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巨竜の口から戻るイアソン

この絵のテーマとなったイアソンとメディアの話
『ギリシア神話』英雄の時代カール・ケーニエ植田兼義訳の要約。
アマタスは風の神アイオロスを祖とするテッサリアの王。ネペレ(女神)はアマタスと結婚し、プリクソスとヘレを生む。ところがアマタスはネペレを見放して、地上の女イノと再婚した。イノは姉妹のセメレの息子ディオニュソスの乳母となって養育した。デォニュソスはゼウスがセメレに浮気をして生まれた子なので、デォニュソスを養育したイノはヘラの怒りを買い狂わされた。 イノは夫アマタス王の先妻の子、プリクソスとヘレを殺そうとした。ネペレは2人を救うために、空を飛ぶ黄金の羊が二人のもとに送った。兄妹を背中に乗せた羊は,王の館を脱出し東へ東へと飛んだが、あまり高くあがったので、ヘレは目がくらんで海に落ちておぼれてしまった。プリクソスは無事に黒海の東岸コルキス国に着いた。彼はコルキスの国王アイエセスに暖かく迎えられ,王の娘と結婚し幸せに暮らした。プリクソスは命が助かったことの感謝から空飛ぶ黄金の羊は神への犠牲とし、黄金の毛皮はアイエセス王に贈った。アイエセス王はこの金羊毛皮をアレスの聖地の一本の柏の木にかけ、恐ろしい巨竜に守らせた。プリクソスの話はこれでおしまいだが、アイエセス王の娘にメディアがいたことを付け加えておく。
プリクソスがコルキスの地で死んだあとのお話
次期テッサリアのイオルコスの王となるアイソンはぺリアスに王位を奪われ幽閉されてしまった。その後、ぺリアス王のところに片方の足のサンダルを失ったイアソン(アイソンの息子で賢者ケイロンに養育された)があらわれた。ペリアス王は片方の足のサンダルを失った男に命を奪われるとの神託が下っていた。ペリアスはイアソンを警戒して、イアソンに金羊毛皮を取ってくるように命じた。そこで、イアソンを首領とするギリシアの英雄が勢ぞろいしてアルゴス船に乗ってコルキスに出発した。この遠征に参加した一行をアルゴナウタイ(アルゴ乗組員一行)と呼ぶ。楽士オルフェウスや北風の神ボレアスの息子カライスとゼテス、レダの息子カストルとポリュデウケス、ペレウス、テラモン、さらにはヘラクレスなども参加した。蒼々たるメンバーだ。いくつかの冒険を経てコルキスにたどり着くと、イアソンはコルキスのアイア王に一人で会った。無理難題を命じられるが、メデイア(アフロディテの命によりエロスが矢を射て、メディアがイアソンに恋したので助けた)に助けられ、金羊毛皮を手に入れることができた。イアソンはメデイアを連れてイオルコスに戻った。このときすでにペリアスは死んでいた。
1テッサリア(イオルコス)出発 9南イタリア(キルケ)
2レムノス島(レムノスの女たちと交わる) 10カリュプディスとスキュラ
3サモトラ島(オルペウスの密議に入信) 11コルフ(バイアケス人)
4キュジュコス(王と住民を虐殺) 12リビア(砂漠)
5ビテュニア(ヒュラスの失踪・ヘラクレスの離脱) 13クレタ島(巨人タロス)
6トラキア(ピレウスとハルピュイアたち) 14アイギナ島
7シュムプレガデス(アルゴス号、青い岩を通過) 15イオルコスの帰還
8コルキス(金羊毛皮を獲得) 16イアソン、コリントに死す
8と9の間(ゼウスが嵐を起こす、アルゴス号放浪、航路には諸説あり)
イアソンはコルキスにつくと、同行の英雄をおいて、一人でアイア王に会い金羊毛皮の返還を求めると、アイア王はイアソンに無理難題を要求する。そして、王は金羊毛皮を守る巨竜の中にイアソンを押し込めてしまう。気絶したイアソンが巨竜の口から噴出されたところに、メディアが薬を持って助けに来た場面を描いている。背後の木に金羊毛皮が掛かっている。
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