TOP会の紹介行事カレンダー機関誌石仏写真館リンク事務局だより || メール

新潟県石仏の会ホームページへようこそ
 
2005年(平成17年)10月1日創刊
2008年1月1日新サーバーに移転しました。新しい「新潟県石仏の会ホームページ」を引続きご覧ください。
フォトエッセイ 「つれづれ石」―石と語ろう戯れよう―
ドキュメント 中越地震・中越沖地震による石造物の被害と復興の軌跡
新シリーズ 巷で話題の石仏たち


長浜の謎の僧形石仏 
上越市 青山増雄(上越地区会員)


 「第三十三番 等身十一面観音菩薩」の文字塔の隣りに不思議な像容の石仏が鎮座している。うむ?待てよ。ハンチングにステッキ、狩猟スタイルではないか。それにお顔は何となくなく、テレビで水戸黄門役を好演した亡き俳優東野英治郎に似ていないか。おまけにあごの下に伸びているのはひげではないか。頭上にあるものは、アフリカのサファリ探検に使うような帽子みたいだ。左手に持っているのは錫杖ではない。ステッキを持って得意気に歩く紳士のように見える。

上越市長浜の小高い頂(薬師山)に巨大なNTT中継パラボラアンテナが建っている。頂上の薬師観音堂は明治十年代からある。その北側にある広い平地は四方を見渡せる。日本海は真っ直ぐ北であり、南に能登方面を、北に米山方面を見ることが出来る。東に春日山方面を見渡せる。

 絶景である。そこに西国三十三観音さまが並ぶ。一つ一つの石仏様の隣には、寄進した者や家族等の名前が刻まれた石塔がある。「コ」の字形になって、六十六石も並ぶ光景は、偉容がある。大半の石仏は、「千手千眼観音菩薩」である。

 遙かに北の海を見渡せるここに石仏様があるのは理由がある。長浜、浦本、吉浦とこの地域は漁師の町である。海難事故で亡くなった者をここに観音様として祀ったのもあると地元の人は言う。

 海が見渡せるからだと。そして、三十三の何体かはそれだという。

 三十三番は長浜の隣部落である浦本の人の寄進である。漁港だ。石塔には苗字の異なる二人の名前が刻まれている。同じ船に乗って、盛んに漁をした仲間だろうか。そこに生きたお洒落で、粋な海の男が祀られたのかもしれない。命を預け合った強い絆がこの石仏を建てさせたのかもしれない。

 それにしても気になる石仏である。