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イタリアの教育
平成13年度教職員海外短期派遣(長野県団 第201団)
視察報告



イタリアの教育の概要


@教育政策の流れの概要
 今、学校教育の転換期にあたっている。学校運営にあたっては学校の独自性と自由が尊重される方向で動いている。(以前は、各学年の指導内容を国で示していた。今、達成度は診断するが、何年生で何を指導するかは各学校の裁量である)
 小・中・高が5・3・5の13年間で、他のヨーロッパ諸国に比べ1年長い就学年限
を短縮する方向で教育改革を目指していたが、今年の7月に政権交代したため“短縮”は実現しなかった。
 1974年の法律で各学校が実験的なカリキュラムを作れるようになったので、複雑化している。このとき、中学校以上に評議会制度も発足した。
 EUで1998年に、義務教育を終えた子どもたちに、すぐに専門教育を施すのではなく、時代の要請に応じられる教育(永久教育)を施す必要が確認された。
A教育制度の概要と各教育段階の特徴就学前教育
・就学前教育は3歳から5歳までの子どもを対象に、国立、地方公共団体立及び私立の保育学校で行われる。就学は任意であるが、3歳児から5歳児までの平均在籍率は91.4%(1991年)に上る。
・保育学校では、14〜28名の集団(同年齢の場合も異年齢の場合もある)が作られ、各集団に2名の教員がつく。家庭の状況に応じて、週5日あるいは6日、1日8時間保育が行われる。

幼稚園にて

小学校にて
初等教育
・教育課程については、国が基準を定めている。前期課程は教科目の枠にとらわれない学習が行われるが、後期課程では、イタリア語、数学、理科、歴史・地理、社会科、宗教教育(家庭の同意のもとに)、表現・芸術、音楽、保健体育の各教科が必須とされている。1991年から導入された外国語(英語)は第3学年から始められる。
・授業時間は、かって半日の授業で週24時間(1単位時間は自然時間と同じ)であったが、今は1・2年は週28時間、3年以上は週31時間〜最大34時間である。
・第5学年終了時には、言語と数学の2領域に関する筆記試験及び口述試験からなる初等教育の修了試験が課せられる。
・1991年に小学校でも外国語の指導が可能になった。保護者が希望すれば教える。
 フランス語より英語教育を希望する親が多い。
前期中等教育
・各学年とも月曜日から土曜日までの週6日、半日の授業(1日5時間。1単位時間は自然時間と同じ)が行われるのが−般的であるが、週5自の学校もあり、この場合は昼食を挟んで午後も授業が行われる。また、多くの保護者の賛同があれば、各学校は1日1時間から2時間を課外活動や補習授業として増やすことも出来る。
・中学校では、イタリア語、歴史・地理、数学、英語、科学、芸術、音楽、技術、保鹿体育の各教科が必須。宗教教育は家庭の同意のもとに行う。
・中学校以上では、外国藷の学習は義務。
・学習についての評価は、1977年に従来の点数による方式から生徒の学習態度や教育内容の習熟度などの観察記録に基づくものに改正され、現在に至っている。
 前期中等教育終了時に、イタリア語、外国語、数学の3教科については筆記試験と
 口述試験が、その他の教科(宗教を除く)については口述試験が修了試験として実施される。修了試験は5段階で評価され、上位4段階が合格となる。合格者は、後期中等教育入学の基礎要件となる。下級中等学校修了証を授与される。
・各教育段階を終えるときに修了試験がある。中学修了試験の不合格者は7〜8%。
高校の修了試験は全国共通の統一テストが−ケ月にわたって行われる。教育省から2
問、もう1問は校内の委員会で作成し、口頭試験が行われる。
  ※初等教育の前期から後期に進級するときに進級試験は行わない。

中学校にて

中学校にて
B学年区分
 6 歳〜11歳…初等学校(5年間) 義務教育
 11歳〜14歳…前期中等学校(3年間) 義務教育
 14歳〜19歳…後期中等教育(5年間)
Cイタリアの教育制度等の顕著な特色
・1974年の法律で各学校が実験的なカリキュラムを作れるようになったので、複雑化している。
・中学校以上には、保護者、生徒、教師、事務職員等で構成される学校評議会が設置され、学校運営に参画する(カリキュラム・予算案の検討等)
・授業日数は200日以上。「200日」という下限は国で決めている。
・朝の健康観察・連絡等をするいわゆる“学級担任”はいない。学級の生徒の評価は学級を指導する教科担任みんなで行う。
・ボランティア活動は学校では取り組まない。それは家庭の役割になっている。
・障害児も普通学級(28名)の中に入って学習する。障害児がいる学級の児童生徒数(20名)は少なく、その子を個別に指導する教師が加配される。
・教職員の採用は国が行う。勤務年数は、40年勤務するか、65歳に達すると退職。異動は本人の希望を尊重(異動希望を出さなければ一校に40年勤務ということもある)。
・単元終末で一人一人に口頭試験を課す。合格点に達していないと個人指導する。個人指導を受けることを“恥ずかしい”と思う生徒はいない。むしろ、逆で“嬉しい”と思っているとのこと。 (訪問したジョバンニ・シューナ中学校の懇談会での話)
Dその他(訪問校で見聞きしたことも含めて)
・宿題を含め、家庭学習は中学生で2〜3時間は行う。(ジョバンニ・シェーナ中学校)
・学校に保健室はない。具合が悪くなったら家に帰す。切り傷等の応急手当はする。
・校長が一校一人配置ではない。−人の校長が一つの区域の幼稚園・小学校を担当する。
・イタリアは「しやべる文化」。従って聴いていないとしやべれない。小学校から高校まで、意見発表の場が授業の中に位置付いている。訪問した中学校・高校では、授業中、私語をして聴いていない生徒はいなかった。

商業高校にて

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