KG-ACARS Beginners' FAQ

Q1:入力のケーブルって何?
A1:無線機のオーディオ出力ジャックとパソコンのオーディオ入力又はマイク入力をつなぐ市販のオーディオケーブルで、大抵は両端とも3.5φのモノラルケーブルです。無線機メーカーが編集ソフトを使ってもらうために用意したUSBやシリアル端子につなぐケーブルではありません。つなぐPC側のポートによって、オーディオ入力ポートは抵抗無し、マイクポートは抵抗有りが良いと思われますが、相性問題は有るかも知れません。また、無線機2台を使ってデュアル受信をするときは片側に2個のモノラルジャック、もう一方にはステレオのジャックが付いたケーブルが必要です。


Q2:だれでも受信できるのですか?
A2:まず131MHz帯が、AMでスケルチを開放にして受信できる受信機をお持ちなら、飛行機の多く飛ぶ時間帯に131.250MHzに合わせて「ピギャ・ギャ」という断続的な信号を、はっきりと強力に受信できるか試してください。この信号が受けられないと何も始まりません。信号が受かっても、パソコンとの相性や無線機の音声の特性などの問題から100%大丈夫、というわけではありません。ただ、無線機が有れば他にかかる費用は接続ケーブル代の数百円程度ですから、やってみる価値はあるでしょう。もちろん、信号を受けられる量によってプロットの数は大きく変わります。


Q3:使えないと分かっている機器はあるの?
A3:相性問題があります。モービル用アマチュア無線機のエアバンド受信モード、シグマテル・ブランドのサウンドデバイス、一部のマイナーブランドのレシーバーが使えなかった事例が多数報告されています。逆に相性が良ければ製品の新旧、価格は関係有りません。


Q4:アンテナは要るの?お勧めのアンテナは?
A4:「外部アンテナは絶対不可欠」です。KG−ACARSは、同一のフライトが異なった地点で落とす位置情報を含んだ無線を受信することで、各種データをパソコン画面に表示するものです。ですから位置通報点直下のようなACARS電波が沢山出ている場所で受信していても、短いホイップアンテナではそのポイントでプロットが出るばかりで、その先まで線は延びてくれません。まして自宅の屋内では、航空機が落とす信号はそれほど多く受信できないのです。このため、まずは事情が許す限り良い条件で「窓の外にアンテナを立てる」ことを考えて下さい。無線機に付属するホイップアンテナを、ハンディ機用アンテナベースに装着し、ベランダの手すりや窓枠に挟んで固定して外に出すだけでも状況は改善するはずです。さらにディスコーンアンテナやモービル用ホイップアンテナでエアバンド受信に対応するタイプを、物干し台や屋根の上に取り付けられたら、さらに良い結果が出ます。また、アンテナには無線機やサウンドボードのような「相性問題」はありませんし、無線機を買い換えるよりアンテナを良い条件で立てる方が安くて確実に好結果が得られます。
貴方にとってベストなACARS受信アンテナとは、「空になるべく近いところに充分な強度で取り付けられ、なるべく太いケーブルをなるべく短い長さで無線機につなげられ、なるべく131MHz帯に共振周波数が近くて、なるべくゲインが取れるアンテナ」と考えてください。セットアップはできて、いくらか文字やプロットも出てくるようになったけど線が思うように伸びないと言う場合、アンテナが無線機付属のゴムアンテナなら「家の外にアンテナを立てる」ことを、まずご検討下さい。


Q5:無線機はどれが良いの?
A5:現在市販されている、アイコム・ケンウッド・スタンダード・アルインコ・AORといった、国内メジャー無線機メーカー製のハンディ受信機、ハンディアマチュア無線機のうち、「131MHz帯がAMで、スケルチ開放で受信できる物」なら殆どはKG−ACARSに対応します。但し、その無線機が持つオーディオ出力の音域がACARS受信に相性が良い物と、やや欠ける物があるのは否めません。これは無線機の価格に比例するものでは無く、最も安価な入門機クラスが非常に良いデコードをすることもあります。どちらかというと、スピーカーで聞いたときに乾いた高めの音がする機種が向いているように思えます。実際、受信音質切り替えの有る機種では、高音を上げる設定をするとデコード率が上がる機種もあります。「高価なラジオ、特定の無線機でないと楽しめない」ということが無いのも、KG−ACARSの優れた特徴です。


Q6:音のレベル調整は何を基準にするのですか?
A6:大きく分けて、KG−ACARSのレベル調整はパソコンの録音レベルと無線機のボリューム、2つで行います。パソコン側は、ウインドウズのタスクバーにあるスピーカーアイコンをダブルクリック、出てくるダイヤログ画面のオプションで、録音やオーディオインプットを選び、ライン入力やマイク入力レベルの調整スライドバーを表示させて行います。KG−ACARSのテキストウインドウでRAWボタンを押して文字が表示されるようにして、ツールバー右から2番目のスピーカーアイコンを押して受信信号音がモニターできるようにしたあと、まず無線機側のボリュームを全体の音量の半分に設定(全部で30あるレベルなら15程度)しておいて、自分が使っているポートのスライドバーを動かしてKG−ACARS画面の右上のインジケーターが赤く光るところまで上げ、文字の表示が受信信号音とリンクしながらなるべく沢山出る範囲まで、徐々にスライドバーを下げて行きます。信号が入ったときに文字が窓に表示され、なおかつインジケーターが赤く光らないポイント、がベストとなります。スライドバーで調整が付かなければ無線機側のボリュームを使って追い込みますが、このときにボリュームは最大レベル近くまで上げすぎないこと。音が歪んでデコードしなくなります。又、PCのサウンド回路に自動ゲインコントロールが入っている機種は、スライドバーをマックスまで上げても赤に点灯しないように自動調整されることがありますから、インジケーターに頼りすぎないことも肝心です。要は「テキスト窓に、どれだけピギャ音に連動して文字が表示できるか」を最大の目安にして調整してください。


Q7:USBサウンドデバイスが効果的と聞きましたが、本当ですか?
A7:PC内蔵のサウンドチップが上手く反応しない場合、USBポートに「USBサウンドカード」を取り付けると使えるようになる事があります。又、内蔵サウンドチップを使うよりUSBのほうが、デコード率そのものも上がる、と断言する方もあります。確かに、USBカードでは、オンボードのサウンドチップと比べてレベル設定の数値やインジケーターの点灯の仕方に違いがありますが、効果の体感度は人によって違いが大きいので、「絶対効果的」とは言えません。ただ、シグマテルのチップが付いていて使えない、といった場合は試してみてください。


Q8:ACARSのプロットする位置情報にズレがあるのはなぜ?
A8:ACARSデコーダーは、レーダーではありません。飛行機が落とすデータを解読し、そのなかから位置情報やフライト情報、メッセージ情報などを選りだして画面に表示するものです。このデータの組み立てルールは数多くのパターンが存在し、位置情報も10進法と60進法が混在し、きっちり度・分・秒以下が揃ったデータとそうでないもの、それ以前に位置情報を含むものと含まないものなど、本当に様々なデータ信号が存在します。KG−ACARSではさらに表示のための誤差の修正もソフト内部で行われています。このため、有る程度解析が進んでいるキャリアについては精度の高いプロットが可能ですが、正しいデコードができないキャリアもあります。皆さんがご覧になって「あれ、おかしいね」と思われるズレは間違いなくK.Gさんも把握していますが、技術的な問題から解決に至っていないとご理解ください。


Q9:ACARSのテキスト窓に出る数字やメッセージの意味は?
A9:ACARSは、「カンパニー波のデジタルデータ無線」のようなもの。地上クルーは、ACARSメッセージを専用端末でモニターしています。もっとも、これは直接電波を受けるのではなくて、ACARSサービス・プロバイダのネットワーク地上局が受けたデータを、契約した航空会社に整理した形でネット配信するものをモニターされているのです。ですから、メッセージには速度、高度などの情報の他、機体の動作状況テレメトリや、音声のエンルート波でやりとりされるような情報も含んでいます。この文字メッセージは、英文チャットやハムのモールス通信のように、単語を一部省略して打っていますが、何となく意味は分かることが多く、楽しめます。テキスト窓のボタンでMESを選ぶと、重要でない信号を表示しなくなり、これら「カンパニー連絡」を含むデータを見つけやすく、読みやすくしてくれます。カンパニーですから、たまには「北島のレース、どうだった?」と試合の結果を尋ねるような、クルーのほほえましい交信が「読める」のもACARSの楽しみです。