三重県の図書館探訪

【県立図書館】三重県立図書館
【北勢地区】 四日市市中央図書館桑名市長島輪中図書館いなべ市大安図書館
【南勢地区】 松阪市図書館伊勢市立伊勢図書館
【東紀州地区】 尾鷲市立図書館紀宝町立鵜殿図書館
【専門図書館】三重建設図書館

四日市市中央図書館
四日市市久保田一丁目2番42号大きな地図で見る
TEL:(0593)52-5108
【開館時間】平日:9:30〜19:00(ただし、児童室、学習室は午後5時まで)、土曜・日曜:9:30〜17:00
【休館日】月曜、第2・第4金曜日、年末年始・特別整理期間
【交通】近鉄四日市駅西口から徒歩15分。又はJR四日市駅・近鉄四日市駅から市立病院方面行きの三重 交通バス又は三岐鉄道バスに乗車。「市立図書館前」バス停下車徒歩3分(JR四日市駅からは三岐鉄道 バスの方が早く10分ほどで着く。三重交通バスは旧市街地へ寄り道するので倍以上の時間がかかる)。

【利用者サービスデータ】
開館時間★★★
貸出資格★★
貸出冊数10冊2週間
COPY
セルフ
ネットPCあり
公式サイトhttp://www.city.yokkaichi.mie.jp/library

 県庁のある津市を凌ぐ、三重県最大の商工業都市・四日市。しかし、その四日市の図書館は意外とこじ んまりとしている。1970年代の建物にしてはセンスがよく、1階と2階大部分はガラス張りの吹き抜け。 直射日光を避けたのか北向きになっている珍しい造り。1階の書棚は高さ2m程で収容能力が高く、蔵書 数も多い。この図書館は肝心の1階はイスが少ないのが難点だが、3階の自習室はかなり広く座席も豊富 である。3階にはテラスもあって70年代にしては設計センスある建物だと思うのだがイスが無いのが惜し い。
 1階奥の螺旋階段を登ると郷土資料室。部屋自体はあまり広くないのだが、資料の整理が上手で一元さん でも見やすいポイントを押さえた配置であると思う。四日市をはじめとする北勢地方の図書館は三重県全 域の資料収集がやや弱いので、四日市の充実ぶりはやや目立つ。ここには職員も常駐しているので、レフ ァレンスは期待できそう。コピーは郷土資料室のみに設置。コピーサービスは閉館15分前に終了してしま うので注意。
 この図書館の名物は2つ。まずは人権・同和関係図書コーナー。三重県は県全域でこの問題には熱心で、 愛知県民としては三重県らしさを感じる場面でもある。四日市市は人権尊重都市宣言をしている事もある せいか、この分野に力を入れている。歴史書だけでなく文学までカバーしており守備範囲は広い。差別に ついては古代の奴婢に関する資料まであって驚かされる。児童室にも子供向けの資料があ る。もう一つは2階にある四日市出身の文化勲章受賞作家・丹羽文雄の資料を集めた丹羽文雄資料室。作品 はおろか直筆原稿など個人にまつわる資料展示もある。通常、2階の入口は防火扉で閉鎖されているが、1階カウンターに見学を申し出ると無料で見せてくれる。

長島輪中図書館
桑名市長島町源部外面337番地(ながしま遊館内)大きな地図で見る
TEL:(0594)41-1040、FAX:(0594)41-1044
【開館時間】平日・土曜・日曜・祝日:9:00〜18:00
【休館日】月曜、毎月最終水曜日、年末年始(12月28日〜1月4日)・特別整理期間
【交通】三交バス「姫御前団地」徒歩5分。JR・近鉄「長島」駅から南へ約2km。「なばなの里」から徒歩10分ほど。長島駅前から桑名市福祉バス「すいごう」が図書館前まで来るので便利だが、運転本数が少なすぎて使えない。

【利用者サービスデータ】
開館時間★★★
貸出資格★★
貸出冊数10冊15日
COPY★★
セルフ
ネットPCあり
公式サイトhttp://nagashima.kuwana-library.jp/

(2006.05訪問、2006.07.15公開、2006.10.25修正)
 保育所や陶芸教室、そしてプラネタリウムまである総合文化施設「ながしま遊園」の一角にある長島輪中図書館は、2006年4月に桑名市内3番目の図書館として開館した。外装は木造のように見えるが館内はコンクリート打ちっぱなしのワンフロア型図書館である。館内にはBGMが流れ、気分を落ち着かせる。桑名市の図書館といえば日本初のPFI方式を採用したことで知られるが、同じ桑名市の図書館でも桑名市中央図書館のように「TRC(図書館情報センター)」のユニホームを着た館員はいない。ここの館員は桑名市の職員らしい。ただ、書架は桑名市中央図書館とよく似た構成である。土地柄なのか、園芸・農業・植物関連の蔵書がやや多め。
 ここの名物は「アメリカンコーナー」。旧桑名郡長島町時代に名古屋の国際センターにある「名古屋アメリカンセンター」と提携し定期的に資料の交換を行っているらしい。海外資料が「地球の歩き方」程度しかない図書館もあるなかで、世界各国のパンフレットや資料の充実振りは小規模図書館では群を抜いている。また、長島町時代に選定された「水の郷百選」に関する資料や他の「水の郷」市町村に関する資料、長島町時代に友好関係を結んだ北海道苫前町に関する資料もある。平成の市町村合併で旧郡部の特徴が失われつつあるなかで、桑名市の一部となっても旧長島町時代の伝統を図書館の特色に出すのは大変立派であり良い傾向だと思う。他の郷土資料では、館名にもなった「輪中」や「長良川河口堰」「長島の一向一揆」に関する資料もある。
 開館当初の蔵書量は3万冊ほどらしい。書棚には十分余裕があり、最大で8万冊(うち開架6万冊)の収容能力を持つという。南北に細長い長島町の中央部にあるが、交通の便が悪いのが残念。ちなみに源部外面 は「げんべども」と読むらしい。「ども」とは絶対に読めない。難読地名だ。

いなべ市大安図書館

いなべ市大安町大井田1305 三岐鉄道大安駅内大きな地図で見る
TEL&FAX(0594)87-0021
【開館時間】平日:9:30〜19:00、土曜:9:30〜17:00、日曜:9:30〜17:00
【休館日】月曜・第4金曜日・祝日(月曜の場合は開館)
【交通】三岐鉄道三岐線大安駅徒歩10秒

【利用者サービスデータ】
開館時間★★
貸出資格★★
貸出冊数5冊2週間
COPY
セルフ
ネットPC
公式サイトhttp://www.city.inabe.mie.jp/book/daian.html

 旧大安町時代の昭和61(1986)年3月25日にオープン。床面積は501uで蔵書冊数は52,891冊(平成22年3月末現在)。三岐鉄道大安駅併設の図書館である。今でこそ、駅併設型の図書館が珍しくなくなったが、その先駆的な図書館がこちら。徒歩10秒と書いたのは別にウケ狙いでもなく、実際には改札口から3秒あれば到着する。三岐鉄道では普通乗車券においても途中下車制度があり、この駅より先の区間の乗車券を持っていれば金額・距離の如何を問わず大安駅に寄り道することができるので大変便利だ。員弁(旧・員弁町)を筆頭に、いなべ市の各図書館は総じてやや貧弱なのであるが、ここは別格扱いのようで開館時間もここだけは30分後へずれている。
 典型的なワンフロア型図書館なのであるが、駅併設の賜物か鉄道関連図書が非常に充実しているのがこの図書館の名物である。公共図書館として、東海地方有数のレベルの高さである。特に鉄道雑誌「鉄道ファン」「鉄道ピクトリアル」は1960年代からの蔵書があり、当時の事情を知る上で貴重なものである。私は乗り物好きなので、訪れるたびに鉄道の黄金時代である当時の資料を時間が過ぎるのを忘れるほど堪能し、至福の時間を過ごさせていただいている。乗り物好きにはぜひおススメの図書館だ。

尾鷲市立図書館
尾鷲市中村町10 -41(尾鷲市立中央公民館2階)大きな地図で見る
TEL:(0597)23-8282
【開館時間】平日:9:00〜19:00、土曜・日曜:9:00〜17:00
【休館日】 毎週月曜日・第3日曜日・毎月月末・祝日・年末年始
【交通】JR尾鷲駅徒歩15分。

【利用者サービスデータ】
開館時間★★★
貸出資格★★
貸出冊数5冊−15日
COPY
依頼式
ネットPCあり
公式サイトhttp://www.city.owase.lg.jp/
「教育・文化」→「図書館活動」の順に進んでください。


(2006.08.22訪問、2006.10.29公開)
 初めて行ったときには大きな図書館だと驚いたが、中央公民館との一体型施設であることが判明。80年代の図書館にありがちなレン ガの外壁。まぁ、よくあるパターンである。さっそくエレベーターで2階へ上がると、いきなり新聞の閲覧フロアに出た。「扉の向こ うには図書館のなか」というケースは、愛知県大口町の図書館以来だ。実質的には蔵書拡充のため新聞閲覧フロアだけが外へ追いやら れた格好だが、新聞は入口にある方が便利なので、すぐ手に取れるから便利なのかもしれない。。館内に入ると机があって「入館者は “正”の字を記入してください」という書き置きがあり、初めて訪問する者を驚かせた。入館者数調査でもしているのかと思ったが、 2005年6月の訪問に次ぐ2度目の訪問でもやっているということは、どうも1年中やっている模様。愛知県公文書館など一部の専門図書 館では、閲覧資料の冊数やその資料名、利用者の性別・年齢などを記入することはあるが、街の公共図書館で行うのは珍しく他の図書館 では無い尾鷲独特のローカルルールだ。訪問記念も兼ねて正の字を書かせてもらって館内に入ることにする。
 館内はL字型。「正」の字テーブルの右手には児童書コーナー。左には病院の受付みたいな窓口がある。無人なのかと思わせたが奥に 館員氏がいた。その奥に一般書架の構成である。図書館自体は市としては小さいのだが、ただ、一冊でも多く所蔵したいために隙間に 書棚を置くなどの工夫が見られる。所蔵充実のため、雑誌と新聞はエレベーター前に移設しているのだろう。奥の右手には閲覧コーナー として、イスと机がズラリと並んでおり、すっきりしたレイアウトだ。重要な郷土資料はカギのかかったガラス棚に所蔵されている。小 さな図書館であるが館員氏の努力を感じる図書館である。
 1つ苦言を呈すると、この図書館のサイトの場所が非常に分かりにくい。市役所メインページからのアクセスが大変だ。図書館だけ でも独自アドレスを確保した方がいいと思う。三重県の市で最後まで公民館図書室だった尾鷲市。図書館システムの近代化が少し遅れて いるように感じた。
 
図書館の入口 「正」の字を書いてください

紀宝町立鵜殿図書館

三重県南牟婁郡紀宝町鵜殿1410 大きな地図で見る
TEL:(0735)32-4646 FAX:(0735)32-0251
【開館時間】平日:9:30〜18:00
【休館日】月曜、祝日(月曜日の場合は翌日)、毎月最終木曜、年末年始・特別整理期間
【交通】JR鵜殿駅から徒歩10分、三重交通バス堤谷バス停から徒歩5分

【利用者サービスデータ】
開館時間★★★
貸出資格★★★★★
貸出冊数町民:10冊2週間
その他:5冊2週間
COPY
依頼式
ネットPCあり
公式サイトhttp://lib.town.kiho.mie.jp/

(2006.08.22訪問、2010.05.22再訪、2006.10.29公開、2010.06.25更新)
 三重県最南端の図書館は名古屋からクルマで5時間、お隣は和歌山県新宮市という県境に位置する紀宝町鵜殿にある。ここまで来ると 東海地方というよりは近畿地方の色合いが明確となる。電話番号は近畿地区と同じで「07」から始まるし、電柱には関西電力のマー クがあり、三重交通のバスもなぜか和歌山ナンバーだった。ここは平成の市町村合併で紀宝町の一部となったが、最近までは「鵜殿 村」という自治体であった。鵜殿村は全国の自治体の中でも最も小さく面積2.88kuしかないミニ村だった。ピンとこないけど、東西2km ・南北1.5kmと聞くと何となくわかってくる。徒歩でも1時間ほどで村を1周できる人口も5000人ほどの小さな村だったのだ。
 国道42号からJR紀勢本線の小さな踏切を渡り、細く緩やかな坂道の途中にある。看板らしいものは一切発見できず、初めて訪問した 時(2005年6月)は村を車で走りまくった。1992年7月に鵜殿村立図書館として開館。東紀州地域で唯一、独立した建物の図書館。尾鷲 市や熊野市も公民館や文化会館の間借りだっただけ(2005年当時)に、この地域の図書館では鵜殿図書館がちょっと立派に見える。郡 部、しかも村となると図書館整備が遅れているところが多いが、鵜殿村は幸運にも村に紀州製紙の工場があり、税収面で比較的豊かだ ったからだという。ミニ村だったこそできる細かい施策の1つが図書館だったのだと思われる。では、三重県最南端の小さな街の図書館 へ潜入だ。
 1階・入口を入ると新聞・雑誌のフロアがあり、右へ曲がるとワンフロア型の開架書架全体を見渡すことができる。左手にカウンター ・その先に児童フロア、右手が一般書架となる。そして、新聞フロア前の階段を上がった2階は学習室などがある。郡部の図書館として は書架構成は標準的な内容。蔵書量は2万冊程度だろうか。児童フロアだけは土足厳禁。ただ、開館して10年以上経っているのに本が全般 的にきれいで、館内も視覚的にシンプルなんだけど妙に落ち着く。しかしまぁ、本当に静かな図書館だった。夕方だというのに人もまばら。 1時間近くいたが、館内は私のほかに2名ほどの来館者のみ。館員氏は奥にこもったままだった。ただ、この図書館は近隣住民の穴場 スポットとなったようで、図書館の利用が激増している模様。紀宝町の財政難から新規購入にも限りがあるため、平成20年4月から町外 在住者への貸出冊数を半減させたという。小さな図書館だけに読書の機会均等を図るべくやむを得ない選択だったのだと思う。不便を被る 近隣自治体住民の人いるだろうが、そういう人は地元に図書館設置又は拡充を訴えるべきだ。街の高台にあるので鵜殿の町並みを見る。 鵜殿のランドマークである製紙工場の煙がたなびいていた。
図書館の外観 図書館から鵜殿の町並みを望む

開館時間
貸出資格★★★★
貸出冊数3冊2週間
COPY
依頼式
三重建設図書館公式ホームページ

津市桜橋2丁目177番地の2 (社)三重県建設業協会内
TEL:(059)229-2570
【開館時間】9:00〜16:30(ただし、12:00〜13:00は昼休みのため閉館)
【休館日】土曜・日曜・祝日・年末年始・特別整理日
【交通】JR・近鉄「津」駅東口徒歩10分。又は津駅前からサティ行き三重交通バス「島崎町」バス停前

 図書館がPRのためにTVCMを流すなんて前代未聞なのであるが、この図書館はそれをやってしまった。野 球中継・競馬中継・テレビショッピングが3本柱の三重テレビ(33ch)で流れるCMは、濃いローカルCMの 多い三重テレビでも特色あるCMとして有名で、県内だけでなく三重テレビが視聴できる愛知県でもその名 は知られている。図書館めぐりを趣味とする私もぜひ訪れたいと長年思っていた図書館である。津駅東口 からひたすらまっすぐ歩くと到着する。部外者がアポ無しで乗り込みにくい建物だが、事前予約や入館許 可手続きなどというものは一切ない。表通りの建物には「三重建設図書館」の文字もあり、確認のうえで 突撃。

 しかし、そのビルには図書館が無い事が発覚。館内の案内に従うと一旦建物の外へ出て、敷地内の増設 された小さな建物に案内される。これが三重建設図書館だという。TVCMにはえらくだまされたものだ。た だ、建物の新しさからして図書館の蔵書拡充のためにビルから独立したのではないかと思われる。

ちなみに右が(社)三重県建設業協会本館。TVCMでは、この建物が外観として出ていた。左が三重建設図 書館。本館の裏手にある。別に本館を通らなくとも脇道から直接入る事ができる。

各階の配架は1階が玄関と書庫、2階は受付・一般及び参考図書・雑誌・AV、3階は土木・建設を中 心とした専門図書となっている。建設関係の専門図書館なのだが、2階には女性事務員を意識しているの かファッション雑誌や「失楽園」など話題になったベストセラーも収集する柔軟な一面もある。

 ここのオリジナルルールとして、返却期限に遅れると3ヶ月以上の貸し出し停止という重いペナルティ が課せられる。専門図書館にありがちなルールだが、この厳しさも建設業界の性格なのだろうか。また、 昼休みは業務を完全停止し閉館するなど、対応はお役所的であるのもこういう機関にありがちである。

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