ソースカツ丼  
  群馬へ戻ってまだ日が浅かった頃、ある旧民家を模した店でカツ
丼(カツ重)を注文した。
 出てきたその蓋を開けて俺は唖然とした。そこには普通よりやや
茶色の濃いカツが3つ、白いメシの上にゴロンと載っていただけだっ
た。
 なんだこれは!カツ丼というのは衣をまとったロースカツ(ヒレカ
ツではダメなのだ!)とタマネギをタマゴでとじたもんだろう。
 半熟タマゴは白身と黄身が絶妙のバランスでカツとタマネギの仲
を取り持っていて、さらにグーンピースが2、3粒。衣はしっとり
とだしが染みつつも、カリッとした食感も残っている。
 これが正しいカツ丼のはずである。

写真は該当店とは関係ありません。
 その店のものはソースカツ丼というものであり、北関東ではかな り人気の食い物であることが後に判明した。  その後は二度とソースカツ丼などというおぞましいものを食わさ れぬよう、カツ丼を注文する度に「タマゴでとじてあるか」を気に していた。  そんなある日、例に則ってカツ丼を注文した。俺の問いに店のオ ヤジは力強くうなずいた。  やがて注文の品が運ばれてきた。確かに食べやすく切られたカツ を抱くようにタマゴでとじられてあった。  しかし何か変だ。言い知れぬ不安感を抱きながらカツを一切れ口 に入れるとその正体が判明した。  それは「タマゴとじソースカツ丼」だった。 全国のソースカツ丼事情をおせーて!
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