
全文改正97.12.31法律第5486号
| 第1章 総則 |
第1条(目的)この法律は、精神疾患の予防及び精神疾患者の医療及び社会復帰に関して必要な事項を規定することにより国民の精神健康増進に寄与することを目的とする。
第2条(基本理念)@すべての精神疾患者は、人間としての尊厳及び価値を保障される。
Aすべての精神疾患者は、最適の治療を受ける権利を保障される。
Bすべての精神疾患者は、精神疾患があるという理由で不当な差別待遇を受けない。
C未成年者の精神疾患者に対しては、特別に治療、保護及び必要な教育を受ける権利が保障されなければならない。
D入院治療が必要な精神疾患者に対しては、常に自発的入院が勧奨されなければならない。
E入院中の精神疾患者は、可能な限り自由な環境が保障されなければならず、他の人々と自由に意見交換をすることができるように保障されなければならない。
第3条(定義)この法律で使用する用語の定義は、次の通りである。
1."精神疾患者"とは、精神病(器質的精神病を含む。)・人格障碍その他非精神病的精神障碍を有する者をいう。
2."精神保健施設"とは、この法律による精神医療機関・精神疾患者社会復帰施設及び精神療養施設をいう。
3."精神医療機関"とは、医療法による精神病院・精神科医院及び病院級以上の医療機関に設置された精神科をいう。
4."精神疾患者社会復帰施設"(以下"社会復帰施設"という。)とは、この法律により設置された施設であって精神疾患者を精神医療機関に入院させ、又は精神療養施設に入所させずに社会復帰促進のため訓練を行う施設をいう。
5."精神療養施設"とは、この法律により設置された施設であって精神医療機関から依頼された精神疾患者及び慢性精神疾患者を入所させ、療養及び社会復帰促進のための訓練を行う施設をいう。
第4条(国家等の義務)国家及び地方自治団体は、国民の精神健康を増進させ、精神疾患を予防して、精神疾患者の医療及び障碍克服及び社会復帰促進のための研究・調査及び指導・相談等必要な措置をしなければならない。
第5条(国民の義務)国民は、精神疾患者の障碍克服及び社会復帰努力に協力しなければならない。
第6条(精神保健施設の設置・運営者の義務)精神保健施設の設置・運営者は、精神疾患者及びその保護義務者にこの法律による権利及び権利の行事に関する事項を知らせなければならず、入院及び居住中の精神疾患者が同じ年齢の正常人と類似の環境で生活することができるように努力しなければならない。
第7条(精神保健専門要員)@保健福祉部長官は、精神保健分野に関する専門知識及び技術を有する者に精神保健専門要員の資格証を交付することができる。
A精神保健専門要員は、精神保健臨床心理師・精神保健看護師及び精神保健社会福祉士とする。
B第2項の精神保健専門要員の具体的な業務の範囲・限界及び資格・等級、資格証の交付手続等に関して必要な事項は、大統領令で定める。
第8条(精神病院の設置等)@保健福祉部長官又は特別市長・広域市長又は道知事(以下"市・道知事"という。)は、精神病院を設置・運営しなければならない。
A市・道知事は、地域実情により精神医療機関を指定して活用することができる。この場合当該医療機関の設置・運営者とあらかじめ協議しなければならない。
B保健福祉部長官又は市・道知事が精神病院を設置し、又は市・道知事が第2項の精神医療機関を指定する場合においてその施設が地域的に均衡するように分布されなければならず、精神疾患者に対して地域社会管理が可能なようにしなければならない。
C第1項及び第2項の精神医療機関は、地域社会精神保健事業を支援して地域社会精神保健事業人力に対する教育・訓練を担当する。
第9条(指定の取消)@保健福祉部長官又は市・道知事は、第8条第2項の規定により指定を受けた精神医療機関がその指定した目的通り運営しないときは、その指定を取り消すことができる。
A第1項の規定によりその指定を取り消そうとするときは、中央精神保健審議委員会又は地方精神保健審議委員会の意見を聞かなければならない。
第10条(精神療養施設の設置・運営)@社会福祉法人その他非営利法人は、保健福祉部長官の許可を受けて精神療養施設を設置・運営することができる。
A精神療養施設での医療と社会復帰のための訓練は、保健福祉部長官が定めるところにより精神科専門医の指導により行われなければならない。
B精神療養施設の設置基準、収容人員、従事者の数及び資格、利用及び運営に関して必要な事項は、保健福祉部令で定める。
C精神療養施設に対しては、第23条、第24条、第29条、第31条から第35条まで、第38条、第40条、第45条、第46条、第55条第2号・第3号及び第5号、第56条第3号及び第4号、第57条第1号(第26条第5項の規定に違反した場合を除外する。)から第5号まで、第58条、第59条第1項第3号・第6号及び第2項から第5項までの規定を各々準用する。
D精神療養施設に関してこの法律に規定したものを除いては、社会福祉事業法中社会福祉施設に関する規定を準用する。
第11条(精神療養施設の改善、事業の停止、許可取消等)保健福祉部長官は、精神療養施設が次の各号の1に該当するときは、その施設の改善、事業の停止、施設の長の交替を命じ、又は施設設置の許可を取り消すことができる。
1.精神療養施設が設置基準に達しないこととなったとき
2.社会福祉法人又は非営利法人が設置・運営する精神療養施設の場合その法人の設立許可が取り消されたとき
3.設置目的の達成又はその他の事由で引き続き運営になる必要がないと認められるとき
4.その他この法律又はこの法律による命令に違反したとき
第12条(精神医療機関の施設基準等)@精神医療機関の施設、装備の基準、医療人等従事者の数及び資格等に関して必要な事項は、保健福祉部令で定める。
A保健福祉部長官は、精神疾患者に対する効率的な医療の提供のために必要な場合精神医療機関の規模を制限することができる。
B市・道知事又は市長・郡守・区庁長(自治区の区庁長に限る。以下同じである。)は、精神医療機関が次の各号に該当するときは、当該精神医療機関に対して許可の取消又は閉鎖(医療法の規定により開設申告した医療機関に限る。)を命じ、又は保健福祉部令が定めるところにより1年の範囲内において期間を定めて当該事業の停止を命じることができる。
1.第33条第1項(第35条第2項において準用する場合を含む。)又は第39条第4項の規定による命令に拒絶したとき
2.正当な事由なく第39条第1項及び第2項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき、関係書類を提出せず、又は虚偽の書類を提出したとき又は関係公務員、精神保健審議委員会委員の検査・審査を拒否・妨害又は忌避したとき
C市・道知事又は市長・郡守・区庁長は、第3項の規定により施設の閉鎖又は事業の停止を命じようとする場合には、1年の範囲内において期間を定めて是正を命じた後これに応じないときにこれを行わなければならない。
D精神医療機関に関してこの法律に規定された事項以外には、医療法の規定を準用する。
第13条(保健所)@国家及び地方自治団体は、保健所を通じて精神疾患の予防、精神疾患者の発見、相談・診療及び社会復帰訓練等地域社会精神保健事業を遂行することができる。
A保健所が地域社会精神保健事業の隨行のために精神疾患者を管理する場合には、本人又は保護義務者の同意の下に行わなければならない。
B保健所には、大統領令が定めるところにより精神保健専門要員を置くことができる。
第14条(精神保健研究機関の設置)国家は、精神保健の向上を図るために精神保健研究のための機関を設置しなければならない。
第15条(社会復帰施設の設置・運営)@国家又は地方自治団体は、社会復帰施設を設置・運営することができる。
A社会福祉法人その他非営利法人、精神科専門医、精神保健専門要員銀市・道知事に申告をして社会復帰施設を設置・運営することができる。
B社会復帰施設の長は、保護中の精神疾患者に対して自由な生活が保障されるようにしなければならない。
C社会復帰施設での精神疾患者の社会復帰のための訓練等医療にあっては、保健福祉部長官が定めるところにより精神科専門医の指導により行わなければならない。
D社会復帰施設の施設基準、収容人員、従事者の数及び資格、利用及び運営に関して必要な事項は、保健福祉部令で定める。
E社会復帰施設は、営利を目的で運営してはならない。
第16条(社会復帰施設の種類)社会復帰施設の種類は、次の通りである。
1.精神疾患者生活訓練施設
精神疾患ゆえに家庭で日常生活を営むのに支障がある精神疾患者のために日常生活に適応することができるように低廉な料金で居室その他施設を利用させ、必要な訓練及び指導をすることにより精神疾患者の社会復帰を促進することを目的とする施設
2.精神疾患者作業訓練施設
雇傭されことが困難な精神疾患者が自活することができるように低廉な料金で居室その他施設を利用させ、必要な訓練をして職業を斡旋することにより社会復帰促進を企図することを目的とする施設
3.その他保健福祉部令で定める施設
第17条(社会復帰施設の廃止・休止・再開申告)第15条第2項の規定により社会復帰施設を設置した者がその施設を廃止・休止し、又は再開しようとするときは、保健福祉部令が定めるところによりあらかじめ市・道知事に申告しなければならない。
第18条(施設設置の閉鎖等)@市・道知事は、社会復帰施設が次の各号の1に該当するときは、その施設を閉鎖し、又は保健福祉部令が定めるところにより1年の範囲内において期間を定めてその事業の停止を命じることができる。
1.第15条第2項の規定により社会復帰施設を設置した社会福祉法人又は非営利法人がその設立許可が取り消され、又は解散したとき
2.第15条第4項の規定に違反したとき
3.第15条第5項の規定による基準に達しなくなったとき
4.第17条の規定による申告をせず、又は虚偽の申告をしたとき
A市・道知事は、第1項の規定により施設の閉鎖又は事業の停止を命じようとする場合には、1年の範囲内において期間を定めて是正を命じた後これに応じないときにこれを行わなければならない。
第19条(類似(有事)名称の使用禁止)この法律による精神保健施設・精神医療機関・社会復帰施設・精神療養施設でなければ各々当該名称又はこれと類似の名称を使用することができない。
第20条(庁聞)保健福祉部長官、市・道知事又は市長・郡守・区庁長が第11条、第12条第3項又は第18条第1項の規定により許可を取り消し、又は施設を閉銷しようとするときは、聴聞を実施しなければならない。
第21条(保護義務者)@精神疾患者の民法上の扶養義務者又は後見人は、精神疾患者の保護義務者となる。ただし、次の各号の1に該当する者は、保護義務者になることができない。
1.禁治産者及び限定治産者
2.破産宣告を受けて復権されない者
3.当該精神疾患者を相手にした訴訟が係属中の者又は訴訟した事実があった者及びその配偶者
4.未成年者
5.行方不明者
A第1項の規定による保護義務者間の保護義務の順位は、扶養義務者・後見人の順位により扶養義務者が2人以上の場合には、民法第976条の規定に従う。
B第1項の規定による保護義務者がなく、又は保護義務者がやむを得ない事由によりその義務を履行することができない場合には、当該精神疾患者の住所地(住所地がなく、又は分からない場合には、現在地)を管轄する市長・郡守又は区庁長がその保護義務者となる。
第22条(保護義務者の義務)@保護義務者は、被保護者の精神疾患者をして適正な治療を受けるように努力しなければならず、精神科専門医の診断によらずに精神疾患者を入院させ、又は入院を延長させてはならない。
A保護義務者は、保護している精神疾患者が自身又は他人を害しないように留意しなければならず、精神科専門医の診断により精神疾患者が入院することができるように協調しなければならない。
B保護義務者は、精神疾患者の財産上の利益等権利保護のために努力しなければならず精神疾患者を遺棄してはならない。
第23条(自意入院)@精神疾患者は、入院申請書により精神医療機関に自意により入院することができる。
A精神医療機関の長(病院級以上の医療機関に設置された精神科の場合には、その医療機関の長をいう。以下同じである。)は、第1項の規定により入院した患者から退院申請がある場合には、遅滞なく退院させなければならない。
B第2項の規定にかかわらず精神科専門医が当該精神疾患者に対して継続入院が必要であると診断した場合には、精神医療機関の長は、当該患者の退院を中止することができる。
C精神医療機関の長は、第3項の精神疾患者に対して72時間内に第1項又は第24条及び第25条の規定による入院措置をしなければならず、そのようにしない場合には、当該患者を直ちに退院させなければならない。
第24条(保護義務者による入院)@精神医療機関の長は、精神疾患者の保護義務者の同意があるときは精神科専門医が入院が必要とすると診断した場合に限り当該精神疾患者を入院させることができ、入院市当該保護義務者から入院同意書を受けなければならない。
A精神科専門医は、精神疾患者が入院が必要であると診断したときは、第1項の入院同意書に当該精神疾患者が次の各号の1に定めた場合に該当すると判断するという意見を記載した入院勧告書を添付しなければならない。
1.患者が精神医療機関内入院治療を受けるだけの程度又は性質の精神疾患に関わっている場合
2.患者自身の健康又は安全又は他人の安全のために入院する必要がある場合
B第1項の入院期間は、6月以内とする。ただし、精神医療機関の長は、6月が経過した後にも継続入院治療が必要であるという精神科専門医の診断があり、保護義務者が第1項の規定による入院同意書を提出したときは、毎6月ごとに市・道知事に継続入院治療に対する審査を請求しなければならない。
C精神医療機関の長は、第3項の規定による審査結果により退院命令を受けたときは、当該患者を直ちに退院させなければならない。
D精神医療機関の長は、第1項及び第3項の規定により精神疾患者を入院又は入院期間を延長させたときは、遅滞なく本人に入院又は入院期間を延長させた事由及び第29条の規定による退院審査等の請求に関する事項を書面で通知しなければならない。
E精神医療機関の長は、第1項及び第3項の規定による入院同意書を提出した保護義務者から退院申請がある場合には、遅滞なく当該患者を退院させなければならない。ただし、精神科専門医が精神疾患者の危険性を告知した場合には、精神医療機関の長は、退院を中止することができる。この場合保護義務者は、直ちに地方精神保健審議委員会に異議を申請することができる。
F精神医療機関の長は、第1項及び第3項の規定により入院した患者から退院の請求があるときは、精神科専門医の意見により退院が可能な場合当該患者を直ちに退院させなければならない。
第25条(市・道知事による入院)@精神疾患で自身又は他人を害する危険があると疑われる者を発見した精神科専門医又は精神保健専門要員は、市・道知事に当該人の診断及び保護を申請することができる。
A第1項の規定により申請を受けた市・道知事は、直ちに精神科専門医に当該精神疾患者と疑われる者に対する診断を依頼しなければならない。
B精神科専門医が第2項の精神疾患者と疑われる者に対して自身又は他人を害する危険があってその症状の正確な診断が必要であると認めたときは、市・道知事は、当該人を国家又は地方自治団体が設置又は運営する精神医療機関又は綜合病院に2週以内の期間を定めて入院させることができる。
C第3項の規定による自身又は他人を害する危険の基準は、第28条の規定による中央精神保健審議委員会の審議を経て保健福祉部長官が定める。
D市・道知事は、第3項の規定による入院をさせたときは、当該精神疾患者の保護義務者又は保護をしている者に対して遅滞なく入院事由・入院期間及び場所を書面で通知しなければならない。
E市・道知事は、第3項の規定による診断結果当該精神疾患者に対して継続入院が必要であるという2人以上の精神科専門医の一致した所見がある場合当該精神疾患者に対して国家又は地方自治団体が設置又は運営する精神医療機関又は第8条第2項の規定により市・道知事が指定する精神医療機関に入院治療を依頼することができる。
F市・道知事が指定する精神医療機関の長は、第6項の規定により入院治療の依頼を受けたときは、これに積極的に協調しなければならない。
G市・道知事は、第6項の規定による入院依頼時当該精神疾患者及び保護義務者又は保護をしている者に対して継続入院が必要な事由及び期間及び第29条の規定による退院審査等の請求に関する事項を遅滞なく書面で通知しなければならない。
第26条(応急入院)@精神疾患者と推定される者であって自身又は他人を害する危険が大きい者を発見した者は、その状況が非常に急迫して第23条から第25条までの規定による入院をさせることができないときは、医師及び警察官の同意を得て精神医療機関に当該人に対する応急入院を依頼することができる。
A第1項の規定により入院を依頼するときは、これに同意した警察官は、精神医療機関まで当該人を護送する。
B精神医療機関の長は、第1項の規定により入院依頼された者に対して72時間の範囲内において応急入院をさせることができる。
C第3項の規定により入院依頼された者に対する精神科専門医の診断結果継続入院が必要なときは、第23条から第25条までの規定により入院をさせなければならない。
D精神医療機関の長は、第4項の規定による精神科専門医の診断結果継続入院が必要としない場合には、直ちに退院させなければならない。
第27条(精神保健審議委員会の設置及び種類)@精神保健に関して保健福祉部長官及び市・道知事の諮問に応じ、精神保健に関する重要な事項の審議及び審査をするために保健福祉部長官所属の下に中央精神保健審議委員会を、市・道知事所属下に地方精神保健審議委員会を各々置く。
A第31条、第35条及び第36条の規定による審査をするために中央及び地方精神保健審議委員会中に精神保健審判委員会を各々置く。
第28条(精神保健審議委員会の職務)@中央精神保健審議委員会は、次の各号の事項を審議する。
1.精神保健政策に関する事項
2.精神保健施設基準に関する事項
3.精神疾患者の入院及び診療に対する各種基準
4.治療に対する同意に関する医学的見解の提供
5.再審査請求事件
A地方精神保健審議委員会は、次の各号の事項を審査する。
1.精神保健施設に対する監督及び是正
2.異議提起された治療行為の審査
3.処遇改善に対する審査
4.退院及び継続入院可否に対する審査
B中央精神保健審議委員会及び地方精神保健審議委員会(以下"精神保健審議委員会"という。)の委員は、各々5人以上15人以内とし、任期は2年とし、連任することができる。
C精神保健審議委員会の委員は、精神科専門医及び判事・検事又は弁護士の資格がある者及び精神保健に関する専門知識及び経験を有する者の中から保健福祉部長官及び市・道知事が各々任命又は委嘱する。
D精神保健審判委員会は、精神保健審議委員会委員中から保健福祉部長官及び市・道知事が任命した5人の委員で構成し、合議体で案件を審査しなければならない。この場合委員は、精神科専門医、判事・検事又は弁護士の資格がある者の中から各々1人以上を含まなければならない。
E精神保健審議委員会の構成・運営その他必要な事項は、大統領令で定める。
第29条(退院審査等の請求)@精神医療機関に入院中の者又はその保護義務者は、市・道知事にことが自身又は当該入院患者の退院又は処遇改善を請求することができる。
A第1項の請求手続等に関して必要な事項は、保健福祉部令で定める。
第30条(地方精神保健審議委員会への回附)市・道知事は、第24条第3項及び第29条第1項の規定による請求を受けたときは、直ちに当該請求内容を地方精神保健審議委員会に回附しなければならない。
第31条(退院等の審査)@地方精神保健審議委員会は、第30条の規定による回附を受けたときは遅滞なくこれを精神保健審判委員会で審査し、その結果を市・道知事に報告しなければならない。
A第1項の規定による審査をするときは、請求人と精神疾患者が入院している精神医療機関の長の意見を聞かなければならない。ただし、精神疾患者及び保護義務者に有利な場合には、その意見を聞かないことができる。
第32条(委員の除斥)第31条の規定による精神保健審判委員会の退院等の審査には、当該精神疾患者の入院を決定した委員は、参加することができない。
第33条(退院命令等)@市・道知事は、第31条第1項の規定による地方精神保健審議委員会から報告を受けた審査結果により必要な場合精神医療機関の長に対して当該精神疾患者を退院又は仮退院させるように命じ、又は処遇改善のために必要な措置を行うように命じなければならない。
A市・道知事は、第24条第3項及び第29条の規定による請求をした者に対して当該請求に関連した地方精神保健審判委員会の審査結果及びこれに伴う措置内容を請求書接受日から30日以内に書面で通知しなければならない。ただし、やむを得ない事由により期間内に通知することができないときは、その理由及び審査通知する期限を書面で通知しなければならない。
第34条(再審査請求)@第29条の規定による請求をした者及び第24条第3項の規定により継続入院が決定された精神疾患者が第33条第2項の規定による市・道知事の審査結果通知に対して不服があり、又は期間内に審査を受けていない場合には、保健福祉部長官に再審査を請求することができる。
A第1項の再審査請求の手続は、保健福祉部令で定める。
第35条(再審査の回附等)@保健福祉部長官は、第34条第1項の規定による再審査請求を受けたときは、直ちに当該請求内容を中央精神保健審議委員会に回附しなければならない。
A中央精神保健審議委員会の審査に関する事項に関しては第31条の規定を、委員の除斥に関しては第32条の規定を、保健福祉部長官の退院命令等に関する事項に関しては第33条の規定を各々準用する。
第36条(市・道知事による入院措置の解除)@市・道知事は、第25条の規定により入院した者が入院後3月が経過すれば当該患者に対する入院措置を解除しなければならず、これを患者が入院している精神医療機関の長に通知しなければならない。この場合当該精神医療機関の長は、遅滞なく当該患者を退院させなければならない。
A第1項の規定にかかわらず市・道知事は、2人以上の精神科専門医による診断又は精神保健審判委員会の審査結果当該精神疾患者が退院時精神疾患で自身又は他人を害する危険があると明白に認められる診断又は審査結果がある場合には、当該人を継続入院させることができ、その期間は、継続入院日から3月以内とする。
B市・道知事は、第2項の規定により患者を継続入院させたときは当該患者及び保護義務者又は保護をしている者に対して継続入院が必要な事由及び期間を書面で通知しなければならない。
第37条(仮退院)@第24条及び第25条の規定により精神疾患者を入院させている精神医療機関の長は、2人以上の精神科専門医の診断結果当該患者の症状に照らし、一時退院させその回復経過を観察することが必要であると認められるときは、直ちに退院させ、その事実を入院治療を依頼した保護義務者又は市・道知事に通報しなければならない。
A市・道知事は、第1項の規定による通報を受けたとき又は第33条第1項(第35条第2項で準用する場合を含む。)の規定による仮退院命令をしたときは、当該人の入院日又は継続入院日から第24条の規定により入院した場合には、6月の期間に限り、第25条の規定により入院した場合には、3月の期間に限り各々退院後の経過を観察することができる。
B市・道知事は、第2項の規定による観察結果症状の変化等により再度入院させる必要があると認められるときは、2人の精神科専門医の意見を聞いて一時退院した精神疾患者を再度入院させることができる。この場合再入院期間は、再入院をした日から3月を超過することができない。
C第1項から第3項までの規定による通報、観察の内容及び手続及び再入院に関して必要な事項は、大統領令で定める。
第38条(無断退院者に対する措置)@精神医療機関の長は、入院中の精神疾患者であって自身又は他人を害する危険がある者が無断で退院してその行方を分からないときは、管轄警察署長に次の事項を通知して探索を要請することができる。
1.退院者の姓名・住所・性別及び生年月日
2.入院日及び退院日時
3.症状の概要及び人相着衣
4.保護義務者又はこれに準ずる者の姓名・住所
A警察官は、第1項の規定により探索要請を受けた者を発見したときは、直ちにその事実を当該精神医療機関の長に通知しなければならない。この場合警察官は、当該精神疾患者を引き渡すときまで24時間の範囲内において当該人を警察官署・医療機関・社会福祉施設等に保護することができる。
第39条(報告・検査等)@保健福祉部長官、市・道知事又は市長・郡守・区庁長は、精神保健施設の設置・運営者に対する所管業務に関して指導・監督を行い、必要な場合その業務に関して報告又は関係書類の提出を命じ、又は、関係公務員をして当該施設の帳簿・書類その他運営状況を検査させることができる。
A保健福祉部長官又は市・道知事は、大統領令が定めるところにより精神保健審議委員会の委員をして精神保健施設に出入して入院又は入所した精神疾患者に直接面談させ、入院又は入所の適切性の可否、退院又は退所の必要性又は処遇に関して審査させることができる。
B第1項及び第2項の規定による検査・審査をする関係公務員及び委員は、その権限を表す証票をもってこれを関係人に示さなければならない。
C保健福祉部長官又は市・道知事は、第2項の規定による審査結果により精神保健施設の長に対して当該精神疾患者を退院又は退所させるように命じ、又は処遇改善のために必要な措置を採るよう命じることができる。
第40条(入院禁止等)@何人も応急入院の場合を除いては、精神科専門医の診断によらずに精神疾患者を精神医療機関に入院させ、又は入院を延長させることができない。
A第1項の規定による診断の有効期間等に関して必要な事項は、保健福祉部令で定める。
第41条(権益保護)@何人も精神疾患者であったという理由で教育及び雇傭の機会を剥奪し、又はその他不公平な待遇をしてはならない。
A何人も精神疾患者、その保護義務者又は保護をしている者の同意なく精神疾患者に対して録音・録画・撮影することができない。
第42条(秘密漏泄の禁止)この法律により精神疾患者に関連した職務を遂行した者又は遂行する者は、この法律又は他の法令で特に規定された場合を除いては、その職務の隨行と関連して知り得た他人の秘密を漏洩し、又は発表してはならない。
第43条(収容禁止)何人もこの法律又は他の法令により精神疾患者を医療保護することができる施設以外の場所に精神疾患者を収容してはならない。
第44条(特殊治療の制限)@精神疾患者に対する電気衝撃療法・インシュリン昏睡療法・痲酔下催眠療法・精神外科療法その他大統領令が定める特殊治療行為は、当該精神医療機関が構成する協議体で決定し、本人又は保護義務者に特殊治療に対する必要な情報を提供してその同意を得なければならない。
A第1項の協議体は、2人以上の精神科専門医及び大統領令が定める精神保健に関する専門知識と経験を有する者で構成し、その運営手続等に関して必要な事項は、大統領令で定める。
第45条(行動制限の禁止)@精神医療機関の長は、精神疾患者に対して医療のために必要な場合に限り通信の自由、面会の自由その他大統領令が定める行動の自由を制限することができる。
A精神医療機関の長が第1項の行動を制限する場合には、最小限の範囲内においてこれを行わなければならず、その理由を診療記録簿に記載しなければならない。
第46条(患者の隔離制限)@患者の隔離は、患者の症状からみて、本人又は周辺の人が危険に至る可能性が顕著に高く、隔離以外の方法でその危険を回避することが明確に困難であると判断される場合にその危険を最小限に減少させ、患者本人の治療又は保護を図る目的で当該施設内で行わなければならない。
A第1項の規定により患者を隔離する場合には、精神科専門医の指示に従わなければならず、これを診療記録簿に記載しなければならない。
第47条(職業指導等)国家又は地方自治団体は、精神疾患から回復した者がその能力により適当な職業指導・職業訓練を受けることができるように努力して彼らに適切な職種の開発及びその普及のために努力しなければならない。
第48条(団体の保護・育成)国家又は地方自治団体は、精神疾患者の社会復帰促進を目的とする団体又は施設を保護・育成するように努力しなければならない。
第49条(経済的負担の軽減等)国家又は地方自治団体は、精神疾患者及びその保護義務者の経済的負担を軽減し、精神疾患者の社会復帰を促進するために医療費の軽減・補助その他必要な支援をすることができる。
第50条(費用の負担)@国家及び地方自治団体は、第25条の規定による診断及び治療に必要な費用の全部又は一部を負担することができる。
A第1項の規定による費用の負担に関して必要な事項は、大統領令で定める。
第51条(費用の徴収)社会復帰施設・精神療養施設の設置・運営者は、その施設を利用する者から保健福祉部長官が定めて告示する費用徴収限度額の範囲内においてそれに必要とする費用を徴収することができる。
第52条(補助金等)@国家は、予算の範囲内において地方自治団体が設置して運営する精神医療機関、社会復帰施設及び第8条第2項の規定により指定された精神医療機関に対して設置・運営に必要な費用を補助することができる。
A国家又は地方自治団体は、第13条第1項の規定による地域社会精神保健事業に必要な費用を補助することができる。
B国家又は地方自治団体は、大統領令が定めるところにより営利を目的としない精神医療機関・社会復帰施設及び精神療養施設の設置・運営者に対して予算の範囲内においてその設置・運営に必要な費用を補助することができる。
C第1項から第3項の規定による補助金は、その目的外に使用することができない。
第53条(補助金の返還命令)国家又は地方自治団体は、精神医療機関・社会復帰施設及び精神療養施設の設置・運営者が次の各号の1に該当するときは、既に交付した補助金の全部又は一部の返還を命じることができる。
1.詐偽その他不正な方法で補助金を交付受けたとき
2.事業の目的外に補助金を使用したとき
3.その他この法律又はこの法律による命令に違反したとき
第54条(権限の委任)保健福祉部長官又は市・道知事は、この法律による権限の一部を大統領令が定めるところにより市・道知事、国立精神病院長又は市長・郡守・区庁長に委任することができる。
第55条(罰則)次の各号の1に該当する者は、5年以下の懲役又は2千万ウォン以下の罰金に処する。
1.第22条第3項の規定に違反して精神疾患者を遺棄した者
2.第23条第2項又は第24条第4項・第6項の規定に違反して精神疾患者を退院させない者
3.第33条第1項(第35条第2項で準用する場合を含む。)又は第39条第4項の規定に違反して退院又は仮退院命令に応じない者
4.第36条第1項後段の規定に違反して精神疾患者を退院させない者
5.第40条第1項の規定に違反して精神科専門医の診断なく精神疾患者を入院させ、又は入院を延長した者
6.第43条の規定に違反して精神疾患者をこの法律又は他の法令による施設以外の場所に収容した者
7.第44条第1項の規定に違反して協議体の決定がなく、又は精神疾患者又は保護義務者の同意を得ずに特殊治療を行った者
8.第52条第4項の規定に違反した者
第56条(罰則)次の各号の1に該当する者は、3年以下の懲役又は1千万ウォン以下の罰金に処する。
1.第12条第3項及び第18条第1項の規定による事業停止・閉鎖命令に違反した者
2.第15条第2項の規定に違反して申告をせずに社会復帰施設を設置・運営した者
3.第42条の規定に違反して職務上知り得た他人の秘密を漏洩し、又は発表した者
4.第45条第1項の規定に違反して精神疾患者の通信等の自由を制限した者
第57条(罰則)次の各号の1に該当する者は、1年以下の懲役又は500万ウォン以下の罰金に処する。
1.第23条第4項又は第26条第5項の規定に違反した者
2.第24条第3項の規定に違反して継続入院申請をせず、又は遅延した者
3.第33条第1項(第35条第2項で準用する場合を含む。)又は第39条第4項の規定に違反して処遇改善命令に応じない者
4.第41条第2項の規定に違反して同意を得ずに精神疾患者に対して録音・録画・撮影をした者
5.第46条第2項の規定に違反した者
第58条(両罰規定)法人の代表者又は法人でも個人の代理人・使用人その他従業員がその法人又は個人の業務に関して第55条から第57条までの違反行為をしたときは、行為者を罰する他にその法人又は個人に対しても各該当条の罰金刑を科する。
第59条(過怠料)@次の各号の1に該当する者は、100万ウォン以下の過怠料に処する。
1.第17条の規定による申告をせず、又は虚偽の申告をした者
2.第19条の規定に違反した者
3.第24条第5項の規定に違反して通知をしなかった者
4.第37条第1項の規定に違反して通報をしなかった者
5.第39条の規定に違反して報告をせず、又は虚偽の報告をした者、関係書類を提出せず、又は虚偽の書類を提出した者又は関係公務員・精神保健審議委員会委員の検査・審査を拒否・妨害又は忌避した者
6.第41条第1項の規定に違反した者
A第1項の規定による過怠料は、大統領令が定めるところにより保健福祉部長官又は市・道知事が賦課・徴収する。
B第2項の規定による過怠料処分に不服がある者は、その処分の告知を受けた日から30日以内に保健福祉部長官又は市・道知事に異議を提起することができる。
C第2項の規定による過怠料処分を受けた者が第3項の規定により異議を提起したときは、保健福祉部長官又は市・道知事は、遅滞なく管轄法院にその事実を通報しなければならず、その通報を受けた管轄法院は、非訟事件手続法による過怠料の裁判をする。
D第3項の規定による期間内に異議を提起しなくて過怠料を納付しないときは、国税又は地方税滞納処分の例によりこれを徴収する。
第1条(施行日)この法律は、1998年4月1日から施行する。ただし、附則第4条の規定は、公布した日から施行する。
第2条(精神医療機関の施設基準に関する経過措置)この法律施行当時設置・運営されている精神医療機関は、1999年12月31日まで第12条第1項の規定による基準に適合させなければならない。
第3条(精神疾患者療養施設に関する経過措置)この法律施行当時社会福祉事業法による精神疾患者療養施設は、この法律による精神療養施設とみなす。ただし、1999年12月31日までに第10条第3項の規定による基準に適合させなければならない。
第4条(精神療養病院に関する経過措置)@この法律施行当時従前の規定により運営されている精神療養病院は、1999年12月31日までに第12条第1項の規定による基準を具備して精神病院の許可を受けなければならない。
Aこの法律施行当時従前の規定により精神療養病院を設置中の社会福祉法人は、1999年12月31日まで第12条第1項の規定による基準を具備して精神病院の許可を受ける条件で従前の規定に従い精神療養病院の許可を受けることができる。
第5条(精神医療法人に関する経過措置)@この法律施行当時従前の規定により精神療養病院を設置する目的で設立された精神医療法人は、医療法第41条の規定による医療法人とみなす。
Aこの法律施行当時従前の規定により社会復帰施設を設置する目的で設立された精神医療法人は、社会福祉事業法第16条の規定による社会福祉法人とみなす。
第6条(他の法令との関係)この法律施行当時他の法令で精神保健法の規定を引用している場合この法律中それに関する規定があるときは、この法律の該当規定を引用したものとみなす。