Icon久保元宏2004年買ったモノ

2004年1227日 月曜日 雪
大雪の除雪をしながら、年末最後の仕事をする週を迎えた。ただでさえ忙しいのに、除雪の仕事がじゃまくせえ。


Hello! My name is Motohiro Kubo!
こんにちは!
僕、久保です。よろしくね!
WAR
IS
OVER

( If you want it )

ジョン・レノンからの
1971年、年末の
メッセージ
Is war over?
John Ono Lennon
1971年12月 31歳
Is peace over? ( If you want it )
Motohiro Kubo
2004年3月7日 41歳 『ジュネ伝』を読む
PEACE
IS
OVER

( If you want it )

久保元宏からの
2004年、新年の
メッセージ




2004年に買ったモノたち This is What I want, this is what I get.
2004年のBEST
◇■◇各ジャンルのNAMEの”背景色”が順位◇■◇
BEST 1BEST 2BEST 3BEST 4BEST 5

↑でも、この順位って私が買ったモノからの選択だから、作品の発表された年と関係ないので、注意。

うぇ〜ん!お買い物の下に書き込まれている緑色のコメントは、久保AB−ST元宏の感想です。
全て「初本」。ほとんど「古本」。
CD・中古ばかり。
映画ARTLIVE
DATE
NAME
DATE
NAME
DATE
NAME
01/01札幌
Book
Market
平岸店
柴橋伴夫『ピエールの沈黙』
(1983.4.30、白夜叢書4、白馬書房)
表紙写真;柴橋伴夫「壁―1980・小樽」
装幀;岡部昌生
初版 定価\1200→古本\100
今でも懲りずに(?)衒学的な作者の
処女評論集。漢字やかなの使い方に
吉本隆明の影響を発見するのは容易。
すでに1983年の段階でもアナクロな
レトリックの連続なのかもしれないが、
現在、具体的な素材を書いている彼が
モチーフ無しに抽象的な議論を
しているところが今日的意味を持つ。
たとえば冒頭の「石」をめぐる論考は、
2003年の安田侃への論考につながる。
結論を先送りするエネルギーによって
文章は鈍い蒸気機関車のように進む。
あまりにも「自家中毒的」かもしれない。
「いや、これが詩人の思想方法だ」との
反駁も可能かもしれない。確かなのは、
20年後に100円で買えた幸福だけだ。
01/01札幌
Book
Market
平岸店
サニーディ・サービス『若者たち』(1995)
曽我部 恵一/Keiichi Sokabe
Vocal, Guitar1971.8.26香川県(熊本県)
田中 貴/Takashi Tanaka
Bass1971.6.25愛媛県
丸山 晴茂/Harushige Maruyama
Drums1970.11.6東京都(広島県)
定価\2913→中古\980
メンバーが写るジャケットの写真で
唯一、顔を隠してるのがリーダーの
曽我部である。これがデビュー・アルバム
であるのだから、多くのユーザーは彼を
見落としてしまうのかもしれない。
ここに曽我部のゆがんだ熱がある。
それを「悪意」と言い換えてみるのには、
少しの保留を必要とするところだが、
その後の曽我部の魅力的な成長振りを
知っている我々には「魅力的な悪意」、
又は「後ろ向きの恋愛宣言」と言いたい。
実際、そう言えるヒントが詰まった作品だ。
試されているのは、こちらの方なのだ。
01/02札幌
さいとう
gallery
企画展『FROM '03 TO 2004展』 \0
赤石準一、浅野天鐘、阿部典英
阿部さんのユーモアってはずしてない?
折登朱美、柿崎熙、片原早苗
柿崎の作品は壁よりも中空に浮かすべき。
佐々木徹、川口浩、川本ヤスヒロ、岸本裕躬
佐々木は作者の戯れ意図が読み易い。
斎藤嗣火、坂本順子、櫻井マチ子
坂本の作品を西洋人に見せてみたい。
毛内やすはる、森山誠、守矢有里
森山らしい世界だが人物画の方が魅力。
八木伸子、八木保次、八木直子
伸子はお買い得。保次は安くて当り前。
荒井 善則江川 博大滝 憲二、矢崎 勝美
これらを「お正月っぽい」というのかなぁ?
北浦 晃高橋 英生
北浦のは小品が好き。大作は散漫がち。
谷口 一芳田村 宏田村佳津子
谷口は、絵が文字になる溶鉱炉の過程。
米谷 雄平渡會 純价林 亨
林の作品は目を閉じた時に見える映像?
斎藤美奈子『妊娠小説』
(1994.6.25,筑摩書房)装幀;祖父江慎
初版 定価\1800→古本\500
柴橋の方法論とある意味、対極にある
のが斎藤のやり方。エンターテイメントを
装った「毒」。百年殺しではなく、即死。
中村一義『金字塔』(1997.6.18)
中村一義(song written,vo,cho,d,b,g,per)
g;高野寛、鈴木茂、大森信和
key;朝本浩文、細海魚、重実徹
定価\2913→中古\980
歌詞が聞き取り難いのが残念。
01/02札幌
シアター
キノ
映画『我的兄弟姐妹/Roots and branches/
再見 ツァイツェン また逢う日まで』 \1800
(2001,中国,カラー,1:1.85,ドルビー,95分)
監督・脚本;ユイ・チョン
出演;ジジ・リョン、ツイ・ジェン、シア・ユイ
クライマックスが違えば名作になったかも。
清水良典『文学がどうした!?』
(1999.6.5、毎日新聞社)
イラストレーション;阿部真理子
装丁;高橋雅之
初版 定価\1500→古本\500
いつの間にか日本経済新聞の
年末の恒例「今年の小説回顧」の
定番執筆者になっていた著者のまだ
駆け出し(?)時代の文学コラム集。
毎日新聞に連載されていたもので、
連載ゆえにネタ切れの項もあるが、
それでも書き抜いた情報量に今日の
彼の成功を予感させる。ここでも、
キーワードは評論のエンターテイメント。
エンターテイメント文学ではなくて、
純文学を語るのにもエンターテイメントが
必要な時代なのだ。いつの間にか、
「啓蒙」とエンターテイメントが同義語に
なってしまったかのようだ(笑)。そして、
この読み易い短文を読むと次は著者の
長文論文が読みたくなるから不思議。
Avril Lavigne/アヴリル・ラヴィーン
『Let Go/レット・ゴー』(2002.7.24)
Avril Lavigne(vo,作詞)
Evan Taubenfeld(g)
Matthew Brann(d)
Mark Spicoluk(b)
定価\2913→中古\1280
2002年、日本で一番売れた洋楽CD。
どんなモノかと興味津々で買ったが、
アメリカ音楽ビジネスのイノヴェーションの
お勉強になった。でも、これって進化?
確かに17歳の少女にしては才能がある。
クレジットを見る限りでは演奏も基本的に
3ピースのバンド。一見、ロックっぽい。
リーフレットのデザインや使用写真も、
ストリート系ミュージシャンを演出。でも、
ぽっと出の新人がこんなに分厚い演奏が
できるワケないじゃんか。ビジネスの匂い。
顔がカワイイという説もある(笑)が、
ブリトニー・スピアーズのように外人女の
顔の旬は短い。歌詞は学園モノ(笑)。
01/03札幌
ギャラリー
どらーる
(北4西17
HOTEL
DORAL)
企画展『2004年個展プロローグ』 \0
柿崎 煕 立体・抽象 無所属(石狩)
立体が「詩」に近づくために何が必要か?
高橋 三加子 油彩・具象 全道展会員(旭川)
気持ちのいい形と色。パノラマも見たい。
林 亨 油彩・抽象 無所属(札幌)
このシリーズに飽きた後の作品が見たい。
真柄 修一 油彩・具象 道展会員(滝川)
近景の黒が気持ちいい。写真で分かる?
木嶋 良治 油彩・具象 道展会員(札幌)
空は抽象画の偉大な教師だという発見。
村上 陽一 油彩・具象 道展会員(帯広)
画法は完成している。問題は素材選択。
川畑 盛邦 油彩・具象 道展会員(札幌)
線の無い阿部国利?阿部は線に頼った?
富田 知子 油彩・具象 全道展会員(札幌)
言葉に頼るならば徹すべし。絵は魅力。
小島 和夫 日本画具象 院展特待(札幌)
平和なシルクロード?「平和」って何?
阿部 典英 立体・抽象 無所属(札幌)
彼の弱点は、迷いとユーモアの混同かも。
01/02札幌
なにわ
書房
新刊『ことし読む本いち押しガイド2004』
(2003.12.1 メタローグ) 編集長;今裕子
執筆者;
四方田犬彦、笙野頼子、藤田紘一郎
橋爪大三郎、山田登世子、北村薫
沼野充義、森浩一、角田光代、高山宏
岡井隆、南條竹則、林あまり、森毅
加藤典洋、谷川渥、平岡正明、巽孝之
萩原朔美、大道珠貴、関野吉晴
高山文彦、深町眞理子、池上俊一
穂村弘、鎌田慧、蓮見圭一、芹沢俊介
永井均、小池昌代、中村文則
足立倫行、長嶋有、亀山郁夫、平出隆
藤井省三、野崎歓、上野千鶴子
齋藤愼爾、長山靖生、猿谷要
松岡和子、ホンマタカシ、小谷野敦
西澤潤一、鷲田清一、原研哉
大澤真幸、鶴見俊輔、佐藤賢一
青山南、久世光彦、枡野浩一
池上冬樹、いしいしんじ、永江朗 
岡崎武志、小谷真理、陣野俊文
川崎賢子
対談;岡野宏文×豊崎由美
清水良典「ジャンルを超える純文章」
津田新吾「言葉を渡る旅へ」
宮川匡司「詩歌100年の光芒を読む」
石飛徳樹「日本の小説ベスト12冊」
風間賢二「どぎつい人工的な小説8冊」
大串尚代「さまざまな「愛」のかたち」
茂木健一郎「「うつくしきもの」に出会う」
千葉康樹「伝記の王道、横道、邪道」
橋本努「構造改革の思想を探る20冊」
守屋淳「景気回復が見え始めたかも」
藤森かよこ「21世紀ネオ硬派」
小林浩「居場所の政治から世界を見る」
山下裕二「「日本」のヴィジュアル」
飯沢耕太郎「現在未来を映す写真集」
小沼純一「印象的な音の世界の20冊」
石飛徳樹「テレビドラマベスト8本」
保坂直紀「新聞が伝える科学」
大森望「この1年のベストSF12冊」 
溝口彰子「ヤオイ」
南陀楼綾繁「過去を身近に引き寄せる」
嶽本野ばら「不思議の国のアリス」
対談;宮台真司×速水由紀子 \1500
今年もこの本はベッド・サイドの常連。
01/07深川
深川市
生きがい
文化
センター
細坪基佳『mana-zashi
韓国・ヒットフォークソング・セレクション』
(2003.4.25 ENCM-2017) \3000
戦後、韓国で発売された日本語の
歌詞が入った初のCD。もっと話題になる
のかと思ったら、やはりチューブの韓国の
カウント・ダウン・ライブにはかなわない?
それでもこのアルバムの意義は大きい。
真の評価は数年後になるかもしれない。
レコード会社の意向で「イムジン河」を
入れたとのことだが、直前に杉田二郎
ユニット「座・ジローズ」を組んでいた流れ
もあるのだろう。細坪は確かに日本の
フォークの王道や主流ではないが、
こうして確実に貴重な仕事を重ねている
ことを無視してフォーク史を語るのは
間違っていると、このCDは証明した。
それにしても、メッセージ色よりも、彼の
透明な声がインターナショナルなんだな。
01/04旭川
旭川国劇
映画『Prozac nation /
私は「うつ依存症」の女』(2001,米) \1800
監督;エーリク・ショルビャルグ
原作;エリザベス・ワーツェル
出演;クリスティーナ・リッチ、
ジェイソン・ビックス、アン・ヘッシュ、
ジェシカ・ラング、ルー・リード
買い物のついでに時間が余ったので、
たまたま観た映画。それにしても、邦題が
ダサイ。これじゃあ観たくなくなるよね。
主人公のエッチな体のせいか、ポルノ映画と
同じフロアで上映されていた。…おいおい。
映画自体は、アート系の知的な作品。
ルー・リードが本人役で出てくるのもかなり、
ブッ飛び。「スィート・ジェーン」を崩して歌う
シーンなどは良いときのボブ・ディラン級。
会話中に精神病の主人公の本音が、
モノローグで平行して聞えるアイディアが
良い。ちなみに観客は私だけだった(笑)。
01/25札幌
レコーズ&
レコーズ
南2条店
Miles Davis/マイルス・ディビス
Master Sound2000『Filles de Kilimanjaro
キリマンジャロの娘』(録音;1968.6,9.24)
Miles Davis/マイルス・ディビス(tp)
Wayne Shorter/ウェイン・ショーター(ts)
Herbie Hancock/ハービー・ハンコック(p)
Ron Carter/ロン・カーター(b)
Tony Williams/トニー・ウィリアムス(ds)
Chick Corea/チック・コリア(p.elp)
Dave Holland/デイヴ・ホランド(b)
Gil Evans/ギル・エヴァンス(arr)
定価\1995→中古\1380
ジョン・コルトレーンが死んだ翌年、
フリー・ジャズの意志を継いだかのように、
マイルスはエレクトリックの世界へ突入。
そのあまりにも劇的な現場を記録したのが
このアルバム。マスター処理の音も最高。
01/07深川
深川市
生きがい
文化
センター
ライブ『細坪基佳 30番目のHarvest Moon
サポート;久保田邦夫(g,マンドリン) \3500
一緒に行った大ファンは「30点。自分で
作った曲をもっと歌って欲しかった。でも、
ふきのとう時代の有名な曲は山木さんの
作品ばかりだから、今回の選曲は聴衆は
喜んだろうね。」との感想。その彼とは違い、
私のように距離を置いたファンにとっては
前半のナツメロから、後半の新作アルバム
へと続く流れに「表現活動30年」の決意が
見えた。バックのパーカッションも良かった。
上記とCDの感想を公式HP掲示板に書き
お叱りを受けた。→「あなたの書いた記事は
誰が見てもコンサートの感想と言うより批評に
見えるでしょう。それは評論家のような書き方
に問題があったと思います。またリンクされて
HPも普通の方が見るとカルト新聞のようだ。」
スチャダラパー『ポテン・ヒッツ
〜シングル・コレクション』(94.10.21 Sony)
定価\3000→中古\980
昨年末に古本で買った川勝正幸の
『ポップ中毒者の手記(約10年分)』を
読むとスチャダラパーを聴く義務が
生じる(笑)。それにしても、良かった。
いわゆるJラップに気色の悪い生理的な
居心地の悪さのみを感じる私にとっては、
こんな機会でもないと手を出さなかった。
1990年代の10代の記録としても魅力。
その巨大な渦巻きに、ゲンスブールから
勝新太郎まで個人的趣味と興味で貪欲
かつフラクタルに広がる様、そしてそれを
ジャンルごとに時系列に分ける編集には、
「編集者」魂と「共犯」魂(?)がある。
01/11札幌
ギャラリー
大通
美術館
札幌市
中央区
大通西5
大五ビル
合田里美 「あきさんの牧羊」
色んな手法を模索しているが落書きが良。
桔梗智恵美 「ダレノタメノ灯」
構図に可能性あり。描き足りなさが個性?
中村真紀 「銀の時代」
アイディアを成就させる技術向上を期待。
渡辺盛二 「ドロノキ2004」
擬古的な技術もあるのだから後は感性?
吉川博幸 「心の窓」
会場の来客から「久保さん?」と声を掛け
られた。「芳名帳を見て分かりましたよ。」と。
眼鏡とマスクを外すと谷口一芳画伯だった。
吉川に紹介して、感想を聞いた。けっして、
高くは評価していなかったが「130号ではなく
60号ぐらいから描く練習」の必要を助言。
01/19深川
フタバ書房
荒巻義雄『宇宙25時〜初期作品集2』
(1978.12.30 徳間書店)
イラストレーション;芹田英治
デザイン;矢島高光
初版 定価\980→古本\450
1933年、北海道生れ。SF作家で、
札幌の稼業の大手建設会社経営者で、
時計台ギャラリーのオーナーの著書。
小説はセリフ中心に進み読みやすい。
あとがきで、LSD体験を告白している。
村上"ポンタ"秀一『Welcome to My Life』
(1998.9.30 ビクター エンタテインメント)
定価\3045→中古\1380
日本を代表するポンタの芸能生活(?)
30周年記念CD。バック演奏歴の長さが
豪華なゲストとして反映。クライマックスは
澤田研二と忌野清志郎。「今なら話せる
中途半端で終ったあのバンドのこと♪」と
ザ・バンドの曲に歌詞をのっけて歌う忌野
の魅力が豪華ゲストの中でも光っている。
01/11札幌
北海道立
近代
美術館
札幌市
中央区
北1条
西17丁目
企画展覧会『ガリバー美術探検記』 \700
子供向けのクイズ形式のガイド本が良い。
常設展『これくしょん・ぎゃらりい
愛される風景―故郷と名所』 \200
山口蓬春、片岡球子、和田英作、武藤六郎
片岡はゴチャゴチャ描かない方が良い。
北岡文雄、林竹治郎、田辺三重松、小山昇
本当の過激とは小山「摩周湖」のことか?
伊藤桂一『静かなノモンハン』
(1983.2.16 講談社)
特別付録;司馬遼太郎と著者の対談
初版 定価\1200→古本\600
強烈な事実を記録しようとする意思。
02/11旭川
Book
Big
Box
本店
Joy Division/ジョイ・ディヴィジョン
『Closer / クローサー』(1980.9 再1989)
定価\2500→中古\1380
発売当時は日本では未発売。しかし、
永遠の魅力が記録されている。マストだ。
01/25札幌
Sapporo
Cinema
Frontier

JRタワー
ステラ
プレイス7F
映画『タイム・ライン』\1800
最初の数分を観ただけで後の全ての
ストーリーが読めちゃう”お子ちゃま”映画。
かなり予算を使った映画なんだろーけど、
私的にはB級映画ですねぇ。
住井すゑ+寿岳文章
『時に聴く 反骨対談』
(1989.9.20 人文書院)
ジャケット;宮本繕彰の絹紙布の作品
初版 定価\1340→古本\700
被差別部落から天皇まで語りつくす。
柳宗悦の家族の話など貴重な証言も。
Japan/ジャパン『Tin drum/錻力の太鼓』
(1981.11 再1993.7.28 Virgin 東芝EMI)
定価\2233→中古\1280
ジョイ・ディヴィジョンとは逆に英国よりも
日本で売れた彼らのラスト・アルバム。
ミーハーな黒人ファンクのコピーバンドが
ここまでオリジナリティを築けた感動。
映画『ミスティック・リバー』\1800
多くの脇役の個性が素晴らしかった。
なにより、監督がクリント・イーストウッド!
しかも、映画音楽の作曲も担当している!
ちょいデビッド・リンチのセンスを連想させる
雰囲気はあるが。真犯人の動機の叙述が、
おざなりな点には不満がある。ただし傑作。
01/26滝川
Book
Market
滝川店
E/Mブックス Vol.3『ウディ・アレン』
(98.7.10 エスクァイアマガジンジャパン)
監修;樋口泰人、都筑はじめ
解説;小川芳正、石橋今日美
データ&バイオフィルモ作成;梅園房良
編集;遠山純生
企画・製作;酒井陽郎
アート・ディレクション;山田英二
デザイン;野寺尚子(UltRA Graphics)
初版 定価\2000→古本\700
前からウディ・アレンの体系が分かる
本が欲しかったのだが、まさしくコレは、
そんなニーズにピッタリ。日本の雑誌の
編集レベルの高さが確認できた。
この本も雑誌が原型なのかもしれない。
ウディ・アレンは多作なので、この本は
基礎資料とゆーコトで今後はディープな
研究本を読みたい。実際、洋書では
そーゆー本も沢山出回っている。
それらを翻訳してもどれぐらい日本で
売れるかは分からないが、DVD時代に
こそ、そーゆー本が求められるだろう。
02/19旭川
Sun
House
The Who『Who's next/フーズ・ネクスト』
(1971.8 再'95.10リミックスマスタ-+7曲)
定価\2427→中古\1580
フーは売れないが、愛されているねぇ。
01/25札幌
大丸
札幌店
7階ホール
写真展『TBS番組「世界遺産」イベント
世界遺産 写真展 U』招待券
タダ券をもらったから観ただけなんだけど、
こーゆーのを観るとまた旅行したくなるねぇ。
03/13札幌
Page One
Wings『Wings wild life +3』(1971 再1987)
Paul MacCartney/ポール(vo,b,g,p)
Linda MacCartney/リンダ(cho,key)
Denny Seiwell/デニー・シーウェル(ds)
Denny Laine/デニー・レーン(g,b)
定価\2800→中古\1100
まるでポールのレア・トラックス集(笑)。
01/25札幌
スピリ
チュアル
ラウンジ
PRIVY 5F
(南2西2)
ライブ・イヴェント『赤ヒ月 第八夜』
前売\2000当日\2500
realized
メンバー;萩原範之vo,g/亀谷和巳vo,b
富士原慶宣vo,g/守屋雅之dr
ハード・コア・パンク。ドラムがカッコイイ。
歌詞が分からんので怒りの意味が伝わらん。
LSDマーチ
メンバー;道下慎介vo,g(姫路)/高橋幾郎dr
歌詞が幼稚。ドラムが
古書ザリガニヤ
オヤジだったのでビックリ。しかも個性的。
えでぃ(from 怖 ; 兵庫県姫路市) vo,g
普段はノイズ系バンドだが、ソロで語り系。
LSDマーチよりも知能指数が上っぽい感じ。
鈴木翁二(雑誌『ガロ』系のマンガ家)
メンバー;鈴木翁二vo,g/内海靖e.g,mix
太田裕剛 馬頭琴,笛/幌村司p,key
うねる馬頭琴が異次元を演出。良いわぁ。
Bryan Ferry『In Your Mind』(1977 再97)
♪ROCK!!ブライアン・フェリー『イン・ユア・マインド』 1977年!〜「トーキョーJOE」も収録されているよ。定価\2800
→中古\1000
この音が
ロックに
聴こえるか
どうかで、何か
が分かれる
リトマス紙CD。
村松友視 『ヤスケンの海』
(2003.5.25 幻冬舎)
装幀;菊地信義
初版 定価\1600→古本\960
雑誌『海』の編集仲間だった村松が、
故・安原顕を回顧した本。死の直後に
出版されたタイミングは早くて良いが、
なんだかやっつけ仕事っぽいぞ。
これなら安原の自伝の方が面白い。
Paul Weller/ポール・ウェラー
『Illumination/イルミネーション』(02.9.11)
定価\2400→中古\1400
前作『ヒーリオセントリック』に感心した
私であったが、続く本作も脅威の傑作だ。
ロックは青春の音楽であるのに、年齢を重
ねるごとに凄くなってゆくとは恐るべし。
おそらく彼がリスナー(同時に批評家)と
しても優れた才能を持っているからだろう。
02/07深川
東洲館
講演会『岡本敏子 岡本太郎を語る』\0
養女であり東京青山の岡本太郎記念館の
館長でもある彼女は、1959年と1966年の
太郎の沖縄への写真取材に同行している。
だから、今回の写真展には最も相応しい。
会場は狭いながらも約100人の大盛況。
カルチャーセンターのノリだが本物の強み。
写真展『岡本太郎写真展 占領下の沖縄』
技術は素人だが視線はデーモニッシュ。
02/11旭川
Book
Big
Box
本店
椹木野衣『22世紀芸術家探訪』
(99.12.7 エスクァイアマガジンジャパン)
デザイン;池田進吾(ロクアナ)
初版 定価\2000→古本\1200
コンテンポラリー美術家の状況報告。
ビギナーにはこーゆーカタログが便利。
でも現代美術のリアルタイムは売れん。
03/13札幌
セコンズ
平岸店
Paul MacCartney『MacCartneyU +2』
(1980.6 再1990)定価\2272→中古\580
1970年のビートルズ解散直後のポール
のソロ活動は悲惨だったように、1980年の
1月16日に成田空港でマリワナ所持で
逮捕された直後のソロも悲惨。しかし半年
後にジョンが死んで緊張感も戻るのだが。
02/11旭川
ディノス
シネマズ
旭川
映画『シービスケット』モーニング割引\1200
監督&脚色;ゲイリー・ロス
主演&製作総指揮;トビー・マグワイア(騎手)
競馬映画。レースのシーンの映像と音が、
素晴らしい。カーチェイスに慣れた観客も、
まるで自分も一緒に馬に乗っているかの様な
臨場感。しかし、それ以外は凡庸な物語。
古雑誌『Cut』1997年11月No.65
特集;「カップルズ2」ジェーン・バーキン
UA by 荒木経惟、トニー・レオン
吉本隆明「北野武監督『HANA-BI』」
初版 定価\762→古本\500
エロいバーキンの表紙だけで買い。
Vanessa Paradis/ヴァネッサ・パラディ
『live/Live〜natural high tour』('94.3.5)
定価\2427→中古\800
ゲーンスブールとレニー・クラヴィッツに
「調教」されたフレンチ・ロリータが来日を
ドタキャンした翌年に発表したイジワル。
02/14札幌
シネマ11
映画『ニューオーリンズ・トライアル』割\1500
監督;ゲイリー・フレダー
原作;ジョン・グリシャム(『陪審評決』)
出演;ジョン・キューザック、
ジーン・ハックマン、ダスティン・ホフマン
複雑な知的ゲームを見事に面白く構築。
02/11旭川
冨貴堂
本店1F
新刊雑誌『文藝春秋』2004年3月号
(株式会社 文藝春秋) \743
芥川賞発表 受賞二作全文掲載
金原ひとみ「蛇にピアス」
綿矢りさ「蹴りたい背中」
「道路公団」裏切りの民営化全内幕
自衛隊派遣私はこう考える
出版直後に増刷した超売れ筋商品。
世の中は若い女が好きだとゆーことか?
買ってから気付くが、他の特集も充実。
V.A『Encomium:a tribute to led zeppelin
/レッド・ツェッペリン・トリビュート』('95.4)
参加ミュージシャン;4ノン・ブロンズ、
フーティ&ザ・ブロウフィッシュ、
シェリル・クロウ、クラッカー、
ストーン・テンプル・パイロッツ、ビッグ・
ヘッド・トッド・アンド・ザ・モンスターズ、
デュラン・デュラン、ブラインド・メロン、
ヘルメット・ウィズ・デヴィッド・ヨウ、
ロリンズ・バンド、ネヴァー・ザ・ブライド、
ロバート・プラント&トーリ・エイモス
定価\2427→中古\800
完コピばかり。やはりギタリストはジミー
のマネをしたがるからだろう。偉大なり。
03/01札幌
ギャラリー
どらーる
個展『柿崎 煕 展』  立体・抽象
20歳代まで油絵をしていた作家が、木の
抽象彫刻に向かった理由は何だろう。
作者の大志は空振りで、残念ながら私には
届かない。森を飛ぶ羽を持った種子の抽象
なのでそれを森に置いて写真を撮ると良い。
03/01札幌
シアター
キノ
映画『ヴァイブレータ』 映画の日割引\1000
監督;廣木隆一 原作;赤坂真理
主演の寺島の良さを長回しで引き出した。
02/15札幌
文教堂
書店
辻邦生『西行花伝』(1995.4.30 新潮社)
装画;柄澤齊
初版 定価\3500→古本\1200
真のインテリ文学。ついていけるか?
03/07旭川
北海道立
旭川
美術館
特別所蔵品展『― 詩想のかたち ―
現代木彫との対話』\300 神山明、岡沼淳一
植木茂、三沢厚彦、戸谷成雄、砂澤ビッキ
ビッキが突然変異ではないことが分る。
02/22滝川
ダイエー
滝川店
安原顯『ジャンル別文庫本ベスト1000』
学研M文庫 (2000.9.13 学習研究社)
筆者;堀江敏幸、野崎歓、井家上隆幸
内藤誠、高橋英夫、池上冬樹、
保前信英、風間賢二、奥野健男、
上野昂志、粟津則雄、湯浅博雄、
鎌田東二、妙木浩之、岡田敦子、
鈴木布美子、大月隆寛、紀田順一郎、
石堂淑朗、辻邦生、安原顯
初版 定価\860→新刊特価品\200
なんと、ダイエーのオモチャ売り場の
投売りのワゴンの中に売ってあった。
売れないのかなぁ。内容はスゴイのに。
03/18滝川
Book
Big
Box
滝川店
Steve Winwood / スティーヴ・ウィンウッド
『Refugees of the heart /
リフュジーズ・オブ・ザ・ハート』
(90.11.21 Virgin)定価\2427→中古\610
タイトルは「心の難民」という意味。キザ
すぎる題だが、ウィンウッドが使うと全く
疑問を感じない。こんな男はあと、ヴァン・
モリソンぐらいだろう。ブラインド・フェイス
の方角からの耳ではつまらなく聴こえる音
だが、ポール・ウェラーの最近の仕事を
聴き込んだ耳には、とてつもなくカッコよく
聴こえる。「アナザー・ディール・ゴウズ・
ダウン」のハモンド・オルガンが真骨頂だ。
所蔵品展『北の版画家たち』 \100
・木版画
阿部貞夫「峠」1966、北岡文雄、伊藤一雄
自動的に抽象化される木版画の運命。
・銅版画
渡会純价「乾杯」'76、木原康行、上野憲男
数学的な生理不快がくすぐられる快感。
・リトグラフ
遠藤亨「Space & Space」、東谷武美「日蝕」
小粒なエッシャー風の遠藤よりも、東谷。
・シルクスクリーン
末武英一、百瀬壽、矢柳剛、根守悦夫
矢柳はルオーより片岡球子の影響かな?
安原顯『ジャンル別映画ベスト1000』
学研M文庫 (2001.12.15 学習研究社)
筆者;中条省平、野崎歓、東雅夫、
蓮實重彦、橋本光恵、千葉文夫、
藤崎康、加藤幹郎、吉村和明、内藤誠
野村正人、保前信英、風間賢二、
上野昂志、北中正和、山根貞男、
筒井武文、松本俊夫、鈴木布美子、
石堂淑朗、安原顯
初版 定価\960→新刊特価品\200
これも上記と同じでワゴン投売り品。
それにしても、この人が何を選ぶか、
それだけで知的なゲーム&情報だ。
03/31
Book
one
der
岩見沢
木村充揮『ポー』(1994.7.6 東芝EMI)
1stソロ・アルバム定価\2913→中古\480
宮原透(p),長岡忠治&藤原カオル(a.g)
満を持してのソロ・アルバムなのだろう。
が、コレでいいのか?バブルの残り香で、
余裕でオシャレに作りすぎたんじゃない?
いつまでも「おそうじオバチャン」でもない
だろうが、バックの演奏だけを聴くと魅力
の無い歌謡曲。って考えると、優歌団って
やっぱスゴかったんだね〜とも思うが、
同時に木村のソロ・アルバムを聴きたい
ヤツラもゴチャマンといる。ボーカリストの
凄みはこれからなのだ。長生きしてくれ!
03/13札幌
札幌市民
ギャラリー
展覧会『平成15年度 札幌美術展
札幌の美術2004 20人の試み展』割引\500
・藤本和彦「隠れ里」;インスタレーション
観客が素材とどう関わっているかが価値。
・三上雅倫「梟神」;木工ボンド、墨、画仙紙
書はクールだが作家性に限界はないか?
・辻井京雲「誰だ花園を荒らす者は」;墨液
雨竜町生れ。ヒッピーの匂い。足跡は×。
・楢原武正「大地/開墾2004-3」;廃材、クギ
見る度に魅力が減ってゆく。それってダメ?
佐々木徹「対話する0と1」;自転車、日捲り
サイケ。あざとさがカッコイイ。色のリズム。
・杉田光江「Seeds」;ガマ(植物)、のり
自然物を使った抽象という前提のみの作。
・川上加奈「絵本の原点」;漆、箔、岩絵具
1980年生れの作家が既に到達している。
・野又圭司「サナトリウム あるいは神の寝床
豪介「砂は子供は創造、大人には砂漠」
・小林麻美「room」「circus garden」;油彩
技術よりアイディアなのだろうが魅力的。
・加藤祐子「幟竜」「水中花」;CM用幟、糸
悪い意味で整理されていない。勉強を。
江川博地と図」;油彩
リズムが私に合わない。再考して欲しい。
・樋口雅山房「象形文字人間像」;書、油煙
アイディアは分るが、突き抜けていない。
・新明史子「おもひだしたこともないことを」
忘れていたことが夢に出てきたのを念写?
・武田享恵「視覚と意識の交差」;アルミ
気持ちは分るが。展示方法を工夫せよ。
・吉田三枝子「この廣い野原いっぱい」;書
ひらがなとは、優しい女文字である証明。
・斎藤周、阿部和加子、酒井広司、古幡靖
03/04深川
ブック
バーゲン
深川店
池澤夏樹『花を運ぶ妹』
(2000.4.20 文藝春秋)
装画;ウウト・バンバン・スゲン『共寝』
装幀;大久保明子
初版 定価\1762→古本\500
新芥川賞少女作家2作を読んだ後で
こーゆーのを読むと文学の「再発見」。
EGO-WRAPPIN'『Night Food』('02.7.5)
定価\2800→中古\480
Yoshie Nakano(vo), Masaki Mori(g)
中古市場では1700円超えで人気と、
レア具合が維持されていたアルバムだが
偶然480円で売られているのを観て即買!
手法はよくあるパターン。ブラスバンド部?
03/07旭川
ダイソー
旭川ルミネ
東光店
本『ダイソーCDで学ぶ会話シリーズ14
トラベル中国語会話』(2004 大創出版)
監修;瀬戸信保、高村和史 定価\100
学習雑誌の付録みたいに編集上手。
04/10札幌
セコンズ
平岸店
Emerson Lake & Palmer『Pictures at an
Exhibition / 展覧会の絵』(1972)
定価\1875→中古\800
キース・エマーソン、イッちゃってます。
CD『ダイソーCDで学ぶ会話シリーズ29
トラベル中国語会話』(大創産業)\100
なんと、Made in China(笑)。
Haircut one hundred / ヘアカット100
『Pelican west/ペリカン・ウェスト』(1982.2)
定価\2060→中古\1000
Nick Heyward(vo, g, 全曲作詞&作曲)
やばい。私のモロ「青春」のアルバム。
当時汚い古着で風呂も3ヶ月入らない私
はこのオッシャレーな音楽は苦手だった。
フリッパーズ・ギターを通し、再発見した。
03/13野幌
Book
Market
野幌店
高野悦子『エキプ・ド・シネマ Part2』
(1994.4.13 講談社) デザイン;平良徹
初版 定価\1942→古本\50
単館ブームも小さい時からコツコツと。
興業という愛の表現の仕方もあるんだ。
福田和也『贅沢入門』 (2002.1.23 PHP)
初版 定価\1250→古本\500
「この本を私は、出版したくなかった」
と著者も言うWebならではの正直な本。
正直とは含羞。贅沢とは、元祖オタク?
福田の文を読む時にいつも感じるのは、
「悪意」のこと。それを、「毒」と言い切る
には私はまだ抵抗がある。それならば、
それを「緊張の捻出」と言い換えようか。
私と同じ世代で、セックス・ピストルズの
影響も受けている「右翼」文藝評論家と
いうスタンスそのものが「緊張」の演出。
佐野元春 with The Heartland
『TIME OUT !』(1990.11.9 EPIC SONY)
定価\2800→中古\500
白髪でチビの佐野元春が、デビューの
1980年当時と変わらないイノセンスな笑
顔でテレビ・コマーシャルに出ている。時
は残酷に老化を隠さない。かつては沢田
研二のLPに曲を書いていたが、いつの間
にか彼のLPの方が売れているんだろう。
デビュー・シングルを2枚買った私だが、
その後、買う気がしなかった。改めて今、
聴くとなんだか恥かしい言葉が多いのよ。
03/13札幌
シネマ11
映画『ホテルビーナス 』 深夜割引\1200
監督:タカハタ秀太 脚本:麻生哲朗
出演:
0号室チョナン:草g剛
1号室ワイフ:中谷美紀
2号室ガイ:パク・ジョンウ
2号室サイ:コ・ドヒ
3号室ソーダ:チョ・ウンジ
4号室ボウイ:イ・ジュンギ
1号室ドクター:香川照之
オーナー・ビーナス:市村正親
丁寧な編集が凡庸な物語を高揚させた。
田辺寿夫、根本敬『ビルマ軍事政権と
アウンサンスーチー』(3.5.10角川書店)
初版 定価\800→古本\300
今、日本でミャンマーを語るのに最も
ふさわしい二人による「ビルマ民主化」。
アウンサンスーチーの情報しか入らない
日本では必要で貴重な意義有る文献。
せっかくだから、もっとこなれた文章で
書いて欲しかった。ちょっと悪文かもね。
04/16札幌
レコーズ&
レコーズ
南2条店
Bob Dylan & The Band
『The basement tapes/地下室』
(録音1967.6〜10、発表1975、CD1992)
Bob Dylan(vo,acoustic guitar,piano)
Robbie Robertson(a & electric guitar,ds)
Richard Manuel(p,ds,harmonica,vo)
Rick Danko(b,mandolin,vo)
Garth Hudson(organ,clavinette,sax,p)
Levon Helm(ds,b,mandolin,vo)
定価\3000→中古\1980
苦節12年、中古CDの出回りを待った。
ディランCDの中でも出回りが少ない1枚。
むしろ、マニアしか買わず、買ったら手放
さない作品。確かにその価値あり。150曲
をこっそり録音していた憑きものの凄さだ。
映画『レジェンドオブ・メキシコ デスペラード
ONCE UPON A TIME IN MEXICO』 \0
監督:ロバート・ロドリゲス
出演:エヴァ・メンデスサルマ・ハエック
アントニオ・バンデラス、ジョニー・デップ
笑える。マルクス兄弟の21世紀版かよ?
フリークス役者デップも、過剰に本領発揮。
タランティーノの匂いがすると思うと、やはり、
スペシャル・サンクスの筆頭に彼の名(笑)。
吉村萬壱『ハリガネムシ』
(2003.8.30 文藝春秋) 装画;中村隆
初版 定価\1143→古本\500
カフカが広げた「純文学」の領域。
作者は低俗なふりをしているが、実は
名文家かも。比喩が時々凡庸になるが。
03/14札幌
シアター
キノ
映画『美しい夏キリシマ』 ポイントカード\0
監督;黒木和雄
出演;柄本佑/原田芳雄/小田エリカ
(2002/日本)
戦闘や原爆のシーンを挿入せず観客の
想像力をかきたてる。逆の『スパイ・ゾルゲ』。
03/18滝川
Book
Big
Box
滝川店
チャールズ・ブコウスキー 訳;青野聰
『町でいちばんの美女』(94.3.20 新潮)
初版 定価\2524→古本\1200
ブコウスキーが好きな私だが、何故か
この代表作は未読だった。訳に疑問。
King Crimson『Islandsアイランズ』(71.12)
Robert Fripp(g,mellotron,Peter's Pedal)
Mel Collins(flute,bass flute,saxes,vocals)
Boz/ボズ・バレル(b,vo,choreography)
Ian Wallace/イアン・ウォーレス(ds,per,vo)
Peter Sinfield(words,sounds and visions)
定価\2273→中古\700
改めて聴いたが傑作。中古価格が安い
のは、最後の曲の後にリハーサルのノイズ
2分が入っていない盤だから。セコイなぁ。
03/14札幌
さいとう
ギャラリー
展覧会『佐久間敏夫 花の日本画展』
佐久間貞吉は叔父。技術は途中でも目を
持っている。「鬼けし」(10号)や額装も良い。
03/14札幌
エルエテ
展覧会『ミャンマー水彩画展 展』
情報遮断とはストイックということなのか?
星野智幸『目覚めよと人魚は歌う』
(2000.5.30 新潮社)初版 \1300→\740
ナルシストが文学者の条件?最初の
数ページは読みにくい文体で苦労する
が、そこを超えると麻薬的魅力に到達。
03/25沼田
沼田
町民会館
映画『半落ち』 沼田町芸術文化鑑賞\500
監督;佐々部清 原作;横山秀夫
撮影;長沼六男(『たそがれ清近衛』『学校』)
出演;寺尾聡、柴田恭兵、伊原剛志
群集劇をスムーズに見せた、監督の芸。
03/31
Book
one
der
岩見沢
Boris Vian/ボリス・ヴィアン訳;浜本正文
『サン=ジェルマン=デ=プレ入門』初版
校訂;ノエル・アルノー
図版蒐集;オットー・デー
('95.11.25 リブロポート)\3200→\200
この古本価格はいかがなものか(笑)?
美麗本で、解散した出版社なのに、ネ。
でもそれが岩見沢の文化レベルなの?
買った私はメチャ嬉しいケドね。それと、
この装丁と編集センスは疑問だけど、元
本がこーなのかなぁ?でも、索引を見る
だけでワク&ワクするフレンチ狂の本。
Richie Havens / リッチー・ヘヴンス
『cut to the chase』(1994.8 Rhino)
Richie Havens(vo,acoustic guitar,sitar)
Billy Perry(acoustic & electric guitar)
Louis Small/ルイス・スモール(key)
Jimmy Mack/ジミー・マック(b)
Ed Barretini/エド・バレティニィ(ds)
定価\2400→中古\980
あのウッドストックの伝説の男が現役で
活動しているだけで感動的だが、まったく
衰えていない声とスピード感覚に聴く者も
身を正してしまう。訳詩が無いのは怠慢。
03/31札幌
Sapporo
Cinema
Frontier
映画『ドッグヴィル』
監督・脚本;ラース・フォン・トリアー
終曲;デヴィッド・ボウイ「ヤング・アメリカン」
出演;ニコール・キッドマン,ポール・ベタニー
監督の準備したテーマはアメリカだろう。
劇中で唯一の意味を持つ「独立記念日」と、
観客に解放感を与えるエンディングで分る。
しかし、準備されたテーマと受ける意味は、
違う。いつまでも語られるであろうカルト映画
の誕生に立ち会えたコトを幸運と思うべきか?
キャサリン・ゼタジョーンズが「ニコールにだけ
良い仕事を回す」と怒って移籍したぐらい。
04/05札幌
ギャラリー
どらーる
並木博夫『The Sculptures of YASUDA
Kan at the Hokkaido Museum of
Modern Art 2004 calendae』 もらった
写真家の並木が2003年の安田侃の
展覧会を撮影。カレンダーなので壁に
かけて置く時間は限られている。そこが
石の作品の永遠性とは真逆で面白い。
改めて並木の作品と化した安田の作品
を見ると、いかに安田の作品が環境に
対して素直であるかが分る。たとえば、
並木がこだわるのは美術館の床に反射
した安田作品の像だ。窓の外の庭を
反射させた写真に鋭敏な視線がある。
David Bowie『'hours...'』(99.9.29 Virgin)
David Bowie(vo,key,12string a g,drum p)
Reeves Gabrels(e&a g,drum loops,synth)
Mark Plati(b,a&e 12string g,mellotron)
Mike Levesque(ds)
Sterling Campbell(ds)
Chris Haskett(Rhythm g)
Everett Bradley(per)
Holly Palmer(backing vo)
定価\2548→中古\980
忌まわしい曲「マイ・レヴォリューション」
以来のJ-popの悪例のようにロックが希望
を歌うのは大変なコト。ボウイは挑戦する。
04/05札幌
ギャラリー
どらーる
個展『高橋 三加子 展』
卵形の顔を持つ図形化された人物画。
抽象から数歩手前の優しい緊張感が、
心地よい。色使いにも長期の実験の成果が
現れた美しさがあり、形と色こそが絵画の
快楽の原点である事を思い出させてくれる。
あえて弱点を言えば人物の足。卵形の持つ
球形の快楽は人物の丸みを演出したバレエ
のようなポーズや、人生で一番美しい丸みを
持つ「少年」への偏愛で確認できるが、足は
直線である宿命があり、画家はまだ足を快楽
を持つ形状にしきれていない。しかし課題を
持つ同時代作家であるからこそ次回も期待。
図録『あるサラリーマン・コレクションの
軌跡〜戦後日本美術の場所』 もらった
2003年から翌年にかけて巡回された
展覧会の図録だが、決定的な特徴は、
個人のコレクションであることと、本人が
名を名乗らずに微妙な位置の謙虚(?)
さを持って美術界に立ち向かっている点
だ。しかし、挑戦的な姿勢は明らかで、
この図録に作品と共に書かれた作品へ
の彼のコメントは身銭を切った居合抜き
のような真剣さが有る。無視できない。
05/08札幌
レコーズ&
レコーズ
琴似店
The Rolling Stones /
ローリング・ストーンズ
『Between the buttons /
ビトゥイーン・ザ・バトンズ(アメリカ版)』
(1967.1 London)定価\2200→中古\980
ストーンズのコンサートに並ぶ若者の列
に機動隊が催涙弾を打ち込んだり、日替
わりで各メンバーが交互にドラッグで逮捕
されたり、イスラエルとエジプトが6日間の
戦争をしたサイケな1967年。ビートルズや
ビーチボーイズがどんどん器用になって
ゆき、ボブ・ディランの登場が知的な過激
さを魅力的なものに見せてゆく。ブルース
のコピー・バンドが、まだまだアイドル色も
たっぷり残しながらも来るべきストーンズの
個性確立前夜に、忙しいツアーの合間に
造り上げたアルバムが、これ。ブライアン・
ジョーンズの居場所がどんどん無くなって
ゆく記録でもある。過渡期の魅力がある。
04/10札幌
札幌市
資料館
ギャラリー
展覧会『第8回 一虹会展』 出展16人
本人は真剣だがヘタクソ加減が面白い。
展覧会『第3回 つれづれの会展』 出展11人
油絵に短歌を組み合わせた意欲的な会。
ただし、絵は上手とはいえない。字は上手。
展覧会『老人いきがいセンター 福祉館』
仕事からリタイアした老人には時間がある
からか、じっくりと筆運びの回数の多い油絵
ばかり。しかし老人に残された時間は少ない
はずだ。逆説的に豊かな時間の利用法だ。
04/10札幌
古本市場
伏見店
小池真理子『蜜月』初版('98.9.20新潮)
装画;杉内俊哉「WAVE」
定価\1400→古本\500
佐藤潤子画伯から「読んだら久保クン
を思い出した」とメールが来たので買う。
しかし、どこをどー読んだら私なのか?
その意味も含めての「心理サスペンス」
小説なの(笑)?60-70年代が楽しめる。
04/10札幌
個展『赤穴 宏 作品集記念展』
生きている伝説の個展。前衛的な画風を
何度も変えて変遷してきた近作は、フツーの
静物画。それを観た前回は面白みを感じる
ことができなかったが、今回は前回より大きい
作品が多かったためか、抽象的な背景や、
写実な花瓶に刺さる抽象的にボヤケル植物
などを見ることができ楽しめた。
04/18旭川
Book
Big
Box
永山店
企画&編集;GAZETTE4(鈴木惣一郎、
小林深雪、茂木隆行、小柳帝)
『Mondo Music 2/モンド・ミュージック2』
初版(1996.6.1 株式会社リブロポート)
撮影;首藤幹夫、製作;丹治史彦
登場;レス・バクスター、V・ヴェール、
太田幸雄、村井邦彦、三保敬太郎、
山下毅雄、ヴァン・ダイク・パークス、
ジョン・サイモン、長門芳郎、緒川たまき
嶺川貴子、片岡知子、蓮実重臣、
ファン・ガルシア・エスキベル、ほか
定価\2575→古本\1200
モンド本の、しかも2巻目。ユルさ薄さ
の到達点(笑)。が,聴きたくなる悪魔本。
Bee Gees /ビー・ジーズ
『1st/ファースト』(1967.7 Polydor)
Robin Gibb / ロビン・ギブ(vo)
Maurice Gibb / モーリス・ギブ(vo)
Barry Gibb / バリー・ギブ(vo)
Vince Melouney / ヴィンス・メロニー(g)
Colin Petersen / コリン・ピーターセン(ds)
定価\2000→中古\1380
これまた1967年の記録(=レコード)。
ジャケットデザインをしたのがビートルズの
LP『リボルバー』と同じクラウス・ヴァマンで
あると知るだけで、一気に当時の気分に
ひたってしまう(笑)。当時、ザ・タイガース
の映画に出演したり、彼らに曲を書いたり
していたが、本人達に記憶は無い(笑)。
私はその後のディスコ路線より好きなLP。
04/10札幌
シネマ11
映画『イン・ザ・カット』
監督&脚本;ジェーン・カンピオン
出演;メグ・ライアン、マーク・ラファロ
私は期待していたんだよ〜。でも、がくっ。
清純派ラブ・コメの女王がハードなセックス・
シーンと乳頭を見せたダケの映画だよコレ。
挿入されるスケートのシーンも見掛け倒し。
映画『Intolerable cruelty/ディボースショウ』
監督;ジョエル・コーエン『ファーゴ』
出演;ジョージ・クルーニー
キャサリン・ゼタ=ジョーンズ
1年に映画を1本しか観ない人には楽しめ
るだろーが、こちとら映画観客のプロ(?)。
この程度のドンデン返しじゃあ眠くもなるわ。
04/29旭川
本 DE
MART
『20世紀の文学 世界文学全集19
ジェームス・ボールドウィン
(James Baldwin、1924-87) 訳;野崎孝
「Another countryもう一つの国」(62年)
フィリップ・ロス  訳;佐伯彰一
「Goodbye, Columbus /
さようならコロンバス」
解説;野間宏
「J・ボールドウィンと『もう一つの国』」』
初版(1965.7.28 集英社)
定価\520(予約特価\480)→古本\105
ジュネとブラック・パワー文学★ジュネの奥にいる黒人は、ジェームズ・ボールドウィン(James Baldwin、1924-87)。
1980年前後に「青春」を過ごした私に
とっては、集英社の全集『ラテンアメリカ
の文学』には、興奮させられたものだ。
そこで初めて日本に紹介される小説や
篠田一士の訳や解説はかなりスリリング
だった。そんな集英社の社風(?)は、
1960年代にも発揮されており、『20世紀
の文学』全集は当時の文学青年を興奮
させていたと想像するのは容易い。この
1冊も正にソレ。今では100円均一だし、
誰も見向きもしないだろうが、当時はまだ
3作目を書いたばかりのボールドウィンと
30歳代のロスは超センセーショナルだ。
しかも黒人とユダヤ人!文学爆弾だ!
04/16札幌
札幌
時計台
ギャラリー
個展『村上豊 油絵個展』 余市町在住
貼り絵的画法。「舞」の顔のブレも面白い。
Robert Fripp & The League of Crafty
Guitarists / ロバート・フィリップ・アンド・
ザ・リーグ・オブ・クラフティ・ギタリスツ
『Show of Hands / ショウ・オブ・ハンズ』
(1991.6.21 Virgin Japan, Editions EG)
定価\2800→中古\1080
全19曲中フィリップの曲は2曲のみだが
彼の思想と手癖(?)が生徒を洗脳した。
個展『塚崎聖子 個展』 札幌市白石区在住
凡庸な素材が多いが技術取得後に期待。
サークル展『第3回 陽の会展』 13人参加
桑島アヤ子「花T」が偶然の面白さ得た。
サークル展『ブランの会展』 女性8人参加
中村みどり「ひとつぶの麦」の緑が快楽。
サークル展『金の眼展』 女性16人参加
高木三千子「スィートピ1」の抽象が良い。
05/09札幌
レコーズ&
レコーズ
南2条店
PANTA

Live
at
Nissin
Power
Station

定価\3150
中古\1980
『NAKED
25 February, 1993』
(1993 Flying publishers)
私が1984年にPANTA
のライブを見に新宿ロフト
に行った時、ドラマーの
急病で急遽ギター1本の
ライブになった時のことを
思い出した。
04/16札幌
シネマ11
映画『out of time / タイムリミット』
監督;カール・フランクリン『青いドレスの女』
出演;デンゼル・ワシントン、エヴァ・メンデス
サナ・レイサン
地味な映画だが、大人の優れた娯楽作に
なっている。原題はローリング・ストーンズの
曲をカリプソ風にアレンジしたカバーから。
よく考えれば大空想映画だが、騙されたフリ
をして楽しめば豪華B級映画。エヴァもいい。
『NAKED U
5 May, 1998』
(1998 Flying publishers)
「まるでランボー」が、
ブリジット・フォンテーヌ
の曲とは知らなかった。
そんな種明かしと、ロック
歌手の老後の方法論。
それにしても、いい曲を
たくさん書いてきたことに
改めて気がつく。そんな
彼でもインディーズかよ。
04/18旭川
北海道立
旭川
美術館
展覧会『日本近代洋画への道
山岡孫吉(1888-1962)コレクション中心に』
出展作家;司馬江漢、高橋由一、山本芳翠
チャールズ・ワーグマン、浅井忠、黒田清輝
五姓田義松、徳川慶喜、藤島武二、青木繁
ラグーザ玉、岡田三郎助、和田英作、ほか
ため息の出る175点。額縁も含めて、日本
洋画の黎明期に立ち会えた鳥肌が立つ。先
に図録『あるサラリーマン・コレクションの軌跡
〜戦後日本美術の場所』に眼を通していた
お陰で、コレクターの真摯な社会的役割を
感じれらた。清輝の小品の良さも発見した。
05/08札幌
GEO
札幌
川沿店
辻原登『村の名前』
初版 (1990.8.25 文藝春秋)
装幀;野田弘志 デザイン;坂田政則
定価\1100→古本\100
歴代芥川賞作品の中でも地味な題。
しかし、この題でなければならないかの
ように物語は中国という巨大な迷路へ。
05/31沼田
キミヤ書店
★ノヴェンヴァー・ステップス小学館『武満徹 全集』全D巻
最終配本
第5巻 「うた、テープ音楽、舞台・ラジオ・
TV作品、補遺」 CD14枚 新刊\29400
@「さようなら」「ワルツ」「MI・YO・TA」他
A「ルリエフ・スタティク」「木・空・鳥」他
B「波長」「ミネアポリスの庭」「静寂の海」
C「野生の女」「狼生きろ豚は死ね」他
D「カラマゾフの兄弟」「子午線の祀り」他
E「海の幻想」「Kの死」「秋の蝶」他
F「瘋癲老人日記」「上海幻影路」他
G「ムックリを吹く女」「源氏物語」「剣」他
H「遠野物語をゆく-柳田國男の風景」他
I「赤穂浪士」「血族」「夢千代日記」他
J「波の盆」「21世紀は警告する」他
K「シルクロード-光と風と音」他
L「NHKバック音楽」
M「L.A., New York,Paris,Rome,Helsinki」

書籍1冊 456ページ
・バリー・ギフォード詩「For Toru」
 訳:谷川俊太郎、武満眞樹
・小野光子「武満徹 年表」
・谷川俊太郎 インタビュー「河毛俊作」
・エッセイ 吉田直哉、岸田今日子、
 坂上弘、林光、堂本尚郎、小室等、
 宇佐美圭司、ヒューエル・タークイ、
 ディヴィット・ラクシン、渡辺貞夫、
 オーレル・ニコレ
・インタビュー 岩城宏之、奥山重之助、
 観世栄夫、粟津潔、紀国憲一
・概説:高橋悠治「武満徹の「うた」」
書籍に武満がケン玉をしている写真が
掲載されている。玉を真下に吊るして、
これから一番難関な突起に入れようと
慎重な顔をしている。顔がまるで作曲中の
ように真剣で神経を張っているので、少し
ユーモラスですらある。ここに彼の大衆性
を発見することもできるが、なによりもこの
ケン玉そのものが楽器に見えてしまう点に
彼ならではの凄みがある。この最終巻は、
それまでの4巻にジャンル分けできなかっ
た作品が収録されているので、ジャンクな
印象もあるが、それが彼の懐と幅の広さを
かえって現す役割を果たしている。中でも
感動的なのは1996年2月の彼の葬儀の
折に黛敏郎が弔辞の終わりに繰り返し口
ずさんだメロディーに谷川俊太郎が詞を
つけて曲にした「MI・YO・TA」。この曲は
1950年代に武満が映画用に作曲したが
使用されなかったのを黛が記憶していた
ことによって記録されたのだ。詞はダサイ!
他にテープ音楽などは、ザ・ビートルズの
「レボリューションNo.9」やレノンとヨーコの
実験音楽を聴いていた私にとって創始者
としての重みと、作品のカッコヨサに改め
て驚きとリスペクトを感じさせられた。
展覧会『新収蔵品展』 解説;新明英仁課長
出展作家;因藤壽、木原康行、山口信太郎
偶然、学芸員の解説時間であったので聞
いてみた。技法や経歴などの説明ばかりで、
作品自体は語らなかった。後は自分で感じ
なさいとゆーコトか?因藤に戦争のトラウマ
が大きくあることを知り私の観方が変わった。
文;池澤夏樹 写真;本橋成一
『イラクの小さな橋を渡って』
初版 (2003.1.25 光文社)
アートディレクション;白石良一
定価\1000→古本\500
「言いたいことが言えて、行きたいとこ
ろに行ける。それを制度によって保障
するのが国というものの第一の役割で
ある。」と書いてある。書かれた時点では
2004年にイラクで人質になった日本人
の「自己責任」論を考えているワケでは
ないのだが、どーしても連想してしまう。
つまりそれが思想の普遍性ということか。
出版されたのがイラク戦争の開始直前
だが、それでも著者は「まだ戦争は回避
できるとぼくは思っている。」と書く。
05/01札幌
北海道立
近代
美術館
札幌市
中央区
北1条
西17丁目
展覧会『近代日本画にみる女性たち』\1250
明治から昭和までに描かれた、広範囲の
画家の変遷を着物女性モデル画で集めた。
普通なら私の趣味ではないが、面白かった。
昭和初期までは着物を着た女性は日常的に
見ることができたが、高度成長期以降はレア
な存在となる。例えば私の生れた1962年の
伊東深水『ささやき』になると着物の女性は、
芸能の世界のみになる。それでも1916年の
寺島紫明『夕月』には世紀末ウィーンの香り
がして世界との同時代性を感じさせてくれる
スリリングな見方も発見させられた。そもそも
着物そのものが芸術作品である。それを描く
のは擬似模写でもあるのかもしれない。でも
この展覧会は着物女性に魅せられた画家が
現在に至るまでかくも大勢いることを証明した
のだ。大量の同じ素材の作品群を見て私は
着物のシワが作り出すストロークの面白さに
気がついた。そもそも画家の初期衝動とは、
筆が伸びる時に生れるストロークの快楽だと
私は思う。着物とは、繊細かつストイックかつ
ソフィストケイトされた、「芸術作品」であろう。
それをヌードの女がまとった時に布が肉体の
ストロークされた線を消すと同時に消された
はずの肉体の線が、着物のシワや布の曲線
によって「再生産」された奇蹟こそが、着物を
着た女性なのだ、と私は思う。ここで思索の
補助線として「画家は、着物を描きたかった」
のか「女を描きたかったのか」と自問しながら
会場をもう一度回ってみる。ああそうか。着物
が作るストロークは女の無意識である。「女の
無意識」こそ男の惹かれるものだよな(笑)。
画家は悔しいので女には告白はしないが、
「女の無意識」にヒレフして着物画を何度も
描いてきたのだろう。そして展覧会の最後に
私たちが見せられるは現在は世界的に高名
な舞台美術家の朝倉摂の1955年の美人画
だ。もうここには、着物や女が産む無意識の
ストロークは無い。ただあるのは朝倉摂自身
の自意識のストロークである。女はモチーフ
から作者へとキャンバスを回転させたのだ。
05/09札幌
Book
off
札幌
南1条店
伊藤進『創造力をみがくヒント』
初版('98.6.20 講談社現代新書)
カバー・イラスト;伊藤正道
定価\693→古本\250
9日前の5月1日、ギャラリーどらーる
のオープニング・パーティで知り合った
方の著作を古本屋で発見。著者は、
北海道教育大学の心理学の教授で、
専門はコミュニケーション論。なるほど、
本の内容もさることながら読者に対して
理解してもらおうという積極的な意志を
感じさせてくれる文体と文脈。この話法
こそが、「創造力をみがくヒント」かも。
文;江國香織 絵;宇野亜喜良
『あかるい箱』
初版 (2002.10.17 マガジンハウス)
装丁;宇野亜喜良
定価\1200→古本\600
申し訳ないが江國香織の本など買い
たいとは思わないが、宇野亜喜良の本
なら手に入れたい。物語は「待っている
人」のファンタジー。上手に準備された
小道具が全体に意味を持つように構築
されている。話の筋が分った後で、読み
返すほうが面白くなる。これも技術か。
06/13札幌
古書
ザリガニヤ
古雑誌『ユリイカ』1969年7月号Vol.1-1
創刊号(復刊第1号) 初版
定価\280→古本\200
吉田健一「ヨオロッパの世紀」
大岡信「断章」
こんな貴重な本が200円でいいの?と
思いつつ買う。「詩と批評」の雑誌である
がその実態は復刊の志と同様に巨大な
器である。重要なのは意思の譲渡だ。
展覧会『小川マリの世界』 62点出品
20世紀が始まった1901年に生まれ現在も
車椅子に乗って活動している北海道画壇の
”生き証人”の大掛かりな回顧展だ。敗戦の
年に行われた彼女の結婚式に友人画家が
大勢集ったのが全道展設立の契機となった
り、今の北海道の画壇の最長老の80歳代の
画家たちが彼女の弟子や影響下にあること
などを考えても、恐るべし102歳の老婆だ。
全部を見終わると、5年刻みで変遷してゆく
画風の変化が誰にでも分るように、時系列に
展示されている。なんてったって1世紀分。
2階へ行く螺旋階段から展示室全体を見下
ろすと、そこには20世紀の無意識の変遷の
年表が壁にグラデーションを作っているかの
ようだ。初期の絵として1930〜2年頃の油彩
『女子大風景』がまずは目を引く。「初期」と
言ったって歳は、三岸好太郎やモーツアルト
にしてみれば「晩年」である(笑)。恐ろしい。
長生きしたために晩年ではなくて初期の作と
なったコレは「黒」の使い方に非凡な個性を
見せてくれる。この「黒」はビュッフェの勢い、
マネの悪魔的誘惑にすら通じる魅力がある。
それでもしばらくは凡庸な作品が続き、少々
タイクツしかけた私の前に1955年作の『秋』と
『黄色い静物』が時系列ベルトコンベアーの
彼方からゴツンと登場する。特に後者の画面
全体に上品なイラダチ(?)のように覆う黄色
いベール(=影?)は印象的。今展覧会は、
まるで伝記のように構成されていて、時系列
に並んだ絵のポイントに画家が過去に話した
り書いた当時の思い出を短くまとめたパネル
が添えられていてとても親切である。1955年
の作品群にも「1952年の国際美術展を見て
あまりにナチュラルであることに驚いた。それ
までの私は、フォルムの考え方がイージィだ
ったのか、必然的に幾何学的な形態の基本
を描かなければならなかった。」と言う趣旨の
当時の考えが添えられている。つまり『女子
大風景』で使われた、魅力的な「黒」の否定
でもある。1955年の2作品の前で足が止まっ
た私は、しばらくすると先ほど見た朝倉摂の
絵を思い出した。まるで当時のボーボワール
に触発されたかのような女流作家の大胆な
自意識。男の世界では陳腐な「55年体制」
が生れたこの年に、女たちは何を発見して
いたのだろうか?また、摂とマリの間に交流
はあったのだろうか?1960年代に入ってから
大柄な花の絵が続き、少ない知識から私は
三岸節子からの影響を連想したりもする。女
が還暦を越えるとはこーゆーコトか?などと。
しかし大柄な花は大きく膨張し過ぎ、宇宙へ
拡散したかのように1982年『野ばら』が突然
出現する。ここでは「あまりにナチュラル」の
究極の姿であるかのように、もはや輪郭すら
無い。普通の画家であるならば、これが到達
点であっても良かった。しかし、彼女はさらに
長生きする。1988年『むべ小枝』では、細い
筆でキャンバスを叩いて出きる短い偶然の線
が作り出す造型が面白い。叩くことをイラダチ
と感じさせない点が、1930年『女子大風景』
で見せた知的な黒、1955年『黄色い静物』
で見せた「上品なイラダチ」の黄色を思い出
させてくれる。そう。彼女の画歴も当然、連動
しているのだ。黒、黄色と年齢を重ねてきて
彼女が今、到達している色は青だろう。細い
筆で青を叩いていた90歳代を終え、ついに
彼女は叩くことを止める。それを「できなくな
った」と言い換えたくない逞しさが、2001年
『静物』には宿っている。ついに、100歳だ。
ここで彼女は叩かずに、こする。ここで創造
される、ぼやけた青の美しさは年齢を重ねる
ことの美しさを教えてくれる。今展覧会での
最新作、2002年『枯葉』に描かれているのは
死なない枯葉ではないだろうか?こすられて
白に近づく青は、美術史上初めて、枯葉を
希望のメタモルフェーゼとして描き得た画家
を生んだのだ。
上野千鶴子『セクシィ・ギャルの大研究
女の読み方・読まれ方・読ませ方』
初版(1982.10.10光文社カッパブック)
定価\690→古本\500
名作。山口昌男による推薦文が面白
い。「これは処女作だ。いや、処女喪失
作だ。」と、今ならセクハラまがいだが、
当時の時代合った「毒」になっている。
タイトルと表紙(=レオタード姿の女性)が
あまりにもあざといので一見賞味期限の
短い「とんでも本」に見えてしまう。当時、
私もそう感じてあえて手にとらなかったの
だが、やはり優れた名作だ。この貴重な
本を初版で入手できたことに感謝(笑)。
いつもはライン・マーカーを引きまくる私
だが、せっかく美麗本のまま入手できた
ので線も引かずに丁寧に読んだ。22年
前の印象とはまったく違う自分の対応に
驚く(笑)。この著作が、名作になりえた
理由は1.フランク口調の新鮮な文章、
2.図を上手に取り入れた論調と編集、
3.フィールドワークの優れた蒐集分析
であると思う。なるほど、山口昌男手法と
も言えるかもしれない。著者の才能は、
とんでも本に終らず現在まで多くの優れ
た著作を排出している。そのスタートとし
てこの一見、いかがわしい外見と名前を
持つ著作があったのであるから、山口
昌男が喝破したように「処女喪失作」と
言う表現は当たっていたと歴史が証明し
た。そして、著者の分り易い文章の奥に
はかなりこってり気味の「悪意」と「毒」が
あることに気が付かされた時、著者の
したたかな「戦略」に知の最前線の最も
優秀で魅力的なあり方を見るのだ。
07/25札幌
レコーズ&
レコーズ
南2条店
Charles Mingus / チャールズ・ミンガス
『OH YEAH』(録音;'61.11.6 Atlantic)
Jimmy Knepper (tb)
Booker Ervin (ts)
Roland Kirk (ts,fl,siren,manzello,strich)
Charles Mingus (p,vo)
Doug Watkins (b)
Dannie Richmond (ds)
定価\2400→中古\1380
唯我独尊とは、このアルバムのことだ。
ジャズ全盛期に、70年代ロックみたいな
サウンドをブビブバ展開したり、ベーシスト
が本業なのにベースも弾かずにピアノと
歌(!)を担当し、しまいには延々と長い
自分のインタビューも収録しちまう。凄い。
嵐の夜に大きな音で聴いていると、表現
しなくてはならない才能にとり付かれた男
の悪魔のような情熱と、それを形にできる
技術に圧倒された。タイトルはビートルズ
の出現を予言したかのようだ。ジャケットも
ポップ。いつの時代に聴いても新しい音。
The Rolling Stones ローリング・ストーンズ
『Flowers』('67.6 米盤コンピレーション)
定価\2400→中古\1380
イギリス盤とアメリカ盤の曲構成編集が
違っていた最後の時期のアルバム。千曲
も入るi-podっーのが発売される現在では
無駄なコレクション・アイテムなのだが、私
のようなストーンズ・フリークは買ってしまう
やっかいなアルバム。特に今年、映画の
『out of time / タイムリミット』ってのを観た
ので、この曲の入っているこのアルバムが
どーしても欲しくなった。改めて聴くと彼ら
が最もポップであった時代の記録だった。
中上建次『地の果て 至上の時』
初版(1983.4.20 新潮社)
定価\1900→古本\300
渡部直己が「村上春樹の作品はたん
なる『読物』であり、中上建次の小説は
最良の『文学』」と書いていたが、そんな
彼の最後の傑作。もう、20年以上も前の
作品になってしまったが、当時の著者は
まだ36歳。重厚なブルトーザーのような
作風と姿に21歳の私は辟易していたが
実はそれは畏怖であったと確認した。
HUMBLE PIE / ハンブル・パイ
『HUMBLE PIE / 大地と海の歌』(1970)
Steave Marriott(v,g)
Pete Frampton(g,v)
Greg Ridley / グレッグ・リドリー(b,v)
Jerry Shirley / ジェリー・シャーリー(d)
定価\2400→中古\1680
ずっと聴きたかったアルバムなのだが、
やはり古臭さい。「熱い」マリオットが今の
時代には合わないのか?不世出のソウル
シンガーの不幸すぎる人生が浮かぶ。
早川義夫『たましいの場所』
初版(2002.7.30 晶文社)
定価\1700→古本\1000
私の大好きな日本のロック・バンド、
ジャックスの活動期間は1960年代後半
の、わずか3年ほど。私が知った時には
とっくの間に解散していた。作曲と歌を
担当していた早川はその後、川崎市で
本屋のおじさんとなる。が、1990年代に
なって再び歌いだす。彼が音楽活動を
再開してからの時期で、初めての本。
内容は書評も含めて、短いエッセイが
中心だが、何を語っても「何故自分が
再び歌い始めたか」という自己問答に
帰納されてゆく。それは時には、説教
臭くなるほど。しかし、それでも他に替え
ることのできない稀有な存在と才能を
持つ彼の言動が内面から記録されて
いるのだから、読まずにはいられない。
07/30旭川
レコファン
ドクター・フィール・グッド『殺人病棟』
♪ROCK!!テラダヤも、パブにも行けるぜ!シガ・ホワイト、シガレット!
(ライブ録音1975年5月、11月)
Wilko Johnson(g,vo)
Lee Brilleaux(vo, slide g)
Jhon B. Sparks(b)
The Big Figure(ds,b vo)
定価\2560→中古\1680
25年前、世界中のアマチュアバンドは
ローリング・ストーンズがコピーしたロック
のクラッシックをストーンズの倍の速度で
演奏することに快感を感じた。それを先に
やっていた記録がこのアルバムだ。
06/25郵送 同人誌『羚 Rei』
第4巻 第12号 2004年夏季号
2004年6月20日発行 もらった
●エッセイ
松永伍一「漂白論をさ迷う」
●詩
川中子義勝
「ミカル、ダビデのまえに唄う」
●短編小説(読み切り)
澤井繁男「砂漠」(40枚)
●音楽批評・文芸評論
横山英行
「ベートーベン後期弦楽四重奏曲論」
神谷光信
「へりくだりの詩学 田中清光の世界」
澤井繁男
「<いのち>をめぐる断章 安岡章太郎」
橋本安央
「隠喩の論理―高橋和巳再読」
神谷光信
「夢見られた共同体―高橋巌」
●評伝
関口裕昭「パウル・ツェラーン」
●訳詩
神谷光信「星と戈―中国古代詩抄」
澤井繁男「トンマーゾ・カンパネッラ」
●書評
大森正樹「川又一英『イコンの道』」
金子昌夫「澤井繁男『鮮血』」
●追悼
神谷光信「詩人・黒田節子」
発行人の神谷光信が書いた『評伝
鷲巣繁男』を読んだ私が、彼に手紙を
書いてからの付き合いである。今月、
鷲巣繁男が我が町沼田町に住んでいた
時の交流者、山本七郎が死んだ。私は
それをEメールで神谷に伝えたのだが、
その礼も含めてこの同人誌が送られて
来たのであろう。創刊意図は「宗教性・
形而上性」と言うから、かなり偏狭な(?)
印象をもつ人が多いだろうが、読むと、
それなりに「知」への欲望が生々しくあり
スリリングな文章とも出会える。
08/13札幌
X-ONE
南郷7丁目
XTC『Black Sea / ブラック・シー』
ボーナス・トラック3曲(1980.9 Virgin)
アンディ・パートリッジ(vo,g)
コリン・ムールディング(b)
テリー・チェンバース(dr)
バリー・アンドリュース(key)
プロデュース;スティーヴ・リリーホワイト
定価\2300→中古\1080
1980年夏、浪人生だった私は喫茶店
でかかっていたアンディ・パートリッジの
LP『Take Away - The Lure Of Salvage』
を聴いてブッ飛んだ。同年秋に発売され
たのが、このアルバム。アヴァンギャルドの
身の上がありながらポップにこだわる音。
05/01札幌
ギャラリー
どらーる
展覧会『林 亨 展』 オープニング・パーティ
それは「手続き上の」とか「行政上の」とか
ゆー「説明」のインタビューが、テレビに繰り
返したれ流されていた週末だった。またもや
本質の議論は怠惰に放置され、映像として
面白い部分のみが拡大再生産されている。
今回は年金問題だが、これまでもズーッと、
こんなコトの繰り返しだった。年金を未納した
政治屋のイイワケを聞いていて、「無意識の
責任」とゆー言葉が私に浮かんだ。つまり、
無意識は自我の蓄積の子であるので無意識
が生んだアヤマチは、最も罪深いのでは?
林亨の作品は目をつぶった時にまぶたの裏
に見える映像がモチーフかもしれない。それ
は、それまで見ていた風景の「残像」であっ
たり、まぶた裏の血液の「実像」であったり、
夢の記憶の「虚像」であったり、それらが有機
的に融合された化学反応の「映像」であった
りするのかもしれない。それを林は抽象的な
色を何度も重ねた和紙を、わざとシワを作り
ながら板に貼り、シワをこすりながら貼る作業
が重ねた色の下の色をランダムに再生させ、
さらに貼り終えた上に原色をドロッピングする
ことで、重層的な偶然を人工的に演出すると
いう彼なりの方法で「まぶたの裏の世界」を、
密室から野外へと解放してみせる。重要な
のはその化学室的(?)なアイディアの質や
成功を問うのではなくて、作家がオトシマエを
つけようとした「無意識の責任」への量である
と私は思う。それは何も、抽象的な議論では
ない。結果生れた、大量の作品こそが「偶然
の対価」であると思う。私が20年前に作った
「白い夏」とゆー曲の中に「メクラが見る夢を
一度見てみたくて 自分の瞳をつぶしてしま
った♪」とゆー歌詞があるが、林の作品は、
目を開けたまま見る、目を閉じた世界である
のだ。この作品の前で目を閉じることは、目を
開くことになるのかもしれない。そして何度も
まばたきを繰り返しているうちに、そのどちら
の世界にいるのかが、判然としなくなくなる。
その時こそ、無意識が街に解放される時だ。
今回、オープニング・パーティに参加させて
もらって例によってタダ飯タダ酒をむさぼった
私だが、そこで聞かせていただいたスピーチ
には、前芸術の森美術館館長によるポロック
や、吉田豪介氏によるデュシャンとの比較が
語られた。もし、林の作品が「前衛」であると
すれば似た作品を探すのは容易だ。単なる
ギミックを言うのであっても私はデュシャンの
『泉』は見ていて気持ちがいい。たとえオチ
の分っている落語でも何度も笑える「才能」を
持っているのが人間という動物である。林は、
次に金箔を使うことへの興味を私に吐露して
いたが、ここまで重層を重ねている作風が金
に手を出すと下品になってしまう危険もある。
と、言うか私は彼に言われるまで作品に金箔
が使われていないことに気がつかなかった。
もしかしたら、貼られた金箔をはがしたとゆー
作品であると私は見ていたのかもしれない。
描かれたことよりも、はがされた多くを連想
させる作品。それこそが私の言う「無意識の
責任」への量である。そしてそれは作家には
少々残酷だが私が1月に初めて彼の作品を
見た時に思った感想、「このシリーズに飽き
た後の作品が見たい。」にまでもつながって
行く。目を閉じることと強制的に目を閉じさせ
られることの差。たとえばそんな展開が今後
あるのではないかと思いながら、強制的に目
を閉じさせられた「自己責任」の日本人人質
のことを思っていた私は擬似的な目を閉じる
場所としての「暗闇」を思い出した。全ての色
を含んでいる「黒」。それは子供の頃に父親
にしかられて強制的に入れられた「押入れ」
を連想してしまう貧しい脳味噌の私の再発見
なのだが、そこまで考えていたらパーティの
スピーチでギャラリーの坂本社長が「林さん
のお父様はカメラマンでして、先日の個展は
お二人の作品のコラボレーションでした。」と
言い出した。あわてて林画伯に聞くと、父は
釧路の国鉄マンではあったが、カメラ雑誌の
『アサヒカメラ』の年間最優秀賞を受賞される
ほどの腕前だったそうだ。で、子供の頃父が
押入れにこもって写真を現像していたが父の
一番の思い出だそうだ。う〜ん。私のように、
しかられて入ったネガティヴな「押入れ」では
なくて、なんて生産的でゲージュツ的な「押
入れ」なんでしょう!林は少年時代、押入れ
の暗黒を削るかのように、黒の向こうにある色
を、のぞいてみようとしたのではないのか?
そこに父親を慕う彼の優しさがあり、同時に
あれほどの暗黒を連想させる作品なのに、
悪魔性が欠けている秘密をのぞき見したよー
な気もする。そして、それも「無意識の責任」
なのであり、そこから彼は逃げないのである。
パーティの後半は恒例のダラダラ飲み会(笑)
になった。ワイン・グラスを片手に坂本社長と
話をしていると明日からのゴールデンウィーク
に長男が久し振りに東京から帰省するので、
一緒にニセコの温泉に行くのだ、とゆー話を
うかがう。な〜んだ、社長も息子を思い出して
画家の父親の話を「無意識」に出したのか。
Talking Heads / トーキング・ヘッズ
『Remain in Light / リメイン・イン・ライト』
(1980.10 Sire Records Company)
デヴィッド・バーン(vo,g,b,key,percussion)
ジェリー・ハリソン(g,b,key)
ティナ・ウェイマウス(b,key)
クリス・フランツ(ds,key)
エイドリアン・ブリュー(g)
ホセ・ロージー(percussion)
ジョン・ハッスル(trumpets,horn arrange)
ロバート・パーマー(percussion)
プロデュース;ブライアン・イーノ(b,key)
定価\2400→中古\1180
1980年のジョン・コルトレーン『アフリカ
ブラス』(1961年)か?ワン・コード繰り返し
にキャッチーなメロディー。そしてなにより
踊れる。1980年の冬、世界中のディスコ
でメガ・プレイされていた。来日した時の
ロック・ミュージシャンにまったく見えない
デヴィッド・バーンがファッション雑誌『an
an』の表紙になったり。そんなミーハーな
ノリと、今野雄二がチョウチン持ちをして
いたことに反発を感じたサイドから「ロック
植民地主義」と批判もされたっけ。しかし
彼らの他のアルバムは無視してでも、この
アルバムだけは時代の証人としての存在
理由以上のものがある。たとえばイーノが
バーンではなく、ボウイと組んでいたら?
06/27札幌
紀伊国屋
書店
札幌
ロフト店
パンタ+椎野礼仁
『パンタとレイニンの 反戦放浪記』
初版 (2003.9.30 彩流社)
ブックデザイン;山田英春
新刊本\1575
元・赤軍派議長の塩見孝也、右翼の
一水会元代表の鈴木邦男、パンタの3
人がアラブの民族衣装のコスプレ(?)
で並ぶ写真があるだけで、嫌な目眩を
感じる(笑)。しかし、「現場」に行くという
基本的な作業の必要さを問うことすら、
今までのロックには無かったのだから、
自らを自嘲しつつも戦争直前のイラクへ
行った行為自体に意味はある。ただし、
本当の「戦争」は帰国後の創作なのだ。
たま『さんだる』('90.7.10 クラウンレコード)
知久寿焼(vo,g,mandolin,recorder)
柳原幼一郎(vo,accordion,,recorder)
石川浩司(percussion,background vo)
滝本晃司(b,background vo)
定価\3000→中古\666
1990年代は深夜テレビの素人オーデ
ション番組『平成イカすバンド天国』という
飛び道具(?)から始まった。司会の相原
勇がガイジン横綱=曙との結婚が果たせ
なかったかのように(?)、結局、この番組
で生れた「ロック」もインターナショナルに
なりきれなかった。もっとも成功したバンド
が、たまであることがその象徴であると今、
はっきり見えてくる。まがい物こそが本物?
06/29深川
み・らい
演劇パンフレット『謎の変奏曲』\1000
初版(2004.5.21 松竹演劇部)
編集;松竹演劇部 村上具子
原作;エリック=エマニュエル・シュミット
翻訳;高橋啓「音楽と銃声」
演出;宮田慶子「ノルウェーという企み」
音楽;澤田完
「E.エルガーとエニグマ変奏曲」
精神科医・演劇評論家;山登敬之
「スタアとコメディアン」
伊藤洋「フランス的知性とシュミット」
出演;杉浦直樹、沢田研二
二人の俳優をフューチャーしたカラー
写真も多くあるが、編集の照準は原作者
のエリック=エマニュエル・シュミットや、
物語のキーワードの作曲家エルガーに
充てられている。演劇から広がる知の
世界への興味を提示してくれる。
Wilson Phillips / ウィルソン・フィリップス
『Wilson Phillips』(1990 SKB Records)
カーニー・ウィルソン(vo)
ウェンディ・ウィルソン(vo)
チャイナ・フィリップス(vo)
ゲスト;
ジョー・ウォルシュ(g)
ステーヴ・ルカサー(g)
定価\3000→中古\100
産業ポップ。フツーの私なら買わない。
しかし、ビーチ・ボーイズのブライアンの
娘のグループだし、なんてったって100円!
すずめの学校のキャサリンが授業で聴か
せてくれたのが知ったきっかけだが、過去
を知らない若い世代が好んで聴いている
不思議。「つい最近、パープル・ヘイズの
時代はみんな恐れずに夢を見ていた」と
いう歌詞があったりする。音はツマランが。
07/03札幌
古書
ザリガニヤ
鈴木正實『神田日勝 北辺のリアリスト
北海道立近代美術館編
ミュージアム新書[4]』
初版(1984.4.25 北海道新聞社)
定価\780→古本\400
「32歳で夭折した開拓農民画家」と、
書いただけで「物語」が生れてしまう。
そんな物語の自動律から、どこまで遠く
離れたところで批評ができるかが試され
る画家。そのためには基礎資料が必要
なのだが、その作業をしたのがこの本。
08/14札幌
セコンズ
澄川店
大江慎也+ONES『WILL POWER』
(1990.5.25 徳間ジャパン)
大江慎也(vo)
ONES are
Tamotsu Tominaga(g,cho)
Toshiki Sano(g)
Kazuhiko Sakuyama(b)
Kazunori Sasaki(dr)
定価\3000→中古\500
悲惨ナリ、大江慎也!ルースターズの
優れた解散アルバムの直後にこのザマ!
ミニコミ『複雑な関係』第3号 無料
表紙デザイン;サトウ ナオコ
挿絵;中西揚一
特集「日常・非日常」
米田利郎、小磯卓也、山本彩子、
小川直人、暗殺の森鴎外、三宅佳代子
小磯卓也「気になっちゃった歌詞」
森川誠一郎(Z.O.A)「畏怖」
阿部幸弘「伊藤潤二―乱舞する首」
サトウ ナオコ「ナオコの突撃レポート」
初版(2004.7 BAR 十蘭堂)
札幌在住のマイナー嗜好者が寄稿。
09/05札幌
レコーズ&
レコーズ
南2条店
ツイ・ジェン『一無所有/ 俺には何もない』
(1993.11.17 東芝EMI、1987年に中国で
発売された『新長征路上的搖滾』を基に
1989年に香港EMIから発売されたCD。)
定価\2500→中古\500
私より、1歳年上。北京に初めてロック・
バンドが生れたのは1985年らしい。忘れ
てはいけない天安門事件が1989年6月で
あるから、このアルバムはツイが希望しなく
ても歴史上重要な作品になる。そーゆー
人工的な古典主義が私はイヤであったが
今年の正月に映画『再見』を観ちゃった。
08/03旭川
Book Off
旭川
豊岡店
坪内祐三『シブい本』
初版(1997.6.15 文藝春秋)
定価\1800→古本\950
著者の初期の本。短い書評ながら、
もうすでに堂々としたナマイキサを発揮
している。肩ならしには丁度良い仕事。
AIR『WEAR Off』(1996.11.11 ポリスター)
定価\3000→中古\680
「ナマイキさ」って何だろう。よく考えると
自信だって相対的なもの。この硬質であり
自閉気味でもある音が必要な「年頃」って
絶対的にあるハズ。ナマイキな年頃に。
05/02札幌
シネマ11
映画『The School of rock /
スクール・オブ・ロック』 \1500
監督;リチャード・リンクレイター
出演;ジャック・ブラック
ジョーン・キューザック、マイク・ホワイト
後半、目頭が熱くなってしまった(笑)。
川上弘美『センセイの鞄』
装丁;キャップ
初版(2001.6.25 平凡社)
定価\1470→古本\800
カフカ現代版のようなデビューをした
著者だが本作で夏目漱石現代版になっ
た。短い会話が続き読みやすい。それ
は一見、初級の手法っぽいのだが実は
練られた文から選ばれた言葉なのだ。
Third eye blind / サード・アイ・ブラインド
『Blue / ブルー』(1999.11 Elektra)
スティーヴン・ジェンキンス(vo,g,percus)
ケヴィン・キャドガン(g,vo,electric sitar)
アライオン・サラザー(b,vo,g,prophet t8)
ブラッド・ハーグリーヴス(d,vo)
定価\2520→中古\780
期待してたんだけど、普通(笑)。破綻
って、ある意味、才能なんだなーと想う。
05/04札幌
札幌市
資料館
ギャラリー
サークル展『第9回パレット彩水彩画』14人
・谷光男「モンサンミッシェル(仏)」F8
絵本の絵のよう。処理が上手だが魅力減。
・和田泰子「にしん」F4
暗い背景に浮かぶ魚の光沢が良い。
・山下晶子「風」F6
傾いただけの花で風の存在を感じさせる。
賛助作品・成田一男「星きらめく」F6
パステルのはね。器用かもしれないけど。
08/13札幌
X-ONE
南郷7丁目
マンガ;岡崎京子+原作;大原まり子
『マジック・ポイント』
初版(1993.10.15 祥伝社)
定価\880→古本\100
不幸な交通事故によって伝説になっ
てしまったマンガ家の伝説直前(?)の
作品。原作付きっーのが気に食わない
が、最後のページが原作のコンピュータ
原稿だけというのも、原作付きということ
をさらにメタ化している岡崎のセンスが
読者に分る仕組みがちゃんと準備され
ている。麻薬のような絵の魅力も、爆発。
09/12旭川
旭川
古書のまち
サンハウス
The Kinks / ザ・キンクス
『Face to face+ 7/フェイス・トゥ・フェイス』
(1966.10 CDボーナストラック7曲入り)
定価\1995→中古\1440
やっぱり私はこーゆー音が大好きじゃ!
胸キュンなコード進行、かなりローファイな
ギターサウンド、笑いながら歌う雰囲気。
それでいて、シニカルな歌詞。キンクスの
長い歴史の中でもこのアルバムは特別。
スィンギン・ロンドンの魔法だ。中でも笑わ
ないで歌う「サニー・アフタヌーン」が永遠
の名曲だね。サイケなジャケットもイカス!
サークル展『第8回groupぱれっと展』6人
・石田眞樹子「卓上」
複数のニンニクと魚だけの絵が、幻想的。
・内田進二「樽前山」
私が好きになる風景画は少ないが良い。
サークル展『グループ谷間 絵画展』3人参加
・賀数伊沙知
ポップでいて純文学的。多く描くと成長。
・久保綾乃
幻想的なイメージを転写する技術がある。
・茶谷鈴子
青い小作品を床に広げる個性的な展示。
08/14札幌
セコンズ
澄川店
洋書(仏語)Arthur Rimbaud『Poesies,
Une saison en enfer, Illuminations』
(1989.10.23 Gallimard) 古本\210
フランス語は分らないけどランボー!
10/28沼田
カナダの
女性からの
プレゼント

だから、
評論も
英語で
やって
みた(笑)。

John Cougar / ジョン・クーガー
『John Cougar / ジョン・クーガー』
(1979 Mercury, Riva Records Ltd.)
I can not forgot John Cougar's live
performance for Bob Dylan's the 30th
anniversary concert in 1993. That live's
first performer is he with Al Kooper's
great organ. Before listen it, I wonder
why he is first performer. But his song is
very powerful and soulful with smart
humor. Especially a song "Like a Rolling
Stone" is very tight. So I rediscovered
him. And this his 1979's CD including
that style. But maybe this CD can not
make a big sales in Japan. Because it is
a very country style not urbanization.
If Japanese music fun want western CD,
they check urbanization and future one.
John Cougar is too much country. But
that problem is not eternal. I found him!
個展『佐藤伸美 油絵展』
静物画はセザンヌや赤穴宏の技法。10号
のイメージ的作品が魅力。ただし、画面内の
全ての色が平等に主張して、ウルサイ印象。
山下洋輔『ピアニストを笑え!』
初版(1976.5.30 晶文社)
編集;高平哲郎、津野海太郎
ブック・デザイン;平野甲賀
カヴァー写真;浅井慎平
定価\1200→古本\315
最初にコレを読んだのは1981年だっ
た。サカタから「面白い」と言われて借り
た文庫本であった。30年前の文章だが
この時期に、現在の日本語と日本人の
センスが造られたことが読み返すと良く
分る。言葉を使わないミュージシャンが、
こんなにも文章が上手いのは驚きだが、
「センスを造った」という視点で判断する
と、なるほどミュージシャンだからこそ。
リズムと推敲の妙こそ天性のモノなのね!
05/04札幌
北海道
厚生年金
会館
バレエ『マラーホフの贈り物』 B席\8,400
全11プログラムの小品を人気バレリーナ
のウラジミール・マラーホフ出演&監督で。
出演は全10名。特に、まだ20歳のポリーナ・
セミオノワの長い腕と肢体が印象的。映画の
『シカゴ』にも出演していた黒人デズモンド・
リチャードソンのブロードウェイのショーのよう
なバレエまである。演目で最も完成度が高く
感じたのは、バッハのピアノ協奏曲第3番に
のせたアレックス・ミロシュニチェンコ振付の
『アダージョ』で、アンドレイ・メルクーリエフの
ソロ。ラストの『コート』は1982年にデヴィッド
パーソンズが創作し踊った、なんとロバート・
フィリップの曲を使ったストロボ・ライトで人が
空中に浮かんでいる錯覚を利用した斬新な
作。マラーホフはこれがやりたかったのか?
保田與重郎『わが万葉集』
初版(1982.10.4 新潮社) 題字;著者
定価\3500→古本\840
保守陣営の大御所が、人生最後の
仕事とした本。日本文学の原点に返ろう
としたか?読みにくい文章が懐かしい。
John Cougar / ジョン・クーガー
『Nothin' matters and what if it did』
(1980 Mercury, Riva Records Ltd.)
This CD is sharp, compared with his
1979's CD. I think that he kept up with
the new wave age. For example electric
guitar got a method of piled up blues
timing. And keyboard player got a so
many power of expression. Before
anything else, John Cougar's vocal
match the new wave age pops. It means
MTV style. This CD has short jump rock
song. It wants say jump song is easy.
05/09札幌
シアター
キノ
映画『ぼくは怖くない』 早朝割引き\1200
(2003年/イタリア/109分)
監督;ガブリエーレ・サルヴァトーレス
出演;ジュゼッペ・クリスティアーノ
21世紀版イタリア・ネオリアリズムのつもり
だろーか?物語の必然性が希薄な失敗作。
安原顕『ファイナル・カウントダウン』
初版(2003.1.26 清流出版)
定価\1680→古本\840
本当に、こんなに読んでいたのか?と
思わず疑うほどの本とCDの購入日記。
死ぬ直前の出版であったが、まだ死ぬと
思っていない後書に悲しい希望充満。
映画『幸せになるためのイタリア語講座』
割引き\1200(2000年/デンマーク/112分)
監督・脚本;ロネ・シェルフィグ
出演;アンダース・W・ベアルテルセン
初歩的な技術しかないカメラなのに新鮮。
まるでゴダール。レベルが高いのは演技と、
脚本。中年なのに、役者陣の魅力はスゴイ。
08/30沼田
今年、
83歳で
死んだ
山本七郎
の未亡人
から
遺品として
いただく。
伊藤雅俊『商いの心くばり』
(1987.3.15第1刷、1998.12.15第20刷
講談社文庫、単行本;1984.3 講談社)
文庫用解説;川勝久
デザイン;菊地信義
定価\420
いわゆる経済ノウハウ本が15年以上も
読まれ続けているのは驚きである。ある
意味、著者の商売のイトーヨーカドーや
セブン・イレブン、デニーズは他社よりも
15年進んだノウハウを持っていたのか?
Various Artists『Blues Best』
(1988 Kent Records ink)
B.B.King"Rock Me Baby"
What a cool blues it is! He is great.
Big Joe Turner
"Night time is the right time"
Blues harp is all a tremble. Beautiful!
Lowell Fulsom
"Every day I have the blues"
It is like a gorgeous train with horn.
Jimmy Witherspoon"Stormy Monday"
A bridge part of guitar solo is stoned.
Tina Turner"If I can't be first"
Her style is very obscenity. I like it.
Z.Z. Hill"What am I living for?"
I remember early The Rolling Stones.
Jesse Belvin"I'll mess you up"
This is a mix of the blues and do-wap.
Big Joe Turner"Good morning blues"
Band's performance is good unstable.
Lowell Fulsom"Feel so bad"
R&B song. I feel like a dancing with it.
Z.Z. Hill
"When something is wrong
with my baby"
This is a nice cheek time song.
Jimmy Witherspoon"Jelly Jelly"
Slow blues with Theronious Monk.
B.B.King
"I've got aright to love my baby"
His song will not old. Guitar is sexy.
05/09札幌
蠍座
映画『ジョゼと虎と魚たち』 \800
(2003年/日本/116分)
監督;犬童一心
出演;妻夫木聡、池脇千鶴、新井浩文
「帰れと言われて帰るようなやつは帰れ!」
とか言うメンドクサイ女との恋愛なのだが、男
は一生の間に一度はこーゆー女に惚れるの
か?ある意味、類型的な女にしか過ぎない
のだが『イン・ザ・カット』のメグ・ライアン同様
に乳首露出映画としては池脇の方が遊んで
いそーだが、映画偏差値としては勝ったか。
北海道新聞社『暮らしに役立つ
カタカナ語ハンドブック』
初版(1988.1 北海道新聞社)非売品
新聞のフロク。26年も前のこんな冊子
をズーッと座右に置いていたのか?唯一
前の持ち主が赤線を引いてあるのが、
「インタフェース」。今も通用するからか?
05/09札幌
Sapporo
Cinema
Frontier
映画『スパニッシュ・アパートメント』 \1800
(2003年/フランス)
監督・脚本;セドリック・クラピッシュ
出演;ロマン・デュリス、オドレイ・トトゥ
ちょいとやり過ぎの映像お遊びも『地下鉄
のザジ』からの伝統かな?図式が見えるし、
結論は楽天過ぎるがそれであっても面白い。
北海道新聞社『暮らしに生きる
ことわざ小辞典』
初版(1988.7 北海道新聞社)非売品
ことわざはカタカナ語よりも寿命が長
いので意味のある(?)座右の書かも。
西洋の格言には英文も併載してある。
05/15札幌
アート・
スペース
201
個展『林啓一ペーパークラフト全作品展
『月と太陽と星とぼく』』 スタジオ・ジンバル
1958年生れの男の純情。まず題を決める
らしく良質の少年文学の広がり。高完成度。
個展『はらだ@ 『H+H./NOW PAINTINGS』』
スケベを転写するのにも実は技術が必要?
大前研一『ボーダレス・ワールド』初版
(1994.4.25新潮文庫、単行本;1990.11
プレジデント社、原書;1990.7アメリカの
ハーパー・アンド・ロウ社)定価\480
訳;田口統吾
文庫用解説;竹内弘高(一橋大学教授)
この文庫本が出版された時、自民党
政権は崩壊していた。今から考えると、
とても信用できないのだが(笑)。'92年
に著者は与野党の改革派議員(笑)を
支援する「平成維新の会」を旗揚げして
いた。だから山本氏は買ったんだケド。
05/15札幌
シアター
キノ
映画『Goodbye Lenin!/グッバイ、レーニン!』
\1200 (2003年/ドイツ/121分/ビスタ)
監督;ヴォルフガング・ベッカー
出演;ダニエル・ブリュール、カトリーン・サ-ス
アイディアはいいのだが、予告編を観たら
全てを観たことになる内容。母への愛も過度!
Lenny Kravitz / レニー・クラヴィッツ
『Mama said / ママ・セッド』
(1991 Virgin Records America Inc)
This time Ms.Loretta Orrey gave me
four CDs. I want think that the reason
of method of choose presents. Maybe
there are three reasons. At first she
recommended it. And she like it. Three
point is she thought I don't have it.
And I got four CDs from her. I thought
that her gently, hot and humor heart.
We're lucky because we can understand
each other from music. So I had already
this CD. But most important thing is
her choose time and heart for me. And I
spend wonderful time with CDs and her.
05/15札幌
Sapporo
Cinema
Frontier
映画『真珠の耳飾りの少女』\1800
監督;ピーター・ウェーバー
出演;スカーレット・ヨハンセン
映像の美しさはフェルメールの絵の再生を
成し遂げている。ヨハンセンの魅力も充分。
しかし物語性ゼロ。肉屋との情事も無意味。
飯田経夫『経済学の終わり
「豊かさ」のあとに来るもの』
初版(1997.7.11 PHP研究所)定価\700
メイン・タイトルはうまい。しかし、サブ・
タイトルはダサイ。結局はガルブレイスの
『不確実性の時代』の二番煎じ。しかし
こーゆーお手軽な「思想史」はウケル。
映画『キャシャーン』 レイトショー割引\1200
監督・脚本;紀里谷和明
出演;伊勢谷友介、麻生久美子、寺尾聡
最後までテンションを保ったのは、スゴイ。
この手の映画は(とくに日本映画は)後半、
ダレルものが多いから。戦いのカタルシスを
期待した観客を裏切る、強烈なメッセージ。
永六輔『商人(あきんど)』
初版(1998.4.20 岩波新書)定価\672
超バカ売れの『バカの壁』が出るまで
永の『大往生』が、新書の王様だった。
アフォリズムなのか手抜きなのか、コレ。
05/17札幌
札幌
時計台
ギャラリー
サークル展『第68回 方究展』 17人参加
・小林耀子「プロバンスの花屋」油絵 F60
下手だが過剰な書き込みが猥雑な魅力。
11/06札幌
セコンズ
平岸店
Wes Montgomery / ウェス・モンゴメリー
『A day in the life /
ア・ディ・イン・ザ・ライフ』
(1967.6.6,7,8&28録音 A&M Records)
Wes Montgomery /ウェス・モンゴメリー(g)
Harbie Hancock/ハービー・ハンコック(p)
Ron Carter / ロン・カーター(b)
Grady Tate / グラディ・テイト(ds)
Ray Barretto / レイ・バレット(per)
Jack Jennings/ジャック・ジェニングス(per)
Joe Wohletz / ジョー・ウォールツ(per)
+オーケストラ16人
定価\2039→中古\1580
名盤、らしい。歴史的にも重要な意味を
いくつか持っている。つまり、1.イージー・
リスニング・ジャズというジャンルを堂々と
主張した、2.フュージョン・ミュージックの
スタート・ラインとなった、3.フュージョン・
ギタリストの尖兵、4.ビ・バップ・ギタリスト
を一段と進化させたパイオニア、との解説
を成田正がライナーノートに書いている。
加えて言えば、ボサノバとロックの融合を
ジャズ側から行った結果、ソフト・ロックに
なった現場報告とも言える。その手法(=
同時にセンス)は、いわゆるモンド・ミュー
ジックとして1990年代の一方の主流でも
あった。しかし、フュージョンの原罪だ。
個展『小野礼子 水彩画展』
ゆるい絵。ただしその弛緩に魅力は無い。
佐高信『タレント文化人100人斬り』
(1998.7.30第1刷、1998.9.10第5刷
社会思想社、現代教養文庫)定価\672
文庫用解説;岡留安則(『噂の真相』)
メディアが生まれて以降、この手の本
は社会の変遷に合わせて鏡が必要な
ように出版されてきた。たとえば30年前
にこのタイトルで出版されるのであれば
必ず入っていたであろう谷川雁や、沢田
研二はここには入っていない。逆に、
大島渚や吉本隆明は30年前同様に、
入っている。この本を私にくれた山本氏
の関心は渡部昇一と曽野綾子みたい。
個展『徳丸 滋 展』 油彩画20点
世に風景画を描く画家は多いが、彼らが
徳丸の風景画を見たら、嫉妬するであろう。
それは、風景を風景のまま描いているのに、
神聖な別の風景に、止揚してしまうからだ。
その秘密は、水平な視線で「遠景」「中景」
「近景」を見つめながら、層を作ってゆく方法
にもあると思う。そこで一番クリアに描かれた
部分が絵の主役であるかのようなフリをして
いながら、実はボヤケて描かれた部分が、
絵を見ている者を覆いながら見ているとゆー
ゾッとするような見えざる「神」の中間色がある
からだ。しかし、それこそが「自然」なのだ。
PHP研究所『[新訂版]話のネタ365日
今日は何の日』
初版(1999.1.25 PHP研究所)\1200
私に本をくれた山本氏の読書傾向は
トレンディーな経済学者のハウツー本と
雑学本。その後者がこれ。面白いけど。
05/17札幌
大丸
札幌店
7階ホール
展覧会『奄美を描いた画家 田中一村』 招待
同じ日にまったく手法の違う風景画家を
続けて二人観ることは眼福だ。一村は徳丸
と違い「遠景」「中景」「近景」を平等に描く。
それが稚拙な”塗り絵”と大きく違うのは、色
に対する日本人離れした感覚だ。彼の初期
の作品には「赤」が印象的に登場する。後期
の作品では一変して「緑」が主役となる。赤と
緑を、”補色対比”などと学生っぽい理屈で
語るのも気恥ずかしいが、その両極を持つ
大きな器こそが一村であったと思う。全ての
色に過敏であったからこそ、遠近の差が無い
博物図のような絵になったのであろう。今回
の展覧会で私が一番気になった作品は出口
付近に展示された『ポインセチア』だ。これ
は一村が亡くなる前年に描かれた絵でベタ
塗りのポインセチアが画面いっぱいに大きく
赤く描かれている。完成度が高いとは言え
ない作品だ。しかし、その痛々しさが私を
衝く。赤で始まり、緑まで到達し、その間の
全ての色を手に入れたはずの一村が最晩年
にして赤に戻った時に、かくも痛々しいほど
のプリミティブな絵を描いたのかと思うと胸に
迫るものが有る。少なくとも一村はこの作品を
捨てなかった。自分の作品として、認めたの
だ。作家の終着地とは死ではない。それは
悲しいことではなく、永遠を表現しえたもの
だけが持つ遠い終着地なのだ。また掛け軸
や襖絵などの「和モノ」の仕事が多い時代で
あったのも、彼の空間感覚を成長させる良い
研究の時間となったと思う。特に墨汁の
大胆さと、かすれる美しさは、色の奴隷(?)
である一村が、解き放たれる爽快さがある。
毎日新聞『「県民性」こだわり比較辞典』
初版(1999.10.15 PHP研究所、
単行本;1996.1 毎日新聞社『県民性
大解剖「隣り」の研究』を再編集)\580
タイトルは旧版よりマシ。雑学好きに
たまらん本。トリビア・ブームの下地?
山本夏彦『誰か「戦前」を知らないか
夏彦迷惑問答』
(1999.10.20第1刷、2000.1.20第5刷
文春文庫)定価\725
今回もらった本の中では一番嬉しい
のがコレ。対談形式で語る辛口問答。
六文銭/中川五郎『六文銭・中川五郎』
(六文銭;1968.3.31録音、
中川五郎;1969.4.3&4.11録音、URC)
第1次六文銭
小室等、小林雄二、石川鷹彦、入川捷
定価\1800→中古\1380
まずはヴェルベット・アンダーグラウンド
っぽいアシッドなイントロが私の気を引くが
続く小室等の声と歌のスタイルがいただけ
ない。確かに今の彼よりはこの頃の方が、
歌は上手だ。しかしそのもっともらしさが私
にはツライ。作詞をまったくやっていないの
も、フォーク・シンガーとしていかがなもの
か(←鈴木宗男・風、笑)。それとは逆に、
曲はアイルランド民謡や、ピート・シガー
からいただいてきて、自分で作った詩を
のせて歌う中川五郎の方が私には魅力的
だ。「だが バカは叫ぶ 進め!」という詩
というか叫びには字ズラ以上の毒がある。
それは歌だからだ。詩を書かない小室等
だが、なんと松岡正剛の詩が最初と最後
にあった。これはこれで大収穫だけどね。
松岡は早稲田大学の学生だったが、当時
は新宿でギターも弾いていたらしい。闘争
ばかりの青春であったかと思っていたので
驚きだが、同時にさもありなん・とも感じる。
藤井良彦
『中坊公平の
闘い
[決定版]]』
初版
(2001.2.1
日経ビジネス
人文庫)
\600
『上』
中坊も今や人気は
大幅ダウン。そんな眼
で読むほうが良い。
『下』
英雄は存在しない
のだが、歴史は残る。
教訓は再生産する。
原山建郎『小泉首相が注目した
「米百俵」の精神』
初版(2001.8.1 主婦の友社)\840
小泉ブームが去って、古本が残った。
09/05札幌
旭屋書店
札幌店
ちくま日本文学全集『長谷川四郎』
初版 (1992.12.18 筑摩書房)
装丁;安野光雅、解説;鶴見俊輔
新刊本\1000
古本でも入手が難しい作家。文学に
世界観や同時代性が必要な今、必要。

<目次>
小さな礼拝堂

模範兵隊小説集より(分遣隊
炊事兵
駐屯軍演芸大会)
香月泰男の絵を連想させるシベリア
での戦争記録文学。説得力のある小説
の見本のようだ。つまり、リアルに書いて
いるのに、それが比喩として成立する。
阿久正の話
随筆丹下左膳
『デルスウ・ウザーラ』解説
新人発言
詩より(花火の歌
未確認戦死者の歌
病人の歌
とうとうたらりの歌
兵隊の歌
兵隊女房の歌
原住民の歌
おかし男の歌)
九つの物語より(ききみみハンチング
白鳥湖
ぼくの伯父さん)
戯曲(守るも攻めるも―墨子)
05/23深川
mini gallery
うなかが
めーゆの
美術館
個展『渡辺通子 ミニチュアな空間展』
夏のみオープンしている個人的な画廊。
しかし、その建物も庭の草花もオーナーの
手造り(=作品)なのだから、あなどれない。
今年最初の個展はオーナー自身の服飾を
中心とした作品展。廃品の中の美の発見。
11/06札幌
レコーズ&
レコーズ
南2条店
Patti Smith / パティ・スミス
『Horses / ホーセス』(1975.10 Arista)
Lenny Kaye / レニー・ケイ(g)
Richard Sohl / リチャード・ソール(p)
Iwan Krall / イワン・クラール(g,b)
ジェイ・ディ・ドゥーティー(ds)
ゲスト;Tom Verlaine / トム・ヴァーライン
定価\2500→中古\980
パティ・スミスのアルバムをほとんど私
は持っているのだが、なぜかこのデビュー
作は持っていなかった。これも中古CD屋
との相性である(笑)。パンクの意味は、
「クソガキ」らしいが、当時のパティはすで
に29歳。パンクの存在理由と方法と技術
は全て「初期衝動」にあるのだが、三十路
女のパティにはそんなものは必要なくて、
すでに凄みすらある。すでに詩集を出版
していただけあり、ポエトリー・リーディング
の最中に気分が高揚して歌いだしたよう
な曲が並ぶ。しかもそれは、彼女がなぜ
詩人から「パンク」歌手に変容したか、と
いう問いへの直球の答えとなるのだ。表現
と生き様が見事に合致しているのだから、
やはり彼女はホンモノである。それにして
もロックの語彙を増やした功績は大きい。
この日、一緒に買ったラモーンズと比べて
みると明らか過ぎる(笑)。彼らが同時期
にニューヨークで一緒に活動していたとは
思えないホド。つまり、パンクとはスタイル
ではなくて表現欲であることが証明される
のだ。ニューヨークはパティやブロンディ
のように中年女がリスタートできる街だな。
05/28札幌
シネマ11
映画『The Passion of the Christパッション』
製作・監督・主演;メル・ギブソン
まずこの映画を語る時はキリスト教を語る
のか、この映画そのものを語るのかを意識
的に区別する必要がある。ストーリーは万人
が知っているキリスト受難の物語なのだが、
聖書や絵本では物理的に目に映らない
リアルな映像(=つまり、とっても残酷)を繰り
返し見せ付けられる。この映画を観た後では
聖なる磔刑像もSMプレイのイメージと重なっ
てしまうのではないだろうか?この映像化の
作業に何の意味があると言うのだろうか?既
に映画界はパゾリーニという優れた天才が、
この面での仕事を終えているのに。しかも、
この映画がアメリカでは記録的な大ヒットで
あるというのだから、日本人とは違う感性が
この映画を取り巻いているとしか思えない。
私は「キリスト教は結局、憎しみの元凶では
ないのか?」という再発見をさせられただけ。
06/12深川
mini gallery
うなかが
めーゆの
美術館
個展『幸田尚子 展』
水彩やパステルの画材で花や野菜を描い
た小品、人物を描いた中品、紙粘土で作っ
たオブジェを木の枝にぶら下げた造型。ユル
い作品。作者の人柄と視線の新鮮さが分る。
06/13札幌
シネマ11
映画『ディ・アフター・トゥモロー』
進化したパニック映画。ただし、ストーリー
は『日本沈没』と『走れメロス』を足しただけ。

橘川幸夫『風のアジテーション』
初版(2004.8.31 角川書店)
装丁;BUFFALO.GYM
カバー写真;田村昌夫(freaks)
新刊本\1351
かつて私も彼のエッセイをよく読んだ
が、これは小説。書き出しの純文学気
取りの文体が、クサクてダサイ。しかし、
それも長続きせずに続く文章は短めの
思い出話の羅列に終始。でも面白い。
しかしそれは時代が面白かっただけで、
著者の才能ではない。私自身は著者が
渋谷陽一らと共同で創刊した雑誌『ロッ
キング・オン』の1977年からの愛読者で
あるから興味深く読めたが、文学として
は失格である。文学を気取りたい気持ち
も分るが、そろそろ『ロッキング・オン』の
回顧記をドキュメンタリー風にまとめた方
が価値も意義もあると思う。年齢的にも。
06/13札幌
ギャラリー
たぴお
企画展『香月人美セレクション 1980-2000』
「まなざしの夢みる頃に」 織田廣喜、筧本生
元村平、河原朝生、此木三紅大、小林裕児
篠原道生、河村悟、堀越千秋、安元亮祐
バルテュスっぽい、筧の絵が気に入った。
Ramones / ラモーンズ
♪なんとかっこいいジャケットだろう。
『RAMONES / ラモーンズの激情』
(1976.5 Sire Records)
Dee Dee Ramone : Bass, Guitar (Bass)
Joey Ramone : Vocals
Johnny Ramone : Guitar
Tommy Ramone : Drums

Production Credits
Greg Allen : Art Direction, Design
Sevie Bates : Art Direction
Roberta Bayley : Cover Photo
Greg Calbi : Mastering
Ginger Dettman : Project Coordinator
Tommy Erdelyi : Associate Producer
Craig Leon : Recording Producer,
定価\1800→中古\1380
まさにコロンブスの卵。パティ・スミスが
人生をリスタートできたように、動脈硬化
しかけたロックをパンクがリセットできた。
06/13札幌
エルエテ
個展『草間彌生 版画セレクション展』
渡辺(画廊主)「芸術の森美術館で
開かれる、『草間彌生展 KUSAMATRIX
(クサマトリックス)』に便乗して、草間彌生の
版画を売るつもり。アクリル画などの原画も
仕入れるつもりだったのですが、ここのところ
急に日本での草間作品の市場価格が上がっ
てきました。逆輸入のような形で草間彌生熱
が、日本をおおっているみたいです。高くて
仕入れません。結局、原画は展示できず、
版画で勝負です。」
近代美術館『香月泰男展』も後志の3つの
美術館で共同展が行われているのだから、
見る側にとって「便乗」は、より立体的な理解
につながるので、どんどんやってほしい。
講談社ムック『岩佐真悠子'04夏』
初版(2004.8.28 講談社)
撮影;根本好伸 新刊本\974
応募者全員サービスで「マユコのミニ
フィギュア」が当たる(と言っても880円で
買わされるんだケド・笑)っー商売上手。
しかし『美術手帳』とどう違うのだ(笑)?
肝心の写真は色んな意味で中途半端。
06/13札幌
ギャラリー
どらーる
個展『真柄 修一 展』
「描写力」を基準に絵を見ていると不意に
後ろめたくなる瞬間がある。それは、まるで
スポーツの優劣を語るかのように数値化の
ヒエラルキーの世界に自らの思考を閉じ込め
ている自覚が持つ、「芸術」への後ろめたさ
である。それならば、我々は自らに描写力を
語る行為を、禁忌にする必要があるのだろう
か。いや、描写力には芸術以外の分野には
無い魅力が潜んでいるのもまた事実なのだ。
たとえば私は真柄の絵においてこそ描写力
を語りたい。特に最近の作品「湿原」シリーズ
を見る時、ここで展開されている作業こそが
描写力を問われているのではないかと思う。
彼の風景画は銀行のカレンダーに採用され
るぐらいの「俗物性」を持っている。同じ意味
でシャガールやマチスも俗物性を持っている
と言えるので、画家にとっての俗物性は何ら
恥じることではない。しかし私は、俗物性の
ある風景画においてわざわざ描写力を評価
する興味は無い。真柄においては「湿原」シ
リーズの持つ圧倒的な独善性についてこそ
私は描写力の基準を導入したい。ここで見る
ことができる画法は具象を抽象に半歩ずらす
ことによって浮かび上がってくるリアリズムだ。
通常は抽象化によってリアルから遠ざかるの
であるが、「湿原」シリーズにおいては抽象
度のレベルを上げることによって描写力を上
げることに成功している。この手法は今回の
他の展示作品に見つけることができないので
これは真柄のよる最新の「実験」なのだろう。
そこで私に浮かび上がる疑問は、「湿原がな
ぜこの作家に創造力を与えたのか」である。
つまり、モチーフが湿原でなければこの画法
は生まれなかったのではないのかという仮定
である。この帰納によって証明されるのは、
湿原を描写するためにこの手法がとられた、
という理由からくる描写力を求める強い志向
である。結果として抽象が描写力を表現する
ことに成功したのだが、この幸福な湿原との
出会いには、必ず太陽があることがヒントに
なっていると思う。作品「太陽と湿原」では、
画面中央の上空に浮かぶ太陽をパステル・
カラー数色が格子状にパッチワークされた
空が囲み、湿原を見下ろしている。確かに
無限に続くかに見える湿原の前に立つと、
太陽というアクセントが無ければ絵の吸引力
を出すのは難しいのかもしれない。しかし、
必ず湿原と太陽を組み合わせて描いている
のであるから真柄独自の理由があるはずだ。
そう思った時、「個展」とは便利なもので同じ
作家の過去の作品をすぐに参照できる。たと
えば「燈台」(30M)。暗闇に凛と立つ孤高の
存在のような燈台が地平と水平に右に向かっ
て黄色い光を伸ばしている。そのあまりにも
数学的な構成に山岳風景画家=真柄らしか
らぬ印象を持つ者も多いだろうが、実にいい
絵である。実はこの絵においてすらも真柄の
描写への強い意志を見ることができる。この
マンガ的すぎるほどの黄色い光に出合った
真柄は、この光を最も的確に描写するために
数学的な省略の構図を採用したのだろう。又
もう一方で「赤い薔薇」(SM)という小さな作品
がある。狭いスペースに幅広い筆で赤をグイ
グイと描くことによって、薔薇の花びらは描け
ないが、赤い薔薇を見た瞬間の赤の洪水を
絵によって追体験できる。それこそ描写力で
ある。黄色い光、赤い薔薇。作家がやろうとし
ていることが分る作品である。しかし、真柄は
「太陽と湿原」において太陽を光や薔薇のよ
うに特権的な存在に描いていない。空も湿原
も太陽と同じレベルの色と輝きを持っている。
その色と耀きで体感を描いた。老いる権利を
持つ全ての者が、学習は蓄積できなくとも、
体感は蓄積できるかのように、真柄は体感を
描写してゆく。一輪の薔薇を手に入れるため
に、千の薔薇を燃やすのが芸術である。それ
ならば、千の薔薇が燃えている姿に、一輪の
薔薇を見ることもできるのではないのか。その
域に達した真柄の仕事こそが「湿原」シリー
ズであると私は思う。そして真柄の志向する
色の氾濫を受け止める風景としては、太陽を
真上に掲げた湿原こそが理想のモチーフで
あったのだ。私は真柄に会ったことはないが
こんな絵を見せられると本人のダンディズム
を強く感じてしまう。ダンディズムとは、既成の
価値にとらわれることなく、自らの目で価値を
再構築しようとする意志、または運動である、
と定義付けてみよう。そこには価値決定の前
の「保留」がつきまとい、その結果、他者から
はダンディズムがニヒリズムと二重に見えてし
まう場合もあるだろう。しかしその「保留」とは
怠惰な安定ではなくて、厳しい自由なのであ
る。真柄の「湿原」シリーズ全体に繰り広げら
れている色は全てが「平等」である。そして、
完璧な平等が存在しないかのように、平等を
装った画面は見る者を目眩に誘う。風景を描
くということは、「風景を手に入れたい」からだ
ろうし、描く時間を利用して「風景と対話した
い」からだろう。しかし、その魅力的な対話の
時間に一瞬の対立が生れた瞬間があったと
「湿原」シリーズは私に感じさせる。それは、
実は風景は平等ではないからなのだ。時に
暗闇に伸びる黄色い光や、奇跡の赤を自慢
する薔薇が平等の風景のバランスを崩すこと
があるだろう。しかし、それらは今や既成の
体感にすぎないと感じる域に達した真柄にと
ってさらに強大な一輪の花としての風景に立
ち向かう必要があったのであり、平等を崩す
魅力的なディテールの誘惑との対立を乗り
越えて、湿原という最も真柄のやりたいことを
受け止めてくれる平等な風景を選び出した
のである。そう。描写力とは既成概念をなぞ
る愛撫ではなくて、自らの価値観だけを頼り
にモチーフの本質を鷲づかみにする暴力な
のである。そんな画家の真摯な作業の結果
が「湿原」シリーズであり、我々はここで千の
薔薇が燃えている姿に、一輪の薔薇を見る
ことができるのだ。
09/13旭川
Book
Big
Box
本店
古雑誌『季刊 月下の一群』
初版(1976.6(S51) 海潮社 B5版)

特集;人形 魔性の肌
渋澤龍彦・唐十郎「巻頭往復書簡 
下降の水路をたどるゴンドラ」
偉大なる先行者、絶対の定点観察者
として澁澤龍彦を得ていたことは当時の
唐たちの世代にとっては、かなり心強い
ことであったと思う。今なら、誰だろうか?
山口昌男?大江健三郎?吉本隆明?
う〜む。決定打がいないねぇ。この書簡
の中でも澁澤は唐を「水の詩人」と喝破
しており、知性を持った大不良の魅力が
丁々発止で繰り広げられている。

種村季弘「『妖精の書』について」
確かに衒学的なんだけれどそこはか
となくユーモアが基礎にあって、しかも
何の役にも立ちそうにも無いカッコヨサ。
衒学的なんだけれど、読め。★種村季弘(たねむら・すえひろ、ドイツ文学者)、2004年没。享年71歳。1933年、東京生まれ。東大独文科卒。

松山俊太郎
「「女主人公(ナーイカー)」の分類」
「インド人は分類好き」というのは面白
い。さすがゼロを必要としたお国柄か?

松田修「日本人形史論のこころみ」
埴輪が立っていることに注目し、立つ
ことの呪的効用への信仰を見抜き、そこ
から人形論の本質に切り込む鋭い論。

赤瀬川原平「肉天体の原理」
1960年代のアーティスト赤瀬川源平
も魅力的だが、1970年代の毒の溢れる
時代が私には一番ひかれるものがある。
これも不思議な小説(?)に、彼独特の
イラストが付いている。「毒」とは、予定
調和のそれではない、予測不能の方が
毒がキツイ。キツイ毒が盛り込まれた作。

日影丈吉「人形つかい」
立川昭二「からくり幻想考」
巌谷國士「夢見る自動人形」
平岡正明「体力論丹田編」

四谷シモン
「―ピエール・モリニエの方へ
つつしみぶかさのないことについて」
コラージュも人形も、観客の「錯覚」が
参加することにより成立する。シモンの
写真は、参加が密かに持つ「下心」を、
はるかに高級に超えたレベルで先回りし
ている。それは時に「悪意」にも見える。

篠原勝之「ズボン」
吉増剛造「若菜よ」
嵐山光三郎「蛇姫様参り」
若松孝二「パレスチナ報告」
唐十郎「下町ホフマン」
津島佑子「人形か人間か」
池内紀「詐欺師の変身」
山下洋輔
「ベーゼン・スティング・トリップ」
高橋康雄「伯爵の柩」
脇明子「怪しき人形使い」

装幀;合田佐和子
編集長;唐十郎
編集制作;カマル社 桑原茂夫
岩淵和恵、関根新子、原梢
定価\980→古本\2000
定価より高い古本を買うことは、私の
信条(笑)に反するが、種村季弘への
香典である(?)。第二号で早くも廃刊し
ちまった「3号雑誌」にすらなれなかった
紙つぶてではあるが、豪華執筆陣など
を見ると時代の熱さが感じられる。何を
してもカラマワリになったり、程度の低い
1960年代のパロディ以下になってしまう
1976年という時代の悪アガキを感じてし
まい、思わず好感を持ってしまう。これは
パンクが世間や文化をリセットする前夜
のミニコミ・ブームの偉大なる財産である
とも言える。澁澤龍彦の雑誌『血と薔薇』
へのオマージュもあったことだろう。残念
ながらそれに比べると紙質も写真製版も
ゼイタク度は低い。しかし現代思潮社か
ら独立してきた桑原茂夫の編集ならで
はの文章へのこだわりには充実以上の
奇蹟を感じさせる。
たま『しょぼたま』
(2001.1 地球レコード たま企画室で通販)
1997年にバンド内別ユニット「しょぼたま」
を結成して、たまった曲をアレバム化。
知久寿焼(vo,g)
石川浩司(ds,per,vo,いびき)
滝本晃司(b)
定価\2625→中古\980
テレビ『イカすバンド天国』で大ブレイク
して、大ヒット曲『さよなら人類』で時の人
になったが、その曲の作曲と歌を担当した
柳原陽一郎がニューヨーク公演(←スゴイ
ねぇ。やったんだねぇ。ライブ・アルバムも
あるでよ。)をした1995年12月直後に脱退
してから1年後、バンド内ユニットを結成し
ている。これは「行き詰まり」からきた工夫
なのだろうか。それにしても、私が聴いても
ほとんど以前(=本体)と変わらない。彼ら
の持つ「演技性」が鼻につくユーザーも多
いだろうが、演技を続けなければ倒れてし
まうのも彼らの身の上なのだろう。いびきを
かいてもオモチャで演奏しても、聴く側の
想像力の範囲内になってしまう彼らの悲し
い限界が聴いててツライ。一緒になって、
その閉じられた演技を楽しめる人が減った
ということは彼らのコンセプトがすでに消費
されてしまったことを意味する。私の想像
だが、知久の雰囲気を柳原が消費し尽く
した結果が「さよなら人類」であったと思う
のだが、そうであればバンドはすでに最初
から終っていたのだ。「さよならたま」か?
12/04深川
ブック
バーゲン
深川店
Wings / ウィングス
『Back to the egg /
バック・トゥ・ジ・エッグ』
ボーナス・トラック3曲
(オリジナルLP;1979.6.8, CD;1995.11.8)
ポール・マッカートニー(vo,b,g,p)
リンダ・マッカートニー(vo,key)
デニー・レイン(vo,g)
スティーブ・ホリー(ds)
ローレンス・ジュバー(g)
Tracks 8, 13 : Rockestra line-up:
ピート・タウンゼント、ディブ・ギルモア、
ロニー・レイン、ジョン・ボーナム、
ジョン・ポール・ジョーンズ、他総勢23人
Produced by Paul and Chris Thomas
定価\1750→中古\1344
発売当時、私は高校3年生。あれほど
夢中になって1975年にはLP『ヴィーナス
アンド・マース』を聴いたのだから、本来は
熱狂的に発売を待って聴こうとした思い出
のアルバムになるハズだったのだろーが、
まったく無関心に通過していて、今回初め
て聴いた。んー、いいアルバムじゃんか。
ロックしてるし、ポールお得意のコンセプト
アルバムの展開の工夫もステキだ。総勢
23人の有名ロックスター(=オールド・ウェ
イブ同窓会?)とゆー豪華オマケ付きだ。
それを録音した1978年10月3日はキース
ムーンが死んだ9月7日から一ヶ月も過ぎ
ていない。参加したピート・タウンゼントが
「毎年クリスマスにはこれをやるべきだ」と
言ったそうだが、キースの死をパーティで
まぎらそうとしている悲しさがにじむ。その
願いに答えたのか1979年12月29日には
このメンバーで、カンボジア難民救済コン
サートを開催している。それは1960年代
をビートルズが支配し、1970年代はウィン
グスが支配したことの宣言のようであった。
しかし、それはウソであったのだ。事実、
私はそれらの活動に無関心でいられた。
オールド・ウェイブの同窓会が演じる政治
活動よりも、同じロンドンでは、パンクスや
ニューウェーブの連中がより切実な音を
出していたのだ。カンボジア難民救済コン
サートが1970年代を美しく終らせなかった
ことの証明はすぐにやってきた。それから
たった18日後の1980年1月16日にポール
は成田空港にマリワナを219グラム持ち込
んで逮捕される。さらに、同年12月8日に
ジョン・レノンが射殺される。全てが悪い夢
のように展開してしまった。しかし、ポール
は手を抜いていたわけではない。むしろ
滑稽なぐらいに全力投球であったのだ。
それが、2004年12月4日になって初めて
このアルバムを聴いて私は分かったのだ。
これって、チョー遅い?いや。結局ポール
の音楽は「永遠」であるということの逆証明
であるのだ。ただし、その「永遠」はいつで
も成立する種類のものではなく、じっと時を
待っていながら時々、にょこっと顔を出す
タイプのそれだ。このねじれたポップこそ
ポールが世界人間国宝たる理由である。
今、想うのはジョンがロック・シーンから
隠居していた1970年代後半の5年間に、
ジョンの分までもがんばろうと、年々、鮮度
が無くなる自分に気が付かないフリをして
ロックを一人で背負おうとしたポールの
責任感である。それを他人は滑稽に見た
かもしれない。しかし、ただ一人、それを
真摯に受け止めていた男がいた。ジョン・
レノンである。私にはポールが似合わない
カンボジア難民救済コンサートを演じた
テレビの生放送を真剣に見つめるジョン
の姿を容易に想像できる。この時ポール
はイヴェントの主旨には合わない「レット・
イット・ビー(=なるようになる)」を歌った
が、それも1960年代をジョンと一緒に閉め
くくった曲だと思えば、彼ら二人だけに
しか分らない&感じられない暗喩がその
選曲に隠されていると思えなくもない。そ
してジョンの最後の名曲「グロウ・オールド
ウイズ・ミー(=一緒に歳をとろう)」は、
ヨーコ・オノへではなく、ポールに対しての
メッセージであったのかもしれないのだ。
10/05郵送 同人誌『羚 Rei』
第4巻 第13号 2004年秋季号
2004年9月20日発行 もらった
●巻頭エッセイ《私の漂い方》13
紀田順一郎「小舟と羅針盤」
「広い読者とはクリシェ(常套句)に過
ぎず」なんて、ドキリとする言葉もある。
ベテラン文学者の初心のころの思い出
なのだが、こーゆーミニコミ誌ならではの
無防備で無垢な回想と告白が読める。

●詩歌
鵜飼康東「雪の市街(十首)」
鈴木漠「林住期」
なかにしけふこ「しまぐに(十首)」
どれも&これも、パッとしない。

●短編小説(読み切り)
澤井繁男「風」(25枚)
まるで昭和30年代以前の小説。悪く
はないのだが、限界があるのも事実。

●音楽批評・文芸評論
近藤昌夫
「石の方舟―ソクーロフと
ドストエフスキーのペテルブルク―」
スリリング。たとえば、「速度の変化で
うまれる遠近法の画面が、消失点の変
化を、すなわちヨーロッパからロシアに
消失点が変化したことをはっきりと再認
させる。」なんてレトリックが面白い。

横山英行
「ベートーベン後期弦楽四重奏曲論 5」
神谷光信
「父親の「夢想」と息子の「現実」
 片山敏彦とその世界14」
澤井繁男
「<いのち>をめぐる断章
 14 生きている<声>―宮本輝」

橋本安央
「隠喩の論理―高橋和巳再読(6)
 血のざわめき―『日本の悪霊』」
高橋和巳とは懐かしい!テロリストの
物語だが、今こそ読み返してみたくなる
小説の部分を紹介している。1967年生
れの筆者に何故、高橋への興味が生れ
たのかにも興味が沸く。

神谷光信
「へりくだりの詩学11
 田中清光の世界 V」
●評伝
関口裕昭「パウル・ツェラーン 第6回」
●訳詩
神谷光信「星と戈―中国古代詩抄14」
澤井繁男「トンマーゾ・カンパネッラ
 『哲学詩集』第13回」
●書評
神谷光信「北森嘉蔵著『詩篇講話』」

長尾重武「澤井繁男著
 『時計台前仲通り』(編集工房ノア)」
ダメ。楽園が失われたのではなくて、
過去が過ぎただけ。いつの時代の子供
にとっても、楽園はある。読み方が浅い
のか、作品が浅いのか、両方なのか。
細坪基佳『LIVE TSUVOX』
(1996 Birthday records co.ltd)
バック・ミュージシャン
岩崎はじめ(key,harmonica,chorus)
久保田邦夫(g,chorus)
坂元昭二(g,chorus)
近藤正明(g,chorus)
山田紘士(b,chorus)
近藤文雄(dr)
日高康寛(b,chorus)
野口明彦(dr)
藤田明夫(sax,key,percussion)
扇柳徹(mandolin)
プロデュース;細坪基佳
定価\3000→中古\609
歌を歌うということは、間違いなく表現で
あるのだが、「シンガーソング・ライター」は
曲を作らなければ成立しないジャンルでも
ある。それは1970年代にデビューした者
の宿命(?)でもある。かつて二人組みで
主に曲作りをしていた山木康世と分かれ
て、歌担当であった細坪のクリエイターと
してのたくましい活動が始まる。このCDに
も、かつてのフォーク・デュオ「ふきのとう」
の名曲「やさしさとして 想い出として」が
入っているが、悔しいけれどやはりこの曲
が一番このライブCDで楽曲として優れて
いる。そしてこの曲の作者は山木であり、
細坪ではないのだ。この単純だが、重い
図式こそがシンガーソングライター細坪の
根底にあるのは間違いない。大ファンと、
自称する人たちはそのことを知っていても
知らない&気が付かないフリを、し続けて
いると思う。それが細坪への同伴者として
の支えであるかのように。しかし、そこから
見えてくる細坪の苦労や魅力もあるのだ。
たとえば、このCDでは「回転木馬」とか、
「初恋」などは彼自身の作であるが、高い
グレードを持っている。それでもあえて言う
のだが、山木だったら避けるであろう歌詞
やメロディが細坪の作る曲にはある。それ
は、「紋切り型」という誘惑である。しかし、
同時にそれがファンの琴線に触れるのだ
から現実は複雑だ。それでも「軟体動物」
という普通の曲には出てこない歌詞を、さ
らりと歌ってしまったりもする一面も細坪は
持っている。このライブのように、ギターの
久保田などの気心の知れたパートナーを
得て、細坪の活動はさらに進んでいる。
06/13札幌
北海道立
近代
美術館
札幌市
中央区
北1条
西17丁目
展覧会『没後30年 香月泰男 展』
「マチエール=画肌」という言葉があって
良かったと思わせる画家。1950年代の作品
にワラビのような突起物が何度も出てくるが、
その末端依存症が省略への興味と同時に
存在していて面白い。それは「凍土」(1965)
でキャタピラの跡が頭蓋骨に見える錯覚に
つながる作者の深層心理のヒントであると思
う。「朕」(1970)には男達の群集の前に白い
小さな結晶が規則正しく並んでいて、女性の
客が「キレイな雪」と微笑んでいたが、これは
雪ではなくて有刺鉄線の結び目ではないか
と「星<有刺鉄線>夏」などを見た後で思う。
「運ぶ人」(1960)では、極度に図形化された
体と荷物が巨大な黒いマッシュルームのよう
に画面を埋めるが、その中央には香月得意
の顔のみが、リアルに浮かび上がっている。
この大胆な省略と攻撃的な残像こそが彼の
個性であったようだ。重いシベリア・シリーズ
を見た後で、静物画などの家庭的な小品も
展示されている。籠に飼われている小鳥を描
いた「目白」(1953)は残酷な檻と平和な籠の
相違を考えさせてくれて、この作家ならでは
の画面に出ない奥行きが有る。白い画面に
黒い単純な2本線が交差するだけの「火箸」
(1956)も実にいい。「紅梅」(1970)にゴッホが
影響を受けた浮世絵の逆輸入(?)を発見で
きたり、「久原山雪」(1969)「雪の朝」(1974)
に山水画を感じさせられたり、実は広範囲の
手法を持っている画家であることも、展示から
読み取れる。鉛筆素描「帽子の中のトマト」
(1955)では、黒く塗りたくる作風が多い中で
そこでは隠されていた香月の”線”が分って
興味深い。省略の彼岸にこの線があるのだ。
所蔵作品展『視線のエレガンス/パリを描く』
ジュル・パスキンから小野州一まで内外の
画家の描いたパリ。画家たちにとって特権的
な土地が、それぞれの視線で保存された。
06/27札幌
札幌
市民
ギャラリー
公募展『第59回 全道展』 出品=551人
野本醇、矢元政行、渡辺貞之、高橋靖子
毎回同じ傾向の作品。オリジナリティ?
谷口一芳、神田一明、川口浩、波田浩司
破綻を恐れず新境地を模索。途中報告?
會田千夏、山本真紀、伊藤倭子、森ヒロコ
新旧(?)女性作家のディーモニッシュ。
渡辺通子,桔梗智恵美,渡辺盛二,畠山桂子
深川グループ。幻想を転写するレッスン。
カーネーション / Carnation
『Parakeet & Ghost』
(1999.2.10 ヒートウェイヴ日本コロムビア)
直枝政太郎(vo,a.g,maracas,peeping,e.g)
矢部浩志(ds)
棚谷祐一(a.piano,organ,ukulele)
鳥羽修(e.g,marimba,shaker)
大田譲(b,flame,drum,backing vocal)
プロデュース;細坪基佳
定価\3059→中古\399
どうもメンバーのオヤジ顔が気に入らな
くて、聴かないで過ごしてきたが、いつも、
ジャケットのデザインには惹かれるものが
あった。この度、399円なのでお試し購入
をしてみたところ、いいじゃん、やつら、と
いう遅まきの発見。ロックも成熟期を迎え
たという証明のような、ごちゃまぜの愉楽。
だいたいにして担当楽器がpeepingという
のなんて、かなりロック知能指数が高い。
豊かなロックの地層の今日。しかしこれが
メジャーになれないのが日本の今日でも。
06/27札幌
Sapporo
Cinema
Frontier
映画『ハリーポッター アズカバンの囚人』
監督;アルフォンソ・キュアロン
出演;ダニエル・ラドクリフ、ルパート・グリント
だいたい、映画自体が「魔法」なのよね。
06/29深川
み・らい
演劇『謎の変奏曲』
原作;エリック=エマニュエル・シュミット
演出;宮田慶子
出演;杉浦直樹、沢田研二
演劇とは物語を楽しむよりも、俳優の「芸」
を味わうジャンルであると思う。その意味では
短調な直情式演技の杉浦よりも、ユーモアを
交えつつ肉体の動きに工夫のあった沢田の
「芸」が上回っていた。又、脚本はフランスの
現役作家であり、翻訳調のセリフは気になる
が、知的なゲームを盛り上げる。重くて暗い
物語なのだが、最も暗くなる瞬間をユーモア
に転換する演出と「芸」はこの作品の特徴。
どんどん物語が暗くなるので、どんな方法で
ハッピー・エンドにするのか心配になったが、
結局、終わりは「幸福」ではなく「希望」であ
った。その終り方が現代的であり、感心した。
07/03郵送
もらった
鬼丸吉弘著『児童画のロゴス』
初版(1981.12.20 勁草書房)\1700
この本が出版された翌年に同じ出版
社から浅田彰『構造と力』が出て、ベスト
セラーになった。そんな出版社の社風
からなのか、文章も論理の筋立ても構造
主義以降の影響がある。懐かしい(笑)。
大学の教育学の授業のテキストにもよく
使われるようだ。今回、私がいただいた
この本も古本屋からの流出らしく後方に
「900円」と鉛筆で書かれていた(笑)。
この本の最初の持ち主はどうやらマジメ
な女子大生だったらしく、ピンクの線を
引きながらじっくり読んでいる。しかし16
ページまでしか読んでいない。それでも
おそらく彼女は単位を取れたであろう。
16ページまでに、この本のエッセンスが
入っているからだ。おそらく彼女は美人
女子大生であり、35歳頃まで小学校の
教師をし、職場結婚をし、今では2児の
ママであろう(←何を根拠に?)。もし、
彼女が16ページ以降も読んでいたので
あれば違う人生が待っていたと私は思う!
12/06深川
GEO
深川店
Marc Bolan & T.REX / マーク・ボラン
『Christmas Box / クリスマス・ボックス』
(1989.10.29 日本特別編集 テイチク)
マーク・ボラン(vo,g)
ミッキー・フィン(perc)
スティーヴ・カーリー(b)
デイヴ・ラットン(dr)
プロデュース;マーク・ボラン
定価\2884→中古\300
発売当時はTシャツとクリスマス・カード
が付いていた。中古だからか、付いてい
なかった(がくっ)。しかも翌年の1990年に
『CHRISTMAS BOX '90』(TECP-30480)
とゆーのが発売されていて、こちらは2曲
もさらにボーナス・トラックが付いていた。
ちくしょー!っーかボランは死んでも商売
が上手だなぁ(笑)。どうでもイイような構成
がとってもチープでボランっぽいけどね。
でもボランがバンドを楽しんでいた記録。
07/03札幌
ポルト
ギャラリー
企画展『絵画の場合 ナンデモアリノナカデ』
パネルディスカッション;堀田真紀子(司会)
安藤文絵、大井敏恭、藤田真理、渡辺慶子
具象が少しでもあると新鮮に感じてしまう。
澁谷俊彦、林亨、斎藤周、レスリー・タナヒル
”ポルト風”とでも言うべき共通点がある。
07/03札幌
ビン・
カシワ
アート
ギャラリー
常設ギャラリー『ビン・カシワ』
原画・版画・オリジナルグッズ、100点以上。
ヒロ・ヤマガタ風。在廊していた画家の顔
はナイーブ派のイメージ通り。しかし、これを
ナイーブと呼ぶかプリミティヴと呼ぶか問題。
Paul McCartney /ポール・マッカートニー
『Press to play / プレス・トゥ・プレイ』
Original CD Bonus Tracks 11-12
(1986.9.5 東芝EMI)
Producers
 Paul McCartney, Hugh Padgham
Engineers
 Hugh Padgham, Steve Jackson
Musicians:
Paul McCartney (vo,g,b,ds,p,syn,per)
Linda McCartney (vo,key,spoken word)
Jerry Marotta (ds,percussion)
Carlos Alomar (g),
Eric Stewart/エリック・スチュワート(vo,g)
Eddie Rayner (g)
Phil Collins (ds)
Pete Townshend (e.g),
Nick Glennie-Smith (e.g)
Dick Morrissey (sax)
Ray Cooper (percussion)
Simon Chamberlain,Graham Ward,
Lennie Pickett, Gary Barnacle,
Gavin Wright, John Bardbury,
Kate Robbins, Rudy James(backing vo)
James McCartney, Eddie Klein
John Hammel, Matt Howe
Steve Jackson(spoken word)
定価\2884→中古\300
やはりロックにとって1980年代後半は、
暗黒時代だったのか?ロック史の先頭を
ずっと走ってきたポールにして、80年代の
悪しき打ち込みブームをヒネリもなく受身
で採用し、ついには曲作りを後輩の10CC
のエリック・スチュワートにまで頼み込む。
それをミジメと取るか、老体にムチ打って、
がんばる偉大なる先頭ランナーととるか。
このアルバムの直前にはビートルズ時代
の戦友(?)ジョージ・マーティンと組んで
3部作を仕上げているので、ここで再び、
ソロに戻った風なポールであったと思う。
実際、マーティン3部作は戦争と平和を、
テーマとしていてジョン・レノン挽歌風でも
あった。ここで登場するエリックはジョンの
タイプではなく、明らかにポール型なのが
アルバム全体をコジンマリとさせた原因で
あるかもしれない。ポールはまだジョンの
死から自由になりきれていなかったのだ。
ではこの時期のポールに欠けていたもの
とは何だろう?私は「切実さ」ではないか
と思う。確かに「軽さ」はポールやロックン・
ロールの魅力の一つでもある。しかし彼が
築いてきたロックとロックン・ロールの差は
「切実さ」の度合い、深さであったと思う。
ポールは3度目のソロ・スタートとして自分
の特徴である「甘さ」を全面に押し出そうと
しそれが「軽さ」に甘んじてしまったのだ。
07/03札幌
プレ
ステイジ
ギャラリー
企画展『Art Jam Sapporo-T』
ダム・ダンライ、若山象風、山田修司
長内さゆみ、早川純子、鈴木康など
市内6ギャラリー持ち寄り。流通の回路。
11/03
秩父別町
芸術祭
リサイクル
ブック
にて無料
奥浩平『青春の墓標
ある学生活動家の愛と死』
奥紳平「まえがき」&「あとがき」
北小路敏「学生運動の潮流と課題」
初版単行本は1965年10月
文庫版(1974.8.25 文藝春秋)\360
文庫版カバー;佐々木マキ
政治的自殺とは1965年の奥浩平、
それから20年後の中川一郎、さらに20
年後の畠山裕二、か。それぞれまったく
違う環境と理由であるが、共通するのは
ある種の滑稽さを含んだロマンチズム。
それでも重要なのは、自殺は結果的に
メッセージとなり、語られることにより、
それ自体がメディアとなる点だ。安易な
ロマンチズムは新しい権力を生んでしま
い「政治的自殺」は二重の意味で「政治
的自殺」となってしまう。そこから自由に
なることが政治的自殺最大のメッセージ
であることを確認しておく必要がある。
07/03札幌
ギャラリー
どらーる
個展『木嶋 良治 展』
私は木嶋の絵を見ると怖くなる。反射神経
のように発露される感情の「怖さ」の理由を後
追いで説明できないものだろうか。例えて言う
ならば、高層ビルの非常階段の冷たく暗い
踊り場に一人で立ち尽くしている感覚であろ
うか。それは木嶋の絵が過激なまでに空間を
描こうとしている姿勢から私が得る愚かな疎
外感なのかもしれない。これほど広大な世界
を描いた絵を見て、なぜ密室的な疎外感を
私は感じてしまうのだろうか?陳腐な言い方
で恐縮だが、結局は誰もが宇宙の孤児なの
ではないのか、と感じてしまうからだ。世の中
には空だけとか、海だけを描いた絵も多いが
彼はそこに建築物を巧みな構図で配置する
ことによって、孤独すら感じさせてしまう永遠
の広がりを表現しえた。彼の典型的な作品の
「凍る海」(100号、2003年)には大きな画面
を上下に区切る線のように、横一文字に建築
物のゴツゴツしたマチエールが横に伸び、そ
の上下にマチエールを殺したフラットな空と
海(または雪か氷)が中央のバニシング・ポイ
ントを挟んで、二種類の「青」となって天地に
広がってゆく。単純化した構図ではあるが、
良く見ると中央の建築物に細い筆で描かれ
た細い電柱がリズミカルに並んでおり、具象
のリアリズムを支えている。そういった工夫が
いたるところに点在しており、画家の辿り着い
た過激な空間主義が一朝一夕ではないこと
を教えてくれる。このマチエール主義と反マ
チエール主義の奇妙な同居が極端な構図を
採用することにより、針の上のダンスのような
美しいバランスを獲得しているのだ。建築物
に象徴されるゴツゴツした肌触りへの作家の
興味が爆発しているのが、「水」(60号)だ。
彼の典型的な作品が画面の上下に天地が
分かれているのに対して、ここでは画面上部
に荒い肌触りの建築物が画面からはみ出し
ながらそびえ立ち、半分下が水に建築物の
黒い映像を映し出している。ここで見れるの
は「凍る海」のような作品の天と地の間にある
分水嶺のような建築物の部分の拡大図のよう
でもある。なんだかいつも気になる幽かな線
のような建築物の秘密を拡大してのぞき見る
ようでもある。ここで私が気になるのは、この
作品のタイトルはなぜ「海」や「川」や「運河」
ではなく「水」なのか?という点である。ここに
作家の物語性を拒否する即物性(=唯物性
?)を私は感じる。近年ブームであった廃墟
への興味にも似た建物そのものへの偏愛を
感じるのだ。ただし木嶋と廃墟ブームの決定
的な違いは木嶋が物語性と情緒を拒否して
いる点だ。まるで、それらが芸術とは無縁で
あると宣言しているかのように、木嶋の絵には
常に過剰な物語性の代わりに過剰な空間が
あり、過剰な情緒の代わりに過剰な建築物の
肌触りがある。そのポイントが徹底した構図
へのこだわりなのであろう。「夏・教会」(6号)
の画面の右端に、薄く部分が屹立している
教会を見つける時、もうすでに我々は木嶋の
嗜好の奴隷になっている。この薄い教会の
必然性が絵を見る快楽と共に我々に迫ってく
る。そしてそこに細い十字架を見つけた時に
は、構図の絶対性を確信してしまうのだ。もし
かすると、それは自分の感覚を木嶋に先回り
されたショックの裏返しなのかもしれない。
それが私がこの駄文の冒頭に吐露した「怖」
のイメージである。人間は本当に新鮮なもの
に出会った時に自己の持つ価値基準を入れ
替えなければならないので、「怖い」と感じる
のであろう。ただそれを「新鮮」と凡庸に言い
たくはないし、「畏怖」と呼ぶには希望に溢
れているし、ましてや「恐怖」などではない。
誰もがエレベーターを使う高層ビルにでも、
ひっそりとした寡黙な腸のように非常階段が
準備されている。エレベーターと平行して
存在している非常階段の踊り場は何階でも
なくただ永遠のように上階があり下階が続い
ている。踊り場の侵入者が「怖い」と感じるの
は空間という無限の存在を自覚したからだ。
ポール・ギャリコ、訳;矢川澄子
『雪のひとひら』
3刷(1975.11.5 新潮社)\600
カット;深澤幸雄
矢川澄子もまた自殺者だ。繊細な訳
が身の上の彼女だが、そもそも翻訳とい
う行為そのものが、繊細な作業である。
評論家になることと、翻訳家になることと
いうことは違う理由であろうが、実作者に
なる行為とは違った複雑さが潜んでいる
と思う。その両方に詩人が多いのも偶然
ではあるまい。この作品も、自然界への
奥深い視線があってこその作と訳だ。
ばばこういち
『戦後日本をダメにした100人』
奥紳平「まえがき」&「あとがき」
初版(1976.3.25 山手書房)\680
裏カバー対談;矢崎泰久&中山千夏
カバーデザイン;中村泰充
イラスト;安岡明夫
かつてのベストセラーをこうして初版
かつ無料で入手する不思議さ(笑)。私
は20年前に早稲田マスコミ塾で著者の
講義を受けているが、分りやすい熱血漢
であり、左翼シンパでもあった。それは、
この本の編集が優れている点に集約で
きる。つまり、この本は表紙だけで役割
を果たしているのだ。それ以上の行動や
意味につながらなかった点が弱点だ。
藤本義一『スペインからの手紙』
初版(1977.6.25 集英社)\780
写真;佐伯泰英
装丁;神 八郎
大衆短編作家の彼が最もノッテいた
時期の短編集。出版社も集英社というの
もテレビ『11PM』と雑誌『プレイボーイ』
のコラボっぽくて70年代なのである。文も
関西のノリと、時代感覚溢れる固有名詞
が生き生きとスピーディに描かれてる。
Paul McCartney /ポール・マッカートニー
『Flaming pie / フレイミング・パイ』
(1997.5.17 東芝EMI)
Producers
Paul McCartney,Jeff Lynne,
George Martin
Engineers
Geoff Emerick,Jon Jacobs,
Bob Kaushaar,Peter Cobbin
Assistant Engineers
Ken Smith, Geoff Foster,
Flank Farrell,Paul Hicks
Musicians:
Paul McCartney(vo,g,doubie.b,ds,piano,
harmonium,percussion,hammond organ,
12 string acoustic.g,spanish.g)
Linda McCartney(harmony.vo)
Jeff Lynne(harmony vo,backing.vo,g,key)
James McCartney(e.g)
Steve Miller(harmony.vo backing.vo,g)
Ringo Starr(ds,backing.vo,percussion)
定価\2548→中古\300
なんと私は、ポール・マッカートニーの
アルバムをこの3日間で3枚も買ったことに
なる。中古CD屋での偶然の出会いとは言
え、中学生の時にお小遣いをためて待ち
に待って『ビーナス・アンド・マース』を買
った時と比べればまさに隔世の感である。
しかし1979年の『Back to the egg』のダメ
さを擁護している内は良かったが1986年
の『Press to Play』で、がくっ。なんじゃあ、
コレは?やっぱ、ポールは過去の人か。
と、思って時間つぶしのように聴きだした
このアルバムであったが、これがスゲェー
名盤である。ごめんね、ポール。君はやっ
ぱりスゴイよ。しかし、かと言って世間が彼
にいつも求めている『アビィ・ロード』B面
や『バンド・オン・ザ・ラン』のようなポップス
の王道オペラ・ストーリーではなく、どちら
かと言うと地味である。しかし、ここでの彼
には「凄み」がある。そうか、ポールはアコ
ースティック・ギターでロックをこういう風に
やりたかったのか!と私は感動すらした。
歌詞もいい。リンゴ・スターや息子の参加
がプレス向きの話題だろうが、そんなもの
が無くても充分に完璧なアルバムなのだ。
このアルバムを聴いて私が思い出したの
は、ポール・ウェラーが2000年に発表した
アルバム『ヒーリオセントリック』だ。両者に
共通するのは、アメリカで生れたロックン・
ロールがイギリスに渡り、集団で踊る音楽
から、極めて個人的な内省を吐露しつつ
もアンプによってゆがめながら拡大しつつ
普遍化をさぐる音楽に変化した最良の姿
の現在形であるという点である。1980年に
ジョン・レノンの死を体験したポールが、揺
れながらもようやくこのアルバムに辿りつけ
たのは大掛かりなプロジェクト『ビートルズ
アンソロジー』があったからだろう。それを
原点回帰と美しく終わらせない力強さすら
感じさせてくれるこのアルバムは名盤だ。
筒井康隆『馬の首風雲録』
初出;雑誌『SFマガジン』1966年9月号
初版(1977.9.15 文藝春秋)\980
装幀;新井苑子
ばばこういちが昭和8年生れ、筒井が
昭和9年生れ。不器用さの差はあれ反
権力の根っ子に有る少年としての戦争
体験には共通する闇がある。この本が、
初出から10年を経なくては単行本化さ
れなかったことにも当時の事情があるの
かもしれない。連載時に、筒井の最初の
子供が死んだことも意味の重層がある。
丸山健二『水に映す 12の短編集』
初版(1978.1.30 文藝春秋)\1200
cover;Horst Janssen 1978
雑誌『文学界』1977年に一年間書か
れた。長編へのリハビリであり、実験の
場でもあった。そして、それは成功した。
吉行淳之介対談集
『拒絶反応について』
対談相手;河野多恵子、丸谷才一、
古井由吉、加山又造、田村隆一、
平岡篤頼、和田芳恵、飯島耕一
初版(1978.4.25 潮出版)\980
写真;秋山庄太郎
装幀;熊谷博人
魅力的な対談相手である。しかも今
は死んだり大御所になったりしている人
の若い時の言葉が読めて面白い。それ
も吉行の人柄と才能か?文学読本だ。
07/03札幌
Sapporo
Cinema
Frontier
映画『THE HUMAN STAIN/白いカラス』
監督:ロバート・ベントン
出演:ニコール・キッドマン、エド・ハリス、
アンソニー・ホプキンス、ゲイリー・シニーズ
原作:「ヒューマン・ステイン」フィリップ・ロス
製作:2003年、米国
またしてもニコール・キッドマン!美味しい
役をとり過ぎ!キャサリン・ゼタ=ジョーンズも
怒るわなぁ。でも、この役すらキャサリンには
無理。しかしせっかくのロスの原作が薄味に
なってしまったのはもしかしたらキッドマンの
過密なるスケジュールと貪欲な脚本消化欲
が原因であるかもしれない。もしそうであった
としたら手遅れになる前にキッドマンは仕事
をセーブするべきではないのか?密度の濃
い仕事を連続してきた彼女であるからこその
苦言(?)ですが。又、この映画が期待以下
になってしまった他の理由は、映画の宣伝と
告知の段階からユダヤ人教授が実は黒人で
あるという物語最大のドンデンガエシを公言
してしまっているから。最初から物語が分って
いるのであれば古典落語のように俳優「芸」
を味わう方向に興味は行くのであるが確かに
主な4人の「芸」は素晴らしい。しかしそれを
生かしきった脚本と演出であったかと言うと、
疑問だ。例えば後半の作家の役割の部分の
ボリュームをもっと多くとって、謎解きの興味を
引っ張るという方法もあったかもしれない。もし
それが、キッドマンの出演場面が減るという
理由でカットされたのなら映画の神も嘆く。
小林信彦『ドジリーヌ姫の優雅な冒険』
初版(1978.7.25 文藝春秋)\880
装釘;平野甲賀
画;小林泰彦
ダサイ題である。ギャグも今読んでは
笑えない。しかし、雑誌『クロワッサン』の
創刊当時の連載ということで、料理方法
を取り入れた小説という案は面白い。
展覧会図録『形象のソリスト 久保守展』
寄稿;久保守、桑原住雄、鈴木正實
初版(1986 北海道立近代美術館)
憎たらしいほど、ソツない絵である。
これをモダニズムと呼ぶのだろうか?私
にとっては、破綻が無さ過ぎて退屈だ。
むしろ興味を持つのは彼の父が徳島県
出身の野幌煉瓦の経営者であり、兄が
左翼劇作家の栄であるということ。偶然、
今は野幌煉瓦は沼田町で、私は久保。
森澄雄『藤田湘子監修
花神コレクション〔俳句〕 森澄雄』
収録;『雪櫟』(全)、自選500句
解説;丸谷才一、川崎展宏
初版(1992.8.25 花神社)\1500
装釘;熊谷博人
巻末に「季題別索引」があり、俳句を
志す者に親切。しかし、最も安易に創作
できる文学としての俳句の巨大さを示す
本でもある。年表によれば、1919年生れ
の森は長崎高等商業学校の一年先輩
に島尾敏雄がいて、九州帝国大学法文
学部の後輩に庄野潤三がいたそうだ。
Tin Machine / ティン・マシーン
『Tin Machine U / ティン・マシーンU』
(1991.9.4 ビクター)
Producer;Tin Machine and Tim Palmer
Musicians;
David Bowie(vo,rhythm.g,p,sax)
Reeves Gabrels(g,backing vo,vibrators,
drano and organ)
Hunt Sales(drums,percussion,
lead and backing vo)
Tony Sales(bass,backing vo)
定価\2500→中古\300
それにしても、あのティン・マシーンって
何だったんだ?と、10年以上過ぎた今で
もワケが分んない。が、あのくだらない'80
年代ボウイの零落をリセットするためには
どうしても必要な踊り場であったのだろう。
前作でジョン・レノン「労働者階級の英雄」
とゆーオキテ破りな(?)カバーをしたのだ
が、今回はロキシー・ミュージックの1ST
アルバムに入っている「イフ・ゼア・イズ・
サムシング」だ。う〜む。ボウイがバンドを
やりたかった理由が分からないでもない
ヒントになる選曲である。しかし1972年の
オリジナルの変態レゲエ風(?)の方が、
めちゃくちゃすぎて名曲&名演であるの
には変わりは無く、ボウイは20年経って、
ブライアン・フェリーに負けたのか?いや
それも&これも、ボウイの「純情」なのだ。
このアルバム収録の「ユー・ビロング・イン
ロックン・ロール」などは「ロックン・ロール
の自殺者」の20年後みたいだし。とにかく
これでボウイはリセットできたのだし、曲の
アンサンブルの妙を技術的に身に付けた
のもバンド経験が生きているだろう。つまり
今、再びデビッド・ボウイは、かっこいい。
07/11札幌
シネマ11
映画『69 sixty nine』
監督;李相日(リ・サンイル、1974年生れ)
脚本;宮藤官九郎(1970年生れ)
原作;村上龍(1952年生れ)
出演;妻夫木聡、安藤政信、太田莉菜、
嶋田久作、柴田恭兵、岸部一徳
『ウォーターボーイズ』のように、テレビでの
連続モノになったらいいなぁ〜。日本映画も
旬の動きができる環境になってきた予感。
07/18札幌
大同
ギャラリー
個展『金 宗泰(キム・チョンテ)染織絵展』
韓国で、最も注目されているテキスタル・
アーティストの日本初個展。予定調和過ぎ
る。同じ色使いなら吉田直樹の方が魅力。
展覧会図録『ニコラ・ド・スタール展』
寄稿;ジャン=ルイ・プラット、
ジェルマン・ヴィアット、太田泰人
初版(1993 東京新聞)
10年以上も前に東京、神奈川、広島
にて開かれた認知度の低い画家の図録
がなぜ秩父別町にあるのか不思議だが
とても面白い画家である。1914年ロシア
の名門貴族に生れたが革命で亡命し、
フランスで画家として1955年に41歳で
自殺している。両義性を帯びた人生に
符号するかのように画風も、具象と抽象
の両面を同時に満足させる。原色を多
用した美しいカラー・バランスも現代的。
07/18札幌
蠍座
映画『花とアリス』(2004年/ビスタサイズ)
監督・脚本・音楽;岩井俊二
出演;鈴木杏、蒼井優、郭智博、相田翔子
脚本が上手い。おとぎ話のような神話?
07/19札幌
シネマ11
映画『Spider-man 2 / スパイダーマン2』
監督;サム・ライミ
出演;トビー・マグワイア、
キルステン・ダンスト、アルフレッド・モリーナ
観客との「痛み」の共有が娯楽の方法論。
07/19沼田
沼田
町民会館
講演会『寺島 実郎
ネタは去年からの使いまわしの「1.中国の
重要性、2.アカデミズムとの連携」。私には、
新鮮味は無いが、イナカには時には愚直な
意見に立ち止まって耳を傾ける必要がある。
青木玉『こぼれ種』
初版(2000.6.25 新潮社)\1890
カバーの布地提供;吉岡幸雄
写真;野中昭夫
どんどん脱線するエッセイなのだが、
カラーは一色。恐れ入る。カラー写真も
満載の豪華本が本屋で毎回、平積みな
のだから、こーゆージャンルには確実な
マーケットがあるのだ。それにしても、母
(幸田文)と祖父(幸田露伴)の恩恵だ。
07/25札幌
さいとう
ギャラリー
企画展『’04夏まつり 海展』 64作家参加
坂本順子、前川アキ、波田浩司、藤本和彦
賑やかな祭り。大胆さがもっとあって良い。
08/06旭川
北海道立
旭川
美術館
展覧会『石山寺と紫式部
華麗なる大和絵の世界 源氏物語1000年』
出品;土佐光祐、鴨祐為、松尾芭蕉ら68品
物語が、固定したイメージを量産した謎。
12/17札幌
セコンズ
平岸店
Peter, Paul and Mary
/ ピーター・ポール&マリー
『Peter, Paul and Mary
/ ピーター・ポール&マリー(P.P&M.)T』
レモン・ツリーに、奇妙な果実を吊るせ。
(1962.5 ワーナー・ブラザーズ 1990盤)
ピーター・ヤーロー(vo,g)
ポール・ストゥーキー(vo,g)
マリー・トラヴァーズ(vo)
定価\2280→中古\1380
今さらながだが、知っている曲ばかり。
でも、ちゃんと受け止めてこななかった。
そーゆーコトって多い。たとえば、私の
場合、若い頃に夢中になったRCサクセ
ションやストリート・スライダースについて
いつかきちんと書いておきたい。そして、
同時に魅力を受け止められなかった多く
のことを、これからの時間を使って受け止
めていきたいと思う年末の日々。それに
しても改めてビートニクとフォークの接点
&切り替えし点を確認した。アゴひげと、
細身のネクタイ年上のブロンド女。オトナ
が可能性を持つことができた時代。同じ
1962年にはボブ・ディラン、ビートルズ、
ビーチボーイズがデビューし、久保元宏
が生れている(がくっ)という実りの季節。
ニューヨークのコーヒー・ハウスの伝統は
今はどんな風に受け継がれているのか?
常設展『人間像-ひとの心とかたち』
出品;因藤壽、神田比呂子、船越桂ら21品
高橋三加子の油絵の筆さばきが良い。
11/06札幌
セコンズ
平岸店
ムック『KAWADE夢ムック 文藝別冊
[総特集] カザルス
バッハ没後250年記念
PABLO CASALS on BACH』
初版(200.10.5 河出書房新社)
編集;西口徹
装幀;渡辺和雄
アートディレクター;岩瀬聡
定価\1200→古本\600

●アルバム
「カザルスの軌跡 1876-1973」
伊勢英子(文・絵写真)「カザルス紀行」
伊勢本人が奇跡的なクロスロードを
通過してきた画家。彼女を巻頭に持っ
てきた編集は大成功である。「チェロを
弾く人の姿は、私には人が自分の影を
抱きしめているようにみえてならない。」
という文は印象的。画家の想像力か?

●エッセイ
粟津則雄、吉田秀和、村上陽一郎、
森内俊雄、長谷川陽子、小池昌代、
遠山一行
こうして新旧の批評を読むと圧倒的に
吉田秀和のレベルの高さが分る。他は、
カザルスの有名な3つの特徴の繰り返し
に常套句で装飾しているだけだ。特に
森内俊雄がヒドイ。吉田は小林秀雄を
超えた・かも。

●特別インタビュー
平井丈一郎(聞き手;渡辺和彦)
「わが師カザルスの思い出」

●対談
篠田節子・黒田恭一
「カザルス、チェロ、そしてバッハ」

●アンケート「私のベスト3曲」
上村昇、堤剛、藤森亮一、山崎伸子、
岩崎洸、藤原真理、岩崎淑、
池辺晋一郎

●評論
井上頼豊「カザルスの生涯と芸術」
丸山桂介「バッハ、カザルスと歴史」
大里俊晴「カザルス変奏曲」

●カザルス演奏・指揮 総解説
加藤浩子
「カザルスと無伴奏チェロ組曲
あるいは伝説の再生」
吉村渓「無伴奏チェロ組曲聴き比べ」
大木正純「カザルス・トリオを聴く」
倉林靖
「『大公』と戦後のトリオ演奏
カザルス、
ロマン・ロラン、ベートーヴェン」
相澤啓三
「朝の牧歌
ベートーヴェンのチェロ・ソナタ」
奥山梓「ブラームスのチェロ・ソナタ」
浅岡弘和
「弦楽五重奏と六重奏
シューベルト、ブラームスの演奏」
出谷啓
「チェロ協奏曲を聴く
ボッケリーニ、シューマン、
ドヴォルザーク、エルガー…」
石田一志
「カザルスのチェロ小品集鑑賞」
千葉文夫「鳥の歌、カタルーニャの歌」
伊東乾
「指揮者カザルス
音楽の基盤を組み替えるとき」

●インタヴュー
渡辺和彦「カザルスの意味」

●カザルス回想
安藤哲行「ポートレイトの記憶」
あらえびす「カザルス評論集成」
コンドール「パブロ・カザルス」
平井康三郎「パブロ・カザルスの印象」
トルトゥリエ「カザルス」
08/07札幌
シネマ11
映画『キング・アーサー』
製作;ジェリー・ブラッカイマー
監督;アントワン・フークア
出演;クライヴ・オーエン、キーラ・ナイトレイ
『ロード・オブ・リング』+『ラストサムライ』?
08/08札幌
ギャラリー
どらーる
個展『村上陽一 展』
天使ではなく翼。建築ではなく、建築家。
シンメトリーの誘惑が破綻した中間報告書。
08/10深川
mini gallery
うなかが
めーゆの
美術館
個展『宮嶋葉子VS内海真治 展』
トゥーマッチになると美のバランスが崩れ
てしまう弱点がある二人。手法は新しくない
が、本人たちは新しいと思っているのだろう。
その楽天性が良い。それが現代の田舎性。
08/10深川
深川市
アート
ホール
東洲館
個展『存在のリアリティを求めて
第2回 森山 誠展
優れた知性は野性の奴隷である。鋭角な
ストロークは、絶対的な他者との関係性への
イラダチであろう。今、私が最も欲しい作家。
08/14札幌
ギャラリー
たぴお
個展『會田千夏 展』
技術に定評があるが、本人は安住しない
という才能の方をアピール。長生きしてネ。
08/14札幌
芸術の森
美術館
個展『草間彌生展 KUSAMATRIX』 \900
夏休みの子供向け「ビックリ・ハウス」か?
岡本太郎がそうであったように前衛こそ大衆!
08/14札幌
シネマ11
映画『誰も知らない』 深夜料金\1200
羽仁進などの古い手法を新しいセンスで。
08/15札幌
スガイ
シネ
プレックス
映画『茶の味』 モーニング料金\1200
原作・監督・脚本・編集;石井克人
出演;坂野真弥、佐藤貴広、浅野忠信
「お涙頂戴」までも含めたゴッタ煮の真実。
The Kinks / ザ・キンクス
『Something Else by The Kinks
/ サムシング・エルス・バイ・ザ・キンクス』
1964年ロンドンでデビューしたキンクスは、ローリング・ストーズのような華やかな活躍こそないものの、ビートルズによってロックが確立された当初より現在に至るまで活動しつづける、数少ない長寿バンドです。
(1967.9 Pye 1998UK仕様2004.8.25盤)
ボーナス・トラック8曲
Raymond Davis / レイ・デイヴィス(g,vo)
David Davis / デイヴ・デイヴィス(g,vo)
Michael Avory / ミック・エイヴォリー(ds)
Peter Quaife / ピート・クワイフ(b)
定価\1890→中古\1380
このアルバムに入っている曲ばっかりを
BGMに使って青春映画を作ってみたいと
ゆー誘惑が聴く度に盛り上がる。もちろん
1967年6月1日にザ・ビートルズの『サー
ジェント・ペパーズ』が発表されているし、
同月にモンタレー・ポップ・フェスティヴァ
ルも開催されている。時代に乗り切れない
彼らのマヌケさが第三者的には批判と共
に見抜くことができるだろう。しかし彼らや
スモール・フェイセスなどの周辺のバンド
が同時代に熱気を帯びて存在していたの
も事実であるし、彼らの存在と作品が当時
の時代の雰囲気の重要なパーツであった
のは重要な事実である。ポップスやロック
は時代の申し子であるが、こうして時を経
ても意味がある時、彼らの存在意義は別
の大きな意味を附加して普遍化される。
その準備をしていたかのような名曲がこの
アルバム内の最重要曲「ウォータールー・
サンセット」なのだ。まだ23歳のロッカーが
ここまで老成した奇蹟の曲を作ったのだ。
このアルバム後、彼ら(=とゆーか、レイ・
ディヴィスが、だが)はヒット曲もアルバム
のセールスも無視のコンセプト・アルバム
制作に突入してゆく。私としては、これと
一つ前の『フェイス・トゥ・フェイス』の時期
の音が一番好きなので、この後は聴くの
が辛くなってゆく。しかし映画青年であっ
たレイの創作欲はもっと大きな世界を鷲掴
みにしなければならない業があったのだ。
09/01札幌
ギャラリー
どらーる
個展『川畑 盛邦 展』オープニング・パーティ
人物画である。しかし普通の人物画を描く
画家とは、まったく違う興味で描かれている。
じっと絵を見ているとまるで騙し絵に隠されて
いる人物を探し出すかのように、画面から人
の存在がいくつも浮かび上がってくる。まるで
日常の風景に潜んでいる幽霊の姿が見え出
すかのようだ。または、目の前の人間が霞み
だして、風景に溶け込んでゆくかのようだ。
その境目のバニシング・ポイントを描き留めた
作品群なのだが、そのあわいの世界に漂う
半透明の存在が人物でなければならなかっ
た点に作者の興味の中心が潜んでいるので
あろう。たとえば、人物ではなくて、静物でも
建築物でも動物であっても良かったはずであ
る。人物とそれらとの最も大きな差異は表情
を持っているかどうかである。しかし、川畑は
人物の最大の特徴である表情を描かない。
また、普通の場合に画家が人物画を描きた
くなる衝動を準備するのは、魅力的な顔や
ポーズである。それらをまとめて、「表情」と
呼んでも良い。しかしやはり川畑の描く人物
からはストイックなまでに表情が削り取られ
ている。私の言う意味は具象の人物画が、
茫洋とした曲線の抽象化や図形化によって
表情が無くなるというのではない。たとえば油
の上に鉛筆の線で描かれる顔や手の指には
高水準の描写技術が披露されている。その
描写でさえ表情が目的なのではなく、ガスに
なって消え行く幽霊の存在証明として必然
のために選ばれた技法としか思えない。人
物でなければならなかった理由を探るヒント
が絵の題。作品はほとんどが「風景03-2」の
ように、「風景」と日付の組み合わせである。
人物画の題を「風景」とすることにこだわった
点に、作者の強烈なメッセージがある。だれ
もが倦怠期の中年夫婦のイイワケのように、
人間を「(アタリマエの)空気のような存在」に
感じることがあるだろう。満員電車から吐き
出される群集に表情を捜す趣味を持つ者は
いないだろう。しかし、川畑が立ち上るガスの
ような人物を愉楽を持った配置で描き並べた
時、そこに彼が小さな円を描けば求道的に
見えるし、そこに彼が三角形を描けば人類の
愚かさと知恵と希望を同時に、複雑に象徴し
ているピラミッドに見えてくる。人物の表情を
削り去った時に見えてくる「風景」が、大きな
表情を持って私たちに音楽を差し出すのだ。
Mew / ミュー
『Frengers / フレンジャーズ』
ミューのデビュー・アルバム!
(2003.4.23 Epic 日本盤)
ボーナス・トラック2曲
Jonas Bjerre / ヨーナス(g,vo)
Bo Madsen / ボー(g)
Johan Wohlert / ヨハン(b)
Silas Graae / スィラス(ds)
定価\1995→中古\1580
新人バンド、しかも音は一度も聴いてい
ない。そんなアルバムを私が買うのは初め
てかもしれない。だから、なぜ買ったのか
という問いが重要なのかもしれない。こん
な買い方は、アトミック・スィング以来だ。
しかも、同様に当たりだった。自分の嗅覚
を自慢するよりも、ロック雑誌の短評の文
が内包しちまった説得力、もしくはそのよう
に書かせる力を持った音にドキリとさせら
れる。単純そうだが、微妙に過剰な歌詞
がデビュー・アルバム独特の情報量の濃
さを感じさせてくれる。アトミック・スィング
はどんどん薄味になってしまったが、この
バンドはどうだろうか?映像への高レベル
の興味など、優れて21世紀的である点と
安易なメンバー・チェンジを拒みそうな力
が発揮する跳躍を期待させる。深く響いて
くるエコーはU2やレィディオ・ヘッドなどの
フォロワーなのだろうか?それであっても、
充分に王道路線である。聴き込みたい。
09/05札幌
ギャラリー
門馬
ANEX
個展『坂本 順子展 −彼女の領域−』
幅1.4m、奥行き14mの細長い展示室が、
彼女の領域なの?四角い箱に閉じ込めると
彼女の領域は「芸術」になるの?自分自身を
「彼女」と三人称で呼ぶ行為が生む多面性。
古雑誌『STUDIO VOICE』
2001年7月号 Vol.307 初版
(2001.6.6 月刊 INFAS)
定価\680→古本\840
出版された当時「古本屋に出回って
安くなってから買おう。」と思っていたが
なんと高くなっていた!がくっ。当時、
私はニューヨークから帰国したばかりで
この雑誌がブッシュ大統領当選に合わ
せたかのように、それへアンチを明らか
にかつ声高にレイアウトも含めて叫んで
モロ左翼的な(=しかも音楽で!)企画
をしたことにコミットメントの積極性を感じ
とれ、カッコヨク思ったものだ。そして今、
ブッシュ再選直後に読んでも面白い!

●FIRST IMPRESSION REBORN
コア・オブ・ソウル 写真;KAZ
ストーム・トーガソン 写真;富岡修二

●BAD INTERVIEW
ストーム・トーガソン
文;山下めぐみ 写真;富岡修二

●特集
レヴォリューション・ポップ
音楽による世界解放宣言!

大友良英
「リスニング・ポイントの爆心地」
座談会
「ポップ・オブ・レヴォリューション」
  上野俊哉×酒井隆史
×野々村文宏×三田格×野田努
近藤康太郎「ジェロ・ビアフラの証言」
中原昌也「アレク・エムパイアの証言」

三田格/唐沢真佐子
「アレク・エムパイアを巡る
ディスコグラフィ」

野々村文宏
「パンク→ニューウェーヴ
→オルタナティヴの世界史」

大鷹俊一
「パンク→ニューウェーヴ
→オルタナティヴ/ディスコグラフィ」

インタヴュー・文;三田格
写真;澤野泰利
「アラン・マッギー インタヴュー」

野田努「モーターシティ・マッドネス」

ミュージック・アンド・ウォー
インタヴュー・文;石田昌隆
「アダム・ヤウク インタヴュー」
大鷹俊一
「フェスティヴァルにみる政治性の変遷」

野々村文宏
「カンタベリー全史からレコメンデッドへ」
小山哲人、坂本理
「オルター・ポップ/ディスコグラフィ」

野田努
「英国とクリミナル・ジャスティス・アクト」
鈴木慎一郎「ダブ・ディアスポラ」

水越真紀「ナップスターとチャック・D」
田野孝治「ノイズの政治的変遷」

岸野雄一「フランク・ザッパの政治学」

湯浅学
「アンダーグラウンド・ディアスポラ」
平井玄「ジャパニーズ・ディアスポラ」

竹田賢一「ラディカル・ジューイッシュ」

レヴォリューション・ポップ
・ディスコグラフィ
 酒井隆史、渋谷望「ヒップ・ホップ」
 原雅明「エレクトロニカ」
 東琢磨「ワールド・ミュージック」
 宮田信「USマージナル」
 根本敬「ソウル/ファンク」
 渡辺亨「女性」
 志田歩「日本」
 木村重樹「レイヴ/アウタースペース」

三田格、水越真紀
「新書版から読む音楽の背景」

●VOICE OF VOICE カフェデフレ
城戸健「ダマシ系カフェ?」
関口泰正
「あるすこやかな
日常の強さにうたれて」
橋本徹「"カフェビル"にて思うこと。」
岩城京子「ストップ・ザ・ドギマギ」

●SV MUSIC SCENERY
シオン
DANCE ME
TO THE END OF THE SONG
文;土佐有明

The Song Pour Into The Garden
yaeの詩情と躍動
写真;エリック・ノソボ

"DEAD AHEAD" KING BROTHERS
写真;金子亜矢子

SATTELITE SONGS
from 新居昭乃『鉱石ラジオ』

「Changing The Same Thing」Vol.1
GOING UNDER GROUND
写真;川内倫子

●SV ART
FASHION PHOTO
マーク・ジェイコブス×ユルゲン・テラー
評論;上原裕子
「未完成であるがゆえの自由」

ART SPACE
有馬かおる
評論;松井みどり
「犬山への道―有馬かおるの世界」

●SV CUT UP
BOOKS
村山敏勝
「スティーヴ・エリクソン
『真夜中に海がやってきた』」
パルコキノシタ
「岡本太郎『リリカルな肖像』」
左内正史『message』
相原コージ
『相原コージのなにがオモロイの?』
奥泉光『鳥類学者のファンタジア』
中ザワヒデキ『西洋画人列伝』
スーザン・ソンタグ『火山に恋して』
ヤン・シュヴァンクマイエル
『シュヴァンクマイエルの博物館』

PLAY
桂真菜
「ピーター・ブルック
『ハムレットの悲劇』」
ペンギンプルペイルパイルズ
『ワーク・イン・タイムマシン』
ラーメンズ『鯨』

FILMS
大場正明
「クリストファー・マックァリー『誘拐犯』」
川本ケン「富樫森『非・バランス』」
阿部曜
「三池崇史『天国から来た男たち』」
石丸元章
「ダーレン・アロノフスキー
『レクイエム・フォー・ドリーム』」
『ギフト』
『シネマGOラウンド!』
『RUSH!』
『クレーヴの奥方』
『ニューイヤーズデイ』
町山智浩「北米映画封切リ促進ノ会」

ART
住吉智恵「『イメージの首飾り』」
嘉藤笑子「『アートクロッシング』」
『R111』
『オプ・トランス!』
『子どもたちの100の言葉』

MULTI-MEDIA
永瀬唯「りんたろう『メトロポリス』」
後藤勝
「『グランツーリスモ3』
&『iモードでいっしょ』」

DESIGN
矢吹武「『バックミンスター・フラー展』」
『MEKOOR』
『ジェフ・マクフェトリッジ作品展』

MUSIC
岸野雄一「蘇るアイヴァース」
湯浅学「ギター・ポリティシャン」
09/05札幌
札幌彫刻
美術館
企画展『北の彫刻展2004−新しい具象−』
伊藤三千代「私と石と意志」(2004、大理石)
神話になる手前のメルヘン。作家の人柄?
岡部亮「丘(歯)」「姉妹(乳歯)」(2004、木)
高村光太郎と比べれば彫刻でなく模型。
笠原昌子「蛹U」(2004、石膏)
本展は男より若い女性が素晴らしかった。
川上加奈「交響曲第5番」(2004、乾漆)
過去の名作を連想させるが独自の境地。
椎名澄子「輪生」(2004、テラコッタ)
女性作家に共通する文学性の最高峰。
野又圭司「ポストモダン スラム」(2004、木)
気持ちは分るが古臭い。咀嚼が必要だ。
野村裕之「幸福の背中−死霊」(2002、岩)
埴谷雄高の題だがウンコに見えた。失礼。
伴翼「あかり−@」(2003、大理石、真鍮)
意識の余裕がありすぎるのではないか?
常設展『本郷新記念館』彫刻651点絵762点
いつか同じ作品が新しくなって再会する。
09/05札幌
大丸
札幌店
7階ホール
写真展『GEOマガジン 動物写真展』
動物が好きな人は多い。ただし動物を見
て「かわいい」と思うのは、彼らが擬人的行為
をした時ではないだろうか。動物本来でなく。
09/12深川
mini gallery
うなかが
めーゆの
美術館
個展『富田知子 展』
正月にギャラリーどらーるで観た「羽ある」
のようなロマンの匂いは新作からは消えて、
反(アンチ)ロマン風な抽象画が多かった。
変化していく女性作家に同時代性を感じる。
12/18札幌
Book
off
札幌
南1条店
MC5
『Kick Out The Jams
/ キック・アウト・ザ・ジャムズ』
1968年10月30日、31日にデトロイトグランデ・ボールルームで行われたライヴを収録したデビューアルバム。政治的過激派集団ホワイト・パンサー党のジョン・シンクレアとつるみ、MC5が最もラディカルで攻撃的な活動を行っていた時期のアルバムだ。
(1968.10.30,31のライヴを収録
デトロイトのグランデ・ボールルームにて
1969.2 Elektra、1991.1.25日本盤CD)
Wayne Kramer / ウェイン・クレーマー(g)
Wayne Kramer(g)
Wayne Kramer(g) Star?
Michael Davis / マイケル・ディヴィス(b)
Michal Davis (b)
Rob Tyner / ロブ・タイナー(vo)
Rob Tyner(vo) テンション高すぎっ!
Dennis Thompson /デニス・トンプソン(ds)
Dennis Thompson /デニス・トンプソン(ds)
Fred Smith / フレッド・スミス(g)
Fred Smith
Mc5 悪そうだなぁ〜。
定価\1995→中古\1320
化粧品みたいなバンド名なので今イチ
聴く気は盛り上がらなかったが、なんせ、
ギターのフレッド・スミスはパティ・スミスと
1980年に結婚しているし、興味はあった。
Fred★patti smith, fred smith, w/ mc5 t-shirt, 1978
中古CD屋で見つけた時にはコレクション
の一つぐらいにしか感じないで買ったのだ
が、聴いてみてびっくりだ。1968年だろ?
信じられない。当時のブラインド・フェイス
などのライブよりもブッ飛んでいる。これぞ
ロック。しかも、ホワイト・パンサー党首の、
ジョン・シンクレアが彼らのマネージャー
ジョン・シンクレアが彼らのマネージャー.
であったという当時の政治状況の中心に
デビュー前のロック・バンドが存在してい
たという事実が私を興奮させる。特に60年
代のアメリカで最も重要な政治事件1968
年8月のシカゴでの民主党大会での警察
による大流血事件の現場でMC5は、演奏
しているのだ。知らなかった。頭脳警察も
びっくり。そこにMC5を連れて行ったのが
ジョン・シンクレアであるというのもすごい。
ロックが政治に有効であると見抜いた初め
ての思想化がシンクレアなのかもしれない
なぁ。ジョン・レノンは後にシンクレアの曲
を作るが、このMC5のデビュー・アルバム
には「カム・トゥギャザー」と「アイ・ウォント・
ユー」という曲があるが、ビートルズ最後の
アルバム『アビー・ロード』に、レノンによる
同名異曲がある。これは偶然ではないだ
ろう。とにかく、このテンション。バンドの音
が有機的にからみあうスピード感あふれる
グルーブも純粋にロックとしてすごい。この
土地、デトロイトはストゥージズも出身地で
あるし、愛と平和のサンフランシスコとは、
まったく違う、血と革命のデトロイト・ロック・
シティであったわけだ。つーコトはキッス
のメンバーもこのライブに聴きに来ていた
可能性もあるなぁ。ジーン・シモンズが、
フランク・ザッパの息子と録音をしているの
もなんだか、それで納得だ。ロックには、
まだまだ私が知らない鉱脈があるんだな。





09/16深川
深川
アート
ホール
東洲館
企画展『第3回 具象の新世紀展』
さすがに、それぞれの世界を構築されて
いる方々ばかりで圧倒された。無理に共通
項を探せば、「物語性」か?全体的な印象を
ひと言で言えば、「ドイツ的=種村季弘的」。
矢元政行
幽玄なパノラマは大胆なほどドキリ効果。
吉川聡子
籐椅子に寝た女性の曲線と鳥が魅力的。
伊藤光悦
静謐な空間が目を無口にさせる技術力。
森山誠
いつもの激しい部分より平板部分に狂気。
川畑盛邦
どらーるGでの作品よりも有機的な人物。
平向功一
アングルの冒険にどんどんハマルと良い。
個展『幸田尚子展』
大きな作品に魅力は無い。その理由とは?
09/12深川
mini gallery
うなかが
めーゆの
美術館
個展『島津 明美 展』
ダンボールを切り貼りして、平面と立体の
中間のような作品を色を塗らないで仕上げて
いる。ダンボール自体がマチエールを持って
いるのでリズミカル。マンネリ化の甘い罠あり!
10/12深川
mini gallery
うなかが
めーゆの
美術館
個展『北島 裕子 展』
鑑賞者参加型のインスタレーションもあり、
意欲的。パステルカラーの淡い色の組合わ
せは音楽で言えばドヴィッシーか?しかし、
物足りない。色の快楽が色の力に頼りすぎ。
10/24札幌
ギャラリー
どらーる
個展『富田 知子 展』
もはや私(たち)は「成熟」に魅力を感じる
ほど若くは無い。退屈な答えよりも、野蛮な
質問に可能性のヒントを求めようとする。そん
な時、優れた絵画は私の前に野蛮な質問と
して立ちはだかる。記憶の重層が小説である
とすれば、感情の重層が絵画なのだろうか。
しかし残念ながら私には、「記憶」とは何かを
説明することはできるが、「感情」とは何かを
説明する能力は持ち合わせていない。例え
ば『否んだ祈り』(F130)の画面上を右上から
左下に向けて不安定なドロッピング・ラインの
ように引かれた厚みのある細い線。その線は
当然のように漆喰のような絵具で塗り消され、
線の厚みのみが遠い記憶のように印象的に
残されている。ここまでは現代絵画の常套句
なのだろう。ところが、その消された線の右上
のほんの少しの部分のみに、ためらい傷のよ
うな茶色い線がかすかに慎重に引かれつつ
途中でその作業が止められている。いわゆる
「ストロークの快感」があるとすれば、これは
「末端過敏症の病歴」であろう。画家の持つ
野蛮は衝動的に見える大胆な筆さばきだけ
ではなく、どうしようもなく細部にこだわる習性
にも宿っているのだ。このように野蛮は、相反
する方向の力学にも宿っている。画家の孤独
な作業の途中で自らの野蛮に気が付いた時
に、それに対峙する理性を置こうとすれば、
絵画が持つことができる唯一の言葉の場所
は絵の題ということになる。しかしそれは危険
な場所でもある。必要以上に画家の弱味を
見せてしまう場合もあるからだ。富田の場合
は、その危険に無防備に乗る。そもそも先に
あげた『否んだ祈り』という題などは、過剰な
説明をしてしまっている。直線を垂直と水平
に重ねれば十字架になり、それを45度傾斜
させれば否定を意味するバツになる。その
発見こそが富田のパテント(?)である。本来
は相反する概念である「祈り」と「否定」とは、
たったの45度傾斜の差しかない、と言う発見
は強烈に現代的なメッセージを持つのだが
それを題=言葉にしてしまわなければ気が
すまない過剰さが富田の身の上である。だが
こうして弱点になる危険性を犯してでも成熟
よりその手前の偉大なる未完成のまま路上の
店開きを繰り返す作者の意志を感じる。この
ように今回の個展の絵の題は形容詞や副詞
で名詞を説明するパターンが繰り返されてい
る。たとえば、『渇いた領域』(F100)、『渇い
た伝言(翼)』(F100)のように。ポジティヴな
名詞をネガティヴな装飾で別の意味にする
のは初級詩人の好む作業だが、富田の作品
の前で重要なのは、あえて説明に近い題を
選んでいる作者の切なる触媒への強い意思
であろう。そうであるならば、富田は観る者に
何を伝えたいのであろうかという方向へ興味
は動く。富田の作品に登場する魅力的な形
状として、十字架の他に楕円がある。それは
雲なのか、卵なのか、繭なのか。十字架や
×がどんなにそれぞれ固有の方向性で主張
しようとも重力の中での相対に過ぎないという
男性的な社会的存在に対峙するかのように
その楕円は重力にも方向性にも自由に描か
れている。そう気が付いてから『渇いた領域』
を見直すと、画面いっぱいに大きく描かれた
十字架と背景との間にあるいびつな隙間に
ドキリとさせられる。十字も円も外へ向かおう
とする運動が生む形状である。しかし何故、
十字架やバツは死の匂いがするのに、円は
生の可能性を感じさせてくれるのだろうか。
円には外に向かう運動と同時に内側に向かう
運動も内包されているからではないだろうか
と思う。そう考えれば十字架が隙間(=渇い
た領域?)を背負う構図が、富田の選ぶ独特
の色で描かれた時の凄みが理解できるような
気がする。論旨がいきなり図式的になって恐
縮だが、十字架と×が男性社会及び男的な
ものの象徴であるのに対して、楕円が女性的
なものの象徴であると考えてしまいたい。この
楕円は、繭なのだ。繭、つまり生命が育まれ
る場所。または豊潤なスタート・ライン。富田
が少女を描こうと模索していることと同じ作業
である。やや目の吊りあがった硬質な印象の
少女は繭から出てきて十字架とバツが共存
する社会に立たされた存在なのだろうか。絵
に登場するモチーフは、こうして次から次へ
前出のイメージを相対化してゆく。『渇いた
伝言』(F150)ではもはや人間そのものが繭
となり、人間とは卵から生まれた卵なのだと
言う入れ子状態の「希望」が厳しく描かれる。
そこでは十字架すらも繭化しようとしている。
浮かぶ繭は天使なのか?確かに少女と天使
のイメージは、いくつかの既成概念で重ねる
ことができる。しかし富田は微笑む少女を描
かないように、『渇いた伝言(翼)』では脆弱
しきった翼を、死のイメージで描く。こんなに
厳しい画風で翼を描いた画家は、かつてい
ただろうか。つまり、確かに少女も天使も象徴
として描かれてはいるのだが、既成概念の
それではなく富田の独自の象徴であるのだ。
視点を変えて言えば、既成概念をなぞるよう
な誤解を生む絵は排除する必要があったの
かもしれない。ここに至って今回の富田個展
の最重要作品を、私たちは脳裏で反芻する
権利を獲得する。それは個展に飾られない
ことによって、最大の役割を果たす作品『羽
がある』だ。同じギャラリーどらーるの1〜2月
に本展の予告として飾られながら、今回には
合わないと最終段階で展示されなかった絵
だ。春をイメージさせる暖色を背景に繭のよう
な豊潤な腰を持った女性が大きな羽を掲げ
る作品である。とても魅力的な絵なのだが、
観客の期待を先回りした象徴の羅列と見える
かもしれない。今回の『渇いた伝言(翼)』が
その絵と対になって冬をイメージさせると感じ
るのは私の妄想だろうか。展示されなかった
絵がポリフォニーを演出しているのだ。こうし
て偉大なるゆらぎが作家の中から螺旋状に
放出されてゆくのを、「感情の重層」であると
説明するのは薄っぺらであろうか。そのような
ことなど延々と思いつつ、そろそろいつもの
ように私は個展の最後に最も気に入った絵の
前に立ってから会場を去った。それは『作品
No.1』(25×30)。中央の白いしたたりが、繭
のように見えながら、さらに全体が繭の部分
のようにも見える。この絵の記憶を深く自分に
刻み込んで歩き出すのは幸福なことだ。きっ
と作者自身もこれからの自分の目標は完璧
な曲線の繭を描くこと、と感じているのではな
いだろうか。そう思い会場を出て、遠くを歩く
人の輪郭がぼやけて、繭が歩いているように
見えたのは私が二日酔いのせいか?それと
も全ての人が十字架とバツを背負っているの
と同じ理由で、全ての人は再び生まれてゆく
繭であるからなのか?何度でも生まれてゆく
繭には、もはや成熟する必要は無い。
11/21旭川
Book
Big
Box
永山店
松村雄策『リザード・キングの墓』
初版(1989.2.16 ロッキング・オン)
カバー写真撮影;松村雄策
装幀;大石一雄 \1200→古本\630
1977年から、ずーっと私は毎月毎月
雑誌『ロッキング・オン』を買っていた。
それが5年も続くと、永遠に買い続ける
ような気になっていた。しかし私は突然
1986年8月号で買うのを止める。なんで
かなぁーっと今、見てみるとその表紙は
デヴィッド・ボウイだし、特集はジョン・ラ
イドン、さらにストリート・スライダーズが
大きくフィーチャーされいる。んなら私の
好きな路線なんだが。とにかく私が就職
して2年目。ニヒリスティックになっていた
のかもしれないが、ロックにとっての1980
年代は前半はかなり魅力的なのに後半
はツマランかったから1986年8月で私は
ロックを見限ったのか?何にせよ、それ
までロッキング・オン社の出版物は全部
買っていた。だからか、1989年発行の
この本は買っていなかった。でも改めて
読んでみて松村の文才とオリジナリティ
に感心した。実は私は1977年から10年
間、村松の文章を読み続けることで文章
修行をしていたのではないかと思った。
11/06札幌
シネマ11
映画『モーターサイクル・ダイアリーズ』
監督; ウォルター・サレス
原作;エルネスト・チェ・ゲバラ
出演;ガエル・ガルシア・ベルナル
ハリウッド映画的な前半、岩波映画的(?)
後半。それぞれの既知感が、私をシラケさせ
る。しかし、原住民の顔が素晴らしい。彼らの
魅力を伝えたことと、主人公の成長談が無理
なく必然的に重なったことが映画成功理由。
11/07札幌
ラ・ガレリア
3F アート
ホール
個展『生きずく鉄 浅井憲一 作品展』
高度な描写力の表現主義ファンタジー。
最近はドイツ表現主義っぽい絵画が多いが、
さすがに立体は迫力がある。課題は、風景。
11/07札幌
さいとう
ギャラリー
個展『陶のデザイン 渡辺三重 展』
作家性が無いほど、器用に多種の作風。
個展『八子晋嗣 立体彫刻 展』
砂澤ビッキと阿部典英の合体?削りっぱ
なしの荒い木肌の偶然が面白い仏像など。
11/07札幌
大丸藤井
セントラル
スカイ
ホール
個展『佐藤 潤子 個展』
カッコヨクなった原因は黒の「再発見」か?
団体展『第4回 虚心会選抜展』
書道の団体。芳名帳に署名したら「素晴ら
しい。何という流派ですか?」と問われた・笑
11/07札幌
エルエテ
個展『本田征爾 展〜みるくすたー』
パターンを数種類、発見した後が楽しみ。
和田誠 村上春樹
『ポートレイト・イン・ジャズ 2』
初版(2001.4.25 新潮社)
レコード・ジャケット撮影;筒口直弘
\2415→古本\1470
それにしても『2』なんだから、『1』が
売れたんだろーっーたって、村上春樹
なんだからアタリマエか。しかし、よーく
考えてみると地味な企画ではある。より
ロックのほうが売れ線企画ではある。もし
ロックでこの手の企画をするのであれば
小説家とイラストレーターを誰にするか
が企画のポイントだが、私が想像すると
村上龍と吉田カツの組み合せが一番、
提出されそうな案だ。でも私はそれじゃ
買わないだろーなぁ(笑)。じゃあ、誰が
いいかって?そりゃあ、久保元宏と水野
英子の組合せだろう(がくっ)。それにし
ても、村上春樹の褒め言葉は「趣味が
いい」とか「良い意味での棲み分け」とい
った感じなので、こりゃあーロックに使用
しないね。つまり、春樹的という但し書き
付きにせよジャズを聴く文法が分る本。
なぜかコルトレーンを書きたがらないの
だが、どーせ『2』も売れたんだから、次
の『3』では是非書いてもらいたいもの。
AJICO / アジコ『深緑』
UA(v)、浅井健一(g&v)、TOKIE(b&c)椎野恭一(d)からなるバンド。 活動期間わずか一年ほどのバンドだったがアルバム『深緑』に収められている曲はまさにすべてが芸術なのなだと思う。UAというこれほどまでに不思議な気持ちになる歌声のボーカリスト、いやこれほどまでに新化し続ける唄うたいはいただろうか。 バンドの結成のきっかけはUAのアルバムにベンジーが曲を提供し、 UAの家の留守番電話にベンジーが「今度一緒にばんどやろうぜ」と言い残したことがきっかけだという。
(2001.2.7 Victor Entertainment,ink)
UA(vo)
UA(v)最初に出てきたのは、UA。「ハロー」と会場に声をかける。
浅井健一(g,vo)
Star? or Only boy....?
TOKIE(b,cho)
椎野恭一(ds)
定価\3045→中古\600
1960年代風に言えば、21世紀最初の
「スーパーバンド」。当時はカルトな人気
で盛り上がり、中古市場も高値維持であっ
た。が、もーはや600円かよ?しかし、この
バンドの魅力は値下げしておらず普遍的
な輝きを放っている。内向きのヒステリー
を繊細に表現しているのだが、その市場
には持続性は無いだろうが、ジャックスの
ように絶対的にいつの時代も求めらるもの
だ。当時、ブランキー・ジェット・シティを
解散したばかりの浅井にとっては線の弱
いボーカルは、ある意味コンプレックスで
あったのだろう。次のバンドへのブリッジと
して、UAに声をかけた彼と、それを受けた
彼女の巡り合わせとコール&レスポンスが
曲と同じように永遠に美しい記憶となる。


11/07札幌
北海道立
近代
美術館
企画展『北海道浅井学園大学
北方圏アートプロジェクト 国際美術展2004
オリンピックに例えるならば、金が韓国で、
銀が中国、銅がカナダ。現代美術の世界の
情況が分るのは便利。ただし、今回出展した
日本の作家が海外で評価されるかは疑問。
●カナダ
デビッド・モア、グラハム・ページ
イアン・クック、ジェームス・トレベルヤン
ジェーソン・フリッゼル、ピエール・オバーグ
トゥルデイ・E・ゴーリィ
●中国
フオ・ジュ、ル・ユシュン、ティエン・ウェイピン
ワン・ビン、ワン・トンシン、ジャン・ザグオ
●韓国
チェ・ミョンミン、キム・ヨンギュ、リー・ミン
パク・カンス、パク・フンソン、ソ・スンウォン
ソ「背景と前景の意識または葛藤」に諾。
●スウェーデン
クリストファー・フレドリックソン
ユッタ・スベンソン、トゥリグヴェ・ルンドゥベリ
イングリッド・アッケヴァルド
マリエル・ニランダー、ミカエル・ノールベリ
●日本
阿部典英、林 亨、永野光一、野崎嘉男
佐々木けいし
12/04深川
ブック
バーゲン
深川店
世界文学全集 43 チェーホフ
『三人姉妹 / 桜の園 他』
訳;米川正夫「かもめ」、「ワーニャ伯父」
「三人姉妹」、「桜の園」
訳;牧原 純「熊」、「結婚の申し込み」、
「タバコの害について」
訳;原 卓也「かけ」
訳;佐藤清郎「六号室」、「かわいい女」
「犬をつれた奥さん」、「いいなずけ」
佐藤清郎「作家と作品 チェーホフ」
(69.6.10初版、74.12.20 6版 集英社)
定価\300→古本\158
没後200年だそうだ。農奴解放の前
年1860年に生れ、第一次ロシア革命の
前年1904年に死んでいる。佐藤清郎が
評論しているように「チェーホフはロシア
近代史に特筆されるこの二つの出来事
のあいだに生きた」のであり、この間の
時代を分析して多くの著作を残したのが
レーニンであった。ただし、ソ連崩壊に
よってレーニンの著作は無視されるよう
になった。それなのにチェーホフが今も
面白い理由を考察するのは、魅力的な
テーマである。物語が歴史に勝った?
11/07札幌
ギャラリー
どらーる
個展『小島 和夫 展』
2004年は、自然災害の多い年であった。
異常高温、繰り返される台風、水害。そして
新潟での震度7の地震による避難民の数は
10万人になった。10万人の難民と言えば、
遠い中央アジアや東ヨーロッパのことである
と思い込んでいたニッポン人にとっては軽い
ショックであったであろう。しかも今年は全国
ほとんどの地域で自然災害が起こったので
新潟の地震報道を見るにつけ「自分が最悪
ではない」と被害者意識を相対化する役割
を他者の情況が構築していった。その連鎖
が生むものは「被害者意識のヒエラルキー」
とでも呼びたくなるもので、「同情」はそれが
生む磁場に比例して増幅された。いわゆる
ボランティアがその代表となる。私が感じる
のは、ボランティアはけっして一方通行だけ
の善意ではなく、ボランティアされる側が救
われるのと同じように、する側も同時に救わ
れているということだ。その背景には同情が
内包する相対的な安心感が生む後ろめた
さを癒す役割もあるだろうが、もっと大きな
意志がそこには動いていると私は思うのだ。
とりあえずそれを「あらかじめ失われた半身
を求める」行為であると定義してみよう。そう
想えば私の思考は一気に旅を連想させる。
旅先で出会う全ての事象は、情報の有無に
かかわらず、既知感の支配下にあると感じて
しまう経験を持たない者はいない。それが、
「あらかじめ失われた半身を求める」行為で
ある。小島和夫は旅する画家である。彼の
旅は、遠い中央アジアや東ヨーロッパなどに
赴く。それは現代世界に最も大量に流通さ
れているハリウッド的アメリカから少しはずれ
た風景である。面白いのは、使われている
色がハリウッド的アメリカが好むヴィヴィッドな
原色を中心としたものである点。全ての作品
がそうであるから、個展会場は神聖なテーマ
を感じさせながら同時に華やかな祝祭のイメ
ージを観る者に与えてくれる。ペルシャ絨毯
や曼荼羅を連想するまでもなく、本来はこれ
らのヴィヴィッド・カラーは優れて民俗文化の
特徴でもあったのだ。しかし、それを現代の
私たちが処理する時には、非凡な感受性と
技術が必要になる。たとえば、緑と赤の補色
対比が画面上で両者の戦いにならずに、
優しい共生と逞しい生活観の象徴になって
いることに注目したい。小島の特徴でもある
あの明るく若々しい青や、アース・カラーに
近い黄色すらも緑と赤と共に画面上で共存
しながらも個別の魅力を放っている。技術の
無い者が真似をすれば下品になってしまう
危険性のある色使いを、まるで家庭料理を
定時にテーブルに並べるかのように簡単に
かつ軽やかに見せてくれる技の前では思考
するよりも先に、幸福感に浸りたくなってしま
う。この色使いの成功の理由は、二つある。
ひとつは、ニュートラルな存在としての白の
巧みな利用方法だろう。ただし、小島の白は
白として準備された白ではなく、顔料の塗り
重ねと洗い流しを繰り返した結果、彼が納得
した形状と色の上に置かれたものである。私
は、それを偶然に拮抗する作家性の回答と
しての白と見る。作品「ホイアンの橋」のほぼ
左半分を占める神秘的な白は、中央に赤い
建造物を置いて、遠景と人物の帽子と籠の
植物に黄色のバリエーションを点在させて、
中央上の屋根から斜め下の人物の衣服に
めがけてフレッシュな青を大胆に降らせてい
る。ここで見られる、安定の赤、豊穣の黄、
動の青の役割分担は偶然ではないだろう。
さらに小島ならではの工夫が、人物の足元
に右に伸びてゆく白いラインである。この白
が、左半分の茫洋とした白と打ち合わせを
したかのような安定感を準備しているのだ。
ここまで赤、黄色、青を総動員しながら色の
存在を忘れさせているのには、やはり白の
効果であろう。ルノワールやマティスらが、
三原色を使い「色のハーモニー」を見せて
くれて、ピカソや岡本太郎らが「色の洪水」
を見せているとすれば、小島は「色の気配」
をそっと差し出しているように私には思えて
ならないのだ。何度も顔料を流しながらも、
重ねてゆく手法に、小島がモチーフにする
遠国の歴史の重層の暗喩であると見ること
もできるかもしれない。つまり、粘り強い反復
の作業が歴史の重層を疑似体験するため
の「儀式」であるという見方も可能であろう。
ただしそれは儀式であるがゆえ、作家本人
からの告白を待ちたい。さて、色使いの成功
理由のもうひとつは、小島のざっくりとした形
の捕らえ方であろう。とにかく今回の個展を
見て私の脳裏から離れないのは、「復活祭」
に出てくる老人の指である。私の数少ない
絵画鑑賞経験でも、画家には「指を描きたが
る」それと、「指に興味を持たない」それの
二種類があると感じてきた。そして、多くの
画家は指を細く伸びる繊細な言語として描
こうとしてきたと思う。ところが小島の描く指は
太く丸い。この絵は最前に立つ少年の着て
いるセーターとシャツで、赤、緑、青を先に
提示し終えておき、後景の聖人が描かれた
煉瓦の上のステンドグラスのような図と少年
を橋渡しする媒介のように老人が存在して
いる。やや胸をはって未来を見つめる少年
と、やや猫背で少年を守りながら上目使いで
少年と同じ方向を覗くように見る老人。二人
は同じものを見ているのだが、同じようには
見えてはいないのではないかと、私に想像
させる。それは、題の「復活祭」が持つ多義
的なイメージと直結する。老人の指に代表さ
れるように人物は骨太に描かれてはいるが、
ほんのわずかな角度の差が演出する繊細な
曲線が二人の人物の背骨のラインを利用し
つつも、二本隠されていることを見抜くのは、
容易だ。この造型スタイルが、小島固有の
色使いと密接に結びついているのだ。また、
小品の「咲く」や「アネモネ」(SM)の細部に
小島の弱点が発見できる。さらに、「胡同
(北京)」(218×173cm)の屋根瓦の連続を
描く時に集中が途切れたのではないかと、
見抜くこともできるだろう。それらは作家の
弱点ではあるが、同時に作家の興味は色の
方にあることを再確認させる補完でもある。
そして、今まで述べてきた色を表現するのに
日本画は最も相応しい手段であると再確認
できるのだ。それでは日本画のジャンルの
中で小島はどういう位置にいるのだろうか?
幼稚な回答で恐縮だが、彼は風景より人物
に興味がある日本画家なのだろう。「路」と
いうロバに乗って谷間を移動する魅力的な
作品もあるが、これも小島は風景よりも民俗
的な生活の面白さに題材を求めたのである
と思う。そう考えれば、小島の特徴である色
は、自然界の描写ではなく、どれもが家屋
や衣服などの人工物による赤、青、黄色、
緑なのである。小品において鮮やかな色の
花を好んで描いていることと比べてみると、
面白い事実である。小品は小島にとっての
色を捕らえるリハーサルであるのか。または
自然界の花に匹敵する美しい人工の色を
求めるために彼は遠い中央アジアや東ヨー
ロッパへと旅をするのだろうか。そうであれば
彼は大自然を描きに、それらの土地へ行く
画家たちとは一線を画する。つまり、小島の
旅は、大自然を描きに行ってるのではなく、
「人間に逢いに行ってる」のだ。人種や宗教
や、ましてや老若男女の隔たり無く、逞しくも
魅力的に描かれている人物たちを小島の絵
を通して見ている私たちも実は彼らと「再会」
しているのではないか、という幸福な錯覚を
一瞬感じてしまう。ボランティアされる側が救
われるのと同じように、する側も同時に救わ
れている。・・・見ること、描くこと、出会うこと。
そして、見られること、描かれること、出会うこ
と。それらは同時に補完しあうことでもある。
ただし、それを実現するためには創造的な
熱量が必要だ。安易なボランティアがすぐに
底の浅さを露呈してしまうように、誰でもが旅
をすれば絵を描くことができるわけではない。
そこに、もっと大きな意志が動いているのだ。
とりあえずそれを「あらかじめ失われた半身
を求める」行為であると定義してみたのだが、
もしかしたらそれは大きな意味での「家族」
の再構築の意志なのかもしれない。小島の
絵が我々に「再会」させてくれる懐かしくも、
新鮮な人々はそれを感じさせてくれている。
新編少女 世界名作選 6
編訳;伊藤左喜雄『バレエ物語』
「白鳥の湖」、「コッペリア」、「ジゼル」、
「火の鳥」、「ペトルーシカ」、
「眠れる森の美女」
(1972.8初版、89.12改装1刷 偕成社)
定価\700→古本\210
バレエにとって「物語」など重要では
ないのかもしれない。いくら作家が複雑
な物語を創造しても、単純なものに置き
換えられるのが通常だ。ならばより単純
に子供向けに書き換えるという作業は、
優れてバレエの現場に似ているかも。
愛と平和に生きた人びと 4
トニー・ブラッドマン、訳;坂本真理
『ジョン・レノン ―愛こそはすべて―』
解説;片岡義男
(1987.11.30 初版 佑学社)
定価\980→古本\315
ジョン・レノンや手塚治虫が子供向け
の伝記本になるなんてイマジンできなか
った(笑)。ビートルズ世代が親になった
マーケットも狙ってのことだろうが、学校
をサボる不良の本を子供に読ませる親も
スゴイなぁ。片岡義男の解説は、読者を
子供に設定しておらず、昔の恋人との
思い出話に終始していて面白い。原作
も子供向けだったのだろうか?ただ単に
子供向けは伝記を短くしただけなのか。
それとも子供向けのために、あえて記述
を避けた部分があるとしたら何だろう?


少年少女古典文学館 10
『嵐山光三郎 徒然草(卜部兼好)
三木卓 方丈記(鴨長明)』
装幀;菊地信義
絵;杉浦範茂(徒然草)、
木葉井悦子(方丈記)
解説;三木紀人(徒然草)、
小林保治(方丈記)
(1992.4.17 初版 講談社)
定価\1700→古本\105
1990年に橋本治『絵本徒然草』という
偉大なる先駆者が直前に出版されたの
で、やはり嵐山光三郎では格が下だ。
ただし、少ないスペースと、子供向けと
いうハンディがあるのも事実。例えば、
第七段「飽かず、惜しと思はば、千年を
過すとも一夜の夢のここちこそせめ。」を
橋本は「”足りない、惜しい”って思えば
千年が過ぎたって一晩の夢って気分に
はなるだろうさ。」と訳すが、嵐山が訳し
た「人間の一生が短いと悲しむ人は、
たとえ千年生きてもおなじことを考える
だろう。」の方がキレがいい。橋本はイン
テリすぎる部分が邪魔をするのかもしれ
ない。かと言って嵐山の訳を、子供が読
んでも原作の魅力が充分に伝わるとは
思えない。ただ嵐山の「兼好の無常観
は、じつは乱世の自立精神に裏うちさ
れたもので、裏がある」という基本姿勢に
間違いがない分、子供の深読みを期待
する価値はある。だいたい、遁世者とは
極めて今日的だ。「ひきこもり」「おたく」
の大先輩であるし、インターネット上の
日記など、まさしく現代の『徒然草』だ。
今年の流行のBlogなどモロ、典型だ。
造本は素晴らしい。木葉井悦子の絵も
魅力的だ。むしろオトナが再読のきっか
けになるような存在なのかもしれない。


おはなしパレード 7
佐々木マキ『なぞなぞライオン』
(1997.2 初版、1998.5 17版 理論社)
定価\1000→古本\315
「オトナこそ楽しめる絵本」というホメ
言葉があるが、それって絵本としては、
敗北宣言なんじゃあーないかな?その
点、佐々木マキの絵本には最初から、
読者対象をオトナに置いているような、
確信犯的スリリングがある。だって「プロ
ヴァンスふうサラダ」で笑えるのはオトナ
の方だし。オトナが笑っている横で子供
が「子供こそ楽しめる佐々木マキ絵本」
と言い出しかねない不思議な逆転本。


荒木陽子『愛情生活』
写真・イラストレーション;荒木経惟
ブックデザイン;鈴木成一デザイン室
付録「陽子さんの想い出」;安西水丸、
石内都、末井昭、内藤正敏、八角聡仁
(1997.9.20 初版 作品社)
定価\1890→古本\525
「本書は1985年7月に白夜書房から
刊行された『愛情生活』をもとに、増補・
再構成したものです。」という。この再び
本を作り直すことも、「愛情」なのだろう。
つまり、愛とは生産である。芸術家が愛
にだらしないのも、芸術が生産活動なの
だからだろう。美しい文章に負けないよう
にと、美しい造本をしたスタッフに感謝
してしまう本である。写真の選び方や、
挿入のタイミングがこれまた美しい。知っ
ていたようで、これを読むまで知りきれて
いなかったアラーキー夫人を知れて良
かった。享年が今の私と同じ42歳だし。


西原理恵子 鴨志田穣『アジアパー伝』
装画;西原理恵子
装丁;安彦勝博
(2000.4.20 初版 講談社)
定価\1470→古本\425
外観からしてイカガワシイ本。ハード・
カバーなのに、チープな絵とレタリング・
デザイン。こりゃ、マイナー出版社かよ、
と思いきや、天下の超メジャー講談社。
超メジャーであるならば、何か「考え」が
あるのでは?と、貧しい勘繰りをしてしま
う私であったが、やはり確信犯的に雑な
本造りをしている。25年前ならばパンク
製本と呼ばれたかもしれない(笑)。私
は、沼田図書館でミャンマーを調べた時
に参考にしたのだが、実際に現代のミャ
ンマーを記録している本が少ないから、
こーゆー選択にならざるをえなかったの
だが、ポル・ポト軍に捕まったり、今年、
殺されたハシダさんも同行者として出て
くるのだから、実はかなり本格派なのか
もしれない。うさんくさいイラストも、実は
無頼夫婦を表現するのに最適なのか。
いずれにせよこうして未整理(?)のまま
さらけ出さなければならない表現もある
のだし、それを実行させてくれたのが、
超メジャー講談社ならではの懐の深さ、
なのかもしれない。実際この後シリーズ
化されたわけだし、ユーザーもこの生々
しさを求めていたのでだ。新方法論か。


12/12札幌
萌黄書店
ジャン・ボードリヤール
訳;今村仁司、塚原史
『消費社会の神話と構造』
(1979.10.31 初版 紀伊国屋書店)
原書;"La Societe de Consommation :
ses mythes, ses structures" 1970
Hey! ボードリヤール!
Jean Baudrillard
定価\3000→古本\2200
久し振りに読んだ。やはり、名著だ。
でも、あれから25年経ってこの本が初版
で入手できるとは思わなかった。当時は
難しいなぁ〜と思いながら読んだが、今
読み返すと非常に分り易いし、当時は
気が付かなかった(恥)ユーモアに笑わ
せられたりする。これは訳文も上手だか
らだろう。思えば、当時はマユツバもの
として日本の思想界に受け止められて
いたと記憶している。ところが1980年代
になって広告代理店が花形職業になっ
た時に、この本がネタ本として使われた
のだ。さらにそれは、証券会社が花形
になる時代を準備していたとも言える。
それって、バブルっーことだから、もしや
ボードリヤールが日本のバブルの生み
の親かもしれぬ。もちろん、この本には
さらにマクルーハン、レヴィ=ストロース
やリースマンの匂いがある。それでも、
彼をバブルの”思想的”生みの親と私が
思うのは、それらを融合するレトリックに
ある。言葉の使い方が思想を生む、とい
うのは思想にとっては正しい身の上だ。
とにかくバブル時代にさんざん利用され
ながらも、今でも面白いのは消費され尽
くされなかったからであろうし、ちゃんと
全て読み尽くされていなかった証明でも
ある。それならば、もう一度読む価値が
あるということだ。多面的な書物である。
古本屋での「再会」は、偶然ではない。


11/21深川
アート
ホール
東洲館
グループ展『第2回 グループ 櫂 展』 7人
・梅津 薫 「蒼穹の大地」「時雨れる」「叢」
つい無駄に描き足す、未整理の情熱。
・川本ヤスヒロ 「頭骨-人」「頭骨-馬」
頭蓋骨の面白さを、無骨に捕らえる演出。
・斉藤 嗣火 「漂-1」「漂-2」「HOLE」
構図の魅力と、細部が緩いアンバランス。
・田崎 謙一 「clone baby」
パーツごとは弱いが、迫力の有る全体像。
・藤井 高志 「旅の始まり」「水路」「麻衣子」
印象的な色。技術は写真に頼りすぎか?
・福島 孝寿 「時刻−T」「時刻−U」
表現したい感情を絞ってから描いては?
・渡辺 貞之 「3人ゴッコ」「漂流ゴッコ」
そろそろ、次のモチーフも見てみたい。


11/28札幌
エルエテ
個展『大泉 幸代 企画展』
ドイツ表現主義の匂いを各展覧会で感じ
た今年だったが、これもカンディンスキーの
若い時代の周辺の画家や、ムンクを思い出
させるテイスト。見た目はよりポップに傾いて
いるようにも見えるが、深層には病が巣くって
いる気配がある。それを表象に出すべきか?


11/28札幌
ギャラリー
ミヤシタ

札幌市
中央区
南5条
西20丁目
1-38

地下鉄
西18丁目
より
徒歩7分
個展『渋谷俊彦 展』
ブル鍋@エルエテ・筆「平面抽象版画の
確立に成功されていると思います。色と形
(大きさ)だけが勝負なだけに単調になるの
では?と思いつつ個展に向かう度、ああ、
こんな色(色の混じり)もあったのだな〜と
安心感のような、あずましい(こんな使い方で
オッケー?)ような気持ちになります。」

■なるへそ。「色と形(大きさ)だけが勝負」と
は”抽象画にこそ自由度が無い”という魅力
的な逆説だ。四角く切り取られた部分の外
側の部分への興味とか、四角く切り取られた
内部の奥への興味とか。それは手を入れれ
ば、無限の砂場か?幽玄の宇宙か?また、
白が多くなると、不思議と和モノのイメージも
ふくらみ、掛け軸代わりに和室に使うのもよい
かも。その時には、近くに椿の花を籠に入れ
て一輪添えるなどするといいかも。茶室での
抹茶をサーバーしながらの個展を企画して
はいかがか?モネの「睡蓮」的快楽も感じた
が、今回の作品以外のスタイルも見たい。
12/12札幌
古書
ザリガニヤ
『別冊幻想文学
怪人タネラムネラ 種村季弘の箱』
(2002.4.1 アトリエOCTA 256ページ)
《奇想の覗き箱〜種村季弘未発表・
単行本未収録作品集》
【翻訳】
フリードリヒ・グラウザー
●死者の訴え〜
『シュトゥーダー初期の諸事件』より
オスカール・パニッツァ
●エラとルイとのあいだのあらゆる時代
の精神における愛の対話
【エッセイ】
ダダをめぐって
白鳥転身譜〜中井英夫著
『黒鳥の旅もしくは幻想庭園』
虫めづる姫君の方へ〜
佐伯俊男「痴虫」のために
毒の話
ゲーテの変装
【インタビュー】
種村季弘に聞く7つのキーワード
【アルバム】
怪人タネラムネラの肖像

種村季弘書目録抄
【対談】
種村 薫×桑原茂夫
●影法師のような人
種村季弘×渡辺一考
●茶利放談〜
圏外文学から幻想文学の方へ

《壺中天画譜》
平賀 敬●提灯鮟鱇のいる室内
野中ユリ●MEMBERS AT TABLE
/A ROUND TABLE AFFAIR
操上和美
●マダム・タッソー人形館にて
井上洋介●地下鉄停車場
今 道子●種村季弘の肖像
石内 都●種村季弘
四谷シモン●『怪物の解剖学』扉
細江英公●鎌鼬の会
加納光於
●パラケルスス頌
あるいは足よ疼く飛沫を辿れ

《種村季弘百面相綺譚1》
澁澤龍彦
●種村季弘について/愕然と呆然
島尾敏雄●寄る辺なき人生への慰め
瀧口修造●機密の地図づくり
三島由紀夫●未聞の世界ひらく
吉岡 実●逸楽的刺戟と恩恵と
吉行淳之介●「幻に化す料理」集成
/華麗な陰画世界

《種村季弘百面相綺譚2》
相澤啓三●遠近法の攪乱者
赤瀬川原平●真相はわからない
秋山祐徳太子●種さんの愛妻弁当
飯島耕一●笑顔
池内 紀●タネムラ丸にのっかって
池田香代子●教師である
伊佐山ひろ子●先生と私
石井満隆●種村流魔術
石内 都●種村さんを撮る
巖谷國士●祝電
宇野亜喜良●グリムの絵本
大内 順●ヨコハマの種村さん
大久保鷹●種村さんと出会った頃
風倉 匠●ユガワラのユビおじさん
郁山人●種村季弘に呈す
加藤郁乎●吸血鬼、錬金術の戦慄
唐 十郎●おばあちゃん
柄澤 齊●タネムリタネムラ
トーナス・カボチャラダムス
●みかん山の一夜
桑原茂夫
●キャロルとアリスと種村季弘
小池寿子●薔薇園のヴィジョン
小板橋二郎●なぞの「ウッヒッヒ仮面」
康 芳夫●種さん=種公
佐伯直寛●役者開眼
坂入尚文●横町の迷宮
佐野史郎●超男性
清水 晃●水の踊り場
スズキコージ●タネサン
鈴木清順●奇想怪
高橋睦郎●タネラムネラ
高山 宏●ほう、ホッケ教!
谷川 渥●種村季弘
田之倉稔●不等価交換の原理
津原泰水●言葉の無重力装置
出口裕弘●拝啓 種村季弘様
中西夏之●救い手
中村 宏●記憶の中から
馬場駿吉●綺想亭變奏曲
平野啓一郎●種村季弘氏の仕事
藤富保男●約半世紀前の擦れ違い
真島直子●種村さんの人指し指
松山俊太郎●若かりし日の種村
眞鍋呉夫●不思議な節穴
南 伸坊●私の見た種村先生
美濃瓢吾●種村式二十八万石
矢川澄子●種村季弘 頌
横尾龍彦●種村さんと私
吉野辰海●豆腐
四方田犬彦●『種の起源』
若松孝二●恩人
【評論】
高遠弘美
●退屈な天使の日常を離れて
定価\1800→古本\1100
種村生前、唯一の特集号。本当か?
と思ってしまうが本当であり、しかもこの
偉業(?)をやった幻想文学は終刊しち
まった。情けなくなる不毛と、この特集の
充実の落差を体験するごとに愕然する。
願わくば、この特集の筆者の中から多く
の種村的宇宙が輩出しなくては救われ
ないではないか。文学村は過疎化だ。


12/10札幌
シネマ11
映画『ポーラー・エクスプレス』深夜割\1200
監督;ロバート・ゼメキス
原作;クリス・ヴァン・オールズバーグ
出演;トム・ハンクス、エディ・ディーゼン
アンドリュー・エイブルソン、
デビー・リー・キャリングトン
こーゆーのをアトラクション映画というのだ
ろうか?ジェット・コースターに乗る楽しみに
近い感覚。映画のテーマは「信じる」だが、
重要なのは「何を信じるか」であると思うが?


12/11札幌
シアター
キノ
映画『Depuis Qu'otar est Parti / 優しい嘘』
(上映時間:102分/2003年/フランス映画)
監督;ジュリー・ベルトゥチェリ
出演;エステール・ゴランタン、
ニノ・ホマスリゼ、デイナーラ・ ドルカーロワ
グルジアが舞台の映画では『ピロスマニ』
(1969年)を思い出すが、それから34年過ぎ
ソ連が消滅しても、テーマは暗い。しかし、
そのテーマを表現する手法にはユーモアと
複雑なシニカルさが、自然に使われている。


12/11札幌
シネマ
フロン
ティア
映画『僕の彼女を紹介します』(2004/韓国)
監督; クァク・ジェヨン
出演 : チョン・ジヒョン、チャン・ヒョク
途中で必要以上にセンチメンタルになる
点以外は、極上のエンターテイメント作品。


12/11札幌
大同
ギャラリー
グループ展『北海道版画協会 作品展』52人
・佐野敏夫、渋谷正己、萩原常良、早川尚
作品によって優劣のある作家が面白い。


12/11札幌
時計台
ギャラリー
企画展『第3回 具象の新世紀展』23人
一度、深川で観た展覧会を今度は札幌で
観てみる。「再読」に値する作品群と同時代
に生きている権利の行使でもあり、「再会」
求める作品との機会の幸福の分与でもある。
佐藤武
もっともこの会らしい作風。らしさが限界?
西田陽二
いつか弱さを描いてみてはいかがだろう?
輪島進一
動かない踊り子という矛盾が持ってる熱。
(故)阿部国利
主人が外出の間に繰り広げる秘密の劇。


12/11札幌
札幌劇場
映画『オールド・ボーイ』(2004/韓国)
監督;パク・チャヌク
原作;土屋ガロン、嶺岸信明
出演;チェ・ミンシク、ユ・ジテ、カン・ヘジョン
映画的快楽の大傑作。かつて手塚治虫
は欧米の映画にインスパイアされてマンガの
可能性を広げたが、ついにマンガが映画に
「恩返し(?)」する時代が来たということか?


12/12札幌
シネマ11
映画『レディ・ジョーカー』
監督;平山秀幸
原作;高村薫
脚本;鄭義信
出演;渡哲也、徳重聡、吉川晃司、國村隼
長塚京三、大杉漣、吹越満、加藤晴彦
菅野美穂、岸部一徳、斉藤千晃(レディ)
驚いた。何がって、未だに1980年代以
前の日本映画のダメな部分が生きていた
ことにだ。私よりも若い映画監督がガン&
ガン出てきて彼らもそれなりの仕事をクリア
したりしてもはや日本映画は「再生」したと
思っていたのだ。そーじゃなかった。原作
が素晴らしいのだから、これはもう監督の
読解力の不足が失敗の最大の原因。加え
て渡哲也の、複雑さのまったくない演技。
長塚京三はあの程度の役者だろーが、
テレビのドラマですら魅力を発揮している
國村隼や大杉漣のような素晴らしい俳優
ですら、この映画では陳腐で薄っぺらな
存在感しか演じ切れていない。きっと監督
のバカさ加減が現場で分ったので役作りに
工夫する意欲を失い、紋切り型演技に終始
したのだろうな。その点、岸部一徳はサスガ
だ。彼がこの映画で最も素晴らしい。さらに
嬉しい発見は吉川晃司の成長である。筋肉
バカにしか思えなかったコイツが、これほど
良い演技をしたのだから、この映画で徳を
したのは彼が一番だろう。きっと、これから
良い仕事がいくつか来ると思う。又、社長
室のセットに代表される大道具の予算の
ケチり方も脱力しちゃうぜ。CGのビルが、
あんなに大きいのに、なんで社長室や応接
間があんなセコイの(笑)。まず言えるのは
この映画に、映画的魔法がかかっている
場面はまったく無い。映画館で観てもテレビ
で観ても同じだ。もうこんな映画を作るのは
やめて欲しい。だって韓国の成長がスゴイ
のは、サッカーだけでないんだから。映画
観客の目は映画会社が思っている以上に
ハイレベルで肥えている。また気になるのは
原作者の高村薫が日本経済新聞に連載し
ていた小説「新リア王」が日経とトラブルを
起こし連載中断を余儀なくされていたこと。
これとこの映画の中途半端さに関係があれ
ばコトは政治問題になる。つまり「新リア王」
は現役の自民党政治家が実名で多数登場
するなど骨太社会派作家らしい高村の実験
的な作品であった。しかも連載現場が日本
経済界のトップが読む新聞であった、という
リアルタイムさもある筋には不快感を与えた
であろう。この小説が打ち切りになった後に
は「失楽園」の大ヒットの二番煎じを狙う渡辺
淳一のエロ小説が始まった。映画も、小説も
こうして日本では殺されてゆくのか。


12/12札幌
ギャラリー
どらーる
個展『阿部 典英 展』
〜〜 ネエ サンタクロース


12/12札幌
ギャラリー
エルエテ
個展『牛尾 篤<トルテの光景>展』
金子国義やバルチュスの影が散在。彼の
絵を購入する者も、その影を買っているの?
12/18札幌
Book
off
札幌
南1条店
忌野清志郎、小林和生、仲井戸麗市
『日々の泡立ち 真説RCサクセション』
(1991.2.15 初版 ロッキング・オン)
定価\1200→古本\520
出版された段階では(少なくともイン
タビュアーの渋谷陽一は)RCはさらに
長く続くと思っていただろーが、結果的
に解散の記録書になった。貴重な本。


12/18札幌
Sapporo
Cinema
Frontier
映画『The Incredibles /
Mr.インクレディブル』(2004,米,115分)
監督;Brad Bird / ブラッド・バード
製作;John Walker / ジョン・ウォーカー
製作総指揮;ジョン・ラセター
脚本;Brad Bird / ブラッド・バード
音楽;マイケル・ジアッキノ
声の出演(日本語吹替版);三浦友和、
黒木瞳、海鋒拓也、渡辺美佐、後藤哲夫
綾瀬はるか、斉藤志郎、宮迫博之
日本マーケットを無視した発音しにくい
タイトルに、ディズニーの自信が透けて見
える。オリジナルを初見で楽しませるのだ
から。単純なストーリーと、表現力の工夫
を見せ場にするのがジェット・コースター。
寺井融『ミャンマー百楽旅荘』
(1996.9.30 初版 三一書房)
定価\1600→古本\680
三一書房と言えば左翼出版社である
と思っていたが元民社党職員の旅行記
を出しているんだなぁ。意外とノンポリ。
丸谷才一『挨拶はたいへんだ』
(2001.6.1 初版 朝日新聞社)
定価\1365→古本\560
挨拶は芸である。そして、文藝も「芸」
である。だからこれ超短編集なのかも。
映画『ゴジラ -ファイナルウォーズ- /
GODZILLA: FINAL WARS』
監督;北村龍平
製作;富山省吾
音楽;キース・エマーソン
出演;松岡昌宏、菊川怜、宝田明、
ケイン・コスギ、水野真紀、北村一輝、
ドン・フライ、佐原健二、泉谷しげる、
中尾彬、佐野史郎、篠原ともえ、
伊武雅刀、國村隼、船木誠勝、長澤まさみ
これを豪華なトリビュート映画とみるか、
安易なパロディ映画と失笑するかは映画を
見る側の踏み絵となるだろう。北村監督の
はしゃぎぶりは分らないでもない。彼のよう
な楽天家を日本映画界は大切にする必要
もあるだろう。しかし私には必要の無い映画
であった。例えばこーゆー映画はリアリティ
の距離感を一定に保つ必要があるのだが
監督のはしゃぎぶりがたびたびそれをブチ
壊しにしている。最も映像的に魅力があっ
たのは、東南アジアの都市をアンギラスが
破壊するシーンだ。他はアメリカ版ゴジラも
ヘドラも、まるで歌舞伎座のお正月顔見世
興行以下。おまけに、宝田明から中尾彬に
渡る出演者の豪華ながらも無駄な再登場。
誇張してマンガ化する演技が良しとされて
きた日本映画の演出歴史のマヌケな暴露
でもある。轟天号やX星人のご登場にいた
っては、この映画がキーワードの組み合わ
せに熱中していることが証明される。しかし
北村監督はタランティーノになれなかった
のであり、その分析が唯一の日本映画への
貢献となるであろう。もはや予算がイイワケ
にはならないラインまで来てしまったのだ。
艦長のドン・フライのバカバカしい吹き替え
と、映画『マトリックス』のパロディのバイク・
バトルを延々と見せるくだりで見ていながら
どんどんシラケてゆく自分に気が付いた私
であった。同じ子供向けでも、『Mr.インク
レディブル』には負けてしまっているのだ。
音楽がキース・エマーソンであるというのも、
ここまできたら何だか悪趣味なパロディにし
か思えない。オマケを貰ったのは嬉しいが。
沼田元気、東京喫茶店研究所
『喫茶店百科大図鑑
ぼくの伯父さんのスクラップブック』
(2002.10.25 初版 ギャップ出版)
定価\2520→古本\760
優れた文化人類学の古典になるべき
本。だが、世間から無視されているので
はないか?方法論としても参考になる。
12/26
Book
Big
Box
永山店
田中克彦
『20世紀思想家文庫2 チョムスキー』
(1983.1.24 初版 岩波書店)
定価\1500→古本\1050
この本のつい数年前に出版された、
チョムスキーの翻訳本の悪訳を著者は
やんわりと否定する。言語学者の悪訳と
言う象徴的ではあるが瑣末なことを無視
できない著者の「戦い」の姿勢がある。
吉田豪介『北海道美術をめぐる25年』
(1983.10.25 初版 輔仁書院)
定価\1500→古本\1050
当初は自費出版で出そうとまでした。
処女作は時に自伝に似る、という熱を帯
びている。短い文章で初見の絵画を評
じる正確さはサスガ。ホメる時よりも欠点
を見抜く時の言葉の選択がより面白い。
松下竜一『狼煙(のろし)を見よ 
東アジア反日武装戦線”狼”部隊』
(1987.1.15 初版 河出書房新社)
定価\1300→古本\525
スピーディーな展開。最近の日本の
ミステリー小説群の充実の原点がここに
あるのかも。黒澤清監督+キムタク主演
で映画になれば面白いんだけど無理?
古雑誌『太陽』(1994.6 初版 平凡社)
特集;江戸川乱歩 怪人乱歩
執筆;関川夏央、赤瀬川源平、高山宏
荒俣宏、団鬼六、種村季弘、久世光彦
定価\1000→古本\840
人は何故、完璧な書斎を作ろうとする
のだろうか?乱歩の土蔵を見ていると、
その理由は自分の脳味噌を可視化した
いからであると感じた。それを読む私。
12/18札幌
大同
ギャラリー
展覧会『菊地勝太郎・鈴木勝 作陶展』
大きさで驚かす勝太郎と小さくてもキラリ
と光る(?)勝。名前は勝勝コンビだが、まっ
たく違う個性。勝の繊細さが私には好感が
持てた。ただし、陶芸とは築窯も含めての
人生丸ごとが「作品」のような世界だ。その、
ある意味、超アナクロなジャンルであっても
評価はたった一つの器で決まる真摯さを、
私ごときの第一印象で決めて良いものか?
杉本秀太郎『まだら文』
(1999.3.20 初版 新潮社)
定価\2310→古本\1100
帯に有る「絵画、音楽、文学を存分に
味わい尽くす精神の豪遊」って私(笑)?
12/18札幌
シアター
キノ
映画『世界でいちばん不幸で幸せな私』
(2003年 フランス作品、94分)
監督,脚本;ヤン・サミュエル
出演;ギヨーム・カネ、マリオン・コテヤール
チボー・ヴェルアーゲ、
ジョゼフィーヌ・ルバ=ジョリー
かつての明石屋さんま、大竹しのぶ共演
の『男女7人夏物語』(1986年 TBS)みたい
なラブストーリーをジョン・アーヴィング語法
で演出したよーな映画。つまり、監督が思う
ほどには新しい手法ではない。むしろこの
作品の魅力は、情報の多い映画的語法で
あろう。圧巻は後半の素晴らしいものを例え
るナレーション。「アビーロードのB面」まで
ある。ここで羅列された多くの事項がすでに
ある世代以降には世界共通の文化データ・
ベースであることがこの映画に特権的個性
を獲得させている。父親との確執はそんな
映画自体が持っている世代意識からのもの
である。つまり構造が物語を準備したのだ。
三浦佑之 『口語訳 古事記 [完全版] 』
(2002.6.30 初版 文藝春秋)
定価\3500→古本\2400
日本初の歴史は外国語で書かれて
たパラドックス。歴史と物語は双子だ。
池沢夏樹『パレオマニア
―大英博物館からの13の旅』
(2004.4.30 初版 集英社)
定価\2625→古本\1575
のろまな文体が、じっくり見せる世界。
12/27郵送 同人誌『羚 Rei』第4巻 第14号 もらった
2004年冬季号 (2004.12.20 羚の会)
執筆;清水良典、堀切直人、神谷光信
執筆人が充実。開かれてきたのか?
2004年の感想私にとって、今年は・・・
●分裂症気味の価値紊乱。
@体系という暴力にゆだねてみる賢さ。
A衰える曲線と、蓄積する曲線のデッドヒート。





それでもお前は、
戻りたいのか?
But,do you want back?

Give me your Mail !

▼「買い物」、それは資本主義下の共犯行為である。 My favorite things.
ふふふふ。1999年◇1999 Icon2000年◇2000 Icon2001年◇2001 最後にはジョー・ストラマーが死んだんだよねぇ。2002年◇2002 飛ぶ!2003年◇2003