愛知県尾張地方の図書館探訪

一宮市立豊島図書館蟹江町図書館春日井市立図書館大口町立図書館豊明市立図書館栄分室

一宮市立豊島図書館
一宮市本町通8-11大きな地図で見る
TEL(0586)72-2343 FAX(0586)23-2136
【開館時間】平日・土曜・日曜共に9:00〜17:00、6月〜8月までは祝日を除き、火曜日から金曜は19:00まで 延長
【休館】月曜日(祝祭日は開館)・祝祭日の翌日・第3木曜日・年末年始・整理期間
【交通】JR尾張一宮駅・名鉄一宮駅から徒歩10分

【利用者サービスガイド】
開館時間★★★
貸出資格★★★
貸出冊数10冊2週間
ネットPC
COPY
セルフ
公式サイトhttp://www.lib.city.ichinomiya.aichi.jp/

 一宮市の中央図書館。地元では「豊島図書館」と呼ばれ親しまれている。まず、気になるのは「豊島」の由来。住所でもない し一体なに? ここから探求してみると、元々は一宮市立図書館という名称だったが、1965年に建替えの際、当時の一宮商工会議 所会頭の豊島氏が敷地を寄付したことを記念したのだという。ここに限らず、公共図書館では実業家が図書館用地を寄付する例は 意外と多い。病院のように「○○記念病院」などと開業者の人名を入れる名称はあるが、図書館名で人名が入るケースは東海地方で は珍しい。
 築40年近いこともあって建物は古めかしい。設備の老朽化は散見されるが、機能面で見劣りする部分は特になく、現在でも十分 通用するレベルだ。なぜか2階と3階が吹き抜けになっているのは、当時の図書館建築としては画期的だったかもしれない。1階 の文学書架も不自然なつくりのため、書架増設のために拡張させた形跡を感じる。少し前までここは児童室だったが、一宮市はこ れを「一宮子ども地域広場」(児童図書館)として郊外へ独立させたため、児童書はそちらへ全面移管し豊島図書館から児童室は無く なっている。
 繊維の街らしく3階には「せんいコーナー」があって、繊維に関した書物・業界紙などの資料が収集されている。郷土資料関連は 閉架書庫に納められているので、請求する必要があって不便。ビデオ・DVDなどは隣接する別館にある。本館との連絡通路はなく地上 まで戻らないと行き来できないのと、館内に視聴ブースが少ないので不便。ただ、所蔵量は多い。
 一宮市は尾西市と木曽川町と合併したが、尾西・木曽川の両図書館も内容的に充実しているおり、新生一宮市の図書館レベルは大 幅に向上している。豊島図書館の駅前移転計画もあり、今後も一宮市の図書館は進化を続けていくことだろう。

蟹江町図書館

海部郡蟹江町大字蟹江新田字札中地101-1大きな地図で見る
TEL(0567)95-0605 FAX(0567)96-4955
【開館時間】平日:9:00〜19:00、土曜・日曜共に9:00〜17:00
【休館】月曜日(祝日の場合はその翌日)、国民の祝日と休日、毎月末日(その日が休館日のときは その翌日)、年末年始、特別整理期間
【交通】近鉄「富吉」駅徒歩15分、又は近鉄「蟹江」駅徒歩20分、JR「蟹江」駅からは歩いて行けない(2km以上ある)ので注意。

【利用者サービスガイド】
開館時間★★★
貸出資格★★★★
貸出冊数7冊−15日
ネットPC
COPY
セルフ
公式サイトhttp://www.town.kanie.aichi.jp/kakuka/toshokan/index.html
(2006.01.22訪問、2006.02.25公開)
 近鉄電車の線路に沿って歩く。富吉駅前には肩ぐらいの高さに「海抜−0メートル」という看板があっ て驚いた。さすが、海抜ゼロメートル地帯。日光川に架かる橋から蟹江町図書館を眺めると、図書館が水 面の下に位置するのを見て、改めて地域の事情を知ることができる。さぁ、図書館へ突入だ。
 1998年6月開館の図書館は公園の中にある。正面玄関を入ると右手に児童書コーナー左手にカウンター、 そして一般書架が広がる。郡部の図書館では児童室も一緒のワンフロア型図書館が多いが、玄関前正面通 路を挟んで分離されている。その児童書コーナーでは文学を出版社ごとに集める珍しい配架方式を導入し ている。シリーズもので集めることは多いが、出版社別に並べるのは珍しい。
 一般書架へ移る。カウンターあたりから眺めると少々圧迫感のある書架フロアだが、背の高い書棚を導入 して蔵書拡充を図っている。また、書棚の脇にはイスが置かれており非常に助かる。ここにも畳敷きコーナ ーがあるが、ここは掘りごたつ風になっているスペースや背もたれ付きのイスがあり、靴を脱いでゆっくり と本を読むことができる。郷土資料コーナーでは、海部郡地域の資料の揃えが良い。また、蟹江出身の著名 人として、明治時代の小説家・小酒井不木と建築家の黒川紀章に関するコーナーがある。ところが、黒川の 著書には「名古屋市出身」とある書物が多い。どちらが正解なのだろうか。
 この図書館には奇妙なオリジナルルールがある。まず、コピーは完全セルフサービスなのだが、コピー終 了後に職員にコピーをすべて渡すこと。要はコピー枚数を職員が数えて確認するだけなのだが、そこまで厳 格にしている図書館も珍しい。更にすごいのは本の貸し出し手続業務を平日は閉館時間の30分前、土日は閉 館時間の15分前に受付を終了してしまうのだ。館内には案内掲示の他に時間になると館内放送もあるので利 用者にはわかりやすいのだが、時間になると職員氏はサッサと端末(パソコン)の電源を落としカウンター の席をはずしてしまう徹底ぶり。これには驚かされた。これは利用者の間でも賛否両論あると思う。
 私が行ったのは日曜日だったので、「職員がその後の15分間どうしているのか」というのが気になって、 時間ギリギリまでカウンターの近くで観察していた。カウンターには3人おり、1人は返却窓口要員であ ったが、あとの2人は書架の整理を行うのでもなく館内の戸締りをするのでもなく、ただボーっと立って いただけだったのはちょっと残念だった。

春日井市図書館
春日井市鳥居松町5-44大きな地図で見る
TEL: (0568)85-6800 FAX:(0568)82-0213
【開館時間】平日・土曜・日曜共に9:00〜20:00
【休館日】月曜
【交通】JR春日井駅から徒歩15分。JR春日井駅・名鉄小牧駅から名鉄バス「鳥居松」バス停から徒歩3分、 又はJR勝川駅から名鉄バス「春日井市役所前」バス停徒歩3分。

【利用者サービスガイド】
開館時間★★★★★
貸出資格★★★
貸出冊数10冊−15日
ネットPCあり
COPY
セルフ
公式サイトhttp://www.lib.city.kasugai.aichi.jp/

春日井市役所となりにある「文化フォーラム春日井」という複合施設の3階・4階にある。開館時間 が長いため、いつでも利用できる利便性に富んだ図書館。周囲にコンビニ・飲食店も多い1日滞在型の 図書館で、郷土資料など地域の歴史などの調べ物で私が良く利用する図書館の1つでもある。
 3階は一般実用書・児童書・雑誌・新聞の他に、「書の街」らしく書作品や複製絵画のコーナーがあ って、これらの貸出サービスがある。閲覧席の中には畳敷きのコーナーもあって、靴を脱いでリラック スしながら本が読めるのも嬉しい。児童室も広く充実しており、東海地方有数の規模である。
 4階の「東海学コーナー」と呼ばれる郷土資料コーナーはこの図書館の名物である。春日井市及び周 辺地域だけでなく愛知県全域の郷土資料、そして岐阜・三重の両県の郷土史誌も充実している。この分 野では全国各地の史誌を収集している豊田市中央図書館が最強だが、あちらは東海地方でも未収集の市 町村史誌があるので、東海地方に限ればこちらが最強なのかもしれない。少し前までは東海3県に加え、 静岡県遠州・滋賀・福井・石川の郷土史誌も並んでいたが、どうも書庫に移動した模様。館内の端末で 検索すればいいのだが探すのが面倒なので、こういう書物はコーナーの書架に目録を置いてくれると 助かる。また、4階には「スカイフォーラム」という広い空中庭園もあって息抜きにちょうどよい。
 惜しいのは雑誌の種類がちょっと少ないことぐらいであろうか。
 時間があれば、この建物の2階にある「日本自分史センター」も、ぜひ立ち寄って欲しい。こちらも 図書館と二分する文化フォーラム春日井の名物である。春日井市は自分史を重要な文化事業の1つに位 置付けているようで、ここは国内で出版された自分史を収集する専門図書館となっている。ここには自 分史製作の専門家もいて、自分史の製作相談や自分史製作教室も開かれているというから驚きだ。
 自分史は自分の生い立ちを書いたものだけでなく、エッセイや詩集作品など自分の残した記録全般を 指すらしい。蔵書のなかには戦争で生死を彷徨った話など読み応えのある作品も多い。自分史は歴史の 波に埋没されないために書き残すという資料としての意味もあるが、その本質は自分を見つめ直し文章 化することで明日からの自分の歩みを見つけることらしい。未来探しのヒントがここに隠されているか もしれない。

【画像】左:児童室、右:日本自分史センターの書架。すべて自分史の本です。

大口町立図書館
丹羽郡大口町伝右1-47 大口町福祉会館3階大きな地図で見る
TEL:(0587)95-3999 FAX:(0587)95-0341
【開館時間】平日・土曜・日曜・祝日共に9:00〜17:00
【休館】月曜日・火曜日・月末(祝日の場合は翌月第1水曜日)・年末年始・特別整理期間
【交通】名鉄犬山線柏森駅又は江南駅から大口町コミュニティバス健康文化センター下車徒歩3分

【利用者サービスガイド】
開館時間
貸出資格★★
貸出冊数10冊2週間
ネットPC
COPY
依頼式
公式サイトa href="http://www.lib.oguchi.aichi.jp/

 図書館へ行くまでが何しろ大変だった。愛知県の平野部にありながら、数年前まで公共交通機関がま ったく無い街だった。巡回バスが2003年6月から試験運行され、最近ようやく本格運行を始めたらしい。 私は結局、名古屋から1時間かけてスクーターで乗り込むことにした。公共施設が集まったエリアにあ って、温水プールと立派な健康文化センター(ほほえみプラザ)に挟まれたやや古い建物が大口町福祉 会館で、そこの3Fにある。
 玄関らしいものが無く(階段には扉があるが簡素なもの)、エレベーターで3Fへ向かうと、いきな り開架書架のなかへ飛び込む格好である。本の歓迎を受けるのは本好きには嬉しいのだが、一見さんは ちょっと驚く。開館当時は3Fの半分ほどのスペースを図書館として利用していたが、蔵書の拡大等で 容量限度を超えたため、3F全体にスペースを拡大したのだろうと推測される。町内の行政資料は開架 されているが郷土資料は原則的に閉架。
 町内への通勤通学者への図書貸出可能は今時珍しくはないが、通勤者の家族や隣町の名古屋経済大学 の学生も貸出可能にしている。ただ、コピー用紙はB5・A4の2サイズのみ。更に月曜・火曜は毎週 連休、3連休も年数回あるのは不便である。大口町は将来新図書館を建設する計画もあるらしい。 新図書館開館までには利用者サービスを改善して欲しいものだ。

豊明市立図書館栄分室
豊明市新栄町二丁目295番地 (豊明市立栄小学校内)大きな地図で見る
TEL(0562)96-0084
【開館時間】平日・土曜・日曜共に9:00〜17:00
【休館】毎週月曜日、毎月月末日、祝日の翌日 、年末年始(12月28日〜1月4日) 、特別整理期間(年1回・15日以内)
【交通】名鉄前後駅から徒歩20分

【利用者サービスガイド】
開館時間★★★
貸出資格
貸出冊数10冊−15日
ネットPC
COPY
依頼式
公式サイトa href="http://www.city.toyoake.aichi.jp/tosho/sakae.html

 これまで数多くの図書館を訪れたが、この図書館ほど見つけた時の衝撃を強く感じた事はない。なんと、 小学校校舎の一部を図書館として間借りしているのだ。文化会館や公民館などの同居型図書館とい うのは公共図書館ではよくあるパターンだが、まさか学校との同居とは。こんな公共図書館があるとは思 わなかった。
 図書館は不特定多数の者が訪れる。最近は学校に不審者が侵入する事件も相次いだので、保安上大丈夫 なのかと思うのだが、不審者対策として図書館から他の教室及び校庭へは進入できないようになっており、 小学生への心配はないようだ。図書館の入口は小学校の正門からではなく、校舎北側の勝手口のようなと ころにある。館内は土足厳禁。スリッパに履き替えて入館する。
 館内は一般教室よりは広く、理科室など特別教室ぐらいのスペースで一般的な分館・分室レベルの内容 はある。付近は新興住宅地のためか、児童書の比率がやや高いように思える。一般書は広く浅いラインナ ップで専門書は少なめ。この類は中央図書館を利用すればいいという豊明市の方針なのだろうか。
 少子化の影響で小中学校の空き教室が増えており、スペースの有効活用を指摘する声が多いという。 学校の敷地内ということもあって、児童生徒の安全を確保するのが第一ではあるが、強固な防犯対策を 行うことによって、図書館を誘致し地域住民との交流の場にすることも可能だと思う。この図書館は、分 館のモデルケースといってよいと思う。図書館が遠い地域や、いまだに図書館すらない自治体に図書館サ ービスの展開・拡充する施策の一つとして使える。行政関係者の皆さん、この図書館はいい見本だと思う よ。

図書館探訪メインへもどる

広隆堂メインページへもどる