vol.6 闘病生活2 2001.4.2-4.30
ナッツの容体に一喜一憂する毎日。
      ナッツのがんばりにわたし達の方が励まされてました。
      ナッツが好きなことは何でもしてあげたかった。
4.2 mon.

ステロイドの作用か、とにかくよく水を飲み、オシッコをしてくれる。
回数も多いし、一回の量も多いので、すぐシーツがビショビショ、
汚れたシーツが嫌なのでシーツの外でもしてしまう。


そして、食欲がもの凄い。
留守中置いておいたボーロ一袋、カリカリフード、イモが、
帰ったときにはキレイに無くなっていて、更に知能オモチャもすべて平らげていた。
知能オモチャ、ナッツは苦手だったはずなのに。

もちろん、朝晩の食事も食べる。
入院前中後、甘やかしてスナックボーイやボーロばっかりあげていたけど
(それしか口にしなかったのだけど)、
これではいけない、と反省して夕食はカリカリフード2種、缶詰1缶だけを出した。
ビタワンコンボが好きらしい。最初これを攻めていたが、次に缶詰、そしてモンプチ、
と順々にちょっとずつ食べ、途中中断して他のをせがむ様子を見せたけど、
イモもスナックボーイもあげなかったら、結局すべて平らげた。

食後、毛糸のボールで遊ぶ。
入院中の甘えた生活からか、くわえたものを取ろうとすると
激しく抵抗するようになった。
一旦、口から放したとみて取りにいこうとすると、
ダダダッと駆け戻ってきて奪取するのだ。
とくにケンヤには警戒心が激しくて、
くわえているときにケンヤが近づくと、サッと隠す。
ついつい面白くて、ピーピーボール、靴下をけしかけると、
毛糸ボール(中身なし)と併せて、3つすべてをくわえてしまった。
そのまま得意げにウロウロ歩く姿はちょっとおかしい。

体重、6.6キロ。退院後、一日200gペースで増加している…。

4.3 tue.

今朝も夜の間になさったオシッコでケージ内外がビッショリ。
そして、人がキッチンに立つと、すかさずやってきて、何かもらおうと待っている。
食欲が復活したのはいいけど、あまりにも凄すぎ。

4.4 wed.

お腹のはりが気になる。
また内臓が肥大してしまっているのだろうか。
それとも食べ過ぎ、飲みすぎからなのか。
食欲は衰えず、隙あらば何かもらおうとじっと見つめられる。

体重、6.8キロ。
運動していないのに、このペースはマズイかも…。

相変わらずオシッコの量も多い。
ケージの外にもトイレシーツを敷き、更にマットを敷いてみる。
すると、枠を広げれば広げただけ、ナッツもシッコをする場所を広げてしまうので、
いつも床にこぼれ落ちてしまうことになるのだ。
闘いは当分続きそう。

4.6 fri.

ケンヤが休んで、抗がん剤治療のため、ナッツを東大まで連れていった。
めざせ、寛解!

4.8 sun.

週末、なんだかグッタリしている。
土曜日は実家から軽自動車を借りるため、ちょっとお出かけ。
ずっと元気がなかったのに、お母さんに会ったとたん、クーンクーンと甘えはじめた。

帰りがけに里見公園に寄って、お花見。
散りかけで、トコトコと歩くナッツにいっぱい桜吹雪が降りそそいだ。
お花見をしているグループがいた。そのなかにダックスがいてこっちを見ている。
ひとりのおじさんがナッツを見て、「ありゃー痩せすぎだなー!」と笑った。
言われた瞬間カッと頭に血がのぼった。
悔しくて悔しくて怒鳴りそうだった。
ナッツがどれだけ治療をがんばってるかあんたには分からない!!
あんな無神経な言葉、ナッツに聞かせたくない。

4.13 fri.

きょうはわたしが一人で運転してナッツを東大まで連れていく日。
この時のためにわざわざ実家から車を借りてきていた。
軽だしオートマだし平気平気・・・と自分に暗示をかける。

どうにか順調、、、のはずなのに、いつもは後部座席でおとなしくしているナッツに、
後ろから首をのばしてわたしの運転っぷりを監視されてしまった。
不安だった??(^^;)


水曜日あたりからだんだん食欲が無くなっていっていた。
ウェットは食べてもドライを食べる量がどんどん少なくなっている。
この朝はウェットも完食するほどではなかったし、
口のなかを見ても歯茎や舌が白くなっているのが分かるので、
早く診てもらいたかった。

診察結果は、やはり貧血がひどくなっている。
輸血をするのかと思ったら今日はせず、様子を見て来週とか言っている。
抗がん剤は当初、強めのものを使う予定だったそうだが、
容態が悪いので、以前と同じマイルドなものにしたとのこと。
2万円。

4.14 sat.

夕べから何も食べなくなってしまい、ずっとグッタリしている。
思い余って11時頃病院に連絡をして様子を話したら、
連れてきてください、と言ってくれた。

ケンヤは出社日でいなかったので、またひとりで病院まで車を走らせた。
そして輸血。。。
こんな事なら昨日輸血をしておいてくれれば良かったのに、と内心思ってしまう。

ところで輸血には3時間もかかると知って驚いた。
腕に管をつけられてそんなに長い時間を耐えているなんて、
ほんとにナッツには頭が下がった。

4.15 sun.

輸血をしたおかげか、ちょっとは気分がよくなってくれたと信じたい。

4.17 tue.

朝、起きていくと、ケンヤが「明け方から何べんも吐いた」と言うのでビックリ。。。驚いている間にもゲーと胃液を吐いた。
最初に夕べ食べた未消化の物を吐き出したらしく、
今は水を飲んではゲーと吐き出している。
これは病院に連れていかなければ、と思ったけど、わたしは今日は休めない…。
ケンヤが午前半休をとって連れていってくれることになった。

午前中、ケンヤから連絡が入り、この日は入院すると知らされた。
おそらく腫瘍が進んでしまっている、、、と言う。
リスクを覚悟で(骨髄のなかのまともな細胞まで壊してしまうかもしれない)
強い抗がん剤を投与することになった。
でないとイタチごっこになってしまっていつまで経っても腫瘍は消えない。

もちろんリスクは大きいと思う。
ただでさえ少ない血小板がなくなり、いつ大量出血を起こすか分からないのだ。
血便、血尿、鼻血、皮下出血には十分注意を払わなければいけない。

夕方、ナッツに会いにいった。
20時過ぎ、点滴の用意がされて、これから2本目の抗がん剤投与が始まる。
なんとこれには4時間!

昼間1本目をすでに打っていて、さらに輸血もしている。
その上、これから2本目をするなんて、、、。

ナッツがこれだけがんばっているのだから、
飼い主のわたしたちがめげていてはいけないことを思い知らされた。

4.18 wed.

朝から激しい胃痛に襲われて会社を休んでしまった。
わたしって弱い・・・。でもこれが良かったのだ。
午後、ナッツの面会のために車で向かったら、きょう退院ですと言われたのだ。
車でなかったらどうやって帰ろうって困ってた。

一種類薬が増えた。止血剤。
ただ、思ったほど元気は回復していない。
待合室でも車のなかでも帰ってからもグッタリしている。
食事もほとんど摂らず。

4.19 thu.

細々と食べている。
まいたけがガンに効くと待合室で聞いたので、
イモといっしょに出してみたら、イモも食べなくなってしまった。失敗。
ごめん、ナッちゃん。

朝はスナックボーイも食べてくれないので、薬は口をこじあけて喉に入れ込む方法。

夜は食べる気はあるので、スナックボーイに薬を仕込んでみたら、
大きい錠剤はうまく吐き出しつつ食べてしまう。賢くなったものだ。
気持ち、ちょっとだけ元気になったような気がする。

4.21 sat.

昨夜は大変なことになってしまった。
会社から帰ってからのナッツの様子が今までになく悪い。
しばらくはわたしの後をちょこちょこついて来たりしていたのが、
20時頃から玄関で寝そべったまま
フーフーと荒い息をするようになってしまったのだ。
ケンヤの帰りは遅いし、悲しくて泣いてしまった。
飲み会から23時近くなって帰ってきたケンヤにも八つ当たり。

ケンヤがT大に連絡を入れた。
できるだけ早く連れてきてください、と言ってくれたので、
急いで支度して0時前に出発、真夜中だから30分くらいで到着した。

最初に血液検査をして、相当悪くなっていることが分かり、
これから輸血を始める、と。
時間もかかるので、一旦家に帰された。

わたしは午前中勤務をして、午後からケンヤと合流して東大に行った。

また抗がん剤を投与。いちばん最初に使った抗がん剤を使ったそうだ。
たしかに始めてのとき、こんなに元気になって!とビックリしたくらいだったし、
合う抗がん剤、と言うことなのかな。

面会中、イモを食べてくれた。
夕べよりは具合がいいみたいだけど、ほとんど椅子の上で寝ていた。

4.22 sun.

いつも時間外に行ってしまっているので、
こんな日くらいはキッチリ面会時間を守らなければ。
15時からの面会時間ほぼピッタリに到着。

F野先生に抱かれて出てきたナッツは、ビックリするくらい元気な様子だった。
ボールを見せると目の色を変えて遊びまくる。
イモを見せたとたん、自分から口をつっこんでガツガツ食べまくる。
その様子は鬼気迫るものさえ感じてしまった。

お腹を触ると、明らかにひっこんだ感じで軽そうだ。
入院中は、しっかりウェットのドッグフードも朝晩しっかり食べているらしいし、
病院にいると調子がよさそう…。

4.23 mon.

退院。
会社から帰って速効車を病院まで走らせて19時半頃到着。
それから家に連れて帰った。

4.24 tue.

ケンヤが休みをとってくれていたので、ナッツといっしょにいてもらう。
いっぱい写真を撮ってくれた。












4.25 wed.

元気。

4.26 thu.

食べてくれないから、薬を飲ませるのが大変。
嫌がるので布団に仰向けにして無理矢理口を開け、薬を管で放り込む、
という方法を取っているのだが、
今では薬と察知するとキャリーケースの中に逃げ込むようになってしまった。
そして激しく抵抗するので、そこでまた無駄に体力を使わせてしまっている。

夜、またグッタリしている。T大に連絡をとって、また夜中に連れていった。
夜の23時頃、そしてこれから輸血を行ってくれるという。
本当にT大の先生方には頭が上がらない。
そして輸血用の血を提供してくれる犬達にも・・・。

そう、わたしはあまりにも無知で、
T大では簡単に輸血が行われることから、
輸血用の血が無尽蔵に備蓄されているのだと思っていた。
でもそんなわけないのだ。
T大で飼育されている犬が提供してくれているのだと、
後になってから気がついた。

ごめんね。
ありがとう。
ナッツのことしか見えていなくてごめんなさい。

4.27 fri.

わたしが休みをとって迎えにいった。
もう何度T大までの道を往復しただろう。
午前中、かなり強い抗がん剤を打った。
2度、3度使えないようなものらしい。
効果があればいいのだけど。

4.28 sat.

ケンヤもGWに突入。これから毎日いっしょにいられる。
ちょっとは元気な感じかな。遊びたがったりもする。





泣きたい気持ちで笑ってました。

4.29 sun.

玄関のたたきに寝そべって動こうとしない。
午後、実家の両親がやってきた。
お母さんに会えて喜びはするものの、
以前のようなはしゃぎっぷりはもう見られない。

ほとんど寝たっきり。。。
たまに動こうとするとフラフラと足がもつれ倒れそうになってしまう。
外に出したとき、風に吹かれてよろめいてしまうのだ。

金曜日に退院してから下痢が続き、黒いのでおそらく血便。
両親が帰った後、T大に連絡してみた。
そして連れていくことになったものの、
金曜日に抗がん剤を打ったばかりなので、対処できるのは輸血しかないという。

連れていったのが夕方だったので、
輸血が終わるのは夜中の0時頃と言われ、結局また入院になってしまった。

4.30 mon.

11時、迎えにいった。
いきなりボーロやクッキーをバクバク食べだしてくれてホッとする。
でもまたこれから輸血。
昨夜も長時間頑張ったのに、またかと不憫になる。
終わったのは17時頃になってしまった。
その間、グッタリ椅子に横になったまま頑張った。

O野先生に話を伺った。
ナッツのはリンパ球の腫瘍。
よくガンにはキノコが効くとかいうが、それは免疫力を高めるため。
だけどナッツはその免疫を作る場所そのものがガンに侵されてしまっているので、
いくらキノコを与えたとしても効果はないでしょう、、、と。

家に連れて帰ったけど、辛そう。
お腹はこれ以上無理っていうくらい、パンパンにはってしまっている。
足元はふらつき、見てるだけでも危なっかしい。

夜、昼間食べたものを吐いた。
スナックボーイらしきものがそのまま出てきた。ちっとも消化されていないのだ。
あれだけ脾臓が膨らんでしまっていては、
腸も圧迫されて胃から先に入っていかないのだろうか。
だったらいくら食べさせても、ナッツが辛いだけになってしまうかもしれない。

わたしも1階で寝た。
ナッツの息はずっとフーフー苦しそうなのが続き、
お腹が熱をもっているから冷たい場所を求めてあちこち場所を変えようとするものの、
よろけてしまうからとてもかわいそう。
どうしてナッツがこんな運命を背負わなければいけないのだろう。

未明、4時頃、フラフラとキャリーケースに入り、
一晩中続いていた荒い呼吸が時々フッと消えそうになるたびに泣いてしまい、
何度も「ナッツ、ナッツ」と呼びかけた。

ナッツに始めて会った時のこととか始めて散歩に行った日のこととか、
ナッツとの思い出がいっぱいよみがえる。
もうダメなのか、と本当に思ってしまった。

いっぱいいっぱい頑張ったから、もう辛いことから解放してあげたいと思った。
ナッツがあまりにもかわいいから、神様に気に入られてしまったんだと思ったりした。

でも、こんな小さくてかわいい命がこの世から消えてしまうことがとても悲しくて、
諦めきれないでもいた。