
1制定61.12.30法律第900号
2一部改正97.12.13法律第5454号(政府部処名称等の変更に伴う建築法等の整備に関する法律)
| 第1章 総則 |
第1条(目的及び定義)@本法は、信託に関する一般的な私法的法律関係を規律することを目的とする。
A本法において信託とは、信託設定者(以下委託者という。)及び信託を引き受ける者(以下受託者という。)と特別の信任関係に基づき委託者が特定の財産権を受託者に移転し、又はその他の処分をして受託者をして一定の者(以下受益者という。)の利益のために又は特定の目的のためにその財産権を管理、処分させる法律関係をいう。
第2条(信託の設定)信託は、委託者及び受託者間の契約又は委託者の遺言により設定することができる。
第3条(信託の公示)@登記又は登録しなければならない財産権に関しては、信託は、その登記又は登録をすることにより第三者に対抗することができる。
A有価証券に関しては、信託は、大統領令の定めるところにより証券に信託財産の事実を表示し、株券及び社債券に関しては、再度株主名簿又は社債原簿に信託財産の事実を記載することにより第三者に対抗することができる。<改正97・12・13>
第4条(信託営業)信託の引受を業とするときは、これを商行為とする。
第5条(目的の制限)@信託は、善良な風俗その他社会秩序に違反する事実を目的とすることができない。
A信託は、その目的が違法又は不能なときは、無効である。
B信託の目的が2個以上でそのうち前2項に抵触するものがある場合に、抵触しない目的だけを分離することができるときは、その信託は、抵触しない目的のために有効に成立する。ただし、分離することができても前2項に抵触しない目的だけの遂行が委託者の意思に反することが明白なときは、無効である。
第6条(脱法を目的とする信託の禁止)法令により一定の財産権を享有することができない者は、受益者としてその権利を有するものと同一の利益を享受することができない。
第7条(訴訟を目的とする信託の禁止)受託者をして訴訟行為をさせることを主目的とする信託は、無効である。
第8条(詐害信託)@債務者が債権者を害することを知って信託を設定した場合には、債権者は、受託者が善意又は民法第406条第1項の取消及び原状回復を請求することができる。
A前項の規定による取消及び原状回復は、受益者が既に受けた利益に影響を及ぼさない。ただし、受益者が弁済期が到来しない債権の弁済を受けた場合又は受益者がその利益を受けた当時に債権者を害することを知り、又は重大な過失によりこれを知ることができない場合には、この限りでない。
第9条(占有瑕疵の承継)@受託者は、信託財産の占有に関して委託者の占有の瑕疵を承継する。
A前項の規定は、金銭その他の物件又は有価証券の給付を目的とする有価証券にこれを準用する。
第10条(受託能力)未成年者、禁治産者、限定治産者及び破産者は、受託者になることができない。
第11条(受託者の任務終了)@受託者が死亡し、又は破産、禁治産又は限定治産の宣告を受けた場合には、その任務は、終了する。受託者の法人が解散したときもまた同じである。
A前項の場合に受託者の相続人、法定代理人、破産管財人又は清算人は、新受託者が信託事務を処理することができるようになる時まで信託財産を保管し、信託事務引継に必要な行為をしなければならない。法人が合併した場合に合併により設立された法人又は合併後存続する法人もまた同じである。
第12条(受託者の資格喪失)信託行為により特定資格に基づいて受託者になった者は、その資格を喪失することによりその任務は、終了する。
第13条(受託者の辞任)@受託者は、受託行為に特別の定めがない限り、受益者及び委託者の承諾なくして任務を辞任することができない。
A受託者は、正当な理由がある場合には、前項の規定にかかわらず裁判所の許可を得て辞任することができる。
第14条(受託者の管理の継続)第12条又は前条第1項の規定により任務が終了した受託者は、新受託者が受託事務を処理することができるようになる時まで受託者の権利義務を有する。
第15条(受託者の解任)受託者がその任務に違反し、又はその他重要な事由がある場合には、裁判所は、委託者、その相続人又は受益者の請求により受託者を解任することができる。
第16条(裁判所の管理人選任等の処分)第13条第2項又は前条の規定により受託者が辞任し、又は解任された場合に、裁判所は、信託財産の管理人の選任その他必要な処分を命ずることができる。
第17条(新受託者の選任)@受託者の任務が終了した場合には、利害関係人は、新受託者の選任を裁判所に請求することができる。
A前項の規定は、遺言により受託者として指定された者が信託を引き受けず、又は引き受けることができない場合に準用する。
B前2項の規定は、信託行為に特別の定めがあるときは、適用しない。
C裁判所は、選任された受託者に事情により信託財産から相当な報酬を与えることができる。
第18条(信託管理人)@受益者が特定されておらず、又はいまだ存在しない場合には、裁判所は、利害関係人の請求により又は職権で信託管理人を選任しなければならない。ただし、信託行為で信託管理人を指定したときは、この限りでない。
A選任なった信託管理人は、前項の受益者のために自己の名義で信託に関する裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。
B前条第4項の規定は、信託管理人に準用する。
第19条(物上代位性)信託財産の管理・処分・滅失・毀損その他の事由で受託者が得た財産は、信託財産に属する。
第20条(相殺禁止)信託財産に属する債権と信託財産に属しない債務とは、相殺することができない。
第21条(強制執行の禁止)@信託財産に対しては、強制執行又は競売をすることができない。ただし、信託前の原因で発生した権利又は信託事務の処理上発生した権利に基づく場合には、この限りでない。
A前項の規定に違反して行った強制執行又は競売に対しては、委託者、その相続人、受益者及び受託者は、異議を申請することができる。民事訴訟法第509条の規定は、この場合に準用する。
第22条(受託者の破産及び信託財産)信託財産は、受託者の固有財産となったものを除いては、受託者の破産財団を構成しない。
第23条(信託財産の不混同)信託財産が所有権以外の権利の場合に、受託者がその目的たる財産を取得してもその権利は、混同により消滅しない。
第24条(附合、混和、加工)信託財産に関して附合、混和又は加工があった場合には、各信託財産及び固有財産は、各々他の所有者に属するものとみなして民法第256条から第261条までの規定を準用する。ただし、加工者が悪意の場合には、加工による価額の増加が原材料の価格より多いときにも、裁判所は、加工により生じた物件を原材料所有者に帰属させることができる。
第25条(信託財産の独立性)信託財産は、受託者の相続財産に属しない。
第26条(信託財産の移転)@受託者の更迭があったときは、前受託者は、遅滞なく信託財産を新受託者に譲渡しなければならない。
A受託者が数人ある場合に、その1人の任務が終了したときは、信託財産は、当然に他の受託者に帰属する。
第27条(強制執行の続行)第21条第1項の但書に基づく信託財産に対する強制執行又は競売手続は、新受託者に対してこれを続行することができる。
第28条(受託者の信託事務処理義務)受託者は、信託の本旨により善良な管理者の注意をもって信託財産を管理又は処分しなければならない。
第29条(受託者の利益享受禁止)受託者は、何人の名義においても信託の利益を享受することができない。ただし、受託者が共同受益者の1人であるときは、この限りでない。
第30条(受託者の分別管理義務)信託財産は、受託者の固有財産又は他の信託財産と区別して管理しなければならない。ただし、信託財産が金銭である場合には、固有財産又は他の他信託財産に属する金銭と各々別途にその計算を明確にすることで足りる。
第31条(受託者の権利取得の制限)@受託者は、何人の名義であれ信託財産を固有財産とし、又はこれに関して権利を取得することができない。ただし、受益者に利益になることが明白であり、又はその他正当な理由がある場合には、裁判所の許可を得て信託財産を固有財産にすることができる。
A前項の規定にかかわらず受託者が相続又はその他包括名義により信託財産に関して権利を承継することは、妨げない。第23条の規定は、この場合に準用する。
第32条(有限責任)受託者が信託行為により受益者に対して負担する債務に関しては、信託財産の限度内で履行の責任を負う。
第33条(帳簿備置義務)@受託者は、帳簿を備置し、各信託に関してその事務の処理及び計算を明白にしなければならない。
A受託者は、信託を引き受けたとき及び毎年1回一定の時期に各信託の財産目録を作成しなければならない。
第34条(書類の閲覧)@利害関係人は、いつでも前条の書類の閲覧を請求することができる。
A委託者、その相続人及び受益者は、信託事務の処理に関する書類の閲覧を請求し、又は信託事務の処理に関して説明を要求することができる。
第35条(金銭の管理方法)信託財産に属する金銭の管理は、信託行為で特別の定めがある場合を除いては、次の方法によらなければならない。
1.国債、地方債及び特別法により設立された会社の社債の応募、引受又は買入
2.国債その他前号の有価証券を担保とする貸付
3.郵便貯金
4.銀行への預金
第36条(信託財産管理方法の変更)@信託行為当時に予見することができない特別の事情で信託財産の管理方法が受益者の利益に適合しなくなったときは、委託者、その相続人、受益者又は受託者は、その変更を裁判所に請求することができる。
A前項の規定は、裁判所が定めた管理方法にこれを準用する。
第37条(信託事務の委任)@受託者は、信託行為に特別の定めがあることがある場合を除いては、正当な事由がある時に限り受益者の同意を得て他人をして自己に代えて信託事務を処理させることができる。
A前項の場合に受託者は、選任、監督に関してで責任を負う。信託行為により他人をして信託事務を処理させたときにもまた同じである。
B受託者に代えて信託事務を処理する者は、受託者と同一の責任を負う。
第38条(受託者の損害賠償義務)受託者が管理を適切にすることができず、信託財産の滅失、減少その他の損害を発生させた場合又は信託の本旨に違反して信託財産を処分したときは、委託者、その相続人、受益者及び他の受託者は、その受託者に対して損害賠償又は信託財産の回復を請求することができる。
第39条(分別管理義務違反)@前条の規定は、受託者が第30条の規定に違反して信託財産を管理した場合に準用する。
A前項の場合に信託財産の損失が生じたときは、受託者は、分別して管理しても損失が生じたであろうことを証明しなければ、不可抗力を理由としてその責任を免れることができない。
第40条(受託法人の理事の責任)受託者の法人がその任務に違反したときは、これに関与した理事又はこれに準ずる者は、連帯してその責任を負う。
第41条(報酬)受託者は、営業として信託を引き受ける場合を除いては、特約がなければ報酬を受けることができない。
第42条(受託者の費用、損害補償請求権)@受託者は、信託財産に関して負担した租税、公課その他の費用及び利子又は信託事務を処理するために自己に過失なく受けた損害の補償を受ける場合において、信託財産を売却し、他の権利者に優先してその権利を行使することができる。
A受託者は、受益者に前項の費用又は損害の補償を請求し、又は相当な担保を提供させることができる。ただし、受益者が特定されず、又は存在しないときは、この限りでない。
B前項の規定は、受益者がその権利を放棄した場合には、適用しない。
第43条(報酬請求権)前条の規定は、受益者が信託財産から報酬を受ける場合に、その報酬に関してこれを準用する。受託者が受益者から報酬を受ける場合にもまた同じである。
第44条(権利行使要件)前2条に規定された受託者の権利は、受託者が第38条又は第39条の規定による損失の補償及び信託財産復旧の義務を履行した後でなければ行使することができない。
第45条(共同受託者)@受託者が数人あるときは、信託財産は、その合有とする。
A前項の場合に信託行為に特別の定めがあることがあるときを除いては、信託事務の処理は、受託者が共同でしなければならない。ただし、その1人に対して行った意思表示は、他の受託者に対しても効力がある。
第46条(共同受託者の連帯責任)受託者が数人ある場合に、信託行為により受益者に対して負担する債務は、連帯債務とする。信託事務の処理に関して負担する債務もまた同じである。
第47条(新受託者の損害賠償請求権)第38条及び第39条に規定する権利は、新受託者もこれを行使することができる。
第48条(新受託者の義務の承継)@受託者が更迭された場合に新受託者は、前受託者が信託行為により受益者に対して負担する債務を承継する。
A前項の規定は、第26条第2項の場合にこれを準用する。
B信託事務の処理に関して生じた債権は、信託財産の限度内で新受託者に対しても行使することができる。
第49条(前受託者の強制執行権)@前受託者は、第42条第1項に規定する費用又は損害の補償を受ける権利又は第43条に規定する報酬を受ける権利に基づいて信託財産に対して強制執行をし、又は競売をすることができる。
A前受託者は、前項の権利を行使するために信託財産を留置することができる。
第50条(事務の引継)@受託者が更迭された場合には、新・旧受託者及びその他関係者は、信託事務の計算をし、受益者又は信託管理人の立会下に事務を引き継がなければならない。
A受益者又は信託管理人が前項の計算を承認したときは、前受託者の受益者に対する引継に関する責任は、これにより免除されたものとみなす。ただし、不正行為があったときは、この限りでない。
第51条(受益者の利益享受)@信託行為により受益者として指定された者は、信託利益の享受を承諾したものと推定し、信託利益を享受する。ただし、信託行為に特別の定めがあることがある場合には、その定ことよる。
A受益権が負担ある場合には、受益者として指定された者の信託利益享受の意思表示がなければならない。
B受益者は、受益権を放棄することができる。
第52条(信託違反の処分行為の取消)@第3条の規定により信託の公示をした信託財産を受託者が信託の本旨に違反して処分したときは、受益者は、相手方又は転得者に対してその処分を取り消すことができる。
A第3条の信託の公示方法が規定されない信託財産に関しては、相手方及び転得者がその処分が信託の本旨に違反する事実を知ったとき又は重大な過失で知らないときに限り前項の取消をすることができる。
第53条(同前)受益者が数人ある場合には、その1人が前条の規定によりした取消は、他の受益者のためにも効力がある。
第54条(取消権の除斥期間)第52条に規定する取消権は、受益者又は信託管理人が取消の原因があることを知った日から1月内に行使しなければ消滅する。処分したときから1年を経過したときにもまた同じである。
第55条(信託の終了)信託行為で定めた事由が発生したとき又は信託の目的を達成し、又は達成できなくなったときは、信託は終了する。
第56条(信託の解約)委託者が信託利益の全部を享受する信託は、委託者又はその相続人がいつでも解約することができる。この場合には、民法第689条第2項の規定を準用する。
第57条(同前)受益者が信託利益の全部を享受する場合に信託財産によらなければその債務を完済することができないときその他正当な事由があるときは、裁判所は、受益者又は利害関係人の請求により信託の解約を命ずることができる。
第58条(同前)信託の解約に関して信託行為に特別の定めがある場合には、前2条の規定にかかわらずその定めによる。
第59条(信託終了後の信託財産の帰属)第56条又は第57条の規定により信託が解約されたときは、信託財産は、受益者に帰属する。
第60条(同前)信託が終了した場合に信託財産の帰属権利者が信託行為に定めてないときは、その信託財産は、委託者又はその相続人に帰属する。
第61条(同前)信託が終了した場合に信託財産がその帰属権利者に移転するときまでは、信託は、存続するものとみなす。この場合には、帰属権利者を受益者とみなす。
第62条(同前)第27条及び第49条の規定は、信託の終了により信託財産が受益者その他の者に帰属したときに準用する。
第63条(信託終了による計算)信託が終了した場合には、受託者は、信託事務の最終の計算をし、受益者の承認を得なければならない。この場合には、第50条第2項の規定を準用する。
第64条(裁判所の監督)@信託業務は、裁判所が監督する。ただし、信託の引受を業とする場合は、この限りでない。
A裁判所は、利害関係人の請求により又は職権で信託事務の処理の検査、検査役の選任その他必要な処分を命ずることができる。
第65条(公益信託)学術、宗教、祭祀、慈善、技芸その他公益を目的とする信託は、これを公益信託とし、その監督に関しては、次の7条の規定による。
第66条(引受)公益信託を引き受けるには、受託者は、主務官庁の許可を得なければならない。
第67条(条項の変更)公益信託に関して信託行為当時に予見することができない特別の事情が生じたときは、主務官庁は、信託の本旨に反しない限り、信託条項の変更を命ずることができる。
第68条(受託者の辞任)公益信託の受託者は、正当な理由がある場合に限り、主務官庁の許可を得てその任務を辞任することができる。
第69条(監督)公益信託は、主務官庁が監督する。
第70条(検査、公告)@主務官庁は、必要な場合には、いつでも公益信託事務の処理の検査、財産の供託その他必要な処分を命ずることができる。
A受託者は、毎年1回一定時期における信託事務及び財産の状況を主務官庁に報告しなければならない。
第71条(主務官庁の権限)公益信託に関しては、第15条、第17条、第18条第1項、第2項、第31条第1項但書に規定する権限は、主務官庁に属する。ただし、第15条から第17条までの規定による権限は、職権でこれを行使することができる。
第72条(公益信託の継続)公益信託が終了する場合に信託財産の帰属権利者がないときは、主務官庁は、その信託の本旨により類似した目的のために信託を継続させることができる。
第1条(施行日)本法は、公布した日から施行する。
第2条(法令の廃止)朝鮮民事令第1条第7号の2は、これを削除する。
附則<97・12・13>この法律は、1998年1月1日から施行する。<但書省略>