良いブリーダー?と悪いブリーダー?  (優良ブリーダーってホントにいるの?)


初めに
先日、大手の本屋さんに動物愛護関係の本を探しに行ってまいりました。
そこには驚くべき事実がりました。
数多くのペットの本はあるのですが、動物愛護に関する書籍(理論書、論理的に書かれた本)
は一冊もないのです。
店員さんに聞いても、個人、個々の内容について書かれた本はあるけれども、そういった論理
的に書かれた本はないとのことでした。
このことからして、いかに日本の動物愛護がいかに遅れているかと言う事を実感させられました。
これでは、多くの人が、今ある、いわゆる常識とされている事を基準にし、考え、思い込む事に
危惧し、問題をゼロから考え、自分の思考で判断するようにとの思いもあり、書いてみました。
以下の問題について、その遅れているという事実を基に、ゼロから考えていただきたいと思い
ます。



最近、動物愛護ボランティアさんや愛護団体などのHPを見ると、時折、生体販売に反対して
いるのを見かけます。
しかしながら、全ての生体販売に反対している方は少ないのではないでしょうか。
残念なことに、悪質ブリーダーやペットショップなどからの生体販売だけに反対している方
が多いように思います。  

それでは、動物愛護と言う観点から見て、いわゆる良いブリーダーの生体販売は、許される
べき行為なのでしょうか?

そもそも、いわゆる良いブリーダーなんて存在するのでしょうか?


このことを論じる前に、なぜ避妊、去勢をするように、あるいは推奨するようになったかを、
その経緯から説明しなければなりません。

数十年前においては、ブランド犬はほとんどいませんでした。
たまに見かけるブランド犬はシェパード、スピッツ、秋田犬、コリー、柴犬ぐらいです。
ペットショップもほとんどありませんでした。
犬はほとんどの犬が外飼い、室内飼いなど滅多にお目にかかりませんでした。
中には繋がずに放し飼いの飼い主までおりました。 野良犬もちょくちょくに見かけました。
そのような状態で、次々と繁殖し、仔犬達が生まれ、飼い主は欲しい人にもらってもらったり、
していましたが、飼えなくなった仔犬は保健所へ持ち込んだり、山等に捨てに行ったりしていた
ようです。
そのまま死んでしまった犬も多くいたでしょうし、野犬になり、さらに繁殖するといった状況で
した。  そして多くの犬たちが結果的に処分されていました。
このことは、望まれない犬、飼われる事のない犬が多く生まれていたことを物語っています。
まったくと言ってよいほど適正に管理できていない状況でした。

このため、効果的な方法として、避妊、去勢が推奨されるようになってきました。
このことから導き出される去勢、避妊手術の目的は、犬の数が犬を飼おうとしている人より多い
ために処分される犬を減らす為の対処的、効果的な方法の一つとして成り立ってきたのです。

決して、犬の成人病予防や、遺伝子の淘汰のためなどではありません。
相乗効果として犬の成人病の予防としての効果等はありますが。



(不妊手術とブリーダー)

動物愛護の感情的な側面から考えると、多くの犬が処分されているにも関わらず、そのことを
知っていながら我関せずとばかり、平気で繁殖させて増やしているという行為に対して、いわ
ゆる良いブリーダーと悪いブリーダーにどういった違いがあるのでしょうか?
両方とも明らかに確信犯であると言えます。  

その違いを一般論として説明してみると、一般的な考えとして、悪いブリーダーは、何でもかん
でも繁殖させ、そして繁殖屋と呼ばれ、遺伝病や病気の犬を販売している、それに対して、いわゆる
良いブリーダーは玄人であり経験などから遺伝病や弱い犬を排除し、よりスタンダードに近い犬を
繁殖させて、さらに限られた人にしか売らないといったものです。 
しかし、このことと、避妊、去勢を推奨する主な理由(犬を飼っている人より犬の数の方が多い)
とは、何の関係もないのです。
犬を繁殖させて、増やすという行為に何の違いがあるのでしょうか。
増やしていることは間違いのない事実なのです。

これでは、避妊、去勢を推奨する、意味がありません。
犬を大事に思い、処分される、不幸な犬を少しでも減らそうとして、犬を愛するが故にやむ
を得ず、避妊している愛護家たちが、なぜこのことに反対しないのでしょうか。
さらにその上、いわゆる良いブリーダーを擁護するような愛護家や動物愛護団体さえ存在して
います。


そこには、この問題点に関して恣意的かそうではないのかに係わらず、論理のすり替えが、
存在するからです。
あるいは、この問題に大きな論理のすり替えがあることに気づかないからです。


この論理のすり替え(錯覚)はどうして起こったのでしょうか?
そこには悪徳ブリーダーとペットショップの存在があります。
悪徳ペットショップ、ブリーダーの行状が余りにひどすぎたため、いわゆる良いブリーダーの
表向きの上記のような行為が良く思えたのかもしれません。 また、いわゆる良いブリーダーが
悪いブリーダー等を批判したからかも知れません。 また、いわゆる良いブリーダーは遺伝病の
犬やスタンダードから外れた犬を生産せず、販売しないと言うようなイメージが出来上がってし
まったからかもしれません。



(ブリーダーによる人工淘汰)

それでは、そのいわゆる良いブリーダー達は過去、現在において、どのような行為をしてきた
のでしょうか?
いわゆる良いブリーダーが変種(イヌ科イヌ属イエイヌの変種、純血種、(ブランド犬)以下略)
の固定をするために行ってきたことは、何代にもわたっての近親交配、スタンダードから外れ
て生まれてきた犬や、遺伝疾患をもって生まれてきた犬の人工淘汰(間引き、以下所略)なの
です。 
いわゆる良いブリーダーにとってきちんと変種として固定するためには、又、その目標を達成
するためには、一生懸命にすればするほど、人口淘汰は欠かせないのです。

こういった人工淘汰は一般常識からみても、許されるものなのでしょうか?

仮に、百歩譲ってそれを認めたとしても、いわゆる良いブリーダーの論理で考え、また、それを
無理やりに認めたとしても、遺伝病やスタンダードから外れたという理由でなどで人工淘汰され
た犬はかわいそうではないのでしょうか。 彼らは人工淘汰する時に何も感じないのでしょう
か? 目の開かぬ内に殺す行為は正当化されて良いものなのでしょうか?
 
現在、ブランド犬として多くの変種が存在しています。
この多くの変種のいわゆるスタンダードを作り出すために、過去において、どれだけのいわゆ
るスタンダードになりえなかった犬達が人工淘汰されてきたことでしょう。
しかし、ブリーダーの観点から見れば、極、通常の行為かもしれません。
しかし、多くの犠牲になった犬達の恐怖や苦しみを考えた場合、そういった行為は一般的な観
点や動物愛護の観点から見ても、決して許されるものではないでしょうし、そういった行為を
行う、あるいは行ってきたブリーダーの存在自体を認める事は出来ないのではないのでしょうか。

なぜならば、いわゆる良いブリーダーを容認することは間引き等で、何も罪のない犬を殺す
こと(殺してきた事)を容認することに繋がるからです。

いわゆる良いブリーダーは主張するでしょう。 遺伝病やスタンダードでない、生まれ
てきた犬は淘汰しないと、大変なことになると。 せっかく作ったのだから。
では、その遺伝病やスタンダードになりきれなかった犬は誰が作り出したのでしょうか? 
また、その間引きされた犬や遺伝病の犬に対する責任は誰がどう取るのでしょうか? 
いわゆる良いブリーダーは消費者への責任は販売しないために淘汰(殺すこと)することで、
取っているつもりなのでしょう。 
では、犬に対する責任はどう取っているのでしょうか。 自分たちが作り出した命ある生き物
である遺伝病などを持った弱い犬の命に対する責任は誰がどう取っているのでしょうか。
  

このことを動物愛護の側面から捕らえても、一般常識の側面から考えても、いわゆる良い
ブリーダーの行為を認めるということは、犬の間引きなどによる殺戮を確実に認めることに
なってしまいます。 
少なくとも、動物愛護に携わる人間がこのことを認めるべきではないし、絶対に認めてはなら
ないことなのです。

言い換えれば、そのことを認めた時点で、動物愛護とは無関係、無縁になると言うことです。



(ブリーダーと遺伝病)

また、良く似た意見として、素人は繁殖させてはいけないとか、経験をつんだいわゆる良いブ
リーダーだけが繁殖させるべきだとか言う意見もあります。
いわゆる良いブリーダーは遺伝病のリスクのある繁殖はしないと言う意見もあります。

この論理は有害排気ガスを出しながら、有害な排気ガスの成分を減らしたからといって、地球に
やさしい、環境にやさしい自動車ですといっている自動車メーカーのコマーシャルに似ています。 
ここにも論理のすり替えがあります。 いくら有害物質を減らしたからといっても、有害物質を
出していることには、違いがありません。 有害物質は確実に出ているのです。
果たして、本当にそのいわゆる良いブリーダーは100%、遺伝病の犬を生まれてこさせないので
しょうか?

確実な統計こそありませんが、近親相姦を何十代にもわたり繰り返してきた結果から推測すると、
無謀な繁殖をさせるブリーダーよりは、遺伝病などの犬が生まれてくる確率は低いかもしれませ
ん。
しかし、遺伝病などを持った犬は確実に、どんなにリスクの少ない繁殖をさせようとも、いわゆる
良いブリーダーからも生まれているのです。
 
そして人工淘汰されているのです。 遺伝病を持った犬が生まれてくる数が多いか少ないかの
問題なのです。 又、自然繁殖によっても遺伝病の出る確率は少ないにせよゼロではありません。 
しかし、自然繁殖は犬自信の意思による繁殖なのです。 人間の意思による人口繁殖ではないの
です。
このことを考慮すると、経験をつんだいわゆる良いブリーダーだけが繁殖させるべきだとか言う
主張は、明らかに間違いだといえます。 というよりも、ブリーダー全ての繁殖行為は動物愛護
の精紳に反する行為であるだけでなく、結果として税金を使って行政が動物たちを処分している
事実を考慮すると、明らかに公共の利益に反する反社会的な行為だという事が導きだされます。


さらに、現代では、明らかに動物の愛護と管理に関する法律 第44条 の違反になります。
1年以下の懲役、100万円以下の罰金です。
このことからも、現代において、間引きする畜犬業者(ブリーダー)は犯罪者という事になります。 
したがって新しい変種を作り出そうとしている畜犬業者など存在できないはずなのです。
もし、あなたの周りにそういった畜犬業者(ブリーダー)が存在するなら、限りなくまさに犯罪者
でもあると言えましょう。



(反社会的 職業?)

上記の問題だけでなく、虐待者や生体販売業者、ブリーダー等は明らかに動物の愛護と管理に関する
法律の中で規制されています。 ブリーダーと言う職業は国が単にその職業として推奨する
ために認めているのではなく、暴対法による暴力団との関係と同じく、規制対象として国が認めて
いるに過ぎないのです。

この反社会的行為を行う人の生活権の問題がありますが、しかし、反社会的集団という側面から
考えると決して認められるものではありません。
もし、これを認めるならば、暴力団関係者の職業としての生活権も認めなければならないといった
事になるでしょう。



(人工繁殖の不当性)

近年において、いわゆる良いブリーダーたちは、自然界で存在し得ない、生きることさえ出来な
い数多くの変種を作り出してきました。
此れは、犬自体が望んだ結果としての自然繁殖でなく、いわゆる良いブリーダーが作り上げてき
たものです。 
もちろん、犬が頼んだわけでもありませんし、一般の人間が頼んだものでもありません。 
いわゆる良いブリーダーが勝手に作り出したものです。 
その理由は何でしょうか? いったい何のために作り出したのでしょうか。  
全ての動物は自己の利益に対して、行動します。 
この場合、何の利益があったのでしょうか?  お金のためでしょうか?  自己満足のためで
しょうか? おそらく、一般的に考えると、悪いブリーダーはお金のため、いわゆる良いブリー
ダーは自己満足のためといえるのではないでしょうか?
過去においては一部、使役犬を作るためであったかもしれませんが、近年から現在において使
役犬をただ作るために膨大な時間と費用をかけて個人が作るという事は非常に考えにくいことで
あるといえます。 
それにも増して、犬属の600万年の進化の歴史と個人の利益や個人の趣味嗜好や欲望と
比較した場合、どちらが重いのでしょうか?
 

また、犬達が自ら選択し、自らの未来のために進化してきた事を否定し、多様性等の否定にもなる、
犬自身を退化させていると言える全ての人工繁殖は、犬自身にとって、あるいは犬自身の未来にとって
百害あって一利なしと言えるものです。

またそういった、変種を買うことは、ブリーダーが行ってきた、犯罪行為である、間引き等を容認する
ことにもなります。
もし、あなたが、犬と言う種が好きであるなら、また、動物愛護家であるなら、この事実を認めたくない
にしても、犬属の未来のためにも、自らのエゴを捨て去り、全ての販売業者から犬を買わないことです。
それが、あなたの大好きな犬属に対する、愛情表現としての証になるのではないでしょうか。



現在の日本において犬の飼育数は1300万頭を超えているそうです(日本ペットフード協会調べ
推計値)。
驚く事に、内、変種の飼育数は3分の2を越え880万頭を超えているのです。
純粋に進化を遂げたゲノムをもった犬の数は3分の1以下です。
この3分の1以下の犬の中にも変種として作り出された云わば退化した犬のゲノムが含まれている
可能性さえあるのです。 このままでは犬属が滅んでゆく可能性さえ出てくることでしょう。
この愚かな行為を犯しているのがブリーダーなのです

この数字を元に計算すると、変種の生産頭数は平均で年間70万頭を超えているでしょう。
驚くべき数字です。 ナチュラルなMIX犬は年間平均30万頭生まれている計算になります。
しかし、減少傾向にあります。

2003年 変種 580.5万頭、 MIX(イエイヌ) 431.2万頭
2005年 変種 885.7万頭、 MIX(イエイヌ) 421.1万頭

しかし、驚く事に、近年においてはペットブームによるためか、わずか2年間で変種は
約305万頭増えています。
これを年間で平均の自然死亡数も入れて計算しなおすと220万頭以上、生産されたことに
なります。


これでは、避妊、去勢を推奨する意味が半減するどころか、焼け石に水といったところでは
ないでしょうか。


このままイヌ科イヌ属イエイヌが減り続けると、いずれはレッドデータブックに載るかも知れ
ません。
さらにその上、近年においては、買ったばかりの仔犬を遺棄したり保健所に持ち込むことは考
えにくいため、今から2−3年後には処分される犬は激増する事が予測されます。

もし、全ての生体販売がなくなれば、ガス室で恐怖に怯え、苦しみぬいて殺される犬の数は、大幅
に減り、また、多様性を否定する繁殖もなくなるわけですから、犬たちにとって、一筋の光明である
かもしれません。

人間は他の動物を淘汰してきました。 否、動物においても同様であると思います。 植物は草食
動物に食べられ、草食動物は肉食動物に食べられ、肉食動物は死んで微生物により分解され、
植物に吸収されるといった、食物連鎖があるからです。 この食物連鎖を否定する事は、即、死を
意味します。 
全ての生物には、自然権としての生きる権利があります。 食物連鎖はこの生きる権利とのせめ
ぎ合いなのです。 自分が生きるために、餌となる他の動植物の命を奪う事は自然権の範囲内だと
いう事がいえます。 
しかし、いわゆる良いブリーダーが遺伝病の犬やそのキャリアを殺す事は、動物愛護以前に、
明らかにこの自然権の範疇ではあるとは言えません。 自分達の趣味嗜好や金儲けのために
繁殖させる行為も同様な行為であるといえます。
 このような個人的な利益や欲望を追求する行為が、
自然界で生きていけない変種(純血種)を作り出し、全てのブリーダーが作った、遺伝病の犬で犬自身を
苦しめ、さらに、死に至らしめ、増やすという行為によって処分される犬達をも作り出し、600万年の
犬属の進化の歴史を冒涜している現実が此処にあるのです。
 
したがって、どの視野、どの角度から見ても、良いブリーダーなどこの世に存在のしようがないの
です。
  
その為、多くの意識的な論理のすり替えがあるためと言うより、そうなってしまった為、又、
ブリーダーの存在が普通になってしまったため、勘違いされている愛護団体や愛護ボランティアさん
も多く存在することになり、さらに募金屋と呼ばれる団体まで出てきてしまうのです。




(淘汰の意味すること)

犬の進化の歴史というものを前提に考えた場合において、淘汰には自然淘汰の他に人口淘汰が
あります。 これには、遺伝子を残さないための不妊手術も含まれます。 それ以外は、ブリーダ
ーが行ってきた、間引き(殺す)という方法です。 どちらも、ゲノムを残さないという事には、
全く変わりありません。 
しかし、良く考えると、愛護団体や心ある飼い主さんが行う不妊手術も同じ事です。 
しかしながら、大きな違いは、その課程にあるのです。
現在の犬の置かれた状況は椅子取りゲームに似ています。 
犬を適正に飼っている人間の数は限られているのです。 その人間の数より、犬の数の方が多いの
です。 椅子取りゲームも同じように椅子の数より、ゲームに参加する人間の数の方が多いのです。 
多くの愛護団体は、ブリーダーが作り出した犬や不妊手術を怠ったためや生まれてきた犬が多いため
に椅子とりゲームのように、座る事が出来ず、処分される犬を減らすため、やむを得ず、緊急避難措
置として、多大な費用をかけて不妊手術しているのです。
飼う人間より、犬の数が未来永劫に少なければ、避妊手術など、まったくする必要などないのです。
  
一方、ブリーダーはどうでしょうか。 死の椅子取りゲームの参加者を増やし、それすら参加できな
い遺伝病の犬や奇形の犬達を、さらに間引きしているのです。 同じ、ゲノムの淘汰であるにせよ
愛護団体や不妊手術をしている人と180度考えが違うのです。 

上記のことから鑑みて、残念ながら、現代において、ブリーダーは単にかわいい仔犬を売っている
やさしい人ではなく、反社会的な死の商人といわざるを得ません。
こういった、いわゆる良いブリーダーも含めた生体販売を認める事は、動物愛護者、ボランティア、
愛護団体にとって、
自殺行為だと断定せざるを得ません。
 

良いブリーダーなどこの世に存在し得ないのです。
間引く行為は犯罪です。





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蓄犬業者(ブリーダ)の実態

避妊、去勢について(避妊、去勢の正しい知識)

生体販売の反対について。