相続に備える遺言の残し方

遺言とは自分の身に万一のことが起こったときに自分の所有する財産を誰に譲りたいかを書き残すものです。一言で遺言といっても形式や作成方法など様々です。自身の思いを実現するためにも有効な遺言書を作成しましょう。
遺言のメリット・・・
 遺言がない場合、相続手続き(名義変更)をするには、被相続人の出生から死亡までの戸籍住民票の除票相続人全員の戸籍印鑑証明書相続する人の住民票、相続人全員が実印を押印した遺産分割協議書が必要になります。これは、相続人が誰であるかを証明し、その相続人全員で財産をどのように分けるのかを協議した書面で証明しなければならないためです。
 対して遺言がある場合には、財産を譲り受ける人が定められていますので、相続人を特定する必要がありません。よって被相続人の出生からの戸籍を取得する必要がありません。また、財産を分割する協議も必要ありませんので、手続きに必要な書類は、被相続人の死亡のある戸籍住民票の除票財産を譲り受ける方の戸籍住民票となります。
 名義変更の手続きを行うにあたって、遺言があれば必要書類が大幅に少なくなりますが、一番のメリットは相続人の争いを未然に防ぐことができることにあります。遺産相続のトラブルは財産の多い少ないに関係なくよく聞く話です。

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遺言作成の方法・・・
一般的に遺言の作成には、自分で作成する自筆遺言と公証人が作成する公正証書遺言があります。それぞれメリット・デメリットがあります。
自筆証書遺言
・全文が遺言者本人の直筆
・作成年月日、名前の記入と押印
・いつでもどこでも1人で作成が可能
・費用がかからない
・家庭裁判所での検認が必要
公正証書遺言
・遺言者の口述に従い公証人が作成
・書面に名前の記入
・公証人と証人2人以上の立会いが必要
・財産と受遺者人数に応じた費用が必要
・検認の必要がない
検認・・・手続きは遺言者の最後の住所を管轄する家庭裁判所にて行います。遺言者の出生から死亡までの戸籍謄本と住民票の除票、相続人全員の戸籍謄本と住民票、申立人の戸籍謄本と住民票が必要。後日に検認の立ち合い通知が届きます。検認は形式の調査や確認で、有効無効の確認をするわけではありません。 証人・・・遺言を作成する手続きは公証人と遺言者のやり取りで行います。証人はそのやり取りが正確に行われているかどうかを確認します。よって遺言の内容について意見を述べることはできません。証人は、未成年者・推定される相続人・遺言の受遺者及びその配偶者等はなることができません。証人は出来上がった公正証書遺言に署名捺印をします。

自筆証書遺言は費用がかかりませんが、記載内容が確実に実行されるかどうか不安が残ります。また、本当に本人が書いたのか?本人の意思なのか?このような理由から紛争にいたることも珍しくありません。その点公正証書遺言は公証人が証人2人立会いのもと本人確認を行い、本人の意思に基づいて作成いたしますので安心です。確実なものを残すためにも公正証書遺言をお勧めいたします。

遺言書に記載ある単語 遺言書作成時の注意
・・・・に相続させる。
遺言により推定相続人に財産を与える場合に記載します。
借金などのマイナス財産が遺言書に記載?
負債について遺言書に記載があっても債権者に効力が及ぶものではありません。負債は法定相続分に応じて返済することになります。
・・・・に遺贈する。
推定相続人以外へ遺言にて財産を与える場合に記載します。
遺留分は遺言作成時にはわからない?
全ての財産を相続人以外の第三者に遺贈する遺言内容であっても相続人には遺留分という権利があります(但し法定相続人である兄弟姉妹に遺留分はありません)。
遺留分は相続人が直系尊属(父母や祖父母)のみの場合は財産の1/3。それ以外は財産の1/2。
遺留分は請求を行わないと行使されません。よって遺留分を侵害している遺言書も請求がなければそのまま有効なものとして扱われます。
また、相続人と相続財産は遺言者が死亡した時点で確定されますので、遺言書を作成する時点ではまだ推測の状態です。遺留分を考慮した遺言書を作成した後に、推定する相続人の増減や財産が大きく増加した場合などには再度遺留分を考慮した遺言書を作り直す必要があります。
遺言執行者
遺言の中身を実行する人・手続きを行う人を指します。執行に必要な権限を有します。遺言により財産を受ける受遺者も遺言執行者として指定することが可能。

・・・ ケースごとの遺言書 ・・・
推定相続人が配偶者のみ
遺言がない場合には、全て配偶者が取得することになります。もし、配偶者以外にも財産を譲りたい場合には、遺言により可能となります。
推定相続人が配偶者と親
遺言がない場合に、配偶者は遺言者の親と遺産分割協議をすることになります。年齢的にあまりないケースと思いますが、子のないご夫婦には有効な備えになります。
推定相続人が配偶者と子
遺言がない場合には、配偶者1/2、子供1/2の割合が法定相続となります。残された配偶者の財産は順番的には子に移りますので、全財産を配偶者に与えるという内容で遺言を残される方が多くみられます。
推定相続人が子供のみ
子供が複数いる場合には、全員が相続人となります。よく面倒を見てくれる、特定の子に稼業を継がせたいなどの理由がある場合には、財産の相続割合を指定する遺言が有効です。
推定相続人が親のみ
配偶者及び子がない場合には、相続人は生存している親になります。親に財産を譲る遺言を書くケースは稀かと思いますが高齢化社会の中、親よりも先にというケースも考えられます。両親が離婚し、片方の親に育てられた状況で、その片親のみに財産を譲りたい場合には有効なものになります。
推定相続人が配偶者と遺言者の兄弟姉妹
遺言がない場合、残された配偶者は遺言者の兄弟姉妹と遺産分割協議をすることになります。一般的には夫婦で築いた財産でしょうから、残された配偶者にとっては複雑な心境でしょう。このケースの遺言は遺留分の心配がありませんので、子のないご夫婦は配偶者の為にも遺言の作成を強くお勧めいたします。
推定相続人が兄弟姉妹のみ
配偶者、子、親がいない場合には、兄弟姉妹に相続権があります。高齢になると近くに住む兄弟姉妹やその甥姪とのつながりが強くなるケースがあります。また、兄弟姉妹や親類よりも頼りにできる相談相手がいることもあるでしょう。このような人間関係でその人に財産を譲りたい場合には遺言はとても有効です。遺留分の心配もありませんので、自由に配分指定することが可能です。

遺言を書いた後、受遺者との関係が悪化?
子や甥姪、又は知人などに財産を与える遺言を作成したが、その後関係が悪化し、遺言内容を改めたい場合には、その遺言を撤回することが可能です。遺言は複数通ある場合、矛盾する部分については後の日に書いたものが有効なものになりますが、自筆遺言の場合には、後に書いたものの存在が発見されないケースも考えられます。前に書いた遺言を受遺者に渡している場合もあるでしょうから、撤回は公正証書遺言によって行い、新たな公正証書遺言を作成されるほうがよろしいでしょう。保管方法には細心の注意を!
遺言を作成したが、自分より先に受遺者が死亡?
受遺者が遺言者より先に死亡している場合には、その部分の遺言は無効となります。よくある夫婦の遺言で、「夫の財産は全て妻に」、「妻の財産は全て夫に」と双方でそれぞれ作成することがあります。これはどちらか一方の遺言が執行されるときは、他方の遺言は無効となります。無効にはなりますが、遺言作成時には当然分からないことですので、意味のないものではありません。もし配偶者亡き後に相続(遺贈)したい方が決まっていれば、「遺言者より先に死亡している場合には、○○に」と指定することも可能です。
相続人が遺言の存在を隠したら?
自分に不利な遺言を見つけ、その遺言を隠したり、捨てたりした場合には、その相続人は相続人のから廃除されます。それだけではなく懲役刑に処せられることになります。
公正証書遺言は役所に原本が保管されていますから遺言の存在を知っていれば、交付請求することが可能ですので安心ですが、自筆証書遺言は遺言者本人が原本の保管管理の方法を考慮しなければなりません。
自分の気持ちや後に望むことを「付言」として残そう
法的に拘束力のあるところではありませんが、遺言の最後に「付言」として感謝の気持ちや遺言内容の経緯、自分の死後に望むことを書き記すことができます。遺産分割の指定であればその割合を記載した理由、感謝の気持ちであれば「ありがとう」の言葉や「本当によい人生を過ごすことができました」等の言葉を記すことができます。財産のみの記載よりも温かみのある遺言書を残すことができます。
遺言に関するご相談は無料です。下記事務所までお気軽にご連絡下さい。

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