キャラクターミニカー秘密基地プレゼンツ
西部警察・ミニカーSPECIAL

無防備都市ふたたび

英国歴史資料展用に装輪装甲車サラディンが特例で国内に搬入された。
もちろん武装は封印済みだが、木暮の脳裏には、
過去のあの米軍装甲車暴走事件のイヤな記憶が浮かんでいた。
湾岸部の展示場へ輸送されるサラディンだが、少しでも交通のマヒを避けるためには、
どうしても国会議事堂付近を通るルートを取らざるをえないという。

胸騒ぎが押さえきれない木暮は、大門に連絡を取ると同時にガゼールを走らせた。
「緊急事態発生! サラディンが何者かに奪われ、暴走を始めました」

「チッ、イヤな予感が当たったぜ。しかし今度は前のようにはいかない」
ガゼールの車内でこの警察無線を傍受した木暮は、さっそく自慢の車内電話で西部署に待機している大門に連絡する。
「了解、自分以下、西部署の総力をもって事態の沈静にあたります」  
木暮からの連絡を受けた大門は、軍団の面々に指令を出した。


「ハト、一足先に現場に迎え!」
「タイショーは、RS1で情報収集、および事態悪化の際の攻撃に備えろ!」
するとたまたま顔を出し、旧交を温めていた源田が口を出す。
「団長、オレにも手伝わせて下さい」
「解った、ゲン、お前はサファリでサラディンを足止めしてくれるか?」
「そうこなくっちゃ! 前の時にこのサファリがあったらな〜って思ってたんすよ、オレw」
かくして、スーパーZ、マシンRS1、サファリの、西部署が誇る武装パトカーの一斉出動となった。

「こちらハト、現場に接近中、サラディンの通った後はまるで戦場です」
続いて木暮からも連絡が入る
「現場の木暮だ。国会議事郷前でヤツは大暴れしてやがる。
それから、これは極秘情報だが、実はあのサラディン、弾を装填してなかっただけで、
武装を封印した訳ではなかったらしい。向こうは砲身の充填を申し出たそうだが、
こちらの政治家が日本では銃弾が手に入らないから不要だろうと判断したそうだ。」
「ということは、もし海外から弾を持ち込まれたら…」
「その通り、今度こそ、国会議事堂がドカンッってことにもなりかねん…」
「解りました、事態は最悪に近づいてますね。できるだけ到着を急ぎます。」

「ハトです。こちらも到着しました。サラディンは工事現場にあったフォークリフトにしつこく攻撃を仕掛けています」
「木暮だ。こっちからも見えるが、ヤツはコマツに恨みでもあるらしいな」
「きっと、前の時の遺恨だと自分は思います」 なぜか薄笑いを浮かべながら大門もそう答えた。


そこへ大地を揺るがす大音響が響き渡る!


「チクショウ、とうとう発砲しやがった! フォークリフトは消し飛んだもよう…。
いくらコマツの重機に耐久性があったって、コレじゃ一たまりもないってもんですよ」
慌てまくった声でハトがそう伝える。

 


ここはサラディンの内部。
どう見てもアラブ系の若者数人が乗り込んでいて、砲座に座っていた一人が仲間にたしなめられている。
「弾数には限りがあるんだから、無駄使いするんじゃない」
「す、すまん、あのkomatuって文字を見たら、なぜか『ニセモノは許せん』って思いが強く浮かんできたんだ、今後は気をつける」
そこへ、それまで黙ってやり取りを聞いていたリーダー格の男が割って入って、
「まぁまぁ、どうせ試射は必要だったんだし、その分、ちゃんと任務を果たしてくれ」と話を巧く納めた。

「了解、以後気をつけます。さて今度こそ、国会議事堂を狙って…。オヤ、あれは何だ?」
ハトのカタナが高速でカッ飛んで来た。


ジャンプ一番、サラディンの上を飛び越えた黒いカタナは、そのまま反対側をクルクルと走り回る。
あまりに至近距離のために主砲を撃つことの出来ないサラディンはそのバカにしたような動きに翻弄されイラ立ちの絶頂だった。
思わずハッチを開け、直接カタナを狙撃しようとするアラブゲリラ。




「よ〜し、そこまでだ!」
拡声器を通して大門の力強い声が響き渡る。
あわてて声の方に注意を向けると、そこには大門軍団の精鋭部隊が集結していた。
「しまった、あのバイクは囮ダッタノカ!」 悔しがるゲリラ達だったが時すでに遅し…。
「全車、目標、前方の装甲車!」

「ゲン、放水開始!」 「任せてください!」

「タイショーはマシンガン掃射!」 「解りました!」

「ハトは、下がってろ!」  「了解、って、エエッ!」
「バイクだとこれ以上危険だから、ゲンのバックアップに回れ」
 
「自分は催涙ガスを噴射する。全車、行動開始っ!」

大門の号令の元、金色のスーパーZからは催涙ガス入りの煙幕が、サファリからは強烈な放水が、
そしてRSからはマシンガン2丁が、サラディン目がけて一斉に襲いかかる!
ハッチを開けていたサラディンが行動不能に陥るまでにそう時間はかからなかった。




白旗を揚げ、武装解除に応じたアラブゲリラはすっかりシュンとなっている。
自爆用の爆弾も身につけていたのだが、水とガスの波状攻撃によりショートしていたのだ。
「この野郎、こうしてやる!」 ハトはもう動かない装甲車に、カタナでウリウリとチョッカイを出す。

「ハト、もうそのくらいにしておけ」と団長の叱責が飛ぶ。
「相手が縮こまってると、ハトは無敵だなぁ…」 源田がチャチャを入れ、ドッと笑い転げる一同…。

「今回はイギリスからの預かりモノなんで爆破はできれば避けたかったが、何とかなってよかったぜ。
 しかしバカな政治家ってヤツは本当に始末に負えないな…」 なおもジャレ合う部下達を見つめながら木暮はそうつぶやいた。
「これだけ海外の武器弾薬が持ち込まれている実態を知らないんでしょうかね?」と心配そうに大門が訪ねる。
「もちろん、知ってるさ。知ってて、表面上はそういうことをシレッと言ってやがるんだ。」 吐き捨てるように言う木暮に、
「自分にはそういう駆け引きは、皆目見当も付きません……」と返した大門だったが、その言葉も怒りに震えていた…。

 

 

                    完

 

 

 

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