キャラクターミニカー秘密基地プレゼンツ
     ふたごはつらいよ〜あるいはフランケンのマタンゴ〜

富士山での別れから一年、フランケンシュタインは静かに山の中で暮らしています。
ちょっと寂しくなったんで、崖から落ちそうになっているところを助けて仲良くなった
ハイキングに来た人に頼んで、おねえさんにビデオレターを出してみました。

おねえちゃん、お元気ですか?
ボクです、サンちゃんです。

もうずいぶん会ってないけど、ますますキレいになったろうなぁ…。
ボクは泥まみれだけど元気で、山の湖畔で静かにくらしてます。

お友だちもできました。トカゲくんとタコくんで、
最初はケンカしたけどもうすっかり仲良しです。
ただボクの身体はどんどんまた大きくなるので
友だちってよりペットみたいになっちゃった、テヘッw。

ゴハン食べすぎると大きくなるみたいなので、
なるべく水ばかり飲んでるようにしてます。
このままずっとおとなしくしてたら身体が縮んで、
またおねえちゃんと暮らせるかなぁ、そうなったらいいナァ…。

 

 

手紙を受け取ったおねえさんは喜びましたが、新しい外人の上司にはこのことを話しませんでした。
そこそこハンサムだった前任者と違う今度の上司を、彼女はキライだったからです。
女性に秘密はつきもの。よくある話ですね……。

 



ところが大事件が起きました。海でフランケンシュタインを見たという人が続出し、
とうとう、地上に上がって暴れ出したのです。

サンちゃんが山にいることを知っているおねえさんは気にしませんでしたが、
いけすかない同僚は海に出かけてしまいました。



グヘヘヘ、オレ様は、ガイ! 
物心付いたときから海の底で暮らしてきたけど、
もうタコの相手は飽きたし、海の底なんて暗いトコはイヤだから
都会へ出てきたけど、ココはオモロイなぁ!

姉ちゃんは綺麗でウマイしよ、グヘヘヘヘヘ…。

 

 

 

 

 

 

そうなんです、おねえさんがちゃんとしつけたサンちゃんは、人間の食べ物しか食べませんでしたが、
海に流された手首が成長したガイくんは本能のまま何でも食べて、とうとう人間の味を覚えてしまったんです。




大騒ぎになった街では自衛隊が出動して、ガイくんを山へ追い返そうとしていました。
そうなんです、いくらおねえさんが説明しても偉い人は、ガイくんをサンちゃんだとカンチガイしてるんですね。
「ほっとけば海に帰るのに、オトコってバカねぇ…」、おねえさんは一人ほくそ笑んでました。
実はこのおねえさん、夏休みにヨットで島に出かけてから、少し感じが変わった気がするんですが、
バカンス明けに女の人がイメチェンするのもよくある話なんで、誰も不思議には思っていないのでした…。



とうとう自衛隊は山の中のある場所にガイくんを追いつめました。
大部隊で押し寄せて、いろいろ作戦を練っているようですが、
初めて見るガイくんには興味津々の眺めです。逃げるのも忘れて、面白そうに見入っています…。

なんだなんだ、このちっこい連中は?
こいつら喰っていいのかな?
喰いもんくれるなら、山も悪くねぇなぁ…。
ちょっと、まぶしいのはカンベンだけどヨぉ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

準備完了! 発射!!
司令官の命令の元、ガイくんに狙いすました自衛隊の兵器群が一斉に火を噴きます。
一つ一つの威力はさほどではないけれど、これだけ集中されるとやっかいです。


 

 

 

 

 

 





そして自衛隊の新兵器、メーサー殺獣光線砲の威力はケタ違いでした。
すべての集中砲火をくらったガイくんはもんどりうって苦しみます…。
身体をケイレンが走り、もう立ち上がることもできなくなったかと思われたとき、
さらなる巨体が、その前に現れました。

サン「やめろ、仲間をいじめるなぁ〜!」

そうです、騒がしいので様子を見に来た
サンちゃんが、自分によく似た相手が
虐められてるので、見るに見かねて
止めに入ったのです…。

ガイ「な、なんだコイツ…。クセェけど助かったぜ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サンちゃんはそのまま、その緑の大男を自分の住処に連れていき、
名前がガイくんであることと海の底で独りぼっちだったことを聞いて可愛そうになりました。
「ボクにはおねえさんがいたけど、このコには……。」

サンちゃんはガイくんが自分の身体の一部から細胞分裂して生まれたことは知りませんが、
本能で自分の兄弟みたいなものだと解ったのでしょう…。

                                                                                                       サン「お〜い、ガイくん、トカゲくんを知らない?」
ガイ「シラネェよ(ホントは喰っちまったけどなw)」

サン「おかしいなぁ、タコくんはそこにいるけど、怯えてるみたいだし」
ガイ「オレはタコはキライなんだよ、(ボソッ)」

サン「うん、何か言った?」
ガイ「なんでもナイよ、じゃぁな、オレは出ていくぜ」
サン「どうして? 二人上手くいってたじゃないか?」
ガイ「ウッセ〜、バカヤロ〜! オレはオトコはキライなんだ〜!!」
サン「その気持ちは解るけど、お〜い、待てよ〜!」


 

おねえさんと別れて以来、トカゲくんや山ダコくんはいたけど、
やはり寂しくて仕方なかったサンちゃんは、ガイくんをおっかけました。
また自衛隊に虐められてるのを止めようとしたサンちゃんでしたが、
ガイくんがあのおねえさんにヒドイことをしようとしてるのを見て怒り爆発!
あたりのビルを壊しながらの大ゲンカがはじまりました……。

ガイ「なんだよ、お前までオレをいじめるのかよ…」
サン「よくおねえちゃんにヒドイことしたなあ…」
ガイ「あ゙〜、なんだってぇ…。」
サン「あんなに優しいおねえちゃんをよくも…」
ガイ「バカだな、あの女が南の島で何やったか知らんのか?」
サン「ボクは山から出たことない…」
ガイ「オレの身体が小さかった頃、暇潰しに泳いでいったが、
   あの女相当なワルだぜ〜」
サン「うるさい、よけいなこと言うな〜!」
ガイ「グヘヘ、オレ様もあの女からイロイロ教わったのさ…」

サン「だ、黙れ〜!」


 

 

 

 

 

 

二人の戦いはなかなか終わりません。
いくら不死身のフランケンシュタインとはいえ、けっこう疲れてきました…。
いい加減、二人ともウンザリし始めた頃、ある声が響きます……。

「二人とも、オフロが湧いたわよぉ〜!」

そうです、あのおねえさんが、海の方を指さしながら、叫んでいます。
そしてその指さす先には、一面もうもうと立ちこめる湯煙が……。

サン「あっ、温泉だっ! ありがとう、おねえちゃん!」
ガイ「フロだぁ? お〜い、ネエチャンよ〜、お前も入れよ〜!」

口にする言葉こそ若干違いましたが、二人とも疲れ切っていたので、
これ幸いとばかり、海へ向かいます。

 

サン「ああ、いい湯だ〜、疲れも取れちゃうよ〜」
ガイ「コレで隣がお前じゃなけりゃな〜」

すっかり上機嫌の二人でしたが、
海底火山の活動は激しくなる一方で
海の温度はどんどん上がっていきました…。




サン「ああ、だんだん気が遠くなってきたけど、
   向こうにはおねえちゃんがいるし、
   すぐ隣にはガイくんも一緒だし、
   もう寂しくないからこのままでもイイや…」
ガイ「ウゲゲ、マジすか? またハメられたのか?
   島でも騙されたし、こうなるって解ってたのにな〜」

  

海の噴火はもう辺り一面を真っ赤に染め、あたかも地獄の様相です。
その燃えたぎる熱波に顔を赤く染めながら、お姉さんは婉然と微笑みます。

「ウフフ、これですべて計算通りね…。サンちゃんの手紙を黙ってたのも、
 ガイくんが生まれたことを報告しなかったことも、これでもう誰も知らないわ…」

「まぁ、手紙の事なんて『ウッカリしてました』で済むけど、
島のことを知られるわけにはいかないもの…。」
「これで仲間以外で島のことを知る者はもういないから、しばらくの間安全ね。
フランケンの坊やはどうせまた復活するだろうから、
そう長い時間じゃないでしょうけど、それで充分だわ………」

おねえさんはそうつぶやいてもう一度妖艶に微笑むと、
ポケットから何か出して、一口かじりました。
そう、南の島から持って帰ってきた、あのキノコです。

島で一体何が起こったのか、そしておねえさんの微笑みが何を意味するのか、
それは、我々人類には永遠の謎となるでしょう。
そう、女性が持つ秘密が暴かれることは永遠にあってはいけないのと同じことなのです…。
もし、謎が解ける日が来るとしたら、それは我々が人間でもない、フランケンシュタインでもない、
第3の生物に成り果てた時なのかもしれません………。

 

         

 

 

 

               

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