宇宙関係のミニ知識

 2018年9月更新

<写真 ハッブル宇宙望遠鏡による究極深宇宙空間にある銀河群>

 この写真は、ハッブル宇宙望遠鏡の空いた時間を利用して、地上の光学望遠鏡では星の見えなかった「これまで何もないと考えられていた空間」を長時間撮影したものであり、「何もない空間と思っていた、夜空の、ごく一点にも、こんなに銀河が存在する」ことが判明したきっかけになった。銀河は太陽などの恒星が集まったもの。最近の観測結果によると、宇宙には銀河が2兆個あり、そのうち「人間まで進化が可能な地球型惑星」は400億個程度あるという。この数字、映像を見ると「宇宙人はいない」と思う方がおかしいのではないだろうか。ちなみに、ハッブル宇宙望遠鏡の開発にあたっては米国ワシントンDCからレーザーを発射してニューヨーク、マンハッタンのエンパイアステートビル屋上に設置した10円玉のど真ん中にレーザーを命中させ続ける望遠鏡制御技術が必要とされた。


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目次>----------------------

1 月のトリビア、月の石

1.1 月の大きさ

1.2  月の誕生

1.3 月面での生活

1.4 月の石

1.5 月と地球の関係

1.6 月が無かったら

1.7 月は光っていない

1.8 月という名前

1.9 月食

2 地球のトリビア

2.1 地球の自転速度

2.2 地球の公転速度

2.3 地球の一日の時間

2.4 宇宙は冷たいのに、なぜ地球は凍りつかないのか? 

2.5 地球の歳差運動

2.6 地球の”地軸の傾きの周期的変化” 

2.7 地球の重力は、地中では一律とは限らないらしい。

2.8 鉄のありがたみ

2.9 地球の土のありがたみ

2.10 隕石から分かる地球の内部

2.11 オーロラ

2.12 地球が海ばかりで、陸地がなければ、今頃、恐竜も人間もいなかった

2.13 【うるう秒】というのがある

3 太陽のトリビア

4 旧ソ連のロケット情報

5 火星探査> マーズ・ローバー 、スピリッツ、オポチュニティ、キュリオシティ

6 宇宙航行法

6.1 地球から月へ行く方法

6.2 地球から他の惑星に行く場合

6.3 地球の大きさをリンゴに例えると、大気層はリンゴの皮以下、宇宙ステーションは3mm上空、月は3m先を回っている。

6.4 地球から他の星まで行くのにかかる日数。

6.5 宇宙人は存在するが、地球には来ないと思う理由。

6.6 「惑星(わくせい)」という言葉は、夜空で星が行ったり来たり迷っているように見えたところからついた。

6.7 月の表面の黒い部分は、巨大クレーター内にマグマが流れ出て固まった跡。

6.8 宇宙空間から見ると地球上の人間はマッハ1.36で回転している。

6.9 今の北極星と古代の北極星では、、、違う星のことを意味している。

6.10 カーナビと相対性理論の関係

6.11 日曜日、月曜日、火曜日などの曜日は、惑星 (太陽の周りを回る星)の名前から命名されたらしい

6.12 地球、月が、何の原動力もなしに何十億年も動き続けられる(自転、公転)出来る理由

7 惑星探査> パイオニア、ボイジャー、カッシーニ、ニュー・ホライズンズ

8 小惑星探査機「はやぶさ」技術のすごさ

9 宇宙開発のおおまかな歴史年表

10 宇宙飛行士関係

10.1 無重量空間での生活

10.2 トイレ

10.3 洗面、風呂

10.4 睡眠

10.5 食事

10.6 体の異常

10.7 地球帰還後のリハビリ

11 NASA、JAXA ( NASDA ) 関係

12 人類史上はじめて地球から出たガガーリンについて

13 その他、未分類 (今後のデータの倉庫)

14 国際宇宙ステーション

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1月のトリビア、月の石

 

1.1 月の大きさ>月は、大きさはオーストラリア大陸程度で地球の回りを約1か月(29.5日)かけて楕円軌道で公転する「衛星」。衛星とは地球などの惑星のまわりを公転する自然の天体のことで、人間が打ち上げたものは「人工衛星」として区別している。月の直径は3478km、体積は219億km3、質量は73.48京トン、地球の1.23%の質量に相当し、楕円軌道なので、平均すると地球から38万4000km先を回っており、地球に一番近い時と一番遠い時を比べると約5万kmの差がある。単純にいうと一番近い時は約36万km、一番遠い時は約41万km。月が地球に一番近い時と遠い時を比べると、地球で見た月の大きさは、直径で1.13倍(=物理的に13%大きく見えるということ)、明るさで1.3倍(1.3倍明るく見える)の違いがある。

1.2 月の誕生>月は、45億年前に原始地球に火星クラスの巨大な惑星が衝突してそのカケラが集まって出来たとの説が有力となっており、地球のように風化作用がないので月の石は生成時、つまり45億年前の岩石がそのまま残っているという。月は地球からは丸く見えるが実際の形状はいびつであり、「いびつさ」が有力な証拠となっている。表面の平均気温は-23℃、最高気温123℃最低気温-233℃で、熱をゆるやかに伝達する大気がないので、太陽光が直接あたる日中は130℃、夜はマイナス170℃になる。月の一日は地球時間では27.3日に相当し、その半分、14日が昼に相当する。

 月は自転しているが、地球側の面に比重の重い玄武岩(月の黒い部分)が偏在しているため&地球からの引力で地球面の岩が7m隆起するので、月自体の重心が偏っているので月誕生時は自転速度が速かったが、時間の経過とともにゆっくりとなり、起き上がりこぼし人形のように、長い年月の間に地球の自転周期とシンクロ(自然になるらしい)して地球からは常に表側しか見られない(自転するのに一か月(27日)かかるので、常に同じ面が地球に見える)状態になった。しかし、実際には月は長い時間をかけてわずかにぶれる(秤動)ので、丹念に調べると60%は地球から観察できるらしい。月の黒い部分が「〜の海」と命名されているのは、昔、ドイツの天文学者ケプラー(1630年没)が、黒い部分には海があると信じて名前をつけたから。ガリレオも1642年没だが、このころには望遠鏡が発明されており、この時代の望遠鏡でも木星の衛星(ガリレオ衛星)まで見えていたというから驚きである。

1.3 月面での生活>月の重力が地球の6分の1であるのは有名な話だが、地球でも水中では浮力との関係で重力?は9分の1になっているらしい。ちなみに、木星は地球の2.5倍の重力あり、木星を回る月は63個あるという。地球の周りを回っており、月と地球の自転周期がシンクロしており、月は地球の周りを回転しているので、月の同じ場所(例えば月面基地)から地球を見た場合、地球は常に空の同じ位置にあって動かないが、地球は自転しているので地球の模様が随時変わるだけだという。(地球で太陽や月を見たときのように移動しているように見えないということ。)月の北極、南極などでは、月の地平線近くに地球が見えて、月の赤道上では地球は真上に見えるという。

 月には大気がほとんどないので宇宙からの隕石が燃え尽きることなく高速で直撃するから、あのようにデコボコのクレーターだらけになり、水も空気もないのでクレーターが何万年たってもそのまま残っている。また、これらの石は長い間繰り返し徹底的に粉砕され、水、風の風化作用がないので、小さくても尖った形状をしており、宇宙服にこびりつくほか、月面探査から帰還した宇宙船内を浮遊し、それらを吸った宇宙飛行士は、花粉症に似た症状を示した。月には大気はほとんどなく(重力が小さいので、宇宙空間に大気成分が揮発した)、水の流れ、風も吹かないので、アポロ計画で人間が歩いた足跡は、少なくとも100万年は、そのまま残ると言われている。

 月の1日は地球の時間になおすと656時間(27.3日、地球の感覚でいうとお昼が15日間続いた後、夜が15日続くということ。)、(地球は24時間)、火星は24.5時間、宇宙ステーションの場合は45分で朝と夜が入れ替わる。よってアポロ計画では、地球時間では月面で何日も過ごしたが、月の時間でいうと一日も過ごしていない。これは、月の一日において太陽が当たる時間になると、月着陸船付近の温度が200℃になるため、ちょうどいい温度時間帯になるように計算して着陸した。よって、月面着陸関係の写真で背景、地面が黒いのは月の夜時間に活動したから。

 また、月面では、大気がほとんどないので、太陽が見えても地球のような”青空(=太陽光が大気で青色の補色を吸収しているから人間には青く見える)”というのは、そもそも存在せず、強烈な光をはなつ太陽が見えるだけで、大気がないので昼と夜の境目がハッキリしており、月面は太陽光が射すと急激に温度が上昇するらしい。

1.4 月の石>月が白く見えるのは、「レゴリス」と呼ばれる隕石や溶岩の噴火によって溶けた直径10ミクロン〜1mmのガラスや土が強烈な太陽光線を反射しているから。月の白い部分は、斜長石(詳しく言うと(Ca,Na)長石、灰曹長石、ラブラドライトとも言う)と、細かい玄武岩と斜長石が物理的に混ざった角礫岩(かくれきがん、角は粒子が角張った、礫は物理的に混じったという意味、角礫岩は、月面に隕石が落下した際に、破砕して加熱された瓦礫が周囲の砂とともに固まったもので、何億年、その過程が繰り返されると、角張った微細な結晶から構成される角礫岩が出来る。)で出来ており、全体に黒茶色の玄武岩が分散しているので、全体的には月は灰色に見える。アポロ計画によると、その他にマグマの噴火、隕石の衝突にともなって生成したオレンジ色のガラス質の鉱物、黒色球状の石も発見されている。月の黒い部分は、溶岩が噴出して固まった黒っぽい茶色かかった玄武岩

玄武岩は、地球のマントル層にも豊富にあるカンラン石(宝石名 ペリドット、カンランとは植物のオリーブの事、オリーブのような黄緑色をしているので、カンランと呼んでいる。)が溶融して生成される非晶質系の岩なので、月の内部にはカンラン石もあると推察されている。正確にいうと地球以外には土と呼ばれるものはなく、岩石が細かく粉砕された状態(細かい砂)であり、地球には微生物がたくさん存在する土(農業でいうところの土)があり、土内に様々な微生物が存在することによって、「ふわふわの土」が生成されており、植物が根を生やすことによって成長できる。非常に微細な砂は固まりやすく、これは岩場、砂漠に植物が育ちにくいことを見ればすぐ想像できる。ちなみに、地球の雑木林の土をスプーン一杯とると、センチュウ、ダニ、トビムシなどの土壌生物が何万匹も潜み、微生物も含めると数十億もの生き物がうごめいているという。

 多くの隕石はカンラン石((Mg, Fe)2SiO4,宝石名 ペリドット)や、金属鉄、ニッケルから出来ており、隕石が衝突すると隕石中のカンラン石が溶けてマグマとなり、マグマが冷える過程で斜長石(宝石名 ラブラドライト)が析出し、残り成分が黒い玄武岩として残るとされている。玄武岩が黒いのは2価の鉄イオンの影響。 ちなみに火星が赤いのは3価の鉄イオンの影響。

 月の石として販売されているものには、アポロ計画で持ち帰ったもの、月起源隕石、ニセモノがあり、アポロ計画で月から人間が持ち帰ったものは、非常に稀であるがアメリカのオークションで販売されることがある。これは、アポロ計画の宇宙飛行士がお土産に家族、知人に配ったものが、40年たって売りに出される場合である。その他、月には大気がないので、古代に大きな隕石が月に衝突した際に、宇宙空間に月の石が飛び出して長年漂っており、過去に地球に隕石として落下したものがある。これを月起源隕石という。このカケラがアメリカのオークションで販売されている。

 多くは黒色と白色の岩の混じった角礫岩で、黒、白の岩が、ゴマつぶぐらいに小さいものが本物。実物については、国立科学博物館で見るか、グーグルで”月の石”で画像検索してみるとよい。黒、白の岩が数ミリ〜1cm以上あるものは、たいがい地球で採取されたニセモノである。月の石の分析には少量しか必要ないので、アポロ計画で持ち帰った石サンプルのほとんど、重量にして74%程度はヒューストンの施設内で、もとの状態のまま保管されており、その他14%はサンアントニオの特別な保存施設に保管されている。

1.5 月と地球の関係>月は地球のまわりを楕円軌道で回っているが、月も質量が大きいので、「地球と月が引っ張りあってお互いを振り回して」おり、地球と月の重心は、地球の中心から約4600km(地球の半径が6400kmなので地下1800km、下部マントルの辺り)の所にあり、厳密にいうと太陽の周りを地球が中心になって公転しているのではなく、実際には”地球と月が2人でダンスするように”回転しながら、”地球と月の重心部分を中心にして”太陽の周りを公転している。もっとも、より正確に表現すると、地球の巨大な重力で、地球周辺の空間が歪んでおり(正確には地球の回転によって地球周辺の時空が捻じれている)、その歪んだ空間に向けて月(月の重量も大きいので月周辺の空間も歪んでいるが、月と比べると地球は圧倒的に大きい)が落下する際に回転を始めて、遠心力と落下の力が釣り合ったのが現在の月の軌道ということになる。

1.6 月が無かったら>もし月が誕生していなかったら、月の引力がないので現在の地球の自転速度は現在よりもっと速く一日は8時間。地球が誕生当時は5時間と推定されている。潮の満ち引きは、太陽の引力だけで引き起こされるようになる(現実には、地球に一番近く、重量のある月が地球の海水を引っ張っており、月が見えなくなる新月と、満月の時期(=海水に遠心力がかかる時期)が最高に潮が満ちる)ので、規模は3分の1になり、生物進化の場になった干潟の面積は小さくなり、魚が地上に進出するかどうかは疑わしかった。地球の自転が早いために猛烈な風が吹き荒れ、台風のような環境で 毎日生活することになる。月の重力は、地球の歳差運動(北極点と南極点をむすんだ回転軸のブレ)にも影響を与えており、月があるために歳差運動が抑えられている。(=太陽に対する角度が安定する=一年を通じて地球が極端に暑くなったり寒くなったりしない。ちなみに北半球で夏が暑いのは、地球の自転軸が傾いていて、地球に対する太陽光線の照射量が変化するため。)

 古代人は熱心に月の変化を観察しており、月は29日か30日ごとに満月になること、12回の満月を見たら季節が元に戻る(冬から冬に)ことを発見していた。つまり30日x12回=360日であり、月を観察するだけで、原始人でも一年は360日あることが分かっていた。

1.7 月は光っていない>月は自分で発光しているのではなく、強烈な太陽光線を鏡のように反射しているだけなので、満月になるのは、太陽から見て地球よりも外側に位置したから。ちなみに、満月は一晩中見える。新月(ほとんど見えなくなる)になるのは、ちょうど太陽と地球の直線状に入った時。三日月になるのは、太陽と地球の直線状からずれた時。上弦の月、下弦の月になるのは月の軌道が、太陽と地球の軌道よりも角度がついて公転しているから。

 月は自分で光っているのではなく、太陽光を反射しているだけであり、例えば三日月は、三日月の光っている方向に太陽があるということ。また、理論的には、昼間見える月と夜見える月は同じ明るさのハズで、夜明るく見えるのは人間が見ている場所が夜になって暗くなるから。 日本で「上弦の月」を見ている時には、反対側のブラジルでは「下弦の月」を見ている。実際には月は暗い天体であり、アスファルトと同じぐらいの太陽光の7%を反射しているに過ぎない。

1.8 月という名前>月は英語ではムーン、ラテン語ではルナ。形容詞でルナティックというと「月の〜」という意味であるが「狂ったとか、狂気の」という意味もある。ムーニーという形容詞も口語では「イカレた」という意味もあり、日本語の月(つき)という語源は「憑き(魔物が憑くの「つく」)」から来ており、古来から青白い月の光は人間に作用していたらしい。

1.9 月食>月食は、太陽、地球、月の順に一直線に並び、満月の夜に起こる現象。「地球に対する月の公転軌道」は「太陽に対する地球の公転軌道」に対して約5度傾いているので、満月の際に必ず起きる現象ではない。月食には部分月食(満月の一部が3時間ぐらいかけて欠けていくこと。)と皆既月食(部分月食(約1時間)からはじまり、皆既月食(約1時間)を経て、部分月食(約1時間)で終わる)がある。皆既月食で赤い月が見られるのは、月にあたっている太陽の光が、地球の影に入ったところでなくなり、かつ太陽光が地球大気中を通過した際に赤色以外が散乱されて弱まり、皆既月食(月全体が地球の影に隠れること)で太陽光を受けていない月が、この赤色で照らされるため。

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2地球のトリビア

 

2.1 地球の自転速度>地球1周の長さは、赤道上で約40,000km。24時間で1周すると考えれば、40,000(km)÷24(時間)=1,667(km/時)

日本付近(北緯30度)で計算してみると、時速約1,450km。(マッハ1.2ぐらい、ちなみにジェット旅客機の巡航速度は時速800km。)

ちなみに、地球誕生時は一日4-5時間であり、遠心力の関係で、今よりも重力はかなり小さかったはずである。地球上の物や人間が宇宙空間をマッハ1.2で回転していても、運動を感じないのは、すべてが同じ速度で運動しているためで、これは時速800kmの飛行機中で「目をつぶれば速度を感じない」のと同じ原理。

2.2 地球の公転速度>地球が1年(1年は正確には約365.24219日)で太陽の周りを1周する速度(公転速度)で太陽の周りを秒速30kmで公転している。一年は、365日ではなく、365.24日程度なので、このままでは4年で1日多くなり、このままでは4年で1日づつ月日がずれていくので、4年に一度【うるう年、4月29日】をいれて月日の調整をしている。

地球は太陽の周りをほぼ円に近い楕円(だえん)軌道で回っており、計算を簡単にするために、完全な円軌道と仮定する。
地球と太陽との距離は、約1億5,000万kmなので、円軌道1周の長さは1億5,000万(km)×2×3.14=9億4,200万(km)。
1日に進む距離は、9億4,200万(km)÷365(日)=258万(km/日)=時速約10.7万km、秒速30km。

 実際には、地球の楕円軌道は、約9万5000年周期で、楕円の形が周期的に変化しており(詳細は、ミランコビッチ・サイクルをグーグル検索)、さらに太陽以外の重力などの影響を受けて近日点移動(詳細は近点移動でグーグル検索)も起こっている。

月の公転速度> 月は地球に対して秒速1kmで公転

太陽の公転速度> 太陽は、所属する「天の川銀河」内を2億2千万年かけて一周し、秒速8万3700kmで移動している。

2.3 地球の一日の時間> おおまかにいうと24時間。地球誕生(45-46億年前)当時は4-5時間と推定されている。もし月が誕生していなかったら、月の引力がないので現在の地球の自転速度は現在(24時間)よりもっと速く一日は8時間。潮の満ち引きは、太陽の引力だけで引き起こされるので、規模は3分の1になり、進化の場になった干潟の面積は小さくなり、魚が地上に進出するかどうか(=人間の出現)は疑わしかった。地球の自転が早いために猛烈な風が吹き荒れ、毎日が台風のような環境で生活することになる。

2.4 宇宙は冷たいのに、なぜ地球は凍りつかないのか?> 大気のない月も含めて、宇宙空間 (温度は-270℃、3K、ビッグバン時の光が冷えてマイクロ波となって飛び交っている)は、ほとんど真空なので、これは伝熱のための媒体がほとんどないということを意味しており、魔法瓶のように真空層に包まれているのと同じことになり、地球の熱が宇宙空間に放出されにくいという。熱が放出されにくいといっても、地球の隣の惑星、火星は表面温度がー43℃と低いのは事実であり、地球が暖かいのは、火星の約10倍の厚みがある大気層の温室効果ガスによって太陽からの赤外線を何度も最反射しているからといわれている。宇宙飛行士が船外活動時に水冷式の下着を着るのも体から発生する熱を吸い取るためである。

2.5 地球の歳差運動> 駒のように回転しているものには自転、公転の他に歳差(さいさ、コマの首振り)運動があり、自転軸を中心にして円を描くような運動をしており、現在の地球は2万5800年で1回円を描くようになっており、この運動によって見えている北極星が時間とともに異なってくることが知られており、この現象は2100年前にすでに発見されていたという。 (詳細は、ミランコビッチ・サイクルを検索)

ちなみに、地平線からの北極星のある角度は、その観察地点の緯度と一致しており、理屈では北極点では北極星は真上に(=北緯90度)、赤道では水平線と同じ位置に北極星が見え(=北緯0度)ることになり、船乗りは、六分儀を使用して北極星の角度を測定することで、緯度を確かめていた。

2.6 地球の”地軸の傾きの周期的変化”> 太陽に対する地球の地軸が約4万2000年ごとに、21.5度から24.5度に周期的に変化しており、これが、太陽光の入射角度の変化、及び、その結果として地球環境の変化(温暖化〜寒化)に関係している。(詳細は、ミランコビッチ・サイクルを検索)

2.7 地球の重力は、地中では一律とは限らないらしい。

 【重力は、巨大な物質質量による引力と遠心力のつりあいによって生じるもの】であるが、例えば、エベレストの頂上や、赤道上では地球の自転による遠心力の関係で、重力は少し小さくなっている。また、地球の中心には巨大な鉄とニッケルの玉(コア)があるとされており、(これは岩石型惑星のカケラである隕石の一種として鉄とニッケルの合金である隕鉄が存在することからも推定されている)、地球中心部の質量と、地表からの測定地点の距離までの質量の引っ張り合いの結果、地球中心近くは重力は小さくなっているそう。事実、エベレストなどの巨大な質量が存在するところは、山脈の質量によって、地球内部からの重力が緩和されて、重力は少し小さくなっているという。つまり、理屈で言うと、遠心力のかからない、北極又は南極の地表付近が一番重力がかかるということになる。

 引力とはお互いが引き合う力の事をいい、木からリンゴが落ちるように見えるのは、リンゴと地球は引力でお互いに引き合っているが、圧倒的に地球の引力(正確には、地球の巨大な質量によって地球周辺の時空(時空=時間と空間が一体になったもの)が歪んでいる)が強いので、地球に引っ張られて”落ちたように”見えるらしい。天体同士、たとえば地球と月では、重量がどちらも大きいので、お互いに引っ張りあって今の均衡状態となっているらしい。ちなみに地球での物の重量(人なら体重)は、地球の引力から、遠心力を引いた値になっており、同じ人でも遠心力の強い赤道上では体重が軽くなり、北極、南極などの極地では体重は重く観察されるらしい。

2.8 鉄のありがたみ

 一般に鉄(Fe)は、星の爆発(超新星爆発)や、中性子星同士の衝突にともなう核融合反応において、電子構造的に安定であるために、自然に大量に合成され、宇宙の至る所に存在する。鉄よりも重たい元素は、従来は超新星爆発によって生成されると考えられていたが、重い元素が生成するには大量の中性子が必要であり、超新星爆発では中性子が不足するために、現在では重い元素は多く生成できないと考えられるようになっている。そこで現在では、中性子星が合体する時に、重い元素が生成されると考えられており、中性子星同士が合体すると重さで約1%の物質が宇宙空間に放出されると考えられている。ちなみに、中性子星同士が合体するときには、重力波の発生と同時にガンマ線バーストが発生し、ガンマ線バーストは太陽の何兆倍のエレルギーを瞬間的に宇宙空間に放出する宇宙で最も明るい天体現象。

たとえば火星が赤いのは主に三価の鉄酸化物の色。ちなみに二価の鉄酸化物は黒い。

 金属鉄の比重が重いために星が誕生した際は溶けた鉄(及びニッケル)が星の中心部に集まって巨大な金属核を形成し、地球サイズの星では、重力によって大気が宇宙空間に揮発しないで留まったために、地球は月のように太陽が当たる所は+150℃、当たらない場所は-200℃という極端な気温変化を示さず、海が安定して存在し、結果として生物の発生、発展をもたらしたという。また、鉄が磁性を有していることで地球は大きな磁石として作用し、磁極があり、太陽からの太陽風(プラズマ)の直撃を遮蔽しているという。(北極と南極で太陽風が大気とぶつかるとオーロラになる)

 SFで、実は地球の中心部には大きな空洞があって、もう一つの世界が存在するというのがあるが、仮に巨大な空洞があるとすると、上記のように、重力で地球表面に大気をとどめることが出来ずに、理屈としては空気のない月のような状態となるが、実際はそうなっていないので、地球中心部には巨大な空間はないということになる。

 宇宙の始まりとされるビックバン直後は、水素やヘリウムといった軽い元素ばかりであり、これらが莫大にあると太陽のような恒星は出来るものの、水(H2O)が出来るための酸素や、生体を構成するためのリン、炭素、窒素が生成されていないために、生命が誕生するためには、恒星の爆発による核融合反応が何回も起こって(140億年?かかった)各種元素の生成が必要であった。

 地球の中心にあるという金属鉄とニッケルの巨大な金属球(コア)によって発生する強力な重力によって、大気、海が存在し、重力によって無機物が沈殿し、(無重力では、そもそも沈殿現象自体ない。)海底のマグマ噴火口付近で無機物のゴッタ煮状態、スープ状態が何億年も続いた中で、無機物が反応して有機物になり、有機物が生物に変化したと考えられている。

 人間などの脊椎動物の血はヘモグロビンで鉄を介して酸素を運ぶために赤いが、タコやエビなどの軟体動物の血はヘモシアニンといって銅を介して酸素を運ぶために、酸素を含んだ状態は青く、軟体動物が死んで酸素が供給されない状態では血液は透明になっているという。よって、生きたタコ、エビをさばくと青い血がみられるハズだそうだ。そういえば、虫も赤い血を出しているのを見たことないような気もする。。。青い血なのか。

 宇宙空間には、星が爆発した際の金属核のカケラが隕鉄(鉄とニッケルの合金)として漂っており、酸化鉄の還元技術がなかった古代には、隕鉄を加工して武器を作っていたらしい。ちなみに古代エジプトのツタンカーメン王(3500年前)の副葬品として錆びていない鉄製の剣が発見されており、それ以前から鉄製製品は存在していたらしい。

2.9 地球の土のありがたみ > 地球以外には植物が育つような”土”と呼ばれるものはなく、惑星にあるのは岩石が細かく粉砕された状態の細かい砂であり、地球には微生物がたくさん存在する土(農業でいうところの土)があり、土内に様々な微生物が存在することによって、「ふわふわの土」が生成されており、植物が根を生やすことによって成長できる。非常に微細な砂は固まりやすく、これは岩場、砂漠に植物が育ちにくいことを見ればすぐ想像できる。ちなみに、地球の雑木林の土をスプーン一杯とると、センチュウ、ダニ、トビムシなどの土壌生物が何万匹も潜み、微生物も含めると数十億もの生き物がうごめいているという。地球平均では、植物が育つ土壌(土)は平均すると18cmしかなく、土壌が1cm育つのに100年から1000年かかると言われており、洪水などで大量の土砂が海に流されると、植物の育たない不毛の土地が生まれるという。

2.10 隕石から分かる地球の内部

 宇宙由来の隕石には、大きく分けて「酸化物の隕石」、「鉄+ニッケルからなる金属製の隕鉄(いんてつ)」、「隕石+隕鉄が均等に混じったパラサイトと呼ばれる石(酸化物と金属では比重が違いすぎるので重力の大きい地球では、金属と酸化物が均等に混じったものを生成することは困難)」がある。隕石の一つで「CIコンドライト」という種類は太陽系が作られたのとほぼ同時期に出来て宇宙空間を漂っていたと考えられており、地球と同じ成分であると考えられており、成分の46%が酸素、18%が鉄、11%がケイ素、10%がマグネシウム、硫黄が5%、その他が10%となっており、つまり地球上の元素の46%は酸素で構成されており、具体的には酸化鉄、酸化ケイ素、酸化マグネシウムという形で存在している。

 隕石が、地球のような岩石型惑星の爆発したカケラ(実際には、冥王星の辺りから来る岩石型彗星のカケラが地球に落下したものが地球にある隕石とされている)と仮定すると、隕鉄(鉄とニッケルの合金)から地球の中心に鉄とニッケルの巨大な玉があること、隕石から地球に玄武岩(マグマが固まった溶岩)+カンラン石(宝石名でいうとペリドット)からなるマントル層(マントルの一部が溶けたものがマグマでマントル層はほとんど固体!)があること、隕石と隕鉄が混じったものから、両者の混合領域があることが類推できる。マントルはカンラン石(宝石名 ペリドット)で出来ているとされ、これの一部が溶けるとマグマになり、噴火などで急に冷却されると黒い玄武岩と呼ばれ、ゆっくり冷えると「はんれい岩」と呼ばれる石になる。マグマが少しづつ冷えると「かんらん石」「斜長石」が析出し、次に輝石、角閃石、黒雲母が析出し、残りがカリ長石、石英となる。

 また、巨大な隕石が地球に衝突すると、地上で核爆発が起こったと同じような状態になり、高熱で周囲の砂が溶けてモルダバイト(モルダウ川周辺で採れたからモルダバイト、緑色)やリベリアンデザートグラス(リビヤ郊外の砂漠でとれる黄色のガラス、別名、ツタンカーメンのガラス)といった石英ガラスが出来るので、これから昔、巨大隕石が地球に落下したことが分かる。

 月がクレーターだらけなのは、大気がほとんどないために、宇宙空間から隕石が高速で何度も直撃し、風も吹かないので、そのままの形状で何百年、何千年、何万年も残っているから。隕石売り場に行くと、ウィドマン・シュテッテン(Widmanstatten )構造の見られる隕鉄が売られているが、あれは、「宇宙空間で100万年に1−3℃の割合で冷却される」ことによって、ニッケルの多い組成と少ない組成に分かれるからで、ここにも宇宙のスケールの大きさが現れている。地球落下に際して条件が良かった隕鉄に関しては隕石売り場で販売されているようなスライス片ではなくても、隕鉄の外部からウィドマン・シュテッテン構造特有の格子模様が観察出来る。

2.11 <オーロラ>

 オーロラは高度100-500km上空に現れる太陽から来る粒子が大気中の元素と衝突することによって発光する。北極や南極あたりでよく見られるのは、地球自体が磁石となっており、S極、N極に太陽からの粒子を集めるためであり、正確には北極点、南極点ではなく、北磁極、南磁極の周辺に発生する。ちなみに、方位磁石が示す方向は、磁北方向であり、地球の回転軸である北極は東京地区ならば、時計方向に約7度ずれている。つまり方位磁石の示す、北よりも時計回りに約7度東の方向が北極点方向である。高度200km以上では酸素原子と電子がぶつかって赤く光り、200km以下では酸素原子は緑色に光る。それ以下の高度100km程度では窒素原子と衝突して青紫色に光っており、高度100km辺りでは窒素分子と電子が衝突してピンク色に光っている。

よって、虹のように、上空から見ると赤、緑、青紫、ピンクに同時に光っている。日本など緯度の低いところから、オーロラが見える場合は、オーロラの上の方だけしか見えないので、赤いオーロラしか見えないとの事で、過去には赤道に近いキューバでもオーロラが観察された事もある。宇宙空間自体はほとんど真空で、ほんの少し水素があるぐらい。地球上空は、重力の関係で重いものは地上付近に、軽いものは上層に位置し、二酸化炭素は地上付近に、酸素は上空に多く、水素、ヘリウムは、宇宙空間に放散されつつある。ちなみに、雷の正体は電流であることが知られているが、あれは電子が光っているのではなく、電流が流れる際に、大気中の酸素、窒素にエネルギーが与えられ、気体分子の電子が励起されて基底状態に戻る時に分子が光っている現象である、おまけにいうとローソクの灯りで黄色い部分は、不完全燃焼した蒸発した炭素が熱せられて黄色く光っているだけで、これはロウソクから墨が取れる事実からも分かる。

2.12 <地球が海ばかりで、陸地がなければ、今頃、恐竜も人間もいなかった>

 地球は地表の約7割が海に覆われているが、地球の全重量からすると、0.02%しかないという。海水が多すぎると、海の深さが数十km−数百kmとなり、陸地の無い世界になって、たとえ生命が生まれていても、そもそも陸地がないので、進化は魚どまりだったという。今の地球の海の深さは数kmであり、太陽系外に、たとえ海の星があっても海だけだと進化は魚どまりであろう。また、水は4℃が比重が一番重くなるので、深海の底は基本4℃になっており、氷は水に比べて約10%程度軽いので、海では表面付近に浮いており、沈むことはない。もし、氷が水よりも重くて沈むようであれば、冬の寒さによってどんどん海底に溜まって、全面、海が氷の塊になって、生物は全滅しており、今頃は人間もいない世界になっていたという。

2.13 【うるう秒】というのがある>

 最近は、毎年1年に1回程度、【うるう秒】が存在し、これはグリニッジ標準時が7月1日午前0時になる直前に【11時59分60秒】という1秒を多く入れて、時間を調整している。これは1秒の定義が時代とともに変化してきた関係で、昔は1日は、太陽が南から次の日の南にくるまでの時間(=地球の自転時間)を1日として、それを24時間で割り、それを60分で割り、それを60秒で割ったものを1秒としていた。つまり、【地球の自転時間の8万6400分(24x60x60)の1が一秒】。しかし、地球の自転も安定してはいないために、1956年から、より安定した地球の公転(太陽を一周する時間)する時間(約365.24219日)で割った値を一秒とした。

 正確には、【地球の公転時間を3155万6926(365.24219x24x60x60)で割った値を1秒】とした。その後、非常に正確なセシウム原子時計が発明されてセシウム原子が91億9263万1770回振動した時間を1秒と定めた。地球の自転はふらつきながら少しづつ遅くなっていて原子時計を使い続けると毎年0.001秒程度遅れるので、1972年頃から【うるう秒】を採用して、実態に合わせることになった。 ちなみに「うるう」というのは「余分な」という意味。一年が365.24日であることは、2000年以上前の古代エジプト時代には知られており、このままでは数百年すると暦上、1月が暑い時期になってしまうので、うるう年にうるう日を挿入して、実際の季節にあうようにした。

 

3太陽のトリビア

 

地球には太陽が発する光の22億分の1しか届いていない。太陽は、ほとんど80%水素と20%ヘリウムで出来ており、とても大きくて重い(太陽系の質量の99%以上が太陽によるもの)から水素ガスが揮発せずに星の形をなし、中心部は2400億気圧、1500万℃になっているとされ、この状態では金属水素が存在すると考えられている。このような状態では毎秒6億トンの水素が核融合してヘリウムが生成して、その際に膨大な熱と光が発生している。逆にいうと太陽は水素からヘリウム元素しか作れない。太陽程度の重量の恒星では、水素がなくなったら(=星の死)ヘリウムが核融合を起こし、炭素や酸素が出来て核融合反応は終了するらしく、身の回りの炭素や酸素は太陽起源のものもあると考えられている。寿命は100億年で、天の川銀河を2億年かけて一周し、現在は46億年経過している。太陽光は8分かかって地球に到達しており、つまり人間は8分前の姿を見ている。

 仮にジェット機で行けるとしたら片道21年かかる。太陽も自転しており、ガスの塊なので、北極と南極は35日間、赤道辺りは25日間で一周している。単純にいうと1ヶ月で1回自転している。太陽表面に現れる黒点は、地球一個分の大きさがあり、磁石でいうSかN極になっており、磁石と同じようにS極の黒点とN極の黒点は引き合うし、同じ極同士は反発しあう。ちなみに、アインシュタインの重力場では空間が曲がっているという予言(一般相対性理論)は、太陽という巨大な重力を有する天体の観測時に証明され、一番太陽に近い水星では、相対性理論通りに、近日点移動(詳細は近点移動でグーグル検索)への影響が大きいといわれている。太陽から遠ざかるにつれて、太陽光は弱くなるので、地球から外側の惑星(木星以遠)に行く探査機は、太陽光パネルは作動せず、原子力電池を搭載し熱電素子によって発電している。

 有名なガリレオ・ガリレイは、望遠鏡が発明された頃に自作で天体望遠鏡を作製し、独自に太陽の黒点を観察したが、当時は太陽光線の害について知られておらず、長年、直接太陽光を見続けたために、極度に視力が低下し、晩年には両目とも失明した。

日食> 皆既日食> 太陽が完全に月によって隠されることで、太陽のコロナ、プロミネンスが見られる。月が地球より遠い時、見かけ上、月が大きくなるので太陽を覆い隠し、皆既日食になる。はるか昔は、月は今以上に地球に近かったので、皆既日食ばかりであったが、月は地球の潮汐力の影響で一年に2−3cmづつ遠ざかっていることから将来は、皆既日食現象は見られなくなると考えられている。

金環日食> 太陽よりもわずかに小さく月が覆う事で、太陽がリングのように見える。月が地球から遠い時、見かけ上、月が小さくなるので金環日食になる。

部分日食> 太陽の一部が月によって部分的に覆われる現象。

<天文学的数字>

<宇宙の銀河の数、惑星の数> 太陽が属している「天の川銀河」には太陽が約2000億個あり、単純にいうと太陽系が2000億あるといってよい。また、数十億から数千億の太陽系を有する「銀河が2兆個以上ある」という。一つの太陽系には10ぐらいの地球などの大型の惑星があるので、宇宙の惑星の数は太陽2000億X銀河2兆個X惑星10個=40京個の惑星(月などの衛星を含めると、この数倍の数)があるということになる。

<天の川銀河において、生命が存在可能な地球型惑星の存在する位置 =銀河系のハビタブル・ゾーン>  天の川銀河でも、中心部は”中心部にあるというブラックホール”に近いので宇宙放射線量が高くて、たとえ地球型岩石惑星が存在しても生命の住める環境ではない。 一方、銀河の外周部は星の構成元素に金属の割合が少ないので、岩石型惑星の存在は少ないと予想されている。よって、【地球型惑星が存在するのは、天の川銀河において我々の太陽系の位置する辺りのみ】であるという。

<太陽系における地球型岩石惑星&水が存在できる領域=太陽系のハビタブル・ゾーン>  太陽系では、木星以降はガスが主成分の惑星となり、岩石型の惑星は水星〜火星ぐらいまで。かつ、太陽に近すぎると惑星の表面温度が高すぎるので、水が液体で長期間存在出来るのは地球ぐらいの距離の星。

< 宇宙における人間らしきものが住んでいる星の数の試算 400億個? >  最近の観測結果では、各太陽系の20%程度に地球型の岩石タイプの星があるとされており、太陽2000億個X0.2X銀河2兆個の地球型惑星があるという計算になる。地球候補のうち、銀河2兆個の10%に、宇宙放射線が少なくて生命体が存在できる可能性がある(銀河系のハピタブル・ゾーン条件)とすると40兆個。さらに、水が液体として存在する可能性(太陽系のハピタブルゾーン条件)が10%と仮定すると、4兆個。そのうち、陸が存在する確率(=生命が魚以上に進化するということ)が10%と仮定すると、4000億個。生命が人間まで進化する確率を10%と仮定すると、人間が存在する地球型の星は400億個程度はあると計算される。ただし、今の人間の技術では、我々の太陽系を出るのに片道40年ぐらいかかるのが現実であり、宇宙に人間は多くいるが、互いに行き来出来ないというのが現実だろう。

恒星>太陽のように自ら光っている星、夜空で光っているものは、ほとんど恒星。月は太陽光を反射していて、夜になると目立つだけである。太陽の次に近い恒星(ケンタウルス座のアルファ星は40兆キロ以上離れていて、光の速度で行っても4年以上かかり、北極星までは430年、一番遠い銀河には光のスピードで138億年かかる。光のスピードで一年間に進む距離=1光年は、新幹線で行くと360万年、ロケットで行くと2万7千年かかる)。オリオン座の赤い星ベテルギウス(地球から640光年離れている。)は、まもなく超新星爆発を起こすと考えられており、現在、地球で見ている光は、640年前の室町時代の姿だと言われており、実際には、ベテルギウスは、もう存在していないのかもしれない。

 恒星の核融合が進み、自重に耐えられなくなると星が爆発し、この現象を超新星爆発という。爆発時には太陽5億個分ほどの明るさで数十日間輝き、年間に300-500個の超新星が発見されている。宇宙に存在する元素の多くは超新星爆発の際に生成すると考えられており、核融合反応によって水素からヘリウム、というように鉄が生成するところ(核融合反応で生成するのは26元素のみ)で核融合反応は停止する。鉄以上の元素が生成する条件は、1000億の星がある天の川銀河100年間で1分未満で太陽の9倍以上の星が死を迎える時(=超新生爆発)のみ。

銀河>太陽のような恒星が集まったもの

惑星>太陽のような恒星の周囲を公転している天体、星で、強い重力があって球形を保つもの。水星、金星など地球よりも太陽側を回っている惑星を「内惑星」、地球よりも外側を回っている惑星を「外惑星」と呼ぶ。内惑星は地球から見るといつも太陽の方向にあるために夜中に見えることはなく、昼間は空が明るいので見えない。それで、明けの明星、宵の明星が見えるのは太陽との位置関係で明け方か夕方に限られる。

準惑星>惑星ほど大きくはなく、惑星とは呼べない星につけられた。最近では冥王星(冥王星は月よりも小さい)、エリス(冥王星よりも大きい)もその一つで、海王星の外側に1000個以上ある「太陽系外縁天体」の一つとされ、この準惑星の小さいのが、彗星として地球近くにやってくると考えられている。 

衛星>月のように惑星の周りを公転している物体。人工物では、人工衛星、宇宙ステーション、スペースシャトルも衛星。

小惑星>隕石、隕鉄のような岩の塊、小惑星のカケラが隕石、隕鉄。小さな惑星という意味で、太陽系が生成した時に、惑星になりそこねた岩石などが火星と木星の間に散乱している。

彗星(すい星、ほうき星、コメット)>宇宙空間にただよう氷(汚れた雪だるま)の塊、彗星のカケラが流れ星。 彗(すい)という漢字は、ほうきという意味で、形が掃除道具の「ほうき」に似ているので。

ユーチューブ>銀河を公転する太陽の動きを加えた太陽系惑星の運行シミュレーション映像

 

4旧ソ連のロケット情報

 

旧ソ連の宇宙開発は、今のところ興味はないので、興味のある方は以下の文献に詳しいので、そちらを参照されたし。

 ロシア語で、ミールは平和、サリュートは礼砲、花火、ズベズダは星、スプートニクは衛星、ソユーズは「団結、結合、同盟」、ブランは吹雪(単発的な猛吹雪)、クバントは量子、ボストークは東、ボスホートは「日の出」の意味。バイコヌール宇宙船発射基地のバイコヌールとは、基地から180マイル(約290km)も離れた小さな鉱山町の名前から命名され、これは冷戦下は弾道ミサイル基地だったので、故意に基地の位置を隠すために命名されたのが現在も続いている。

参考情報>

「宇宙開発」 ニュートン別冊 教育社

>(ソ連版サターンロケット N-1や、アメリカのロケットNOVAの情報も。)

「ロケット 人間は何を作ってきたか 交通博物館の世界」、日本放送出版協会

>スペース・シャトル以前(ロケット黎明期からスカイラブ時代まで、ソ連のロケット情報も。)の情報がいっぱい。

「日本人宇宙飛行士公式写真記録集」、小学館、1991

>日本初の宇宙飛行士 TBSの秋山さんの訓練風景から帰還までの記録集。 旧ソ連のロケット、訓練施設などがバッチリ載っていてオススメ。

「重力ゼロの世界へ 宇宙空間での飛行士たちの生活」、ニュートンプレス (2000)

>JAXAなどの公式情報では得られない、宇宙飛行士が直面した危機などが詳しい。ソユーズの着陸方法なども詳しい。

 

火星探査、マーズ・ローバー

 

 火星探査は、火星を通過する探査機、火星の上空を回る探査機、火星に着陸して動かないもの、火星上を動き回って探査するもの(探査車)がある。

Wikipediaのキーワードで「火星探査」「火星探査機」、「マーズ・ローバー」で検索すると詳しく載っている。「火星探査機」のキーワードが一番分かりやすいかも。

 火星までは地球との軌道の関係で、約2年ごとに最短で行くことが出来る機会が発生し、最短では片道約4ヶ月かかる。人間が片道4か月かけて火星に行った場合、地球に帰還するには、地球との軌道の関係で、次の機会が巡ってくるまで、最低でも1年8か月は火星に滞在しなければならず、帰りにも4か月かかるので、合計で2年4か月は最低でもかかる。

 光の速度でいうと、月までは片道1秒、太陽までは8分、火星は最も地球に近くにあると片道4分、地球と最も反対位置(太陽の向こうにいるから)にいると片道20分かかり、地球から司令を出すと、4〜20分後に司令が届く訳で、もし火星に人が滞在していたら返事は、8-40分後に帰ってくるということになる。

 人類は下図の火星探査機【キュリオシティ(好奇心という意味)】のような軽自動車クラスのロボットを正確に火星の特定の場所に送る技術、通信、制御する技術を有している。これぐらい精緻なロボットが作れるなら、危険を冒して人間が火星に行く必要はないかも。キュリオシティは、大気圧が地球の100分の1以下、平均気温-63℃、ほとんどCO2が100%、強い放射線にさらされる火星の環境で稼働しつづける。太陽電池パネルに砂を被って動かなくなった過去の反省を生かして太陽電池は使用せず原子力電池(おしりのしっぽのように見える黒、黄色の部分)を搭載しており、地球に戻ることはないので、今後、火星の砂に埋まるまで何百年も火星上に留まることになる。総額予算は23億ドル、日本円にして実効レートにすると5000億円ぐらいのプロジェクト。火星の重力は、地球の3分の1であり、地球より重力が小さいので、重力による【星を丸くしようとする力】が小さく、山にかかる重力が少ないので、エベレストの3倍の標高(24km)を有するオリンポス山などが存在するという。

 

宇宙航行法

6.1 地球から月へ行く方法

 地球の上空100km程度で水平方向に秒速1kmの速度を与えると、ロケットは数分間、無重量状態となった後、地球重力に引っ張られて落下する。これが弾道飛行で、近い将来、実現するかもしれない民間宇宙飛行は、このタイプである。円軌道を描いて地球のまわりを回りはじめる。地球の上空で水平方向に秒速8kmの速度を与えると、ロケットは円軌道を描いて地球のまわりを回りはじめる。これが人工衛星である。初速度が8kmを超えると軌道は細長い楕円になる。初速度を秒速10kmにすると地球から38万km離れた月のあたりを回ってくる楕円を描くようになる。

 これが月ロケットの軌道である。秒速10kmで飛び出したロケットも、地球を離れるにつれて地球の引力に引っ張られて速度が低下し、打ち上げから2日半ほどして月の周回軌道に到着することには秒速170mほどになっている。月の周回軌道あたりになるとロケットは月の引力を受けて加速されるので、逆噴射で速度を調節し、月の回りをまわる孫衛星軌道に乗る。そこで、さらに速度をゆるめると月面着陸となる。また、軌道を工夫すると、8の字を描いて月を周回して自動的に地球に戻る航路も選択可能であり、人間が初めて月までいったアポロ8号では、この軌道を通じて地球に帰還した。<引用元 世界の博物館 ワシントン航空宇宙博物館 > 

 実際には地球も動いており、月も動いており、いい加減に打ち上げると、月を通り過ぎたり、到達することが出来ない可能性があるために、厳密にこれらの位置、軌道、ルートを確認した上で、打ち上げ時間、ロケット噴射時間が決定された。宇宙空間では、「物体のスピード」が軌道の高度、方向を決定し、例えば、地球軌道上で宇宙船同士がランデブーしてドッキングしようとして、後部の宇宙船がスピードを少し上げると、加速によって周回軌道高度が上昇してしまう。また、前の宇宙船がスピードを下げると、今度は逆に高度が下がる状態になるので、ドッキング一つとっても経験が必要らしい。

6.2 地球から他の惑星に行く場合

 地球から月に行く場合は、太陽、地球、月の重力の影響を考えるだけでいいが、もっと遠い惑星、恒星に行く場合は、質量の大きな木星、土星、他の恒星の影響を受けるので、それらの重力による軌道のずれを計算しなければならず、軌道変更のために使用できる宇宙船の燃料も限られているので、実際には、かなり高度な技術が必要になるらしい。

○ホーマン軌道(Hohmann orbit)、ホーマン遷移軌道(Hohmann transfer orbit)

○スイング・バイ(swing-by)、重力アシスト((gravity assist)

○バン・アレン帯、(ヴァン・アレン帯、Van Allen radiation belt

 地球の地場に捕らえられた陽子、電子からなる放射線の高い領域。磁場を有する惑星の外側には、だいたい存在する。当所は、放射線量が高いので人間はこの領域を通過することは出来ないと考えられたが、通過時間が短いこと、放射線対策を施せば大丈夫であることが実証された。オーロラはバンアレン帯からの粒子が大気中の酸素分子、窒素分子と衝突した際に発光する現象。

6.3 地球の大きさをリンゴに例えると、大気層はリンゴの皮以下、宇宙ステーションは3mm上空、月は3m先を回っている。

 地球をリンゴの大きさ(約10cm)と仮定すると、大気の厚みはリンゴの皮以下(0.08ミリメートル)で、この大気層が、宇宙からの紫外線をカットするとともに、地球内部からの熱、太陽光由来の熱の宇宙空間への放出を抑えているらしい。ちなみに宇宙ステーションはリンゴ表面の3ミリメートル上空を周回しているだけで、月はリンゴの約3m先を周回していることになり、このことからも「アポロ計画で月に人間が行った(どれだけ遠くまで行ったか)」という事実がいかに偉業かということが分かる。

 実際問題として、光の速度でいうと、月までは片道1秒、太陽までは8分、火星は最も地球に近くにあると片道4分、地球と最も反対位置(太陽の向こうにいるから)にいると片道20分かかり、人類が作り出した人工物として最も遠くにいる惑星探査機ボイジャーは現在太陽系を脱出しつつあり、光のスピードで17時間かかる場所(太陽系の端まで35年かけて行った。)にいる。

6.4 地球から他の星まで行くのにかかる日数。

 手元の本によると、アポロ宇宙船は時速3.8万キロ( マッハ32 )で月に片道3日かかって行ったそうである。地球と月の最短距離を、このスピードで単純に割ると10時間で行けるということになる。実際には、マッハ32まで加速して月軌道に乗り、地球の引力で減速し、やがて月の引力で加速し、月の手前で減速するために時間がかかるので、12-14時間かかるかも。

 この計算で行くと、すぐ隣の惑星である火星までは85日(NASAの計画では実際に行くとすれば片道9ヶ月、往復で2年かかる予定)、太陽まで5.5ヶ月、木星までは2年、海王星まで13年、冥王星まで17.3年という計算。(冥王星までは60億キロメートル、ジェット旅客機で行くと600年以上かかる)。

 実際には、火星には片道最短で4か月かかり、探査機ニュー・ホライズンズは9年半かかって冥王星に到着した。 冥王星からの写真データの伝送には、光速で約4時間かかる距離。)、土星探査機カッシーニは8年かかって土星に、木星探査機ジュノーは5年間かかって木星に到達し、惑星探査機ボイジャーは34年かかって太陽の影響の及ばない領域に到達しているそうだ。

つまり、人間が太陽系を脱出するのには短距離で約20年はかかるということ。ちなみに、宇宙には現在の技術では観測できない、正体不明の暗黒物質(ダーク・マター)が大量に存在するとされており、これを除いた物質の8割はプラズマ状態であり、これらは可視光線ではなく、X線で観測しなければ見えない。

 また、最も近い隣の太陽系(ケンタウルス座のアルファ星)までは4.2光年(光のスピードで4.2年かかる)離れているので、計算ではアポロ宇宙船では12万年!かかり、 最新の探査機でも3万年かかるそうで、今も夜空に明るく光っている星ベガは25光年離れているので、計算では片道71万年かかる!ぐらい離れている。

 もっとも近くの地球型惑星は、20光年先にあるそうで、仮に光の99.9%のスピードが出せる宇宙船が出来たとすると、地球時間では片道20数年で行くことが出来るが、相対性理論によると宇宙船内の宇宙飛行士は、約5か月しか年をとらず、地球に戻った時には、10か月しか年をとっていないそう。しかし、地球では40数年たっているそう。また、宇宙船が光速近くで移動すると、宇宙空間にある水素ガスに、ほぼ光速で衝突することになって、水素が放射性物質に変化し、宇宙飛行士が被爆するという問題がある。しかし、それ以前に、宇宙船を光速近くまで加速するのに時間がかかる&減速するのにも時間がかかる&途中で少しでも進路変更すれば膨大な遠心力がかかるというところが問題かもしれない。

 将来技術によって、技術的に遠くの星まで行けるようになっても、人間の心理的問題は存在し、閉鎖された狭い宇宙船に多数の人間が暮らすと対立やいじめ、精神的な変調が起きることは確実であり、実際には、片道4ヶ月かかって、隣の火星に行くことさえ、心理面から課題があって難しいとされる。

参考>1光年=9兆4600億キロメートル

 もし、人間並みの技術を持った宇宙人が隣の太陽系にいたと仮定すると、片道12万年かけて地球にやってくる意味はあるのだろうか?まともな知識を持った宇宙人ならやってこないかも。1896年にイタリアのマルコーニが電磁波を使って無線通信に成功しているので、理論的には、この電波が116光年先に届いており(=地球に知的生命体がいるということを知らせている)、ここの宇宙人から返事がくれば西暦2128年には返事がとどくかも。

6.5 宇宙人は存在するが、地球には来ないと思う理由。

 「コスモス 果てしない宇宙に向かって」という本によると、地球から、地球の属する銀河系の中心までは、約3万光年(光のスピードで3万年かかる)の距離があるそうである。仮に、近い将来、技術が進んで、光のスピードを出せる宇宙船を作れたとすると、銀河の中心までは、地球時間では、たしかに片道3万年かかるが、乗員は「相対性理論」によって21年しか年を取らないのは事実らしい。よって、理論的には20才の青年が、片道21年(41才)かけて銀河の中心に行って、1年ぐらい観光して(42才)、また21年かかって63才の時に地球に帰る事は可能らしい。

 ただし、ここからが問題点である。まず、人間が光速まで加速するのにゆっくりと時間をかけないと加速度に耐えられないことである。スペースシャトルでは最高3G(体重の3倍の力)ぐらいかかり、アポロ宇宙船では最高で何分か7Gかかったらしいが、光速までゆっくり加速していっても、何ヶ月ぐらい?はずっと3Gぐらいは体にかかり続けるだろう。また、止まる時もゆっくりと減速する必要があり、これは動いているジェットコースターの中で1年ぐらい生活しろというのに等しい。次に、光速に加速できたとしても、目的地に着くために、ほんの少しでも軌道修正したら、物凄い遠心力がかかって、これも人間を苦しめることである。これはジェット戦闘機で高速で曲がった際に、パイロットに大きなGがかかることからも容易に推測できるだろう。さらに、いくら宇宙が広いからといっても、途中には何千万もの太陽、惑星、隕石がうようよして、しかも動いている! これらを上手に避けながら光速で目的地まで行くことは可能だろうか。

 運よく往復42年かけて地球に帰ってきても、地球では6万年経っており、その頃には人類が絶滅している可能性もある。これでは、「何のために銀河の中心に行くのか」という意義さえ疑われる。これらの事情は、人間に限らず、宇宙人も、この大自然のルールに従うハズであり、これらの問題を解決しない限り、地球に来ないだろう。また、最近では地球によく似た星はいくつも見つかっているので、わざわざ地球に来る意味はあるのだろうか。

6.6 「惑星(わくせい)」という言葉は、夜空で星が行ったり来たり迷っているように見えたところからついた。

 地球を含めた惑星という名前は、昔、天動説が主流の頃、天体観測すると火星や木星などが行ったり来たりして戸惑っているように見えたので、惑星とつけたらしい。

6.7 月の表面の黒い部分は、巨大クレーター内にマグマが流れ出て固まった跡。

 月の写真をよく見ると表面が黒と白色になっており、黒い部分もよく見ると黒丸がつらなった形をしている。これは、月の形成時に、巨大な隕石が衝突してクレーターが出来た際に、月内部のカンラン石((Mg,Fe)2SiO4,宝石名 ペリドット)が主成分のマントル層(マントルは固体)が溶けたマグマ(溶岩)となって噴出し、カンラン石が黒い玄武岩と斜長石(宝石名 ラブラドライト)に変質して冷却されたから。玄武岩が黒いのは2価の鉄イオンの影響。カンラン石が緑色なのはおそらくマグネシウムイオンの影響。

 岩石型惑星の誕生過程> 

 太陽が輝きはじめた直後に一番最初に生成したのは太陽系で一番大きい、木星と考えられており、当初、木星は水星よりも太陽に近い位置にあり、徐々に現在の位置に移動したと考えられている。その移動の過程で、巨大な木星の引力に影響されて、周辺にあった微小なカケラ、岩石の軌道が乱れて、衝突を繰り返し、水星、金星、地球、火星程度の大きさになると軌道が安定して現在のような姿で固定されたと考えられている。つまり、これが木星より内側に大きな惑星がない原因である。

 過去に爆発した星のカケラであるカンラン石主体の隕石、金属鉄とニッケルから構成される星の核(コア)のカケラである隕鉄が徐々に集まっていくと、重力が加速度的に大きくなり、周辺の大きな隕石を呼び寄せるようになる。大気もない状態で、大きな隕石が高速度で衝突すると地表で巨大な核爆発が連続して起きたのと同じ状態になり、金属鉄は溶けて星の中心部に落下していき、やがて巨大な金属核(コア)を作るようになり、比重の軽い成分(カンラン石)はドロドロに溶けたマグマ(溶岩)が冷えてマントル層となり、最表面部分は宇宙空間で冷却されて固まり地殻となる。

地球コース>地球はたまたま太陽から適度に離れた位置に形成したために、水星のように暑くもなく、火星のように寒くもなく、生物が住めるようなちょうどいい温度となった。マントル層からは、水蒸気や各種ガスが発生したが、地球は大きいために重力が強く、これらのガス(この時は酸素ガスはほとんどない)は地表に溜まった。地表に大気が存在し、地殻が冷えてくると、水蒸気が雨になり、雨が3000年間降って海が出来た。その後、地殻からミネラル分が溶け出して、海水は塩水となり、海水と海底火山の熱、有機成分、ミネラル成分が交じり合って原始的な生物が誕生し、これらが光合成を行うことによって、大気中の二酸化炭素から酸素を作り出し、大気中に酸素が充満した。酸素は大気上面でオゾン層を形成し、太陽からの有害な紫外線が地表に届かないようになった。紫外線が遮蔽されると生き物は地上に出られるようになって、その後、地上で動物が繁栄するようになった。

月コース>月は重力が小さいので、マントル層からのガスを留めることが出来ずに宇宙空間に揮発した。よって、月には高速で隕石が落下し、現在のようにクレーターだらけになった。また月面では風も海もないので、これらの石は風化もせず、長年の隕石の落下によって角ばった微細な粒子となり、強烈な太陽光線を反射して白く輝いているように見える。月は太陽光をさえぎる大気がないので、月の一日(地球時間で言うと27.3日、地球は24時間)では、最高気温123℃、最低気温-233℃となり、平均気温は-23℃となり、アポロ計画では月の温度がちょうどいい時期を狙って月面に上陸した。

6.8 宇宙空間から見ると地球上の人間はマッハ1.36で回転している。

>高度36000kmの上空にある静止衛星の速度の計算

高度36000km上空を地球一周する時の衛星の軌道距離の計算>(高度36000km+地球の赤道の半径 6378km)x2x3.14=266134km

266134km/24時間=11089km/時間→185km/分 →3km/秒、つまり秒速3km(時速1万1000km、マッハで表現するとマッハ9程度)

>地表における人間の回転速度の計算

地球赤道半径6378kmx2x3.14=40054km →地球1周の距離

40054/24時間=1669km/時間 →463m/秒(時速1669km、マッハ1.36)

6.9 今の北極星と古代の北極星では、、、違う星のことを意味している。

 北極星は、北極上空に輝く明るい星を意味しており、その周囲を星が回っているように見えて、北極星自体は動かないように見えるので、昔から航海や旅行の目印になってきた。しかし、時間の経過にともなう地球の回転軸の揺らぎ(歳差運動)によって、昔と比較すると北極上空の延長線がずれてきており、約4000年前のクフ王のピラミッドが建造された時代の北極星は、「りゅう座アルファ星」だった。しかし、時間の経過にともなって地球の回転軸がゆらいだ結果、現在は「こぐま座アルファ星」が北極星とされている。

 ちなみに、中国の故宮博物院は、昔は紫禁城と呼ばれており、天帝が住んでいる星とされる北極星を紫微星(しびせい)、北極星の周辺を回る星座の辺りを紫微垣(しびえん)と呼んだのに由来する「紫宮」、及び「天帝の命を受けて世界秩序の維持に責任を持つ皇帝」の住居たる「禁城」(禁という漢字は、特別な人以外は出入りを許されない場所。宮中。という意味もある)の二語をあわせて「紫禁城」と呼んだことに由来する。つまり、紫禁城とは世界の中心を地上に再現した領域であり、天帝にかわって地上を治める皇帝の住む宮殿として建設された。

6.10 カーナビと相対性理論の関係

 GPS衛星は秒速4kmで地球を回っているので、特殊相対性理論「光速に近づくとその空間の時間の進みが遅れる」によって衛星内の時間は1日あたり0.0000071秒だけ地上の時計より遅くなる。一方、重力のほとんどない宇宙空間を飛行しているGPS衛星は一般相対性理論「重力の強い所ではその空間の時間が遅れる」によって衛星の時計は1日あたり0.0000457秒速く進む。よって差し引き1日あたり進む分0.0000457秒-遅れる分0.0000071秒=0.0000386秒だけ速く進む。これは100年で衛星時計が1.4秒速く進む程度。よって、このままでは地上の位置情報に大きなズレが生じるので、衛星では、この0.0000386秒を補正して時間情報を発信しているそう。

6.11 日曜日、月曜日、火曜日などの曜日は、惑星 (太陽の周りを回る星)の名前から命名されたらしい

 日曜日は太陽の日、月曜日は月、火曜日は火星、水曜日は水星、木曜日は木星、金曜日は金星、土曜日は土星。英語では、日曜日はSun+day,月曜日はMon(Moon)+day、火曜日はTuesdayでtyr+dayでTyrは火星Marsと同じ意味を持つ北欧の戦争の神様の名前、水曜日はWednesdayでMercury(水星)は北欧の神様Wodenと同じ商業の神様と同じということからWednes+day、木曜日はThursdayで北欧神話のThor(トール)が語源でジュピター(木星の意味も)も雷の神様ということでThurs+day、金曜日はFridayでFreija(フレイヤ)は、北欧の愛の神。金星は、ヴィーナスといって愛の神様なのでFreija+dayでFridayになった。土曜はSaturdayで、Saturn(サターン(土星もサターン))が語源でSaturn+day。

6.12 地球、月が、何の原動力もなしに何十億年も動き続けられる(自転、公転)出来る理由

 地球は誕生以来、47億年も毎日、自転するとともに太陽の周りを1年かけて公転している。 この動くエネルギーはどこから来ているのか? ネットで調べると、太陽の重力に引っ張られて地球が太陽の周りを回りだした時のスピードと、公転にともなう遠心力の関係で、現在の軌道が定まり、宇宙空間はほとんど真空状態なので、公転エネルギーを消耗せず、慣性の法則にしたがって、ずっと何十億年も回り続けるいるのだそう。

 人工衛星もスペースシャトルも、実際には地球の重力の影響下にある所を飛行して自由落下しているが、早い飛行速度(一秒に8km移動する速度、秒速8km)による遠心力でつりあっていることから、無重量(無重力ではない)状態であり、空気抵抗のない所を回るので、スピードが落ちずに、ずっと公転しつづけているという。ちなみに、スペースシャトルが地球に帰還する際は、進行方向とは逆方向に逆噴射することによって飛行速度を減少することによって遠心力を減らすことによって自由落下を開始するということをしている。このように軌道上では飛行スピードが大事なので、時々、飛行スピードを維持するために姿勢制御用エンジンを作動させていた。

 地上でボールを投げるとすぐに落下するが、早いスピードで投げると遠くまで飛ぶ。これをものすごいスピード(秒速8km以上)で投げるとついには地球を一周するようになり、この速度を維持できるならば(空気抵抗が無視できる宇宙空間ならば)重力と遠心力がつりあって地上には落下しないという理屈らしい。

ちなみに、航空機の中で無重力(正確には無重量空間)空間を作り出して、遊んでいる映像があるが、あれは、飛行機が自由落下しながらの映像ではなく、急上昇した後に、水平飛行に移った際(ジェットコースターでふわっと浮き上がった状態と同じ)に無重力状態を作り出しているらしい。

 地球の自転に関しては、月の公転が潮の満ち引きに影響を及ぼしているので、地球の自転速度は遅くなり、地球誕生時は一日8時間だったのに、現在の24時間になっているそう。 ちなみに、太陽も天の河銀河にある2000億個の恒星(太陽)の一つとして、銀河内を公転しているそう。地球の自転、公転とは関係ないが、時計が右回りなのは、日時計が原理的に右回り(太陽は東から南を回って、西に沈むと、日時計の針は、右回りに動く。)に針が動くから、その名残で時計は右回りになっているそう。

 

7 惑星探査(パイオニア、ボイジャー、カッシーニ 、ニュー・ホライズンズ)

 

 人類が作り出した人工物として最も遠くにいる惑星探査機ボイジャーは現在、太陽系を脱出し、光のスピードで17時間かかる場所(太陽系の端まで35年かけて行った。ちなみに、地球から月までは光で片道1秒、太陽までは約8分の距離)におり、時速約6万km(マッハ50-60)で飛行中。これは指令を出して、返事が来るのには、電波で34時間(片道17時間)かかる距離。地球よりも外側に行く惑星探査機は、太陽光が弱くなるために太陽光パネルは搭載せず、原子力電池を搭載して核分裂による熱を電力に変換して使用している。目的地までの飛行中は、休眠状態にして電力消費を抑え、目的地に到着したら原子力電池を使用する。よって、理論的には、原子力電池が消耗するまで、数十年は電力を維持可能である。冥王星探査機ニューホライズンズは、打ち上げから9年かけて冥王星(ジェット旅客機で行くと600年以上かかり、冥王星からの写真データの伝送には、光速で約4時間かかる距離。冥王星は月の7割の大きさ、オーストラリア大陸(=月と同じぐらいの大きさ)よりも小さい)に到達した。

図 土星探査機カッシーニが撮影した土星から見た地球。

この写真を撮影するためには、片道8年かけて出かけなければならない。

< 惑星探査機ボイジャーの次に遠いところ(太陽系の外)を飛行中のパイオニア10号に搭載された”宇宙人に宛てたメッセージ” >

 下図は、1972年に打ち上げられた惑星探査機パイオニア10号に搭載された宇宙人に宛てたメッセージ。最近、惑星探査機ボイジャーに抜かれたが、それまでは人間が作った物体で、”地球から最も遠いところに行った機械”であり、40年かけて太陽系(冥王星を通過した)を出た。順調にいけば170-200万年後に、53光年離れた恒星(別の太陽系) アルデバランに到着すると想定されており、人類が絶滅した後に、”人間が存在した証拠”の一つとなると予想されている。この金属板を搭載することについては、宇宙人に地球人の存在を知らせて地球侵略の原因になると議論されたが、人類は100年ぐらい前から電波を利用しており、理屈では電波が100光年先の宇宙空間(太陽系の直径の16.6万倍の距離)に届いている(映画「コンタクト」で宇宙人が初期のテレビ映像を返信してくるシーンがある)ので、金属板の有害性はないということになった。

 

8小惑星探査機「はやぶさ」技術のすごさ

 

○「はやぶさ」は正確にいうと探査機ではなくて、「小惑星サンプル・リターンの技術実証を目的とした工学試験機」なので、実際にサンプルを採取できなくても、無事に地球にサンプル容器が戻ってくれば、基本的に成功ということで、失敗のリスクを覚悟したうえで、いくつもの新しいアイデアを詰め込んでいた。

○地球外の岩石を人工的に持ち帰ったのは、アポロ計画で宇宙飛行士が月から岩を取ってきた&旧ソ連がルナ16号、ルナ20号、ルナ24号で取ってきたのに続いて3度目で、月以外の天体から帰還した探査機としては世界初。 小惑星探査の検討開始から実現まで30年かかった。目的の小惑星に行くには、地球との位置関係があるので、適切な打ち上げ時期が限定され、タイミングを逃すと次は数年後になる。機体の設計会議では、グラム単位の軽量化を巡って議論し、10gでも軽くするための工夫なら何でもやった。宇宙空間では金属部品が真空環境で固着して動かなくなる可能性がある。地球では探査機は空気、水蒸気にさらされており、真空の宇宙空間にいくと、これらの分子が、探査機内で浮遊し、ショートの原因となる。

○小惑星「イトカワ」の元の名前(発見時の暫定ネーム)は1998SF36で、マサチューセッツ工科大学の小惑星研究チームが発見したが、彼らから命名権を譲ってもらって「イトカワ」と命名した。

○試料を入れる容器の大きさは餃子2個分。

○小惑星「イトカワ」の大きさは東京スカイツリー程度。火星の外側を回っている、光でも片道16分かかる距離にある(動いている)東京スカイツリー大の大きさの惑星に遠隔操作(ラジコン操作 16分遅れで動くラジコン)で近づいて、岩を取って戻ってきたということ。 イトカワの重力は地球の10万分の1程度。

○衛星本体は地球重量では510kgあるのに対して、メイン推進エンジンであるイオンエンジンの推進力は1g以下。宇宙では無重力状態なので、1gの推進力でも、 長時間働かせれば、高速が作りだせて火星軌道の外まで行って帰ってこれるらしい。

○「はやぶさ」の電波出力はタクシー無線程度であり、イトカワ付近では地球に届くのは「出力電波を1億で割った値を、さらに1億で割った程度の出力」であり、地球では直径64mの電波望遠鏡を通じて3億kmの距離を電波で片道16分かけて指令を送っていたらしい。

〇月よりも遠い所に行く場合は、火星、木星、土星といった重力場の影響を受けて引き寄せられるので目的の惑星に飛行できない(千鳥足の航路)難しさがある。

○再突入カプセルは、ものすごいスピード(秒速12km)で大気圏に突入するので、パラシュート分離のタイミングが1秒でもずれたら、着地目標から大きく逸脱して海などに落下し、サンプルケースを回収できない可能性があった。再突入カプセルには、1m2あたり15メガワット(1000Wの電気ストーブが15000台分の熱量が発生することに相当、スペースシャトルの30倍、アポロ宇宙船の10倍の熱量)の熱が発生した。約16kgの再突入カプセルに、パラシュート、電子機器、試料容器、ヒートシールドが詰め込まれており、表面が最大1-2万℃に達する条件下でも、試料容器は試料の変質を抑えるために最大50℃以下になるようにしなければならなかった。

 

9宇宙開発のおおまかな歴史年表

 

紀元前 380年 古代ギリシャ アリストテレス 天動説に言及

紀元前3世紀(2300年前) 古代ギリシャ アリスタルコス 太陽系モデル(太陽の周りを地球が回っている)を提案。

1500年頃 ポーランド コペルニクス(ドイツ人)が地動説を主張(教会との関係から、主著「天体の回転について」 は死後に出版)

1650年頃 イタリア ガリレオ・ガリレイが44才ぐらいの時、望遠鏡を自作して、人類史上、詳細に星空を観察。土星に輪があること、月の表面がデコボコしていること、太陽に黒点があること、天の川が星(恒星)で出来ていることを発見。ガリレオは太陽を望遠鏡で直接見続けたために、晩年、失明した。地動説を主張したために、教会によって異端審問され、晩年は軟禁されたが、軟禁中の活動によって後世に名前を残す結果となった。ガリレオが亡くなった年に、アイザック・ニュートンが生まれる。

1700年頃 イギリス アイザック・ニュートンは既に現在の静止軌道衛星の理論を考えて著書にて発表済み。物を遠水平に”速く”投げるほど、遠くに落下して、”ある一定のスピード以上になると”地球を一周するということ。有名なリンゴの落下の件では、重力を発見したのではなく、地球がリンゴを引っ張る力が、天体間(地球と月がお互いに引っ張っている)に働くこと(引力の逆二乗の法則)を発見したといわれる。ちなみに、ニュートンの庭に生えていたリンゴは、小さい実が、たくさん成る種類(品種名ケントの花)であり、随時、ぼとぼとと落下するという。

1782年 フランス モンゴルフェ兄弟が熱気球を発明

1783年フランス ジャン・ピラートル・ド・ロジェとダルランド侯爵が気球で歴史上初めて自由飛行

1857年 ロシア ”宇宙旅行の父” コンスタンチン・チオルコフスキー誕生

1865年 フランス SF作家 ジュール・ベルヌ 「地球から月へ(邦題 月世界旅行)」出版(後世のロケット研究者は、この本に大きく触発され、やがてアポロ計画につながった)

1882年 米国 ”近代ロケットの父” ロバート・ゴダード(ゴッダードとも表現される) 誕生

1894年 ハンガリー ”ドイツ一のロケット学者 宇宙旅行啓蒙の第一人者” ヘルマン・オーベルト誕生( 宇宙旅行協会設立、若きフォン・ブラウンも参加していた)

1902年 映画「月世界旅行」製作、ジョリュジュ・メリエス監督(この映画は「ヒューゴの不思議な発明」の中で再現されている。)

1903年 米国オハイオ州のライト兄弟 世界初の動力飛行に成功

1907年 ソ連 ロケット開発者 セルゲイ・コロリョフ 誕生

1912年 ドイツ ロケット開発者 フォン・ブラウン 誕生 、ライト兄弟の兄 ウィルバー・ライト死去

1915年 米国国立航空諮問委員会(NACA)設立(NASAの前身組織)

1926年3月 米国 ロバート・ゴダード(ゴッダードと表記することもある) 人類最初の液体燃料ロケットを作製

1927年 米国 チャールズ・リンドバーグ ニューヨーク・パリ間無着陸飛行

1930年 米国の天文学者 クライド・トンボーが冥王星を発見する。(トンボーの遺灰は、2015年に探査機ニューホライズンズで冥王星に到着。)

1935年 ロシア ”宇宙旅行の父” コンスタンチン・チオルコフスキー死去

1942年10月 ドイツ V−2ロケット(ロケット自体が自分で判断して大陸間飛行する)初飛行

1945年5月 ドイツ降伏 ロケット開発者 フォン・ブラウン 米国に亡命

1945年8月 ゴダード死去

1947年10月 アメリカ チャック・イェーガー X-1ロケット機で水平状態で人類で初めて音速以上のスピードを出す(公式記録)

1947年-1948年 フォン・ブラウン 亡命先のアメリカで、ヒマだったので「火星計画」という小説を書き、1952年にドイツで出版される。

1948年 ライト兄弟の弟 オービル・ライト死去

1955年4月 東京大学 糸川教授 東京 国分寺(現在 早稲田実業学校)でペンシルロケット発射実験

アポロ計画の黎明期---------------------------------------

1957年10月 ソ連 スプートニク1号打ち上げ(スプートニク・ショック)、人類史上初の人工衛星、人工物が地球から出た。 スプートニクとはロシア語で”衛星”という意味。ちなみに、人間が月に上陸したのは1969年で、スプートニクから、わずか12年後。

1957年11月 ソ連 スプートニク2号で、生物史上、初めてライカ犬のクドリャーフカ(小さい巻き毛の雌という意味)という名前のメス犬が宇宙空間に出るが飛行中に死亡。

1958年 米国航空宇宙局(NASA)設立(スプートニク1号打ち上げから1年後、アイゼンハワー大統領時代)マーキュリー計画(1953-1963  現代の価値にして約2兆円)

1959年9月 ソ連 ルーニック2(無人ロケット、ルナ2号)が人類史上はじめて月に到着する。実際に月に人工物を行かせることが出来た。

10月 ソ連 ルナ3号が人類史上はじめて月の裏側を撮影して、人類がはじめて月の裏側を見る。

1960年 NASAマーシャル宇宙飛行センターが開所し、初代所長にフォン・ブラウンが就任

1961年1月30日 アメリカ チンパンジーHAM君を打ち上げて、宇宙空間で運動&生還させることによって、人間が宇宙空間で生存&活動出来ることを証明した。HAM君は、歴史上初めて宇宙空間に出て生還した動物になった。

1961年4月12日 ソ連 ユーリ・ガガーリン(1934年生まれ、27才の時)が世界初の有人宇宙飛行(飛行時間は108分で地球1週した)に成功。人類初めて宇宙空間に出た。(ちなみに、人間が月に上陸したのは1969年で、ガガーリンから、わずか8年後。)

1961年5月5日 マーキュリー計画(この史実を映画にしたのが映画「ライトスタッフ」)でアラン・シェパード(この人は後にアポロ14号で月面に立つ)がアメリカ人として初めて弾道飛行(15分間)する 。人類として2番目に地球から出た

1961年5月25日 ケネディ大統領が有名な演説「今後10年以内に人間を月に着陸させ、安全に地球に帰還させる」を行ない、アポロ計画(1961-1972年)が国家最優先事項になる。 この時点でアメリカは人間が5分間宇宙空間に出ただけだった。(映画「月のひつじ」の特典映像に、本演説の全部が収録。)

1961年7月 アメリカ ガス・グリソム(この人は、後にアポロ1号の火事で犠牲となる)が人類3番目として宇宙に出た。

1961年8月 ソ連 ゲルマン・チトフが人類4番目として宇宙に出た。

1962年 米「マリナー2号」金星に接近・通過 、米のジャッコーニが太陽系外に強いX線を出す天体があることを発見。

1962年2月 マーキュリー計画でジョン・グレンがアメリカ人として初めて軌道飛行(地球3週)する。 人類5番目で宇宙に出る。

1963年 月にアポロ宇宙船を打ち上げたサターン5ロケットの製作開始 (スプートニクショックから5年後)

1963年6月 ソ連 ワレンチナ・テレシコワが26才で、人類史上初の女性として地球を出る。テレシコワはパラシュート降下が趣味(126回降下)の民間人女性だった。

1963年11月 ケネディ大統領 逝去、ジョンソン副大統領が昇格して大統領になる。もともと宇宙政策はジョンソン副大統領が担当していた。こののち、NASAのロケット発射場の名前をケネディ宇宙センター、ケープ・カナベラルをケープ・ケネディと改名する。

1964年4月 アメリカ ジェミニ1号 無人で発射(初の二人乗り宇宙船)   ジェミニ計画(1965-1966年、 費用 現代日本の感覚にして約35兆円)

ジェミニ宇宙船の開発過程では、無重力体験用ジェット機内に実物模型を設置して、実際に宇宙服を着せた宇宙飛行士を登場させて無重量空間での操作性をテストした。

1964年7月 アメリカ レインジャー7号 月面に衝突して人類史上、はじめて月面上に人工物到着

日本 国の宇宙開発推進本部(後の宇宙開発事業団)が発足

1964年 アメリカ マリナー4号 人類史上はじめて、火星表面まで到達

1965年1月 アメリカ ジェミニ2号 無人で打ち上げ

1965年3月 アメリカ ジェミニ3号 有人ではじめて打ち上げ、ガス・グリソム船長、ジョン・ヤング飛行士  ジョン・ヤングが無断でサンドイッチを持ち込む

1965年3月 ソ連 ボスホート2号にてアレクセイ・レオーノフが、人類で初めて宇宙遊泳(12分間)する。この様子は、2017年の映画「スペースウォーカー」で見られる。

1965年6月 ジェミニ4号でアメリカ ジェームズ・マクディヴィッド船長、エドワード・ホワイト飛行士 ホワイトが、アメリカ人として初めて

宇宙遊泳(21分、予定の二倍の時間)する。(人類2番目の宇宙遊泳、ホワイトは後にアポロ1号の火災で犠牲になる) 。船外活動中の宇宙飛行士がトラブルで船内に戻れない場合&死亡した場合は、船長は、その宇宙飛行士を切り離して帰還することになっていた。

1965年12月 ジェミニ7号でアメリカ フランク・ボーマン船長、ジム・ラベル飛行士が、月周回のテストとして(イス一つの空間で)14日間過ごす。

1966年 ソ連 ロケット開発者 セルゲイ・コロリョフ死去

1966年2月 アポロ1号>無人。アポロ指令船と機械船が弾道飛行 アポロ指令船が大気圏突入に耐えるかのテスト

1966年3月 ジェミニ8号でアメリカ ニール・アームストロング船長、デビット・スコット飛行士が、ランデブーの実験を行うがトラブルが発生し、アームストロングの冷静な行動によって安全に帰還。この件で、アームストロングが後に月面着陸候補者として注目を浴びた。

1966年6月 ジェミニ9-A号でアメリカ トーマス・スタッフォード船長、ユージン・サーナン飛行士 船外活動の練習

1966年7月 アポロ3号>無人。サターンVの三段ロケットのテスト 2回目だがアポロ3号という名称になっている。

1966年7月 ジェミニ10号でアメリカ ジョン・ヤング船長、マイケル・コリンズ飛行士 ランデブーの練習

1966年8月 アポロ2号>無人。アポロ宇宙船の制御システムと生命維持システム、熱遮蔽の再チェック

1966年9月 ジェミニ11号でアメリカ チャールズ・コンラッド船長、リチャード・ゴードン飛行士 ランデブーの練習

1966年11月 ジェミニ12号でアメリカ ジム・ラベル船長、エドウィン・オルドリン飛行士 船外活動の練習 オルドリンはNASA最初の水中訓練者

1967年1月 アポロ4号(当初はアポロ204号で、事故後にアポロ1号に改名)> 発射場でのテスト中に、アポロ指令船内の機器のショートによって発火し、宇宙飛行士3人 (ガス・グリソム、 エド・ホワイト、ロジャー・チャフィー)が逝去。 この中に、人類2番目に宇宙遊泳を行ったホワイトが含まれる。この事故を記念してアポロ1号クルーと名づけられる。アメリカ宇宙開発史ではじめての犠牲者。

1967年4月 ソ連 宇宙船ソユーズの運用開始、ソユーズ1号の飛行士、ウラジミル・コマロフ パラシュートがうまく開かず地上に激突し逝去。人類初の宇宙での犠牲者。

1968年1月 アポロ5号>サターン4ロケットを用いて月着陸船を打ち上げテスト。(無人)

1968年3月 ユーリ・ガガーリン 訓練中の飛行機事故で死亡(享年34才)。

1968年4月 アポロ6号>サターンVロケットを用いて打ち上げテスト。(無人) 無人のアポロ宇宙船と実物大月着陸船を載せてサターンV(サターン5)ロケットの初飛行。強烈な騒音と振動で、打ち上げ場所から6km離れた場所において天井タイルが剥がれ、ガラスが割れそうな勢いだったそうで、その後、周辺への影響対策が取られた。

この時期、アメリカで映画「2001年宇宙の旅」が公開され、当時の宇宙飛行士達も招待されて見たが、「この映画は何がいいたいのだろうか???」と皆、感じていた。

9月 ソ連 ゾンド5号(無人)、11月ゾンド6号(無人)が、月周回飛行から帰還し、人間が物理的に月に行って帰って来られる事を証明。

1968年10月 アポロ7号>ロケット、宇宙船の信頼性確立のために地球を11日間回った。

12月 アポロ8号>フランク・ボーマン、ジム・ラベル、ウイリアム・アンダースが、人類で初めて月に到達し、無事に戻ってきた。

無人での練習飛行なしで、宇宙を漂う可能性も高かった。

1969年1月 ニクソン大統領誕生

1969年 日本 宇宙開発事業団 設立

1969年3月 アポロ9号>地球軌道で月着陸船の性能を確認。

1969年5月 アポロ10号>月着陸の直前まで行って、すべてをテスト

1969年7月 アポロ11号 >月面着陸に成功(ニール・アームストロング 1930年生まれ、39才)(映画「メンインブラック3」、「月のひつじ」)この時、使用されたサターンVロケット(全長110m、打ち上げ重量、約3000トン)の開発には、25万人の技術者と、約2000の企業が関わったとされる。ガガーリンが大気圏外に出てから、たった8年で人類は月に降り立った。

1970年 日本発の人工衛星「おおすみ」打ち上げ(ソ連、米、フランスに続く4番目の人工衛星打ち上げ国になる)

1970年4月 アポロ13号が事故によって、月を周回した後、命からがら地球に帰還(映画「アポロ13」)

1970年 ソ連 ヴェネラ7号が人類史上はじめて金星に着陸

1971年1月 アポロ14号>手押し式カートを初めて持ち込み、月面で様々な科学分析装置や実験装置を展開、作動させた。月面を初めてカラー撮影を行った。

1971年 ソ連が世界初の宇宙ステーション「サリュート(挨拶という意味)」を打ち上げ

6月 ソユーズ11号の飛行士3人、地球に帰還中に指令船の空気漏れによって逝去。

1971年7月 アポロ15号>月面に3日以上滞在し、電動車を持ち込んで、広い範囲で調査を行った。

1971年8月 ニール・アームストロングがNASAを退職、大学教授になる。

1972年-1973年   アメリカ パイオニア10号、11号打ち上げ(パイオニア10号、11号には”宇宙人宛の手紙”(カール・セーガン博士が発案)を搭載)

1972年初め   ニクソン大統領がスペースシャトルの開発を承認。スペースシャトルはアポロ計画後の航空宇宙産業の維持のためという背景もあった。

1972年4月アポロ16号>ジョン・ヤングとチャールズ・デューク、月面に電動車を持ち込んで3日間、27kmドライブして探索(主に月の高地)を行った。

1972年5月  フォン・ブラウンがNASAを退職

1972年12月アポロ17号>最後の月面着陸ではじめて地質学者(ハリソン・シュミット)を連れて行った。月に行きたいベテラン宇宙飛行士は多くいたが、選ばれた地質学者は訓練中は複雑な心境だったそう。月面を車で探査し、オレンジ色の土を発見した。

アポロ計画終了----------------------------------------------

1973年5月 アメリカ 宇宙ステーション「スカイラブ(空の研究室という意味)」を打ち上げ

1973年 米「パイオニア10号」木星に接近・通過

1974年 米チャールズ・リンドバーグ死去、リンドバーグはニール・アームストロングとも交流があった。

1976年 アメリカ バイキング1&2号で人類史上はじめて火星に探査機を着陸させる。

1977年 ロケット開発者 フォン・ブラウン死去

1977年 アメリカ 惑星探査機 ボイジャー1&2号 打ち上げ。

 ボイジャーには宇宙人向けに「地球の音(地球の様々な音を収録)」というレコードが積まれている。

1981年4月 スペース・シャトル「コロンビア号」が宇宙へ(STS-1) 、船長はジョン・ヤング、パイロットはボブ・クリッペン

1983年 シャトル(STS-7)で、はじめて船外活動、アメリカ初の女性宇宙飛行士 サリー・ライドが搭乗、スペースラブ(宇宙実験室)で初実験

1983年 シャトル(STS-8)で、アフリカ系アメリカ人として初めて、ガイオン・ブラフォードが搭乗。

1984年 Bruce McCandless II (ブルース・マキャンドレス)さんが、歴史上初めて命綱なしで船外活動(=人間人工衛星になった)(STS-41B)

1984年 STS-41Gでキャサリン・サリバンが米国女性として初めて宇宙遊泳を行う。

1986年 ソ連が宇宙ステーション「ミール(平和という意味)」を打ち上げる。ミールにはのべ100人以上の宇宙飛行士が滞在した。日本H1ロケット打ち上げ。

1986年 米「ボイジャー2号」 天王星に接近、通過

1986年1月 チャレンジャー号の爆発事故(STS-51L)

1988年9月 スペース・シャトル飛行再開 ディスカバリー号打ち上げ

11月 ソ連版スペース・シャトル「ブラン(吹雪という意味)」無人で打ち上げ。

1989年 ”ドイツ一のロケット学者 宇宙旅行啓蒙の第一人者” ヘルマン・オーベルト死去

1989年 米「ボイジャー2号」海王星に接近、通過

1989年 探査機ガリレオ 木星に突入 (人類史上初の木星に着陸?)

1990年 ハッブル宇宙望遠鏡の放出(STS-31)

1990年 2月 アメリカ ボイジャー1号 人類史上初めて太陽系の外から太陽系の写真を撮って送信

1990年12月 TBS記者の秋山さんが日本人飛行士としてソ連のソユーズで宇宙に出る。

TBSは当時2500万ドル(今でいうと40億円ぐらい?)を旧ソ連に支払ったといわれている。

1992年 毛利さんが日本人としてはじめてスペースシャトルに搭乗(STS-47)

1994年 日本人女性初の向井さんが搭乗(STS-65)、日本H2ロケット打ち上げ。

1995年 ロシアの宇宙ステーション ミールとドッキング(STS-71)

1994-5年 ロシアのワレリー・ポリャコフが宇宙ステーション ミールで438日間過ごす

1996年 若田さんが搭乗(STS-72)

1997年 土井さんが搭乗し、日本人として初めて船外活動(STS-87)

1997年 米「マーズ・パスファインダー」火星探査車 活動開始

1998年 国際宇宙ステーションの建設開始

1999年 米空軍のアイリーン・コリンズ大佐が女性として初めてシャトルの船長になる。

2000年 国際宇宙ステーションに宇宙飛行士が常駐開始

2001年 デニス・チトーが世界で初めて宇宙観光で宇宙ステーションに滞在(費用は20-50億円で、これまで8回実施された)、日本H2Aロケット打ち上げ。

2003年 コロンビア号の空中分解事故(STS-107)

2003年 マーズローバー スピリットとオポチュニティが火星を走り回る

2005年 野口さんが搭乗(STS-114)

2005年 米国のマイク・ブラウン教授が冥王星よりも大きい惑星「エリス」を発見し、結果として冥王星、エリスは準惑星と定義される。エリスとは、ギリシャ神話の不和と争いの女神の名前

2005年 日本「はやぶさ」小惑星の試料採取

2008年 星出さんが搭乗(STS-124)

2010年 山崎さんが搭乗(STS-131)、小惑星探査機「はやぶさ」が地球に帰還。月以外の天体から帰還した探査機としては世界初。

2011年 アトランティスが最終飛行し(STS-135)、スペース・シャトル計画が終了

2012年 人類で最初に月面に立った人間 ニール・アームストロングが亡くなる(享年82才)

2012年8月25日ごろ アメリカ ボイジャー1号 人類史上 、人工物として、はじめて太陽系を出たと推定されている。太陽から190億キロメートル先を、時速約6万(マッハ50-60)キロメートルで飛行中。

2015年 米「ニュー・ホライズンズ」冥王星に接近

29.6万年後 アメリカ ボイジャー2号 恒星(=別の太陽) シリウスに到着

 

10 宇宙飛行士関係

 

 アメリカにおいては、有人宇宙開発の初期において、宇宙飛行士となるべき人は、ストレスの多い状況に的確に対処し、生死にかかわる判断を即座に下せるという資質の持ち主ということで、軍のパイロット、特に経験豊かな軍の飛行士で、主にテストパイロット(ニール・アームストロングも元軍人で、その後NASAのロケット試験機x-15のテストパイロットだった)から選抜された。一方、旧ソ連では、経験よりも若さと適性が重視され、ユーリ・ガガーリンは選抜された時は滞空時間はわずか230時間だったという。

参考文献>「重力ゼロの世界へ」、ニュートンプレス

 NASA宇宙飛行士の所属は軍とNASAに別れ、給与は軍人の場合は軍の規定に従う。一方、NASA所属の場合は、国家公務員の規定に従って支払われ、年収は340〜690万円程度、日本人宇宙飛行士は、だいたい年収600-800万円であり、シャトルの搭乗が決まり搭乗後までは特別手当てがついて年収1000万円を超えるといわれる。

 初期の日本人宇宙飛行士のように、外科医、大学助教授などの前職を捨てて宇宙飛行士になった場合は、大幅に年収がダウンし 、多数の宇宙飛行士が存在する現代では元宇宙飛行士というだけで老後は悠々自適とは行かなくなりつつある。

 宇宙飛行士は、NASA、軍の職員=公務員なので、宇宙行く時も「宇宙へ出張」となっていた。その出張手当てはアポロ計画当時で1日3ドルだったらしい(今で言うと2000円ぐらい?)。また、月から帰還してハワイ沖に着水し、ハワイに入国した際、税関で税関申告書を書かされ、出発国「月」、持込物 「月の石、ほこり」という書類も残っている。

 航空機事故の死亡率は100〜200万分の1と言われており、それに対してスペース・シャトルは実績からすると「66分の1の死亡率」となり、今でも飛行士全員が遺書を書いてから打ち上げにのぞんでいる。

 これまでに宇宙へ飛び出した人間は、男性464人、女性53人(2010年5月時点)で計517人。何回も行った人もいるので延べ人数で言うと1138人になる。

 宇宙飛行士は目立つことから、子供に夢を与える存在、宇宙開発予算を獲得するための要として、テレビ、新聞メディアとのコミニュケーション対策が徹底されており、「怖い思いをした」「当局に対する不満」とかを現役時には言わないよう指導されている。また、個人の意思を前面に出すこと(小さいころから宇宙に興味があった、行きたかった、皆を代表して宇宙に行く等々)については、多額の税金を使って個人の夢を実現させているのかという批判もある。

 ジェミニ計画やアポロ計画の訓練中は、宇宙飛行士は平均すると年に250日は家を空けており、長い勤務時間、長期にわたる家庭からの離脱、世間の目にさらされた生活によって多くの飛行士は家庭崩壊や離婚が頻発した。アポロ計画の初期は、宇宙飛行士自体がヒーローであり、妻たちはファッションショーのモデルもやらされた。また、妻が妊娠すると夫が任務から外されるルールだったので、妻が夫にギリギリまで妊娠を隠したり、夫に訓練に集中させるために、子供が出術することを伝えない事もあった。

 宇宙飛行士は、打ち上げが決まると、打ち上げに備えて、打ち上げ1年前からプライベートでレース、スキーなどの危険な活動をすることが禁止され、8ヶ月前からは野球やバスケットボールなどのスポーツも禁止。一週間前からは風邪などをひかないように関係者以外と会えないように隔離される。

 スペース・シャトルの場合、打ち上げ時は、打ち上げの2時間前に搭乗し、上向きのシートに縛り付けられるので、この場合はトイレには行けず、事前に、打ち上げ、着陸時のオレンジ色の船内宇宙服(カボチャ色(オレンジ色)しているので通称パンプキン・スーツと呼ばれるが、正確にはハイプレッシャー・スーツといい、打ち上げ、着陸時に宇宙船の気圧が低下した場合 の失神に備える服。パラシュート装備。これとは別に訓練用の簡素なパンプキン・スーツもある。)の下に「おむつ」をはいている。下着の交換は数日に一回で、汚れた下着や食べ物の包装ゴミは倉庫に一時保管した後、食料を運んできた輸送機に詰めて大気圏に突入させた際に輸送機ごと燃焼させている。最近の衛星は、大気圏突入時に大部分は燃え尽きるように設計されており、日本のH2ロケットなどは軽量化のために風船のように燃料を入れて初めて強度が出るような設計になっている。

 スペース・シャトル時代になると、宇宙飛行士は、パイロット宇宙飛行士(船長)、ミッション・スペシャリスト、ペイロード・スペシャリストの3種類に分かれるようになった。パイロットは、シャトルの管理と操縦の責任者で、1回以上、パイロットを務めると、次回はミッションの成功と20億ドル(現在の価値にして約1兆円ぐらい)のシャトル、乗組員の安全に対して責任を持つ船長になることが出来る。シャトルのパイロットは、シャトルの操縦特性をシミュレートしたグラマンの特別改造飛行機を使用して、250-500回もの着陸訓練を行っている。

 ミッション・スペシャリストは、ペイロード(荷物)の操作や科学実験が主な仕事で、船外活動なども仕事である。ペイロード・スペシャリストは、特定の衛星や実験についてスポンサー枠がある人間が選ばれ、例えば、政治家、教育者や、多くの日本人宇宙飛行士などがこの枠でシャトルに搭乗していた。宇宙飛行中の会話はすべて録音され、ミッション管制センターで確認のために再生されることもある。

10.1<無重量空間での生活>

○物が一斉に飛んでくる>宇宙空間では、重力がほとんどないので、ほこり、物品が空中を漂い、姿勢制御のエンジン噴射などで、これらの物品にエネルギーが加わると、瞬時に船内の反対側に移動する。これは、固定していないと、例えばハサミや定規などが自分めがけて一斉に飛んでくることを意味している。

○火事>無重量空間では、気体の対流減少がないので火は、ゆっくりと球状にひろがる。実際、シャトルでも機器のショートによって、数件の火事が起きており、備え付けのハロンガス式の消火器によって消火された。

○宇宙空間で、新鮮な野菜を栽培しようとの試みは、長年行われており、無重量空間では野菜は育たないが、人工重力を発生させる装置下では、立派に育つことが判明している。また、食肉を目的としてウズラを孵化させる実験も行ったが、無重量空間では、現時点でもウズラを成長させることは成功していない。

○地球由来の微生物が突然変異する>人間体内で、普通なら無害な有機微生物が、宇宙線によって突然変異して毒性のある新種の生物に変化することがあり、この現象は旧ソ連の宇宙飛行士が実際に体験している。この例では、地球帰還後、突然変異種は重力の影響で死滅した。

10.2<トイレ>

 宇宙空間では、重力がほとんどないので、地上と同じようなトイレは出来ない。地上と同様におしっこすると、尿が狭いコックピット内を漂流し、宇宙飛行士がそれを吸引して肺に入ったり、操縦計器の内部に入ってショートする可能性がある。よって、おしっこ、散髪する時は掃除機みたいなホースで吸い取る。宇宙飛行士の代名詞として、宇宙飛行士は仕事として会見の時に来ている、青いつなぎ(ジャンプシート)を着ている時、男性はおしっこは問題ないが、うんちの場合は、トイレでは上半身部分を脱ぐことになる。これが女性の場合は、おしっこの度に、上半身を脱ぐことになるので結構めんどくさいらしい。 ちなみに、宇宙ステーションのように、長期滞在する場合は、短パン&ポロシャツのような恰好をしているので問題はない。

 日本人は一日に0.4〜2L、欧米人は〜0.4Lのオナラをしており、オナラは可燃性ガスであるので、狭い宇宙船や宇宙ステーションに充満すると爆発の危険性があるので、NASAではオナラ対策で研究を進めている。理由は不明だが、人間は宇宙空間ではオナラが出やすくなるという。狭い空間で数人が何日も風呂に入らないで生活することから、一般に宇宙船内は機械の匂いと体臭が交じり合って猛烈に臭いという。

10.3<洗面、風呂>

 手や顔はアルコールか洗剤を含ませたタオルで拭くのみ。歯磨きは出来るが水で口をゆすいで吐き出すことは出来ないので飲み込むか、タオルでぬぐって済ませる。お風呂は体を拭くだけ、シャンプーは泡が飛び散らないドライシャンプーを使い乾いたタオルで拭く。スペース・シャトルの一回のミッションは往復15日間程度であるので、この間は、いっさい水のお風呂には入らない。また国際宇宙ステーションでは、6ヶ月間お風呂には入らない。宇宙ステーション「ミール」、「スカイ・ラブ」には、シャワー付きのお風呂が設置されたことがあったが、入浴後の掃除が大変だったので、実際にはあまり使用されなかった。

参考情報>国際宇宙ステーション関係は、「宇宙への挑戦」 ニュートン別冊 ニュートンプレス、宇宙ステーション「スカイラブ」「フリーダム」は、「宇宙生活への招待状」TOTO出版に詳しい。

10.4<睡眠>

 国際宇宙ステーションは、90分間で地球を一周するので、一日に16回昼と夜が繰り返され (宇宙ステーションでは日の出、日の入りは16倍速の映像を見ているようだという)、正常な睡眠をとるのが難しく、グリニッジ標準時間を基準にして労働をすることが定められており、しっかりとした睡眠をとる(実際には平均6時間だったという)ことも仕事の一環となっている。無重量状態(=無重力ではない、実際には100万分の1以下の重力がななめ後ろ下方にかかっている。ちなみに、重力自体は地球よりも9%低いだけで宇宙ステーションに印加しており、高速回転による遠心力で、ほぼつりあっている。)で寝ると体の体圧が分散され、ぐっすり眠れるという意見もあるが、狭い船内では、交代で誰かが起きており、また、宇宙船内は二酸化炭素の滞留による窒息を予防するために、常にファンが回っており、結構うるさい。

 よって、多くの宇宙飛行士は不眠に悩んでおり、睡眠薬を服用していることが多く、最近の調査では宇宙飛行士の75%が睡眠薬を利用していたという。 無重量空間では、硬い表面に触れると反動で宇宙船のキャビンの反対側まで吹っ飛び、反対側の固い所にぶつかって止まる。人間は地球重力に対応した筋肉配置になっているので、無重量化で寝ると自然に腕は上がり、足は曲がってしまい、宇宙船内でそのまま寝ると寝ている間に、各種のスイッチを押しかねない。よって、スペース・シャトルでは、寝ている間に動かないように、壁に寝袋を固定して寝ていた。

10.5<食事>

 人間が食事をする際は、食べたものは重力によって胃に落ちるのではなく、筋肉によって胃に運ばれるので、無重力状態でも食べる事は可能である。食料は、宇宙空間で「やけど」をしないために65℃程度のお湯で十分に食べられるように調整されており、打ち上げの重量を減らすために高カロリーであり、宇宙空間では味覚も鈍感になるので味付けは多少濃くしてある。現在では、ほとんどの食料がフリーズドライ加工で小分けされており、それらを水で戻した後に、オーブンで20分程度暖めてから食べている。無重量空間では、一つの食べ物を開けると、ふわふわと漂いつづけるので、一度にその食べ物を食べ終えなければならないことになるために、実際には、マジックテープのついた船内活動服やトレーに固定して、複数の種類(180種類以上)の食べ物を食べている。NASAの宇宙食にはシャトル用の短期ミッション用メニューと宇宙ステーション用の長期ミッション用メニューがあり、それぞれ180種類以上の食品が用意されている。

 ガガーリンの初飛行の際も、簡素な宇宙食は準備してあったが、当時は人間が無重量下で、食事出来るかも分かっていなかったので、半分、テストの意味合いも強かった。しかし、実際には、宇宙空間に110分間いた程度だったので食べるヒマはなかった。アポロ宇宙船時代は、食べ物はビニール袋に包まれており、各自専用のスプーンで食べた後には、各食品に付属している黄色い錠剤(防腐剤)を潰して、食べ残しの食品が腐敗して有毒ガスが生成するのを予防していた。当時の資料では、一食1万8千円と記載されているので、現在なら4-5万円ぐらいの感じであろうか。また、アポロ時代は、食事後は、宇宙空間では、うがいは出来ないので、そのまま飲み込める歯磨きガムを食べていた。無重量空間では、コーラなどの炭酸飲料は二酸化炭素が液体と分離してしまうために、すぐに泡がなくなってしまうために、飲む直前に二酸化炭素と液体が混ざるような仕組みが研究されたが、成功したかは不明。

10.6<体の異常>

○上半身への体液の移動、宇宙酔い>地上では体液が下半身にたまっているが無重力では体液、血液が上半身に移動し、結果として顔がパンパンに丸くなり(俗にいうムーンフェイス)、目は充血し、鼻がつまったり、嗅覚、味覚がおかしくなることもある。逆に足は体液が減少することで細くなり、この現象はバードレッグ(鳥の脚)現象と呼ばれている。顔のむくみは、時間の経過と体液の現象と共に引いていくが、地球帰還時に体液が少ないと失神することがあるために、飛行士は帰還時に大量(2L)の生理食塩水を飲む。また、吐き気などの宇宙酔いも体液による脳の圧迫が原因と考えられており、アポロ宇宙船のように船内で動き回れるようになると宇宙酔いの影響が強く表れたといい、それ以前のジェミニ宇宙船などは座っているだけだったので宇宙酔いの症状は少なかった。狭い宇宙船内で吐くと汚物が空間を漂い、気管に入って肺炎の恐れがあるので、吐く時はトイレなど、強力な排気装置のあるところに向かって吐き、漂流物は徹底して掃除している。

○食事はすぐに満腹になる、何もしなくても体重は減少する。>無重力状態では液体は丸くなり壁などにぶつかると広がる特徴があり、少量食べただけで満腹感を感じるらしい。よって、胃の中で広がった食べ物を胃のセンサーがキャッチして満腹になったと感じるものと推測されている。無重力下では、心臓付近に通常よりも多くの体液、血液が存在することによって、脳が体に水分が多すぎると誤解して、どんどん体中の水分を排出するようになるために、なにもしなくても体重が減少し、脱水状態になりやすい。つまり、おしっこが近くなり、宇宙飛行士は一日に最低2.5L、船外活動がある日には、一日5Lの水分をとることが良いとされている。重力のある地球上では、内臓は肋骨あたりの筋肉によって引っ張られているが、無重力状態では、内臓の重量が無くなるので、常に引っ張り上げられた状態となって内臓が肋骨内に移動し、その結果、みぞおちの辺りが極端に細くなる。

○女性はスタイルがよくなる>女性は乳房、尻が重力の影響を受けないので垂れず、スタイルが良く見えるらしい。ただし、髪も無重力のせいで、アフロヘアのようになる。男性も無重力によって下半身の30%の血液、体液が上半身に移動するので太ももが円周方向で4cmも細くなる。

○骨がもろく、筋肉が落ちる>無重力状態が長く続くと、体重を支える必要がないので骨に対する刺激がなく、骨は刺激を受けないとカルシウムを蓄えようとする働きが鈍り、骨中のカルシウムが尿に溶け出して、骨がもろくなる。これは多くの骨粗しょう症患者の10倍の速度で骨がもろくなる(宇宙に1年滞在すると人間の体内にある1kgのカルシウムのうち、約300gも減少するらしい)と言われており、このカルシウムが尿管で石となって、尿結石となった飛行士も過去には存在する。宇宙ステーションでは、尿や汗を再生して飲料水にする装置がロシア製と米国製が設置されており、現在は約80%の水が再生されているが、尿に溶け出したカルシウムが原因で配管が目詰まりする故障が頻発している。

 また、筋肉も衰え 、宇宙に一日いるだけで寝たきり状態の2日分の筋肉萎縮が起こり、これは高齢者の半年分の筋肉萎縮に相当する。よって、スペース・シャトルの場合は、一日15分、シャトルミッションの期間が長い場合は30分、宇宙ステーションの飛行士は毎日、2時間程度、週6日間、自転車こぎなどのトレーニングを行っており、宇宙ステーションで長期滞在して帰還日が近くなると一日の大半を筋力トレーニングに費やしている。宇宙ステーションで長期滞在した経験が豊富であるロシアにおいては、宇宙飛行士の帰還直後の骨折を防ぐために、ソユーズ宇宙船で帰還した場合は、着地後、自分で動くことは禁止されており、特製椅子にのって医学検査所に人力で運ばれ、医師の指導を受けながら徐々に立ち上がることが許されるという。ただし、飛行時間が2週間程度のスペース・シャトルでは、骨の減少も少なく、最近では薬も飲んでいるので、地球帰還後にすぐに歩くことが出来る。

○背が伸びる>重力がなくなり、背骨のあいだにある軟骨が伸びる(=胴長になる)ことで約1-2cm身長が高くな り、背骨中の神経が物理的に引っ張られるので短期滞在では腰痛を感じる。また、足の裏は、体重による加圧を受けなくなるので、血行が良くなり、角質が取れる(見た目は水虫の様)とともに、生まれたての赤ちゃんの足のように、プヨプヨの状態になる。

○窒息の危険がある>無重力では温度差による空気の対流が起こらないので、ずっと同じ姿勢で寝ていると鼻や口の周りに二酸化炭素が滞留し、窒息死する危険がある。そのため、宇宙船、宇宙ステーション、船外活動服(宇宙服)の中では換気扇で常に空気を循環させている。また、空気が動かない=体温で暖められた空気も動かないので「薄い毛布」を着たような状態となり暖かいらしい。空気が動かないと、においがこもったり、風邪などのウイルスがずっと漂ったりするのでフィルターを通じて循環させている。 また、宇宙で感動して泣いても涙がこぼれるということはなく、目の中に涙が充満し続ける状態になる。

○一日で地上半年分の放射線を被爆>国際宇宙ステーションが運用されている高度では、一ヶ月で地上の12年分(宇宙ステーション内では一日0.5-1ミリシーベルト)の放射線に被曝 し、これは毎日胸部レントゲン写真を3枚撮るほどの被爆量に相当する。また、太陽フレアと呼ばれる現象がおきた時には、数十倍の放射線に被曝する可能性があるので、そういう時は壁が厚い場所に逃げ込む。そのため一定の基準放射線量を超えた場合には、計画を中止して地上に帰還することも考えられている。 このように大量の放射線を浴びるので、地球帰還後は一定期間、子供を作る事は推奨していないらしい。宇宙ステーションでは、日常的に高い線量の放射線にさらされるために、体についた雑菌、ウイルスが遺伝子異常で有害な種類に変化する恐れがあることから、絶えず健康状態には気をつけている。

視力が悪くなる、腰痛>無重量状態で長い時間過ごすと眼球の形が変形し、近視が進んで、最近の研究では、この近視は地球に帰還後も治る事はない。また、治るかどうかは不明だが腰痛もあるという。

10.7<地球帰還後のリハビリ>

 宇宙で長期滞在(6ヶ月)して地球に帰還直後の状態> 「地球帰還当日は、身体の重心が全く分からず、立っていられない、歩けない。下を見ると頭がくらくらして気分が悪くなる。歩くつもりで足を出すが、太ももが思っているほど上がっておらずつまずく」。帰還直後は体のバランスをとる三半規管が地上の感覚に慣れず、立ち上がれない。よって長期滞在した宇宙飛行士は4カ月半かけて訓練し、筋力や感覚などを戻していく。

 ロシアの場合、リハビリは3段階に分けて、帰還後45日目まで続き、基本は毎日2時間づつで、第一段階は介助者をつけて歩行訓練やストレッチ、マッサージ、筋力トレーニングを3日間かけて行う。第二段階は約10日間かけて敏捷性やバランス感覚を高める運動をおこなう。その後、約1ヶ月は温泉や保養所で療養する。

 

11 NASA、JAXA(NASDA)関係

 

NASA、JAXA(NASDA)の組織には、今のところ興味はないので、興味のある方は以下の文献に詳しいのでそちらを参照されたし。

参考情報>NASA、JAXA (NASDA) の全容は、「宇宙開発」 ニュートン別冊 教育社

NASAの歴史については、豪華本「NASA The Complete Illustrated History」 トランスワールドジャパンが非常に詳しい。

 

12 人類で初めて地球の外に出た旧ソ連の宇宙飛行士 ユーリ・ガガー

リンについて

 ガガーリンは、大陸間弾道ミサイルを改良したボストーク・ロケットに搭乗して、初めて地球から出た宇宙飛行士として有名。宇宙飛行士の選抜については、3000名の候補者から選ばれた。

日本で旧ソ連の情報は極端に少ないので、初飛行の状況を知らない人がほとんどではないだろうか。以下は初飛行の際のトピック。

○初飛行は家族にも秘密であり、家族には「遠くに出張」といって家を出た。家族が事実を知ったのは打ち上げ後のラジオ放送を通じてだった。

○ボストーク・ロケットは自動操縦だったが、信頼性の点から手動操縦もできるようになっていた。しかし、ソ連当局は、「手動操縦は信頼性に劣る」と判断し、操縦装置に暗証装置を設置し、パスワードを書いた紙を宇宙船内に隠し、非常事態にのみ隠し場所を教えるテハズになっていた。操縦といっても、実際には宇宙船のカプセルの角度を少し変えられる程度だった。

○生還する見込みが低かった(当時の成功確率は50%)ので打ち上げ後に中尉から少佐に二階級昇格させ、宇宙空間のガガーリンに昇格を伝えた。 当時、ニ階級特進は、殉職した兵士に対する処遇だったので、この時点でガガーリンは死を覚悟した。実際には、フルシチョフ書記長が、打ち上げの偉業を記念して、その場で決定した事項だった。当時のラジオ放送で、父親は、ガガーリンが宇宙に出たことを知らされたが、「ガガリーン少佐」となっていたので「息子は中尉で、まだ少佐ではないので別のガガーリンさんだろう」と思っていた。

○打ち上げ後、ロケットと宇宙船の分離がうまく行かず、大気圏突入時に激しく回転した。しかし、偶然、大気圏突入時の加熱によってケーブルが燃えて、無事、宇宙船から予定通りパラシュートで脱出することが出来た。当時の宇宙船は、後のソユーズ宇宙船のように地上に着陸時に逆噴射して、衝撃を和らげるタイプではなかったので、上空でパラシュートで脱出する方法だった。

○当時は大気圏突入時に「無線が使えない」ということが分からなかったので、結局、前述の「パスワードうんぬん」は意味が無かった。

○ボストーク・ロケットでは、アポロ宇宙船のように海面まで人が乗って帰ってくるのではなく、高度何千メートルからパラシュートで降りてくることになっていて、帰還したガガーリンを初めて迎えたのは事情を何も知らない農家の人で、農家の人は宇宙服姿のガガーリンを見て「当時敵対していたアメリカ兵か、宇宙人がやってきた」と思い込んで逃げ出した。人類初の女性宇宙飛行士テレシコワも同じように高度何千メートルからパラシュートによって降下した。ちなみに、テレシコワはパラシュート降下が趣味(過去に200回以上パラシュート降下していた。)であり、この趣味が人類初の女性飛行士実現の遠因だった。

○ガガーリンが選ばれたのは、共産主義社会において労働者階級出身であったこと、「ユーリ」という、ロシアでは典型的な名前であったこと、身長が155cmぐらいと小柄で狭い宇宙船にぴったりだった、冷静沈着で、いつもニコニコしていたからと言われている。ちなみに、ゲルマン・チトフもガガーリンの控えとして訓練されていたが身体能力がガガーリンよりも優れていたので、より過酷なミッションである2回目の飛行に割り当てられた。

○打ち上げは1961年と古いにもかかわらず、宇宙船内にはガガーリンの前にテレビカメラ(ビジコン管カメラ)がセットされており、毎秒10フレーム(走査線数100本)で地球周回の様子を撮影していた。

○「地球は青かった」という単純なセリフは、後で作られた話であり、当時は【宇宙で健康でいられるかさえ分からなかった】ので、何分かおきに、詳細に体調、状況を無線で報告しており、「無重力下で、人間は食事出来るか」というのも実験の項目に入っており、食べ物も一応持っていったが実際には忙しくて食事の時間は無かった。

○人類発で宇宙空間に出た女性テレシコワは、打ち上げ中にパニックに陥ったために、その後「女性は宇宙飛行士に向かない」と判断され、その後、何年も女性宇宙飛行士が搭乗しない原因を作ったとされる。

○生物史上初めて大気圏外に出たのはメスのライカ犬(クドリャーフカ(小さい巻き毛の雌という意味)という名前)で、理由は不明だが、帰還時には死亡していた。

参考> 映画「ガガーリン 世界を変えた108分」 映画的には、一度見れば十分だが、ボストーク・ロケットの打ち上げ状況や、ロケット分離状況などが鮮明なCGで再現されているのでお勧め。映画中、ガガーリンの他にレオノフ、チトフなど有名な名前の宇宙飛行士の名前が出てくるので、かなり正確に作ってあると思われる。

 

13その他、未分類(データの倉庫)

 

スペース・シャトル1機には約370kmの配線と1060個のバルブがあり、部品の総数は約250万点。

スペース・シャトルについては、37回のミッションで5247回地球を周回したディスカバリー号を2820万ドル(約26億円)で販売するそう。

最初の人工衛星は1957年にソ連が打ち上げた「スプートニク1号」。それから6000基以上が打ち上げられ、現在飛んでいるのは3000基ぐらい。

 

○人工衛星の高度と地球公転周期の関係(円軌道の場合)

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高度(km)    公転周期

100        1時間26分29秒(スペース・シャトルの標準高度、約90分で地球一周している。)

500        1時間45分8秒(宇宙ステーションの高度は400km、105分で地球一周)

600         宇宙望遠鏡ハッブルが位置する高度 この高度では、なにもしないと約10年で大気圏に自然落下する。

35786       23時間56分4秒(=約24時間で地球一周していることになり、”見かけ上は”ある特定の上空に静止しているように見えるので、静止軌道衛星はこの高度にいる)

                       この高度では、何もしないと100万年後に大気圏に自然落下する。

40000       27時間36分39秒

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ロケットの打ち上げ費用(2013年時点)------

< 大型 >

米国       スペース・シャトル   1800億円

    (開発、維持の総費用 24兆円/ 飛行回数 135回、シャトル後期型の建造費は一機2000億円)

欧州       アリアン5        110億円

中国        長征3         70億円

米国       ファルコン9     54億円

ロシア      プロトン       85億円

日本       H2A         100億円  (H2ロケットのHは燃料に水素(Hydrogen)を使用するから、その前のNシリーズのロケットは日本(Nippon)から)

< 中型、小型 >

インド      PSLV       25億円

ロシア、ウクライナ     ドニエプル     12億円  ドニエプルはウクライナの大河の名前 

欧州      ベガ         42億円

ドイツ、ロシア ロコット      30億円

日本     イプシロン     38億円

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14 国際宇宙ステーション ( International Space Station, ISS )

 

国際宇宙ステーション(ISS)>国際宇宙ステーション計画は、日米欧など15カ国が参加した1998年に建設が開始され40回以上の建設資材の打ち上げを経て2011年に完成し、アジアから参加しているのは日本のみ。”国際”と名前がついているのは、米国、ロシアなど宇宙大国が複数参加しているからであり、国際宇宙ステーション以前には、米国のスカイラブ、旧ソ連のミールなどの宇宙ステーションが存在した。ステーション(=駅)という名称は、将来、ここから月探査や火星探査に出発するという構想があったので”駅”という名称をつけた。しかし、現在ではISSから他の惑星に出発するという構想はなくなり、単に無重量試験空間(実際には地上の100万分の1の重力がある)という目的になっており、日本は累計で約8600億円、現在も年間400億円ぐらい払っている(そのうち、人、物の運送に240億円ぐらいかかっており、見返りとして日本人宇宙飛行士が一人搭乗できる権利がある)割には成果に乏しいので、国際宇宙ステーション構想自体が批判にさらされている。

 総費用10兆円を超える人類最大の事業で2020年以降まで運用される計画となっており、最近は故障がちなので廃棄も検討されたが、近年、中国が単独で宇宙ステーションの建造を進めているので、その対抗策として、ISSの延長が検討されている。

 ISSの大きさはサッカー場程度、内部の広さはジャンボジェット機の1.5倍程度、重さは420トン。宇宙飛行士が生活する居住棟ズベズダは、旧ソ連の宇宙ステーション「ミール」とほぼ同様なので、北海道の苫小牧科学館にある「ミール」内部を見学するとISSに入ったことと同じになる。

 高度400kmをマッハ25、秒速約8km(ガガーリンの時のように弾道飛行だけならば秒速1km以上で実現する)で周回しているISSは、地球を90分で一周するので、45分間隔で昼夜が入れ替わり、通常、3人のチームが3ヶ月の時間差で6ヶ月ごとに交代し2チーム6人が滞在する。宇宙飛行士達は、体調保全のために規定の起床時間まで寝ていることが求められ、たとえ早く目覚めたとしても、狭い船内で他の飛行士を起こさないように、寝袋でじっとしている必要がある。3人が滞在時には、1機のソユーズ宇宙船(3人乗り)、6人滞在時には2機のソユーズ宇宙船がドッキングしており、宇宙放射線 (通常、ISSでは地上の15倍の宇宙放射線を浴びる)異常時、火災、スペース・デブリなど、緊急事態時には、ソユーズ宇宙船で地球に帰還するようになっている。

 ソユーズ宇宙船は、地球への着陸時に背中から着地する構造となっているので、宇宙飛行士が背中を痛めないように宇宙船のイスは、個人に合わせてぴったりと作製されているので、地球帰還時は、自分のイスで帰還することになっている。宇宙飛行士は週5日間午前と午後にそれぞれ4時間の作業があり、マニュアルに従って正確に実行する。作業後は宇宙の無重量状態では骨からカルシウムが抜けて骨折しやすくなるので、二時間半の体力トレーニングが義務づけられており、ランニングマシンや特製自転車を使って運動する。ISSでの時刻はグリニッジ世界標準時を使用しており、日本とは9時間の時差がある。酸素は酸素発生装置を使用して作製し、人間が排出する二酸化炭素は、吸着剤(水酸化リチウム)によって回収した後、廃棄される。水は地球から輸送機で運び、飲料水だけで一人当たり一日約2kgが必要となる。

 スペース・シャトルでは、打ち上げ時に機体が損傷していないか2日かけて検査するなどしてISSにドッキングしていた。一方、ソユーズも打ち上げから2日かけて徐々にISSに近づき、ドッキングしていたが、最近ではソユーズの計算能力の向上&ISSの軌道を事前に調整することで、打ち上げから6時間でISSに到着するようになっている。

 スペース・シャトル、ISS内が無重量状態なのは、地球重力の届かない高度を飛行している訳ではなく、実際にはISSの高度でも、地球の9割程度の引力が働いている。しかし、猛烈なスピードで地球を回転することで遠心力が働き、これが引力とつりあっていることで、無重量状態となっており、周回速度が下がると重力に負けて地球に落下を始める。ISSが飛行している高度350-400kmでも、地上の100万分の1程度の空気はあるので、わずかながらも空気抵抗は存在し、放っておくと加速度的に周回速度が下がって、地上に落下を始める可能性があるので、ロシアの補給船プログレスがエンジンを動かして速度を増加し定期的にISSの高度を上昇させている。また、太陽の活動が活発になると大気が熱で膨張し、空気が濃くなるので、空気抵抗が大きくなるという危険もある。

このように、スペースデブリ対策や、宇宙放射線の影響、大気の状況などで、宇宙ステーションはひんぱんに軌道を微調整しているので、地球のある特定場所での通過予定時刻は決まっておらず、地球上のどのあたりを通過するかは直前に判明する。

 スペース・シャトルの運用が終了した現在では、宇宙船ソユーズが、ISSへの唯一の往復機関となっており、米国はソユーズ一席あたり約72億円をロシアに支払っている。ISSから見られる地球の範囲は東京の真上にいたら沖縄の西表島からロシアのサハリンぐらいまでが見える。ISSは太陽光を反射して光っているので、昼間及び夜は地上から見ることは出来ず、地上が暗くなり、かつ、ISSが太陽光を反射している朝か夕方にのみ地上から肉眼で見ることが出来る。これは、地球よりも内側を回っている金星(明けの明星、宵の明星)と同じ理屈である。

< ISSのスペースデブリ対策 > ISSのガラスは石英ガラスとホウケイ酸ガラスから作られており、ある程度の衝撃に耐えることができる。ただし1センチ以上のデブリはISSにダメージを、10センチ以上のデブリはISS本体に致命的なダメージを与える可能性がある。そこで、ISSでは1センチ以下のスペースデブリは交換可能なバンパーで防ぎ、10センチ以上のスペースデブリはISSの軌道を変更すること(宇宙空間では速度によって軌道が変化するので、ISSのスピードを変更すると物理的に周回軌道の高度が変更になる)で避けている。また1〜10cmのデブリが当たった場合は乗員が他モジュールに退避し、後から修理することも可能となっている。

ディスカバリーチャンネル>「 巨大建造物 国際宇宙ステーション」

宇宙ステーション・きぼう 広報・情報センターにも宇宙ステーションの情報が詳しい。

参考情報> 国際宇宙ステーション関係は、「宇宙への挑戦」 ニュートン別冊 ニュートンプレスが、宇宙ステーション「スカイラブ」「フリーダム」は、「宇宙生活への招待状」TOTO出版に詳しい。

とりあえず以上。


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