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KUZUIRE

 

 

 


 
 08年からブログにて唐突に書き続けてきた文章です。TV版の個人的補完として書いてきたものなので殆ど習作みたいな代物です。内容は半分パラレル。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

 

 
 
 マツカがカフェの前に到着したのは、指定された時刻よりも五分ほど早かったが、そこには既に私服姿のセルジュが待っていた。
「すみません、待たせてしまったみたいで」
「何言ってる。まだ定刻まで5分あるぞ」
 セルジュは気さくに笑いながらマツカに歩み寄った。セルジュの部屋は確かここから反対方向にあり、マツカの部屋からここよりもわずかながらも遠いはずだった。
「セルジュはいつ着いたのですか?」
「それほど変わらないさ。入るぞ」
 はっきり答える気がないらしく、セルジュは早々にカフェへと足を向けた。マツカはちらりとセルジュの姿を見やる。艦内での私服は原則禁止されていたが、昼夜を問わない業務にあたる軍人に限ってはある程度の許容を持たせても良いということになっていた。余談だがこれはキースの提言で決まったことだと後で耳打ちされた。セルジュは黒色のジャケットに中は白いカッターシャツを崩し気味に着ていた。下も上と同色のパンツにダークグレーのレザーシューズ。自分が着れば野暮ったく見えるだろう。彼は自分にどのような格好が似合うのか知っている。勤務時間外とはいえ、艦内にいる限り服装身なりはある程度制約される。その中でも皆各々のスタイルを楽しむのだ。ある意味才能だな、とマツカは思った。キース・アニアン補佐官という役目に相応の自信に満ち溢れた振る舞い。まるで貴族の子息であるかのように。
 席はカウンターしか空いていないがと訊かれたが、セルジュが案内の男に「それでいい」と伝えるとすぐに奥へと促された。カウンター席は店内の最奥に位置していた。カウンターに向って右側に二人並んで腰かけた。バーテンが声をかけてきたが、セルジュはすぐに水と「適当に」とメニューを注文し終える。
「ジョナは?」
「あ、そうですね・・・・じゃあ、サンドイッチありますか?」
 マツカもとっさに浮かんだものを頼む。バーテンが奥に引っ込むとセルジュに小声で訊ねた。
「ここって、メニューないんですか?」
「さあ。いつも適当に頼むからな。あるかもしれないけど、見ない。てか、サンドイッチで腹ふくれないだろ?」
「ここのところ、あまり食欲がなくて」
「よく言う。ここのところじゃなくて、いつもだろう」
困ったように笑うマツカをセルジュはしげしげと見つめた。

 2人の頼んだ食事は10分後に目の前に並んだ。その量の多さにマツカは目をむいた。自分が頼んだのはわずかサンドイッチ1皿だったのだが、カウンターの上にはスープやサラダ、肉や魚、麺類、パン、炒飯などがずらりと置かれている。絶句した後に、マツカはようやくセルジュを横目に見た。
「これ、全部セルジュが頼んだのですか?」
「そう」
「適当に、って言っただけですよね?」
「ああ、いつも通り」
「セルジュが全部食べるんですよね?」
「何言ってるんだよ。どれも2人分ずつあるだろ?お前も食べんの」
「そうなんですか?」
「安心しろよ。おごりだから」
「奢ってもらうなんて恐縮します。自分で払いますけど・・・」
「たく、食べる前から会計の話は止めろって。とにかく食わないと育たないぞ。残すなよ」
「・・・・そうなんですね」
 2人で食べきれるだろうかと素朴な疑問に駆られたが、ともかく食事を始めた。



 
 


 
 

 
 
 
 久しぶりすぎの更新です。会話をしていると意外と大人なのがマツカだといいなーなんて思います。