2009/2/15

Praat 備忘録 2

Praatの勉強会があったので、忘れないうちに書いておきます。
ファイルの読み込みまでは前回と同じです。

Praat 備忘録 1: ダウンロード、ファイルの読み込み、ピッチの抽出
Praat 備忘録 2:  ラベリング、ピッチの補正他


5 ラベリング



Text Gridを作る

分析するファイルを "Read" → "Read from file" で読み込んで、Sound fileを選択した状態で、 "Annotate" → "To TextGrid" をクリック。

"All tier names" という上のボックスにデフォルトで "Mary John bell"、"Which of these are pint tiers?"という下のボックスに "bell" と出ます。

Tireというのは文字を書き込む帯状の部分のことで、Mary、John、bellという名前の付いた3つの Tire を作るという意味です。
"point tire" というのは文字が境界線上にくる Tire です。他は境界線の間に文字を書きこみます。

ここで名前や Tire の数を変えてもいいのですが、後で変えられますので、このままで大丈夫。 気にせず "OK" を押しましょう。



そうすると、Praat objects に TextGrid という項目ができます。

Sound file と TextGrid を両方選択した状態にしておいて (複数のファイルを選択するときは、Ctrlキーを押しながらクリック)、"Edit" をクリックすると、音声波形・スペクトログラムの下に、文字を書き込む帯が3本ついた状態の画面が出ます。



セグメント

Tier の下のグレーの帯のところをクリックすると音声が再生されます。区切って行くと、グレーの帯も区切られます。左下の all, in, out, sel のボタンと利用して拡大したり縮小したりしながら、音声を聞き、スペグトログラムと波形を睨んで、区切りを決めていきます。

ここかなと思ったら、スペクトログラムか波形のその位置でクリックすると Tire に○のついた灰色の線が現れます。
そこで区切るなら、○をクリックすると赤い二重線に変わります。
別のところをクリックすると、赤い二重線は青の線に変わって残ります。
○をクリックしないで、別のところをクリックすると、線は残りません。

青い線はドラッグで移動することが出来ます。
線を消すときは、上のバーから Boundaty → Remove、または、Alt + BackSpace

※ all, in, out, sel のボタンが消えてしまうことがあります。バグらしいです。Praatを再起動するか、上のバーの View から、Show all, Zoom in, Zoom out, Zoom to selection を選んでもいいのですが、Short Cut を覚えておくと便利です。

all = Ctrl + A
in = Ctrl + I
out = Ctrl + O
sel = Ctrl + N

1番上のTireを音素、2番目をモーラにしてみました。
左の図の sp はポーズです。
3番目の point tire は使い道が思い浮かばなかったので、破裂音の開始、終了、破裂位置を入れてみました。

文字はキーボードから打ち込みます。
日本語を入れてみたら、さすがに無理だったようで化けました。

要らない Tire は、上のバーから "Tire" → "Remove entire tire" で削除できます。
Tire の名前の変更も、"Tire" → "Rename tire" でできますので、適当な名前に変えておきましょう。


保存

Praat Objectの画面で、保存するファイルを選択した状態にして、上のタスクバーから "Write" "Write to text file..."を選択して、名前をつけて保存します。

Sound と TextGrid を1つずつ保存しなければいけないのかと思っていたのですが、さっきやったら、2つ選択した状態で保存すると拡張子が .Collection になって、セットで保存されます。便利ですね。



図を描く

ピッチのところでも触れましたが、論文などに載せる図を書くには、Praat picture を使います。

Praat picture の画面に描く範囲をピンクの枠で指定します。必要なら色やペンの色も指定します。
次に、波形とラベルを描画するのだったら、Sound file と TextGrid file を選択して、"Draw" をクリック。
そうすると、ダイアログボックスが出ます。

上の2つのボックスは描く時間範囲の指定。
その下にチェックを入れるボックスが3つ並んでいます。
Show boundaries のチェックを入れると、波形の部分に境界線が破線ででます。
Garnish のチェックを入れると、枠線と、その下に時間が表示されます。
Use text styles は不明……。

全部チェックを入れた状態で、描いたのが左の図です。

※ この図ではスペースの関係で、Tire は音素レベルの1列だけにしてあります。


図を保存するには Praat Picture の画面から、"File" → "Write to Windows metafile..." で、ペイントで開ける .emf という拡張子を持ったファイルが作成されます。
ファイル名はデフォルトで "praat.emf" になるようです。
うっかり上書きしないように注意しなければ……。

6 ピッチ (2)



ピッチの補正

ピッチの抽出したとき、エラーでピョコンと急に高くなったりすることがあります。分析エラーで倍の高さになっていることが多いのだとか。そういうときの補正の仕方です。

分析する Sound を選択して、"Periodicity" → "To Pitich..." で、Objects に Pitch という項目ができます。
Pitch を選択しておいて、"Edit" をクリックすると左のような画面が出ます。この音声では特におかしな部分はなさそうです。残念。

おかしな部分があったと仮定して、作業を進めます。

左の画面はピンクの線と黒いポチポチがあちこちに散らばっているように見えますが、拡大するとピンクの○に入った数字と○のない数字だということがわかります。

ピッチはいくつかの候補のうちから、一番確率の高いものを選択しているのだそうです。ピンクの○に入った数字のところがそうして選ばれたものです。

エラーが出た場合は、上下を見て同じぐらいの値で適切なものに変える(数字をクリックすると色が変わる)か、適切なものがない場合は下の青いバーのところをクリックしてピンクの○を消します。

恣意的に弄り回すのは、信頼性を損ねることになるので、明らかにおかしい部分以外やるべきではないという話でした。


ピッチとラベルが入った図を描く

Pitch file と TextGrid file を選択して、"Draw"をクリックすると、ピッチカーブに沿ってテキストが表示されます。

ピッチの下に普通にテキストが来るようにするにはピッチとTextGridを別々に描かなければならないようです。




波形とピッチとラベルが入った図を描く

ピッチと波形を同時に描くのは無理なようです。
描画領域を少しずつずらしながら、順に描いていけば、なんとか描けそうです。

(1) 波形を描く。
(2) そのすぐ下に同じ幅でピッチを描く。
(3) 波形とピッチを囲むようにして、TextGridを描く。

TextGridが太りすぎのような気がしますが、まあなんとかなりました。

論文提出間際に、図が描けなくて冷や汗タラタラ……、なんて経験をした人、けっこういるんじゃないでしょうか。わたしはどうにもならなくて、切り張りしたことがあります。
時間の余裕のある時にいろいろ試しておいたほうがよさそうですね。

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