発刊にあたって

 

 この間のKU会活動に対するご支援ご協力、誠にありがとうございます。

 ご存じの通り、KU会は中小企業経営者の相互扶助団体であり、全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部(以下、関生支部)の中小企業運動に共鳴し支援することを目的とした団体です。昨年(2005年)2月28日に結成しました。

 早いもので、昨年1月13日に武建一執行委員長等多くの役員が逮捕され、長期拘留、裁判、保釈と続き、この(2006年)8月24日、第3波弾圧であった「政治資金規制法事件」の地裁判決が下りようとしています。司法の反動化が叫ばれて久しいこの時期、本来なら無罪判決しかあり得ない事件ですが、予断を許さない状況です。

 最近特に、検察・警察の「国策捜査」(政治的意図に基づいて事件を作ること)があからさまであり、多くの批判を呼んでいます。今回の関生支部弾圧事件は典型的な「国策捜査」であり、「国策捜査」反対・公正裁判要請の全国署名の呼びかけ人には、著名な作家・学者・ジャーナリスト等そうそうたるメンバーが名を連ねており、社会的関心の高さがうかがえます。この事は、今回弾圧が一人労働組合への弾圧だけではなく、国策と真っ向から対決する中小企業運動に対する恫喝であり、民主主義そのものの破壊に繋がる歴史的な弾圧事件であるという認識が広まりつつあることを示しています。より一層、「国策捜査」に反対し、公正裁判を求める署名運動を強めましょう。

 さて、微力な経営者団体であるKU会の勉強会も、第4回を数えました。第3回勉強会では、ジャーナリスト大谷昭宏氏、保釈間もない武建一委員長などを迎え、「関西地区生コン支部事件とは何か」を明らかにする講演に300名を越える参加者を得、その講演録パンフレットも好評の内に、3000部がはけた次第です。

 第4回勉強会も同じく盛況裡に終えることが出来ました。「告発!検察『裏ガネ作り』」でお馴染みの元大阪高等検察庁公安部長検事・三井環氏によって、リアルで赤裸々な、検察の裏ガネ作りの実態等が明らかになりました。社会正義の体現者という大衆の幻想とは裏腹に、検察の組織ぐるみの腐敗ぶりと権力濫用がはっきりしました。同時に、武建一委員長の労働組合から見た「当面する中小企業運動の展望」を語っていただきました。経営者にとっても、労働者にとっても、今後の方向性がくっきりと目に見える形でご提示され、示唆に富む内容でした。今回もその内実の深さに鑑(かんが)み、パンフレット化することにしました。

 第3回勉強会パンフレット同様、この第4回勉強会パンフレットが皆様の今後のご判断の際の一助になれば幸甚に存じます。ご活用ください。

                                                     K U 会

会長 牛尾 征雄

 


 

当 日 式 次 第

2006年7月15日(土)

リーガロイヤルホテルNCB 2階「松の間」

司会 門田 哲郎

有限責任中間法人北協・会長

  

 本日は大変お忙しいところ、KU会第4回勉強会にご出席いただきまして誠にありがとうございます。

 KU会では、昨年6月22日の第1回勉強会に続き、昨年10月26日の第2回勉強会、さらに、本年4月26日には第3回勉強会を行ってまいりました。

 続いて、『告発!逮捕劇の深層』(安田浩一著)を多くの方に送ってまいりました。昨年7月には緊急パンフレット『茨の道を踏み越えて 志ある者達を救いだそう』を発行。さらに、第3回勉強会のジャーナリスト・大谷昭宏氏と関生支部執行委員長の武建一氏の講演と、弁護士の里見和夫氏の裁判報告などを冊子にして、生コン関連業界を中心に送ってまいりました。

 本日は、大阪高等検察庁公安部長検事であった三井環氏と関生支部執行委員長の武建一氏を招き、講演をしていただきます。

 

 1.17:00 開会 司会挨拶

門田哲郎・有限責任中間法人北協会長

 2.17:05 主催者挨拶

牛尾征雄・KU会会長

 3.17:10 取組報告及び提起

小谷野毅・全日本建設運輸連帯労働組合中央本部書記次長

 4.17:25 講演  峺〇,亮汰」

三井環・元大阪高等検察庁公安部長検事

 5.18:30 講演◆ 崚面の中小企業運動の展望」

武建一・全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部執行委員長

 6.19:30 署名アピール

KU会事務局

 7.19:35 閉会挨拶 閉会

吉田伸・KU会監事

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

(司会)

まず「取組報告及び提起」をしていただきます。小谷野毅・全日本建設運輸連帯労働組合中央本部書記次長にお願いいたします。

 

 

小谷野 毅(全日本建設運輸連帯労働組合中央本部書記次長)

 

 こんばんは、連帯労組中央本部で書記次長をしております小谷野です。よろしくお願いいたします。

 みなさんすでにご存知だと思いますが、4つの事件を指して私たちは「関西地区生コン支部事件」と呼んでいます。昨年の1月から始まった一連の弾圧事件を指してこう言っている訳ですが、この事件の問題点に関して様々な人が声を上げるようになりました。

 1番目に起こった事件はいわゆる「背任事件」です。つまり、生コン支部が業者間の手形の決済の言わば仲介役をしていたことをとらまえて、武さんが金銭を着服していたであろうという見込みのもとに強制捜査をした。そして、その証拠をつかめば武さんを政治的社会的に葬(ほうむ)ることができるであろうという目論見(もくろみ)のもとに仕掛けられたのがこの背任事件です。

 2番目に起こったのが「大谷生コン事件」、3番目が「旭光コンクリート事件」です。この2つは、私たちが進めている業界再建運動――生コン業界の協同組合を強化して、中小企業同士の過当競争を抑制し業界を健全な姿にしていく、また、品質を確立して消費者が安心できる生コンを作っていくという運動――を進めるために、安売りをしているアウトサイダー(協組未加入業者)を協同組合に加入させるために活動した。これが「強要未遂」「威力業務妨害」に当たる、というでっち上げによって6人の役員が逮捕された事件です。

 4つ目は「政治資金規正法違反事件」です。これは、今日お出での門真市の市会議員をしている連帯労組近畿地本委員長の戸田ひさよしさんに対して、生コン支部の組合有志が集めたカンパをまとめて支部が渡したことなどが政治資金規正法違反であるという言いがかりをつけ、これも戸田さんを始め3人が逮捕されました。

 こういう4つの事件を指して「関西地区生コン支部事件」と言っているわけです。この内の1番目の事件(背任事件)は、どうもうまくいかないので言わば狡澆襪靴疹態瓠∩楮困塩漬けになった状態と言っていいと思います。2つ目3つ目の事件(大谷・旭光事件)、そして4つ目の政治資金規正法違反事件については、ご承知のようにたて続けにこの5月と6月に論告が出ました。つまり、検察側から求刑が出たんです。

 おおよそのことはみなさんご存知だと思いますが、政治資金規正法違反事件について言うと、武さんについては禁錮10ヶ月、戸田さんについては禁錮2年及び追徴金360万円です。すごい量刑を求めてきました。

 政治資金規正法違反事件について、先ほど三井環さんにも、「弁護士さんたちから言わせると『小便刑』のようなこういう事件において、逮捕した例はあるんでしょうか?」とお聞きしたら、「ないことはないけれども・・・」というようなお話でした。

 私たちの記憶に新しいところで言えば、例えばゼネコン汚職で非常に有名になったと言うか政治家として止めを刺された、1990年代の自民党のドンと言われた金丸信という人がおりました。彼は当時の自民党の副総裁です。この人は、金の延べ棒とか割引債とか、そういうものをたくさん貯め込んでいた。そんな風に彼は政治資金規正法に違反する行為をたくさん行っていたけれども、逮捕もされなかったし、もちろん有罪判決が下されるということもなかった。

 それから、つい最近の新しい事件で言えば、橋本龍太郎元首相です。彼にいたっては、歯医者さんの連盟である日歯連(にっしれん:日本歯科医師連盟)から1億円をぽんともらいながら「もらったか、もらっていないか分からないな〜」などと言って、逮捕もされなければ罪にも問われない。

 こういう風に比較してみると、この政治資金規正法違反事件は異常なまでの政治裁判と言わざるを得ない。そういう論告求刑だと思います。

 次いで、大谷生コン・旭光コンクリート事件で言っても、武委員長に対しては懲役3年、争対部長の片山さんは懲役2年、その他の執行委員の人が懲役1年から1年半です。「関生支部は『極悪犯罪集団』だと言わんばかりの求刑」という表現が当てはまるのではないかと思います。

 ちなみに、この論告求刑を見ると検事の人は面白い作文をするものだと思いました。例えば、武さんに関する記述では「順法精神の欠如はあまりにも歴然としており、今後同種を含めて再犯に及ぶことは必至と言う他ない。したがって、安易な寛刑(かんけい:寛大な刑)をもって臨むことは被告人の犯罪的傾向を助長する以外の何ものでもなく、矯正施設において徹底した教育を施す必要がある」などと書いている訳です。一方ではこの人はもうどうしようもないと言いながら何を教育するつもりでしょうね。とにかく実刑をくらわせないと気が済まないという憎しみが全面に出た中身です。非常に政治的な意図が強い、まさに政治裁判そのものの求刑だと思います。

 しかし、いくら悪口を言っても仕方がありません。私たちはこの事件全体を指して「国策捜査」という見方をしてきました。しかし、これらの事件がいくら国策捜査であり、「ひどいんだ、ひどいんだ」と言っても有罪判決が下される可能性が高いのです。

 と言うのも、最近ご存知のように小泉内閣の下では労働組合の活動や市民の表現活動などがたて続けに弾圧をされています。例えば、東京の立川では、自衛官の官舎にビラをまいたというだけで、1審では当然無罪になったけれど、2審では同じ事件が有罪判決になりました。それから、東京の目黒で公務員の人が休日に政治活動のビラをまいていたら、捜査機関にそれを執拗(しつよう)に尾行されてその姿を撮られて、これも罰金の有罪判決が下されました。

 そういう今の流れの中ですから、この「関西地区生コン支部事件」についても、いくらひどいと言えども有罪判決が出る可能性が極めて高いと言わざるを得ない。したがって、それに対する闘いを今後、どう取り組んでいくかということが私たちに課せられた大きな使命ではないかと思います。

 そこで2つのことについて、報告かたがたみなさんにご提案したいと思っています。1つは現在、すでにみなさんにも呼びかけておる署名活動です。

 関西地区生コン支部の運動については、関西では非常に有名ではありますが全国的に言うとまだ多くの人に知られているわけではない。まして、この事件の本質について多くの人が知るところとなっていないのは残念ながら事実であります。ですから、こうした事件が起こっていること、そして中小企業と労働組合が力を合わせて大企業の横暴を規制しようとしているところで起こっている事件であるということを、さらに多くの人に知らしめていく必要があります。そういう観点からも署名活動を通じて闘いの輪を大きく広げていく必要があるのではないかと考えて取り組んでいるわけです。

 東京を始め、全国各地で今盛んな取り組みが行われております。労働組合関係では、自治労(全日本自治体労働組合)や私鉄(私鉄総連:日本私鉄労働組合総連合会)といった旧総評系の大きな労働組合が全国的に取り組みをしようということをこの6月から7月にかけて、たて続けに決めてくれました。これは、去年「早期保釈」の署名を呼びかけたときよりも、反響としては大きく、非常に力強いものです。交運関係の労働組合でも、率直に言って昨年は「一体この事件どうなるんだろう・・・」とやや斜に構えた向きが強かったんですけれども、この間のみなさんの支援や、そして私たちの闘いの成果だと思いますが、「やっぱりこれはとてつもなくひどい事件である」という認識が広がって、署名が多く集まる仕掛けができてきました。

 昨年、保釈を求める署名は1200団体余りでしたけれども、今回のこの事件については、少なくとも団体署名5000団体、個人署名は10万人を超える規模で展開していかなければならないと思っております。

 過日、法務大臣に対して社民党が面会を求めました。(大臣は)ああだこうだと理屈をつけて逃げ回っています。署名活動の展開などが非常に大きなプレッシャーになっているのだと思います。辛口批評で知られているジャーナリストたちが23人も集まって「この事件おかしいぞ」と言っているわけです。この声をさらに強めて、裁判所が公正な目で判断を下すように圧力をかけていく必要があるのではないかと思いますので、この点について、是非みなさんの一層の奮闘努力をお願いしたいと思っております。

 もう一つの取り組み方法としては、ILO(国際労働機関)に、一連の事件は「結社の自由が侵害されている事件である」として申し立てを予定しております。

 この一連の事件を見てみると、警察や検察といった国家の治安組織が「良い労働組合」と「悪い労働組合」の仕分けをしにかかっているということが非常に気にかかります。警察が一昨年(2004年)の11月に、一連の事件を引き起こす直前に出した捜査資料が裁判所に提出されました。我が方の弁護団はこれを「不同意」と言って認めることはしませんでしたが、この中には、過去の関西地区生コン支部の運動経歴をいろいろと書きたてて、「関西地区生コン支部というのは一般の労働組合とは一線を画した悪質な労働組合である」、という書き方をしている。昔、萩本欽一というコメディアンが「良い子 悪い子 普通の子」というお笑い番組をやって一世を風靡(ふうび)しましたが、権力捜査機関が「この労働組合は良い労働組合、この労働組合は悪い労働組合」などと、レッテルを貼って事件を作り出すということがあって良いはずはないと私は思います。「結社の自由」があるのですから、その自由に作られた労働組合に仮に違法な行為があれば、それは百歩譲って法に抵触するからということで事件にすることがあるかも知れません。しかし、権力捜査機関が「その労働組合がそもそも悪い組織である」ということを決め付けるということが大手を振って許されていいわけはないと思います。

 これについて、国際労働機関には「結社の自由委員会」というのがありますから、今年の委員会が開会される11月の60日前の9月を目指して現在準備を進めております。

 日本の国内でも、署名活動を通じて多くの支援の輪を広げるのと同時に、国際的にも小泉改革の下で行われているこうした異常な治安弾圧に対する批判の声と、そして、闘いの支援の輪を広げていくために中央本部は努力したいと考えております。

 いずれにしても、この8月には政治資金規正法違反事件の判決が予定されております。大谷生コン・旭光コンクリート事件については、この秋に弁護側の最終弁論を経て、年内あるいは年明け早々に判決という運びになるでしょう。

 気を緩める訳にはいきません。みなさんの一層の努力とご支援をお願いして、取組報告に代えさせていただきます。

 

 


 

 編集部から一言

 私たちは多くの方が三井環事件をテレビ報道などで断片的にしかご存知ないだろうと考えました。

 そこで、三井氏の講演の前に参考にしていただこうと、三井氏の著作「告発!検察『裏ガネ作り』」を元に事件の概要を作成しました。ご覧ください。

 

 

 

 

 

 前代未聞の「口封じ逮捕」!

 三井環事件とは何か?

 

 2002年4月22日。大阪高等検察庁公安部長検事の三井環(みつい・たまき)氏はこの日、昼間にテレビ取材に対して検察の裏金作りの実態を実名告発する予定になっていた。

 しかし、まさにその直前、その日の朝、彼は待ち構えた検察職員によってでっち上げ逮捕されてしまう。明らかな「口封じ逮捕」である。

 このとき大手マスコミは、こぞって検察側からの一方的な情報を垂れ流し、牋徳検事・三井環畫を作り上げた。

 以後、起訴された三井氏は長期勾留を経て、翌2003年3月15日に保釈。

 そして2005年2月1日、一審大阪地裁で懲役1年8カ月、追徴金約22万円の不当有罪判決を言い渡される。

 現在、三井氏は大阪高裁で控訴審狷争畸罎任△襦

 

 「内部告発を思い立ったのは、ある人物に対する個人的な恨み、つまり私憤(しふん)だった」と、三井氏は言う。事の発端は、1997年にさかのぼる。

 

 

発端は元「関西検察のエース」の逆恨み

 

 1997年11月、特捜部長時代「関西検察のエース」と呼ばれていた大阪地検次席検事(当時)の加納駿亮(かのう・しゅんすけ)氏が指揮した京都地検での贈収賄事件で、三井氏(当時、大阪高検刑事部検事)の進言により、ある教授の逮捕が見送られた。この事件は内偵不足が明らかだったのだ。結局、この独自捜査は失敗に終わる。そしてそれは、指揮官である加納氏の責任であった。

 その後、三井氏は当時の高松高検の村田恒検事長にこの京都事件の顛末(てんまつ)と自身の意見を手紙に書いて送った。ところが、この手紙が思わぬ災いのきっかけとなってしまう。 1998年春、村田検事長が京都地検の武内徳文検事正と会い、彼に手紙の件を話し、それが大阪高検の幹部に伝わった。そして、それが加納氏に伝わってしまったのだ。それ以降、加納氏は三井氏に対し不快感を露骨に表すようになる。そして、三井氏は関西検察にいることができない状況になってしまった。

 そこで、三井氏は大阪高検・荒川検事長に異動願いを出した。

1998年4月、三井氏は名古屋高検総務部長に着任。その年の末、法務省筋は三井氏の高松高検次席検事への異動を提案したが、加納氏らがこれに異を唱え、見送りとなる。このことは、三井氏が加納氏を告発する遠因となる。

 1999年7月、三井氏は名古屋高検総務部長から大阪高検公安部長へ異動になった。

 ここでまた加納氏らの牴やり瓩入る。本来、高検公安部長の給料は検事2号俸ポストなのだが、三井氏は3号俸ポストのまま据え置かれた。これは加納氏の逆恨みによるものであった。

 このとき三井氏は、この加納氏の行為を自分に対する侮辱であると同時に、自らが愛する「検察への冒とく」と受け止め、調査活動費・裏金問題で加納氏を告発しようと決意する。

 三井氏は加納氏を告発することで関西検察の性根を叩き直し、逆恨みや私情で人事を左右する不正義を正そうと考えたのだった。

 

 

加納検事正を刑事告発!

 

 2000年5月、三井氏は信頼する川上道太(四国タイムズ社社長)氏にこの件を相談する。これに対し川上氏は全面的に三井氏に協力することを約束。その後、三井氏と川上氏は協力して告発を進め、同年12月ごろ、月刊誌「噂の真相」の取材を受ける。

そして、2001年1月10日発売の「噂の真相」(2001年2月号)に、

<加納駿亮・大阪地検検事正が、高知地検検事正時代に約400万円にも上る調査活動費を私的に流用していた>というスクープ記事が載る。

 しかしこの時、他のマスコミは後追い記事を書かず、大きな社会的影響力を与えることはできなかった。

 三井氏と川上氏は裏金追及第2弾として、2001年3月29日、このとき大阪地検検事正になっていた加納氏が高知地検検事正だったころの裏金作りを「虚偽公文書作成、同行使、詐欺」などの罪で最高検に刑事告発した。表向きの告発人は川上氏になっているが、実質的な告発人は三井氏だった。

 この捜査が始まる前に、早速告発の効果があらわれた。加納氏の検事長人事に影響を与えたのだ。刑事告発したのと前後して、加納氏が高松高検検事長に就任することがほぼ内定していたのだが、それが直前でひっくり返った。結局、加納氏に代わって入省年次が1つ下の宗像(むなかた)紀夫氏が高松高検検事長に就任した。

 加納氏の検事長人事は見送られたが、捜査が始まる気配は見えなかった。そこで、三井氏と川上氏は同年5月11日に、加納氏が神戸地検検事正だった当時の裏金作りについても最高検に刑事告発した。

 

検事長に昇任されるその裏で・・・

 

 一旦は検事長の線が消えた加納氏だったが、元大阪高検検事長の逢坂貞夫氏や、元検事総長の土肥孝治氏らの強烈な巻き返しがあり、同年11月15日発令の検事長人事で、勇退する飯田英男福岡高検検事長の後任として、加納氏が昇任する案が浮上した。人事のゴリ押しである。

 ここで三井氏は、被告発人である加納氏がシロ・クロはっきりしないまま、天皇の認証官である検事長に就いていいはずがないと思い、自らが表に出てこの不正を告発することを決意する。

「週刊文春」、「週刊朝日」に対し三井氏本人が匿名で告発し、その内容がそれぞれに掲載された(「週刊文春」2001年11月8日号、「週刊朝日」2001年12月7日号)。

 しかし法務省は、こうしたマスコミの批判に対して委細構わず、同年11月1日、加納氏の福岡高検検事長昇任内示を発表した。

 

 

 

 実はこのとき、この裏で、検察の原点を崩壊させかねない信じられない事態が起きていたのだ。これが三井氏をして現職のまま実名で検察の裏金作りをマスコミなどに公表する決断をさせたきっかけだった。

 

 その信じられない事態とは何か?それはこれから、三井氏本人に語ってもらおう――。

 


 (司会)

それでは、まず本日の講演の第一部として、三井環元大阪高等検察庁公安部長検事より、「検察の実像」と題しまして講演をお願い申し上げたいと思います。よろしくお願いいたします。

 

 

三井 環(元大阪高等検察庁公安部長検事)

 

 私が「悪徳検事」と呼ばれている、元大阪高等検察庁公安部長検事の三井環です。よろしくお願いをいたします。

まず、本日はこのような場において、講演する機会を与えていただきましたことに対して深く感謝をいたしております。

 現職当時でありますと、みなさん方とは「敵と敵」との間柄です。このような場で話をする機会もなかったでしょう。あるとするならば、それは取調室でしょう。ただ、場が変わりますとこのようなことになるわけで、人間分からないものです。

 私は、公安部経験は鹿児島地検三席検事当時、公安労働係に3年間、それから、神戸地検公安部に2年間、そして、大阪高検公安部に3年間あります。その通算8年間、公安労働係の仕事をしてまいりました。みなさま方が将来、何らかのかたちで会う相手というのはやはり、公安、あるいは公安労働係だろうと思いますので、公安労働というのはどういう仕事をしているのかを、まずお話しておきたいと思います。

 1つは、右翼、日本共産党、過激派、労働組合、市民運動、今はオウム教団、それらの情報収集を行います。そして、情報収集をしまして、高検の方に結果を報告します。

 2点目が、検察・警察が逮捕してきた事件の捜査と公判をやります。公安労働関係の事件で警察が逮捕する場合には、必ず検察と事前協議をしなければならないんです。一般刑事事件というのは、汚職事件とか、選挙違反事件などの特に重大な事件以外では警察独自の判断でやります。公安労働係が担当する事件というのは、この事前協議をしなければならないという点が違います。

 ですから、そういう事件は警察の警備課が担当いたしますけれども、警察の考えだけでやるわけではありません。検察と警察が一体となってやるというのが公安労働係の事件の特質であります。ですから、検察の意図というのが必ず入ってきております。

 公安事件で、私が神戸の公安部に所属しておった当時にどういうことをやったかと申しますと、当時は公安事件というのはほとんどない時代なんです。公安事件の多発した時代というのは昭和30年代、40年代なんです。50年代以降ほとんどありません。全国でも1年間で数えるほどしかいない、そんな時代です。

 その中で何をやったかと言いますと、例えば、天皇がどこかに巡回に行く、あるいは外国の要人がどこかに巡視に来ることがあります。そういう場合に、いわゆる過激派を、例えば架空の不動産売買契約を作ったとして逮捕勾留する。20日間勾留するんです。そして、全て釈放です。それを2年間に10回くらいやってきました。これがいわゆる「一般予防」なんです。要人がいる場合に、一般予防のためにそういった起訴することのない事件を使って、そういうことをやってきました。

 それから、これは京都の事件ですけれども、ある中核派の人が三千院等を時限爆弾で放火したという事件がありました。わずかしか焼けなかったのですが、その鴨居(かもい)についた人間の臭気・においと、他で押収された彼の靴の臭気が犬の臭気鑑定で一致するということで、証拠はそれだけしかなかったんです。一審では無罪になりました。私がその記録を読んでみましたら、証拠は犬の臭気鑑定しかないんです。犬の臭気鑑定というのは、科学的な根拠が全然立証されていないんです。そういうものだけで起訴した。そして、私が裁判所に「だらだら公判を続けてもしょうがないから、一度犬を使って検証してみましょう」と言いました。

 臭気鑑定というのは、現臭(げんしゅう)と言いまして、現臭(この事件の場合なら、靴のにおい)を布に含ませて犬に嗅がせるんです。そして、15mくらい先に5個の対象臭というものを置くんです。そして、その内の1つ、この場合は鴨井についたにおいが含まれた対象臭を実際にくわえてくるのかどうかを試すのです。これを18回やってみました。現臭と対象臭で一致するものをくわえてきたのは、ゼロなんです。これで裁判は終わりました。もう進行する必要はありません。裁判所も「これで終わりましょう」と言って、結審しました。だから、検事控訴をしていました。が、控訴棄却です。

 そういうことをやっていたんです。なぜかと言いますと、いわゆる労働事件というのは起訴しますと、確定するまでに5、6年かかるんです。保釈されるまでにも時間がかかります、保釈になってからも制限条項があるでしょう。つまり、その人がずっと拘束されたままなんです。その間は活動ができません。それで充分なんです。5、6年活動できない状況が続けば充分なんです。そこに意味があるんです。一般刑事事件ではこういうことはしません。公安労働事件ではそういうことをやっている、昔からやっています。

 これがいわゆる一般予防なんです。その中核派の彼も現実に無罪確定まで7年ほど何も活動できませんでした。それが、公安検察の実態なんです。

 これは検察側からすると意味のあることかも知れません。どこかに要人が行く、そこで仮に何かあったらたら困ります。その期間中は危険人物をできるだけ捕まえる。そして、20日間だけ捕まえて釈放する。警備の観点に立つと意味のあることかも知りません。しかし、捕まえられる方はたまったもんじゃありません。いくら過激派でも人間です。私も現職の時にはそういうことをやってきました。

 次に、いわゆる「検察の裏金作り」のお話です。

 私は高知地検次席検事3年、それから高松地検次席検事3年、通算6年間それを実際に経験しました。もうどっぷりと裏金には浸かってきました。

 検察庁には「調査活動費」の予算があるんです。調査活動費というのは、情報提供者に対して謝礼を払うことを本来の目的として設けられた予算なんです。公安労働事件に関する情報提供に対する謝礼、それが出発点だったようです。そういうお金が裏金として使われるようになったのがいつ頃からなのか、私には分かりません。誰がこういう仕組みを考えたのかも分かりません。少なくとも、私が任官した昭和47(1972)年当時、裏金作りはなされていました。

 どういうかたちでやるのかと言いますと、まず、架空の情報提供者を3、4人でっち上げるんです。例えばAという情報提供者を作ります。架空ですから実名ではありません。住所についても、もちろん実際にはそこにはいません。そして、その架空の人間に対して、原則5万円を謝礼として支払うんです。例えば、ある右翼団体がいつ街宣するという情報をもらったという名目をでっち上げて5万円渡すことにする。そして、本来はその人から領収書をもらわなければいけないわけですが、架空の人物ですからもらえません。領収書は、その架空の人物の名義で検察事務官が作成します。そうやって5万円の現金を浮かせるんです。

 中小の地検であれば調査活動費の年間予算は400万円です。大阪地検であれば年間2000万円、東京地検では年間3000万円です。そして、中小の地検で考えてみますと、1件5万円とすると年間80通の領収書を作らなければならないんです。それは事務官が全部作るんです。領収書だけではありません。Aという架空の人物に支出するという「伺(うかが)い書」、「この人に支出してもいいですか」という書類があるんですが、それも作らなければなりません。一生懸命80通作るんです、事務官は。だから事務官から「検事正が使う金のために何でこんなことをしなければならないのか」と文句が出るんです。

 そして、そういう風にして金が浮きます。浮いた金はどこに保管するのかと言いますと、それは事務局長の部屋です。これは個室なんですけれど、そこの金庫に保管します。常時30〜40万円くらい保管しています。足りなくなったらまた架空の伺い書・領収書を作って金を浮かします。それでまた保管する。

 そうやって浮かした裏金を一体何に使うかと言いますと、一つは接待です。最高検、高検、法務省などから高官が来た時の接待費です。そして、検事正自らのゴルフ代。それはここから全部出ます。マージャンをする人はマージャン代がここから全部出ます。ある検事正がマージャンで10万円使ったとします。その時、帳簿(裏帳簿)はどうなるのかと言うと「10万円検事正渡し」となります。検事正に渡すから領収書は取らないんです。

 これは、検事正しか使えない一身専属的な(その人のみに属している)金なんです。次席など他の人間は使えません。私は通算6年間次席をやりましたが、次席は使えませんでした。次席は職員が亡くなったり結婚したりする場合は、自費でお金を包みます。検事正はその裏金から包みます。部下を連れて飲みに行く場合でも、次席は自費で出しますが、検事正は裏金から出ます。なので、検事正は給料以外に約30万円くらいの副収入があるんです。昼も晩もそれで払うから自分のお金はいりません。

 だから、はっきり言ってしまうと調査活動費というのは、検事正が自由に使えるお金なんです。高検であれば、検事長の一身専属。高検でも次席は使えません。最高検では検事総長の一身専属。法務省であれば事務次官、官房長、刑事局長が使えるんです。これは一身専属です。

 そういうかたちで、1円も「表の金」として使われていないんです。平成10(1998)年当時の調査活動費の年間予算は約6億円ありました。全部裏に回っている。そういうウソの領収書を作って金を浮かし、全部裏金として保管し、それが接待費用や自らの遊興(ゆうきょう)費用等に使われている。これが裏金問題なんです。

 北海道警察の裏金問題も新聞等で報道されていますけれども、大体似通っています。警察は「捜査費」ですね。

 そして、この裏金問題というのは、検察庁内部におれば公然の事実なんです。裏金のウソの領収書を作るのは公安事務官か総務課なんです。そこを経験した人なら全部知っています。そして、検事正・次席検事経験者、事務局長経験者は全て知っております。

 これが、検察の裏金問題です。

 そして、私が内部告発をしようとした動機と言いますのは、最初は人事上の私憤(しふん:個人的な事柄でのいきどおり)なんです。しかし、ある時期を境にして義憤(ぎふん:道義にはずれたこと、不公正なことに対するいきどおり)に変わります。

 まず、その経過をお話します。平成12(2000)年の6月頃でありましたが、高松市で四国タイムズという新聞を発行している川上道太社長という人がいるんです。その人に裏金問題を話したんです。彼は義憤にかられる人間なんです。そしたら、川上氏は「三井さん、あなたは裏で私を指示して下さい。私は表で動きます」と言ってくれました。そこから始まったんです。そして、最初は平成12年の9月頃、朝日新聞の論説委員の村山さんのところに持ち込んだんです。東京のホテルで会いました。

 少し話がそれますが、村山さんというのは、いわゆる則定(のりさだ)問題(元東京高検検事長・則定衛氏の愛人疑惑)を報道した人です。この問題は最初、月刊誌「噂の真相」の西岡研介氏が情報収集して、「噂の真相」に載せたんです。「噂の真相」だけであれば、則定衛という当時の東京高検検事長は辞めることはなかった。その後、朝日新聞がトップで報道しました。しかし、則定氏は3日で辞めました。なぜ辞めたかと言いますと、当時、法務委員会に(則定氏が)出て追及されました。そして銀座のバーで飲んでいることが分かった。飲んだ金は裏金から出てるんです。だから辞めたんです。

 女性問題だけであれば、検察も助かるんです。法務委員会で追及されて裏金問題にまで発展したら大変です。つまり、則定問題というのは打算の産物なんです。女性問題だけで終わることによって、彼も助かりました。懲戒免職にならなかったんです。一方の検察も助かったんです。裏金問題にまで発展しなかったからです。このとき、内部では「これは行くかも知れない」「裏金がやられるかも知れない」というような雰囲気だったんです。それで3日で辞めた。

 このように、裏金問題の最初の危機は則定問題だったんです。3日で辞めることによって、裏金問題まで発展せずに済んだんです。この則定問題のときは、まだ私は別に裏金問題をやろうとは考えていませんでした。

 話を戻します。まず、その朝日新聞の村山さんと会いましたけれども、彼は「則定問題をやったばかりだから、同じ検察のことはできません」という返事だった。そして、今度はこの話を週刊新潮に持っていったんです。週刊新潮は編集会議を開いて、「やる」という決断を示した。それを土壇場(どたんば)で社長が反対した。それで週刊新潮もだめになった。

 その次に「噂の真相」に行ったんです。今話した西岡研介です。西岡研介が平成13(2001)年の1月号で報道しました。もちろん、匿名の取材というかたちです。この時も、検察当局は大分動揺したんです。しかし、「噂の真相」しか報道しなかった。後追い報道がなかった。特に大手新聞社のそれがなかったんです。

 そして、これではいけないということで、平成13年の3月末に四国タイムズの川上氏が、当時の大阪地検検事正である加納駿亮(かのう・しゅんすけ)氏を刑事告発しました。「公文書偽造、同行使、詐欺、私文書偽造」という罪名です。高知地検検事正時代の400万円と、神戸地検検事正時代の1000万円、合計1400万円の犯罪ということで、検事総長宛に告発しました。

 すると検察当局は、なぜ四国タイムズはこんな告発をするのか、告発する意図を必死で探しました。昔のものから四国タイムズを全部読んだらしいです。これは公安調査庁の方からの情報です。川上という男は北朝鮮問題に強いんです。公安調査庁の情報提供者なんです。検察にはいませんが、公安調査庁には実際の情報提供者がおるんです。

 検察は必死で調べました。そうする内に、私が高松地検次席検事当時、川上氏からいろいろな情報をもらって、独自捜査したということが分かった。私が浮かび上がってきたのです。私が後ろで川上氏を操っているんだということが分かったんです。それがその年の5月頃です。

 そして、6月の上旬、北新地の料亭に元大阪高検検事長の逢坂(貞夫)から私は呼び出されました。「三井君、ちょっと飯でも食べよう」と言われました。私は行きました。そしたら彼は、「今日も松尾事務次官から、三井君のことを心配して電話が何回もかかってきた」と言うんです。裏金問題のことは言いません。裏金の「う」の字も言いません。それでも分かります。そして、1時間くらいご飯を食べて、酒を飲んで、彼が「わしのところ(弁護士事務所)に弁護士として来ないか?」と言ったんです。私はそこで断ったんです、「行きません」と。

 そしたら、彼は何て言ったと思います?「モリカズのようになるぞ」と言ったんです。

「モリカズ」というのは手形詐欺事件で東京地検特捜部に逮捕されたヤメ検(検事を辞めたあとで弁護士になる人のこと)の田中森一氏のことです。これは脅かしです。

 話は戻りますが、3月末にそういうかたちで刑事告発しました。そして、その3月末頃の情報では、当時大阪地検の検事正だった加納駿亮氏が高松高検検事長になるということが事実上内定していたんです。検事長人事というのは内閣の承認がいります。法務当局はどうしたのかと言いますと、当時は高村法務大臣ですが、高村法務大臣にはこの告発の事実を隠していたんです。隠したまま、「加納氏を高松高検検事長に」という上申を高村法務大臣にしたんです。そして、4月23日がその内示予定だったんです。その直前に川上氏が高村法務大臣の秘書官に告発状を全部持って、会いに行ったんです。そこで初めて、この事実が高村法務大臣の知れるところとなった。そのために、加納氏の人事は先送りです。

 この時期、4月28日の政変で森総理から小泉総理に代わりました。法務大臣は森山真弓に代わりました。それでもまだこの人事をあきらめきれずに、法務当局は交渉した。しかし、連休明けの5月7日、結論は先送りになったんです。加納氏の1期下の宗像(むなかた)氏が高松高検検事長になった。これが5月の人事です。ここまではいいんです。

 次に、その年の11月15日に福岡高検検事長が定年で辞めることになったんです。この時も、やはり森山法務大臣です。今度は、法務省は福岡高検検事長に加納氏を上申したんです。しかし、(大臣は)なかなか難色を示して、どうにもならなかったんです。そこでどうしたのかと言いますと、検察・法務当局は困ったんでしょう。いわゆる「けもの道」を通ったんです。

 「けもの道」というのは私が付けた名前ですけれども、当時の原田明夫検事総長、事務次官の松尾邦弘、刑事局長の古田佑紀、古田は後藤田正晴氏が法務大臣だったときの秘書官だった人間です。その3人がそろって、10月26日だったと思いますが、東京・麹町の後藤田事務所を尋ねました。そこには後藤田元法務大臣と秘書官がいました。

 それで、彼らは「加納の検事長人事を内閣で承認してくれないと検察が潰れます」と泣きを入れたんです。潰れるというのは、検察の裏金問題が表ざたになるという意味だと思います。当時は、週刊文春とか週刊朝日がすでに裏金問題を報じていました。そして、(後藤田氏は)小泉の秘書官の飯島に電話連絡しました。そして、その日の会談はそれで終わって、翌日、小泉に原田検事総長が直談判をした。そこで事実上、加納の検事長人事が承認されました。正式な閣議は11月13日なんです。そこで正式に承認されました。

 こんなことをしたらどうなりますか。「検察が内閣に借りを作る」という一番やってはならないことをやったんです。内閣の助けを求めた。こんなことをしてしまったら、内閣を構成している大臣クラスを事件にはできません。ここまでやるんです。

 「国策捜査」は昔からありましたが、私は、ここが最近の国策捜査の原点だと思っています。例えば、内閣の誰かを逮捕できるような事件があったとします。そしたら、小泉が「裏金どうするの?」と言う、それだけでいいんです。事件にできません。できるはずがないんです。後藤田さんはもう亡くなりましたけれども、この事実は彼の秘書から聞いた話なんです。

 本来、検察というところは真実を明らかにするところなんです。加納の事件は、この直後に「嫌疑なし」になりました。「真っクロ」なのを「真っシロ」にしてしまったのです。内閣にとってみたら、加納の刑事告発が残ったままでは承認できません。それでは内閣の責任になります。「真っシロ」なんだという判断が下っていれば、内閣の責任ではないんです。

 刑事告発事件で「真っクロ」であるものを「真っシロ」にしてしまった、これは検察の原点の崩壊です。これが1点。もう1点は、最もしてはいけないことをしてしまった。内閣を利用してしまった。その2点なんです、私が義憤を感じたのは。それから先は義憤だけです。加納のことは頭にありませんでした。

 そして、この問題を追及するために私が協力を求めたところは、やはりマスコミと政治家です。それからは、マスコミにずっと会ってきました。政治家では、民主党の管直人。彼には大阪の財界人を通して3回ほど会ってもらって「了解」を得ました。「了解」というのは法務委員会でこの問題を追及するということです。

 新聞では朝日新聞東京本社の落合博実さん。最終的には4月18日に心斎橋の日航ホテルで会って最終了解を得た。その内容は、5月の連休明けに朝日新聞東京本社が裏金問題を1面トップで報道する。社会面では、私が実名のまま1問1答形式で答える。そういう方法です。そして、NHKとか他の新聞社は、「朝日が書くのなら後追いします」ということを言った。

 そして、管直人氏の方は朝日新聞の記事を持って法務委員会で追及する。そして、その過程で私を参考人招致して、私が証言する。そして、私が国会で記者会見して、検事のバッチを外して辞める。そういう段取りが全部できあがっていたんです。それが4月18日です。

 そして、4月22日に何があったのかと言いますと、その日の昼から「ザ・スクープ」の鳥越俊太郎さんが大阪に来て、裏金問題についての取材・収録の予定だったんです。あとは、4月24日に大阪の毎日テレビの取材・収録の予定がありました。

4月22日。昼に「ザ・スクープ」の取材・収録をするその日の朝、私は8時半頃任意同行をされて、何の弁解も聞いてもらえずに逮捕された。これが第1次逮捕なんです。

 これがもし、私を逮捕していなかったらどうなっていたと思いますか?その予定通り進みますと、朝日新聞東京本社が報道する、管直人氏が法務委員会で追及する、私が証人として出廷し証言してバッチを外す。これは、外務省の機密費どころの話じゃないんです。

 まず、当時の現職検事70名が辞めなければいけない。検事総長ももちろん、森山法務大臣も辞めなければならない。それだけではありません。引退したOB連中、何人生きているか知りませんけれども、1000人くらいはいるでしょう。その人たちもみんな勲章を剥奪(はくだつ)されます。使った金を返さなければいけません。当然、国民から刑事告発を受けます。そうなれば、一時検察機能が麻ひします。私を逮捕しなかったらそうなっていたんです。だから相手も必死だったんです。

 その辺のことを考えてもらえば分かると思います。検察の置かれた立場、検察の組織的な裏金作り、これは事実です。それを隠蔽(いんぺい)するということです。仮に、私がもう少し早く公表しておればこの逮捕はなかったんです。逮捕できません。5月の連休を挟むと報道が途切れるから公表を連休明けにしたんです。それをもっと前にすれば、私の逮捕はなかった。

 裏金というのは、国民の血税なんです。にもかかわらず、こんなことまでするんです、検察は。確かに、検察はちゃんとしたこともやってきました。国会議員を逮捕したりして、ある程度は国民の期待に応えてきました。しかし、自らが犯罪者になるとこんなことまでやるんです。これが許せますか?

 最近の国策捜査の原点はその「けもの道」なんです。10月の末に裏金問題で内閣を利用したことです。それから何がありましたか。

 鈴木宗男の逮捕がありました。昔は、贈賄者が時効になった事件では逮捕しなかったんです。時効になればいくらでも自由に話ができるじゃないですか。しかし、鈴木宗男の事件では、本来目的としていた事件では逮捕できずに、昔の事件についてのみで逮捕起訴した。捜査の失敗です。

 それから、社民党の辻元議員の問題もありました。あれは衆議院総選挙前にやられたんです。その2年くらい前に彼女の議員秘書の問題は発覚していたんです。全部、弁償しました。なのにそれを総選挙前にやられて、社民党はどうなったと思いますか。事実上崩壊したじゃないですか。これが、内閣指導による国策捜査なんです。

 最近は、ホリエモン(堀江貴文・前ライブドア社長)とか、経済犯罪の方に特捜部は向かっておりますけれど、そうやっている限りは10月末のその問題、「けもの道」は問題になりません。

 私の予測では、小泉が辞めても自民党内閣が続く限りは自民党の大臣クラスは事件にできないでしょう。「けもの道」が平成13年の10月の末でしょう。そこから現在までの5年間で東京地検特捜部がやった事件を見てもらったら分かります。誰もやっていません。できないのです。

 先ほどのお話にありました「日歯連事件」、あれは橋本(龍太郎・元首相)と青木(幹夫・自民党参議院議員会長)と野中(広務・元内閣官房長官)、村岡(兼造・元内閣官房長官)の事件ですね。あれを私はどう考えているのかと言いますと、野中は、私が逮捕される前の平成14(2002)年の3月の末頃、京都府知事選挙の応援に来たことがあったんです。そのときに、京都の事務所の秘書から私に連絡がありまして「(野中氏が)会いたいと言っている」と言われました。そして、京都駅前の都ホテルに当時彼の事務所があったんですけれど、そこに行ったらすぐに案内してくれました。彼が事務所に一人でおりました。それで、裏金問題を1時間ぐらい話しました。

 私は、彼がそれを利用したんじゃないかと思っています。野中は全部知っています、裏金問題は。日歯連事件で野中もやられなかった、橋本も青木も。それを利用して取引したんじゃないかというのが私の考えなんです。あんなつまらない捜査はないです。村岡は起訴されて無罪になりました。あの捜査は誰が考えてもおかしい。

 そして、問題は裁判所なんです。最近の裁判所というのは、逮捕状でも勾留状でも犲動販売機瓩覆鵑任后チェックしないんです。そして、裁判そのものが最近おかしいです。

 昔「大津事件」(1891年)というのがありました。ロシアの皇太子(ニコライ)が巡視に来た時に、津田三蔵という巡査がサーベルで切りつけてけがを負わしたという事件があったんです。当時は、日本の皇族に対してけがを負わせたり殺したりすると死刑になったんです。法文上は、ロシアの皇太子は日本の皇族ではないから死刑にできなかったんです。いわゆる罪刑法定主義というものがあるでしょう。

 しかし、当時のロシアは日本にとって大国です。日本は開国したばかりの弱小国です。その大国の皇太子にけがを負わせた。そしてその上、その犯人に対する処罰が軽かったらロシアは日本を攻撃(戦争)するかも知れません。それだけでなく他の国からも野蛮な国だと思われてしまう。そう日本政府は考えたのです。ときの政府も、法務大臣も、裁判を担当する裁判官に働きかけました、「津田を死刑にしろ」と。しかし、当時の大審院(現在の最高裁判所)院長の児島惟謙(こじま・いけん:写真左上)がその政府側の要求を突っぱねて、日本の司法の独立・法治国家を守ったと言われる事件なんです。死刑にしていれば、罪刑法定主義の崩壊だったんです。

 しかし、この事件にもいろいろ問題があるんです。児島惟謙が他の裁判官に「死刑にしてはだめだ」と働きかけたのです。本来、裁判官というのは独立性を保ち、自分で判断しなければならないのです。

大津事件は日本とロシアの問題だった。私の場合は、検察組織と私個人の問題なんです。この大津事件に対比してもらえれば、ある程度私の事件の構図が分かってもらえるんじゃないかと思うんです。

 検察組織というのは非常に重要です。これはなくなったらいけません。検察組織が国民からそっぽを向かれて崩壊してはだめです。検察組織はどうしても守らなければならないと思います。それを裁判所は考えるんです。口封じ逮捕、裏金も認めるべきなんです。裁判官は独立性を守って良心に従ってやってもらいたい。そうすれば私の事件は結論(無罪)が出るんです。しかし、それがなかなかできないんです。彼らも人間だから出世があります。だからできない。そこが大きな問題です。

 先ほど、武委員長の事件の中身もお聞きしました。以前、JR東日本労組の組合員が「強要」で7人逮捕された事件がありました。これは非常に古い事件を掘り起こして、組合員を脱退させたという「強要」、JRという会社を無理に辞めさせたという「強要」ということで逮捕したんです。この事件も裏で何らかの政治的な意図があるのではないかという気がします。組合のことは組合に任せればいいじゃないですか。脱退に関しては、組合の方針に反したものを脱退させるのは仕方がないじゃないかと私は思います。

 以上で私の話は終わりです。会場のみなさん、何か質問はありませんか?

 

(参加者1)

 三井さんは裏金問題を告発されたわけですが、他の検事たちは三井さんを「敵だ」「裏切り者だ」と思っているんでしょうか?

 

(三井)

 本音はそうではないと思います。感謝されていますよ、裏金問題では。今は、裏金はほとんどなくなったんです。

 

(参加者1)

 裏金がなくなったということは、ある意味で言うと、三井さんのやろうとした裏金問題で検察を追及するという、そのためのネタがなくなったことにはなりませんか?

 

(三井)

 反対に言いますと、そういう風にも言えます。今は、この問題に関する刑事事件は全部時効になっています。だから、告発しても全部時効なんです。

 しかし、人間やる時には何でもやりますね。自分の組織の犯罪を隠蔽するためなら何でもやります。

 

(参加者2)

 検事を辞めて弁護士になっている人、いわゆる「ヤメ検」と呼ばれる人たちは現役の検察庁との親密な付き合いはありますか?

 

(三井)

 それは、端的に言ってあります。もう少し詳しく話しましょう。

 これについて、大阪には2つの派閥があるんです。元検事総長の土肥孝治弁護士と、先ほど話した前大阪高検検事長の逢坂という人間です。その下にヤメ検がずっと連なっています。それらの人を使ってどうするのかと言うと、構図はゼネコンと同じなんです。

 例えば、事件を土肥元検事総長に依頼に行きます。そうすると、土肥元検事総長は「ピンハネ」をするんです。何も仕事はしません。事件は検察OBである自分の部下にやらせるんです。

 阪南事件というのがありましたね。あれは逢坂元検事長のところに依頼があったんです。いくら取ったと思います?逢坂元検事長は。着手が1億円の依頼です。そのほとんど、8割ぐらいは逢坂が取るんです。そして、後は検事OBが実際にその事件をやりました。この事件は1審が実刑だった。だから、依頼者は弁護士をみんな変えた。2審は、鈴木宗男系統の弁護士に依頼したんです。

 結局、検事というのは現職のときもそうです、上がおって下がおる。検事を辞めても上にボスがいてその下で働くんです。そして、ボスが事件を持って来るんです。ボスは検察といろいろと話ができる。元の検事総長、元の検事長ですから現職検事たちはむげにはできません。そういう構図がずっと続いております。

 

(参加者2)

 ありがとうございました。

 私たちも応援しますので、どうぞ一つ三井さんもこれに屈せずがんばって下さい。

 

(三井)

 どうも、ありがとうございました。

 

(司会)

 さて、次に全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部執行委員長・武建一氏に、停滞していた中小企業運動が武建一氏の復帰によりどのように再建されてきたのか、どういう方向に向かっていくべきなのかを明らかにしていただきます。

 題しまして「当面の中小企業運動の展望」、よろしくお願いいたします。

 

 

武 建一(全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部執行委員長)

 

どうもご苦労様です。先ほどは三井先生のお話を非常に興味深く              聞かせていただきました。

私は実は、公判のときに検察の裏金作り問題を厳しく追及しましたら、「それは関係ないから」と、検察は口封じをやろうとしました。しかし構わず、検察の裏金作りの問題が、いかにも検察は公正・公平であるという顔をしながら実際には違うんだと主張した一人なんです。

 三井先生のお話は、正義の味方だと思われている検察というものが、いかに腐敗・堕落しているかというものでした。多分、一般の国民は今日のお話のような事実に触れることが少ないものですから、ほとんどの人はまさかこういうことになっているとは思っていないのではないでしょうか。そういう意味で、大変いいお話を聞かせていただきました。

 そもそも今の権力というのは資本主義の権力であり、アメリカの大企業と日本の多国籍企業のために働いていると私どもは認識しています。ですから、中小企業とか労働組合を踏み台にすることについて何とも思っていないのが資本主義の権力であると、私どもは昔から認識しています。この資本主義が高度に発達すればするほど権力機構というものは腐敗してしまうということは、すでに19世紀の当時から理論家などが指摘している通りであります。その指摘されている内容が、三井さんの先ほどのお話では見事に事実として暴露されたのではないかという風に思います。逆に言えば、私どもが勉強してきた資本主義の腐朽(ふきゅう)性と腐敗性というものが、より鮮明に確信を持って証明されました。そして、分析してきたことが正しかったと、今一度確信を深めた次第であります。

 さて、私のお話は、みなさんのお手元に配られているレジュメに従って進めたいと思います。

 刑事事件の進行状況については小谷野書記次長の方からお話がありましたから、重複することをさけておきます。判決の見通しも先ほど話がありましたが、本来でしたらこれらは全て「無罪」です。有罪になるはずがないんです。なぜ、有罪になるはずがないのか。「政治資金規正法違反」と称している事件ですけれども、これについては検察が主張するような、労働組合が戸田ひさよし議員、ないしは彼を支援する団体に寄付した事実は全くないんです。労働組合が彼に寄付していないということは、政治資金規正法違反ではないということです。

 生コン支部の中には、政治意識を持っている人たちが政治活動委員会というものを組織していまして、その政治活動委員会に組合員が月々カンパをしています。そして、政治活動委員会がその使途を決めてカンパをするということがあるんです。それが、問題の一つになっている90万円です。橋本さん(橋本龍太郎元首相)に1億円カンパしたことに比べればすごく少ない金額ではあるんですが、この90万円というのは政治活動委員会からカンパしました。労働組合からはしていません。ですから政治資金規正法違反ではないということです。

 それから、もう一つの問題である360万円ですが、この360万円も近畿地方本部の委員長に対する当然の報酬として支払ったものであって、労働組合からのカンパ・寄付というものでは全くない。そういう点から見ますと、無罪であるのは非常にはっきりしているんじゃないかと思うんです。

 それから、大谷・旭光両事件。これも、両社に対し自ら約束したことを履行しなさいということ求めただけです。しかも我々は、現地の運転手達の説得活動とか、あるいは履行しない会社に対して「なぜ履行しないのか」と問い詰めるといった正当な当たり前の組合活動を行っただけです。そういう点から見ますと、この「威力業務妨害」「強要未遂」についても、本来であれば無罪になるのは明らかである。

 ただ先ほど、三井さん、小谷野書記次長のお話にもありましたように、最近の権力機構は異常である。本来、民主主義機能を維持するために3権分立というものが保障されております。司法、立法、行政というのは独立しているわけです。ところが今は、独立どころか一体になっているわけです。検察も裁判所も政治もとんでもない方向に進んでいます。

 つまり、今の労働事件をでっち上げたり市民運動を弾圧するというのは、政治がどんどん反動化し、それと同じく3つとも反動化していっているということなんです。こういう時代背景の中で起きているんだと私は思います。

 そして、それに加えてもう一つは、政治反動が進めば進むほど本来であれば、労働組合がしっかりがんばって闘っていかなければならないわけです。ところが、日本の労働組合は体たらくです。とんでもないことに、労働組合が企業の利益代表人みたいになってしまっているわけです。しかも、中小企業の労働組合が企業と一緒になって共通の利益のために闘うというのは分かるんですが、大企業の労働組合が資本の手先になって、労働者の利益なんかそっちのけにして動いているわけでしょう。このように労働組合は体たらく。そして、野党というのもだらしないのが多いです、共産党にいたるまで。そういう風に、闘う主体が弱まっているということです。政治が反動化しているのと同時に、闘う主体が弱まっているからまともな運動を平気で彼ら(権力)は弾圧する。このことを時代状況として認識しておくべきじゃないかと私は思います。

 さて、今回の生コン支部に対する弾圧で非常に分かりやすいのは、昨年の1月13日に弾圧が始まって、わずか1年数ヶ月の間に何があったのかということです。具体的な事実を見たら非常に分かりやすいんです。

 まず、約束していたことが不履行にされました。どんなことか。セメント・バラセメント輸送業界の基盤を安定させるために、販売店ないしはセメントメーカーはトン当たり100円を拠出するという約束があったんです。この約束は、私が逮捕された1月13日のその日に販売店を呼んで「いつ払うんだ」という話をする予定だったんです。ところが、その日に私が逮捕されたものですから、その瞬間に約束を反故(ほご)にされてしまったんです。

 この約束事、トン当たり100円の拠出を実行しますと、近畿2府4県では相当な金額になるんです。このお金は、中小企業の基盤整備、労働者の雇用安定に使うということを合意していたんです。これがまずだめになった。

 もう一つは、生コンの売り価格です。この生コンの売り価格で一番ひどいのは神戸地区、神明地域です。そこでは(リューベ当たり)7,500円引きの売り価格になっているんです。7,500円引きになると、いくら安い労働力、いくら安い運賃、いくら安い原材料を購入したとしてもとてもじゃないけど採算が合わないわけです。あの神明、神戸地域は潰れかかっているんです。これは仕事が少なくて競争しているわけではないんです。では、大阪はどうですか。今は4,300円引きまで落ち込んでいます。これでは全然採算が取れません。

 つまり、今回の弾圧によって生コンも極めて厳しい状態になっている。このことによって誰が喜ぶんですか。ゼネコン、大手商社、一部販売店、セメントメーカーでしょう。こういう強いところが喜ぶんです。つまり、今回の弾圧によって、一部の強者だけが喜んで多数の中小企業と労働者を踏み台にするという構図が、そのまま続いているということです。

 だから今回の弾圧で、誰が損をしてひどい目にあっているのかということは、今お話した事実を見れば明白ではないでしょうか。つまり逆に言えば、弾圧を目論んでそれをやっているのは誰なのかも明らかなんです。

今から26年前の1980年。このときにすでに生コン支部に対して権力は「黒マーク」を付けました。生コン支部は「資本主義の根幹に触れる運動をしている」と言われた。「資本主義の根幹に触れる」というのは、どういうことを意味しているんでしょうか。

 この資本主義社会を支配しているのはごく一握りの者です。特権階級です。今で言えば、アメリカの大企業と日本の多国籍企業と一部の人たちです。この連中が危機を感じるわけです、関生型の運動をすると。だから26年前に「関生型運動は資本主義の根幹に触れる運動である」、「この運動は箱根の山を越えさせない」と言い、あの当時も彼らは一生懸命我々を弾圧しました。今回の第2次の弾圧も同じところから攻撃がきているわけです。府警本部とか、所轄の警察がやっているわけではないんです。もっと上のところから攻撃がきているということです。

 ですから、先ほど小谷野書記次長の話にもありましたように、問題意識を持っているジャーナリストとか、弁護士、学者の人たちは、今回のこの弾圧は関生だけの問題ではなく日本の民主主義に対する攻撃であると声を上げ、その呼びかけで今、署名活動を展開しています。

 そしてもう一方では、関生型運動は停滞している日本の労働運動を再生させる上において重要なものである、だからこの運動を全国に広げる必要があるということで、岡山、北海道、東京など各地でシンポジウムを行いました。「関生型運動って一体何なのか」ということを良く理解してもらい、そして、生コン以外の産業でも関生型運動を生かせる方法はないか模索(もさく)するためにそういうことをやったんです。そういうことで今一気にこの運動が広がりつつあるんです。

 つまり、敵の攻撃によって1面ではピンチだったんですが、そのピンチによって新たな運動の前進を作る、つまりチャンスを作ってくれているということです。この点では、関生支部40年の歴史の中で、攻撃されればされるほどそれを反面教師として、それをバネにして力強く闘っていくという我々の精神がいよいよ生かせるチャンスを一方では与えられている、そのように考えています。

 弾圧のねらいということをここで縷々(るる)書いています。簡単に言います。我々の中小企業政策というものは何を基本にしているのか。中小企業というのはお互い分断されているわけです。そして、お互い大企業から差別されているわけです。そして、大企業によってどんどん競争させられているわけです。我々の言う中小企業政策というのは、こういうことをさせないという方針なんです。

 中小企業が、分断され、差別され、競争するということになったらどうなりますか。競争している者同士、どちらの中小企業もお互いに潰れてしまうだけの話でしょう。事業協同組合に結集して競争を抑制しよう、そして大企業との取引を対等にできるようにしていこうとすると、これは団結するしかないでしょう。その団結する力を与えていくために我々はやっているわけです。中小企業のためにそれは必要なんです。大企業側はこれを潰したいんです。

 そして、中小企業の運動を全国化してしまおうということです。日本の産業構造は重層的になっていてほとんど中小企業でもっているわけです。しかし、労働組合の組織率が一番低いのは中小企業なんです。この組織率が低い中小企業で労働運動が前進すればどうなるんですか。日本の労働組合が一気に活性化するということになるでしょう。そして、大企業の労働組合と違って、中小企業は労働条件が悪いから労働者は戦闘的になりやすいという条件があるわけでしょう。もし、我々の中小労働運動というものが全国に広まれば、まさに権力が思うように日本の資本主義の根幹に触れるところまでいくわけです。当たり前の運動ではあるんだけれども、それを彼らは恐れているんです。

 そして、そういう運動を推進するには、我々関生、あるいは連帯そのものの運動が大きく強くなっていく、組織が大きくなることが必要です。組織が大きく強くなるにはどうしたらいいんですか。それは、大きく強くなるのを阻害する要因を取り除くということなんです。簡単に言えば、レベルアップするということなんです。我々自身の中にある不純物・不十分な点は、ときに手術して取ってしまう。人間の体で言えばそうやって健全にして、そのことによってバイタリティー(生命力・活力)が出て組織が一気に強くなるということでしょう。

 実は今回の弾圧は、そういう体制が整った段階でのものだったんです。そのように、今度の弾圧は政治反動の中のものであると同時に、我々の主体的力量を強化する流れの中で行われたものであるということに注目しておいてもらいたいと思います。

 さて次に、「生コン支部のセールスポイント」ということで、3つほど上げております。運動論、組織論、理論・思想論、これはこれだけで2時間ほどの話になりますので、ここでは簡単に述べておきます。

日本の労働組合というのは、企業別的に組織されているわけです。企業の中でしか運動がない。ですから、要求を出す相手も企業主、組織する相手・対象も企業の本工労働者だけです。そして、理論はどちらかというと、資本家の企業間競争に参加するという理論になっているんです。

 それに対し、我々はそれと違うことをやっているわけです。本来の労働組合らしい労働組合なんです。運動論的には、企業の枠を超えてどんどん展開していく。だから、職場では1人であっても職場以外の仲間が支えているわけでしょう。そして、直接雇用主だけを相手にしない。直接雇用主の背後にいる背景資本、そこに責任を追及するということをやっているわけでしょう。それから、個別企業との交渉だけじゃなくして集団交渉をやるわけでしょう。集団交渉をやるというのはどういうことなのか。経営者も団結しやすくなるし、労働者も団結しやすくなるわけでしょう。これはまさに産業別労働組合です。

 先日、東京の方でシンポジウムがありまして、昭和女子大学の木下先生のお話ではこの関生型運動というのはヨーロピアンスタイルだと言うんです。つまり、先進諸国ではこういう運動でなければ組織が発展しないということを指摘しているわけです。これは我田引水(がでんいんすい:自分の都合の良いようにすること)的に我々が言っているのではなくて、学者の方がそういう分析をしてくれているわけです。

 組織論もそうです。産業別的、個人加盟ですから誰でも一人で入れる。出入り業者の労働者、あるいは課長、ときには業者すら入れるという、そういう組織形態を持っているんです。要するに、産業別労働組合です。

 そして、理論とか思想はどうか。我々は、労働組合というのは大衆性と階級性を持っているという分析をしている。「階級なんてダサい」と言う人たちが労働運動をしている人の中にもいるんです。階級性を持つということは、資本家階級と闘うということなんです。そして権力と闘うということなんです。労働組合が権力や大資本と闘わずして、中小企業の利益なんか守れない。まして、労働者の雇用なんか守れない。それには、それにふさわしい理論と思想、これで闘うわけです。これが、他の企業別組合と違うところなんです。逆に言えば、権力が恐れるところなんです。我々にはそういうセールスポイントがあるということです。

 先ほど言いましたように、相手(権力・大資本側)は我々に対して、1980年の段階で「資本主義の根幹に触れる」という認識を持ったのですが、今もその延長線上にあるんです。ということは、考えてみたら権力というのは大した力を持っていないんだなと思いませんか。

 現在、日本では働いている人は6300万人以上おります。労働組合が組織しているのはその内の18%くらいしかいないんです。そのたった18%くらいでも1000万人を超しているわけです。ところが、権力とか大企業はわずか1千数百人の関生を恐れているわけです。裏返せば、この日本の権力とか資本主義というのは吹けば飛ぶような砂の上に建っている建物と一緒じゃないですか。こういうのを砂上の楼閣(ろうかく)と言うんです。大きい建物に見えて根は大したことはない。戦略的には、権力・資本家なんていうのは大した力を持っていないと見るべきじゃないですか。相手がそれを教えているわけです。1千数百人の我々の運動が資本主義の根幹に触れると言うわけですから、これが一気に広がっていったらどうなるのか。彼らは少数なので、彼らがひっくり返るということです。そして、そういう力を我々は持っているんだということです。だから、逆に我々は自信を持つべきじゃないでしょうか。

 権力というのはそういうものです。なぜかと言いますと、権力とか大企業というのは元々基本的な矛盾を持っているわけです。大企業同士はしょっちゅう競争をしています。競争は体力を弱めます。それに、中小企業と大企業も絶えず対立矛盾があるわけです。避けがたいんです、こういうものは。それに、そこに働いている労働者は絶えず資本家に対して対立・矛盾しているわけです。資本主義における一部特権階級とその下で踏み台にされている人たちの間においては、対立・矛盾がいっぱいあるんです。

 例えば、消費税は今のところ上げていないですが、しかし、実際には社会保障がどんどん悪くなっているでしょう。掛け金を上げられて、支給は少なくなっている。これはいくら自民党的な考え方の人にしてみても、今の自民党に対する不満が出てくるわけです。つまり、彼らは対立・矛盾を避けがたいものとして自らの中に持っているわけです。だから、我々がその原理を理解して闘えば、彼らは強そうに見えても弱いということです。 

 今現在我々が少数と言えども、一気に多数に転化して世の中を変えることができる。世の中を変えるということは、何も過激派の連中みたいにゲバ棒(角材や鉄パイプなど)を持って変えると言っているわけではないのです。国民が納得できる、そして主人公になるようなそういう社会構造に変えることができると言っているんです。これは民主主義です。大企業は少数でしょう。多数である中小企業・労働者が主人公になるというのは民主主義じゃないですか。その民主主義的な社会、本来あるべき社会に一気に変えることが可能になる。元々変革者というのは少数から始まるわけです。多数がいきなり変革者になるんじゃないんです。少数から始まって多数に影響を及ぼして世の中を変えるんです。そういう運動を我々がやっているということを誇りにすべきじゃないかと私は考えております。

 中小企業の人たちも、我々がそういう運動をやっているからこそ経営が安定しているんです。それは実際に今までの歴史を見たらお分かりじゃないでしょうか。だから今回の弾圧は、我々に対する攻撃のように見えるんですが、中小企業のみなさん自身に対する攻撃であるということを是非、この機会に理解を深めていただきたいと思います。

 さて次に、具体的な問題について述べます。今年の春闘の問題ですが、これは今年「政策春闘」と位置付けて取り組んだんです。ここ4年、政策春闘と位置付けてきたんですが、今年は特にそれを強力に押し進めてきたわけです。そこで今年、非常に大きな変化が出てきております。

 ここ4年間、賃上げはゼロだったんです。これはバラセメントも生コンも、近畿2府4県全部そういう傾向だったんです。なぜ我々がこの4年間、賃上げゼロでもいいという風にしてきたのかと言うと、中小企業の経営環境を良くして、そしてパイが大きくなれば我々も賃上げを要求しようじゃないかということだったんです。要するに我慢してきたわけです。我慢してきた結果どういうことが起きているのか。今日は中小企業の方が多いですが、中小企業の宿命というものがあって、中小企業というのは労働者が我慢すればするほどそこへ悪乗りしてくるんです。

 なんで中小企業が悪乗りするのかというと、中小企業は2つの面があるからなんです。それは、大企業から収奪されているという面と労働者を搾取しているという面です。最近、「搾取なんかない」と言う人たちがいるんだけれど、経済学者でもない我々のような素人でも経済理論を学んでいる人間からすれば、搾取が存在しない資本主義なんかあり得ないわけです。要するに、中小企業と言えども労働者を搾取して初めて成り立っているわけです。

 ですから中小企業というのは、大企業から収奪されているという面と労働者を搾取しているという面の2つの面があるんですが、その一方である労働者がしっかりしなければそこだけにしわ寄せがくるんです。つまり、水は高いところから低いところに流れるという法則があります。その法則と同じように働くんです。労働者がだらしなくて労働者の圧力バネが弱まれば弱まるほど、そこだけにしわ寄せがくるんです。

 今年の春闘では、こういう構造を続けたらだめだということで押し進めてきたわけです。労使関係というのは一定の緊張が必要なんです。緊張感のない労使関係というのは堕落した労使関係なんです。労使が配分を巡って対立するというのは当たり前の話でしょう。労働者の賃金が低かったり労働条件が悪ければ経営者の利益が出るというのは当たり前です。それに労働者が我慢ばかりしていたらどうなるんですか。そこだけにしわ寄せがくるんです。緊張感のない労使関係が生まれるんです。緊張感のない労使関係が生まれたらどうなるんですか。労使共に堕落してだめになるんです。だから、労使関係というのは一定の緊張感というのが必要なんです。

 もし5年連続で賃上げがゼロになったら、こんなもの「労働組合」と名乗る資格がない、解散してしまわなければならない。生コンで言えば、経営者は実際の賃上げというのはどのくらいかかるんですか。20,000円賃上げしたって、1リューべ100円の値上げでまかなえるんです。100円もいらないんです。ところがこの間、何が起こっていたんですか。生コンの値段を(1リューベ)2,000円も下げているわけです。つまり、緊張関係にない労働者にだけしわ寄せをして、ゼネコンなどに対しては、適正価格にしなければならないのに逆に値を下げているわけです。

 バラセメントもそうです。バラセメントも約束通り(トン当たり)100円を徴収したら、20,000円賃上げをしたとしてもどうということはない。原資はそこにある。もちろんバラの場合、それをすぐに使えとは言っていません。原資はそこにあるということを言っているだけです。

つまり、だらだらとした緊張感のない労使関係を作ってはだめだ、経営者もしっかりし労働組合もしっかりしなければ、本当の意味での健全な労使関係は成長しないという立場に立ったのが、今年の春闘だったんです。

 この春闘において、6月20日の代表交渉で何があったのか。そこから状況が変わったとレジュメには書いてありますが、6月20日というのは大阪と神戸の生コン63社の利益代表人である経営者会と5つの労働組合との交渉のことをここで言っているんです。この63社の利益代表人との交渉によって、奈良、和歌山、京都など近畿2府4県全部に影響を及ぼすんです。

 ここでどんな変化があったのか。今まで4年間、わずかな解決金で解決したものですから経営者会はまたこのときも同じことをしようとしたんです。「馬鹿にするのもほどほどにしろ」と言いました。こんな解決金で解決するというようなことをすると、さっき言ったように企業もだめになるし労働組合もだめになる。解決金は認めない。もちろん、一時金は上げなければいけません。

 こういう厳しい我々の態度から相手の方も考えざるを得なくなった。だから、最終的には「9月末までに労働組合の要求を尊重し再協議して決着をつける」となったんです。これは賃上げするということです、今年は。賃上げを是非してもらわなければ困る。それは先ほど言った立場からです。労働組合と企業がまともに成長するためにこれは必要だ、と言っているのです。

 それからレジュメに書いてあるように、政策春闘というのは、従来の労使共に犂鼎┐觜渋き瓠△修譴鯤僂┐覆韻譴个い韻覆い箸いΔ海箸任后∈Gの春闘では。そうしないとこの業界がだめになります。

 次に、「なぜ個社型から共同型の協同組合なのか」ということを3点にわたって説明しております。

 1つは、先ほど非常に強調しましたように、この社会というのは少数者が支配している社会です。多数者の中小企業、多数者の労働者がなぜ少数の者に支配されているのか。なぜだと思いますか?本来であれば、多数者が支配するのが原理ではないでしょうか。これは是非みなさんにも考えてもらいたと思います。

 簡単に言いますと、最初の話と一緒です。少数の者が多数の者を支配する原理というのは「分断」、「差別」、「競争」です。だからこそ、少数が多数を支配できるんです。これは常套(じょうとう)手段です。今で言えば、グローバリゼーションとか規制緩和とか構造改革とか、そういう名の下にどんどん競争するわけですね。これは、一部の強者の論理です。一部の強者が多数を支配する論理として使われているわけです。まず、この原理を理解する必要があるのではないかと思います。それから、レジュメに「今日の時代状況が必要条件を作っている」とあります。これは、今の日本政府が行っている先ほど言ったようなことです。つまり、団結しなければ中小企業は全部疲弊(ひへい)します。中小企業は淘汰(とうた)されます。高度成長なんていうのは今後はあり得ないことです。もし競争すれば、中小企業は全部潰れます。間違いなく潰れます。このこのとは是非、中小企業のみなさんに理解してもらいたい。

 それから3つ目は、これから先の未来というのは多数者が主人公になるということです。これは過去の歴史でもあるし、未来の姿であります。人類がこの地球上に誕生してからの長い歴史の中では共生・共同の歴史の方が長いわけです。その中では、資本主義社会、しかもこんなに無茶苦茶(むちゃくちゃ)な競争というのはわずかな期間しかないんです。そうすると未来は、過去の歴史から見て共生・共同です。我々がやっている協同組合原理、未来はこういう方向しかないんです。

 さて、バラセメントの基盤整備の問題についてはレジュメでいくつか書いております。

 これについて、一昨年から支払いはストップしておりましたが、結論から申しますと、今年の5月から6月までに5労組が一緒になってこの100円問題に取り組もうということになりました。そして、ほとんどのところが100円問題については「運賃」というかたちですけれども、一昨年の12月から今年の6月までの分の支払いをいたします。それから、7月からは月々支払うということです。これは割合で言えば80%以上のところがOKになりました。レジュメでは5労組が一緒になったからこういう結果が得られたと書いてあるんですが、それだけでこういう風になったんではありません。「約束を実行しなさい」と当たり前の事を言っていったからこういう結果が得られたんです。

 約束手形というのがありますが、手形が割れなくなったらその手形を受け取った会社は潰れるわけでしょう。約束事は全てそうなんです。警察・権力が入ったからということで約束を反故にしてしまうようなことがあったら、こんなもの真っ暗闇です。だから、いかなる弾圧があろうとも約束を履行させるのは当たり前の話です。そのことによって、こういう結果が得られているわけです。

 さて、この100円の問題というのは、適正運賃と適正輸送量確保によるバラ業界の秩序を確立するということが非常に期待されているわけです。同時に、それだけではないんです。労働組合側からすると、やはり雇用と労働条件の安定なんです。そのための有効な手段だと我々は考えている。

 労働組合の中にはよく、手段と目的を履き違えているところがあるんです。何が手段で何が目的か分からないという労働組合もあります。我々は、中小企業の利益のためにももちろんやります。しかし、雇用とか労働条件をそっちのけにして中小企業の安定だけを考えていたら、それは労働組合ではありません。

 それから、バラ業界はこの基盤整備運動によって非常に吸引力が高まっていくということではないでしょうか。バラ業界の吸引力が高まるということは、やがて業界として協同組合がセメントメーカーあるいは販売店と運賃交渉をする、そういう方向につながります。要するに中小企業というのは実利がなければ結集しないんです。中小企業に理念とか思想とかそういうことだけ言っても、「いいこと言っているんだけれどうまみがないじゃないか」ということになりやすい。この100円と10円(バラ輸送業者自らが基盤整備事業のために拠出しているトン10円の基金のこと)というのはうまみがあるんです。蜜(みつ)ができたんです。そこへ入るとその権利が享受できるということでしょう。

 つまり、協同組合に入ることによって実利があるということなんです。だから、協同組合自身の結束力を高めるし、まだ協同組合に入っていないところに対しても吸引する力が強まったということなんです。これは、非常に重要な意義があるんです。バラの協同組合の人も今日参加しているでしょうけれど、協同組合の人がそういう意識を持っているかどうかが問題なんです。全員そういう問題意識を持ってもらいたい。そういうお金だけの問題じゃなくて、今までと違う団結力が質的にも量的にも高まる条件ができたということが重要な意義なんです。

 ここにいくつか書いてありますが、要は、バラ業界はセメント業界から自立しなければならないということです。日本の中小事業協同組合というのは、4万数千ある。ところが、日本の協同組合はほとんど天下り先になってしまって、本当の意味の中小企業の振興・育成に何の役にもなっていない。天下り先であり、大企業が支配しやすい協同組合になっている。自立していないんです。やっぱり中小企業は、自立するということが大事なんです。

 自立するにはどうしたらいいですか。自立するためには、最低でも事務局を置かなければならないでしょう。しっかりしたリーダーシップを確保しなければならないでしょう。そして、事務所を維持できる費用を確保するということでしょう。そして、ロバート・オウエン(19世紀イギリスの社会改革家。協同組合の父とも呼ばれる)が言っているように協同組合運動というのは知的レベルをアップするということです。協同組合の中に固定的な予算として、教育予算を組むべきです。それが自立することにつながるわけでしょう。中小企業は啓蒙(けいもう)教育しなかったら、いつまで経っても他人の不幸を喜ぶんです。「あいつが潰れたらおれの仕事が増える」と思っている。このレベルでは中小企業は自立できないし、大企業との対等な取引ができない。だから、自立がどうしても必要だということをここで強調しているわけです。

 さて次に、当面のバラセメント業界の課題についてです。

 まず協同組合の共同事業は、できることからやるべきじゃないでしょうか。物資の共同購入などをやるべきです。燃料、バッテリー、何でもあります。なぜか知らないけれど、生コンの協同組合もそうですけれど、売り値段だけ決めてしまって協同組合が共同事業をしないんです。共同事業をしない理由としてある会社は、「うちは燃料を特別安く仕入れているから」というようなことを言う。そういうことを言って共同事業を阻害するんです。

 やっぱり協同組合は共同事業をすべきです。共同事業をしなければ意識も高まっていかないです。共同事業を通じて相互扶助の精神がどんどん高まっていくんです。だから、そういう意味でこういうことを是非やっていく必要があると思います。

 それから、共同配送センターを作る。そしてそこから、適正なシェアにもとづいて配分できる仕組みになっていくんじゃないかと思います。そして、先ほど言いました共同交渉を持てる機能を持つ。さらに、統一車輌にする。今だったら宇部三菱とか太平洋とか、いろんなマークを付けて走っているんですけれども、名前は一本でいいんじゃないでしょうか。

 むしろ、車体に「お子様110番」を書いてもいいし、あるいは宣伝会社とタイアップして、例えば広告費を1年当たり10万円もらってやれば、中小企業に還元できるんじゃないですか。走る宣伝カーです。そういうことをやるべきじゃないですか。これはそれほどお金はいらない。こういう風に発想を変えて、個別では潰れるんだから共同しかないんだという風に意識を変えて、こういうことをやるべきじゃないかと思います。

 それから先ほども言いました、教育事業制度をきちんと確立して広報活動もきちんとすべきじゃないですか。実は、生コン支部は10数年間、ラジオのAM神戸で朝の11時45分から12時00分まで1日15分間の番組を連帯ユニオン提供で、月〜金の5日間、放送しています。それはなぜか。生コン支部のイメージアップと同時に生コン業界を良く知ってもらおう、労働者の実態を知ってもらおうということで宣伝をしているんです。業界ではこういう広報活動をやらないですね。予算なんてほとんど出ない。それはやっぱり業界も、社会に向けて自らの存在を知らせるという広報活動を当然予算化すべきじゃないでしょうか。

 それから、シンクタンクを作る必要があります。政策立案能力を確保する。これは例えば、バラセメントだけでできなかったら近バラ協(近畿バラセメント輸送協同組合)、輸送協(近畿生コン輸送協同組合)、圧送協(大阪生コンクリート圧送協同組合)、この3つでシンクタンクを作ればいいんじゃないですか(この3つは近畿生コン関連協同組合連合会に組織されている)。この関西の生コンを含めた業界は、労働組合からやいやい言われてやるから東京は余計嫌うそうです。ところが、労働組合が言わなかったらシンクタンクも何もない。だから、共同でやるということを何も考えない。そういう業界ですから、是非この機会にシンクタンクを作ってもらった方がいいと思います。

 そして、業種別統一労働条件を確保していく。統一交渉権を確保する。労働組合の未組織・既組織に対して、産業別的な賃金・雇用・福祉制度というものを作る。そういうことをすればするほど横の結束が高まっていくんです。業者が協同組合に結束する力が段々高まっていくんです。別に、労働組合の横のつながりを強化するだけじゃないんです。業者自身のためになるんです。こういうものを是非考えて実行してもらいたい。

 次に、生コン業界の現状と今後についてです。

 アウト8社が協同組合に入りました。これは、弾圧されて我々の全ての仲間が保釈されるまでは、1社も入らなかった。入らないどころか、新設がどんどん増えていったわけです。我々が出てきたとたんに8社が加入し、且つ、新設に対する抑止効果が今効いているわけです。ということは、我々連帯労組という存在が、先ほどの値段の問題だけではなくて、この産業構造にどのような影響を与えているのかということを端的に表している一例ではないでしょうか。

 「潮目(しおめ)が変わった」という言葉があります。一気に変わったんです。今までと全然違う流れになっているんです。これはまともな方向に変わっているという意味です。そして、この8社について言うと、年間70万リューベあるんです。神戸協が20万リューベ、大阪広域協が50万リューベ増えたんです。この影響は非常に大きいです。なぜか。大阪広域協は出荷量が段々減っていて年間450万リューベしか見通しが立てられなかった。450万リューベと500万リューベと言ったら全然違うんです。神戸協も今、月に4万リューベしか出していないんです。年間48万リューベしかないでしょう。そこに20万リューベ増えるということになる。8社ということで会社数は少ないけれども、与える影響は非常に大きい。この8社が入ったことにより、大阪府下だけで言えばJISを持っているアウト工場はあと40社になった。今、この40社を入れていこうということをやっている。

 どうやってこれを入れるのか。これは販売店の一元化の問題です。販売店の一元化というのは、今まで販売店はばらばらになっていたんです。商社系の販売店、それに販売協同組合、それともう一つのグループの3つのグループがある。これを一元化しようということです。8月いっぱいまでに必ずそれをやる。もし、大阪広域でできない場合はできる地域からやろうということです。ですから、特にキタがやりやすい状況にあるからキタからスタートすることになると思うんです。

 そしてもう一つは、販売店では4つの条件というものがあります。ここで言っている4つの条件とは何かを説明します。1つは、生コン協同組合の示す販売価格を守ること。2つ目は、与信管理。要するに販売店が扱う物件で不渡りが出た場合は販売店の責任で生コン協同組合が被害を受けないような積み立てをしなさいということです。3つ目は、インとアウトの2者択一。アウトと取引している会社はインとは取引しないということです。4つ目は、適正マージンの確保。この4つの条件を満たせたら、販売店の協同組合はその企業を受け入れなさい、生コンの協同組合もそれを認めなさい、ということに今なっている。そうすると、これはアウトとインの差別化ができるわけです。つまり、残った生コンの40社を加入させることにつながっていくんです。

 それから、ここで書いているPL保険、瑕疵(かし)保険制度、こういうものができました。そして、この8月にはひび割れの少ないコンクリートを開発し、売り出します。この製品は協同組合に加入している会社しか使えない。アウトはPL保険を適用されないし瑕疵保険もない。そして、ひび割れの少ないコンクリートも使えない。インしか使えない。これは最大のセールスポイントになります。

 姉歯の問題とかいろいろな問題で、コンクリートのみならず設計・施工の問題も発生しました。ああいうものに対して働いている側が期待に応えていくようにしようということで一生懸命取り組んだ結果、ようやくこういう制度ができた。ですからこれはセールスポイントに使えるんです。設計事務所、ゼネコン、販売店、行政、こういうところにずっと交渉してこれらを売り込んでいく。これを使えばアウト対策に有効に作用するんです。つまり、需要の創出を一層促進することになる。

 もう一つ、弾圧されてから土曜日稼動が常態的に行われてきた。これは、表向きはアウト対策と言っているんです。ところがこれは、過剰サービスなんです。仕事はないんです。操業率は地域によっては13%しかない。平均しても20%を割っているんです。操業率がそんな状態なのに、何で土曜日稼動をしなければならないんですか。土曜日稼動をすると、本来5日でやっているものを6日かけてだらだらやることになるんです。経済負担は各工場、輸送の各企業にかかります。ゼネコンに対するサービスでそういうことをやっている。

我々は、こういうのはやめようと言っています。過剰サービスなんてする必要はないんです。これは、9月1日から完全にやめることになると思います。5労組が打ち合わせをします。経営者の方も全員が保釈されてきてから流れがそういう風に変わりつつあります。ですからこれは大きな変化ですが、当然のことなんです。

 次に、生コン業界の当面の課題についてですが、要するに生コンも共同事業をしない。やっぱり共同事業を強力に押し進めていく必要があります。レジュメをお読みいただきたいのですが、バラで説明したのと同じようなことを言っております。特に、今日は大阪広域協組に加入している企業も参加しておりますからこの機会にお話しておきますが、この広域協組というのは頭の悪い人ばかりそろっているんです。なぜかと言うと、協同組合でやるべきことをやらずに、やらなくていいことをやっているからです。

 協同組合でやってはいけない最悪のことは、値段を下げる、過剰サービスをする、こういうことです。これでは協同組合が潰れているのと一緒です。適正価格を維持したり、共同事業を押し進めたり、教育をきちんとほどこす、こういうことをやるのが協同組合の仕事です。

 さて最後になりますが、「今日の時代状況と中小企業労働者の解決課題とは」というところです。

 第1に挙げたのが、在日米軍の再編の問題です。在日米軍は沖縄からグァムに海兵隊が約8000人行くということと、それからアメリカ本国から神奈川の方に陸軍第一軍団司令部が移動してアメリカ軍と自衛隊が同居するという方向になっています。

それで、国民には米軍再編のために3兆円の金を使うと言っている。3兆円の金を使うということもとんでもない話だけど、しかし一番恐ろしいのは、アメリカの行う戦争に自衛隊を自動的に参戦させる仕組みをどんどん作っているということです。アメリカという国はいつでも平気で戦争を始めようとする国です。ときには先制攻撃をしてでも戦争を始めようとする。このアメリカ軍と自衛隊が一緒になって戦争をする仕組みを作ろうとそれを強力に押し進めている、これが一番恐いわけです。

 なぜかと言うと、すでに周辺事態法、有事法制度、住民基本台帳法、盗聴法が成立し、それに今、共謀罪の問題が議論の段階にある。あるいは防衛庁を「省」にする問題が議論されています。これらの問題は日米安保に深く関わっているわけですが、この日米安保が質的に変わるということは日本の憲法改悪に直結しているんです。

 憲法改悪というのは、分かりやすく言えば「戦争できなかった国」が「戦争のできる国」になるということです。最近では、朝鮮民主主義人民共和国いわゆる北朝鮮のテポドンの問題で「改憲」を煽りたてております。そして、軍事力をどんどん増強しようとしている。ミサイル防衛システムは1年前倒しして配備しようとしております。経済制裁をしなければいけないということもマスコミが煽っている。国連に対しては、北朝鮮が多大な国際的緊張を与えているから日本の主導で決議をして制裁をしなければいけない、こういう流れがマスコミによって作られています。これは、憲法改悪に持っていくには非常にいいチャンスだと彼らは思っているわけです。

 何もテポドンは日本に向けて撃っているわけではありません。公海上に撃っているだけの話でしょう。日本の近海に来ているわけではないでしょう。あんなに騒ぎ立てる目的は何なのか。憲法改悪の動きに拍車をかけるということでしょう。憲法改悪は誰がねらっているんでしょうか。

 我が国の憲法は103条まである。憲法の基本精神は3つある。1つは基本的人権の尊重、もう1つは主権在民、もう1つは平和主義です。この3つがあることによって、我が国の憲法は世界に冠たるものなのです。そして、憲法ができてから今まで60有余年にわたって日本は自衛隊という軍隊を持ちながらも海外で戦死者を出さなかったし、人を殺さなかったんです。

 まず憲法は、1条から8条までで戦前の天皇制にならないように強力に規制しております。第1章第8条までは天皇を縛るものです。そして、第9条によって平和主義が貫かれているわけでしょう。自衛隊は軍隊なんだけれども、あの9条があるから思うようにできない。今でも(権力側は)戦争をしたがっているけれどもできない。

 それから、国民の権利を保障しているのは、第3章です。憲法の中では圧倒的に国民の権利擁護の方が多いんです。憲法の中で国民の義務とされているのは、3つしかないんです。納税の義務、子どもに義務教育を受けさせる義務、それから勤労の義務です。この3つ以外では全部、我々国民は憲法によって保護されているんです。

 憲法を守るべきなのは天皇であり、国会議員であり、公務員なんです。憲法第99条には、その人たちは憲法を尊重し擁護する義務があると書いてある。国民については憲法を守る義務というのは謳(うた)われていない。

 この憲法を変えるということは、ますます一部特権階級・権力者が弱者である国民を抑えつけて強権的政治をやるということです。そのために憲法を変えようとしているわけでしょう。ますます国民を踏み台にするんです。そして、それにつながることはすでに日米安保の質的変化の中で生まれているということを、我々はしっかりと押さえておく必要がある。

 戦争ができる国になったらどうなるんですか。そうなったら中小企業を擁護するような運動なんかできるはずがないでしょう。労働運動なんかできるはずがないでしょう。民主主義が実現されるはずがないでしょう。北朝鮮がいつ攻めてくるか分からないということでどんどん軍事力を増やしていったらどうなるか。軍事費というのは際限なく膨らみます。お互いに相手の国のことを「脅威だ」と言って、どんどん膨らんでいくんです。

 世界には沢山の国がありますけれど、コスタリカという国は380万人の人口しかいませんが、それでも軍隊なんか1つも持っていない。我が国だって、憲法9条によって軍隊を持てないことになっている。だから歯止めが効いているんです。これを捨てて、日米安保が質的に変わっていき憲法改悪に直結していくとどうなるのか。大変なことが今、起きようとしているんです。

 このことをしっかりと我々が認識し、この時代の流れに流されるのではなくして、こういう危険な動きは止めなければならない。このままでは我々の子ども、孫の時代には大変なことになりかねません。日本の借金は今、827兆円もあるんです。その借金を置いておくだけじゃないんです。憲法が変わってしまうと、これは借金どころの話じゃない、大変な禍根(かこん)を残すことになるんです。

 伊丹十三(いたみ・じゅうぞう)という映画監督がおりました。残念ながらあの人は自殺しました。伊丹十三さんのお父さんの伊丹万作さんも映画監督をやっていたらしいですね。この人の書いた本を拘置所の中で読みました。その中で、あの人は終戦直後にこう言っている。「戦後になったら、国民は『軍部にだまされた』と言っているけれど、だまされた側にも責任がある」ということです。それまで煽られて戦争に協力した国民がいたわけです。だます側が悪いのは決まっているんです。だけど、だまされる側がいるから戦争が起きるんです。

 すでに終戦直後に伊丹万作さんは、「だまされたということで過去を免罪する日本国民は、また同じことを繰り返す」と指摘しているんです。今、日本はまさにそういう流れになりつつあるんじゃないですか。テポドンの問題で80%の人たちが経済制裁をしろと言っている。もっとひどいのは「先制攻撃しろ」ということを言う人までいる。「煽られてだまされた」と言いますよ、また日本国民は。

 だます人間だけでなく、だまされる人間がいるから戦争が始まるんだと言った伊丹万作さんの指摘は、今まさにその通りになってきているんじゃないでしょうか。我々はそういう歴史を振り返った場合、今こそ問題意識を持っている人たちが危険な動きを阻止しなければいけない。今の関生に対する弾圧、ビラ配布・ビラ入れへの弾圧、そして、三井先生のお話にありましたように、まともなことをする人に対して国策捜査を平然とやる、こういう動きに対して「ノー」と言うことが必要です。

 そういう意味で我々は、しっかりと労働組合の役割を果たしていきたいと考えております。

 そういうことで、このKU会の勉強会は重ねて4回になりました。今後とも中小企業にとっても良き理解者ではあるんですが、悪乗りして大阪広域協組みたいにだめにならないようにするのも労働組合の仕事です。これからも中小企業の方にとっては耳の痛い話もしますが、みなさんに刺激を与えるために言っておりますから、是非理解していただきたいと思います。

 私の話はこれで終わります。

 

 

緊急アピール

 

 この間、いわゆる「関西地区生コン支部事件」がどういう性質のものかは、誰の目にも明らかになってきました。

 小泉首相を先頭に、日本政府は日米軍事一体化・構造改革・規制緩和・「小さな政府」を国策として強行してきました。戦争ができる体制を着々と進め、改憲・9条廃棄を政治日程に繰り込みました。また、市場原理主義を押し進め、多国籍企業・大企業は擁護し、中小企業や労働者には過酷な競争を煽り立て、多くの犠牲を強いてきたのです。

 この国策と真っ向から対決し、平和への取り組みや産業政策を旺盛に推進してきた闘いの核心こそが、関西地区生コン支部であった。それゆえの一連の弾圧であったことが白日の下にさらされてきました。

 生コン関連の中小企業経営者は、一人関西地区生コン支部への弾圧ではなく、「事の本質は中小企業運動潰しである」と認識、KU会の結成、組織拡大、緊急救援パンフレット作成、勉強会の開催など、全力をあげて走り続けてきました。また、中小企業運動の再活性化こそが、国策捜査への痛烈な打撃であると考え、経営者団体としての業界再建に取り組んでいるところです。

 しかし、国家権力は執拗です。一旦は保釈しましたが、第4次弾圧を狙い、裁判においては有罪や重刑判決を画策しています。さらに、今回弾圧事件は、「共謀罪」社会、「公安化」する日本を象徴した事件であり、今後の労働組合潰しや各種運動体潰しの典型とされます。大きな反撃体制の構築が求められる所以です。

 そのための有効な手段が署名です。すでに、連帯労組から「関西地区生コン支部に対する『国策捜査』に反対し、『公正裁判』を求める団体・個人署名」が提起されています。KU会では署名集約が大変遅れており、緊張感の欠如が厳しく問われています。署名の目的は、国家権力・司法を圧倒的な大衆的包囲網で追い込み、第4次弾圧を抑制し、有罪並びに重刑判決を下ろさせないという事、この事件を契機に、国策捜査の実態を暴露し、関西地区生コン支部の産業政策・中小企業政策の優位性を宣伝する場にするという事、署名活動を通して、労働者・中小企業経営者が確信をもつという事です。政治資金規正法事件の判決は8月24日ですので、7月末日でそれ相当な署名が集まっていなければなりません。少なければむしろ逆効果にもなります。

 そこで、KU会では、KU会自体の署名活動の強化、関西地区生コン支部の署名活動への支援、経営者の関心を高め、且つ社会的な注目を集めるために街頭署名活動の取り組みを決めました。ちなみに、緊急行動として7月22日(土)正午から1時間、大阪駅前で実施します。

 本日参加頂きました皆様に、あらためて、署名活動の重要性と取り組みの緊急性を訴え、今後、全力で署名活動を展開され、何万何十万の署名が集約されんことをお願いするものです。

以上

 

>>当日配られたレジュメ

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    KU会第4回勉強会

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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