【うい】〜【うち】

−−−−−−−うい−−−−−−−
・浮いた
(ういた) 1.軽はずみな。好い加減な。また、陽気な。 用例:日葡辞書「ココロノウイタヒト」2.恋愛に関する。男女関係に纏(まつ)わる。 例:「浮いた話」 用例:人情・春色梅美婦禰−五「情女(いろ)の恋のとそんな浮(ウイ)た事じゃアねヘノサ」
・有為無常
(ういむじょう) この世の現象は因縁によって生じたものであるから、常に移り変わるものだ。 例:●有為転変 用例:保元−上「有為無情の習ひ、生者必滅の掟」
−−−−−−−うえ−−−−−−−
・上には上がある
(うえにはうえがある) それが最高に優れていると思っても更に上の物がある。 類:●
上を見れば方図がない
・上の姉様
(うえのあねさま) 天井の花嫁の意味で、鼠のこと。
・上見ぬ鷲
(うえみぬわし)[=鷹(たか) 上からの襲撃に対して配慮する必要がない鷲や鷹に喩えて、驕り昂ぶって何も恐れず誰にも遠慮しないような人のこと。また、その地位や態度。
・上を下へ
(うえをしたへ)[=下へ返す] 上にあるべきものを下に、下にあるべきものを上にするということから、混乱している様子。また、ごった返している様子。
・上を見れば方図が無い
(うえをみればほうずがない)[=切りが無い] より良いもの、より良いものと求めていけば限りがない。
・烏焉馬
(うえんば) 1.「烏」「焉」「馬」の三字は、形が似ていて書き誤り易いところから、文字の誤まり。 類:●焉馬●烏焉●烏焉魚魯(うえんぎょろ) 2.転じて、紛らわしいもの。 用例:雑俳・柳多留−一六七「烏焉馬の違ひ傾城妾芸者」
−−−−−−−うお−−−−−−−
・右往左往
(うおうさおう・うおうざおう) 1.多くの人が右へ行ったり左へ行ったりして入り乱れる様子。 用例:平治−上「兵ども右往左往にはせちがひ」 2.急のことに慌てて、あっちに行ったり、こっちに行ったりすること。混乱して秩序がないこと。 
★多勢の場合にも、一人の場合にもいう。<国語大辞典(小)>
・魚木に登る
(うおきにのぼる)[=登るが如し] 魚は木に登ったら無力になる。それと同じで、本拠を離れては何もできないということ。主に、慣れないことをしようとしている場合や、やり付けない事をして失敗したときなどに、それを諌(いさ)める言葉として使う。 
反:●水を得た魚
魚心あれば水心
(うおごころあればみずごころ)
・魚千里
(うおせんり) 魚が千里泳ぐほどの速度ということで、学問の進歩が遅いことを意味する。 出典:「
黄庭堅−戯作乃歌二章」 「従師学道魚千里、蓋世成功黍一炊」 人物:黄庭堅(こうていけん) 中国北宋の詩人。1045〜1105。字は魯直。号は山谷道人など。江西詩派の祖。その詩風を「江西体」と言う。書家としても優れていた。「山谷内外集」など。
・魚の木登り
(うおのきのぼり) 有り得ないこと、あるいは、やることが逆であること。  類:●猿の水練
・魚の泥に息吐くが如し(うおのいきつくがごとし) 魚が泥水の中で苦しそうに息を吸うように、半死半生の状態にある。
・魚の釜中に遊ぶが如し
(うおのふちゅうにあそぶがごとし) 災いが目前に迫っているのも知らずにのんびりしていること。
・魚の水に離れたよう
(うおのみずにはなれたよう) 唯一の頼りを失ってどうすることもできない状態。
・魚の水を得たるが如し
(うおのみずをえたるがごとし) 1.離れられない親密な間柄。親密な交情。2.苦境から脱して、大いに活躍できるようになること。
・魚の目に水見えず
(うおのめにみずみえず) あまり近くにあるものは目に入らない。
・魚は江湖に相忘る
(うおはこうこにあいわする) 最も自然な境遇にいて、何物にも煩わされない状態になる。 出典:「荘子−大宗師」 「魚相忘於江湖、人相忘於道術」
・魚は鯛
(うおはたい) その中で一番優れたもの。 類:●花は桜木人は武士
・魚を得て筌を捨てる
(うおをえてうえをすてる)[=忘る] 魚を捕ってしまうと、捕るのに用いた筌のことを忘れてしまうという意味で、目的を達すると、それに役立ったもののお陰を忘れてしまう。 出典:「荘子−外物」
−−−−−−−うか−−−−−−−
・伺いを立てる
(うかがいをたてる) 1.神仏に祈ってお告げを請う。2.目上の人などに指示や意見を仰ぐ。
・羽化登仙
(うかとうせん) 1.中国の神仙思想で、仙人となって羽が生え仙界に登ること。2.酒に酔って良い気分になること。 出典:「蘇軾−前赤壁賦」 「飄飄乎如遺世独立、羽化而登仙」
・浮かない
(うかない)[=ぬ] 気になることがあって、気持ちが晴れやかでない。気分が沈んでいる。 用例:浄・津国女夫池−二「うかぬ顔色」
・浮かばれない
(うかばれない) 1.死んだ後の霊が遺恨を残して安らかになれない。成仏できない。2.苦境から脱け出ることができない。面目が立たない。 例:「あんな苦労をしたのだから成功しなかったら浮かばれない」
・浮かび上がる
(うかびあがる) 1.物が底の方から表面に出てくる。 用例:平家−一「此度泥犁(ないり)に沈みなば、〈略〉うかびあがらん事かたし」 2.意識に出てくる。思い出される。 例:「故郷の景色が心に浮かび上がる」 3.物事が外面に現われる。明かりや証拠などではっきりしてくる。 例:「容疑者が浮かび上がる」 4.苦境から脱け出る。運が開ける。また、立身出世する。 用例:日葡辞書「ツミヨリウカビアガル」
・浮かぶ瀬
(うかぶせ) 良くない状態から抜け出る機会。運が開けるチャンス。
・浮かれ鳥
(うかれどり) 1.まだ夜が明けないのに鳴いて朝を告げる鶏。2.ひと所に落ち着かないで飛び回る鳥や夜、ねぐらを離れて浮かれ歩く鳥のことを、人に喩えて使う。
・浮かれる
(うかれる) 1.楽しくてじっとしていられない気持ちになる。浮き浮きする。はしゃぐ。また、面白くて夢中になる。 用例:人情・春色梅児誉美−初「話にうかれて、薬をあげもふさなんだ」 例:「優勝に浮かれる」 2.自然に浮いている。 用例:日本書紀−神代上訓「洲壌(くにつち)の浮漂(ウカレただよへること)」 3.居所を離れてさまよう。 類:●流離(さすら)う 用例:今昔−16「年来仕へける所をも其の事となくうかれて」  用例:山家集−下「ここをまた我住み憂くてうかれなば」
・鵜川の小鮎
(うかわのこあゆ) 鵜飼をする川に棲む鮎のことで、逃れる方法がないことの喩え。
−−−−−−−うき−−−−−−−
・浮き足立つ
(うきあしたつ・だつ) 1.踵(かかと)が上がって、爪先立ちとなる。2.不安を感じて逃げ出しそうになる。また、そわそわして落ち着かなくなる。 類:●逃げ腰になる
・浮き足になる
(うきあしになる) 1.戦いで負けそうになり、今にも逃げ出そうとする。 類:●逃げ腰になる●
浮き足立つ 用例:播州佐用軍記−下「小田垣等が兵色めき浮足に成を見て」 2.不安や期待で、落ち着かなくなる。 用例の出典:播州佐用軍記(ばんしゅうさよぐんき) 軍記。川島正友。川島忠左衛門正友の慶長6年(1601)跋。川島忠兵衛好和の明暦元年(1655)序。上下2冊。羽柴秀吉が天正5年(1577)冬、中国地方平定の軍を進め、播磨国佐用郡の播磨国佐用郡の上月城・福原城を攻略した合戦の模様を記した合戦記。
・浮き木に会える亀
(うきぎにあえるかめ)[=の亀] 極めて得難い機会に巡り会うこと。 類:●盲亀の浮木 
参考:「阿含経」などの仏教の説話 百年に一度だけ浮上して頭を出すという盲目の亀が、海上に漂流している孔(あな)のある浮木に会い、その孔に頭を入れるという。 出典:「阿含経」・「涅槃経
・浮き草稼業
(うきくさかぎょう) 1.浮き草のように不安定で一定の場所に根を下ろさない職業のこと。旅芸人や香具師(やし)など。2.転勤が多い職業。
・雨奇晴好
(うきせいこう) 晴天・雨天いずれも景色が優れていること。 類:●晴好雨奇 出典:「蘇軾−飲湖上初晴後雨詩」
・浮き名を流す
(うきなをながす) 「浮き名」は元来は、「憂き名」とも書き、憂鬱で嫌な評判ということ。悪い評判が世間に広まること。特に、色事に関する世間の評判、取り沙汰を指す。 類:●艶聞(えんぶん)を広める
・憂き節繁き川竹
(うきふししげきかわたけ) 辛く悲しいことの多い身を、河竹の節の多いことに掛けていう。女、特に遊女の身の上を言う。 類:●浮き川竹の流れの身●川竹の流れの身
・憂き身を窶す
(うきみをやつす) 労苦も嫌がることなく、形(なり)振りも構わないで熱中する。 例:「恋に憂き身をやつす」 用例:浄・
丹波与作待夜の小室節−中「うき身やつすは親の為」
・浮き世に鬼はない
(うきよにおにはない) 世の中は無情に見えるが、人情はどこに行ってもあるということ。 類:●渡る世間に鬼はない
・浮き世の沙汰は金次第
(うきよはかねしだい) この世のことは全て金で方(かた)が付く。
・浮き世の情け
(うきよのなさけ) この世に住む人間同士の情け。人の世の慈悲。 類:●渡る世間に鬼はなし
・浮き世の習い
(うきよのならい) 人の世の、逃れられない決まり事や習わし。 類:●浮き世の常●浮き世の関
・浮き世は一分五厘
(うきよはいっぷんごりん)[=三分五厘] この世の諸々は、それほど値打ちがあるものではないということ。 
★一説に「一分五厘」は一人一日の米代という。<国語大辞典(小)>
・浮き世は牛の小車
(うきよはうしのおぐるま)[=車の輪] 「牛」を「憂(う)し」に掛けて言ったもの。この世の因果が巡り来る様子を、車に喩えた言葉。
−−−−−−−うく−−−−−−−
・鶯鳴かせたこともある
(うぐいすなかせたこともある) かつては、梅の花のように美しく色香もあって、鶯を留めて鳴かせたように異性を騒がせたものだ。嘗(かつ)ては盛りの時もあった。
・鶯のかいごの中の時鳥
(うぐいすのかいごのなかのほととぎす) 「かいご」は卵のこと。時鳥は自分で子を育てないで、鶯の巣の中に卵を生んで孵(かえ)させるところから、子でありながら子でないということ。 出典:万葉−1755「
之生卵乃中爾霍公鳥(うぐひすのかひごのなかにほととぎす)独り生まれて汝(な)が父に似ては鳴かず汝が母に似ては鳴かず」
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・受け売り
(うけうり) 1.製造元または問屋から商品の委託を請けて小売りすること。また、その人。 類:●委託販売 2.他人の考えをそのまま自分の説のようにして述べること。 用例:仮・
清水物語−上「学文にもうけ売(ウリ)の人こそおほく候へ」 用例の出典:清水物語(きよみずものがたり) 仮名草紙。朝山意林庵。寛永15年(1638)。儒教思想に関する書。
・有卦に入る
(うけにいる) 1.有卦の年回りに入る。2.良い運命に巡り合う。幸運を掴む。調子に乗る。 用例:伎・
助六廓夜桜「女は氏なうて玉の輿。こなたは有卦(ウケ)に入ったらう」 用例の出典:助六廓夜桜(すけろくくるわのよざくら?) ・・・調査中。 参考:助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら) 歌舞伎。世話物。1幕。金井三笑・桜田治助合作。宝暦11年(1761)江戸市村座。助六、実は曾我五郎が、宝刀友切丸を深すため吉原へ入り込み、揚巻に横恋慕する髭(ひげ)の意休に喧嘩をしかけ、刀を手に入れる。
−−−−−−−うこ−−−−−−−
・禹行舜趨(うこうしゅんすう) 聖王である禹や舜の表面上の動作を真似るだけで、実質を持たないこと。 出典:「荀子−非十二子」 「禹行而舜趨」
・烏合の衆
(うごうのしゅう) 烏の群れのように、規律も統一もなく、ただ寄り集まっている群集。 出典:「後漢書
・動きが取れない
(うごきがとれない)[=ぬ] 1.制約があって、思うように振舞うことができない。2.悪い状態から抜け出ることができない。 類:●行き詰まる 用例:浮・日本永代蔵−一「うごきのとれぬ身袋をわたし」
・右顧左眄
(うこさべん) 右を流し目で見、左を顧みるという意味で、右を見たり左を見たりして迷うこと。 類:●左顧右眄
・雨後の筍
(うごのたけのこ) 雨が降った後には、筍が続々と生えるというところから、物事が次々に現われたり起こったりすることの喩え。
−−−−−−−うさ−−−−−−−
・兎死すれば狐これを悲しむ(うさぎしすればきつねこれをかなしむ) 同類の不幸をその縁者が悲しむこと。 類:●狐死して兎泣く
・兎の角
(うさぎのつの) 実際には無いものを有ると言うこと。また、実際にはないことのたとえ。 類:●兎角
・兎の登り坂
 物事が良い条件のために早く進む様子。
・兎の糞
(うさぎのふん) 兎の糞のように切れ切れで続かないことを洒落ていった言葉で、長続きのしないこと。 類:●三日坊主
・兎の股引
(うさぎのももひき) なにごとをやっても最初だけで後が続かない者のことを指す。
・兎兵法
(うさぎへいほう・うさぎびょうほう) 本当の兵法を知らずいい加減な策略を用いて、却って失敗すること。転じて、実際に役立たないことの喩え。 類:●生兵法
・兎耳
(うさぎみみ) 1.兎のように長い耳。2.綱や紐などの端を兎の耳の形の輪に結んだもの。 類:●蛇口(へびくち) 3.人の知らない噂などをよく聞き出してくること。また、その人。 類:●地獄耳
・兎を得て蹄を忘る
(うさぎをえてわなをわする) 物事が成し遂げられたならば、そのために取った手段のことは打ち捨てても良い。転じて、手段に拘(こだわ)り過ぎて本質を見失ってはならないということ。 類:●
魚を得て筌(うえ)を忘る忘蹄(ぼうてい) 出典:「荘子−外物」 「蹄者所以在兎、得兎而忘蹄」
・兎を見て鷹を放つ
(うさぎをみてたかをはなつ) 1.手遅れだと思っても諦めてはいけない。また、事を見極めてから対策を立てても遅くないということ。2.事態が差し迫ってから慌てて行動に移ること、また、急いだ結果、事を仕損じることの喩え。 類:●泥棒を見て縄を綯う
・胡散臭い
(うさんくさい) 「胡散」は、疑わしい・怪しいという意味。なんとなく疑わしい。どことなく怪しくて気が許せない。 用例:滑・膝栗毛−五「うさんくさいとおもひおったが、もしや護摩のはいじゃないか」 
★「う」は「胡」の唐宋音。<国語大辞典(小)>
−−−−−−−うし−−−−−−−
・牛驚くばかり(うしおどろくばかり) 物の色が非常に黒い様子。
・潮の水
(うしおのみず) 江戸の諸侯の邸宅で行なわれた慣習。正月始めの辰の日辰の時に、辰年生まれの人が、竈(かまど)の上にあたる部分の屋根に海水を注ぐ、火災防止の呪(まじな)い。
・潮の湧くが如し
(うしおのわくがごとし) 勢いが力強く盛り上がる様子。
・牛掴むばかりの暗がり(うしつかむばかりのくらやみ) まったくの暗闇。
・牛と芥子は願いから鼻を通す
(うしとからしはねがいからはなをとおす) 牛が鼻輪を通されて自由を失うのは、牛の天性が招いたものであり、人が芥子で鼻を刺激されて困るのも、その人が自分で望んで口にしたためだということ。自ら望んで災いを受けること。 類:●牛は願いから鼻を通す
・氏無くして玉の輿
(うじなくしてたまのこし) 女は家柄や育ちが卑しくても、器量次第で貴人の愛を得て地位を得ることができる。 類:●女は氏無くて玉の輿
・牛に汗し棟に充つ
(うしにあせしむなぎにみつ) 車で引かせると牛に汗を掻かせ、積み上げると建物の棟木に届くという意味から、蔵書が多いこと。 類:●汗牛充棟(かんぎゅうじゅうとう)
・牛に経文(うしにきょうもん) ⇒ 馬の耳に念仏
・牛に食らわる
(うしにくらわる) 人に騙(だま)される。 類:●一杯食う 用例:虎明本狂言・
「よひきもをつぶいた。うしにくらはれだまされた」 用例の出典:(すはじかみ) 狂言。各流。酢売りと生姜売りが商人司(あきんどづかさ)を決めようとし、系図を比べ、互いの商売物に装(よそ)えて洒落を言い合うが、優劣がつかず、結局一緒に商売することになる。
・牛に対して琴を弾ず
(うしにたいしてことをだんず) 牛に対して琴を弾いてもなんにもならない。いくら高尚なことを説き聞かせても、志の低い愚かな者にはなんの役にも立たない。 類:●牛の前に調ぶる琴 
故事:祖庭事苑」 魯(ろ)の国の公明儀こうめいぎ)が「清角の操」という曲を奏した時、牛は平気で草を食っていたが、蚊や虻が子牛の鳴き声のような音を立てた時には耳を欹(そばだ)てて聞き、尾を振って歩き出した。 出典:祖庭事苑(そていじえん) 中国の字書。睦庵善卿(むつあんぜんきょう)撰。宋代、大観2年(1108)。2冊8巻。当時の修行者が参禅弁道に際して、請益の語に通ぜざるを慨して、雲門、雪竇、義懐、風穴、法眼、天台徳韶らの語録、および『池陽百問』『八方珠玉集』『証道歌』『十玄談』などからおよそ2,400余の事項を選んで、一語ごとに詳細な解説を加えたもの。
牛に引かれて善光寺参り
(うしにひかれてぜんこうじまいり)
・牛にも馬にも踏まれぬ
(うしにもうまにもふまれぬ)[=踏まさぬ] 子供が無事に成長することの喩え。
・牛の歩み
(うしのあゆみ) 進み具合の遅いことの喩え。 類:●牛歩(ぎゅうほ)
・牛の一散(うしのいっさん) 普段は決断の鈍(にぶ)い人でも、場合によっては急に逸(はや)り進むことがある。
・牛の籠抜け
(うしのかごぬけ) 鈍間(のろま)な者が素早くしようとすることの喩え。また、鈍重な者は物事を行なうのに不手際であることの喩え。
・牛の糞
(うしのくそ) 1.表面は剛直に見えるが、内側は柔らかい人。特に、女にとって油断のならない男のこと。2.牛の糞が段々になっているところから、物事には順序や段階があるということの喩え。3.ぐるぐる巻きに結った女性の髪形。
・牛の角を蜂が刺す
(うしのつのをはちがさす)[=蚊がせせる] 角を蜂や蚊が刺しても牛は痛くも痒くも感じないように、物事に対してなんとも感じないこと。 類:●鹿の角を蜂が刺す
・牛の寝た程
(うしのねたほど) 金銭を大量に積み上げた様子。 類:●山ほど 用例:浄・嵯峨天皇甘露雨−二「牛のねた程金もつくねてゐるげな」
・牛の涎
(うしのよだれ)[=小便(しょうべん) だらだらと長く続くことの喩え。
・牛は嘶き馬は吼え
(うしはいななきうまはほえ) 物事が逆さまで思い通りに行かないことの喩え。 類:●石が流れて木の葉が沈む
牛は牛連れ
(うしはうしづれ)
・牛部屋の吹き矢
(うしべやのふきや) 牛部屋で吹き矢を吹き誤ると危険であることから、十分慎重に行動しなくてはならないことの喩え。
氏より育ち
(うじよりそだち)
・後ろ髪を引かれる
(うしろがみをひかれる) 後に心が残って、先へ進むことができない状態。 類:●未練が残る
・後ろ暗い 1.疚(やま)しいと感じるところがある。 用例:浮・
傾城禁短気−四「うしろぐらき事をして、若しあらはれては」 類:●後ろめたい 2.本心は違うのではないかと疑わしい。行動に裏表がある。 類:●二心(ふたごころ)がある 用例の出典:傾城禁短気(けいせいきんたんき) 浮世草子。6巻6冊。八文字屋自笑作とあるが、実際は江島其磧。宝永8年(1711)。巻1、2では女色、男色の優劣を論じ、巻3では公娼対私娼の争いを描き、巻4、5、6では吉原、新町、島原に即して色道の聖(ひじり)がその奥儀を伝える。
・後ろ向き(うしろむき) 1.後方を向く。背中を向ける。2.相手にしない。 類:●そっぽを向く 3.考え方や取り組み方などが消極的・後退的であること。 例:「後ろ向きな政策」 
反:●前向き
・後ろめたい
(うしろめたい) 1.後ろ暗いところがあって、良心が咎(とが)める。疚(やま)しい。気恥ずかしい。2.後のことが気懸かりだ。将来が心配だ。成り行きが不安だ。 類:●心許ない 
反:●後ろ安し 用例:古今−秋上「をみなへし後ろめたくも見ゆる哉あれたるやどにひとりたてれば」 3.気が許せない。信用できない。油断がならない。 用例:−104「やがて御屏風にそひつきてのぞくを『あしかめり。うしろめたきわざかな』と」 ★「後ろ目痛し」の転<大辞林(三)>
・後ろ指を差される(うしろゆびをさされる) 他人から非難されること。陰で悪口を叩かれている状態。
・後ろ指を差す(うしろゆびをさす) その人を指(さ)して嘲(あざけ)る。陰で悪口を言ったり非難したりする。
・後ろを見せる
(うしろをみせる) 1.敵に背を見せて逃げる。 用例:平家−九「まさなうも敵にうしろをみせさせ給ふものかな」 2.相手に弱みを見せる。また、責任などを逃れようとする。
・牛を搏つの虻は以て虱を破るべからず
(うしをうつのあぶはもってしらみをやぶるべからず) 牛を刺し殺すことができるほどの虻でも、虱を殺すことはできないという意味で、小さくても堅固なものは、破ることが難しいということ。 出典:「史記−項羽本紀」 「夫搏牛之
、不可以破L蝨」
牛を馬に乗り替える
(うしをうまにのりかえる)
・牛を蜂が刺す
(うしをはちはさす)[=蚊がせせる] 牛の角を蜂や蚊がさしても牛は痛くも痒くも感じないように、物事に対してなんとも感じないことのたとえ。 類:●
牛の角を蜂が刺す●鹿の角を蜂が刺す
−−−−−−−うす−−−−−−−
・薄紙を剥ぐよう(うすがみをはぐよう) 1.少しずつはっきりしていく様子。2.特に、病状が少しずつ日ごとに良くなる様子。
・臼から杵
(うすからきね) 女から男に働き掛けること。働き掛けの方向が普通と逆であることの喩え。
・薄氷を踏む
(うすごおりをふむ・はくひょうを〜) 薄くて割れ易い氷の上を踏むという意味で、危険極まりない情況に臨むことの喩え。 類:●剃刀の刃を渡る●刀の刃を歩む●氷を歩む戦戦兢兢 出典:「詩経−小雅・小旻」
・渦を巻く
(うずをまく) 1.水に渦巻きを作る。2.比喩的に、渦巻きのような状態、入り混じって混乱した状態を作る。3.伏目になって、畳などに指先で円を描く。女性の恥ずかしがるときの仕草。 用例:雑俳・柳多留拾遺−巻八下「くどかれて給仕は盆へうづをまき」
−−−−−−−うそ−−−−−−−
・有象無象
(うぞうむぞう) 種々雑多な下らない人間。碌(ろく)でもない連中。人を卑(はずか)しめて言う言葉。 用例:洒・
通言総籬−一「うぞうむぞうを引つれて」 類:●有相無相●うぞむぞ●烏合の衆
嘘から出た実
(うそからでたまこと)
・嘘吐きは泥棒の始まり
(うそつきはどろぼうのはじまり) 平然と嘘を吐くような者は、盗みも悪いことと思わなくなってしまう。
・嘘と坊主の髪は結ったことがない
(うそとぼうずのかみはゆったことがない) 「結う」と「言う」の洒落(しゃれ)。毛がない坊主の髪を結えないのと同じように、自分は嘘を言わない(吐かない)ということ。
・嘘八百(うそはっぴゃく) たくさんの嘘。まったく出鱈目であること。 
★〔「八百」は数多くの意〕<大辞林(三)>
嘘も方便
(うそもほうべん)
・嘘を吐け
(うそをつけ)[=言え] 嘘を吐くなら吐いてみろ、こちらには全て了解済みだぞという気持ちで、相手の言葉が本当でないのを咎(とが)めて言う表現。 用例:雑俳・柳多留−一五「うそをつきなさいと袖でたたく也」
−−−−−−−うた−−−−−−−
が上がらぬ(うだつがあがらぬ) いつも上から押さえ付けられていて、出世できない。運が悪くて、良い境遇に恵まれない。 類:●ぱっとしない ★「うだつ」は「うだち()」の変化した語。<国語大辞典(小)>
・歌は世に連れ世は歌に連れ(うたはよにつれよはうたにつれ) 歌は時勢の影響を受けて変化し、世の中の情勢も歌の流行によって影響される。
・打たれても親の杖
(うたれてもおやのつえ) 親が子を打つのは慈愛の心からであるから、子は打たれても喜ぶべきである。
−−−−−−−うち−−−−−−−
・打ち込む
(うちこむ) 1.打って入れること。2.熱中する。全力を集中する。 例:「仕事に打ち込む」 3.深く心を寄せる。ある人を恋い慕って夢中になる。 類:●惚れ込む 用例:日葡辞書「ソノヒトニウチコウダ」
・打ち出の小槌
(うちでのこづち) 「一寸法師」に登場する小槌。振れば何でも思うままに出せる小さな槌。 類:●魔法のランプ●ドラえもんのポケット 出典:「御伽草子
・内に省みて疚しからず
(うちにかえりみてやましからず) 自分の良心に質(ただ)してみて、少しも恥じるところがない。 出典:「論語−顔淵」 「内省不疚、夫何憂何懼」
・内股膏薬
(うちまたごうやく) 内股に張った膏薬が両腿に張り付くように、一定の意見もなく、都合次第で、あちらにもこちらにも付くこと。また、そういう人。 類:●二股膏薬日和見主義
・有頂天(うちょうてん) 1.仏教用語。梵語(サンスクリット語)の訳語。欲界、色界、無色界の三界のうち、存在(有)の世界の最上(頂)である色究竟天(しきくきょうてん)のこと。また、一説には無色界の最上である非想、非非想処天とする。 類:●有頂 用例:曾我物語−一二「上はうちゃうてんを限り、下は阿鼻を際として」 2.「有頂天」に上り詰めるという意味から、喜びで気分が舞い上がっている様子。例:「褒められて有頂天になる」 3.我を忘れ、夢中になり、周りを顧(かえり)みない様子。 用例:俳・毛吹草−六「月を見る人の心や有頂天」
・烏鳥の私情
(うちょうのしじょう) → 類:●反哺の孝

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