Lesson04(重要度:

「デッサンで画力向上」





ツーツー「この時間ではデッサンについて見ていきます。ネ。」

TENさん「画力上達の上では非常に重要な分野です。」

ツーツー「漫画ではイラストと画力の違いというものがあります。ネ。」

TEN「絵が奇麗というのと画力が高いというのは、実は似てるようで似ていないのです。
イラストの世界と漫画の世界は全くの別モノだと考えて下さい。
イラスト(イラストレーション)とは動きの無い絵、挿絵や1枚絵などともいわれます。
それに対して漫画は、キャラの表情、動き、ポーズ、デッサン力などを総合して
はじめて画力の高さが判断されます。
しかもイラストのように一枚一枚じっくりと描いていられるわけではなく、
締め切りという強敵のおかげで描くスピードも要するわけです。
連載が始まると自分の実際の画力よりも多少レベルが下がると思って下さい。
つまり、画力とはいかにキャラクターを生きたまま動かせるかということなのです。
中には顔は奇麗上手に描けるのに体は全く描けないという人が稀にいますが・・・、
これはキャラの顔の絵ばかりを描いていていたゆえにそれに慣れて、
他の部分の練習を怠っていた結果だと言えます。
おそらく皆さんも体なんかを描くよりも顔を描いている方が楽しいと思います。
ですが、顔と体の画力の違いというのは、かえって目立ってしまいますので、
なるべく体と顔両方をまんべんなく練習するようにしください。
顔だけ描けていてもそれはイラストと同じことになってしまい、
体や手や足など全てのボディパーツを描かないといけない漫画では通用しないものです。」

ツーツー「画力の善し悪しはバランスで成り立っていると
言っても過言ではないですぅ。ネ。」

TEN「はい、どれだけ線が奇麗に描けても、どれだけ迫力あるポーズが描けても、
全体のバランスが整っていなければ、なかなか上手だな、綺麗だなと見えてはくれません。
そこで注目して頂きたいのが今回の項目のデッサンです。」

ツーツー「デッサンといったら美術でするものじゃないですか、ネ。
漫画と関係あるのかな?」

TEN「全くの無縁というわけではありません。
というか画力の上達の上でかなり重要となってきます。
ただ、漫画では読者にキャラがどのように動いているのかが伝わればいいのですから、
解剖学を勉強したり、専門的なテクニックを学んだりする必要はありません。
無論、漫画にはデッサンが絶対不可欠!というわけではございませんが、
デッサンというものは色々と応用できるので、基礎だけでもマスターしておきたいです。」

ツーツー「では、具体的にデッサンの説明をして下さい〜。ネ。」

TEN「物や人をよく観察して、正確に紙に描きとめることで、
主に漫画では人物デッサンを行います。
もちろん、原稿に描く時、一人のキャラクターを描くのに
いちいちモデルを見ながら何時間もかけて描いていては
日が暮れてしまうので、何も見ずに、人物の筋肉のつき方や顔の表情、
服のしわのでき方などをイメージ通りに正確に素早く描けるようにするために
デッサンを学び練習して、時間がなくて雑に描いた時でも上手く見せる技術を体に叩きこみます。」

ツーツー「どうやって練習したらいいですか。ネ。」

TEN「まずは人間の顔のつくりについてイラストで見ていきましょう。
男と女とでは顔の形は微妙に違います。描き分け方を簡単に言うと・・・、
男性は全体的に骨が出っ張ったゴツイ感じで描き、
女性はふくよかに、少し丸みを帯びたように描きます。
横からみると女性は、あごは男性よりもあまり突出せずに滑らかに描き、
鼻の辺りもくぼみをあまり描きこまないようにします。
特に輪郭は男性は角ばって描き、女性は骨の突出を意識して描きこみません。
男性は眉毛が太く、女性は細く、目は女性の方が男性の場合よりもやや大きめに描きます。」

男性の顔 女性の顔
正面顔

TEN「顔を描く順序は、まずは楕円形を描いて輪郭(アタリ)を取ってから、
縦と横に直線を入れます。この時横の線(両目の位置)は
顔全体のちょうど2等分した真ん中の位置にもってきます。
そしてその横の線上に目を描きこんで、縦の線に沿って鼻を配置し、
口を描いて、眉毛や髪の毛などのパーツを描きこんでいきます。」

ツーツー「マンガでは実際の顔のつくりとは少しデフォルメ(簡略化)されて表現されてます。ネ。
例えば目にしても少女漫画などでは目は大きく輝いて描いたり、
実際の顔のパーツの位置とは少しだけ違った位置にもってくることもあります。ネ。」

TEN「漫画は必ずしもデッサンどおりに描く必要はないです。
特に顔はデフォルメすることが多々あることと思います。
例えば、斜めからの角度の顔のアップでは片方の目は実際より小さく描く場合があります。
ロングなどで人物を描くときは、人物が小さくなって描きにくいので、
顔の目や口などのパーツを一部、あるいは全て省略することもあります。」

ツーツー「体のつくりを見ていきます〜。ネ。」

体のつくり

TEN「首と肩にかけての筋肉と、脇から肋骨にかけての筋肉の
つきかたが特に難しいので、よく練習しておきます。
顔が正面を向いている時、首はほとんどあごで隠れてしまいますが、
少し顔を見上げた位置になると影のでき方や首の見える面積が変わってきます。
さらに見上げた顔を描く場合、鼻の穴の位置に特に注意します。
それに伴い耳の位置も動き変化することに注意が必要です。
基本はまず鼻を中心にして目や口などの配置を決め、
最後に髪の毛の順でパーツを広げていきます。
漫画表現で肋骨はより細かく描きこむほど、力強さがでてきます。
女性などの力強さが必要ない場合などは逆に肋骨をあまり細かく描きこみません。
人間の両手は横に水平に伸ばした時に、ちょうど身長と同じ長さになります。
人間の骨格や筋肉は視点を少しずらしただけでも大きく変化しますので、
色々なポーズを観察したり、資料などでよく勉強しておくようにします。
どうしてもうまく体が描けないという場合は、いくつかのパーツに分けて順々に描いていきます。
例えば、体と腕を描く場合、先に体を描いてそこから腕を加える要領でパーツをつけていきます。
では、少しまとめてみます。↓」

腕:曲げた時には上腕二頭筋が膨れ、他の筋肉は伸びる。筋肉の運動に注意する。
ひじ:ひざに比べ直角に近い形になっている。(腕を曲げた状態)
ひざ:ひじに比べ四角に近い形。さらがあるため。(腕を曲げた状態)
脚:身体の約半分をしめる。腕と同じく筋肉の運動に注意。
腹:くびれている。特に女性はくびれを多めに。
首:頭を支えている部分で、横からみると全体的にやや後部(背中より)に位置する。
胸:男性は腕の三角筋のあたりから大胸筋を描き始める。女性は乳房があるので
先に胸部の簡単なアタリをとってから乳房を描くようにする。

TEN「男性と女性の体の描き分け方を簡単に説明しますと、男性は肩幅が広く、
腰が狭い、いわゆる逆三角形に近い形をしています。
反対に女性は、肩幅が狭く、腰幅が広くなっています。
女性は首を細くしたり、手先や足先を細く描いたりすることで女らしさを演出できます。
また男性は骨格を強調して角ばったようにゴツく描けば描く程、力強い男性を演出できます。
女性は足を少し内股気味に描くと女性らしい感じになります。」

ツーツー「頭身のことについて説明してください〜。ネ。」

TEN「よく8頭身や2頭身などという言葉を聞いた事があると思います。
6〜7頭身は標準タイプと呼ばれ、普通の体格で成人にあてはまります。
2〜4頭身といったら主に赤ちゃんに用いられ、
他にも英雄型の9〜10頭身やおじいちゃん型の4〜5頭身などなど細かく分けるとさらに多くなります。
頭身とは慎重の割合を頭で等分した計り方で、キャラの身長を描き分ける時に重要になってきます。
あくまで頭身とは平均的なもので、体格や個人差などで頭身はさまざまに変化してきます。
ちなみに現代の日本人の身長の平均は5〜6頭身くらいと言われています。
簡単でいいですので、原稿にキャラを描く時は顔と同じ位の大きさの円形などを頭身分描き込んだりして、
先にだいたい何頭身かを決めてからキャラの全身を描くようにしましょう。」

TEN「人物デッサンを十分練習して、人間の体のつくりをだいたい理解できたら、
次はモデルの観察を省いて、イメージを元に漫画風に描いてみましょう。
ただし、あまりデッサンに固執しすぎると、自分の元の絵柄が崩れてしまう場合があります。
オリジナリティ重視だと言う人は、デッサンを一切触れないというのもひとつの手です。
デッサンを練習をするしないでは自分の絵が見違えてくると思います。」

ツーツー「はじめは筋肉をつけたデッサンを描くのではなく、
骨格だけの人体を描くようにするといいです。ネ。」

TEN「骨格も同じく骨の各部分詳細にデッサンするのではなく、
ある程度骨のつくりを覚えたなら、人物の様々な動きのあるポーズをラフスケッチします。
骨のつくりを理解してから筋肉付きの普通の人物デッサンに
とりかかるようにすれば、全然違ったものになってきます。」

TEN「次に背の高さについてです。」

ツーツー「背の高さも注意して描く事が大切です、ネ。
さっき述べた頭身のことも参考にしながらキャラの身長を決めるようにします〜。ネ。」

TEN「キャラクターを設定する時にノートなどに背の高さも書き込んでおくといいですね。
これも精密に描く必要はありませんが、長身のキャラがいきなり次のページで
背が縮んだりしていたら、あきらかに読者は混乱しますよね。
キャラの年齢や体格、どのような頭身タイプが望ましいか等を考慮して身長を決めます。」

ツーツー「イラストと画力の違いは画力は様々な分野を
観察し、研究し、練習しないといけないことです。ネ。いいですか。」

TEN「イラストもただ単に描き続けていればいいというわけではないのですが、
とにかく漫画はただのイラストで構成されているわけではないということです。
あと、原稿を描いている途中で、デッサンなどをし始めたりして、
途中から絵柄を変える、または変わってしまうことは多々あると思います。
ひとつの作品のなかで絵柄が変わってしまうのはなるべく避けたいところです。
上達するのはいいことなんですが、絵柄が大きく変わってしまうと他の人が途中から
描き始めたのでは?と疑惑が出てくることもあるやもしれません。
自分がどうしても絵柄を変えたいという時以外は、
なるべく絵柄をホイホイと変えないようにしてもらいたいです。
何度も絵柄を変えたりしていると自分を見失ってしまう可能性がありますからね。
自分の絵柄を大事に守って、デッサンを効率良く学んで欲しいです。」

ツーツー「デッサンが身についたならば、今度は色々な人物のポーズを
モデル人形などを見ながら、何枚も何枚も描いて練習する、の一言に尽きますネ。
Hmm...では次のページに行きます。ネ。」


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