んでみれば、ちゃんと「意味」
が先行している部分がバランスの良い
位置に数箇所、準備されている。例え
ば、17ページの「倫理・道徳の盛んに
説かれる御時勢だが、それは単なる基
準であって、心の問題ではないのだ」と
説明したり、33ページの「死にたくない」
理由をあぶりだす論法など。つまりこれ
は反意味の小説ではなく無意味が生れ
る情況を説明する小説なのだ。それは、
アニミズムへの興味と読むこともできる。
だから、深澤七郎の感想を聞きたいね。
小沢健二『Eclectic』
小沢健二『Eclectic』
(2002.2.27 東芝EMI)
小沢健二(produced,vo,g,dr beats)
Benjamin Love(key)
Kenny Seymour(key)
Ron Long(b)
Mike Campbell(g)
Zak Soulman(g)
Bashiri Johnson(per)
Aaron Heick(flute)
Jack King(background vo)
定価\3059→中古\1000
これはアーティストと長く付き合う
意味について考えさせられる1枚で
ある。小沢健二は1968年4月14日に
生れているからこのアルバムの時点
で34歳だ。沢田研二は、1982年に
34歳で、同じ年齢の井上陽水と共に
名作アルバム『ミスキャスト』を作って
いる。そして1985年には「灰とダイア
モンド」を李花幻(=いーかげん?)
というペンネームにて作詞&作曲し
「好きなようにおやりなさい」とか「嫌
な事は辞めてしまえ」、「君の命の
求めるままに」と内面と語る末には、
「想い出だけが友達じゃない」とまで
歌い切った。これを聴いた時に私は
ジョン・レノン『ジョンの魂』を思い出し
た。アイドルの人間宣言である。これ
をリアル・タイムで聴かされるファンに
とってはかなりキツイ。しかし同時に
ファンも成長(=加齢)しているのだ。
こーゆーアーティストと共に加齢でき
るファンはむしろ幸福だと思うべき。
しかし、それは同時にアイドル期に
それなりの売り上げを記録した者の
特権でもある。最初っからダウナーな
人間宣言でデビューできる世の中で
はまだない。このアルバムも、あれ程
日本のロックに新しいボキャブラリー
を増やした男にしては陳腐な歌詞が
多いし、聴いていて印象に残る言葉
は一つもない。音は、コーナリアスが
2001年10月に出した『ポイント』を、
連想させるR&Bの現代的解釈だ。
詩よりも音が勝った彼にとっては初め
ての作品である。その事実は重要。
中原昌也『ボクのブンブン分泌業』
(2004.10.11初版 太田出版)
さし絵;中原昌也
装丁・撮影;阿部聡(コズフィッシュ)
カバー撮影;池田晶紀
定価\1869→古本\950
この中原の文章群と、クソHPや低脳
ブログとの違いはどこにあるのだろうか?
自動筆記のように見えていながら、実は
「不快」感を味わせようという「目標」があ
る。それがワン・パターンに陥らないの
は、素材が豊富だからであろう。映画や
音楽を受け入れる素材と、予定調和を
誰よりも先に嗅ぎ取って、そこから遠い
ところへ逃げる方向の素材の豊富さだ。
04/29札幌
GALLERY
門馬
ANNEX
展覧会『本田征爾 展 −町と星の底−』 \0
発展途中だからこそ、記録できるイノセンス。
ライブ『F.H.C.』 \0
かさいあつし(チャップマン・スティック)
ルミ(ピアニカ)
安藤邦博(コントラバス)
全ての音を聞き漏らしたくなくなる知覚音楽。
04/30札幌
南陽堂
書店
ホイジンガ『中世の秋』
(1971.9.3初版 中央公論社,元本1919)
訳;堀越孝一
解説;堀米庸三
定価\980→古本\800
舞台である14〜5世紀のブルゴーニュ
が国家ではなく、「侯国」であるということ
が重要。現在の私たちが当たり前として
いることがまだ未完成であった時代だ。
04/30札幌
蠍座
映画『ピエロの赤い鼻
監督;ジャン・ベッケル
原作;ミシェル・カン
出演 : ジャック・ヴィユレ、アンドレ・デュソリエ
ティエリー・レルミット、ブノワ・マジメル
シュザンヌ・フロン
これぞ、フランス映画の生き(残?)る道。低
予算でも脚本と主張があれば、スピルバーグも
嫉妬する。フェリーニのオマージュは図式的?
柄谷行人『近代文学の起源』
(1980.8.21初版 講談社)
定価\1200→古本\1050
柄谷は1941年生れだから当時39歳
なのだが、彼の文章はケンカするために
書かれたようだ。それは彼が引用した、
中村光夫の「消しがたい形でのこされた
精神的空白は、やがて政治小説とはま
ったく違った形で、表現の道を見出しま
した。」(明治文学史)という文章が図ら
ずも示した、彼自身の挫折の彼岸かも。
05/07札幌
Book Off
札幌
南1条店
高石友也『フォーク・アルバム第3集
坊や大きくならないで』+4ボーナス
竹田の子守唄・・・。
(1969.5オリジナル, 1995.11再発 )
演奏;五つの赤い風船、ベティズ
ビクター・オーケストラ
定価\1800→中古\1000
彼は私の住む沼田町の近隣の、
雨竜町出身だし、早川義夫の親分
なのだが、なぜかこのCDを買うまで、
私は彼を聴いてこなかった。時々、
マラソンのついでに北海道にライブ
に来るぐらいのオッサンであると思っ
ていた。ところが、コレを聴いてブッ
飛んだ。確かに歌い上げる歌唱方法
は古臭いのだが、実はリズムの理解
の仕方に鋭いものがある。36年も過
ぎたら、もう「古臭い」という価値観に
意味は無くなり、相対的な価値基準
が消え去った後に、絶対的な本質が
全貌を見せるのだ。RCサクセション
がカバーした曲も、彼の方がいい。
05/01札幌
ユナイテッド
シネマ札幌
映画『コンスタンティン
監督;フランシス・ローレンス
出演;キアヌ・リーヴス、レイチェル・ワイズ
映像は、とても美しかったですよね〜。さすが
ブリちゃん&エアロなどのMVで儲けた、33歳の
監督だけはある。かつてCF界から多くの才能が
映画に流れてきたように、これからはMVからの
流入が期待できますなぁ。ただし課題は「脚本」
(笑)。どーしても日本映画やヨーロッパ映画の
リメイクに頼らなければならない時期がまだまだ
続くとゆー予感をさせていただいた本作だった。
写真;松村 映三+文章;村上春樹
『辺境・近境 写真篇』
(1998.5.25初版 新潮社)
定価\2520→古本\1200
ここにもまた「不器用」ってヤツの記録
がある。それに「愛すべき」と形容を付け
るべきか。言い方を変えれば「手探り」で
ある。それはもはや「結論」だけが重要
なのではないという、もう一方の真理であ
る。村上春樹を語る時に「コミットメント」
という言葉を持ち出すようになった1994
年以降、彼は旅に出るようになる。それ
は偶然ではないだろう。「留まる」ことに
恐怖さえ感じ出したのではないだろうか
と思う。しかし、そうしたところで結論が見
つかるワケではない。まるで彼の小説の
終わり方のように。写真を撮影したのが、
彼の学生時代からの知人であるというの
も彼らしい。それはコミットメントを手探り
していながら、どこまでも慎重である姿を
連想させる。印象的な写真は、塩水に
つかったライカのフィルムが描いた白い
染み。そしてメキシコでカメラマンと合流
するまで「最初の十日間、僕はひとりで
旅行をした。考えてみれば、リュックをか
ついでひとり旅をするなんていうのは、
実に久しぶりのことである。」と、さらっと
文章では触れている撮影されなかった
日々の写真こそが見たい、と強く思う。
05/07札幌
スガイ
札幌劇場
映画『エレニの旅』 早朝割引\1200
監督・脚本;テオ・アンゲロプロス
出演;アレクサンドラ・アイディニ(エレニ)、
ニコス・プルサニディス(アレクシス)、
ヨルゴス・アルメニス(ニコス)、
ヴァシリス・コロヴォス(スピロス=アレクシスの父)
日本語字幕;池澤夏樹 2時間50分
公開初日の一回目に行ったら、満席。ただし
50席しかないのだが。それでも、50歳以上の客
がほとんどをしめる席には静かな熱気があった。
それだけ、贅沢な時間を約束されている監督の
新作なのだ。そもそもギリシャは、19世紀初めに
独立するまでは、オスマントルコ領。ということで
もともとギリシャ民族自体が「難民」の宿命を背負
わされていた。普段、旅行ポスターなどで見る、
青い空と白いロマンチックな建築とは別の記憶
があるのだ。それは混乱した記憶でもあるのだが
監督は意外と図式的な人間関係をあえて構築
し、それをパズルのようにギリシア史にはめた。
TERAROCK名盤100 65位

オールマン・ブラザーズ
『ブラザー&シスターズ』
♪ROCK!!インスト曲の「ジェシーカ」はすばらしい。65位!!長寿バンドへとバトンをつないだディッキーだった。
(1973オリジナル, 1989.11.25再発)
グレッグ・オールマン(key,vo)
ディッキー・ベッツ(g,vo)
ベリー・オークレー(b) 72年事故死
ラマー・ウィリアムズ(b)
チャック・リーヴェル(kb)
レス・デューディック(g)
ブッチ・トラックス(ds)
ジェイ・ジョニー(ジェイモ)(ds)
定価\2060→中古\1350
「テラのROCK100」に出てたから
買った(笑)。しかし、これ、今はやり
の(?)ジャパニーズ1970年代サウ
ンドだねぇ。井上堯之バンドなどは、
彼らのサウンドがロックであると独学
したんだろなぁ。日本で素直にウケ
た他の理由に、このアルバムが持つ
独特のポップ・センスがある。そして
二人も死者を出した直後なのに、楽
天的ですらある。それもドラッグか?
05/07札幌
大通公園
6丁目
野外
ステージ
イヴェント『マリファナ・マーチ』 出演; F.H.C.
雨の中、やや遅れて会場に行き、少し離れて
観ていると主催者がビデオ・カメラで私を撮影し
ていた。短髪+ネクタイの私が私服警官に見え
たのか(笑)?金星人(本田征爾)も来ていた。
05/07札幌
ギャラリー
大通り
美術館
個展「第8回 藤田博子 展」 \0
このギャラリーらしい自意識と未完成の個展。
人物画は良いのだが、抽象趣味が入ると弱い。
おそらく作家がやりたい「胎動」シリーズは、雑。
柄谷行人、浅田彰、奥泉光、島田雅彦
岡崎乾二郎、スガ秀実、渡部直己
『必読書150』
(2002.4.21初版 太田出版)
定価\1260→古本\600
またしても柄谷行人である。しかもこの
取り巻き!まるでヤクザ柄谷組の出入り
のよう(笑)でもある。柄谷だけではない
が、そもそもケンカの前提には恒常的な
イライラとゆーやつがある。そのイライラ
をきちんと分析してケンカに持ち込むの
がインテリゲンチャの手法である。それ
がこのガチンコの正攻法「古典を読め」
であるっーのも、悪くはないか。考えて
みれば私が学生の1980年代初期には
「ブック・ガイド」が大流行した。私も何か
近道を得たかのように、それらをガイドに
暗夜行路(笑)した。今、再び?という気
もするが、「これを読んだらだいたいわか
るというものではない。むしろ全然わから
なくなる」という柄谷の言葉が今はまぶし
い(笑)。あわてて捜した本書リストの中
にホイジンガが無かったのには、がくっ。
05/07札幌
シアター・
キノ
映画『END OF THE CENTURY
監督;ジム・フィールズ
出演;ラモーンズ、ジョー・ストラマー、ほか
映画の冒頭では、私はベースのディーディー
が一番嫌いだったのだが、観終えると彼が一番
好きになっていた。一番、彼がパンクっぽいから
だ。それにしても、ステレオ・タイプすぎるような
彼らがこんなに不器用であったことに驚く。イギ
リスのパンクスたちが彼らの方法論の上を踏み
つけてグレイトになったのと雲泥の差だ。痛いが
観たい映画だ。伝説を砕くことで、魅力は増す。
05/07札幌
ユナイテッド
シネマ札幌
映画『レモニー・スニケットの
世にも不幸せな物語』
監督;ブラッド・シルバーリング
出演;エミリー・ブラウニング、リーアム・エイケン
カラ&シェルビー・ホフマン(双子)、
ジム・キャリー、メリル・ストリープ、ビリー・コノリ
ティモシー・スポール、ジュード・ロウ(ナレータ)
なんせ『マスク』のジム・キャリーだから、私の
選択肢には入らない映画なのだが『エターナル
サンシャイン』が素晴らしかったのと、他の映画
がホラーばかりだったので、コレにした。ところが
楽しめた。映像が知的。すでに古典的風格も。
04/30札幌
ケルン書房
なぎら健壱『日本フォーク私的大全』
(1995.9.25初版 筑摩書房)
登場;高石ともや、岡林信康、
五つの赤い風船、高田渡、遠藤賢司、
加川良、三上寛、斎藤哲夫、吉田拓郎
武蔵野たんぽぽ団、RCサクセッション、
泉谷しげる、もんたよしのり、
友川かずき、井上陽水、なぎら健壱
定価\1900→古本\1000
私が著者とすれ違ったのは1984年の
新宿ルイードでの、尾崎豊のデビュー・
ライブでだった。高校卒業直前に退学を
した彼の同級生などで満員の会場の中
私は招待席すらも立ち見状態で見てい
た。そこを通過したのが、なぎら健壱だ
った。最初、私にぶつかり「じゃまだ!」
と慇懃に通り過ぎ、戻って来た時には、
打って変わって「先ほどはスミマセン」と
超低調。その両面が彼なのだろう。そも
そも私は、フォークのやつらの馴れ馴れ
しさが嫌いだ。毛糸の帽子をかぶったり
するオシャレさも苦手だ。オーバーオー
ルを好むなどの半歩下がった幼児性も
むずがゆい。なぎら健壱は1952年生れ
だから、ビミョーに遅れてきたフォーク・
シンガーである。芸能界であれば、それ
は「若い」という商品価値になるのだろう
が、幸か不幸か彼はブ男だった。しかも
顔に似合わず(?)の美声。せめて枯れ
たブルース声であったら、なんとか個性
も立ったであろうが、中途半端であった。
私が(実は)いまだに彼を好きになれな
い理由は、それら全てにある。だから、
この本を古本屋で見つけた時には躊躇
した。登場する顔ぶれには興味がある。
しかし、それをなぎらの文章と思い出で
たどるのって、どうよ?という印象である。
しかし、高田渡が4月16日に死んでまだ
間もない時期である。この本と巡り合っ
たのも必然があるのかもしれない。しかも
この本も出版されてからもう早、10年が
過ぎているのである。たとえば、高田渡
のことであっても10年前の記憶と記録で
ある。買おう。そして、買った。その直後
に私は中古CD屋で高石友也の1969年
のアルバムを、これまた偶然に見つけて
買い、そのカッコヨサにブッ跳ぶ。確か
に、なぎらの文章や物語の運び方には
予定調和の準備が見えていて、私には
居心地が悪い。しかし、彼が押しかけの
アルバイトで初めて、1969年12月6日に
高石音楽事務所に行った時に、事務所
に早川義夫と『愚』の金延に会ったという
ことが本の冒頭にいきなり書いてあって
それだけで私はなぎらにひざまずいて
しまい、この本の価値を認めてしまった。
今度は他の人の視点でこの豊潤な時代
を記録した書物を読んでみたいと思う。
TERAROCK名盤100 95位

萩原健一『Donjuan』
♪ROCK!!「テラのROCK100」95位!!私の母親は「気がふれたか?」と評していた。
(1980オリジナル, 1999.10.20再発)
Donjuan super session
速水清司(eg,ag,vo)
石間秀樹(eg)
篠原信彦(key)
田中清司(ds)
原田祐臣(ds)
大口広司(ds)
林 雅勝(b)
菅原裕紀(percussion)
定価\1000→中古\1350
これも「テラのROCK100」に出て
たから(笑)買った。でも定価より高い
中古って、どーゆーコト?調べれば
廃盤らしい。今回、初めて買った(し
かも中古で・笑)私が言う権利など無
いが、ショーケンの名盤が入手でき
ない日本って、何んなんだ?また、
百戦錬磨の豪華メンバーの遍歴が、
ショーケンの元でまとまった意味の深
さに、多くのバカどもが気が付く日は
くるのだろうか?パーティの主催者と
してのボーカリストは、重要なのだ。
05/18深川
mini gallery
うなかが
めーゆの
美術館
個展『渡辺 通子 ミニチュアな空間展』 \0
センス、と言ってしまえば、それまでなのだが
日常品などに少し手を加えることで現れてくる、
作家の本質。画家としては、まだ発展途中では
あるのに、こーゆー方法論では遠くまでイケル。
05/21札幌
COLONY
ライブ『PANTA & 中川五郎 with SKi
CD「理想と現実」 発売記念LIVE』 \3000
すげー組み合わせ。新曲の出来はイマイチ。
05/22札幌
北海道立
近代美術館
ジャン・コクトー★器用さという悪夢。
展覧会『サヴァリン・ワンダーマン・コレクション
ジャン・コクトー展』 \1100
個人蔵だということに驚く。コレクターを熱狂さ
せる魅力があったのには間違いないが、有機的
に広がるメディアとしての一個人をコレクションし
ようとするならば、こうなってしまうという必然でも
ある。さすが、元祖共犯主義者(?)だ。ただ、
全てを観て一番興味深かったのは、コクトーが
被写体になった写真群であった。幅広い交友関
係や、ナルシズム溢れる演出、全てが面白い。
それらは彼の作品ではないが、彼が作った代表
作は「時代」であると考えるならば彼の作品だ。
常設展『これくしょん・ぎゃらりい
パリでみた夢 ―エコール・ド・パリ・コレクション』
「パリ−夢の都へ  モンマルトル全盛期」
ユトリロ、 ローランサン、ドンゲン、クローグ、ほか
ドンゲンの黒はマネを思い出させて現代的。
「夢のゆりかご−モンパルナスの青春」
パスキン、ダヴィッド、キスリング、 スーチン、
シャガール、国吉 康雄、藤田 嗣治 、ほか
パスキンのスケベ度は国吉を目覚めさせた?
「すぎゆく時代のなかで」
ヴラマンク、ドラン、スゴンザック、ヴラマンクほか
ドランの向こうにいるバルチュスを少し感じた。
「新所蔵展」
栃内忠男「坐る緑の裸婦」(1983)、小川マリほか
一見、粗雑に見える栃内の計算と訓練の跡。
ローザ・ルクセンブルグ『ぷりぷり』
♪・CD ローザ・ルクセンブルグ『ぷりぷり』 定価\2800→\1350 ヤギヤスオ『るつぼな下北沢日記』を読んだら、聴きたくなるわなぁ。
(1986.2.21 MIDI INC 初盤CD)
どんと(vo、久富隆司 1962.8.5生)
玉城宏志(g,vo,p,t、1958.3.4生)
永井利充(b,vo,sax、1961.10.23生)
三原重夫(dsvo,per、1960.2.3生)
定価\2800→中古\1350
私とすれ違って(?)デビューした
彼らの「あざとさ」が苦手だった。でも
ヤギヤスオ『るつぼな下北沢日記』
を読んだら聴きたくなるわなぁ。この
「あざとさ」を素直に楽しめないところ
に私の個性と不可能性があるのだろ
う。ただ演奏力はサスガだね。偉い!
05/22札幌
ギャラリー
どらーる
田園に手を伸ばせ!
個展『今荘 義男 展』 \0
キャンパスに刻まれた傷は最後の作業なのだ
ろう。刻む前にラインを構想するが、堅い画面に
つまづき、傷はイレギュラーな角度を手に入れ、
もっともつまづいた箇所では一番深い傷となる。
それは、リズムではない。それは、人生なのだ。
抽象画とは言われながらも、牧歌的な田園をモ
チーフにしていることが明らかな記号性を維持し
ていることに理解の回路を求める目に、突きつけ
られるナイフが刻む傷が極端な抽象度を持って
最後に登場してこなければならない理由とは、
同じ田園を長い間見つめて人生を過ごしてきた
作者の「現在」の存在証明であると思う。この二
つの手法が作品の中で見事に融合していること
に気が付いた時、私は「抽象」という概念の意味
の先を見せつけられる発見をした。それは通常
は抽象画を見る時は、作品の中に具象の姿が
まだ溶解途中である部分を捜し出して、それを
発見することを絵の解釈であるとしていた方法の
甘さである。今荘の作品では、具象の溶解途中
の部分は捜すまでも無く一目瞭然であり、むしろ
捜し出すべきなのは、より抽象度の高い部分で
ある。そこに記録された現在性が持つ、牧歌的
とは真逆の鋭角さや密室性に立ち止まることこ
そが正しいこの作家への向かい方であると思う。
たとえば、「古里」(120号、2005年)では通常の
彼の手法であれば塗られた色の内側に引かれ
るナイフの傷跡なのだが、色の外側の5mmほど
先から始まっている。その少しのアンバランス感
が、くすぐれれるユーモアと同時に、ささやかな
前衛性への夢のようなものを感じさせる。「古里」
(25号、2004年)や「古里」(25号、2005年)など
では傷とは逆に絵の具をたっぷりと乗せている。
これもまた傷なのである。先人の繊細な作業に
よって築きあげられた田園の前では傷跡も過剰
なるものも、「傷」なのである。作者はそれを否定
しようとはせずに、そこに積極的に意味を求めよ
うとしている。それは「歴史への爪あと」といった
単純な歴史主義ではなく、「丸い輪」を目指す
一方で、「破綻」を期待しているといった、二つ
の要素を同時に生きるフォルマリスト的な思考の
結果に選ばれた画法であると思う。そもそも古里
や田園とは自然とイコールなのではない。人間
の手が加わった先にあるものである。今荘の多く
の作品には、上下に二つの図形が描かれてい
る。そのように絵の中に二つのスペースを作るの
にも一つではなく、二つ並べなければ説明がで
きない世界を表現しようとしているからであろう。
そう観てゆくと、「古里」(変型55×120cm 30号、
1998年)は、とても面白い。自然と共生している
古里の象徴のような形態の角から、一本の線が
垂れている。しかし、それは偶然に描かれた線
ではなくて、先にわずかな白が塗られているの
だ。このような作業を見せ付けられると、今荘が
抽象という画家の生き方を選んだ積極的な理由
に納得させられる。多面的なのは立体だけでは
なく、心理もそうではあるが、同じ風景を長年見
てきて、そこで生きてきた者のみが獲得できる、
立体化された心理のことを「古里」と呼ぶのだ。
05/07札幌
Book Off
札幌
南1条店
柴田 元幸『猿を探しに』
(2000.11.5初版 新書館)
イラスト;きたむらさとし
定価\1680→\105
翻訳する思考が知りたくて(笑)、買っ
た。翻訳のプロでも、エッセイは余芸み
たい。だからこそ、面白く読ませようとし
て構成などにアイディアを使っているよう
であるが、そのスキマから見える「汗」が
微笑ましい。でも、同じ脳味噌から、あの
素晴らしい翻訳群が誕生してるのだよ。
05/30郵送
もらった。
高田エージ『永遠』
♪ついに発売!CD 永遠だったら、いいなぁー
(2005.6.7北海道先行 M-REVO)
定価\1050→もらった。
スタンダード曲とは、作ろうと思っ
て作れるものでもないだろう。43歳の
新人歌手という微妙さがそれを準備
できるのかもしれない。それにしても
誰にも嫌われないように生きるのは、
大変なことだ。むしろ、嫌われながら
生きる方が楽チンだ。ましてや表現
者であれば、なおさらのコト。スタン
ダードとは、その不可能性への挑戦
でもある。そこでつまみ出されるエキ
スとは、イノセントであろう。嫌われよ
うが好かれようが、個人の内部では、
イノセントなのだから。それを掴め!
穂村 弘、沢田 康彦、東 直子
『短歌があるじゃないか。
一億人の短歌入門』
(2004.5.30初版 角川書店)
定価\1365→\105
穂村の発言は、いつも気になる。デビ
ューしたての頃と違い、ここではもう風格
がある。彼流の「個性」が、実は普遍的
な詩の論理であるかのように短歌論議が
進められている。「きらきら光る」という言
い方は重複で、むしろ「きらきら」を殺す
から、「きらきらふえる」方がいい。と言う
のなど、彼以前ではポップと処理されて
いたのだが、今では、詩の本質である。
05/25
久保の
食文化の
師匠
である
★田中さんに捧ぐ!♪あん♪アン♪フード
システム
研究所

田中千博
さんから
蔵書が
郵送
されて
くる。

私からの
リクエスト
は、
蕎麦と、
中世
ヨーロッパ
であった。
植原路郎『蕎麦談義』
(1973.3.20初版 東京堂出版)
定価\1800→\0 もらった
1918年早大政経科卒、という経歴が
恐ろしい(笑)が、今日のそばブームに
おいてウンチクをかまそうと思ったらまず
種本になるのが、この著者。すでに同じ
出版社から『蕎麦辞典』という体系作り
の仕事を終えた後なので、本書は肩の
力を抜いており、それがさらに蕎麦に、
ふさわしい。名人落語家の思い出話を
縁側で聞くゼイタクに似た読書時間を、
味わうことができる。通なら(?)名前を、
「ろろう」と正しく読んで、差をつけよう。
06/10札幌
セカンズ
平岸店
Fred Neil / フレッド・ニール
『Bleecker & Macdougal /
ブリーカー&マクドゥガル』
♪ROCK!!これもニューヨークのアルバム。
(1965.3オリジナル, 1998.5.25再発)
produced by Paul Rothchild
Pete Childs on guitar and dobro
Felix Pappalardi and
‘Chip’ Douglas Hatelid on bass
John Sebastian on harmonica
定価\1785→中古\1350
ずっと捜していたアルバムだった。
と、言っても4年前からだ。2001年に
私は念願のニューヨーク旅行をした
のだが、帰国直後の7月7日に64歳
で死んだのがフレッド・ニールだった
のだ。同月16日(月)の北海道新聞
夕刊に、天辰保文がこのアルバムを
紹介していた。「ブリーカー通りと、
マクドゥガル通りが交わる一角」という
特権的な空間をサイモン&ガーファ
ンクルの「霧のブリーカー通り」や、
ビートニク詩人のジャック・ケルアック
の「ブリーカー通りを風に吹かれて飛
んでいく古新聞の気分」という言葉を
紹介しながらの解説は、まだその土
地の記憶が生々しい私にとっては、
どうしても聴きたい1枚の登場を意味
した。しばらく、その新聞記事を机の
上に黄色くなるまで置いておいたぐ
らいだ。さて、聴いてみての印象だ
が、「世界初CD化」というだけあって
音がかなり良い。もっと古いタイプの
フォークをイメージしていたので少し
拍子抜けしたが、よく考えれば、もう
時代はザ・ビートルズであったワケで
ある。しかも彼は1958年9月10日に
ビートルズも大好きでコピーしまくっ
ていたかの偉大なるロケンローラー、
バディ・ホリーに「Come Back Baby」
という曲を書いているのだ!フォーク
の元祖にして、ロックの元祖に曲を、
提供しているというネジレが面白い。
この遅れてきたデビュー・アルバムの
ユニークさも、そこにあるのだろうな。
阿部謹也『中世を旅する人びと
(1978.6.14初版 1983第17刷 平凡社)
定価\1900→\0 もらった
サントリー学芸賞などを受賞している
名著である。著者の専門はドイツの中世
だが、網野善彦が同時期に研究してい
た日本中世史にも通じる民衆史の再読
である。さらに、種村季弘、山口昌男の
仕事を楽しむための、基礎資料となる。
05/29旭川
ギャラリー
MiZu

旭川市
西神楽
4線9号
1-1526

電話;
0166-
65-7356
Open記念企画 個展『阿部 國良 展』 \0
阿部國良の重層的な作品は、大自然の大胆
さと人間の歴史の因果を感じさせる。初見では、
ストロークを楽しむ抽象画に見えるが、よく見ると
絵の具の下に人物や鳥などの形に切った紙が、
貼られている。その上に大胆な殴り書き(?)が
がされているのだ。中に「ニューヨーク9月11日」
という作品があった。「これ、ツイン・タワーを素材
にしているのでは?」と、私が阿部画伯に質問し
たところ、それまで椅子に深く座ってガキがケー
キを喰い散らかすのを優しく微笑みながら、見て
いたのだが顔が引き締まり色々と語ってくれた。
実はNY911が起きる直前の個展で、それを予言
したかのような作品を出品していたらしいのだ。
そのツイン・タワーが崩れ落ちるような作品は、
今回は展示されていなかったが、画集の掲載で
見せていただいた。当時多くの仲間もその絵が
示した予言(?)に気が付き、事件直後は不思
議な気持ちに陥ったそうだ。そんな話を交わした
後に、改めて作品を見つめると、コラージュされ
ている切り絵には明確なメッセージが準備され
ていることに気が付く。本人は抽象画であるとは
思っていないそうだが、なるほど、明確な具象が
声をひそめながらも、強く厳しく、主張している。
『蕎麦の世界』
編集;新島繁、薩摩夘一
執筆;氏原暉男、内山一也、興津要、
片倉康雄、桂米朝、草野毅徳、
小林清之介、薩摩夘一、佐藤要人、
白鳥理一郎、鈴木啓之、鈴木棠三、
長友大、新島繁、林美一、深尾吉則、
藤村和夫、堀田平七郎、三輪茂雄、
渡辺一雄 (以上、五十音順)
(1985.9.15初版 1992第5版 柴田書店)
定価\2300→\0 もらった
幅広い文献。もしかしたら、蕎麦に関
する本はこれ一冊でこと足りるかも。さす
が柴田書店と言うべきか。高価だけど。
マドレーヌ・ペルナー・コズマン
ヨーロッパの祝祭典
中世の宴とグルメたち』
訳;加藤恭子、山田敏子
(1986.12.24初版 原書房)
定価\2000→\0 もらった
イギリスの中世の魅力が充分に伝わ
る好著。日本版に付けられた、ほぼ全
ページのイラストと、各章ごとの解説が
素晴らしい。訳者の加藤恭子は2000年
代に入って『田島道治 昭和に「奉公」
した生涯』(阪急コミュニケーションズ)、
『昭和天皇「謝罪詔勅草稿」の発見』
どの昭和史の掘り起こしもしている才女
であり、まさに歴史を知る者の解析力。
06/08深川
mini gallery
うなかが
めーゆの
美術館
個展『内海 真治展』
雪の町、我が沼田町ですら気温28.9度にな
った6月8日に見てきた。うなかがめーゆ美術館
のオーナー渡辺通子画伯は庭仕事をしていた。
相変わらずの素敵な庭には、花が順番に咲き始
め、このながめも楽しみ。そんな庭にも内海画伯
によるユーモアあふれるオブジェが溶け込んで
いた。画廊の中に入ると、ミニ・タイルを中心に、
にぎやかな色と形の洪水!ミニ・タイルは作家が
施設長をしている知的障害者の工房での、共同
作業で、ひとつ100円。ひとつ売れると、数十円
が知的障害者の収入になるというシステムも芸術
的。廃材を再生させることと、知的障害者と共同
作業することの源流は同じなのだろうか?ガウデ
ィ並みだと言われる、内海邸にも行ってみたい。
藤村和夫『だしの本』
(1988.3.27初版 '97第4刷ハート出版)
定価\3150→\0 もらった
蕎麦と、うどんの本を書いてきた著者
が、前人未到(?)の「だし」の本を書い
た。「だし」とは「焼く」から「煮る」へ進化
し「料理」と呼べる文化が生れた原点。
Buffalo Springfield /
『Again / アゲイン』
♪ROCK!!ニール・ヤングがストーンズだった頃。
(1967オリジナル、1989.5CD再発)
Neil Young / ニール・ヤング(vo,g)
Stephen Stills /
スティヴン・スティルス(vo,g)
Richie Furay /
リッチー・フューレイ(vo,g)のち、ポコ
Dewey Martin /
デューイ・マーティン(vo,dr)
Jim Fielder / ジム・フィルダー(b)
定価\1911→中古\1350
このアルバムの裏ジャケットには、
約80名の彼らが影響を受けた先輩
ミュージシャンらの名前が連ねられ
ている。たとえばジミ・ヘン、リンゴ、
ボブ・ディランなどという風に。その中
で真っ先に大きな文字で書かれてい
るのが、なんとフレッド・ニールだ。こ
れは偶然ではあるが、今の私の興味
がボブ・ディラン周縁であることが呼
びこんだ準備された偶然なのであろ
う。メンバーの中で特にフレッドが好
であったのが、スティヴン・スティルス
で、憧れてフロリダからニューヨーク
のグリニッチ・ヴィレッジに赴いたの
だ。しかし、そこで観たビートルズの
映画『ハード・ディズ・ナイト』により、
趣向がロックへと変わってしまった。
がくっ。んで、フレッド・ニールよりも、
ずーっと若いニール・ヤング(笑)と
一緒に組んだのがこのバンド。若気
の至りとはよく言うが、恥も外聞も無く
無邪気に影響を受けた音楽をゴチャ
マゼにやりつくしている姿はまぶしく
もある。しかし、この「学校」のような時
期を過ごしたからこそ、豊潤な未来
が開けていったのであろう。そう考え
れば、完成度は基準とはならない。
06/10札幌
時計台
ギャラリー
個展『佐藤綾子日本画 展』 \0
自己主張が強く、頭の回転が早い、早口の女
の子が、オバサンになる前にやっておく出会い。
若さとは風俗ということだから、次は普遍を期待。
個展『北を描く 塚田進 個展』 \0
片岡球子ブームが続いているということかな?
マドレーヌ・ペルナー・コズマン
中世の饗宴
ヨーロッパ中世と食の文化』
訳;加藤恭子、平野加代子
(1989.5.8初版 1989.7第2刷 原書房)
定価\2000→\0 もらった
著者の筆は常に具体的性を求める。
それはコロンビア大学で、史学部と同時
に医学部も学んでいたという経歴からも
分かる志向によるものだろう。その結果、
ムードだけではない中世が記録され、さ
らにだからこそムードも成立させるのだ。
個展『徳丸滋 展 ニセコアンヌプリの風 II 』 \0
古い作品が中心だということは、新しいファン
の私にとっては興味深い。改めて感じたのは、
彼の持っている「日本画」画家としての素養だ。
能舞台の劇的 な人工美のような構図と、絵の具
の使い方、特に今回は一番最後に塗られたであ
ろ う、ビビッドな黄緑の展開が、一種の決意(=
実験?)のような孤独な思索の突き放し方のよう
に見え、印象的だった。構図を生み出す芸か。
個展『第20回イーゼル会 展』 \0 27人参加
素人は色を重ねるとボロが出る。恥の上塗り?
ジャン=フランソワ・ルヴェル
『美食の文化史
ヨーロッパにおける味覚の変遷』
訳;福永淑子、鈴木晶
(1989.10.30初版 筑摩書房)
定価\2880→\0 もらった
膨大な文献から「食」の部分をつまみ
出し、それを線で結ぶことによる歴史。記録
された言葉という呪術性との遊戯も面白い。
06/10札幌
ユナイテッド
シネマ札幌
映画『ミリオンダラー・ベイビー
監督&主演;クリント・イーストウッド
出演;ヒラリー・スワンク、モーガン・フリーマン
勝利のカタルシスを味わえるボクシング映画で
あると思ってきている週末の恋人たちには残念
なストーリー展開ではあるが、イーストウッドの業
はこう描かざるを得ないところにまで来ている。観
終わった後にはレモン・パイが食べたくなるが、
その酸っぱくて甘い味が、この映画の味なのだ。
マドレーヌ・ペルナー・コズマン
中世の饗宴・PartU
中世貴族の華麗な食卓
訳;加藤恭子、和田敦子
(1991.3.16初版 原書房)
定価\2200→\0 もらった
「あとがき」で見れる、コズマン女史に
よる”中世風パーティ”の写真が圧巻。
食事だけではなく、衣装も音楽も行事も
全て中世を再現しようとする人の料理。
06/12札幌
ポスフール
藻岩店
「玉光堂」
ライブ『高田エージ』 \0
ポスフールでのライブは日曜日の午後3時に
買い物に来店した一般客向けという、ある意味、
「永遠」な時間帯(笑)。このまったりとした時間と
空間でも、たった3曲で観客に印象を残す、高田
エージ。これは百戦錬磨という経験と、彼が持っ
ている「毒が無い」という個性。ロックのスタイルで
「毒が無い」と言えば、実は元祖Jポップなのだ。
それでも彼がメジャーに成りきれなかった理由は
ボウイやXジャパンが持っている「見せかけの毒」
すら無かったということなのだろう。勝負すべし!
バーバラ・ウィートン
フランスの食文化―中世から革命まで』
訳;辻美樹
(1991.7.10初版 大修館書店)
定価\4120→\0 もらった
アナール学派らしく、瑣末な事例を数
多く紹介しながら、全体像を浮かび上げ
ている。ワインの記述は、ほとんど無い。
06/16深川
深川市
アートホール
東洲館
個展『坂本 順子展 ― 不在の構図 ― 』 \0
今回、あらためて坂本順子画伯の作品を網羅
的に観る機会を得て感じたのはコラージュ作家
が好む、写真や新聞記事などを素材に使ってい
ない・ということ。ある意味、写真や新聞記事は
情報として「二次加工」されたものであり、画伯に
とっての興味はそうではなく、情報が加工される
前の「素材」そのものなのかもしなないなぁーっと
思った。作家がコラージュに向かう時に、素材選
びには「情報」の濃度の選択があると思うのだ。
神田日勝たちが、好んで新聞記事を画材に取り
入れたのは、そこに明らかな同時代であろうとす
る意思表示があったからだろう。セピア色の写真
などを取り込む作家たちにしても、同様だろう。
坂本順子画伯がそうしなかったのは、扉は扉、
パイプはパイプ、網は網、鳥の首は鳥の首、と
して必要であったからではないだろうか。
■今回、順子画伯をめぐる多くの方が深川市に
集まって、作品を一つづつ愛しみながら展示方
法のアイディアを出し合っている姿を、遠くでサ
ボリながら見ていると、そんな人々の集まりその
ものが順子画伯のコラージュ作品のようにも感じ
た。もちろん、それは画伯の人柄なのであろうし
私などが知りえない魅力的な交流の中間報告な
のであろう。しかし、もう一方で画伯自身が作家
であると同時に優れた美術ファンであるという面
も記憶しておきたい。作家同士がファンなのだ。
新島繁『近世蕎麦随筆集成
(1996.12.25初版 秋山書店)
定価\8925→\0 もらった
極北のブッキッシュな世界。ネットの
時代にもこーゆー本が生かされるべき。
06/19旭川
Book
Big
Box
永山店
Matching Mole / マッチング・モウル
『Matching Mole / そっくりモグラ
そっくりモグラ♪
(1972.4オリジナル、1991.9.21CD)
Robert Wyatt(vo,ds)
デイヴ・シンクレア(key)
ビル・マコーミック(b)
フィル・ミラー(g)
ゲスト;デイヴ・マックレエ(key)
定価\1800→中古\1260
カンタベリーとは、やっぱりイナカ
であったのだろう。だから、ロバート・
ワイアットのように個人的なことから、
共産党などをめぐる政治のことまでを
歌にできたのだろう。それはまた同時
にロンドンから距離を置いていること
によって流行やヒット曲のルールから
解放されていたという環境も生んだ。
そんな土壌で、最先端のジャズや現
代音楽、ビートニク文学を純粋に受
け手として楽しみ、影響を受け育ち、
同時に驚異的な演奏テクニックを持
っていたのだから、同時期の日本の
GSは何だったんだ(がくっ)。数多く
の友情物語がバカテク・ミュージシャ
ンの間であったのだから、イナカとは
言え、イギリス南東部ケント州カンタ
ベリーは特殊な地域ではあったのだ
ろう。しかし、いくら特殊で優れてい
ても、ヒット曲という求心力が無いと、
バンドの持続力も生れない。それが
自由との交換条件であったのだろう。
毎度繰り返されるメンバー・チェンジ
の中で、時折、生まれる偶然の踊り
場がある。その一つがこのアルバム
なのだろう。偶然の産物を喜びたい。
『97・鰹節』
(2000.11.15初版)
定価\3360→\0もらった
お見事!乾物とは、
保存のためでもあり流通
のためでもあったのだ。
『111・海苔』
(2003.3.15初版)
定価\3465→\0もらった
今、私が興味あるの
は韓国海苔と日本海苔
の関係。海苔のシルク・
ロードってのもあるかも。
05/30郵送
もらった。
フリーペーパー『M-REVO PRESS』9号
♪久保AB-ST元宏の文章も載っているぞー。
(2005.6.7北海道先行 M-REVO)
◆Interview:高田エージ、KING、
KEN KEN
対談;ミッキー・カーティス高田エージ
Fictitious Sound Track『Hotel』
MUSOU BROS
Live Spot INFORMATION and more...
UCHIMIYA NORIKAZU
◆Fashion Culture:【 n ゜】
定価\0
広角な編集方針が、かなり戦略的。
私の文章が載っているのも、良い(笑)。
06/16深川
mini gallery
うなかが
めーゆの
美術館
個展『坂本 順子展 ― 彼女の領域 ― 』 \0
こうして坂本順子画伯の展覧会を成功させよう
と、多くの知人&友人が集まられたことに偉大な
る作家の「不在の構図」とはネガティブな意味で
はなくて、運動体としての「不在の構図」であると
実感した。これは「彼女の領域」があきれるぐら
いに広大であることの証明なのかもしれない。
■本展覧会は今年の北海道画壇を年末に回顧
する時には必ず触れられ&語られることだろう。
とにかく素晴らしい展覧会だ。どれぐらい素晴ら
しいかと言うと、涙が出るほど素晴らしい。
06/19旭川
ギャラリー
MiZu
個展『渡辺 貞之 展 ― 存在と眼 ― 』 \0
いつもながらの圧倒的なデッサン力に無口に
させられつつも、大作の自己模倣再生産ぶりに
控えめに疑問を感じる。技術が邪魔くさいのか?
06/25札幌
シアター・
キノ
映画『コーヒー&シガレッツ』 レイト割引\1200
監督;ジム・ジャームッシュ
出演;ロベルト・ベニーニ、スティーヴン・ライト、
ジョイ・リー、サンキ・リー、スティーヴ・ブシェミ、
イギー・ポップ、トム・ウェイツ、ビル・マーレイ
小津安二郎や落語に通じる、「間」の感覚が
心地よい。短編なんだけど、全てを見終わると、
全体の関連性が見えてくる。それって、世界?
06/09久保の
食文化の
師匠
である
★田中さんに捧ぐ!♪あん♪アン♪フード
システム
研究所

田中千博
さんから
蔵書が
郵送
されて
くる。

私からの
リクエスト
は、
現代詩と、
ニューヨーク
であった。
通過点。そして、大作家へ。
宮本研『戯曲集 革命伝説四部作』
(1971.8.15初版 1974再版 河出書房)
装幀;粟津潔
定価\1300→\0 もらった
日本人がマジメだった、最後の時代。
田中氏の手紙より▲もう一冊の宮本研の
『革命伝説・四部作』は、すべて舞
台を観ました。「美しきものの伝説」は、
太地喜和子のヒロインが、「活写」と評
するのにふさわしい、生きている野枝
を見ているような名演技でした。ある日
参加者も少ない小さな会場で、宮本・
太地のお二人から、この芝居の話を聞
く機会がありました。私が座る最前列の
椅子の前に、二人の机があるだけの、
膝つき合わせた対面でした。懇談会
が終わってから、持参した『四部作』を
出しました。宮本氏からサインを戴いた
後、主演の太地喜和子に賛辞を呈し
ました。そこで「美しきものの伝説」の
ページを開いて、「わたしの好きなあな
たに、同じくらい好きな伊藤野枝に代
わって署名して下さい」と頼みました。
彼女は快く元気な字で「伊藤野枝」
記したのです。毎回の主題から、主宰
者は極左と見ていましたが、この主宰者
が羨ましそうに、やりとりを聞いていました。
金延幸子『み空』
み空♪1972年!
(1972.9.1オリジナル,2002.9.11CD)
プロデューサー;秦政明
ディレクター;金延幸子、細野晴臣、
吉野金次
アレンジ;金延幸子、
細野晴臣(2,4,7)
金延幸子(vo,g,12st-g)
細野晴臣(b,p,ep,eg,marimba,organ)
中川イサト(g,slide-g,eg,)
林立夫(ds,percussion)
鈴木茂(eg)
吉野金次(celesta)
定価\1785→中古\1050
歴史の話をすれば、ティンパン・
アレイの連中がバッキングをしている
し、のちのユーミンや大貫妙子の登
場の準備をしたアルバムとも言える。
1972年という時代の意味なのかもし
れないが、アコースティックな手触り
の音でありながら、フォークのメロディ
も、歌詞の説教臭さも、すでに無い。
しかし、本人が最近になって語って
いるように、「当時は4chTRが主流で
録音時は一発録りでメンバー皆ピリ
ピリしていた」と言うように、サウンド指
向はかなり高い。そこに、隆盛の兆し
があったスタジオ・ミュージシャン時
代とのシンクロがあったのであろう。も
ちろん、それら時代の要求に耐えら
れた彼女の声、歌唱力、作曲センス
が、パイオニアとして優れていたから
なのだが。同時代の海外で起きてい
たシンガーソングライター・ブームの
日本版の回答であったとしても、だ。
その「回答」は、細野晴臣がアレンジ
をしている3曲(2,4,7)にスケベ根
性丸出しなぐらいに出ている。当時
はまだ「おしゃれ」という価値基準は
無かっただろうが、このアルバムが持
つ現代性は細野アレンジ曲の点在
が演出していると言い切っていいだ
ろう。逆に、「おしゃれ」から不器用な
のが中川イサトの生真面目なギター
であろう。ただし、彼は気が付いては
いないかもしれないが彼が仲たがい
をした”五つの赤い風船”の西岡た
かしのセンスがここで役立っている。
06/26札幌
大丸藤井
セントラル
スカイホール
個展『my gyroscope 渡會 純价 展』 \0
人気のある作家は人畜無害に見えて、不利。
展覧会『大谷短期大学OB「谷の会」展』 \0
佐藤潤子、関川敦子、洞内麻希、米谷雄平ら
の作品もあり、トクした気分。特に、川畑盛邦
意欲的な作品が素晴らしかった。この画家は、
まだまだ変わって行きそうだ。玉石混合で愉快。
06/26札幌
シアター・
キノ
映画『タカダワタル的』 早朝\1200
監督;タナダユキ
出演;高田渡、柄本明、松田幸一、高田漣、
ロケット・マツ、佐久間順平、松永孝義、
中川イサト、坂庭省悟、坂田明、シバ
意外にも満席!終始、笑いっぱなしで観たが
高田渡が死んだのだと思いながら笑うのも、なん
だか彼らしい。この映画が作られて、良かった。
06/26札幌
札幌
市民
ギャラリー
公募展『全道展 60周年記念』 招待券
富田知子風、佐藤潤子風が増えた。富田風
は、市橋節こ、菊池章子、佐藤説庫。佐藤風は
神谷礼子。桔梗智恵美は、その影響とは別では
あるが全道展らしい作品。ただ左上の木は弱く、
左下の板が面白いなど発展途上中。最古参の
栃内忠男のアヴァンギャルドな作「窓」は新聞で
観ていたが実物の方が説得力がある。彫刻は、
小川誠や澤口真美のように、浮遊感のある作品
にいいものがあった。「丸み」と「浮遊感」の相関
関係をいつか考えてみたい。全てを観るとやはり
1980年生れの會田千夏のズバ抜けさが強調さ
れて印象に残った。森弘志などの意欲に期待。
小寺謙吉『発禁の詩
―抹殺された詩人の発掘―』
(1972.9.25初版 評言社)
定価\1500→\0 もらった
権力が「詩」を恐れた時代があった。
田中氏の手紙より▲本のことですが、
近くなら車で来てほしいところですが、
そうもいきませんね。「これを読め」と偉
そうなことは言えません。そこで誰に残
そうか、決めかねている秘蔵の本を送
ります。前に戴いたメールに自身を「詩
人」と呼んでいましたね。そこで思い
出して『発禁の詩』を出してきました。
小樽には高校からの友人で詩人の
萩原貢氏がおります。二月に会ってき
ました。彼から送って戴く詩集を読む
たび、私も詩を書くことを望みながら、
ついに書けるような心境を、自らに与
えていない思いを、繰り返してきたよう
に思います。『発禁の詩』の著者・小寺
謙吉は、私が販促や宣伝の仕事をし
ているとき、取引先のテレビCM制作
会社にいました。接待を嫌う私の趣味
を探っていたようで、誰に聞いたのか、
前衛の劇や映画についてくるようにな
りました。彼を見直したのが贈呈された
本です。長く書架に晒して日焼けした
のに気付き、セロハンに包み奥にしま
った時は、すでに遅過ぎたようです。
これと合わせて二冊の本も仕舞いました。
本の重さを何で量ろうか?★夢?
06/26札幌
ギャラリー
どらーる
個展『黒阪 陽一 展』 \0
絵の印象は、「夜の処女」、と言った感じか?
明らかに物語性を含んでいると思うが、それは何
か?画家が好んで選ぶ主人公はたくましい鷹で
ある。しかし、それはその自慢の翼を広げること
なく、夜にうずくまっている。その姿は何かを守っ
ているかのようだ。緻密な画法と、選ばれた小物
により、その「守り」は観るものに「祈り」を強くイメ
ージさせる。しかし、鷹は永遠に翼を閉じている
わけではない。閉じていることは、広げる前という
ことであり、広げた後ということでもある。その予感
が、この静寂な絵に暴力の予感をも重ねてゆく。
冒頭に挙げた私の印象を換言すれば、それは
処女は処女でも「淫売宿の処女」のイメージなの
である。広げていない翼は力を溜め込み、そこに
紫蘇の匂いがからみつく。画家は描く花に百合
やポピーを選ぶ。匂いにむせびながら離すこと
ができなくなった目は、構図を感じ出す。「冬日」
(100F)の絵の下のほうに、かすかに浮いている
3つの白い小さな玉は木の実なのか?その答え
にもはや意味は無い。画家は気の遠くなるような
具象の技術を駆使して、独特の劇的な構図を創
造することに最も大きな興味を持っているのだ。
だから、浮いている小さな3つの玉と、上空の月
が4点のシンメトリーを作り上げていることに我々
は画家が準備したトリックであるにもかかわらず、
神がこしらえた大自然の奇蹟に立ち会ったような
弱者の持つ小さな幸福感を感じてしまうのだ。得
意のガラス壺の中のビーナスの横顔のイメージ
や、「花降る」(60S)での見失われた紙風船や
つながれてしまった鳥のイメージ。全ては絵画で
ある前に「物語」なのであり、しかもそれは言葉で
はなく、厳しい具象の技術でしか語れない絵画
による「物語」なのである。たとえば、なぜ鷹はリ
アルに描かれ、鳩は玩具のように描かれている
のか。それは謎ではなく、物語なのだ。私たちが
彼の描く絵に一度置いた目を離すことができなく
なるのはまだ物語が終わっていないからなのだ。
藤沢周平『暗殺の年輪』
(1973.9.25初版 文藝春秋)
定価\680→\0 もらった
陳腐にならない創造的な比喩形容。
★田中さんに捧ぐ!♪あん♪アン♪近所だったのね。
田中氏の手紙より▲『暗殺の年輪』は
藤沢周平氏が直木賞を受賞した折り、
ささやかなお祝いの会で戴いたもので
す。藤沢さんは作家になる前まで、食
品業界紙の編集長でした。郊外に住
んでいるときは家も近くでした。お互い
若かったですね。私の年賀状を楽しみ
にして、いつも感想を書いた賀状を、
正月早々に送ってきました。亡くなった
と聞いて出かけた葬儀は、弔辞を読ま
れた人も内容も立派なものでした。
サディスティック・ミカ・バンド
『サディスティック・ミカ・バンド』
ミカ・バンド♪1973年!
(1973.5.5オリジナル,1992.6.24CD)
加藤和彦とお嫁さんミカ(vo)
高中正義(g)
小原礼(b)
高橋幸宏(ds)
定価\1800→中古\1050
7年後のYMOの準備をしていた
Jポップの「幼年期」と思えば良いの
か。私には加藤和彦のハシャギぶり
が痛い。しかしこれも新婚だからイイ
のか(がくっ)?マースとか星くずとか
デヴィッド・ボウイの影響モロなのに
これでロンドンで勝負しようとした脳
天気ぶりが、まぶしい?各曲のイント
ロはかっこいいが、曲は「シトロン・ガ
ール」のような加藤節にこそ魅力があ
る。やはりジャパネスクYMO勝負?
そう考えるともうイギリスのイナカでは
マッチング・モールがヒット曲とは無
関係にすごい世界を構築していたん
だから疲れる。しかし、ここでのヒット
曲のエキスはダウン・タウン・ブギウギ
バンドなどに消費され、遠回りする。
06/26砂川
浮浪工房
内海真治の自宅でもある『浮浪工房』 \0
変人であることは、芸術家になる近道である。
07/08札幌
時計台
ギャラリー
個展『香西 富士夫 個展』 \0
悪趣味と感じてはイケナイか?個性って何?
個展『新出 リヱ子 個展』 \0
上手い下手ではなく、パワフル。しかし弱い。
個展『阿部 国利 小品展』 \0
坂本順子との相違点ばかり気になってしまう。
グループ展『私好作娯展』 \0 6人参加
脇山修二「これはGameではない」が面白い。
個展『襤褸(ボロ)の煌めき 杉浦和子作品展』 \0
これもまた「ゲージュツ」なのだろう。売れる?
07/08札幌
ギャラリー
ユリイカ
企画展『ギャラリーユリイカ 開廊25周年記念展
THE-HAIKU 俳句を描く25人の作家』 \0
曾田千夏、阿部典英、上野憲男、漆崎正憲、
岡部昌生、角川春樹、粟井典子、黒木孝子、
吉田鴻司(河・最高顧問)、米谷 雄平ほか
オーナー鈴木葉子の俳句はイマイチ(失礼)
だが、相乗効果を生もうとするパートナー画家に
はグッとくるものが多い。画廊主とは目利きであり
母親でもあると言うことか。そう考えれば、充分過
ぎるぐらい祝祭的な展覧会であり、見事なネット
ワークを築いてこられた努力と才能こそが、最高
かつ何よりの「芸術」なのかもしれない。そう言う
意味では若い會田千夏の参加が嬉しいし、画廊
の壁の前では、全ての作家は平等になるという
ある意味過激で厳しい思想を見せ付けられた。
福田浩『そば蕎麦百珍』
(1996.10.31初版 柴田書店)
撮影;高島不二男
装丁;田島浩行
定価\2884→\0 もらった
そばの無限の可能性を証明したレシピ。
07/10旭川
Sun House
Wynton Kelly / ウィントン・ケリー
『Kelly blue / ケリー・ブルー』
Kelly Blue♪1959年録音。
(録音1959.2.19,3.10CD1985.6.21)
Wynton Kelly(p)
Nat Adderley(cornet)
Benny Golson(tenor sax)
Bobby Jaspar(flute)
Paul Chambers(b)
Jimmy Cobb(ds)
定価\3200→中古\1340
1990年代のロックがつまらなかっ
たおかげ(?)で、私はこの時期に体
系的にジャズとモーツアルトを集中し
て聴いた。それはCDというLPの文庫
本化とでも言うべき後押しと、私自身
の金銭的な余裕の派生、中古CD市
場の商品の飽和化などが組み合わ
さって、「お勉強」にはいい環境であ
った。こんな時に、活字情報に頼る
のが私らしいのだが、その理由には
作品と批評との関係が真剣勝負であ
るかどうかを見抜く、メタ批評の楽し
みもあるからだ。今から振り返れば、
その時期は1994年の春から始まった
ようだ。それは私がCD購入の手引き
にしたスィング・ジャーナル別冊『新
解釈!! ハード・バップ熱血辞典』と、
リテレール別冊『モーツァルトを聴く
私のベスト1』が、同時期にその時に
発売されているからだ。ジャズに関し
ては私はその後、中山康樹という名
文家を「発見」し、その後は彼の評論
を指標として聴き進めている。が一方
で『ハード・バップ熱血辞典』の105
ページで止まってしまってる、つまり、
購入できていなかったアルバムもあっ
た。それが、コレだ。名盤にして中古
市場に流れない。11年待ったんだぜ
と、再びジャズのお勉強が再開か?
07/08札幌
ユナイテッド
シネマ札幌
映画『宇宙戦争 / War of the worlds』 \1200
監督; スティーヴン・スピルバーグ
原作;H・G・ウェルズ
ナレーション;モーガン・フリーマン
出演;トム・クルーズ、ダコタ・ファニング
レトロSF。『スター・ウォーズE3』便乗商売?
ビル・ブライソン『アメリカ語ものがたりA』
訳;木下哲夫
(1997.3.14初版 河出書房新社)
装幀;渋川育由
定価\2472→\0 もらった
新大陸の歴史とは、新言語の歴史でも。
映画『ダニー・ザ・ドッグ/ Danny the dog』\1200
監督:ルイ・レテリエ
脚本;リュック・ベッソン
出演;ジェット・リー、モーガンフリーマン、
ボブ・ホスキンス、ケリー・コンドン
おとぎ話。比べてみると『宇宙戦争』、ダサイ。
ダナ・R・ガバッチア『アメリカ食文化史
味覚の境界線を越えて』
(2003.2.25初版 青土社)
装幀;岡孝治
定価\2884→\0 もらった
アメリカの食は貧しいと嘆く前に読む本。
07/10旭川
ギャラリー
MiZu
個展『西村 徳清 展』 \0
今年の全道展の出品作よりも私にとっては魅
力的な作品があった。色々、試してみて欲しい。
「oceania」は厚塗りのマチエールが面白い風景
画だが、斜めの建物を黄緑と白でまとめ、非現実
な一瞬を見事に捕らえている。人物画も、魅力。
「世界の食文化K」監修;石毛直道
編集委員;大塚滋、樺山紘一、川北稔、
熊倉功夫、本間千枝子、南直人
本間千枝子・有賀夏紀『アメリカ』
(2004.4.23初版 農山漁村文化協会)
ブックデザイン;杉浦康平+佐藤篤司
定価\3200→\0 もらった
スターバックスまでの、最新アメリカ食史。
「アメリカ料理とは何か」がアメリカ論となる。
07/10旭川
ヒラマ画廊
グループ展『パステル画』 \0
平間文子「花の根(アマリリス)」
単なる静物画だがドキリとする深い謎がある。
神田比呂子「いもうと」
彫刻家らしい骨太にとらえた、男っぽい画風。
羽賀夏子「画を描く母」
今イチ個性を構築する手前で止まってしまう。
井上由美子「玉葱夜想」 エッチング
植物もまた生き物である怖さが表現できてる。
06/19旭川
Book
Big
Box
永山店
V・ニィスキー、M・ベルヤット
訳;山上晴夫
『ニカラグア サンディニスタ革命』
(1985.10.5初版 ありえす書房)
定価\1800→古本\210
原本は1984年、翻訳は1985年。訳者あ
とがきには、「革命の防衛に全国民が銃をと
って立ちあがっている新生ニカラグアとの連
帯に、本書が果す役割は小さくないと信じ
る。」と、熱い言葉で締めくくられているが、
この出版の直後に時代はさらに変わった。
07/13札幌
時計台
ギャラリー
個展『斉藤 嗣火(つぐほ) 個展』 \0
なんだか、弛緩した印象でした。元々、技術
の高い画家ではないとは思いますが(←簡単に
ヒドイこと、言うなぁ〜)、構図のインパクトも、どう
も独りよがりな印象でした。・・・・・・と、思って方々
に言っていたら渡辺通子画伯から「彼は武蔵野
美術大学の卒業作品を学校が買い取ったぐらい
若きエリートだったのよ。私も雑誌『芸術新潮』で
見た彼の絵が好きで切り取ってズッと持っていた
のよ。」と言われ、アッと思い『あるサラリーマン・
コレクションの軌跡』に出ていたのを思い出した。
佐々木マキ『いとしのロベルタ』
(1991.8.20初版 ほるぷ出版 イメージの森)
定価\1300→古本\720
佐々木マキの描く人間には、指が5本あ
る。その几帳面さと、省略を許さない指の持
つ魅力が彼のイメージの秘密であると思う。
本作に登場する風景は、ある意味、かなり
ベタなネタだ。しかし、それを正面から取り
上げる「青年臭さ」も、間違いなく魅力だ。
個展『吾孫子 雄子 油絵展』 \0
赤・青・黄を品良く画面に収めた無彩色の力。
グループ展『第20回 火よう会油彩展』 \0
講師;斉藤嗣火 15人参加
講師の作風に影響されずに、それぞれが個
別の手法で描いていることに好感。特に小山内
伊津子「イタリアン」(F10)が画家の個性を生かし
つつも静物の質感や造型の面白さを記録した。
古川日出男『アラビアの夜の種族』
(2001.12.25初版 角川書店)
定価\2835→古本\1363
「物語」について考えさせられる物語だ。
もちろんRPGという流行のテレビ・ゲーム的
思考が生んだ、メタ物語でもあるのだろう。
しかし、それは大昔の少年小説の王道でも
あった事実は無視できない。と言うことは、
私(たち)が「興奮」するのは、常に「物語」
に対して・なのか? だから、私は「物語」を
恐れたのか?それは書物だけの問題では
ない。そもそも脳味噌とはメタ物語なのだ。
08/06札幌
Book off
札幌
南1条店
Buffalo Springfield /
『Last time around』
♪ROCK!!レコード・デビューからわずか1年半後には解散を迎えることになります。彼らの最後のアルバムとなったこの作品は、解散後に残された音源を編集して発売したものです。
(1968オリジナル、1998.3CD再発)
Neil Young / ニール・ヤング(vo,g)
Stephen Stills /
スティヴン・スティルス(vo,g)
Richie Furay /
リッチー・フューレイ(vo,g)のち、ポコ
Dewey Martin /
デューイ・マーティン(vo,dr)
Jim Messina / ジム・メッシーナ(b,pro)
ゲスト;ラスティ・ヤング(スティールg)
(「Kind Woman」のみ、のちにポコへ)
定価\1785→中古\1050
前作『Again / アゲイン』が超名盤
らしく、評価イマイチの本作だが、ゆる
い日本はこっちのほーがしっくりくる。
たとえば全曲中、もっとも穴埋め的な
ジム・メッシーナによる唯一の提供曲
「Carefree Country Day」にソックリな
曲を佐野元春は1982年『ナイアガラ・
トライアングル2』に「週末の恋人たち」
と「こんな素敵な日には」でパクってい
る。その他にも「Special Care」が同
発表のザ・バンド『ミュージック・フロ

ピンク』収録「We can Talk」のイントロ

とそっくりで驚かされる。ここにサイケ
からカントリーへの、同時代性がある。
個展『鈴木 京子 墨彩画展』 \0
ニューヨークで個展をするそうだが、オリエンタ
リズムを抜くと魅力が残るのだろうか?夜高あん
どんの絵師レベル、つまり職人の初級の印象。
個展『小林 金三 個展』 \0
かなりプリミティブな絵だが、画家は82歳。こ
れは到達なのか?うーむ、絵の具の無駄とは言
わないが、老人の趣味としては脳味噌のリハビリ
になるのかもしれない。ご本人は貫禄もユーモア
もあり、町内会の人気者なのだろう。と、思ってい
たら北海道新聞の元論説主幹だった!へぇ〜
中山康樹『超ブルーノート入門
―ジャズの究極・1500番台のすすめ』』
(2002.10.22初版 集英社新書0163F)
定価\735→古本\420
著者は「私はジャズが好きなのではなく
マイルスが好きなのだ」と書いていたが、私
は「ジャズが好きなのではなく中山康樹が
紹介するマイルスが好きなのだ」という風に
いつの間にかなってしまった。それだけ彼
の文章には麻薬性がある。
07/13札幌
北海道
厚生年金
会館
ライブ『ジェフ・ベック』 \9000 S席 1階7列9番
1999年6月2日の来日ライブを、NHK-BSで観
た時はブッ飛んだ。3大ギタリストという陳腐な形
容に終止符を与えたほどベックは現役どころか
最先端のミュージシャンだった。ところが今回は
懐メロ大会。ボーカルは、六本木のカラオケ店で
スカウトしたようなオヤジ。ドラムはキース・ムーン
のようにがんばっていたが、イマイチ。しかし本人
はサスガ。もはやベックの技術に匹敵する共演
者を求めるのは無理なのか?逆説的に偉大だ。
橘川幸夫『暇つぶしの時代
―さよなら競争社会』
(2003.7.5初版 平凡社)
定価\1680→古本\840
橘川らしい本。もちろん、悪い意味も含め
て。相変わらず、思いついたことをメモ用紙
に書き留めたカードを順番に読まされるよう
な短い段落の連続は読みやすい。しかし、
やはり彼が新発見したかのように演出して
いる内容は、実は手垢のついたものばかり
である。もし、この中で我われが学べるもの
があるのであれば、彼の分析ではなくて、
彼の理想の社会像(=未来像)だ。それは
彼の文章が実は分析をしているかのように
見えながら、ある方向へ社会を引っ張って
行きたいという擬似アジテーションなのだ。
07/16札幌
スガイ
札幌劇場
映画『さよなら、さよならハリウッド』(2002) \1800
監督・脚本・主演;ウディ・アレン
出演;ティア・レオーニ、トリート・ウィリアムズ
2002年の映画が今頃、公開。しかも札幌では
50席の超ミニ単館上映。あ〜ウディ・アレンって
日本ではこの程度の人気なの?まぁ、ある意味
大衆的ではなく芸術作品っー扱いか?しかし、
その内容はベタでドタバタなギャク。内幕物なの
で、今年公開の『奥様は魔女』とダブる印象。今
作で、ウディはついに70歳らしい。それでも女好
きの情けないユダヤ人「中年」を演じている。もう
画面でも老人にしか見えないのにねぇ。だから、
言うわけじゃぁーないんだけれど、やっぱウディ・
アレンに私は間に合って良かった。彼の新作を、
待つ楽しみを経験できた世代で嬉しい。ティア
が知的で美しい。彼は女優選びセンスもいい。
06/24郵送 同人誌『羚 Rei』
第4巻 第16号 2005年夏季号
2005年6月20日発行 もらった
●エッセイ
外岡秀俊「蜃気楼余聞」
小説家を目指していた少年が朝日新聞
の記者になる、ということはよくあることなの
かもしれない。彼が「ドラマに満ちたりもする
生活は、事実と創作とに因数分解してみれ
ば、平凡な日常の繰り返しと空想奇想の合
成に過ぎない」と分析する時、なぜか自己
に対する小説をアキラメた言い訳にも聴こ
える。しかし阪神大震災の現場で田中康夫
が彼と再会した時の感情を知ると、文藝もま
た偉大なる過渡期の産物であることを知る。
●詩
野村喜和夫「SQUAT」
ユーモアの勘違い。イメージの貧困さ。
●短編小説(読み切り)
澤井繁男「再婚」
相変わらず、ダメ。最初から分かっている
「物語」をゆるんだ文体で書く必要があるの
か?この同人誌の他のページの評論との
趣味の差が悲しい。小説とはこんなものか。
●評論・批評
橋本安央
「隠喩の論理―高橋和巳再読」
結論を、何でも「神」にコジツケしすぎだ。
神谷光信
「へりくだりの詩学14 ハンセン病者の詩」
●評伝
関口裕昭「パウル・ツェラーン(第9回)」
●追悼
横山英行「大村はま先生を偲んで」
●訳詩
神谷光信「星と戈―中国古代詩抄17」
澤井繁男「トンマーゾ・カンパネッラ
 『哲学詩集』第16回」
●書評
岡本勝人「饗庭孝男『故郷の廃家』」
佐々木六戈「多田智満子『遊星の人』」
数人の「詩人」の遍歴を交差させつつ、
多田の位置を明確に浮かび上げる手腕。
HIS 『日本の人』
♪演歌歌手・坂本冬美のセーラー服姿に衝撃を受けました。
(1991.7.19 東芝EMI)
細野晴臣(produced,b,vo,sy,三味線)
忌野清志郎(vo,cho,g,ウクレレ,sy)
坂本冬美(vo,cho)
ゲスト;三宅伸治(ドブロ,g)
浜口茂外他(per)
吉川忠英(チャランゴ、マンドリン)
小林靖宏(アコーディオン)
定価\3000→中古\700
ジミ・ヘン「パープル・ヘイズ」など
は春日博文たちと楽屋で遊んでいた
替え歌だろーし、ビートルズ「アンド・
アイ・ラブ・ハー」のサビを「♪愛してる
わ」と置き換えるアイディアは清志郎
の中では古くからあったんだろーな。
しかし、それらの思いつきを高いクオリ
ティで作品化しちゃうのだから、これを
「一流」と言うのか。ジャンル横断の人
選も見事。70年代であれば森進一で
フォークであろうし、80年代であれば
八代亜紀にR&Bをうなってもらいたい
ところだが、1991年であればセーラー
服を着た坂本冬美でキマリ(笑)。そも
そも「♪情報を無視」っーマヌケ歌詞を
凄みを込めた素晴らしい声質と、歌唱
力でクールに歌いきるのはテクノに近
い相対主義である。で、こーゆーフザ
ケは、ある種の「照れ」の裏返しでもあ
るわけで、忌野+細野という組み合わ
せから冬美を引き算して歌うのが60年
代フォーク「500マイル」であるという点
を見逃してはいけない。ここで表現さ
れる緊張感は『シングルマン』級だ。
07/16札幌
HALL
SPIRITUAL
LOUNGE
ライブ・イヴェント 『in the air』 前売;\1500
plastic border (抜群の歌唱力を誇る若手)
セミアコのカッティングが心地よい。早川義夫
をコピーする20歳大学生。次はオリジナルを!
ジャイアンリサイタル (のび太も聴きにくるか?)
奥田民生と野口五郎が入っているボーカル。
フルートのアイディアが今後の展開を膨らます。
ながいみゆる (帯広のシンガーソングライター)
本人はまだ気が付いていないだろうが、歌詞
に紋切り型の常套句が多い。リズム感覚も甘い。
Ja-z (ジャンピング・ブルース・ロック)
CD発売後、新加入したパンキッシュなベーシ
ストのステージングが魅力的。キーボードの音数
を増やせば良い。女性ボーカリストが空回り中。
(sax;北、ds;akiller、g;check、b;ヒロシ)
バンドでなければ出せないグルーブに成功。
あとは曲作り。それができないと、仲良しバンド。
高田エージ(SuperGoooooood〜from東京)
初めて聴いた曲でも、歌詞が聴き取れる魅力
的な声。さらにロックになるために「毒」も必要。
07/17札幌
ユナイ
テッド

シネマ
札幌
映画『スター・ウォーズ エピソード3シスの復讐 /
Star Wars Episode III: Revenge of the Sith』
脚本・監督・製作総指揮;ジョージ・ルーカス
製作;リック・マッカラム
撮影監督;デイヴィッド・タッターソル
編集;ロジャー・バートン
SFX;ILM
音楽;ジョン・ウィリアムズ
出演;ユアン・マクレガー(オビ=ワン・ケノービ)
ナタリー・ポートマン(パドメ・アミダラ)
ヘイデン・クリステンセン(アナキン)
第一作は1977年で、私は高校1年生だった
から私は「スター・ウォーズ世代」なのかもしれな
い。だが、違う(笑)。実は今作がビデオも含めて
私が初めて観たスター・ウォーズなのだ。そんな
私でもこの映画のストーリーはいつの間にか知っ
ていた。つまりすでにこの映画=物語は現代の
「おとぎ話」となっているのだ。その全6部作の前
と後ろをつなぎ合わせるパズルの一番重要な作
が本作なのだが、なんだか観る前からストーリー
が分かっている不思議な気持ちを持ちながら観
た。みんなが知っている物語を確認する儀式?
07/01郵送
かえで嬢から
もらった。
雑誌『UNIVERS DES ARTS JAPON
ユニヴェール・ゼザール誌 日本版
芸術世界』No.12 2004
(2004.8.20初版 アートコミュニケーション)
特集;パリの三つ星レストラン
料理という名の華麗なる芸術
ル・グラン・ヴェウフール/タイユヴァン
ルドワイヤン/アルページュ
ギィ・マルタンが作る
美食のオートクチュール
デュビュッフェ財団
現代芸術競技会
文芸作家セレクション
日本・フランス現代注目作家
定価\1200→\0 もらった
この雑誌、売れているんだろうか?なんて
邪推は無駄なのかもしれない。なんせ、この
豪華な製本&フルカラー、海外取材当たり
前で、このお値段。私の知る由の無い世界
が存在しているということであろう。もしかした

ら日本語とフランス語が併記されているので
海外向けの絵のカタログの役割をはたして
いるのかもしれない。実際、絵を高額で売買
できるクォリティの写真が魅力だ。しかしこの
圧倒的に世間大衆を無視した情報の大盛り
は潔く、快感ですらある。たとえば、美しい
レシピ本『Spoon Cook Book』など、知って
嬉しいが世間に流通している情報では知る
こともままならない記事がたくさんある。もち
ろん、だからと言ってこの雑誌だけで全ての
情報を得ることができるワケではない。無限
の情報の海から、何をどんな理由で選択し
ているのかが、我々が雑誌を選択する大き
な理由となりゆるのだ。そんな視点から評価
すれば、今号ではフランスの食の天才ギィ・
マルタンが日本の画家の絵を見て料理を作
ったという奇抜な企画や、私にとってはそれ
ほど魅力も感じない作家を芸術品評するコ
ーナーは面白い。商売と志の交差である。
小沢昭一『夢は今もめぐりて
〜小沢昭一がうたう童謡』
♪小沢昭一 夢は今もめぐりて
(2001.9.21ビクターエンタテインメント)
定価\2940→中古\1350
インテリジェンスというものは、小沢
昭一のような人を指すべきである。こ
CDは一見、老人の思い出アルバム
の姿を借りているが、よく聴くと新曲も
混じっているし、美空ひばりへのオマ
ージュを込めた楽曲のコラージュがあ
り、「おまけです。」と言い添えての「♪
バニーガール」という毒も忍ばせること
を止めようとしないのはサスガである。
「はなさかじじい」を歌い終えた最後に
「いじわるじいさん、かわいそう」とつぶ
やく声を忘れないのは小沢ここにあり
といった感じだ。つまり、このCDには
全体を通して見事な批評がある。選ば
れた曲もそうであり、選んでいない行
為にも彼なりの「悪意」が込められてい
るのだろう。名著『日本の放浪芸』に代
表される民俗学への深い知識と、表
現者としての両立の存在は、それを享
受できる私たちの幸福である。彼のよ
うな存在を見るにつけ、聴くにつけ、
世に蔓延するインチキ・インテリジェン
スを暴きたくなる。彼には受勲は意味
ないだろうが、それ以上に匹敵する名
誉を与えてあげたい。と、思ったそば
から「名誉」そのものを笑う彼がいる。
07/17札幌
ギャラリー
どらーる
個展『末永 正子 展』 \0
(更新;2005年7月30日)
サイケで、ポップっ。
07/20深川
mini gallery
うなかが
めーゆの
美術館
個展『赤間 恒子 スケッチ展』 \0
若々しいパリのスケッチだなぁと観ていたら、
なんと画家は73歳。蛯子善悦(えびこ ぜんえつ
1932年〜1993年)の周辺で仕事をしていたそう
だ。「北ホテル」など私の思い出の風景でもある。
07/22深川
深川市
アート
ホール
東洲館
ライブ『吉川よしひろ ライブ』 \1000
ジャズ・チェロ・プレイヤーのソロという、一見、
かなりマニアックな世界。しかし、芸術的でありな
がら大衆的であり世界を舞台に鍛えられた開放
感を持っている。コンピュータのハードディスクを
利用して、演奏している直後にそれをループで
再生させ、それをバック演奏にしてメロディーを
をかぶせる・とゆー世界初の演奏スタイルを持っ
たジャズを超えた個性的なプレイヤー。非常に
バラエティに飛んだ選曲だがどの曲も彼の曲に
なっている。一番印象的であったのはオリジナル
曲「タイムズ・スクエアは眠らない」。人種の坩堝
の雑踏や、おしゃべり、混在した夢や、猥雑な経
済などが重層的にスケッチされていた。もっと多
くの方や、国々に知られてもいいアーティスト。
公募展『第3回 葉書の一字 展』 \0
漢字一文字を毛筆でハガキに書いて応募す
る、という超シンプルだけにハードルは低いが、
なるほど奥は深い名企画。例年そうだが、応募さ
れた文字で多く目立つのが「空」と「夢」であるこ
とを確認するのは、私の超個人的な楽しみだ。
雑誌『UNIVERS DES ARTS JAPON
ユニヴェール・ゼザール誌 日本版
芸術世界』縮刷版
(2004.11.1初版 アートコミュニケーション)
特集;バック・ナンバーからの引用記事
定価\0→\0 もらった
こーゆー本を持って営業してるのかな?
09/09札幌
セカンズ
平岸店
ゆらゆら帝国
『な・ま・し・び・れ な・ま・め・ま・い』
2003:05:30:
東京恵比寿THE GARDEN HALL
LIVE 61'41''
悪意(笑)?
(2003.11.26 MIDIinc.)
坂本慎太郎(vo&g)、
亀川千代(b)、
柴田一朗(dr)
定価\1050→\580
中古屋のオヤジが価格設定を間違
えたのかと思い、「超&超ラッキー」と、
スグに買って、すぐにウキ&ウキ、カー
ステ爆音ボリュームで待ち構えて聴い
てみて、びっくし。ああああ。いや、彼ら
なら、コレもアリだ。うかつにも、常識に
溺れて、ラッキーと買った自分を反省。
しかし、これ、ある意味、名盤だー!思
えば、ジョン・レノン『トロント・ロックン・
ロール・フェスティヴァル』B面ヨーコの
叫び声で目覚めた我等のロックではな
かったのか?まぁ、このCDには「本作
の音質等は製作上の意図によるもの
です。」とわざわざ書かれている。ただ
し、えらい小さく(笑)。聴いていてスグ
に感じるのは「これカセット・テレコ」で
録音したんとちゃう?っーコトだ。1980
年代以前のアマチュア・ロック・バンド
なら皆んなやっていたことだ。そして、
バンドがデビューしてから出たレコード
を聴くと、音がキレイなだけで生々しさ
が見事に失われていることに失望した
ものだ。ロックが持つ生々しさや、爆発
してゆくパワーをワザワザ消す作業が
メジャーレコーディングであるかのよう
な印象を、持ったものだ。おそらく坂本
も、そーゆー経験があったのだろう。
でもソレを実行しちゃうんだから、やっ
ぱタダもんじゃーない。真面目な悪意?
07/24旭川
丸井今井
旭川

美術
ギャラリー・
アートサロン
個展『第9回 島津 豪亮 油絵展
− スペインの詩情を描く −』 \0
スペインって、本当に明るいトコなんですな。
個展『呉 之東(ご しとう) 油絵展
− 大自然からのメッセージ−』 \0
1961年生れの私と同級生だが、感性は違う。
雑誌『美術画報』No.47 2005.5
(2004.5.20初版 アートコミュニケーション)
特集;ジュエリーの誘惑
宝石の光と力 海野 弘
Part1 ブランドジュエリーの煌めく威光
Part2 イタリアジュエリーの輝ける現在
小悪魔と天使の邂逅
ADOR ミラノのジュエリー学校を訪ねて
ミュシャの幻想世界から生まれた
アート・ジュエリー 岡部昌幸
定価\1500→\0 もらった
雑誌というよりは、美術市場カタログだ。
08/06札幌
シアター・
キノ
映画『リンダ リンダ リンダ』 \1800
監督;山下敦弘
出演;ぺ・ドゥナ、前田亜季、香椎由宇、
関根史織(Base Ball Bear)、ピェール瀧、りりィ
家族で楽しめるロケンロー森田健作もの(?)。
映画『PEEP "TV" SHOW』 \1400
監督;土屋 豊(つちや ゆたか)
出演;ゲッチョフ・詩、長谷川貴之、梨紗子
家族では観れない(笑)。そもそも映画って暗
がりで観る”擬似個室”だったよなぁ〜と、思い出
させてくれる。映画再興は個人主義の到来か?
07/08郵送
もらった。
アニタ・ローベル
『きれいな絵なんかなかった
こどもの日々、戦争の日々』
(2002.11初版 2003.2第2刷 ポプラ社)
訳;小島希里
装丁;丸尾靖子
編集;松永緑
定価\1680→\0 もらった
なにぶん、5歳の時の思い出話である。わ
が身を振り返ってみても、近所のガキどもと
缶ケリをした程度のことしか思い出せない。
しかし、三島由紀夫『仮面の告白』では無い
が、作家は生れた時から作家なのだろう。ポ
キポキした短い訳文は最初は説明的すぎ
るように感じるがそれが慎重に正確さを確認
しながら大きな物語を前に進めている力技
であるのだと気が付くには時間はかからな
い。それを感じ取れれば、5歳の視線に一気
に引き込まれる。思い出話であるからヒマワ
リの種を食べるときの感触や、修道女の裸を
見た驚きなど、ナチスやユダヤとは関係の
無い話も語られ、しかもそれが、ナチスから
逃げる危機一髪の行為と同等の価値観のよ
うに語られる。その、どこまでもフラットな視線
こそが5歳の作家しか持ち得ない特権性な
のであろう。この手法によって、陰惨なシーン
よりも「でも、どこからも音はきこえてこなかっ
た。人もいなかった。ユダヤも。ナチスも。だ
れも。」といった静謐なシーンにこそ、怖さが
演出される。特に秀逸なのは、一緒に逃げ
回った「ばあや」の描き方だ。当初はユダヤ
人を嫌う敵役のように描かれているが、幼い
主人公姉弟を気丈にかくまいながら逃亡す
るうちに、読者は彼女に好意を持ち始める。
しかしばあやが変わったわけではない。著者
が、ばあやをきちんと見てきた結果なのだ。
つまり、この5歳児の物語は、成長物語でも
ある。人を見る目を養うということが成長する
ということなのだ。そして読み終えたとき読者
は自分と世界と歴史の「成長」物語を前に進
める気持ちを持つのだ。
08/08札幌
ユナイ
テッド

シネマ
札幌
映画『亡国のイージス』 男性割引\1000
監督;阪本順治
原作;福井晴敏(『亡国のイージス』講談社刊)
出演;真田広之、寺尾聰、佐藤浩市、中井貴一
ウワサほど「深い」映画じゃない。 これもまた、
ロール・プレイング・ゲームのコップの中の嵐。
コトの発端が「論文」なもんだからえらい哲学的
っぽい骨格を匂わせるが論理的には、ぜんぜん
おこちゃま(笑)。 だからカッコつけずに素直に
エンターティメントとして、宣伝するべき。単純に
楽しむ範囲では怪獣映画で育った世代以下に
もマーケティングばっちし。やっぱ、子供向け?
悔やまれるのは、監督が阪本順治であるという
事実。彼はもっと知能指数の高い監督のハズだ。
彼だからこそ、この映画は駄作であると言い切り、
根っこからリセットしなおして次回作に臨んで欲し
い。今回で反省すべき点も分かったハズだろうし。
08/08札幌
時計台
ギャラリー
個展『丹野信吾 近作 展』 \0
ミロの手法と愉楽にインスパイアされたかのよ
うな数年前の作風から、成熟とは反して丸味を
拒否し、中間色よりもビビッド・カラーを多様した
近作への流れの中で、水墨タッチが幅を利かせ
てきているのが分かる。それが作者の個性であり
安易に落ち着くことを、拒否する宣言でもある。
個展『丹野恵子 (夫選) 展』 \0
観る者に、作者の厳しい集中力迫ってくる
09/11札幌
Book off
札幌
南1条店
椎名林檎『加爾基 精液 栗ノ花』
高密度商品
(2003.2.23 東芝EMI Virgin)
井上雨迩(電気式ベース、生シタール)
池畑潤二(生ドラム)、
浮雲(常用テレキャスター、口リヅム)
定価\3059→\1200
歌詞カードを読みながら聴いている
と密度の高さに驚かされる。そしてまた
今までの歌詞の歴史ではおそらく使わ
れてこなかったであろうボキャブラリー
が一気に拡大されている。苗床なんて
単語はおそらく空前絶後かも。それで
いてメロディーは以前からの魅力ある
キャッチーさを備えている。しかしかつ
てカラオケでシーナ・リンゴを歌いまくっ
たオンナどもが歌いやすい歌ではけっ
してない。その理由は必要以上に(?)
カオスを求めるアレンジだろう。おそらく
カラオケ収益を期待した営業サイドには
苦々しく思わせたことであろう。しかし、
今のオンナどもは、こーゆーアレンジで
あっても平気でカラオケで歌っちゃうの
か?いやかつての看護婦姿で忘年会
オッケーの再現は不可能であり、もうそ
れだけで、明らかに椎名は別のマーケ
ットに期待しているのだろう。ではかつ
ての彼女の路線から何が引き継がれ
たのかと言えば、色物としてのあざとさ
である。それだけで充分、彼女のブレ
の無さが証明できる。またそれが彼女
のアイデンティティなのであろう。音の
カオスも実は和楽器の多様と、過剰な
コンピュータ処理からなので追従可能
な範囲である。では、ロック史にとって
はどーかと言えば、ラスト曲の「葬列」
はビートルズ「トゥモロー・ネバー・ノウ
ズ」の焼き直しであり、それに気が付け
ば案外、コンセプトは単純なのである。
個展『村上陽一 展』 \0
初めて作者に会ったのだが、やはり私の知人
の乙丸聡史の大学時代の友人だった。しかし、
才能の差は描くことから始まるようで、村上の多
作とモチーフの多さは、彼の研究熱心さと絵を
描くことが嬉しくてたまらない現在を提示してる。
個展『北島裕子 作品 展』 \0
4号の絵を12枚並べる「連画」という発想は面
白い。が、パステル・カラー不振症の私に無効?
個展『北野原葉子 展』 \0
自然をシンメトリーに描くのは羊蹄山を毎日観
て生活しているからか?同じニセコの徳丸滋
似た感覚だと思いきや、やはり二人は知人だ。
作;さとうまきこ、絵;杉田比呂美
『4つの初めての物語』
(2004.10初版 ポプラ社)
装丁;高橋雅之(タカハシデザイン室)
編集;松永緑
定価\1365→\0 もらった
確かに表紙でも見ることができるイラストは
かわいいし、かつイマ風なんだけれど最初の
物語が、ブラジャーを買いに行くってーのは
児童書の本売りマーケティング的にどうよ?
とも思ったが、こーゆー本はまず図書館で女
子が見つけて、女子の中でだけ回し読みが
始まり、教室の隅で女子がキャッ&キャッと
盛り上がっているのを、「なんだよ、お前らぁ
ーっ」と、元気と勇気のイイ男子が声をかけ
「キャァーッ」と女子は言いつつ、「あんたダ
ケに教えるわ」とか言いつつ、貸してあげる。
その男子は「おおっ、オレだけ?」とか思い
勉強部屋でこっそり&ドキドキしながら読み
進める。んで、後半の男子部分で「うぉっ!」
と小さな(?)魂を盛り上げ、翌日には仲のイ
イ男子に、また貸ししちゃう。・・・・・・これ、カ
ルト文化の発祥の流れ?まぁ、そんなユーザ
ーの動向が目に浮かんじゃうぐらい、この本
を読み終えると小学生高学年の思考が「身
につく」。んーじゃなくって「思い出す」だな、
この場合。このオヤジがこのザマなんだから
当事者諸君は楽しんで読めるんだろーな。
うらやましい。そうさせるための仕掛けがこの
本にはたくさん散りばめられているが、最も
大きなグルーブは、主人公の心理の変化を
小さな仕草でスケッチし、それを点在させる
ことで、「心の冒険」を書ききったこと。たとえ
ば「初めてのブラジャー」では、「ママにとっ
ても初めて」という意味を保留にする一方で
「まっ暗だとねむれない」幼さをとらえ、「期
待に高鳴った。それに気づかれないように、
わざとのろのろ、グレープフルーツをスプー
ンですくっ」たりする。幼い読者はその意味
が分かるんだろーけれど、同時に自分がや
ってきた意味の無いような仕草にも意味が
あったんだーと、発見するんだろうね。それっ
て、読書の喜びを知る瞬間だな。だからオジ
サンは彼らを二重にうらやましく思っちゃう!
08/08札幌

浅井学園
大学

北方圏
学術情報
センター

ポルト
ギャラリー
展覧会『絵画の場合展』 \0
アート学芸会。「軽さを装う重さ」に魅力はある
が、「軽さを装う重さと思い込んでいる軽さ」は?
参加している画家のコメントがチラシに記載されて
いる。とても「熱い」(笑)のだが書いてあることは
異口同音で全員同じである。つまり、日常の心象
を絵画に表現した・とのこと。この異口同音さが、
個性的に見える定食コースであることを露呈させ
ている。これが、ポルト風なのか?限界なのか?

谷口 明志
奇をてらうこととアートの賞味期限の比例関係。
レスリー・タナヒル
絵が上手では無くても展示に耐えられる秘密。
藤田 真理 「湖花」 「こうべを垂れる」
染色体を拡大してブレやボケをさらけ出した?
小林 麻美 「ずっと隣にあった家」 「外で遊ぶ」
生活臭を消すのが美学の集団の中では異色。
林 亨
色の整理に迷いがある。何を慌てているのか?
渋谷 俊彦
保守的に見えてしまう原因は、作風の確立か?
安藤 文絵
林や渋谷の系譜に入れられる危険がお好き?
坂東 史樹
手法を思いつくまでは作成でもアートでもない。
斉藤 周
色の快楽主義者はインスタレーションでも同じ。
大井 敏恭
一度、泥の中で絵を描いてみるのも楽しいよ。
08/08札幌
カフェ
エスキス
展覧会『絵画の場合展2005 -小品展-』 \0
本イヴェントの最大の魅力は会場を多元化した
こと。新しくはないが最も高価な会場を否定する。
10/12札幌
セカンズ
平岸店
TERAROCK名盤100 74位
Paul McCartney /
ポール・マッカートニー
『Pipes of Peace /
パイプス・オブ・ピース

♪ROCK!まだまだ若いぞ、ポール!
(オリジナル1983.10.31, 1995.11.8EMI)
Paul McCartney (vo, g, p, key, syn, b)
Michael Jackson (vocals)
Eric Stewart(g, background vocals)
Denny Laine, Hughie Burns,
Geoff Whitehorn (guitar)
Gavin Wright (violin)
Jerry Hey (strings, horns)
Gary Herbig (flute)
Chris Smith (harmonica)
Andy Mackay,
Ernie Watts (tenor saxophone)
Gary E. Grant (horns)
Stanley Clarke (bass)
Ringo Starr, Steve Gadd,
Dave Mattacks (drums)
James Kippen (tabla)
Petalozzi's Children's Choir,
Linda McCartney(background vocals)
定価\1750→中古\1280
テラダヤがこのアルバムを「Rock100
名盤」に入れたのは少々驚いた。あの
1983年に彼がこのアルバムを好んで
聴いていた事実に、だ。私なんぞは落
ち目のポールが人気最高潮のマイケル
のフンドシに自分の足も一緒に突っ込
んで老体にムチを打って腰を振ってい
るよーに感じてしまっていたのだ。実際
二人で共演した「ガール・イズ・マイン」
が収録されたマイケル『スリラー』は、
世界一の売上を記録するオバケ・アル
バムとなったのに対し、ポールのこちら
は15位どまり。がくっ。しかし改めて聴く
とポールの品の良さが効果的な佳作。
08/08札幌
ギャラリー
どらーる
個展中野 邦昭 展』 \0
(更新;2005年7月30日)
中野画伯、日本画のバトン・リレー。
作;石井睦美、絵;吉田奈美
『おはなしパーク (7)
(2005.7初版 ポプラ社)
編集;松永緑
定価\1050→\0 もらった
主人公の、みなみちゃんが「たのしいって
いうんじゃなくて、ええと、なんだろう。こうい
の、なんていうんだろう。」と、自問する場面
がある。あれっ?コレって同じポプラ社の一
年前に出版された『4つの初めての物語』
中に出てきた「今の自分たちの気持ちに、も
っとぴったりする言葉をさがしていた。」という
小学六年生の自問と似ているぞ、と思った。
なるほど、ある意味、気持ちに合った言葉探
しとは、文学の初期衝動かも。そして、それ
ってコドモにもとても大切なこと。おお。文学
って、コドモにも大切なことか!言葉探しの
長い道のりの中で、最も良い方法論は会話
をすること。んだね。絵本でも童話でも、会話
が無い「物語」は、ちょっとツライ。もしかした
ら、私たちは会話によって言葉と物語を同時
に手に入れているのかもしれない。さらに、
会話の楽しさを知るということは他人への興
味を自然に持つということだし、それって、社
会の魅力を感じる第一歩だよなぁ。みなみち
ゃんの会話の相手は、彼女がクレヨンで書い
た、こみなみちゃん。またしても会話が意外
なところから生れてきたのであ〜る。そして、
著者は会話を幼稚園で知り合う、ひさかちゃ
んの登場までつなげて、そこでいきなり終わ
らしちゃう。その余韻。良い言葉には余韻が
あるように良い物語にも余韻があるんだね。
その余韻とは、「興味」ということなのかもね。
09/01札幌
時計台
ギャラリー
個展『木村富秋展』 \0
「風・トルソ」S20「座るかたち」F20
全道展などに出展してきた得意の(?)構図より
も、習作のような中サイズにハッとさせられる作品
が多い。動き続けなければならない現代作家とい
うことなのだろう。しかし、それは同時に完成してし
まえば魅力が無くなる時間との勝負でもあるかも。
個展『平間文子個展』 \0
球根と赤い色への偏愛。無限に長い年表を、
一瞬のうちに目の前に見せてしまうような力技。
個展『神田清美 傘寿展』 \0
定年後の集中の訓練として絵画は生き延びる
かもしれない。しかし、そこでは最初から失われて
いるのもがあることに、気がついていただきたい。
もしかしたら、それこそが絵の本質であるのかも。
個展『第12回新樹の会展』 \0
絵を観ることが大好きな人が絵を描いてみた、
という喜びが伝わってくる。各自の方向性が多様
であることに好感を持った。指導の工夫もあるか。
09/01札幌
ギャラリー
どらーる
個展渡辺 貞之 展』 \0
(更新;2005年7月30日)
エセ文化人「ごっこ」倶楽部。
07/10旭川
Book
Big Box
本店
作;村上龍、絵;はまのゆか
『13歳のハローワーク』
(2003.11.30初版 幻冬舎)
定価\2730→古本\1575
この超ベストセラーの初版美麗本が古本
で入手できるとは思ってもいなかったので、
見た瞬間に購入。一読、なるほど。本当の
著者は編集者かなぁー?とも思いながら、ま
るでインターネットのようにリンク機能がある
のような編集ご立派。最後に龍が「何をす
ればいいのかわからない」が現在の日本を
読み解くキーワードではないかと書いている
が、すでに35年前に早川義夫は「♪何かを
し始めようと生きてるふりをしたくないために」
と歌っていた。それは優れたロックが持つ、
社会のカナリア性か?それと同様に組織に
属さない生き方をしてきたらしい龍も、社会
のカナリアの一種なのだろう。そんな彼(ら)
の経験と思考のフィルターを通して、社会の
概念を再構築してみると、モチベーションの
発露が見えてくる・ということなのだろう。とこ
ろで、この本にヤミ米屋の斡旋はなかった。
11/04深川
GEO
深川店
The Beatles 『Let it be... Naked』
♪ROCK!若いぞ、4人とも!バンド・サウンドだわなぁ〜。
(2003.11.11 東芝EMI)
定価\2356→中古\1280
単純に言えば女性的だった作品が
男性的になった、っー感じ。誰もが指
摘するよーに「ネイキッド」っつたって、
これもリミックスの一バージョンにしか
すぎないってコトも肝に銘じて聴かね
ばならない。それを製作者側も分かっ
ているからかメンバーの「生」の声を記
録したディスクも付いている。そこで一
番に感じるのは、ユーモアの余裕の無
いジョージ。彼の成長中の姿が眩しい。
09/09札幌
ユナイ
テッド

シネマ
札幌
映画 『ヒトラー 〜最期の12日間〜』
原題:The Down Fall
監督:オリバー・ヒルシュビーゲル
出演:ブルーノ・ガンツ、コリンナ・ハルフォーフ
アレクサンドラ・マリア・ララ、ウルリッヒ・マテス
テーマは、「名誉」と「誇り」の差だな。「名誉」=
勲章のためにがんばる。または、
個人の人間とし
ての「誇り」を守る。
この両方、プライドと訳するん
だろうか?
自動翻訳機だと saying that "Honor"
"Boast"
らしーが。 プライドなら、"Pride"だよな。
"Boast"なら「自慢」じゃんか(笑)。 ・・・でも冷静
に考えると、その二つって裏表かも。
それでも、
「名誉」が「誇り」を育てる場合もあるしなぁ。
この
混乱がナチズムを育てたんだろうな。
そして今も。
09/10札幌
ユナイ
テッド

シネマ
札幌
映画『奥さまは魔女』
監督:ノーラ・エフロン
出演:二コール・キッドマン、ウィル・フェレル、
シャーリー・マクレーン、マイケル・ケイン
監督は『めぐりあう時間たち』の人だと思って、
観に行くと、がくっ。『めぐり逢えたら』の監督だっ
た!
良く言えば、ビリー・ワイルダー的監督かな。
07/18札幌
お宝.倉庫
苗穂店
高平哲郎『みんな不良少年だった
相手;川谷拓三、富樫雅彦、堺正章、
岡本喜八、渡哲也、内田裕也、松尾和子、
原田芳雄、植草甚一、日野皓正、加山雄三
赤塚不二夫、荒木一郎、菅原文太、由利徹
梶芽衣子、香川登志緒、上条英男、藤竜也
池波志乃、室田日出男、佐藤B作
(1977.1.20初版 白川書院 )
定価\1000→古本\105
この本が出版された当時の私であれば、
インタビューされるスターの作品としてこの本
を読んだことであろう。しかし、やはりこの手
のインタビュー本は、インタビュアーの作品
なのだ。発表された雑誌の性格上か、映画
が最も大きなキーワードになっているが、そ
れが産む共通した視線が結果的に登場する
22人の差異をあぶりだしている。赤塚不二夫
が「37歳っていえば、もう普通の世界でいえ
ば"親父"ですよ。」と言っているように登場す
る人物は、出版された段階ですらもう人気も
実力もピークを過ぎている。しかしその熟成
ぶりを上手に、かつ正確に捕らえている高平
の感覚は優れている。同時に彼らは今の私
よりも若いのだなぁ〜と、がくっ。それぞれの
インタビューが興味深いが、堺正章への冷
めた取材スタンスも印象的だ。おそらく当時
の高平は堺があまり好きではなかったのか
しれない。堺は多弁である。しかし彼の使う
レトリックは、おそらく業界の先輩などの受け
売りの焼き直しばかりで、新鮮な言葉は少な
い。しかし、それを粘り強く記録してゆく過程
により、GSブーム後の過渡期で将来不安に
陥っている彼の精神状態を浮かび上がらせ
ることに見事に成功している。また松尾和子
のCDを私は聴きたくなったし、嫌いであった
佐藤B作に注目しようと思い直したりもした。
中で唯一、私が知らなかったのが上条英男
なのだが、GSから1970年代までスゴ腕マネ
ージャー。1990年に『くたばれ芸能界 傷だ
らけの一匹狼の30年間の斗い』という本も書
いているようなので、是非、読んでみたい。
似たような表紙の本を2冊、買った。★読み始めたら、止まらない〜。
RUSH / ラッシュ
『Test for echo
/ テスト・フォー・エコー』
♪ROCK!踊れるか?3人とも!
(1996.9.10 Atlantic)
アレックス・ライフソン(g)
Neil Peart / ニール・ピアート(ds,詩)
ゲディ・リー(syn,key,b,vo)
Produced By Peter Colins and RUSH
対訳:佐武加寿子、解説:伊藤政則
定価\2100→中古\780
とてつもなく伊藤政則のライナーノー
ツが、相変わらずの駄文。それを補う
かのようなニール・ピアートの自己解説
が、いい文章。しかしそれの訳文が、こ
れまた中学生が冬休みの宿題でやっ
たよーな直訳で、がくっ。この環境が、
日本でラッシュが浸透しないダメさ加減
をはからずも証明してくれている。いく
らアーティストが優れていてもディスト
リビューターがバカであれば、市場は
盛り上がらないのだ。しかし、現代は
ネットの時代。インターネットのラッシュ
のファンジンの質は高い。それを本人
も気がついているのか、「ヴァーチャリ
ティ」という曲では「♪ネット・ボーイ、
ネット・ガール」にシンパシーとメッセー
ジを送っている。実はラッシュはカナダ
のバンド。カナダという、英米では無い
不利加減とはメディア露出度のことでも
ある。ネット社会以前では確かに不利
であったが、ネット社会後はある程度、
情報の平等化に近づくであろう。さらに
その平等に近づけるほかの有効な方
法は、ライブだ。ラッシュの場合はなか
なか来日してこなかったのもマーケッ
ト不振に影響しているだろう。さて、音
はどうか、と、言われれば、確かにコン
ピュータで管理された正確なリズムの
もと、圧倒的な音の洪水である。そこに
印象に残るメロディが被さる。クィーンを
例にとるまでもなく日本人好みのパター
ンだ。しかし、それがアダにもなってい
る。中途半端なのだ。実は私もキング・
クリムゾン系のメタル・ポリ・リズムを期
待していた。その方に進んでくれよ〜。
09/11札幌
シアター・
キノ
映画『埋もれ木』 早割り\1200
監督・脚本:小栗康平
出演:夏蓮、登坂紘光、浅野忠信、坂本スミ子、
坂田明、大久保鷹、平田満、左時江、岸部一徳
ここ3日間、連続で映画を3本観た。 『ヒトラー』
→『奥さまは魔女』→『埋もれ木』。 映画の豊かさ
ってゆーコトかな?色んなスタイルの映画を観た
ことになる。 この3本の中では『埋もれ木』は圧倒
的に「分かりにくい」分野に入るだろう。 かつて、
「分かりにくい」映画とは、芸術性が高い映画とさ
れてきた。 しかしそれは「かつて」の話である。
たとえば、『奥さまは魔女』の女性監督のノーラ・
エフロンは、ニューヨークでの典型的なラブ・コメ
『ユー・ガット・メール』が大出世作ではあるが、
同時に感動作『めぐり逢えたら』の監督でもある。
『ヒトラー』主演のブルーノ・ガンツに、ヴィム・ベン
ダース監督映画『ベルリン・天使の詩』の主役の
天使を思い浮かべない映画ファンはいないだろう。
ゴダールしかり。 私はゴダールが大好きなのだが
彼の場合は、「分かりにくい」以前に、そもそも「分
かる」ということとは何か?というところから始まっ
ている。 しかし「分かりにくい」映画が、「分かりに
くい」ということだけで評価されるのは間違ってい
る。そんなことを思いながら、小栗康平の9年ぶり
の新作を観るのは不幸なことなのかもしれない。
しかし、一方でそんなことを考えさせながら観る
映画の存在も、かなり貴重だ。映像は美しい。
俳優も、名優ぞろいだ。問題は編集であり、同時
に監督の意図も、編集なのだ。同じフィルムを、
もっと「分かりやすく」編集することも可能である。
しかし、監督はそうしなかった。それは、ある意味
評価すべき点でもある。映画にはもちろん「物語」
があるのだが、それを作家としての監督がどこま
で自由に「編集」できるか(&するか)が映画本来
が持っている特権的な自由なのだ。そのことに気
が付いてすら居ない「筋書き」映画が多すぎるの
も現実である。映画は、編集される芸術なのであ
るから、最初から身の上は「脱構築」なのである。
気になる点は、まだある。 俳優が、大根である。
素晴らしいのは、大久保鷹(1943年生れ、状況劇
場出身)だ。ある意味、この映画の魅力のピーク
は彼の再生にある。次に素晴らしいのは、坂田明
(1945年生れ、ジャズ・ミュージシャン)。坂田の
自然体を引き出したのは、明らかに監督の手腕で
ある。ギリギリ手堅いのは岸部一徳。しかしさすが
の彼も、類型的な人物の範囲を超える創造的な
演技ができていない。残念だ。あとの俳優は全部
ダメだ。特に老婆連中は、どれも&これも、大根。
坂本スミ子を監督が使いたくなる理由はよくわか
るが、セリフ回しが最悪。言葉に魅力が無い。結
果、説得力はもとより。そう。ほとんどの俳優のセ
リフに魅力が無いのだ。それは同時に、それぞれ
の俳優のキャラクターの、悪い意味でのゆらぎに
もなる。浅野忠信(1973年生れ。)などは私が観
てきた彼の作品の中では最悪である。小栗康平
は、もっと「言葉」を大切にする監督であったはず
だと私は思うのだが。彼自身は、「画像は感覚に
訴える。言葉と比べれば、もともと論理性を優先
していない。その分だけ、見る人の印象といった
ところへまぎれて、なにがいいのか悪いのかを、
私たちは確かめ合えないでいる。」と、この映画
を説明している。確かに祭りの時に飛ばす、風船
気球のくじらや、赤いハリボテの馬の画像は美し
い。今年の映画の名シーン第一位となるかもしれ
ない。冒頭の魚喃キリ子のマンガからの涙のシー
ンなんぞは、私をかなりこの映画に期待させた。
トレーラーのボディに描かれたクジラの絵が水溜
りに映るシーンや、無人の高速道路建設現場と
言う設定などもニクイ。しかしそれでも先の監督
の言葉は私には、言い訳に聞こえてしまうのだ。
ミニ・ストップの右上に満月が見える時、なぜか、
あざとく感じてしまうのだ。それだけ、映画自体
に力が感じられない。今日は、映画の後、北海道
近代美術館へ行って『スター・ウォーズ展』を観て
きた。 この単純な物語の映画を、リアリティと共
に、映画らしく育てたのが、この展覧会で直接
観ることができた、多くの美術群である。ここに
『埋もれ木』の本質的な問題との交差がある。
『埋もれ木』の素材や、当初のアイディアは良い
ものであると思う。セリフの造型造り、編集の違
うアプローチ。その二つをしてほしい。次回作は、
もう9年も待てない。待ちたい映画監督である
ことは、この映画を観ても変わらないのだから。
原作;関川夏央、絵;谷口ジロー
ゴラク・コミックス 『新 事件屋稼業』
(1986.2.25初版 日本文芸社)
定価\500→古本\200
なんせ、『「坊っちゃん」の時代』のコンビ
である。しかもこの値段(笑)。買っちゃいまし
た。関川がテレビで語る姿を観るたびに、見
かけは三枚目なのに、低い声でマユゲを上
下させ色男ぶった話ぶりをするギャップに滑
稽さと、秘めたスタンスを感じていたが、この
マンガを読むと中年独身男のハードボイルド
趣味がよーく分かる。しかし、どーして関川
は優れたマンガ原作と優れた文藝評論をす
るのに、小説を書こうとしないのだろうか?そ
こに知られていない彼なりのハードボイルド
な理由があるのだろうか?それをめぐる論考
を書けば優れた関川論になるだろう。きっと。
George Harrison / ジョージ・ハリスン
『Brainwashed / ブレインウォッシュド
♪ROCK!まだまだ若いぞ、ジョージ!
(2002.11.18 ダーク・ホース 東芝EMI
ジェフ・リン(g,元ELO)
ジュールズ・ホーランド(key,スクイーズ)
ジム・ケルトナー(dr)
ダーニ・ハリスン(g,ジョージの息子)
定価\2548→中古\1480
もはや戦争の言い訳の代名詞のよ
うな「神」というコトバ、概念。しかし、そ
れをジョージが使うと理想と憧れのキー
ワードに昇華される。ライナー・ノーツで
紹介されているフー・ファイターズのデ
イヴ・グロールが使った言葉、「高潔」
こそがジョージにふさわしい。ジョージは
かなり長いブランクが何度もあり、ある
意味、ビートルズ・ファンの期待への裏
切り者であった。1970年前後のほとば
しる作曲の才能が早々と枯渇してしまっ
たような体たらくであった。しかし、この
最後のアルバムは見事だ。まるで彼の
パンフレットのように政治的なメッセー
ジ・ソングまで含めて、幅広く、しかも
スタイリッシュに1枚のアルバムとして
まとめ上げられている。なによりも私が
嬉しいのは、死後に他者が最終的に
仕上げたとは言えアルバムのタイトル
が「洗脳」という意味であり、いかにも
現役最中かつ現在進行形のアーティス
トがメッセージを込めたかのような形式
である。まぁ、だからこそ、もっと早くか
らガンガン新作を連発して欲しかった
とも感じるのだが。個別の曲も完成度
が高く、どれもが魅力的だ。ジョン・レ
ノンの最後のアルバム『ダブル・ファン
タジー』よりも優れていると思う。そうな
りえた理由が、最終の仕上げの時に
ジョージが死んでいて不在であったか
らだとすれば、ジョージに必要なのは
「仲間」であったのかもしれない。たと
えば、そう、ザ・ビートルズ、のような。
そう考えれば、ビートルズのアルバム
にどのソロ・アルバムもがかなわない
理由も見えてくる。ロックにとってバンド
とは何か?という命題が持ち上がって
くるのだ。私がこのアルバムと一緒に
買った『レット・イット・ビー...ネイキッド』
の2枚目のCDで確認できる真面目す
ぎるほどのジョージの態度ですら、あの
メンバー間の緊張感が作り上げた、もし
くは、浮かび上げたものであったのだ。
09/11札幌
Book off
札幌
南1条店
通過点。

いや、まじ、おもろい。
松本大洋『日本の兄弟』
(1995.10.19初版 マガジンハウス)
定価\1121→古本\600
クールとは、価値観の再構築のことである
と思う。松本の絵のスミは、血も影も同じよう
に描かれている。線も、前景の人物も、後景
の風景も均質で、全てがフラットなのだ。さら
に、問題意識までがフラットだ。ゴリラがレー
サーであっても、岡山県が目的地であっても
いいのだ。それは「価値観の転換」よりもっと
恐ろしい「価値観の均質化」という厳しさだ。
松本大洋『GO GO モンスター』
(2000.11.20初版 小学館)
定価\2625→古本\1300
いつかモンスターが登場して大スペクタル
になるんだろう、どーせ。と、カタルシスをバカ
にしつつも、いつの間にかカタルシスを待って
いた私は心地よく裏切られた。大友克洋が、
1983年に『童夢』でやったエポック・メイキング
な仕事の追体験をしようとしていた私も、いつ
の間にか、いた。想像力、創造力とは、こー
ゆー仕事のことを言うのかもしれない。3年に
またがる書き下ろしの環境を作った小学館も
なかなかヤル。装丁のカッコ良さはバツグン。
09/11札幌
北海道立
近代美術館
展覧会『アート・オブ・スター・ウォーズ展』
洋服や建築が美術館で特集されることは欧米
では珍しくない。そう思えばこれも始まりなのか。

いてぇー!
KAWADE夢ムック 文藝別冊『岡崎京子』
(2002.3.31初版 河出書房新社)
インタビュー;吉本ばなな,宮台真司,椹木野衣
定価\1200→古本\600
あまりにも自分と同時代すぎたためか、同
時代を途中まで同じ嗜好で生きてきて、途中
からバブルで違う世界に分かれたからか、私
にとって岡崎は、のめり込めない対象として、
ずーっと視線の遠くに引っかかっていた。この
機会にまとめて読んでいる最中だ。この研究
本には全作品へのレビューが掲載されていて
そこでは、「名作」から「愚作」まではっきりと
論じられている。しかも、コレはインターネット
のファン・サイト
からの転載なのだ。その潔さ
が好感を持てるし、そーゆー熱の中心に今も
い続ける岡崎の魅力に今さらながら入り込み
たいと思う私は、ノスタルジストなのかなぁ?
09/13深川
mini gallery
うなかが
めーゆの
美術館
個展『桔梗智恵美 展 〜日々の名前〜
ぶらりと行ってきた。画廊主の渡辺通子さん
先日のご主人の個展のオープニング・パーティの、
お礼を言ってくれる。いえいえ、おしかけてタダめし
&タダ酒をいただいたのは私の方です。「久保さん
はまだ桔梗さんとは2回しか会っていないんですっ
てね。」「あ、そうだ。」確かに『坂本順子展』と先日
の『渡辺貞之展』オープニング・パーティのみだ。で
も、もうずいぶん長い付き合いのよーな錯覚があっ
た。これもインターネットでお互いの思考が確認で
きていたからか?
いきなりズバッと思考の中心か
ら交流を始める
というのもネット社会ならでは・だ。
桔梗さんは専業(→兼業?)主婦にして、画家だ。
この夏は家族で北海道から東京の武蔵野美術大
学の夏季スクーリングに参加。いわば今回はその
「成果」発表展。たとえば、ムサビの授業で受けた
教師からの講評が実際の作品に添付されていて
面白い。それを観ていたら、通子さんから、「どうで
すか。久保さんの感想と違いますか?」と、いたず
らっぽく聞かれた。「あはは。彼女の欠点は、直線
を思わず引いてしまう
ところですね。」そう。しかし
手癖・欠点・個性。この3つの行き来を、「技術」が
決定する。その作業をきちっとしたのが、ムサビで
のスクーリングであったのだろう。 楽しみだね。
09/15
ニセコ
ST
ギャラリー
徳丸滋『くっちゃん点描』
(2000.5.1初版 図書出版クレイン)
定価\2100→著者から、もらった。
訪問時に、「羊蹄山は私の神だ。」と、徳丸
画伯は言い切った。この本の中ではまだ「神
のような存在」と含みがある。成長する交流。
Jeff Beck / ジェフ・ベック 『Jeff』
♪ROCK!若いぞ、Jeff!
(2003.8.6 Epic Sony)
Jeff Beck (g)
Tony Hymas / トニー・ハイマス(key)
Dean Garcia / ディーン・ガルシア(b)
Steve Barney/ ステーブ・バー二ー(ds)
Ronni Ancona (vo)
Nancy Sorrell (vo)
London Session Orchestra
Apollo 440 / アポロ440
Kodish
me one / ミー・ワン
Produced;Andy Wright/アンディ・ライト
Dean Garcia / ディーン・ガルシア
David Torn / デビッド・トーン
Apollo 440 / アポロ440
me one / ミー・ワン
定価\2520→中古\1580
私にとっての初の生ベックであった
2005年の来日ライブはナツメロ大会の
印象が大きかった。っーのも、前回の
来日ライブをNHK−BSで観た私は、
最新のテクノロジーと鋭角的なアレンジ
で新曲を中心に弾きまくるベックの現役
ぶりにノック・アウトされ、ナツメロ歌手
化しちまった御大クラプトンとの差を味
わうためにライブに行ったからだ。そー
ゆー意味では、このアルバムこそが私
が観たかったベックである。そもそも、
名盤『ブロウ・バイ・ブロウ』はスゲー仕
事ではあったが、同時に、多くのロック
少年をノータリンなフュージョン野郎に
転向させちまった罪な仕事でもあった。
しかし、ベック本人はフュージョンでは
まったくなくてロックのコアの部分を表
現し続けている。マイルス・ディヴィス
のように。まだまだ目が離せない男だ。
10/06郵送 同人誌『羚 Rei』
第5巻 第17号 2005年 秋季号
2005年9月20日発行 もらった
●巻頭エッセイ《私の漂い方》17
長尾重武「政治の季節からのフーガ」
”「愛」のすべて”について明確に語った。

●詩
香川紘子「桜と鍵」
詩とは厳しくも美しい告白というジャンル。

●短編小説(読み切り)
澤井繁男「潮騒」 17枚
今まで読んだ澤井の小説の中では一番。

●評論・批評
橋本安央
「隠喩の論理―高橋和巳再読(10)
 切断された時間―『我れ関わり知らず』」

神谷光信
「へりくだりの詩学15
 生きることを探る詩―川田絢音」
珍しく意地悪な神谷は慎重に悩んでいる。

●評伝
関口裕昭「パウル・ツェラーン 第10回」

●追悼
田中清光「惜別 串田孫一さん」
哲学よりも文学、長文よりも短文という人。

●書評
貞久秀紀「鵜飼康東歌集
 『ソシオネットワーク』」
狭間香代子
 「澤井繁男著
 『「ニートな子」をもつ親へ贈る本』(PHP)」
せっかくだがこの書評を読んでも魅力ゼロ。
09/15共和
西村計雄
記念美術館
常設展示室 『画業を辿る展覧会 自然への驚き』
9Am、到着。すげー、豪華な建物。なだらかな
丘に造られたポスト・モダン建築。背景にニセコの
雄大な山々をかかえ、周辺は水田が広がり絶景。
西の方に海も遠くに見え、泊原子力発電所の赤い
施設も見える。こんな豪華なハコ物は、もしや原発
との取引か?などと邪推したりして。・・・だってこの
近隣に美術館が、急に増えすぎなんだもん(笑)。
美術館のスグ横に坂を利用したパーク・ゴルフ場
があり、平日の朝なのに(笑)中高年が数十人遊
んでいる。開館まで1時間あるのでボケッと、それ
を見ている。坂に打ち上げるコースなので、めちゃ
難しそう〜。
10Am、入館。500円。西村計雄の絵は抽象になっ
た直後の岡本太郎っぽい時期が一番面白く
晩年
のスタイルを確立した以降はどうもキマリすぎてい
て私には想像力への刺激が少ない

特別展示室 『山岸正己追悼展』
むしろ、こちらのほうが興味深かった。元々、少
年時代に同郷の西村からデッサンの手ほどきを
得た早熟の画家は、東京美術大学で安井曽太郎
から油絵を習う。その恵まれすぎの偶然を彼は生
かす。途中で、西村から抽象の必要性を説かれ、
印象派的な取り組みもするが、彼の生涯は安井
風で終始する。1953年の一水会入選作品「人物」
がマネっぽくて好きだ。黒も白もすでに、この若さ
で描けていることに驚く。この絵のモデルは、妻の
静江か?静江をモデルにした絵が、のちの作品で
2作展示されていたが、私はこれらが気に入った。
09/15岩内
木田金次郎
美術館
展覧会『もう一つの木田金次郎 「絵の花畑」展』
11:30Am。ここも、入場料は500円。そしてここも
かなりお金のかかった個人美術館。「絵の花畑」
展という木田の花の絵を特集した企画。薔薇や牡
丹のように大柄の花よりも、「あざみ」(1954年)や
「ゆりの図」(1955年)のような茎が見えていて、そ
シャープな流れがストロークを感じさせる作品が
魅力的
。でも、薔薇や牡丹の絵のほうがお金持ち
に売れたんだろーな(笑)。神仙沼経由、ニセコへ。
10/08郵送 山本博『フランス・ワイン・ガイド
2100シャトー・ドメーヌ・醸造元総覧』
(1998.6.25初版 柴田書店)
定価\5670→もらった。
ワインの入り口は広い。しかし、出口は無
い(がくっ)。つまるところ全てを知りたくなるし
全てを飲みたくなる。しかし、いくら飲んでも、
ビンテージという問題がある限り限界の中で
のドンキホーテとなる。飲むのは無理でも、知
るのなら、なんとか。そこでフランス・ボルドー
の整備された法律と生産者のモラルの高さは
大きな味方となってくれ、ワイン・オタクは完
璧な体系を知ろうとする。そもそも、この本が
翻訳本ではなくて日本人によって書かれてい
ることに驚きと、ワイン道の残酷な厳しさを知
らされる。もうこーなったら、この本がフランス
で翻訳され、知の逆輸入をさせるべきだろう。
11/06旭川
Book
Big
Box
永山店
Pablo Casals / パブロ・カザルス
『パブロ・カザルス不滅の記念碑6
バッハ:チェロ・ソナタ(全3曲)』
♪一人の部屋で聴きたい。1950年の「復活」。そして、「希望」。つまり、「祈り」。
第1番 ト長調 BWV.1027
第2番 ニ長調 BWV.1028
第3番 ト短調 BWV.1029
パブロ・カザルス(cello)
パウル・バウムガルドナー(p)
録音日;1950年7月 プラド
(2003.11.11 東芝EMI)
定価\2800→中古\1260
カザルスの最初のレコーディングは
1915年。彼が39歳の時だから、ジョン・
レノンであれば死ぬ前年である。彼の
人生は1973年10月22日の97歳まで
続くのであるから、我らが知っている、
つまり聴くことができるカザルスとは常
に「老人」であるのだ。1945年69歳の
時に「スペインに自由と人民の意志を
尊重する政府が戻らぬ限り、チェロの
公開演奏を拒否する」と宣言した11月
13日のパリ公演後に、南仏の小さな町
プラードに戦争中の1939年に次ぐ2度
目の亡命をした。そしてこのCDに記録
されている1950年がやってくる。この
年は「バッハ没後200年記念年」であり
世界中でさまざまな催しが開催された。
その時に、「公演拒否」をしていたカザ
ルスのもとへピアノのホルショフスキー
とヴァイオリンのシュナイダーが「プラー
ドでバッハの音楽祭をしたい。」と申し
出てきた。実はもうカザルスは74歳、
良く言えば「伝説の人」であるが、もは
や「過去の人」でもあり、かつてのよう
な素晴らしい演奏を再現できるのかと
いう不安も周囲にあったのが正直なと
ころであったであろう。しかしカザルス
とバッハという組み合わせは世界中の
ミュージシャンと聴衆を「まるで巡礼の
ようにプラードの町にやってきた(チェロ
奏者;ポール・トルトゥリエ、談)」ように
させた。カザルスは見事に復活し今の
我々が知るカザルスが始まったのだ。
09/15
ニセコ
ST
ギャラリー
個展『徳丸滋 展』
2Pm、ニセコの徳丸滋画伯の自宅に到着。ここ
は今まで観てきた死んじまった画家とは違い、生
きていながら悩みながら絵を描いている1934年
生れの男性が住んでいる。今年、知り合ったとは
いえ、今日はアポ無しで訪問。私が車を留め、車
から出てくると窓から見ていた奥様が驚いて出て
くる。やや遅れて、徳丸画伯。「いやー今、久保さ
んのホーム・ページ『共犯新聞』を観ていたんです
よ〜。久保さんが紹介していた本ポプラ社の『きれ
いな絵なんかなかった』をクリックするとアマゾンに
リンクされているので思わず買っちゃいましたよ。」
がくっ。ギャラリー、アトリエを見せてもらい制作の
秘密(?)なども聞く。しかも、画伯の著書『くっちゃ
ん点描』を、タダでいただく!お住まいのある倶知
安町を画伯の絵と詩のような言葉で飾った素敵な
「絵本」だ。し、し、しかも、私の目の前で本にサイ
ンと、羊蹄山のスケッチを描いていただいた。ギャ
ラリーの2階は息子さんのデザイン事務所になっ
ていた。「久保さん、ここの窓から・・・。」と、観ると
「スゲー!」羊蹄山が正面にドーーーン!自宅の
茶の間に入り、お茶やジュースをご馳走になり楽
しい会話。徳丸画伯が「ギャラリーどらーるの久保
さんの英文、読んだけれどかなりの英語力とみま
したよ。」「ほほーっ。私の英語能力の高さに気が
付くことができるとは徳丸センセーも、かなりの英
語通ですね(笑)。」「あはは。実は今、ニセコには
オーストラリアから大勢の方が来ていて英語を使
うチャンスは多いんですよ。」あららすでに英語は
日常に使ってるんじゃん(笑)。奥様も、イラストと
その説明を加えたカラーA4両面の新聞『Chieko's
ニセコだより 智恵子の絵日記』を発行していて、
それも楽しい。毎月発行していて今月で104号だ
という。う〜む・・・。また、本棚に並ぶ大量の村上
春樹。実は私も村上春樹は、彼のデビュー作から
ずーっと読んでいるので、盛り上がる。他にも小川
国夫、辻邦夫、丸山健二・・・・・・。私との共通点は
多い。11月に徳丸滋さんが、鹿追町の「神田日勝
記念美術館」で個展を開くそうだという。そこでは
今では観ることができない、徳丸さんの1963年の
絵なども飾られるそうだ。実は無くなった日勝と、
徳丸画伯は友人であったとか!実は私は日勝の
兄の神田一明画伯の絵を持っていて、「その絵は
日勝の友人の小山田さんからもらったんですが」
と言うと、なんと、小山田さんは徳丸さんの友人で
もあった。最近こんな偶然が多すぎる(笑)。町内
にある「小川原脩記念美術館」の招待券をもらい
閉館時間がせまっていたので、名残惜しく出発。
車に乗って気が付いたのは「徳丸さんって、私の
父と同じ年齢だ!」。ジーパンの似合う姿といい、
好奇心の勢いといい、年齢と想像力は無関係だ。
11/05郵送 雑誌『月刊ギャラリー』2005年11月号
(2005.111初版 ギャラリーステーション)
定価\840→なべ乙ブルトンから、もらった。
なるほど画廊界の『ぴあ』。知らなんだ〜。
オカザキ式脳低温療法?
11/06旭川
Book
Big
Box
永山店
脳低温療法

クール。
岡崎京子『くちびるから散弾銃』
(1996.7.23初版 講談社)
定価\880→古本\100
166ページの「北海道かえっちゃってぇー
頭パーになったって話よう」「ひえー」「センシ
ティブで自意識カジョーだったしなー」って、私
のコトじゃぁーねーよな(笑)?それこそ自意
識過剰か。がくっ。それにしても、『思えばツ
バキのロンドンナイトがあたしのセーシュンだ
ったワ」なんてケッコー痛いセリフかも(笑)。
今なら民俗学の資料として読める(?)けど、
連載当時はどーだったんだろーと思っちゃう。
などと、自分史とのシンクロを感じ&考えなが
ら読み終えると、「あとがき1」と「〜2」があっ
た。つまり本作は1989年(=著者26歳)の時
に描き上げ(=描き始めは24歳)、当時は上
下本として刊行したのだが、1996年(=著者
33歳)に1話削除(=「日本晴れならエトラン
ゼ」;これも古本屋で立ち読みしてみたが、な
ぜ削除したのか分からん。)
して描き下ろしと
随筆を加えて1冊にまとめて、音楽で言えば
リミックス盤のよーにして出版されたものだ。
「あとがき2」では、「なんだか新しい作品が
生まれたようで、作者のこっちがびっくりしま
したよ。それにしても昔のあたしは、ばかでし
た。うつむいてさしだします。」と告白(?)され
ている。その後の著者の交通事故による沈
黙を知る今となっては33歳の著者が24歳の
自分を相対化している姿勢に注目してしまう。
柳田邦男『脳治療革命の朝』
(2000.3.1初版 文藝春秋)
定価\1949→古本\900
事故などで脳味噌に障害を持った重症患
者を個別に克明に追ったレポート集。著者の
最新治療方法への取材の情報価値は大きい
が、読書として魅力的であるのは患者が治癒
されてゆく治療後の姿。それぞれ固有のスリ
リングなドキュメントがある。そして、その誰も
が最後には奇跡のような社会復帰を向かえ
る。それを何例も重ねることにより、読書前に
は「奇跡」であると思っていたことが、科学に
よる「必然」であるという印象を読むものに与
えてゆく。私自身も2004年には近しい知人が
2人も急な脳障害で大きな手術をし、両者と
も「復活」した。しかし「復活」に失敗した患者
も世には多いハズだ。その事実を著者も知っ
ている。しかしあえて「奇跡」を「必然」と読者
に錯覚させるために、著者はこの本を書いた
のだと私は思う。つまり、これは「希望」の本。
DVD
『<パゾリーニ・コレクション>
デカメロン [オリジナル全長版] 』
♪パゾリーニ的ユーモア。
(1971オリジナル映画,2003.2.21DVD)
監督&脚本;ピエル・パオロ・パゾリーニ
原作;ジョヴァンニ・ボッカチオ
出演;ニネット・ダヴォリ、
フランコ・チッティ
定価\5040→もらった。
パゾリーニの作品中、最も大衆的で
最も興行的に成功した作品。しかしそこ
はパゾリーニ、ちゃんとスカトロや少年
愛、チンポコ露出などに手は抜かない。
当時の映画の技術的限界もあるのかも
しれないが、フィルムつなぎが雑。今で
あれば、省略や切り替えなどをもっと繊
細に行える。しかし芳醇な力は魅力だ。
11/19品川
パシフィ
ック東京
09/15
倶知安
小川原脩
記念美術館
グループ展『麓彩会展(47)』
3:30Pm、到着。ここは招待状をもらったから、
タダ(笑)。 企画展で、徳丸画伯の新作「沼 」(64
×101)も1枚あった。すばらしい作品だ。今まで、
私はこの絵を描いた人と一緒に話していたのだ。
09/17深川
深川市
アート
ホール
東洲館
グループ展『第4回 具象の新世紀展』
年々、グレードが上がっているような気がする。
来年でこの企画展も最終だそうだが
団体横断の
舞台は必要
だ。輪島進一は、今年の札幌銀行の
カレンダー作家(笑)だが、モチーフのバレリーナ
から急に情念作品になった。正面を向いている顔
に、もうすこし緊張感が欲しいところだが、これもま
た彼のエポック・メイキングになる作品であろう。
西田陽二は、いつもより2割ほどオーラが少なく感
た(ごめんね)。理由は乳首が見えないところか?
がくっ。1980年生れの小林麻美は、チラシの写真
より現物が良いので驚いた。鉢呂彰敏も、同じく。
チラシでは安っぽく感じたが15年後に良い作家に
なるベクトルが透けて見える2作家だ。全体を観て
今回の
「ゴールデン共犯新聞賞」(?)は森山誠
岡崎京子『恋とはどういうものかしら?』
(2003.5.22初版 マガジンハウス)
定価\1200→古本\400
そして、この本も「希望」の本だ。生きなが
らにして伝説になってしまった著者。その姿
は交通事故で痛み、車椅子で弱く笑えること
が「希望」の日々。未発表作品集も熱烈な歓
迎で迎えられる。「質問」と「約束」から離れ。
09/18深川
生きがい
文化センタ-
演劇『第12回 市民劇団 in '05公演
アリスとありすとARISUの物語』 前売り\500
(更新;2005年9月18日)
09/18深川
mini gallery
うなかが
めーゆの
美術館
個展『島津 明美 展』
去年の個展を観て感じた「面白いがマンネリの
危険がある」っー危惧が回避されて、カッコイイ。
それは「顔」にこだわった結果、さらに深い追求が
進んでいるからだろう。まるで仏教美術のようだ。
11/11札幌
古書
ザリガニヤ
五木寛之
『白夜の季節の思想と行動 対談集』
対談相手;長田弘、開高健、李恢成、大島渚
野坂昭如、内村剛介、中井英夫、井伏鱒二
(1970.4.5、冬樹社)
定価\490→古本\150
五木寛之と石原慎太郎は、同年同月同日
生まれ。 1932(昭和7)年9月30日なのだが、
太陽族と白夜族(?)の差があるようだ。しか
しパブリック・イメージは二人とも大衆作家で
マスコミ迎合型とみなされている。それでも、
保守政治家がゴールである坊ちゃんと、終戦
時朝鮮にいて、ソ連軍進駐で 母を失い、引き
揚げの辛酸をなめた五木の違いは歴然であ
ろう。 この評論集は、まず対談相手のメンツ
が魅力だ。しかも語られていることが濃い。か
なりお買い得。当時まだ38歳前の五木の消
化力と換言力のすごさとスピードが心地よい。
DVD
『<パゾリーニ・コレクション>
カンタベリー物語 [オリジナル全長版] 』
♪パゾリーニ的ユーモア。そして、死の影。
(1971オリジナル映画,2003.2.21DVD)
監督&脚本;ピエル・パオロ・パゾリーニ
原作;ジェフリー・チョーサー
音楽;エンニオ・モリコーネ
出演;ニネット・ダヴォリ、
フランコ・チッティ
定価\5040→もらった。
前作からわずかな期間なのに、映像
処理のセンスが格段にソフィストケイト
されている。それは次回作でピークに
達する。それはパゾリーニが学んだとい
うよりは、彼自信が短期間で築いたと
言うほうがより正確であろう。つまり、
このような大衆向けの作品を作る時で
さえ彼は前衛であったのだ。映像に関
する成長と合わせて、物語の奥行きを
深めることに貢献しているのは湿度の
高い「暗さ」の加味だ。しかし単純かつ
平板なヒューマニズムを演出するため
の「暗さ」ではなくて、得体の知れない
人間の暗部をえぐり出す陰湿な「暗さ
なのだ。そのピークがクライマックスの
地獄のパノラマだ。寓話とはむしろ単純
化された教訓話が多いはずなのだろう
が、パゾリーニはどこまでも予定調和な
教訓を回避し、理不尽な「暗さ」を塗り
重ねてゆく。それこそが人間の自由だ。
10/12札幌
時計台
ギャラリー
個展『伏木田光夫油絵個展』 \0
竜馬@管理人>「北海道の作家は頭で描いて
いる人が多く、深くて哲学的かも知れないけれど
その分絵が重くなっておりますね」との言葉も伏
木田さんだから言える言葉かも知れません。更に
「最近の若い方は画肌重視の風潮も強くて、ナイ
フで絵の具を塗ったくったり、何で絵の具を塗って
いるのか分からない作品を多く見ます。概して絵
が汚いですね」ともおっしゃっておりました。
合計88点がの一大個展!
>絵が汚いですね

■どんな絵を語る時にでも、言葉を慎重かつ大胆
に(がくっ)選ぶ習慣が付いてしまった私たちです
が伏木田さんの絵を語る時はそれまでの言葉の
意味が変わる瞬間を何度も経験している私です。
たとえば私の使う言葉として、伏木田さんの絵が
「汚く」感じる時があります。もちろん、これは悪い
意味ではなく、エネルギーを感じる・とゆー意味が
産み&選んだ言葉です。

ゴッホ・・・?
今回、私が画像添付させていただいた作品「窓辺
の赤いテーブル」はそんな中でも「汚く」ない作品
と、私は感じました。そしてまた、そう感じ、その言
葉を選んだ時ですら、「汚く」ない・とゆー言葉もま
た、伏木田さんの作品世界の中での相対的な位
置を与えられれた言葉なのですね。その証拠に
「汚い」絵を観続けた後で「窓辺の赤いテーブル」
のようにやや整理された作品に出会うとハッとさ
せられ新鮮な感動が浮かび上がってきます。と、
同時に「ああ、もっと汚い絵が観たい!」という相
反した気持ちが私の中から浮かび上がってきて
伏木田さんの恐るべきエネルギーに自分の言葉
を、「汚して欲しい」とまで感じてしまいました。

作品が、言葉の意味をズラし、
言葉が、作品に近づこうとする。

それは不幸なことではなくコーヒーの湯気のよう
なものなのでしょう。膨大な作品を描き続ける伏
木田さんの圧倒的なエネルギーに囲まれた札幌
時計台ギャラリーの2階でギリギリのところで私の
言葉も迷子にならないで無事帰還いたしました。

A室では大小31点が展示されており、B室でも23点!
竜馬@管理人>絵画の場合は森羅万象を一般的
に我々が受け止めている色彩や形状と全く違えて
表現しても(基盤としてのデッサンがあっての話だ
と思いますが)成り立つとは思います。でも言語で
広範な方々に表現する場合は難しいですよね。
もし、久保さんの様に
>これは悪い意味ではなく、エネルギーを感じる・
とゆー意味が産み&選んだ言葉です。

という注釈無しに
>伏木田さんの絵が「汚く」感じる時があります。
と書きましたら「喧嘩売っているのか!」となってし
まいます。ちょっとした解説不足が誤解を生む怖さ
を申し上げたかっただけだったのですが・・・。最近
その恐怖に「インターネットに文章を書けない病」を
患っている小心・痩躯の竜馬@管理人です(笑)。

ホントに、痩躯かよっ(笑)!?
>解説不足が誤解を生む怖さ

■そうですね。それは、しゃべり過ぎた飲み会の
翌朝、意味の無い後悔みたいなモノも含めて、
バベルの塔の住民の宿命ですね。
■ただ「誤解」や(先日の『渡辺貞之展・感想文』
での拙文にも使わせていただいた)「誤読」すらも
楽しめるのが、営利企業とゲージュツの違いなの
かもしれません。言葉(と、ゆーか、全ての表現)
は多義的である運命から逃げられません。それは
言葉に付随する解説のクオリティとはまた別の事
実ですよね。

>北海道の作家は頭で描いている人が多く

■多義的なイメージを(とりあえず)完成させた設
計図のような作品へ向かうのか、もしくは、多義
的なイメージを多義的なままに「沢山描いている」
かの違いはあるかもしれません。伏木田さんは、
その後
者なのでしょう。
双子のリリーズ?
■添付させていただいた画像は今回の個展に足
を運ばれた方であれば印象的であったと思われる
二対の作品です。まるでアンディ・ウォーホルのシ
ルク・スクリーンの遊戯を感じさせてくれますが、こ
れもまた「多義性」の放出であられると思います。
ご承知のようにウォホールも本人が無理して演出
しているほどデジタルな画家でもなく、かなりアナ
ログな努力&苦労をしてきたのですが、伏木田さ
んはモロ、全てアナログで突っ走っていますよね。
内面の多義性は、全ての人が持ってはいるのでし
ょうが、それを全て作品として放出しなければ気が
すまないようなエネルギーとその超個人的な多義
性を多くの人が興味を持って観たくなる作品に仕
上げる時には、「才能」という言葉を思わず使って
しまいます。
古雑誌『季刊創造』創刊号 秋 Vol.1 1976年
(1976.10.1初版 聖文舎 ルーテル市ヶ谷)
特集;小川国夫へのアプローチ
対談;矢代静一×井上ひさし
初版 定価\762→古本\300
古い雑誌はタイム・カプセルだ。今や古参
(小さん?)の井上ひさしが若く、へりくだりな
がら矢代に質問を繰り返す姿など、今やもう
見られないだろう。それにしても1976年では
まだ文学が信じられていたという驚きが読む
ごとに深まる。また、この本の出版元の性格
から、各記事にキリスト教がらみの展開が多
いが、これは同人誌『羚 Rei』に引き継がれ
ている。宗教と文学を同時に考察することに
積極的な意味を持つことは私にはできないが
この行為が生む清潔さは高みへの意志であ
るのだろう。そして実は戦後マルキシズムに
距離を置いた者の理論武装の駆け込み寺と
してカトリックが機能したのであれば、現代の
プロレタリア作家としてカトリック作家がそれな
りの数をなしたというのも納得できる。1976年
という、マルキシズムの何度目かの敗北の季
節に、キリスト文学者の本が出されたのは、
出るべくして出た、と考えるべきなのだろう。
高橋たか子『白い光』
(1978.4.28初版 悠想社)
定価\1200→古本\600
すでに短編集に入っている小説を、あえて
独立した1冊の本にしたくなる著者の気持ち
は分かる。しかし、それを本当にしてしまうの
は、やはり「業」。小説には2種類あるのだろ
う。一つは、高橋和巳であり、もう一つが高橋
たか子なのだろう。過剰なる集中力を持って
生きている人のことを狂人と呼ぶのだろうか。
DVD
『<パゾリーニ・コレクション>
アラビアンナイト [オリジナル全長版] 』
♪パゾリーニ的ユーモア。3部作の締めくくり。
(1974オリジナル映画,2003.2.21DVD)
監督&脚本;ピエル・パオロ・パゾリーニ
原作;ジョヴァンニ・ボッカチオ
出演;ニネット・ダヴォリ、フランコ・メルリ
フランコ・チッティ、イネス・ペレグリーニ
定価\5040→もらった。
おそらく3部作中、一番お金をかけた
(=かけることができた)作品であろう。
しかし、重要なのはパゾリーニが、その
お金を何に使ったかということだ。彼は
考えられる世界の辺境へロケへと出か
け、アラブ、アフリカ、アジアの現代を
撮影することにより遠い過去の夢物語
の再現を実現した。この一見、安易な
ような取材ロケが、多義的に現代を浮
かび上がらせている。たとえば西洋人
ではない人種の美少年&美少女が多
ぜい登場してくる。それだけで、西洋に
対する非西洋の勝利を宣言しているか
のようだ。さらに彼らに自由な性の表現
をさせることによって、西洋人の観客の
反応は我々非西洋人とは比べようも無
い語りたくない嫉妬を含んだ、複雑な
羨望と化したことであろう。もちろん、
それは「芸術」としての評価に昇華して
この映画は「カンヌ国際映画祭審査員
特別賞」を受賞した。誰もが旅行に行く
と写真を撮りたがるように、未知の世界
を映像として残そうという欲望は自然な
ものだ。映画界とて『カサブランカ』から
『アラビアのロレンス』ついでに『スター
ウォーズ』まで観光映画は多い。しかし
パゾリーニが多くの映画人を嫉妬させた
のは観光を超え、その土地のリアルを
記録し、同時に普遍を表現したからだ。
高平哲郎
『話は映画ではじまった PART2 女優編』
インタビュー;倍賞美津子、竹下景子、
矢野顕子、高橋洋子、山口はるみ、
木ノ葉のこ、和田アキ子、松金よね子、
海老名香葉子、阿木燿子、木の実ナナ、
桃井かおり
(1984.9.20初版 晶文社 19×15cm・203P)
定価\1100→古本\500
同じ、高平哲郎の『みんな不良少年だった
ディープ・インタヴュー』がめちゃくちゃ面白か
ったので、この本も同じ感覚を味わいたくて、
購入。しかし、どーも登場する女優ども、私の
趣味とは反する方が圧倒的に並ぶ。高平は
映画の話題を振ろうとするが、やはり当時の
(&今も?)女優は映画オンチである。その
事実は当時の日本映画の底の浅さを裏側か
ら証明してくれているよーなモノだ。それでも
この本に魅力があるとすれば、高平の彼女た
ちへの無償の憧れの見え隠れという純情、
であろう。そう考えるとこの本もまた前著と同
じ高平サイドの「作品」なのだ。ただし、出版
された当時はミーハーという言葉が使われ始
めたころだったので、評価は厳しかったかも。
橘川幸夫
『一応族の反乱 若者消費はどこへゆく?』
(1990.6.21初版 日本経済新聞社)
定価\1250→古本\100
雑誌『ロッキング・オン』の創立メンバーで
ある橘川とは面識は無いのに何故か勝手に
腐れ縁と思い込んで、古本屋で100円だった
ら(がくっ)無条件に買うことにしている。この
本はバブルの最盛期に書かれたので今とは
状況はまったく違うが、「社会」分析としては
今も通用する。しかし、彼の特徴であるのだ
が、どーもツマラナイ。今なら新書本にすれば
『下流社会』の一割程度は売れるだろう。で、
そーいった新書本の
キャッチフレーズ社会学
とでも呼べる代物の先駆者であるだけかも。
矢野誠一『文人たちの寄席』
(1997.4.25初版 白水社)
定価\1995→古本\700
このヒトのまとまった本を一冊、読んでみた
かった。雑誌や新聞のコラムでの絶妙な味は
芸人を語りながらも、文章の芸である。私は
彼の本を読む前に彼の舞台を先に観た。こー
ゆーヒトの話を聴きながら酒を呑みたいなぁ。
12/10札幌
レコーズ&
レコーズ
南2条店
Jeff Beck / ジェフ・ベック 『Wired』
♪ROCK!切り開け、Jeff!
(1976オリジナル,2001リマスターSony)
Jeff Beck (g)
ヤン・ハマー(key)
ナラダ・マイケル・ウォルディン(ds)
定価\1785→中古\1180
中学生当時に聴いた記憶では完璧
な世界であったのだが、今聴いてみる
と、けっこー荒っぽいベックがロックして
いてカッコイー。すでにクラプトンたちが
レイドバックしちゃって余生を固めよう
としていたのに、まったく新しいアプロー
チに足を踏み入れてゆく姿を「勇気」と
言わずに何と言おう。ジミ・ヘンではなく
ベックこそがマイルス・ディビスと組む
べきであったのではないのか。そして、
それはこの当時には間に合ったのに。
古雑誌『STUDIO VOICE』 Vol.312 12月号
(2001.11.6初版 INFAS)
特集;オノ・ヨーコ ONE WOMAN SHOW
鼎談;森達也×松田政男×安岡卓治
初版 定価\680→古本\500
NY911から2ヵ月後、本屋でこの表紙を見
た時は強烈なメッセージを感じた。大文字で
NY911に触れてはいないが、実はド真ん中。
森雅之『追伸 二人の手紙物語』
ブックデザイン;多田進
(2004.6.18初版 バジリコ)
定価\1050→古本\500
1980年の『夜と薔薇』は今でも私の大切な
本ベスト10に入っている。彼の絵がだんだん
上手になるごとに違和感を感じてきたが、そ
れは読者の勝手な都合なのだろう。この本に
も、沢山の忘れがたい言葉があるのだから。
古雑誌『ロック画報』 07
編集長:加藤彰
(2002.2.25初版ブルースインターアクションズ)
特集■特集:ニューロックの大宇宙
インタヴュー;加部正義、ミッキー・カーティス
井上堯之、成毛滋
ゆらゆら帝国坂本慎太郎が語るニューロック
イギリス人から見たジャパニーズ・ロック
再考・日本語のロック戦争
60枚のアルバム・ガイド
インタヴュー;伝説シンガー、ジュニ・ラッシュ
日比谷野音ほかの秘蔵コンサート写真
■山下達郎RCA時代のCDリイシュー
■四人囃子全曲未発表のCD詳細リヴュー
■特別付録CD:エム、J.A.シーザー未発表曲
■連載
終末のタンゴ(野坂昭如)
ロック曼陀羅(曽我部恵一×小田島等)
アタシを濡らす愛の歌(石井恒)
自鳴弦の琶音(J.A.シーザー)
初版 定価\1785→古本\1000
相変わらず素晴らしい編集。かゆいところ
に手が届くどころか、自分のどこがカユイのか
が分かる。ただし残念ながら読者を選んでし
まう本でもある。それはそのまま全ての日本
のニューロック・バンドが「幻のバンド」である
こととパラレルだ。なんだか最近の美術館の
民営化論争とも似ている。この不幸の前で、
情熱に対して最も有効なのが「批評」である
とするのならば、この本の意義は倍加される。
V.A. 『はっぴいえんどに捧ぐ』
♪ROCK!若いぞ、4人とも!コピーだわなぁ〜。
(2003.11.11 東芝EMI)
1.あしたてんきになれ(チャカ)
2.夏なんです(楠瀬誠志郎)
3.風来坊(THE真心ブラザーズ)
4.花いちもんめ(区麗情)
5.風をあつめて(塚本晃(HEAVEN))
6.しんしんしん(種ともこ)
7.かくれんぼ〜はいからはくち
(SCANCH)
8.空いろのくれよん(渡辺満里奈)
9.12月の雨の日(GARDEN)
10.さよならアメリカ さよならニッポン
(ズビズバンズ(KYON,下山淳,
下山アキラ,WHACHO,小川美潮))
定価\2310→中古\980
スカンチ、最高!しかしニッポンとは
スカンチが解散しなくてはならない程度
の国なのだ。それははっぴいえんどが
1973年に解散した情況と変わっては
いない。また、ここで聴ける小川美潮は
つまらない。彼女には、はっぴいえんど
は必要ないのだ。そして、チャカはいい
のだが、これはチャカがいいのではなく
て演奏&アレンジをしている東京スカ
パラダイスオーケストラが、いいのだ。
その関係はオリジナルはっぴいえんど
も同様。だからリズムトラックを細野の
過去の作品からサンプリングして作っ
たTHE真心ブラザーズの姿勢も正解。
11/20東京
森美術館
新刊雑誌『ART iT(季刊アートイット)』秋冬号
(2005.10.17、アートイット)
■しりあがり寿の現代美術入門
第8回 どうして美大は遠いのか?
■[第1特集] 杉本博司の空間観!
杉本博司インタビュー  by 日埜直彦
杉本博司、空虚の番人 by 清水穣
杉本博司:時間の終わり 展覧会情報
■[第2特集] グラフィティはアートか?
■津村耕佑 妄想オーダーモード
vol.3 お客様:佐藤江梨子
■都築響一の現代美術場外乱闘
第8回 印画紙にこびりついた欲情のかたち
ミロスラフ・ティシー
■キュレーターインタビュー
第7回 椹木野衣 by tattaka≒高橋辰夫
新刊\1400
『杉本博司 展』のカタログや単行本を買う
よりも安いだろーと、こっちを買った。英語も
併記されているスノッブぶりはサスガ(?)。
世界の展覧会日程表もあり、つくづく「東京」
という街の日本での特殊さが分かった。そー
ゆー意味では、”東京土産”として最適(?)。
グループ展『じゃが芋の花油絵展』 9人参加 \0
久保淑子の描き込みが面白い。鈴木博詩の雪
の白がうまい。それぞれ個性的な中間報告の趣。
グループ展『NHK絵画教室V展』 13人参加 \0
安藤誠一「アトリエ」の、部屋のパーツが良い。
塚田正巳の、色の並べ方が良い。ここも個性的。
グループ展『墨花会習作画展』 6人参加 \0
モノクロが高尚に観える錯覚に注意して精進。
LOSALIOS 『世界地図は血の跡』
♪ROCK!バイバイ、浅野。
(1999.11.10 ポリドール)
LOSALIOS is 中村達也(ds ex BJC)
参加ミュージシャン;
NARGO, 谷中淳, 沖裕市, カトウタカシ
from 東京スカパラダイスオーケストラ,
浅井健一, 照井利幸 (ex BJC),
森岡賢
定価\3059→中古\980
整理されることをどこまでも憎む姿勢
の彼岸にロックがあるのか?確かに、
テクニックもあるのだが肉体にこだわる
ばかりに、いたるところに破綻がある。
これがロックであれば、ロックとは民族
音楽のことを言うのであろう。だから、
晩年にジャジュカに傾倒したブライアン・
ジョーンズは、正しかったとも言える。
以上を肯定した上で、あえて議論する
のだが、だからこそ浅井健一の青臭さ
とロマンティズムがもたらしたロックの
魅力もまた、貴重なのである。おそらく
青臭さもロマンティズムも、暴力の一
形態なのであろう。ロック評論の世界
ではそれを長い間、「初期衝動」という
概念で解決していたが、もはや持続す
る「初期衝動」としての「思想」と言い
切ってもいい。もちろん、それを提示す
るのは優れた表現者がいてのことだ。
また、このようなアルバムがメジャーの
会社からリリースされた環境を作った
のは、マーケットを支えている多くの
ロックファンである。未来はきっとある。
10/12札幌
ギャラリー
どらーる
個展『奥野 侯子 展』 \0
鏡とは、交差の装置である。現実を交差させる
手法によって、たくましい虚構が作られる。古今東
西の作家が、虚構の強化にとりくんできたのは、
虚構でなければ表現できない現実があるからこそ
だろう。その時に鏡でなければならない理由とは、
形状の共通項が心象の関連を気が付かせてくれ
るからだ。奥野の作業は複数の手法を重ねること
によって、重なった部分でなければ表現できない
ものを浮かび上がらせる。彼女の絵を観ていると、
鏡が立体ではなく平面であるというアタリマエのこ
とに気が付き驚かされる。この手法で表現される
ものが「都会的」になる理由は、モードとは現代の
鏡であるという、反転された論理からなのである。
11/28郵送
かえで嬢
から、
もらった。
新刊雑誌『プレザンテ』創刊号
(2005.11.20、アートコミュニケーション)
巻頭インタビュー;徳永英明、t.A.T.u.
私の愛聴盤;加藤雅也、優香、松本梨香
私の音楽革命;高見沢俊彦、及川光博ほか
音楽業界の厳しい現実、新譜レビュー
付録CD(新人発掘!!プロモーション・ディスク)
新刊\780
「アーティスト発掘オーディションマガジン」
らしい。志が高いところによくある雑さがある。
10/12札幌
ユナイ
テッド

シネマ
札幌
映画『ファンタスティック・フォー』 深夜\1200
監督;ティム・ストーリー
出演;ヨアン・グリフィズ、ジェシカ・アルバ
クリス・エヴァンス、マイケル・チクリス
『宇宙戦争』もそうだったがアメリカ人の幼稚化
が進んでいる。っーか、ヤツラは元々、幼稚だった
か。かつてはそれでも良かったんだろーが、ここま
でCGや美術技術が進化した現代の幼稚さって、
相対的に、よりバカに観える(笑)。まぁ私の場合、
ジェシカを観に来ただけだからいいんだが。がくっ。
12/08
久保の
食文化の
師匠
である
★田中さんに捧ぐ!♪あん♪アン♪フード
システム
研究所

田中千博
さんから
蔵書が
郵送
されて
くる。
青木 正児『青木 正児 全集 第八巻』
元本;1959「中華名物考」、1962「中華茶書」
1953.8「随園食卓」(大阪の六月社、随園)
(1971.6.30初版、春秋社)
定価\3500→\0 もらった
著者は1887年〜1964年を生きた。時代が
まだ貪欲に輸入文化に意味を求めていたのと
学問そのものが未分類であるなどの理由で、
今で言う「学際」的であり、かつ産業に結び
付かない研究に情熱を傾注できる余裕があっ
たのだと思う。しかし、ここで繰り広げられる
研究は「雑学」などと呼ぶには遠い、深く豊か
な荒野である。また、かつてここまで中国を
リスペクトし研究した先人がいた時代があった
のにもかかわらず、現在の日中関係の不幸を
思うと、「継承こそが学問である」とも感じる。
10/15深川
mini gallery
うなかが
めーゆの
美術館
個展『渡辺弘美・アップルドール展』 \0
(更新;2005年10月19日)
お口の恋人♪
堀田平七郎編『そばや今昔』
(1978.8.25→1991.3.20七版、中公新書)
定価\540→\0 もらった
著者もすでに故人であるが、先代の堀田
勝三(1887〜1956)もなかなかのエッセイスト
だ。興味深いのは、その文章が最初は実用
が目的で書かれているのに、文体の魔力の
せいで、文学の薫香が加わってくるのだ。
「純文学そば屋」という悪口にも歴史がある?
忌野清志郎 『KING』 DVD付き
♪ROCK!がった、がった。
(2003.11.9ユニバーサル・ミュージック)
忌野清志郎(vo, g, dss, pf)
三宅伸治(g)
宮川 剛(ds, percussions)
中村きたろう(b)
池田貴司(keyboards)
梅津和時(a.sax)
片山広明(t.sax)
渡辺隆雄(trumpet)
高野 寛(strings arrange)
ZAK(mix engineer)
定価\3213→中古\1480
自宅にスタジオ、っー貧乏時代が
長かった清志郎にとっては夢のような
オモチャを入手し、自由ホンポーに楽し
みながら作っているのが分かる。そも
そも自由を手に入れるのが彼の人生
目標であったのではないかとも思う。
その自由を得る時に孤独なのではない
というスタンスにも注目したい。それが
バンド、ということだ。今回も三宅伸治
を初めとする気心のしれたバンド・マン
を回りに集めている。そこに「わがまま
な淋しがり屋」としての彼の個性が同居
している。それを私の言葉に換言すれ
ば、「ナーバス・アナーキスト」となるの
だが(笑)。また、DVD付き、というのも
彼が得たもう一つの「自由」であろう。
テレビでロックが放送されないことを、
独特の表現方法で歌ってみた彼が、
もはやテレビでなくても「自由」にロック
の映像を観ることができる環境という
のは、またもや不自由への見事な復讐
となりえている。そしてその自由に、
後ノリしている者を「ファン」と呼ぶのだ
ろう。この自由を得るために私たちは
優れた表現者を必要としたのである。
11/04深川
東洲館
個展『三木田 好恵 小さなメルヘン展』 \0
木の枝などを執拗に描き込むところに、可能性。
11/05沼田
ほろしん
温泉
ほたる館
落語『ほたる寄席「橘家 富蔵」 独演会』 \1000
演目;時そば、親子酒
小さん系らしく、そばをすする芸は見事。声も良
い。こんなに上手でもドサ回りしなければならない
のは漫才のように市場が成熟しない落語の限界
なのか。しかし、彼も完璧ではない。間の取り方を
あせりすぎ、客に笑を租借させる余裕を与えない。
土肥鑑高『<江戸>選書7 江戸の米屋』
(1981.12.30→1995.4.10六版、吉川弘文館)
定価\1288→\0 もらった
出版当時は生産者米価の値上げ闘争は、
農民にとっての春闘であったようだ。驚きは、
当時の要求米価が2万498円であったことだ。
今は、その半分である。しかし本書のテーマ
は1981年ではなくて江戸だ。それでも江戸の
米に対する考えが今に続いているのが分る。
11/06旭川
シネ
プレックス7
映画『コープス・ブライド』 朝割り\1200
監督;ティム・バートン、マイク・ジョンソン
ティム・バートンのオタク度発揮。ダークな魅力。
11/06旭川
北海道立
旭川美術館
展覧会『小野 州一 展 -線描のコロリスト-』 \950
晩年の倉本聡の表紙絵が一番つまらない。完
成した抽象画という矛盾からだろうか。変化が命。
11/06深川
ギャラリー蛍
個展『小川 俊郎 展』 \0 ただし、ソバは有料。
結婚と芸術には、適齢期は無いことを実証した。
芸術は「技術」の前に「集中力」という平等の勝利。
サントリー『ザ・サントリー・カクテル・ブック』
(1984.4.27初版、ティービーエス・ブリタニカ)
定価\8500→\0 もらった
私が貧乏学生だった時、すでに時代には
バブルの準備が始まっていた、とゆー証明に
なる本(がくっ)。この値段、フルカラー、厚み
そして2001種類ものカクテルを紹介した本物
志向の匂い。サントリーの力は弱まったが、
この姿勢は今は焼酎に注がれているのか?
しかし焼酎ブームですら、かなりの短命にて
終わろうとしている今この本の重さが哀しい。
11/11札幌
ギャラリー
どらーる
昂揚でも、落下でも、無く。
個展『波田 浩司 展』 \0
感情を手法に移し変える訓練のような作業を、
いくつか行い、それらを画面上にバランスよくコラ
ージュすることによって魅力的な整合性ができあ
がっている。たとえばフラクタルに伸びるパーマを
かけられた髪の毛や、注意深く何本も引かれてる
洋服の細いストライプなどは、画家にとっての筆運
びのカタルシスを味わうことができるひと時である。
また、中空に浮かぶ羽の回りは、羽の白さが明か
りを反射したかのように薄い色が選らばれて、さら
にその周囲をムンク趣味の妖気が漂うくすんだ色
を含む陽炎タッチで囲む。ビルディングなどは歪ん
だ3Dの切り絵のように遊び、一方でもっともリアル
に描かれる山岳風景が水平線上に一直線に描か
れ、全体の理性のアリバイをかろうじて声を潜めつ
つも証明されることを待っているかのようである。
それぞれのパーツが違う手法と意図で描かれて
いる。さらに同時に、それぞれのパーツを描く時に
画家が得るカタルシスのレベルも大きく違うはず。
それらのバランスが隠し切れないのは、絵の第一
印象とは裏腹に、かなり真面目であろう画家の本
質である。画家の本質と絵による表層がミックスさ
れることによって、絵が私の脳味噌に浮かび上が
らせるイメージは、「恐怖と過敏症」。さらには「恋
する過敏症」。全てが相対化され、お互いの位置
を必要以上に確認し合うことに労力を惜しまない
時代を代表するツールが、ケータイ電話とEメール
だ。そしてそれらは「位置」の「確認」が目的である
のだが、便利さが生む過剰が、またもや新しい別
の位置、つまりバーチャルな位置を生んでしまう。
しかし、その誕生を我々は「捏造」とはもはや呼べ
ない。すでに我々は過剰な確認の共犯者であるの
だから。つまり、もうバーチャルではなく、もう一つ
のリアルなのである。それが1995年、バブル以降
の私たちなのだ。そんな、入れ子状態のリアルの
世界であっても私たちは「可能性」を求める。その
時に起こる、お互いの位置の美しいズレを「奇蹟」
として手を合わせるのか、「偶然」として笑いつつも
不器用な生活の中に取り組んでいくのか。いずれ
にせよ、それらの新しい「位置」とは、「恋」である。
そして、恋に方法は無いが、持って生れた恋の癖
は出る。多くの画家は、それをストロークの快感と
マチエールの実験で表現してきたのだろう。波田の
場合は、そうではなく、位置の確認への過剰なる
過敏症としての「恋」だ。位置の確認は、上昇と、
下降の不安定さの作業の中で行われる。作家の
澤地久枝の『好太郎と節子』の中の一節、三岸「
節子は精神の昂揚と落下の差の激しい人である」
を現代の波田に換言してみれば、もはや画家が差
の激しい存在ではなくて、画家をめぐる環境こそが
昂揚と落下の差の激しい情況なのである。時に、
画家は「やさしく」なってしまう。ただし、それは野生
を忘れたのではなくて、相対化された、もう一つの
野生なのである。波田が昂揚でも落下でもない、
ただただ浮かんでいる羽に象徴される存在に興味
を持つのはそのためである。この時代を一枚の絵
という「整合性」に閉じ込めた彼のアイディアと努力
が評価されているのは正しい。しかし、あえて言う
のだが、「整合性」だけが魅力では芸術は小さくな
ってしまう。波田の30歳代が終わった時、次には
「整合性」から解き放たれた世界に踏み込んで欲
しいと私は希望する。その準備は、もうされている。
尾村幸三郎『日本橋魚河岸物語』
(1984.2.5→1984.5.20再版、青蛙房)
定価\3000→古本\2000→\0 もらった
田中さんからいただいた時にポストイットで
「こういう本を好きな人が居るだろうか?」と
書かれていた(笑)。いや、ところが面白い。
そもそも著者は昭和初年にアナキスト大杉栄
の思想の系列の中で活躍し、思想事件にて
昭和11年に築地警察署のブタ箱に入れられ
たという経験を持っている。種村季弘の書評
集『遊読記』(河出書房新社、1992)に、この
本が「硬派の魚河岸」との題で紹介されてい
るのも勲章である。早朝から市場で蛮声を発
する仕事を長年やりながらも、文学を常に志
の中心に置いて生きている存在は私のよう
なヤミ米屋に勇気を与えてくれる。嬉しい本。
Absolut『Bartender 1997 Coctail Calendar』
定価\?→\0 もらった
田中さんからいただく本の中に、こーゆー
珍品(?)を見つけるのも楽しい。9年も前の
カレンダーを美麗なままに保存していた田中
さんの気持ちが読み取れて嬉しくなる。この
カレンダーには全部の日付に、違うカクテル
のレシピが書かれている。この情報量の多さ
と編集センスが田中さんのお気に入りだろう。
ジェーン・バーキン 『ランデ・ヴー』
♪バーキンの背中に触れたのは何人?
(2004.3.31 東芝EMI)
デュエット相手;
1.私はジェーン / with ミッキー(3D)
2.許さない / with アラン・シャンフォー
3.with ブライアン・フェリー
4.with アラン・スーション
5.with エティエンヌ・ダオ
6.chorus ベス・ギボンズ
7.with カエターノ・ヴェローゾ
8.恋の真似ごと / with ミオセック
9.with ファイスト
10.覚えてる? / with マヌ・チャオ
11.with ブライアン・モルコ(プラシーボ)
12.with フランソワーズ・アルディ
13.カナリー・カナリー / with 井上陽水
14.with パオロ・コンテ
定価\2421→中古\980
もしかしたら史上最強のデュエット女
かもしれない。「デュエット」の意味すら
も彼女が築いたと言い切りたくすらなっ
てしまう。元々、イギリス女でありなが
らフレンチのミューズとなった複数性が
デュエットを暗示していたのかもしれな
い。そう考えると、いくらでもコジツケが
思い浮かぶ。たとえば、「歌」とは音楽
と詩のデュエットである、とか。で、ある
ならばシャンソンこそデュエットに相応
しい。こーゆーアルバムは過去の名曲
集にしてお茶を濁す場合が多いのだが
きちんと新曲中心に作り上げた姿勢が
さすがである。歌詞も「私はジェーン」、
「インフルエンザ」など今後、忘れられ
なくなりそうな佳曲が多い。新曲では
なくとも、ロキシー・ミュージックの2nd
に収められていた曲を、さらにディープ
にしたブライアン・フェリーとのデュエット
などはスキャンダルですらある。まるで
入れ歯を落としかねないようなフェリー
のグダグダぶりが、凄味満点である。
井上陽水もフェリーと似た企画であ、
まったく違うアプローチがまた、サスガ。
山本博『岩波新書「ワインの常識」と非常識』
(1997.5.20→1997.6.30第四刷、人間の科学)
定価\1680→\0 もらった
本に田中さんの付箋が付いていて「山本
氏と大いに憤慨した話題の本。まだ岩波は
絶版にしていない!」と書かれている。その
通りの痛快なる怒りの本。自戒も込めて、ね。
藤村和夫『蕎麦屋のしきたり』
(2001.11.10→2001.11.25第二刷、NHK出版)
定価\672→\0 もらった
新書本かつ話し言葉なのに圧倒的な情報
量。蕎麦と薀蓄の同居の理由を考えたくなる。
笠井俊彌『蕎麦 江戸の食文化』
(2001.12.12初版、岩波書店)
定価\2625→\0 もらった
蕎麦本は、蕎麦屋が書くものが多いのが
特徴だが、この本のように学者(?)が書くの
も増えてきた。つまりそろそろ体系が生れる。
太野祺郎『蕎麦の薀蓄』
(2003.8.20初版、講談社)
定価\819→\0 もらった
こちらは、蕎麦屋を食べ歩いた著者の本。
ここまできたら蕎麦本ジャンルも順列組合せ。
12/17札幌
Book off
札幌
南1条店
大江健三郎『人生の親戚』
(1989.4.25初版 新潮社)
定価\1200→古本\105
日常を思想化する時に、日常を小説化す
るという方法。なぜ大江は論文を書かずに、
小説を書くという手法を選び、またそれを長
い間にわたって実践し続けてきているのだろ
うか。それは、小説の方が得意であるという
前に、有効であるという認識がある。大江の
創作過程で最も重要なのは「推敲」であると
思う。それは、現実を物語化および思想化す
る時に必要となるフィクションの導入も同様に
推敲であると言い切れるであろう。この小説
も、どこまでが現実で、どこにどのように創作
が加味されているのかが、大江の思想化の
現場だ。過程でセンチメンタルが排除される。
11/11札幌
ユナイ
テッド

シネマ
札幌
映画『Into The Blue / イントゥ・ザ・ブルー』\1200
監督;ジョン・ストックウェル
脚本;マット・ジョンソン
出演;ポール・ウォーカー、ジェシカ・アルバ
スコット・カーン、アシュレイ・スコット
「ジェシカ・アルバのファン限定の映画」と言われ
るとツライが(がくっ)、確かに彼女のボディ・ライン
を楽しむのには優れている。物語は単純だし、ジェ
シカのキャラは古典的正義感の枠内。それでも、
なんとなくゴージャスな印象が見終わった後に残る
のは、やっぱ、ジェシカのボディと海の美しさか。客
の入りが多いのは驚いた。同じジェシカ映画の『フ
ァンタスティック4』
は同じ時間帯で2人しかいなか
ったのに(笑)!まぁ、どーせ目的がジェシカであれ
ば、こっちを観るよなぁ(笑)。でもそれだけじゃぁ、
ジェシカもただの、おっぱい女優で終わっちゃうよ。
富岡多惠子『ひるべにあ島紀行』
(1997.9.10初版 講談社)
定価\1785→古本\900
前半は、なんとなく学術的でタイクツだが、
中盤にグロテスクなエロスが突然に登場して
から、一気に物語にグルーブが生れる。本の
全体もこのように、前半と後半でシンメトリー
になっているのに気がついたら、この本の中
では全てがシンメトリーになっていることが浮
かび上がってきた。そもそも、物語の舞台に
なっている日本とアイルランドも、ユーラシア
大陸の両端のシンメトリーであるし、男と女、
若さと老い、双子など、いたるところにある。
「「最初の女」であるわたしの「女の最後」」、
なんていう言い回しなど、さすがだ。さらに、
この図式の中で作者は、密かに天皇制批判
を織り込んでいたりする。つまり、シンメトリー
とは、それ自体で、巨大な批評空間なのだ。
12/17札幌
Book off
札幌
南1条店
Beck Bogert & Appice
/ ベック・ボガート&アピス
『Beck Bogert & Appice』
はじけるドラミング♪ROCK!ベック、最後のハード・ロック時代 !
(1973オリジナル, 再発CD, Epic Sony)
Jeff Beck(g)
C.Appice / カーマイン・アピス(dr,vo)
T.Bogert / ティム・ボガート(b)
CD解説;菅野ヘッケル
定価\1800→中古\1000
ベックがクリームやツェッペリンに対
して「俺のアイディアを盗みやがって」
と思っていたとしても不思議ではない
歴史過程がある。実際に、それっぽい
発言も記録されてはいるが、そこは良
くも悪くも人柄で、もう現在にいたって
はどーでもイイことなのかもしれない。
しかし、当人にとっては落とし前を付け
なくては次に進めない重たく堅い(=
つまり、ヘビーでハードな)問題であっ
たのだろう。それが、このアルバムと
して結実された。しかし、もう時代遅れ
になってしまっているという不器用さ。
11/20東京
森美術館
個展『杉森 博司 時代の終わり』 \1,500
あまりにもスノッブ。デュシャンが持ち出されて、
なんとなく力づくで納得させられた(がくっ)感じ。
12/10札幌
シアター・
キノ
映画『ランド・オブ・プレンティ』 朝割り\1200
監督;ヴィム・ヴェンダース
出演;ミシェル・ウイリアムズ、ジョン・ディール
「アンチ・クライマックス」が、この映画のキー
ワードであると思う。「映画とは、クライマックスを
準備する装置である。 」←この主語を「政治」と置
き換えたら? もしくは、「戦争」と置き換えたら?
さらには、「アメリカ」と置き換えたら? 私たちは、
NY911の「映像」に興奮した&させられた。 そし
てそれは、「映像」で「興奮=クライマックス」を
人工的に捏造することに夢中な人々を悦ばせて
きた映画という巨大産業の「戦略」につながる。
また、この大きな前提のような事実にに不快感を
覚える(&思い出す)映画作家がいてもいいのだ
ろう。 もちろんヴェンダースは、そーゆー作家だ。

大江健三郎『「新しい人」の方へ』
(2003.9.30初版 朝日新聞社)
画;大江ゆかり
定価\1260→古本\105
私や大江ぐらいになると(?)簡単な言葉
で書くほうが、難しい言葉で書くより難しい。
それはある種「翻訳」という知的作業だから。
映画『クレールの刺繍』
監督;エレオノール・フォーシェ
出演;ローラ・ネマルク、アリアンヌ・アスカリッド
2004年カンヌ映画祭で国際批評家週間グランプリ
こっちの方がさらにアンチ・クライマックスであり
こっちの方がさらに『パリ・テキサス』を思い出す美
しい青、緑、茶色のバリエーションを魅せてくれた。
リリー・フランキー
『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』
(2005.6.30初版 扶桑社)
扉題字;中川弘治
定価\1575→古本\800
世間が騒ぐほどに超名作でも無い。ただし
リリーのような男が書いたというギャップが生
む世間へのメッセージ意義は大きい。さらに、
近未来社会の準備としても。文学とは、別だ。
12/10札幌
大丸藤井
セントラル
スカイホール
個展『佐藤克彦 ヨーロッパ風景油彩画小品展』 \0
下手だが光のコントラストをざくりと掴んでいる。
グループ展『第29回 北玄12人展』 \0
エゴが見えた方がいいのかダメか?個性とは?
Bob Dylan / ボブ・ディラン
『Blood on the tracks / 血の轍』
1975年のディラン♪ROCK!16作品目。
(1975.1.20オリジナル, 1991.12.1再発)
ボブ・ディラン(vo,g,harmonica,p)
Tony Brown(b)
Buddy Cage(steel guitar)
Paul Griffin(organ)
Eric Weissberg & Deliverance
CD解説;菅野ヘッケル
定価\1800→中古\1350
「イディオット・ウィンド」を聴くと胸が
苦しくなるような怒りの洪水がディラン
から押し寄せてきて、いつの間にか私
にとっての具体的な怒りの相手を探し
ている自分に気が付く。そういう意味
では強烈なアジテーションとして成立
するゆえに、優れた表現(=ロック)で
あることには間違いない。しかも、彼は
それを激しいノイズのロック・サウンド
や同時期の同じニューヨークにて勃興
していたパンクなどの表現手段とは、
まったく反対に静謐と言っていいほど
のアコースティック・サウンドでそれを
最高のレベルで成し遂げた。恐るべき
集中力と、圧倒的な独自性に改めて
感嘆させられる。たった1枚のレコード
があるだけで時代が救われる見本だ。
12/11深川
東州館
グループ展『ぴいぷる スケッチ展』 \0
「個人」であることに気が付かせる装置の大衆。
グループ展『あかとき発信 元気なアート展W』 \0
絵を観る側の「期待」こそが、真の作者なのか。
12/28郵送 同人誌『羚 Rei』
第5巻 第18号 2005年冬季号
2005年12月20日発行 もらった
●巻頭エッセイ《私の漂い方》18
篠原資明「展覧会の大ナマズ」
文学青年の弱みは現代もあるのだなぁ。

●詩
田中昌雄「秘子転生」
新鮮さが無くても書ける詩も、詩なのか?

●短編小説(読み切り)
澤井繁男「物置」
読みやすくなったが、つげ義春の真似。

●評論・批評
神谷光信「井上洋治論」
西欧以外にもキリスト教が存在する意味。
曾根博義「伊藤整の後を追って五十年」
中心を否定する思想は、文学に相応しい。
12/11深川
蕎麦屋 蛍
個展『わたなべ まる 展』 \0
「いい人」であることによる、思考停止の不安。
12/11深川
ふれっぷ
個展『渡辺貞之 第30回「一枚の絵本」展』 \0
多彩な画伯のまたもう一つの過剰なるはけ口。
12/11深川
うなかが
めーゆ
美術館
桔梗智恵美、 幸田尚子、りんごムロショップyukes
『うなかがめーゆクリスマス 展』 \0
複雑な手造り風の建物に複雑な小さな仕掛け
がうごめく複合イベント。正しいインスタレーション。
12/17札幌
シアター
KINO
映画『東京ゾンビ』 早割り\1200
監督・脚本;佐藤佐吉
原作;花くまゆうさく「東京ゾンビ 」
プロデューサー;豊嶋勇作
美術;稲垣尚夫
主題歌;The Homesicks「ココロかよわせて」
音響効果;柴崎憲冶
出演;浅野忠信、哀川翔、奥田恵梨華、松岡日菜
古田新太、中村靖日、高城マリア、谷村美月
楳図かずお、花くまゆうさく、森下能幸、橋本さとし
低予算・高テンション映画だが、そろそろ飽きた。
12/29郵送 徳丸滋『ニセコアンヌプリの風U』
(2005.5.1 ST-GALLERY 印刷;其水堂金井)
純粋でいて汚れていて、複雑で単純で、
神であり悪魔である。それが自然であるなら
ば、やはり人間も自然なのだろう。徳丸が絵
を描く時の集中力は、自然を見つめる時にも
同様に発揮されているのが分かる画集だ。
ニセコに移住することにより、自然に一歩、
近づいた人間が、絵を描くことにより、百歩、
踏み込む。その間の歩みが見つめる作業だ。
12/17札幌
ユナイ
テッド

シネマ
札幌
映画『Mr. & Ms. スミス』 深夜\1200
監督;ダグ・リーマン
出演;ブラッド・ピット、アンジェリーナ・ジョリー
アダム・ブロンディ、ケリー・ワシントン
DINKS(←死語?)のクリスマス・デート用映画。
映画『ロード・オブ・ウォー』 深夜\1200
監督;アンドリュー・ニコル
出演;ニコラス・ケイジ、イーサン・ホーク、
ジャレッド・レト、ブリジット・モイナハン
同種の戦争後遺症映画が続くのは健全な証?
2005年の感想私にとって、今年は・・・
●蓄積という名の反復からの「逸脱=自由」への意志と技術。
1.自己模倣の誘惑よりも、明るい自己懐疑(=自己会議)。
2.「見直し」という方法論。
12/18札幌
ギャラリー
どらーる
個展『國松 明日香 展』 \0
(更新;2005年10月19日)



それでもお前は、
戻りたいのか?
But,do you want back?

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♪よーこそ!

▼「買い物」、それは資本主義下の共犯行為である。 My favorite things.
ふふふふ。1999年 Icon2000年 Icon2001年 最後にはジョー・ストラマーが死んだんだよねぇ。2002年 飛ぶ!2003年 飛ぶ!2004年