@あらすじ(ネタバレあり)

昭和8年、東京府池袋。
交差点でオープンカーが事故を起こして、荷台に載せられていた石膏の
立像が投げ出された。
運転手は姿を消し、石膏像の中からは顔を潰された女性の死体が。

容疑者は彫刻家の綿貫創人。
名探偵明智小五郎(陣内孝則)の少年助手小林少年(黒田勇樹)は犯人
を暴こうと綿貫のアトリエに忍び込むが、何者かによって綿貫ともども焼き
殺されそうになったところを明智によって助けだされる。

一方石膏像の死体は手首の傷から野上みや子と判明。
悲しみにくれる妹の野上あい子の元には地獄の道化師を名乗る者から謎
のピエロ人形が届けられた。

明智は夫人の文代(森口瑤子)に連れられオペラのリサイタルへ行くが、
衆人環視のステージ上で歌い手の相沢麗子が首を吊られ殺害される。
ロープを引っ張る謎の道化師を発見した明智は後を追うが逃げられてし
まう。
彼女の元にもまたピエロ人形が送りつけられていた。
捜査に出向いた浪越警部(伊武雅刀)はステージでピアノを演奏していた
白井清一を疑うが明智は第三者が犯人であることを見抜いた。

あい子の婚約者である白井はあい子と共に明智に事件の調査を依頼。
明智の調査で他にも3人の女性に人形が送りつけられていることが判明
し、すべての女性は白井清一と何らかの関係があった。
その後3人の女性は死体で発見される。

地獄の道化師から殺害するとの予告があり、明智と浪越は野上家で警
戒に当たる。
地獄の道化師の手が及ぶ前にすべてを見抜いた明智は一気にその隠れ
家を突き止めたのだが・・・。
そこに道化師の姿はなく、代わりに顔面を硫酸で焼かれた女性が横たわ
っていた。

明智は聞き込みを重ね、あい子の姉みや子の異常性に気付き始める。
また顔を焼かれ記憶をなくした女性を不憫に思ったあい子は彼女をひきと
ることにした。

その晩野上家では屋敷を徘徊する謎の影が。
それは顔を包帯で巻いた被害者の女性であった。
彼女はあい子の腕に注射器を刺そうとしていたのである。
すべてを読んでいた明智は間一髪で間に入り、事件のすべてを話し始める。

犯人は最初に顔を潰されて死んだと思われていた野上みや子だった。
彼女は自殺した友人の死体を使い自分の身代わりをさせ、自分は死んだ
と思わせていたのだ。
動機は白井清一を思う歪んだ愛であった。
そのために白井清一にかかわる女性をすべて殺害しようとしたのである。
明智の謎解きの後、妹であるあい子を殺害しようとわなを仕掛けるみや子
だったが、そのわなで逆に自ら命を落とし事件は解決した。

A原作との相違(大きな相違に限る)

野上あい子は殺され、実際は相沢麗子が生き残る。
(ただし、立場が入れ替わっているだけでストーリーに大きな差異はない)

その他細かい差異は多々あるが、大きな差異はない。

B総評

ストーリーも原作に沿っていて、また原作にない演出もかなりおもしろい。
たとえば相沢麗子をステージ上で吊り上げるところなど。
乱歩の犯人によくある犯罪を見せびらかすような雰囲気もよく出している
し、道化師のいやらしさや恐ろしさがびっくりするくらい出せていると思う。
顔を焼かれた女性が登場した後少し話が中だるみっぽくなるのが、あえて
言えば不満なところです。
内容は残酷で、動機などとても暗い話なのだが、雰囲気が暗くなりすぎない
のは、舞台風の演出、そして明智と文代と小林少年による温かみのある
ショートコント(?)が効いているからでしょうか。
ペコ☆的にはこの『地獄の道化師』は、全4話中で第2位に位置しています。

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