少林寺木人拳
お前のような弟子を持てて誇りに思う、、、。
ストーリー
幼い頃に父を殺され少林寺に身を寄せる無口な青年が居た。
何をするのも要領の悪い無口な青年はある日、少林寺の裏にある滝の裏に隠された洞窟を発見する。
興味津々な彼は洞窟へ侵入。そこで彼が観た物は「鎖によって繋がれた男」であった。
この男はファーツと言う名の元少林寺の僧であり、10年前に罪を犯し罰として拘束されていたのだった。
ファーツは始めは無口青年に警戒心を見せていたが彼の純真さに次第に打ち解け、やがて2人は師と弟子の関係へと為ってゆくのであった。
ファーツは青年に拳法を教え込み、少林寺最大の難関・木人の間に挑ませんと鍛え上げた。ファーツには企みがあり、彼を木人の間を突破させ下山させる為であった。
拳法のけの字も知らなかった青年は逞しく成長し、遂に木人に挑む日がやってきた。
迫りくる木人の攻撃に耐え、遂に彼は木人の間を突破。下山を許される身になったのであった。
青年は木人に挑む前日にファーツから遣いを頼まれていた。「お前は必ず木人を打ち破り、下山できる身になれるだろう。もし下山したら、この指輪を知人に届けて欲しい、、、」と頼まれていたのだった。
下山し、町へ出た彼は無事に遣いを果たす。しかし、それから間もなく少林寺に事件が発生。
鎖に繋がれていたファーツが脱走し寺は大騒動。少林寺館長・ファチ−は直ちに18羅漢に追撃を指令する。
「ああ〜、、、又大変な事が起きる。」と不吉な予言を残すのだった、、、。
予想は的中。ファツーは10年前に自分を捕らえ少林寺に引き渡した3人の男達に復讐を開始する、、、。
一方、青年はひょんな事から18羅漢に囲まれるファーツを発見。
連れの友人と共同で一計を案じ、ファーツを逃す事に成功する。しばらく青年とファーツは同行することになった。
一時の宿の為に彼らは民家でもてなしを受けていたが、ある勘違いでファーツは民家の者を殺してしまう。
自分の過ちを改めないファーツに青年は不信感を募らせ、この一件で2人の仲は決裂。
青年は長年の間、父を殺した覆面の男を捜していたのだが、ふと、彼の脳裏にある人物の姿が重なったのであった、、、。
下山の折に青年は館長のファチーから竹筒を授かったいた。それはファチーの師にあたる前館長・リンクン大師宛ての物であり、「困った事があったら大師を訪ねよ」と言う言いつけであった。
青年は大師が住む山へ登り、そこで衝撃の事実を知る。ファーツは大師の1番弟子であった事を、、、。
時を同じくし館長・ファチーもリンクン大師を訪ねてやってきた。
ファーツは洞窟の中で長らく研究していた獅子の拳を完成し、かつて自分を捕らえた3人のうち2人を殺し、更には少林寺にまで襲撃を開始。
少林寺五天王と呼ばれる龍、蛇、虎、豹、鶴の最強の5人までも獅子の拳で葬ったのであった。
少林寺はファーツ討伐に青年を抜擢する。獅子の拳に対抗できる拳は只一つ、「伏魔の拳」しかない。
リンクン大師は伏魔の拳の秘伝書をファチーに託すと自ら命を絶って果てたのであった。
ファチー指導の下、遂に伏魔の拳を体得した青年は遂に決戦の日を迎えた。
かつての師と弟子は今、激突の時を迎える。そして父の敵はファーツである事を知る、、、。



少林寺木人拳について
1977年作のジャッキーの異色作。
何故、異色なのか。それはジャッキーがラストの戦いまで一言も喋らないのである。
この作品はジャッキーがモンキーシリーズを撮る前だったので、とにかく若い。更に整形前なので、へたすると別人じゃないかとも思ってしまう。
公開当時は全然人気を取れなかったのだが、近年になってジャッキーが有名になると、この映画は貴重な作品に変身した。
日本公開版は「ミラクル・ガイ」という主題歌が付いており、何故かビデオ版では入っていなかった。しかし、テレビ版は主題歌が入っていて今となってはレアビデオなのだ。自己紹介の所でも書いたが、このテレビ版が欲しいのだが手に入れようが無いのは残念、、、。昔、ベータのビデオデッキで月曜ロードショウで放送したのを録画したのだが行方不明になってしまった。
あと、今現在リリースされている「少林寺木人拳」にはオープニングの少林寺五天王VS青年のシーンが入っていない。この当時のジャッキー作品のビデオは「何とか版」とか色々なバージョンが存在していて旧版ほど価値が高いらしい。御寮人が持っているのは例のシーンが入っているので旧バージョンなのだろう。

この映画と似たような映画に「少林寺への道」とゆうのがある(このサイトでも紹介している)。
あっちの方は「銅人」で、こっちは「木人」になっている。似たような場面もあって、少林寺卒業の証として巨大な焼け火鉢を抱いて焼印を付けるシーンが両作品ともある。
修行の過程よりも1番これが嫌な気がする。それをやるくらいなら少林寺に居座ってたほうが楽かも(笑)

改めてこの映画を観て気づいた事がある。それはジャッキーに少林寺は似合わない事だ。
少林寺の舞台にジャッキーを放り込むと、どうしてもキャラクターが暗くなり死んでしまうのだ。やはり彼の真骨頂は明るく陽気な「モンキーシリーズ」が良く似合っている。
個人的にもジャッキーの坊主頭は見たくない(この映画では髪はある)。長髪をなびかせて酔拳や蛇拳を演舞してるほうがカッコいい。

この映画の特徴としては珍しく「感動」出来る場面が幾つかある。
ラストのシーンの青年とファーツのやり取り等は思わずウルッと来てしまった。印象に残った言葉は

青年:「例え一日でも、あなたは私の師匠です。師匠、どうか罪を償ってください。そうすれば私も過去は忘れます」

ファーツ:「それは出来ん。これは悪行の報いだ、、、。お前のような弟子を持てた事を誇りに思うぞ。めったに無い人材だ、、、大きくなれよ、、、」

と言うやり取りが行われる。
この手の映画の悪党は大抵最後まで悪党で終わるのだが、この作品のファーツというキャラは単なる悪党ではない事が伺える。なんと言うか哀愁があると言うか、どこか寂しそうな印象がした。
ジャッキー映画の中では地味な作品なのだが、ストーリーが根元からしっかりしていて良く出来てると思う。

この映画を御覧になった方なら判ると思うが問題のラストのシーンをどう取ったらいいのだろうか?
ファーツは自ら命を絶ったのか?それとも最後の最後に悪あがきをしたのか?
例え後者だったとしても、ここはやはり前者を選びたい。そう思った方がこの映画は気持ちよく締められると思う。

木人の間とは?

この映画の最強の試練、それは木人拳だ。
木人拳と言っても拳法の名ではない。どういった物なのか説明すると長い廊下の左右に人を象った木の人形が設置されており、挑戦者は自分の拳法を使ってその廊下を渡っていかなければならない。
途中でリタイヤする事も可能なのだが、その場合は罰としてお仕置きを受けなければならない。
又、木人の試練をクリアしなければ下山の許可は得られないらしい。
ファーツのアドバイスによると「攻撃と同時に反撃に備える」のがコツらしい。

獅子の拳とは?

この映画で初めて獅子の拳と言う拳法を耳にした。
似たような拳には五形拳の一つ、「虎の拳」があるが、獅子の場合はそれよりも残虐差、パワー共に上と見てよいだろう。
ファーツの説明によると「7つの穴から血が流れ全身の骨が折れるまで叫び振動させる。声も出ず、動く事も出来ずゆっくりと死んでいく」らしい。
獣を象った拳法は多いが、獅子は百獣の王と言われてるだけに形意拳の中では最強ではないだろうか。
この拳法に対抗できるのは「伏魔の拳」と呼ばれる拳法しかないらしい。
前館長・リンクン大師が虎の巻を持っていると言う事は、彼はその奥義を極めたと言える。
全盛期のリンクン大師ならファーツを止める事が出来たのかもしれない。


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10年前にファーツを捕らえた3人の一人
本日の眼がイッテル男
登場人物
主題歌

ミラクル・ガイ
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