血液型と性格 - 血液型ステレオタイプ

血液型と性格の関連についての全般的な説明はこちら


結論

  1. 血液型と性格は本来関係がない!!
  2. たとえ、血液型と性格の間に関係があるように見えても、それは、 血液型性格判断が広まったことによって、血液型ステレオタイプが作られたからだ!!

1. はじめに

皆さんは今まで何度となく、「ねえ、血液型何型?」と聞かれたことがあると思います。 雑誌のタレント紹介やクラスのみんなで作った名簿には必ずといっていいほど、 個人の血液型が書いてあるでしょう。

このようなことが日本で起こっているのは、日本では「血液型と性格は関係がある」 と信じられているからです。世界的に見ても非常に珍しいことが起こっているといえます。

では、本当に血液型と性格は関係があるのでしょうか?上のような例は、 日本が世界の中でも特に「血液型と性格は関係がある」ということに気付いている、 ということを示しているのでしょうか?

私たちふしぎ研究会は、「血液型と性格の関係」について興味を持ち、 それについて調べてみることにしました。
アプローチの方法として次の2つが考えられます。

  1. 科学的に分かっていることを組み合わせながら、推理して、 血液型と性格の関係を考える。
  2. 実際に、たくさんの人の血液型と性格を調べ、 血液型と性格の関係について調べる。
1の方法は、そもそも人間の脳のことがほとんど分かっていないため、今回は取れません。 したがって私たちは2の方法を取って「血液型と性格の関係」 について考えている論文を検討することにしました。

血液型は、「血球と血清との凝集反応をもとにして血液を分類した型」のため、 皆さんがよく知っている、「A,B,AB,O」のようなABO式と呼ばれるものの以外にも、 Rh式のほか、いくつかの分けかたがあります。しかし、以下、「血液型」という時、 日本の血液型性格判断で使われるおなじみの「A,B,AB,O」 のABO式に話を限ることにします。

それではいよいよ本題に入りましょう!!!


2. なんだかんだいったって、
けっこう人は血液型性格判断に影響されている?!

渡邊席子史(現苫小牧市医師会附属看護専門学校非常勤講師) の論文によって以下のことが分かりました。

       日本で一般に言われている自分の血液型と性格の関係	
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            |    1 ゆるい関係                                          
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       自分の思っている、自分の血液型と性格の関係	
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                        |        2  関係 
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                    自分の性格 	
ちょっとわかりにくいかもしれないので、例を出して上の図を説明しましょう。 A型のキヨ君、B型のカツ君がいるとします。

  1. キヨ君は、一般に良く言われている、B型、O型、 AB型の性格については良く知らないが、A型のことについてはそれよりは良く知っている。 カツ君も、一緒で、県、O型、AB型の人が一般にどういうふうに言われているのか良く知らないが、「B型はこう思われている」というのは少し分かっている。 キヨ君、カツ君のような人が多いということです。
  2. キヨくんは、人に「礼儀正しいのって何型だったっけ?」と聞かれて、 「A型じゃない?」と答えた。キヨ君は(そういえば、自分も礼儀正しいような...)と思った。 このように思いやすい人が多いということです。

このほか、論文には、「一般にいわれるA型の性格については知っている人が多いようだ。」 「一般に言われる、それぞれの血液型の有名な性格については、けっこうみんな知っている。」 といったことも書かれています。


3. 血液型ステレオタイプ

血液型が性格と関連していると信じてしまうことを「血液型ステレオタイプといいます。 先ほどの図は、その血液型ステレオタイプが、自分の性格と関係してくる、 自分の性格を変えていく、と言う可能性を表しています。説明しやすいように、 もう一度前の図を登場させましょう。


       日本で一般に言われている自分の血液型と性格の関係
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       自分の思っている、自分の血液型と性格の関係	
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                         自分の性格

例えば、B型のカツ君がいるとすると、、、

  1. カツ君は「B型は慎重性に欠けている」ということを本で読み、
  2. カツ君は自分の性格と照らし合わせて、 (そういえば自分にもそういう部分があったような...)と思い、
  3. 「血液型性格判断はあたっている!」と思うようになりつつ、 B 自分を「慎重性に欠けているB型」の枠にはめ込もうとする。
このようにして、「自分の思っている、自分の血液型と性格の関係」はより定まったものになり、 血液型ステレオタイプは強くなり、さらにそれが、B,B’のように影響を与えていくのです。


4. 血液型と性格の関係は作られた?!

上で言ったことは実際起こりうるのでしょうか?

これに対する答えは、坂元章氏(現お茶の水女子大学助教授)の論文が教えてくれます。 下の図を見て下さい。


              (Sorry!)


血液型性格判断がはやりだしたのは、1970年代はじめごろです。この頃は上図では、 A型らしさはA型の人がいちばん大きいでしょうか?B型らしさはB型の人が最も大きいでしょうか? 他の血液型と顕著な差があるでしょうか?見て分かるようにまるでそうではありません。 「――らしさ」と血液型の間には、関係があるようには見えません。もともと、 血液型と性格の間に関係はなかったのです!!
また、坂元氏は、

A型らしさについては、近年に至るほど、A型の人がA型らしくなっている

ことを明らかにしています。これは、「日本で、最も多い血液型はA型」であるということ、 「血液型性格判断の本はたいていA型から始まる」などの理由で、 A型は血液型ステレオタイプを少しだけ形成しやすくなっているからだと考えられます。


5. 結論

以上のことから、私たちは以下のことを結論づけます。

  1. 血液型と性格は本来関係がない!!
  2. たとえ、血液型と性格の間に関係があるように見えても、それは、 血液型性格判断が広まったことによって、血液型ステレオタイプが作られたからだ!!

信頼するに足るデータを検討した結果、今のところ、こう判断するのが「妥当である」 と私たちは考えます。


文責: KU
1998年京都大学11月祭発表
作成日: 1998年11月19日

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