
名古屋新中国拳法・九星会 出稽古記

2002年1月×日。
思うところがあり小生は単身、名古屋にて新中国拳法・九星会を率いておられるTanTan先生の元を訪れた。
TanTan先生は、その日の定例練習が始まる2時間近くも前にわざわざ来て下さり、会員の方々が集まるまでの時間、ずっとマンツーマンにてご指導してくださった。
再会の挨拶もそこそこに、早速、武術のご指導をして頂くこととなる。
まずは、TanTan先生が伝えている武壇古伝の八極連環拳である。
現在見られる連環拳よりも遥かに簡素な構成であるが、その内容は質実剛健であり、学び応えのある内容であった。

動作を指し示して頂きながら、姿勢や形などを細かく直して頂く。
動作の意味、理論や正しい力の出し方なども、細かく指導してくださり、実際に小生に技を掛けて頂くと、ものの見事に崩されてしまう。
負けじと抵抗し、比較的体重のある小生が、体重の軽いTanTanさんに思い切り崩してやろうと思うのだが、TanTanさんは崩れることなく、逆に小生がそのまま崩されてしまうといった有様だった。
小生は、なすがままにされ、ただ黙ってうなだれるしかなかった、、、(涙)
しばらくすると、会員の方々が定例練習のため、少しずつ集まってくる。
そこで次にご指導して頂いたのが、蟷螂拳の楸腿であった。
楸腿には、入り方から中心線の崩し方、相手との接触、上下での崩しと盛りだくさんであり、中国拳法の戦闘法を理解しやすいと仰られ、早めに来た会員の方と共に、ご指導して頂いた。

小生自身、蟷螂拳は自分の体と性格にあまり合わなかったので、今までもそれほど熱心に練習はしていなかったが、TanTan先生に、この楸腿をご指導していただくと、なるほどと学ぶべきものがたくさんあり、とてもよい勉強になり、収穫となった。謝謝!
さて、やがて定例練習の時間がやって来た。
図々しくも、当然のようにこれにも参加させていただく。
九星会での練習の雰囲気はとても和やかなものであり、TanTan先生の飛ばすジョーク(親父ギャグ?(笑))や、それに答えるユーモアたっぷりの会員の方たちとのやり取りは、実に微笑ましいものがある。
九星会のひとつのポリシーでもある“楽しみながら学ぶ”であるが、TanTan先生は、持ち前の明るさで、動作などをご指導されるときも、動作ひとつひとつを楽しく練習できるように常に工夫しておられ、それにより、会員の方々は目に見えて、活き活きと楽しく練習をされていた。
小生もこの考え方には、ずいぶんと感化されたものである。
しかしながら、そんな中で指導される基本功から基本対練などの内容は、どれをとっても欠かすことのできない重要なものであり、とてもいい勉強となる。
とくに化勁と粘に弱い小生は、この基本功における粘貼の練習は興味深く、対練から独練の法も学び、これはやり込んで是非ともモノにしたいと思った。
そして、わざわざ小生の好きな八極拳を織り交ぜた練習メニューをしてくださり、もはや感謝の言葉もなかった。
ここで、主にご指導いただいたのが、八極拳の大纏である。
左の写真中央が、九星会教練のK田氏である。
基本功や対練などで、ずっとお相手をしてくださり、おかげで崩しなどに、またひとつ理解を深めることができた。
この場を借りて、改めてお礼申し上げます!
詳しいことは言えないが、この大纏から学び取れる崩しの技術は、目を見張るものがあり、TanTan先生とK田教練の指導されるその化勁は、中国拳法の理論をあますことなく施行され、今までの小生の技術など児戯にも等しいということを否応なしに痛感させられるものであった。
また、この動作からも、小生の欠けている部分が露わとなり、これを戒めようと、必死に努力するものである。
武術練習者にとって、自分の欠けている部分を指摘していただくことは、レベル向上のための、なくてはならない道しるべとなるもので、大変にありがたいことなのだ。また、新たな目標に向かって、前に進むことができるからだ。
さらに練習の最中、無理を言ってTanTan先生に合気勁をも掛けて頂いた。
言わずと知れた、武術誌「秘伝」などにも取り上げられ、一大旋風を巻き起こした、あの合気勁である。
当初、お聞きしたときは正直半信半疑であったが、実際に掛けて頂くと、今までの小生の常識では信じられないことが起こったのだ。
小生が、TanTan先生の両腕を握ると、
「はい、掛かりました。」
と、事も何気に仰る。
合気勁とは、知らぬ間に基底面から重心を崩す技術だと聞いていたのだが、掛かりました、と仰られた後に、自分の重心などを確認するが、別になんともなく、人によっては掛からない場合もあるというTanTan先生の言葉が脳裏をよぎった。
しかし!比較的腕力があると自負している小生が、TanTan先生の握られた両腕を力一杯持ち上げようとするが、なんと持ち上がらない!
伸筋を使ったりとか、崩しを掛けながら持ち上げにくい状況を作っているわけではない。
それだけにとどまらず、合気勁の掛かった状態で、背中を指で軽く押されると、ものすごい激痛が走るのだ。まるで、小動物に背中を思い切り噛み付かれたような感覚だった。
これには正直、驚きを隠せなかった!
本当に、合気勁とは不思議な技術だ。TanTan先生が仰られるには、合気勁が掛かると体の質が瞬時に変化してしまうのだと言う。
まさに恐ろしい技術であり、これほど不思議な体験をしたことは、初めてであった!
これが小生が素直に感じた感想である。
だが、合気勁も凄いが、TanTan先生の化勁も物凄い。
あれだけの化勁、骨格的正確な動作ができれば、合気勁の発見など当然であろうと思わせるほど、練りこまれた技術がある。
小生もまた、TanTan先生より学んだ数々の技術を練磨することで、そこに一歩でも近づきたいとこれを練るものである。
そして最後に、TanTan先生をはじめ、お世話になった九星会の会員の皆様にも改めてここで御礼を申し上げたい。
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