ラッツ&スター
ラッツ&スター参上
あなたは伝説のグループ、ラッツ&スターを知ってるか
シャネルズ?ラッツ&スター?どっち???

1980年、顔に靴墨を塗り、タキシード、手袋という前代未聞のスタイルに身を包んだグループが現われた。その名もシャネルズ
1980年代、多くのインディーズバンドが世に出て行った。当時、新宿ルイ−ドというライブハウスがあり、その新宿ルイ−ドを毎月満杯にしていたのがこのシャネルズだった。今やラブソングを中心として歌うシンガー・鈴木雅之の原点、真髄はこのシャネルズにある。
シャネルズの魅力って何だったんだろうか?出だしの頃の彼等は決して歌が上手い訳ではなかった。とすれば、その異様な風貌、そして上手いとか技術とかいった理屈を超えた「音楽の楽しさ」だったのではないだろうか。彼等のスタイルはブラックミュージックといわれるジャンルでロックンロールの原点とも言われてる「ドゥーワップ」なのだが、そもそもドゥーワップって何なのかと簡単に説明すると、楽器を買えない貧しい黒人達が作ったと言われている。数人のグループを組み、、自らの声を楽器に見立てて低音、高音等のパートに分かれて歌うといったもの。
日本の元祖では「グッドナイトベイビー」を歌ったキング・トーンズ、近年ではゴスペラーズラグ&フェアーがそのジャンルだろう。「声をハモらせる」と言う事は当然、個人個人の歌唱力と絶妙なチームワークが要求される。ではシャネルズの初期の頃とゴスペラーズ、ラグ&フェアーの違いを分析してみると、おそらく後者の方が歌唱力と言う点では優っているだろう。しかし、私が見る限り後者の彼等は確かに上手いが何かが足りない。それは「ドゥーワップの楽しさへの追求の差」なんだろうと思う。歌の上手さを追求する事は間違いではないと思うのだが、「上手さの追求」というのは突き詰めるとキリが無い。例えれば漫画家が他の漫画家の画力を超えようとするのと似たようなもので、画ばかりに便り、内容とのバランスが崩れてしまう。
別にシャネルズが下手と言ってるのではなく、彼等がアマチュアからプロへと羽ばたけて行けた大きな要因は「音楽の楽しさの追求」だったのではないかと私は考える。
名曲「ランナウェイ」、「街角トワイライト」とプロデビューした彼等は次々とヒット曲を出し人気を取っていくが、彼等にとって思いもしなかった大きな転換期がやってくる。それがグループ名の改名だった
メンバーの「麻薬所持」によって事件になり芸能活動が危ぶまれる事になる、、、、、。

新たな出発、ラッツ&スター

1983年、彼等はシャネルズというグループ名を捨て、新たにラッツ&スターに改名する
メンバーが減った以外に、大きく変化したと思うのはまずボーカルの鈴木雅之が抜群に上手くなった事。泥臭かった歌唱力が抜け、プロとしての歌唱力が身に付いていた。後に鈴木雅之が「人との出会いが大きかった」と言うようにプロデューサーを務めた大瀧詠一の存在が大きかったのではないだろうか。
ラッツになってからのヒット曲は「め組のひと」。ラッツになってからの彼等は夏を意識した曲が多く作られていったのも特徴の一つ。今では考えられないが、あのサザンオールスターズと凌ぎを削ってた存在になり、夏と言えばサザンオールスターズ、ラッツ&スターと言われるほど地位を確立していった。
しかし、現実は厳しいものでドゥーワップというジャンルが段々、世の中に通用しなくなってきた。80年代中盤といえばジャニーズ連中が台頭してきた時期で光ゲンジ、少年隊が出てきたのもこの頃だったような気がする。そもそも私はア・カペラ&ドゥーワップというジャンルは人気を取れないものだと思ってる。決して受けを狙えるジャンルではなく小さなライブハウスでヒッソリと観客を沸かす程度に留まる存在だと思う。それが此処まで人気を維持してこれたのは奇跡的ではなかっただろうか。
1985年、実質上シャネルズ〜ラッツ&スターの活動期間は僅か5年で幕を閉じる事になる。ボーカルの鈴木雅之は、引き続き歌の世界でシンガーとしての地位を確立し、コーラスの田代まさし、桑野信義はバラエティーの世界に入り、11年の長い月日が経っていく。

そして彼等は帰ってきた、、、

1996年、4月28日、国立代々木第一体育館。「夢で遭えたら1996」と題し実に11年ぶりにラッツ&スターが期間限定で復活した
上に掲載した画像は当時、WOWOWでライブ中継を放送してたのを録画したもの。年月は経ったが彼等の「楽しい音楽」は健在だった。ボーカルの鈴木雅之の歌唱力はもはや完全体になっており、桑野信義のトランペットが響き、御馴染み「ボンボンボン♪」の低音担当の佐藤善雄も「夢見る16歳」を披露。
田代まさしは合間合間のトークで客を沸かせ、それぞれが持ち味を発揮してくれた。前座を鈴木雅之個人が務めいよいよラッツ&スター登場の再に観客のボルテージは大爆発。初期のアルバム紹介VTRが流れ、その後、ドライアイスの煙から登場
「涙のスウィートチェリー」からランナウェイ、街角トワイライト、トゥナイト、め組のひと、Tシャツに口紅をメドレーで披露。後半はシスター・鈴木聖美が登場しラッツ&スターと鈴木聖美による「もしかしてI LOVE YOU」と「ロンリーチャップリン」で盛り上がった。最後は新曲「夢で遭えたら」でライブは無事終了。
民放歌番組でもミュージックフェアーに出演。オープニング曲で「シャマ・ラマ・ディンドン」を歌った時には、私は鳥肌が立ち、かなり興奮したのを記憶に覚えてる。年末には同じくフジTV主催のFNS歌謡祭、NHKの紅白歌合戦にも遅ればせながら初登場した。
約半年間の期間限定芸能活動だったが、ラッツ&スター人形は入手困難の中々のレア物として今も欲しがってる輩は多いのではないか(笑)。

そしてあの事件が、、、

「田代まさし逮捕」、、、このニュースを耳にした時、ラッツファンの多くが

「終わった、、、、、」

と感じた筈だ。それにしても1度目の麻薬事件から又してもメンバーの事件が起きてしまった訳だが、ファン以上に落胆したのはリーダーである鈴木雅之だったのではないだろうか。
ラッツのメンバーの形成と言うのは、皆、幼馴染というのが特徴だった。中でも鈴木雅之と田代まさしの関係は非常に深かった。事件後、鈴木雅之は「ラッツとしての活動から離れてしまった俺達には、溝が出来てしまったのかも知れない、、、」と悲痛なコメントをしていた。と言うのも鈴木雅之はシンガーとして音楽業界に関わっていたし、田代まさし&桑野信義コンビは志村けんに弟子入りするような形でバラエティーにドップリ浸かる事になった為、お互いに会う機会も減り、関係も薄れていったのだろうと思う。生き残るのが大変な芸能界なので彼等も必死だったので仕方がないといえばそれまでだ。こういった事態は起こるべくして起こってしまったのだろうか、、、しかし、犯罪は犯罪である。何はともあれ田代まさしがそういった方向に行ってしまったのは残念だし田代まさしの精神の弱さは否定は出来ないだろう。
ラッツ&スターの復帰を望む声も殆ど無いに等しいが、果たしてこういう残念な形でジ・エンドとなってしまうんだろうか???、、、、。


私が選んだシャネルズ〜ラッツ&スターの名曲ベスト10

一位:星くずのダンスホール

シャネルズ2枚目のアルバム「ハート&ソウル」に収録されている曲。後のアルバムの「ダンス・ダンス・ダンス」にも収録されているが、私は絶対2枚目のアルバムの方を推薦したい。
その理由はやっぱり鈴木雅之の歌手としての成長過程の違いから。変な話だが最初に歌ったバージョンの方がグッとくるものがある。シャネルズの歌を聴いてて感じたのはアルバムを追う事に鈴木雅之が段々上手くなってきてる事。ラッツ時代になると、ほぼ現在の鈴木雅之の歌唱力に近いものがある。
歌の内容は2人の恋人が静かなダンスホールでダンスする内容なのだが、聞いてるだけでその風景が頭に浮かんでくるようである。そして、まだ歌手としてまだ発展途上だった鈴木雅之の微妙な歌の下手加減が哀しくもホノボノとしたテイストに見事にマッチしてる。ダンスホールでホントに聞いてみたい歌ではないだろうか。

二位:め組のひと

ラッツとして新たに活動しての最初のヒット曲。ラッツと言ったらまずこの曲だろうと言う事で二位に挙げてみた。正に夏をイメージした曲であり、この歌であのサザンオールスターズと競い合ってたほどだ。ラッツの「楽しさ」が集約されてるような曲であり象徴的な曲ではないだろうか。当時、彼等のダンスも流行っていた(笑)。

三位:街角トワイライト

まあ妥当な所ではないだろうか。別に三位でなくともいいのだが、ヒット曲なので三位にと言う事で(笑)。鈴木雅之によるとサビの部分は急遽入れたとの事。この歌はよくモノマネ歌合戦などで目にする事が多いので知ってる方は多いだろうと思う。

四位:ランナウェイ

シャネルズの記念すべきプロデビュー曲。この歌も初期バージョンと後のバージョンではかなり違う。初期版は物凄く鈴木雅之の声が音痴に聞こえるのは私だけだろうか(笑)しかし、この当時の鈴木雅之の歌声は独特なテイストがあり、上手い下手とかそんな次元ではなく、そういうものを超えた不思議な魅力がある。後に大物歌手になって行く訳だが、プロデュースした大瀧詠一も、そんな不思議な歌声に惹かれたんではないだろうか。

五位:もしかして I LOVE YOU

鈴木雅之&聖美の兄弟デュエット曲と言えば「ロンリーチャップリン」が有名だが、この曲のデュエットも侮れないものがある。この歌は96年の限定復帰ライブの祭に披露してくれた。
2人がデュエットしてた当時、「この2人は恋人なのか???」と本気で思ってた人は多い筈(爆)私もそうでした。後で2人は兄弟だと知って納得した感じだ。それにしても2人のデュエットは日本国内でも最強コンビではないかと思うぐらい上手過ぎる。ラッツも良いがこの2人だけのアルバムも是非出して欲しかった。
姉と弟が2人共、歌の才能があると言うのも珍しい。

六位:ラスト・ワーズ

アルバム「HEY・ブラザー」に収録されてる曲。この歌は「楽しさ」をモットーとするシャネルズに反した歌詞なのだが、そのギャップが逆に良い。悲しさ一杯の曲で、歌詞を読むと何だか2人の夫婦が死んでしまうような感じだろうか。一位の星くずのダンスホールに近いテイストがある。

七位:ストリート・シンフォニー

二枚目のアルバム「ハート&ソウル」の一曲目に収録されてる曲。なんと最初のサビだけで一分半取るという異質なのが特徴(笑)。しかし、その後の歌はアップテンポのノリノリのロックンロール風ドゥーワップ。
息もつかせぬほどの勢いで一気に歌いこみ、聞いてる方も躍動感を憶える。聞き終わってもう一回聞いてみたくなる曲である。

八位:夕日と拳銃

アルバム「SING SING SING」に収録されてる曲。西部劇テイストの中にラブソングとドゥ−ワップを足した感じ。この曲に限った事ではないがベースボーカルの佐藤善雄は絶対に欠かせないメンバーだと再確認。彼の「ボンボンボン♪」の低音の魅力にヤラレタ人は多い筈だ。彼の低音には、あの愛染恭子もイッテシマッタらしい伝説もある位だそうだ(笑)しかも何気に佐藤善雄がメンバーの中で一番イケ面だし。

九位:雨の日のローラ

これも八位と同じアルバムに収録されてる曲。テンポがよく、どっかで聞いた様な感じのアメリカンテイスト。実はシャネルズの歌は昔のブラックミュージックをモジったり、微妙にカバーしたような曲が多い。
桑野信義のトランペットも発揮してて良い感じだ。九位じゃ勿体無いような気もする。

十位:ダウンタウンボーイ

一枚目のアルバム「Mrブラック」に収録されてる曲。「自分はシャネルズファンだ」と豪語するならば絶対に欠かせない一曲。この歌を聴いて「やる気」が出てきた人も多い筈(笑)
歌詞を読む限り、おそらく当時、まだ売れなかった頃の自分達の環境を歌で表現したような曲で、彼等の仲間意識、情熱、が伺える。シャネルズの「楽しさ」が詰め込まれた隠れ名曲かも

番外編:胸騒ぎのクリスマス

ラッツの記念盤「BACK TO THE BASIC」に入ってた曲。冬のイメージが無いラッツだが、以外にもクリスマスソングを歌っていたのにはビックリ
イントロがいかにもクリスマスな感じで個人的に今でも通用するんじゃないかと思う出来だと思う。
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