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岸川美好よもやま話
盲導犬アロマが引退します
平成14年12月、財団法人 九州盲導犬協会で盲導犬の訓練を終えて私の住む嬉野町にやってきました。
盲導犬を使用する為には盲導犬の訓練センターで一か月間、犬との共同訓練を受けなくてはなりません。
盲導犬の共同訓練は、犬との生活に必要な事柄や歩行指導などで一日に約4キロぐらい歩きます。
また、エレベーターやエスカレーター、バスや電車の乗り降りなど日常生活で必要な事を
盲導犬と共に訓練を受けました。
こうして約一ヶ月間の共同訓練を終えて盲導犬との生活が始まりました。
アロマが嬉野町に来て一番最初にした事は、嬉野町の谷口町長へのご挨拶でした。
谷口町長は、盲導犬は視覚障害者の手助けをする犬だから人間と同じと言ってくださり、アロマに日本で初めて住民票を発行してくださり、嬉野町の町民になりました。
人間以外の動物が住民票を貰ったのは全国で初めての事で大きな話題になりました。
その後、アロマを連れて嬉野温泉のホテルを20件訪問しました。
目的は、盲導犬が宿泊出来るかの調査の意味で訪問しました。
ところが、盲導犬が宿泊出来るホテルは僅か5件しか無く全体の約25パーセントでした。
私は、この現実を知り、盲導犬がどこにでも入れる開かれた社会を作りたいと思いアロマと共に盲導犬の普及活動をする決心をしました。
翌平成15年6月盲導犬普及の為の全国ツアーをおこない
全国47の都道府県を訪問し各県の知事に身体障害者補助犬法の周知徹底をお願致しました。
また、同時に各県の主要な場所で盲導犬の街頭募金を行いツアーの終了までに200万円の募金が集まりました。
このツアーが切っ掛けとなり盲導犬育成支援の会 アロマ基金を設立し本格的に盲導犬の支援活動が始まりました。
翌平成16年、地元佐賀県の49の市町村を全て訪問し、各地区の市町に盲導犬のバリアを取り除いてもらうお願をしました。
また、平成16年12月嬉野公会堂で第一回盲導犬フェスタin嬉野を開催し、盲導犬三頭分の育成資金(450万円)を財団法人 九州盲導犬協会に寄贈しました。
また、音楽関係のお友達に協力して頂き10曲以上の盲導犬ソングを作りました。
その後、特定非営利活動法人 盲導犬育成支援の会・アロマ基金を設立して昨年までに盲導犬九頭を山口県・福岡県・長崎県・熊本県・佐賀県の視覚障害者の方に盲導犬を贈りました。
尚、アロマ基金より贈りました盲導犬はアロマ一号、アロマ二号と呼んでおり現在アロマ九号まで誕生しました。
また、県内外の学校や福祉施設約100カ所で盲導犬の普及の為の学習会をおこなってまいりました。
こうして盲導犬アロマは盲導犬になって約九年間全力で頑張ってまいりましたが今年3月で十歳に成り引退の時期を迎えました。
引退後は、鹿児島の老犬ボランティアさんに引き取られ静かな老後をおくる事になりました。
今回、アロマの老犬ボランティアを引き受けてくださいました方は、アロマが盲導犬に成る前に一年間お世話になりましたパピーウォーカーさんの所でアロマにとりましては里帰りになります。
今年の4月初めまでアロマが引退しても我が家においておこうとずっと思っていました。
よくよく考えてみますと、我が家に自家用車がないこと、高齢で足が不自由で介護が必要な母、体調のすぐれない私の面倒を妻の洋子が一人で見なければなりません。介護で腰を痛めた妻にアロマを抱えて病院へ連れて行く事は困難と判断しながらも手放したくないと思っていました。またアロマが生まれた所の船越さんにご相談致しましたら、アロマの引退後もずっと我が家に置いていたら、アロマもずっとお仕事の延長で、死ぬまでゆっくりできないので可哀想という事でした。その言葉を聴いてアロマを手放す決心がつきました。アロマも10歳になり日々衰えが進んでくると、まだ元気な内に次の人へバトンタッチした方がアロマも私達も良いのではないかと想い老犬ボランティアさんにお渡しする決心をしました。
幸い、アロマが盲導犬に成る前に一年間お世話になりました鹿児島のパピーォーカーさんがぜひ、アロマの老後をみたいと言って頂き、思いきってお渡しする決心をしました。
幸い今年3月、九州新幹線が開通して鹿児島が近くなりました。
嬉野から約3時間でアロマの住む鹿児島に行く事が出来、これからはちょこちょこアロマに会いに行こうと思っております。
私は、今まで、視覚障害者の為に一生懸命頑張ってくれた盲導犬アロマの引退式を平成23年5月16日、嬉野小学校で開催する事にしました。
当日は、アロマの最後の社会貢献活動として嬉野小学校の生徒さんと盲導犬のふれあい学習会をおこないます。
また、私達が目標としていました盲導犬10頭分の育成資金(アロマ十号)の資金を九州盲導犬協会に寄贈します。
尚、引退式終了後老犬ボランティアさんと鹿児島に旅立って行きます。
盲導犬は、繁殖ボランティアさんの家で生まれ約40日で盲導犬協会に引き取られ、その後パピーウオーカーさんに約1年育ててもらい、その後約九カ月間、盲導犬に成る為の訓練を訓練センターで受け、テストに合格したら盲導犬として盲導犬使用者の所に行きお仕事をします。
約10歳に成りますと引退となり老犬ボランティアさんに引き取られます。
まさに出会いと別れの連続です。
今日までアロマを可愛がってくださいました、多くの皆様に心より感謝申し上げます。
また、盲導犬育成支援にご協力頂きました皆様へ心よりお礼申し上げます。
ありがとうございました
アロマ引退式
プログラム
●日 時 平成23年5月16日
午後2時〜3時40分
●場 所 嬉野市立嬉野小学校体育館
佐賀県嬉野市嬉野町大字下宿1647
第一部 盲導犬ふれあい学習会 午後2時5分〜2時50分
@盲導犬の講話と実演
参加者 嬉野小学校三年生・四年生 170名
A盲導犬との体験歩行
代表 10名の生徒
B盲導犬とのふれあい会
C謝辞 嬉野小学校の生徒さん
第二部 盲導犬育成資金の贈呈式 午後2時50分〜3時15分
@開会の辞
A来賓のご紹介
B来賓祝辞
C募金贈呈 盲導犬一頭分の育成資金[150万円]
盲導犬育成支援の会・アロマ基金より 九州盲導犬協会様へ
D謝辞 九州盲導犬協会様
E感謝状の贈呈
九州盲導犬協会様よりアロマ基金へ
第三部 盲導犬アロマ引退式 3時15分〜3時40分
@開会の辞
Aアロマの表彰
Bアロマハーネスをはずす
Cアロマへ花の首飾りの贈呈
Dアロマへ謝辞
盲導犬使用者 岸川美好
Eアロマからの歌のメッセージ
唄・コロンビアレコード 後藤聖子様
曲名 ありがとう(作詞 岸川美好)
F盲導犬アロマの返還
岸川美好より九州盲導犬協会様へ
Fアロマを老犬ボランティアさんに預ける
九州盲導犬協会様より老犬ボランティア様へ
Gアロマの歌の合唱
嬉野小学校生徒全員
Hアロマ退場
老犬ボランティアさんと共にアロマが退場
I閉会の辞
引退式終了後、参加者全員でアロマの乗っている車を見送る