無口な Stranger


カバキコマチグモ
ある日、何かの毒虫に指されたオヤジがイタイ痛いと言っていた。
深夜になっても痛みが退かず、救急車を呼ぶ始末。
勿論その頃私は夢の中。
その正体は日本で唯一の好戦的なクモであった。
ブッシュ君と名付け、亡骸はまだ我が家にある。
(群馬県・前橋)

マンジュウヒトデ
なんだ、これは?
潮の退いた浅いビーチに転がっていた錦織りの小さな座布団。
昼寝用の枕にもちょうどイーサイズだ。
五角形からきっとヒトデの仲間だろうとは想像できたが・・・

(沖縄県・久高島)

ハリセンボン
沖縄ではあばさーとよばれ高級食材だが、 数年前から西日本の海で大量発生し漁師を困らせている。
義勇心から捕獲し食することに挑戦したが、愛嬌たっぷりの姿に心が痛む。
そんなふくれっ面しなければ、俺なぞに簡単に捕まるはずはないのに。
ちなみにこれはイノーあばさーといって潮だまりにいる小型のものであまり美味くはなかった。 (沖縄県・伊是名島)


アオダイショウ
何故か彼(彼女?)は終始不機嫌だった。
まさにヤブから棒に突っかかってきてエラを張って威嚇する。
これは面白いとこちらもカメラを構えて近づくとシャーッと襲ってくる。
いわゆるコブラ使い状態がしばらく続いた。
しっぽをつかんで振り回し、地面に叩き着ける。そんなガキのようなことしなかったのは俺が大人になったからだろう。 (群馬県・小沢岳)

ネコ
見た瞬間にコイツはアルビノ種のタヌキだと思った。
食い物を投げておびき寄せて何枚も写真を撮った。
琉球新報に送ろう!
翌日、沖縄にはタヌキはいないことを知った。 (沖縄県・嘉陽)

カモシカ
特別天然記念物だろうがカモシカなんてそう珍しいものではない。
しかし大量の骨が散乱する墓場?に出くわしたときには驚いた。
(栃木県・足尾山塊)

シラネアオイ
シカによる食害が心配されている。
そこで日光などでは一定頭数が駆除されている。
しかしそのシカの生息地を狭めたのは人間。
そのうち一定数の人間が駆除されるようになるのだろうか。
今すぐにでも駆除したい人間が世の中にたくさんいる。 (長野県・魚野川源流)

キノボリトカゲ
緑色の身体で無意味に足を振り上げて走る。
どこかひょうきんなところといい、襟巻きを着けたらエリマキトカゲそのまま。
名前からして木登りをするのだろうが見たことはない。 (沖縄県・宮古島)

ヒト
太古の昔、ヒトはこんな姿で野山を走り回っていたのだろう。
そしてよそ者はこんなふうに捕らえられてイケニエにされたのだろう。
(群馬県・武尊)


ヤモリ
南の島の夜は様々な鳴き声が聞こえる。 チュッチュッチュッと鳴くのは
ヤモリ、姿もなかなかユーモラス。蚊などの害虫をエサとするので沖縄
では大事にされている。左写真は蚊を捕まえたところ。(沖縄県・西表島)
これは別種・沖縄県嘉陽の海岸で。

ニホンザル
秋にはサルの群に出くわす。大抵敵の方が逃げ出すのだが、 大柄でひときわ顔の赤いボスザルらしきヤツだけは 鼻を膨らませて睨みつけてくる。
そんなときは卑屈にうつむき、スイマセンと小声で呟きながら通り過ぎる。
サルの社会は力の世界ということを思い知らされる。 (群馬県・三国山塊)


ホヤ
退行性動物、幼生時はプランクトンのように泳ぎまわり、 成長すると岩などに着生するイソギンチャクの仲間らしい。
初めて食べたのは函館の飲み屋。一口でギブアップした。
しかしそれは新鮮ではなかったからだと判った。
それ以後は北の海辺に行ったらホヤ、ホヤで、食えないと拗ねてしまう。
知床で食った採りたては特に美味かった。 (宮城県・鳴子温泉のスーパ−)

アサギマダラ
東北から沖縄、台湾、中国と数千キロの渡りをする蝶。
半年ほどしかない寿命なのに何故そこまでして翔ぶのか。
その研究に取り付かれてしまった男は「一文にもならないことに夢中に
なってオレもバカだな」と何度も言った。
でも、だから面白くて止められないのだろう。 (鹿児島県・喜界島)

ヤマメ
ヤマメでもイワナでも釣れればうれしいし、食えばウマイ。
絵柄的にはイワナが精悍な戦士でヤマメが育ちの良さのお姫様か。
しかし食うとヤマメの方が脂っこいので、実はお殿様も形無しのお局様
なのかも知れない。 (栃木県・仙人ヶ岳)

アオバト
特に夕方近く、へたくそな笛の音が聞こえてくる。
空を見上げると電柱や木にこいつが留まって鳴いているのだ。
ヒュールルルルとやる気なさそうに音程を下げていく。
黄昏時の海を眺めてビールをやるに絶好のシュチエーションを作ってくれる。 (沖縄県・多良間島)

ウミガメ
西表島の南海岸に上陸したときに砂浜にたくさんのキャタピラーの跡が
あった。ウミガメが産卵にやって来た痕跡である。
全国でこのような浜がどんどん護岸工事で減りつつある。
産卵時に涙を流すのは子孫たちへの不安からかも知れない。
写真はアオウミガメ。判定:石垣島ウミガメ研究員・タートル=アベちゃん
(鹿児島県・喜界島)

クマ
登山道に立てられた道標がことごとく壊されていた。犯人はクマ。当初は
信じられなかったがこれを見つけて納得。それにしても、彼らはよっぽど
この道標がお気に召さなかったようだ。
(群馬県・三境山)

スズメバチ
3週間で4匹も刺されてしまった。これはギネス級だ。
痛みはそれほどではないが、腫れあがった手が熱を持ち、 痒さが尋常ではない。3日間は満足に眠れなかった。
オオスズメバチは地面に巣を作るので目に付きづらい。ヤブ漕ぎ時にはくれぐれも注意を。 (群馬県・長野原町)

ウマ
釧路湿原の河原で10数頭の馬に囲まれてしまった。 その中の真っ黒な身体で威圧感のある一頭が荷物を嗅ぎ周った後近寄ってきた。 仲間もそれに続き、とうとう橋桁を背に押さえ込まれた。子馬は腕に噛みつき、 少しでも動こうとすると黒いヤツが威嚇するように嘶く。恐怖の1時間あまり を過ごした。
写真はヤブ漕ぎの最中に幹から顔を出した馬。 (群馬県・ダン沢の頭)

サンショウウオ
川の源流部などで石をどけると見つけることがある。強壮作用がある というので、そのまま飲みこんでしまう人もいる。
しかしカップに入れしばらく眺めていると情が湧いてきてできなくなった。
(長野県・魚野川源流)

エリグロアジサシ
リーフの縁の波打ち際に勢い良くダイビングする。襟黒というが
どう見てもデーモン木暮のように見える。
巣はそう呼べるほどのものではなく、岩の上に無造作に卵が転がっていた。
沖縄は鳥までもてーげーなのだ。 (沖縄県・伊是名島)

カンザクラ
思いがけない場所で思いがけないものに出くわすのは何か
得をした気持ちになる。
小春日和の穏やかな冬の里山で、ヤブをかき分けると
ひっそりと咲いていた。 (群馬県・牛伏山)

コマクサ
高山植物の女王。盗掘防止に鉄柵で囲まれて異様な光景の山さえある。
自然保護の為の自然破壊。その矛盾に誰も気がつかないはずはない。
大雪ではコマクサもチングルマも平等に咲いていた。 (群馬県・草津白根山)

トガリネズミ
毎夜テントに遊びにやって来る。初めはモグラかと思ったが写真に
撮ってみるとどこか違う。
尾が長い、耳介があるなどから食虫目・トガリネズミ科と判明。
判定:雪原のいいずなさん
(沖縄県・嘉陽)


ヒグマ
知床の猟師からヒグマの怖さはずいぶんと聞いた。
襲われた仲間の遺体を運ぶ様子は壮絶だった。
だから知床縦走時にはピッケルを持って、一日中歌を唄って歩いた。
夜もラジオはつけっぱなしに。 (北海道・知床)

ヤママユガ
夜間、山間部のコンビニなどは手のひらもある蛾が看板やガラス窓
目がけて大挙して飛んでくるのであまり寄りたくない。
写真もそんな夜に飛び出したものの何かの原因で帰れなくなって
しまったのだろうか。
最後の力を振り絞って駐車場で産卵し、やがて動かなくなった。
(長野県・野麦峠)

ツツジ
レンゲ、ドウダン、ヤシオなどツツジにはおよそ数100種類あるという。
だから名前などはあえて覚えようとはしない。
人里離れた山肌を染め上げた姿に只々感動するだけである。
(栃木県・赤倉山)

アサヒガニ
カニはどこかのおしゃべりな支店長さえ無口にさせる。
やっぱりミソが美味いケガニかな。豪快に楽しむならホントはヤドカリ
だけどタラバかな。
礼文で幻のヒラガニというのも食った。
しかし子供の頃図鑑で見たことしかなかったカニを食うなんて。
(沖縄県・慶佐次)


マングローブ
What can we do to grow trees in the desert ?
One Japanese man had a good idea.
His name was Motohiko Kogo.
He studied hard about mangrove trees.
After seven years later, he was able to grow 30,000
mangrove trees in the desert. 『開隆堂 Sunshine English Course 2』より
マングローブとは海水で生育する熱帯性植物の総称である。
(沖縄県・西表島)

カワガラス
水切りの石のようにすばやく水面を跳ねていく。
水の中もひるまず突き進み、後退することを知らない。
ヤクザの世界でいう、いわゆる鉄砲玉のようだ。
(長野県・浅間山)

サシバ
カラスほどの小型の猛禽類。
冬には南の島を目指して数千キロの渡りをするところは俺と同じ。
求めるものも同じだったりして。 (鹿児島県・喜界島)

スギ
山肌一面に忘れ去られて手入れのされていないスギ林がある。
日陰のそんな中を歩かされると気持ちまで暗くなってしまう。
村人から大切にされてすくっと育った一本杉は、
いくつの陰と陽、幸と不幸を見てきたのだろう。 (群馬県・栗生山)

ナナフシ
その日、なすびはいくらたってもテントから起きてこなかった。
もうすっかり陽も昇り、じりじりと照りつけて、とても狭いテントの
中には居られないはずなのに。
やっとテントから這い出て来たなすびが言った。
「入り口にナナフシがいて、退かすのも悪いのでいなくなるまで
待ってました。」 (沖縄県・宮古島)

キノコ
ブナハリタケ、ハナイグチ、ムキタケ、ナラブサetc
キノコは何度か採ったことがある。
しかしそれも教えてくれる人がいたからである。
写真はマスタケ。これも里に下りて人に聞いて判った。 (群馬県・オッタテ峰)

イノシシ
イノシシはクマよりもコワイという。
そんなヤツに出会ってしまった。それも1日に二度も。
思わずそこらの丸太を手にしたが、テキは足に重大なケガを負っていて、
その足を引きずりながら逃げて行った。
二度目はまだ子供で、我々を見つけると慌てて急斜面を転げ落ちて行った。
(群馬県・大萱山)

ニガナ
長寿の国、沖縄の代表的な薬草。海岸の岩場に生えている。
黄色の可憐な花もカワイイ。多良間島ではキャンプ場一面にあり、
重宝した。
細かく刻んでシーチキンと和えて喰うと美味い。 向かって右は長命草、
これも良く食される。
(鹿児島県・与論島)

タイワンカブトムシ
真冬だというのに南の島にはこんなヤツがいた。
しかもサトウキビを荒らす害虫だという。
ちなみに北海道にはカブトムシはいない。
しかし大樹町では子供たちがクワガタのことをカブトムシと呼んでいた。
(鹿児島県・与論島)

テラザ
真冬の大潮の日、海人は朝から海に入っていた。
浜ではおばあが大きな釜で湯を沸かして帰りを待っている。
海水で茹でないと身が剥きづらいのだと言う。
仕事が終わるのはすっかり暗くなる頃、それもすっかりなれっこ
(沖縄県・本部)

ツマムラサキマダラ
アサギマダラを撮りに行くと、鮮やかな紫色の蝶が飛んでいた。
ハイビスカスの垣根にその色が映えた。
何とか撮ろうと悪戦苦闘。やっと表側がと思ったら・・・。
(鹿児島県・与論島)

ヤドカリ
おっ、キレイな貝と思って拾うとヤドカリの家だったりする。
そんな時、申し訳ないが強制立ち退きをしてもらうことになる。
しっかり閉じこもってしまった殻に向かって息を吹きかけると、
テキはおそるおそる顔を出す。そこを捕まえて一気に・・・。
そんなにうまくはいかない。
(沖縄県・渡嘉敷島)

オニヒトデ
神の島の海に潜るといきなり対面してしまった。
その迫力はたかがヒトデの範疇を越えていた。
近づくとアブナイぞ!と身体全体で警告している。
にっくきサンゴの天敵だが、しっぽを巻いて逃げるしかなかった。
(沖縄県・久高島)

クマノミ
クマノミが今ブームらしい。
おかげで沖縄の海ではクマノミが激減しているという。
しかし神の島ではまだまだ健在、岩ひとつに何世帯も。
住宅難という別の問題を抱えていた。
(沖縄県・久高島)

オオコオモリ
椰子の葉でバサバサと音がした。
敵は逆さまに俺を見下ろしていた。
台風か何か強風によって無理矢理連れてこられてしまった我身を
拗ねたように。
(沖縄県・那覇)