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タガメの産卵

 タガメは1回の産卵で、約60〜120こくらいの卵をうみます。卵塊(らんかい・卵のかたまり)は、水の中ではなく、木のくいや水草のくきなどにうみつけます。
 孵化するまで、ずっとお父さんが近くの水中でよりそい、ときどき水から上がってぬれたからだを逆さにし口吻を通して卵を湿らしてやります。この水かけがないと、卵塊は乾いてだめになり孵化することができません。
 はじめは、なんとなくかたい感じがした卵塊が、日に日にふくらんではちきれそうになってきます。
1週間から10日くらいすると、卵の上のほうがフタのようにぱっかりとあいて、孵化がはじまります。
 2003年はメスが産卵する瞬間を撮影することができなかったので、かわりに以前とったタイワンタガメの産卵の様子をのせます。
上にいるのがオスで、下にいるのがメスです。タイワンタガメはお店で買ってきました。
 右がタイワンタガメ、左が日本のタガメの標本です。
 タイワンタガメのほうが、大きくすらりとしていて、目もパッチリしています。日本のタガメは、前足が大きく全体にがっちりしたかんじです。
 タイワンタガメはエサをとるのがへたでした。それだけエサが豊富な場所で、生きているのかもしれません。
  (写真を拡大)
 タガメのメスに、卵塊破壊(らんかいはかい)という行動があります。
ほかのメスがうんだ卵を、ペアのオスが守っているにもかかわらず、力ずくでこわしてしまいます。
 うちでもまえにやられてしまったので、卵とお父さんのオスは、ほかのメスからすぐ離すようにしています。     
 卵塊破壊をするメスは自分も卵をもっていて、すぐにでも交尾する必要がありオスを横どりします。幼虫はエサをたくさん食べるので、同じ場所であとからうまれる自分の子どもを守り有利にする意味もあるのかもしれません。オスは最初は抵抗しますが、ケンカではしょせん大きいメスにはかなわず、守っていた卵がだめになるとあきらめて、こわしたメスとまたすぐ交尾して新しい卵塊を保護します。
 産卵が終わったメスは、たいへんおなかがすいているので、すぐエサを入れておいてやります。もしエサがなかったりすると、ペアのオスも襲われて食べられてしまったりします。
タガメのメスはオスより強く凶暴です。栄養をつけてしばらくすると、メスはまた産卵可能となります。産卵前後はとにかくエサを豊富に入れておいてやることが大切です。  
 産卵をひかえたおなかがふくらんでいるメスがいて、繁殖期のオス(※水面を腹でたたいて波を起こす動作をする)が足りないときには、交尾を終え卵を守っているオスを再びペアにすることもできます。(※メスのなかにもオスにこたえるかのように、水面叩きをする個体があります)。タガメのオスとメスの割合は同じなのですが、卵が孵化するよりメスが産卵可能になる期間のほうが早い場合が多く、結果的にオスが足りなくなります。 お父さんのオスは、卵から離すとはじめは怒っていかくしますが、じきにあきらめすぐほかのメスと交尾してまた新しい卵塊を守ります。
またタガメはくさい臭いをだすカメムシの仲間だけあって、臭腺(しゅうせん)の発達しているオスは繁殖期にバナナ臭とよばれる香りをだすものがいます。熟したバナナの豊かでほうじゅんな香りではなく、まだ青いバナナのようなちょっとツンとした香りです。臭いはタイワンなど外国産のほうが国産のものより強いです。
 お父さんのオスがいなくなった卵は、かわりにひとが世話をします。孵化するまでの1週間前後、スポイトで卵塊にときどき水をかけてやるだけでだいじょうぶです。たまに卵塊を放棄してしまうオスのお父さんもいるので、そういうときも面倒をみます。
 以前ひとつの水そうに、卵塊が4つあって、お父さんのオスも4匹いたとき、オスが自分の卵がどれだかわからなくなってしまったことがありました。
 間違えて、ほかの卵塊に水かけをしようと木を上がっていくと、本当のオスが守っていてケンカになりかけました。そのうち間違いに気づいて、自分の卵にもどっていきました。
 これはタイワンタガメの産卵の様子です。
 産卵のときメスのおしりからでる白い泡のようなものは、オスの精子と混じり合って卵をくっつける役割をします。そのため無精卵などは、産卵してもばらばらになりやすいです。
補水中のオス
同じ卵塊の卵でも模様はみんな違います。
卵をかかえこむオス
2004年度・タガメの交尾産卵の様子(6月)
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水中交尾 →
うみたての卵はクリームソーダのようなメロン色
産卵から2時間半ほどで完成!
交尾を何度も繰り返します(オスは上で方向転換)
メスが木の杭に産卵中
オスが下から上がって行きます
水中のオス
オスは水中とメスの間を行ったり来たりして
より確実に自分の子孫を残すため、もうひとがんばり
♂『そろそろいいんじゃ    ない?』(上がオス)
♀『うーん、そうねえ』
♀『ま、こんなもんかしら』メスが産み終えて
産卵したばかりの卵の色
無精卵
(※色が変わりません。マスカット?)
卵塊破壊のあと新しい卵を守るオス
メスの亜生殖板(卵がでてきます)が開いたところ↓
水中で無精卵を産卵中↓
卵塊破壊をしたあと水中にて卵を食べてしまうメス
産卵の環境が整っていなかったり(木のくいや水草がないとか)、オスがいない場合、卵を腹にかかえながら限界をこえたメスはやむをえず無精卵を産むことになります。
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・・・・
2005年度・タガメ卵塊破壊の様子(5月)
初めて子供をもったお父さん→
(主夫)
水分補給にはげみます→
ところがお腹がふくれた別のメスが突然あらわれて、
なんと大事な卵をこわして吸い始めました・・・(うれしそう、に見える)
だめになった卵を水中でむなしく見つめるお父さん(T_T)
しかしお父さんは
卵をこわしたメスと
あっけなく再婚して
また新しい卵育てに
はげみましたとさっっ。
産卵中のメスとそれを
見守る水中下のオス
たしかに卵塊はどれもよくにていますね。
でもよく考えてみると、メスはいくら強くても一度産卵してしまえば次の産卵までにどうしても時間と栄養補給が必要で子供を残す数にはある程度の限界があるのに、オスは繁殖期ならいつでもすぐに交尾ができちゃうんですよね。やっぱりタガメも数の上の可能性ではオスはメスを上回る子孫を残せるのか・・・う〜ん。
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タガメモドキPARTU
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