
[最終改正2002.1.26法律第6627号]
第1条(目的)この法律は、行政訴訟手続を通じて行政庁の違法な処分その他公権力の行使・不行使等による国民の権利又は利益の侵害を救済し、公法上の権利関係又は法適用に関する争いを適正に解決することを目的とする。
第2条(定義)@この法律において使用する用語の定義は次のとおりである。
1."処分等"とは、行政庁が行う具体的事実に関する法執行としての公権力の行使又はその拒否及びその他にこれに準ずる行政作用(以下"処分"という)及び行政審判に対する裁決をいう。
2."不作為"とは、行政庁が当事者の申請に対して相当な期間内に一定の処分をしなければならない法律上義務があるにもかかわらず、これをしないことをいう。
Aこの法律を適用する場合において、行政庁には法令により行政権限の委任又は委託を受けた行政機関、公共団体及びその機関又は私人が含まれる。
第3条(行政訴訟の種類)行政訴訟は、次の四つに区分する。
<改正1988.8.5>
1.抗告訴訟:行政庁の処分等又は不作為に対して提起する訴訟
2.当事者訴訟:行政庁の処分等を原因とする法律関係に関する訴訟その他公法上の法律関係に関する訴訟であって、その法律関係の一方当事者を被告とする訴訟
3.民衆訴訟:国又は公共団体の機関が法律に違反する行為をした場合に、直接自らの法律上利益と関係なくその是正を求めるために提起する訴訟
4.機関訴訟:国又は公共団体の機関相互間における権限の存否又はその行使に関する争いがある場合に、これに対して提起する訴訟。ただし、憲法裁判所法第2条の規定により憲法裁判所の管掌事項となる訴訟は除く。
第4条(抗告訴訟)抗告訴訟は、次のように区分する。
1.取消訴訟:行政庁の違法な処分等を取り消し、又は変更する訴訟
2.無効等確認訴訟:行政庁の処分等の効力有無又は存在の可否を確認する訴訟
3.不作為違法確認訴訟:行政庁の不作為が違法であることを確認する訴訟
第5条(国外における期間)この法律による期間の計算において国外における訴訟行為追完においては、その期間を14日から30日に、第三者による再審請求においてはその期間を30日から60日に、訴の提起においてはその期間を60日から90日とする。
第6条(命令・規則の違憲判決等公告)@行政訴訟に対する大法院判決により命令・規則が憲法又は法律に違反するということが確定した場合には、大法院は遅滞なくその理由を総務処長官に通知しなければならない。
A第1項の規定による通知を受けた総務処長官は遅滞なくこれを官報に掲載しなければならない。
第7条(事件の移送)民事訴訟法第34条第1項の規定は、原告の故意又は重大な過失なく行政訴訟が審級を異にする裁判所に誤って提起された場合にも適用する。
<改正2002.1.26>
第8条(法適用例)@行政訴訟に対しては、他の法律に特別な規定がある場合を除いてはこの法律が定めるところによる。
A行政訴訟に関して、この法律に特別な規定がない事項に対しては、裁判所組織法及び民事訴訟法及び民事執行法の規定を準用する。
<改正2002.1.26>
第2章 取消訴訟
第1節 裁判管轄
第9条(裁判管轄)@取消訴訟の第1審管轄裁判所は、被告の所在地を管轄する行政裁判所とする。ただし、中央行政機関又はその長が被告である場合の管轄裁判所は、大法院所在地の行政裁判所とする。
A土地の収用その他不動産又は特定の場所に関係する処分等に対する取消訴訟は、その不動産又は場所の所在地を管轄する行政裁判所にこれを提起することができる。
[全文改正1994.7.27]
第10条(関連請求訴訟の移送及び併合)@取消訴訟及び次の各号の1に該当する訴訟(以下"関連請求訴訟"という)が各々他の裁判所に係属している場合に、関連請求訴訟が係属する裁判所が相当であると認める場合には、当事者の申請又は職権により、これを取消訴訟が係属した裁判所に移送することができる。
1.当該処分等と関連する損害賠償・不当利得返還・原状回復等請求訴訟
2.当該処分等と関連する取消訴訟
A取消訴訟には、事実審の弁論終結時まで関連請求訴訟を併合し、又は被告以外の者を相手とする関連請求訴訟を取消訴訟が係属した裁判所に併合して提起することができる。
第11条(先決問題)@処分等の効力有無又は存在有無が民事訴訟の先決問題になり、当該民事訴訟の受訴裁判所がこれを審理・判断する場合には、第17条、第25条、第26条及び第33条の規定を準用する。
A第1項の場合、当該受訴裁判所は、その処分等を行った行政庁にその先決問題となった事実を通知しなければならない。
第2節 当事者
第12条(原告適格)取消訴訟は、処分等の取消を求める法律上利益がある者が提起することができる。処分等の効果が期間の経過、処分等の執行その他の事由により消滅した後においても、その処分等の取消により回復する法律上利益がある者の場合にはまた同様とする。
第13条(被告適格)@取消訴訟は、他の法律に特別な規定がない限りその処分等を行った行政庁を被告とする。ただし、処分等があった後にその処分等に関係する権限が他の行政庁に承継された場合には、これを承継した行政庁を被告とする。
A第1項の規定による行政庁がなくなった場合には、その処分等に関する事務が帰属する国又は公共団体を被告とする。
第14条(被告更正)@原告が被告を誤って指定した場合には、裁判所は、原告の申請により決定により被告の更正を許可することができる。
A裁判所は、第1項の規定による決定の正本を新しい被告に送達しなければならない。
B第1項の規定による申請を却下する決定に対しては即時抗告することができる。
C第1項の規定による決定があった場合には、新しい被告に対する訴訟は当初訴を提起した時に提起されたものとみなす。
D第1項の規定による決定があった場合には、従前の被告に対する訴訟は取り下げられたものとみなす。
E取消訴訟が提起された後に第13条第1項但書又は第13条第2項に該当する事由が生じた場合には、裁判所は、当事者の申請又は職権により被告を更正する。この場合には、第4項及び第5項の規定を準用する。
第15条(共同訴訟)数人の請求又は数人に対する請求が処分等の取消請求と関連する請求である場合に限り、その数人は共同訴訟人となることができる。
第16条(第三者の訴訟参加)@裁判所は訴訟の結果により権利又は利益の侵害を受ける第三者がある場合には、当事者又は第三者の申請又は職権により決定でその第三者を訴訟に参加させることができる。
A裁判所が第1項の規定による決定をしようとする場合には、あらかじめ当事者及び第三者の意見を聞かなければならない。
B第1項の規定による申請をした第三者は、その申請を却下した決定に対して即時抗告することができる。
C第1項の規定により訴訟に参加した第三者に対しては、民事訴訟法第67条の規定を準用する。
<改正2002.1.26>
第17条(行政庁の訴訟参加)@裁判所は、他の行政庁を訴訟に参加させる必要があると認める場合には、当事者又は当該行政庁の申請又は職権により決定でその行政庁を訴訟に参加させることができる。
A裁判所は、第1項の規定による決定をしようとする場合には、当事者及び当該行政庁の意見を聞かなければならない。
B第1項の規定により訴訟に参加した行政庁に対しては、民事訴訟法第76条の規定を準用する。
<改正2002.1.26>
第3節 訴の提起
第18条(行政審判との関係)@取消訴訟は、法令の規定により当該処分に対する行政審判を提起することができる場合においてもこれを経ずに提起することができる。ただし、他の法律に当該処分に対する行政審判の裁決を経なければ取消訴訟を提起することができないという規定がある場合にはこの限りでない。
<改正1994.7.27>
A第1項但書の場合においても、次の各号の1に該当する事由がある場合には、行政審判の裁決を経ずに取消訴訟を提起することができる。
<改正1994.7.27>
1.行政審判請求があった日から60日が経過しても裁決がないとき
2.処分の執行又は手続の続行から生ずる重大な損害を予防しなければならない緊急な必要があるとき
3.法令の規定による行政審判機関が議決又は裁決をすることのできない事由があるとき
4.その他の正当な事由があるとき
B第1項但書の場合において、次の各号の1に該当する事由がある場合には、行政審判を提起することなく取消訴訟を提起することができる。
<改正1994.7.27>
1.同種事件に関して、すでに行政審判の棄却裁決があったとき
2.相互に内容上関連する処分又は同一目的のために段階的に進行する処分のうちいずれか一つがすでに行政審判の裁決を経たとき
3.行政庁が事実審の弁論終結後訴訟の対象である処分を変更し、当該変更された処分に関して訴を提起するとき
4.処分を行った行政庁が行政審判を経る必要がないと誤って通知したとき
C第2項及び第3項の規定による事由は、これを疎明しなければならない。
第19条(取消訴訟の対象)取消訴訟は、処分等を対象とする。ただし、裁決取消訴訟の場合には、裁決自体に固有の違法があることを理由とする場合に限る。
第20条(提訴期間)@取消訴訟は、処分等があることを知った日から90日以内に提起しなければならない。ただし、第18条第1項但書に規定する場合及びその他行政審判請求をすることができる場合又は行政庁が行政審判請求をすることができると誤って通知した場合に、行政審判請求があったときの期間は、裁決書の正本の送達を受けた日から起算する。
A取消訴訟は、処分等があった日から1年(第1項但書の場合は裁決があった日から1年)を経過すればこれを提起することができない。ただし、正当な事由がある場合にはこの限りでない。
B第1項の規定による期間は、不変期間とする。
[全文改正1994.7.27]
第21条(訴の変更)@裁判所は、取消訴訟に当該処分等に関係する事務が帰属する国又は公共団体に対する当事者訴訟又は取消訴訟以外の抗告訴訟に変更することが相当であると認めるときは、請求の基礎に変更がない限り事実審の弁論終結時まで原告の申請により決定で訴の変更を許可することができる。
A第1項の規定による許可をする場合、被告を異にすることになるときは、裁判所は新たに被告になる者の意見を聞かなければならない。
B第1項の規定による許可決定に対しては即時抗告することができる。
C第1項の規定による許可決定に対しては、第14条第2項・第4項及び第5項の規定を準用する。
第22条(処分変更による訴の変更)@裁判所は、行政庁が訴訟の対象である処分を訴が提起された後に変更した場合には、原告の申請により決定で請求の趣旨又は原因の変更を許可することができる。
A第1項の規定による申請は、処分の変更があることを知った日から60日以内にしなければならない。
B第1項の規定により変更される請求は、第18条第1項但書の規定による要件を具備したものとみなす。
<改正1994.7.27>
第23条(執行停止)@取消訴訟の提起は、処分等の効力又はその執行又は手続の続行に影響を与えない。
A取消訴訟が提起された場合に、処分等又はその執行又は手続の続行により生ずる回復困難な損害を予防するために緊急な必要があると認めるときは、本案が係属している裁判所は、当事者の申請又は職権により処分等の効力又はその執行又は手続の続行の全部又は一部の停止(以下"執行停止"という)を決定することができる。ただし、処分の効力停止は、処分等の執行又は手続の続行を停止することによって目的を達成することができる場合には許されない。
B執行停止は、公共福利に重大な影響を及ぼすおそれがあるときは、許されない。
C第2項の規定による執行停止の決定を申請する場合においては、その理由に対する疎明がなければならない。
D第2項の規定による執行停止の決定又は棄却の決定に対しては、即時抗告することができる。この場合、執行停止の決定に対する即時抗告には決定の執行を停止する効力がない。
E第30条第1項の規定は、第2項の規定による執行停止の決定にこれを準用する。
第24条(執行停止の取消)@執行停止の決定が確定した後、執行停止が公共福利に重大な影響を及ぼし、又はその停止事由がなくなったときは、当事者の申請又は職権により決定で執行停止の決定を取り消すことがすることができる。
A第1項の規定による執行停止決定の取消決定及びこれに対する不服の場合には、第23条第4項及び第5項の規定を準用する。
第4節 審理
第25条(行政審判記録の提出命令)@裁判所は、当事者の申請があるときは、決定で裁決を行った行政庁に対して行政審判に関する記録の提出を命ずることができる。
A第1項の規定による提出命令を受けた行政庁は、遅滞なく当該行政審判に関する記録を裁判所に提出しなければならない。
第26条(職権審理)裁判所は、必要であると認めるときは、職権で証拠調査をすることができ、当事者が主張しない事実に対しても判断することができる。
第5節 裁判
第27条(裁量処分の取消)行政庁の裁量に属する処分又は裁量権の限界を超え、又はその濫用があるときは、裁判所は、これを取り消すことができる。
第28条(事情判決)@原告の請求に理由があると認める場合においても、処分等を取り消すことが顕著に公共福利に適さないと認めるときは、裁判所は、原告の請求を棄却することができる。この場合、裁判所は、その判決の主文でその処分等が違法であることを明示しなければならない。
A裁判所が第1項の規定による判決をする場合においては、あらかじめ原告がそれにより受ける損害の程度及び賠償方法その他の事情を調査しなければならない。
B原告は、被告である行政庁が属する国又は公共団体を相手に損害賠償、除害施設の設置その他適当な救済方法の請求を当該取消訴訟等が係属する裁判所に併合して提起することができる。
第29条(取消判決等の効力)@処分等を取り消す確定判決は、第三者に対しても効力がある。
A第1項の規定は、第23条の規定による執行停止の決定又は第24条の規定によるその執行停止決定の取消決定に準用する。
第30条(取消判決等の羈束力)@処分等を取り消す確定判決は、その事件に関して当事者である行政庁及びその他の関係行政庁を羈束する。
A判決により取り消される処分が当事者の申請を拒否することを内容とする場合には、その処分を行った行政庁は、判決の趣旨に従い、再度以前の申請に対する処分をしなければならない。
B第2項の規定は、申請に従った処分が手続の違法を理由として取り消される場合に準用する。
第6節 補則
第31条(第三者による再審請求)@処分等を取り消す判決により、権利又は利益の侵害を受けた第三者は、自分に責任のない事由により訴訟に参加することができないことによって判決の結果に影響を及ぼす攻撃又は防禦方法を提出することができない場合には、これを理由として確定した終局判決に対し、再審の請求をすることができる。
A第1項の規定による請求は、確定判決があることを知った日から30日以内、判決が確定した日から1年以内に提起しなければならない。
B第2項の規定による期間は、不変期間とする。
第32条(訴訟費用の負担)取消請求が第28条の規定により棄却され、又は行政庁が処分等を取り消し、又は変更することにより請求が却下又は棄却された場合には、訴訟費用は被告の負担とする。
第33条(訴訟費用に関する裁判の効力)訴訟費用に関する裁判が確定した場合には、被告又は参加人であった行政庁が所属する国又は公共団体にその効力を及ぼす。
第34条(拒否処分取消判決の間接強制)@行政庁が第30条第2項の規定による処分をしない場合には、第1審受訴裁判所は、当事者の申請により決定で相当な期間を定めて行政庁がその期間内に履行しないときは、その遅延期間に従い一定の賠償をすることを命じ、又は直ちに損害賠償をすることを命ずることができる。
A第33条及び民事執行法第262条の規定は、第1項の場合に準用する。
<改正2002.1.26>
第3章 取消訴訟以外の抗告訴訟
第35条(無効等確認訴訟の原告適格)無効等確認訴訟は、処分等の効力の有無又は存在の有無の確認を求める法律上利益がある者が提起することができる。
第36条(不作為違法確認訴訟の原告適格)不作為違法確認訴訟は、処分の申請をした者であって、不作為の違法の確認を求める法律上利益がある者のみが提起することができる。
第37条(訴の変更)第21条の規定は、無効等確認訴訟又は不作為違法確認訴訟を取消訴訟又は当事者訴訟に変更する場合に準用する。
第38条(準用規定)@第9条、第10条、第13条から第17条まで、第19条、第22条から第26条まで、第29条から第31条まで及び第33条の規定は、無効等確認訴訟の場合に準用する。
A第9条、第10条、第13条から第19条まで、第20条、第25条から第27条まで、第29条から第31条まで、第33条及び第34条の規定は、不作為違法確認訴訟の場合に準用する。
<改正1994.7.27>
第4章 当事者訴訟
第39条(被告適格)当事者訴訟は、国・公共団体その他の権利主体を被告とする。
第40条(裁判管轄)第9条の規定は、当事者訴訟の場合に準用する。ただし、国又は公共団体が被告である場合には関係行政庁の所在地を被告の所在地とみなす。
第41条(提訴期間)当事者訴訟に関して法令に提訴期間が定められているときは、その期間は不変期間とする。
第42条(訴の変更)第21条の規定は、当事者訴訟を抗告訴訟に変更する場合に準用する。
第43条(仮執行宣告の制限)国を相手とする当事者訴訟の場合には、仮執行宣告をすることができない。
第44条(準用規定)@第14条から第17条まで、第22条、第25条、第26条、第30条第1項、第32条及び第33条の規定は、当事者訴訟の場合に準用する。
A第10条の規定は、当事者訴訟及び関連請求訴訟が各々他の裁判所に係属している場合の移送及びこれらの訴訟の併合の場合に準用する。
第5章 民衆訴訟及び機関訴訟
第45条(訴の提起)民衆訴訟及び機関訴訟は、法律が定めた場合に法律に定めた者に限り提起することができる。
第46条(準用規定)@民衆訴訟又は機関訴訟であって処分等の取消を求める訴訟には、その性質に反しない限り取消訴訟に関する規定を準用する。
A民衆訴訟又は機関訴訟で処分等の効力の有無又は存在の有無又は不作為の違法の確認を求める訴訟には、その性質に反しない限り、各々無効等確認訴訟又は不作為違法確認訴訟に関する規定を準用する。
B民衆訴訟又は機関訴訟であって第1項及び第2項に規定された訴訟以外の訴訟にはその性質に反しない限り当事者訴訟に関する規定を準用する。
附則は、省略。