
| バレンタインデー@ |
バレンタインこと聖バレンティヌスと呼ばれる人は二人いて、どちらが「聖バレンタイン」なのかは意見が分かれるところのようです。まぁ、そんなことはどうでもいいんですが、いつの頃からか、とにかく2月14日という日は女性から男性にチョコレートを渡す日になったようです。ところで、バレンタインと言えば、大リーグ元ニューヨーク・メッツの監督ぐらいしか思い浮かばない私ですが、あろうことか、この日四回も チョコレートをもらってしまいました。昔の若かりし頃でも経験したこともない四回も、私もまだまだ捨てたもんじゃないのかなぁ?もらうのはいいんですが、3月14日にホワイトデーとか何とかいって白い物を送り返さなければいけないとか。さらに4月14日には、オレンジデーとかいって、バレンタインデー、ホワイトデーで贈り物を交わしたカップルが、この日に、オレンジ色の贈り物を持って愛を深め合うとか。「愛を深め合う」なんて、そんな恥ずかしいこと、などと恥ずかしがっている間もなく今度は休む間もなく5月14日にはグリーンデーとか何とかぬかして緑のチョコレートを売るアコギな商売しやぁがって、ほんまにもう許せねぇたたっ切ってやる!しかし、こうモテ過ぎるとかえってつらいもんですねぇ。「なんか嘘みたいな話やなぁ→嘘やがな」「夢みたいな話やなぁ→夢やがな」ハッ、ハッ、ハッ、ほなさいなら。読者の中には、こんなオチを期待している人がいるかも知れませんが、残念ながら、これは正真正銘現実の話なのです。 悪夢のような?いや、女性から4回もチョコレートをもらうという夢のようなバレンタインデーが明け、かねてから予定していた、ボランティア先である精神障害者作業所「You・Iハウスでの第3回ワープロソフト「一太郎」講習会の日がやって来ました。前日の気分良さがそのまま持続したのか、いつもにも増して調子よく講習が進みました。そして、とどこうりなく終わろうとした時、ハウスの世話役でもある、うら若き女性がおもむろに僕の前に来て恥ずかしそうに蚊の鳴くような声で「あのぅ、これ一日遅れですが」と言って、明らかにそれと分かる赤い包み紙にリボンのついた贈り物を差し出されました。まさか、四回で有頂天になっているのに5回目のプレゼントがあるとは予想だにしなかっただけに驚きました。まさに、わが世の春といった気分になりました。これが夢ならと思い、鼻をつまんでみましたが息が出来なかったので現実でした。 |
| バレンタインデーA |
| この年、平成14(2002)年のバレンタインデーに五人の女性たちからチョコレートの贈り物をもらいました。もちろん、この世に生を受けて以来、初めての経験でした。そんなささやかな喜びに浸る間もなく、どこからともなく「お前がそんなにもてるわけないやろ。正直に白状しろ!」などという脅迫めいた電話がありました。そこで僕は、河島英五の「てんびんばかり」を思い出しました。「♪誤魔化さないで、そんな言葉では僕は満足できないのです。てんびんばかりは重たい方に傾くに決まっているじゃないかい。どちらももう一方より重たいくせに、どちらへも傾かないなんておかしいよ」あれっ?まだ出てけぇへんなぁ「♪何処かで泣いてる人がいれば、かわいそうにと涙して。何処かで笑ってる奴がいれば、おもしろくないぜと妬んでる」・・・妬んでる!これや! できれば胸の中にそっとしまっておきたいところですが、疑惑をかけられたんでは是非もない。忘れようとして思い出せない?あの日を振り返ることにしましょう。思えば、あの日はちょうど「かい らんばん」の発送作業の日でした。朝からどんよりと曇り、真っ暗な空からは、今にも霰か何かが落ちてきそうなそんな日でした。今思えば私のバレンタインデーに相応しく何かを予感させるような、意味ありげな空模様ではありました。2002年2月14日、運命のバレンタインデーとかいう日です。いつものように釜中事務所で発送作業をしていました。いつもそうですが、何やかやと他愛もない話をしながら作業をしていると時間の経つのが早く感じられます。この日もアッという間に昼飯時になりました。いつものように同級生で相棒のサトちゃんが弁当を買ってきてくれています。さぁ昼飯にしょうかといいながら席に着き弁当を開けようとすると蓋に何か付いています。時々インスタントみそ汁が引っ付いているんですが、この日はもう一つ余計な物がくっついていました。何やろう?と思いながら恐る恐る手に取ってみると、お菓子のようでした。あぁそうか今日はバレンタインデーかと思いながらサトちゃんの方を見ると知らん顔をしながら、自分の蓋にも付いているお菓子を開けています。な〜んや皆んな一緒かぁ。そんな訳で、まず一個目は見知らぬ弁当屋さんからの「義理チョコ」やがな、ええ加減にしときやほんまに!誰や!そこでゲラゲラ笑うてんのは。せやけどここで笑うとかな、もう笑うとこあれへんでぇ。 |
| バレンタインデーB |
確かに、ここまでお読みいただいた皆さんがご指摘のように、一つ目のチョコレートについては、今いちパッとしなかったのは事実です。それは率直に認めなければなりません。しかし、二個目は間違いなく正真正銘、若い女性からもらったもので、決して義理チョコなんかではない!と思います。それどころか淡々と乙女心を綴った、いわゆる「恋文」というか「付け文」とでも言えばいいんでしょうか、そんなものまで添えられていたので間違いない!と思います。![]() それは職場でのことでした。その日、職場に着くと、その贈り物は何気なく私の机の上に置かれていました。彼女はよほど急いでいたのか、包装などされておらずハート形のチョコレートをはっきり確認することが出来ました。机に両肘をつき前屈みになって周囲の目を逃れながら一人密かに味わいました。 もちろん、添えられていた「付け文」なるものにも目を通してみたのは言うまでもありません。妻子ある身にとってみれば、うら若き女性の厚意にはどうしても甘えることはできませんでした。後日、心を鬼にして、折角のお誘いでしたがキッパリお断りしました。あの時の彼女が見せた何ともいえない残念そうな眼差しを今でも忘れることはできません。イヤ終生忘れることはできないでしょう。でも後悔はしていません。 |
| バレンタインデーC |
そろそろ大向こうから「お前がそんなにモテるわけがないやろう!」との声がかかりそうなので、事の真相を明らかにしておく必要があるでしょう。そうすることによって誤解が解けるかどうか?まず一個目は、弁当屋さんからというのはすでに白状しました。二個目は間違いなくうら若き女性からでした。ただ、二カ所ほど表現の不適切な部分がありました。一カ所は例の「恋文」「付け文」のくだりですが、その差 出人の欄に「○○生命外交員」と書いてありましたが、あれは正確には「恋文」とか「付け文」とは言わないのかも知れません。もう一カ所は「お誘い」のくだりです。あれは要するに保険の勧誘だったのでお断りしました。私が加入すると思っていたのでしょうか、あの時ばかりは何ともいえない残念そうな眼差しをされてしまいました。この物語も出だしとは随分と様変わりしちゃったもんです。とりあえず一、二個目ともあまりパッとしないまま三個目以降に話が進みます。実はこの三個目も職場での出来事だったのです。私の職場には給食担当のうら若き女性の栄養士さんが居ます。どういう風の吹き回しか、彼女が私に好意を・・・まさか、どんな風が吹きまくったって持つわけないですよねぇ。まぁ早い話がバレンタインデーの給食にデザートとして小さなチョコレートが出た、ただそれだけのことでした。続いて四個目は、この日帰宅すると、毎年恒例で私の机の上に女房からの義理チョコがポツンと置いてあった、ただそれだけのことでした。 ![]() さぁこうなれば、五個目に期待するより仕方がないようです。その五個目は、翌日のボランティア先「You・Iハウス」での出来事でした。ここの世話役である、うら若き女性がおもむろに私の前に来て恥ずかしそうに、まるで蚊の鳴くような声で「あのぅ、これ一日遅れですがよろしかったら・・・」と明らかにそれと分かる赤い包み紙にリボンのついた小さな箱を差し出してくれました。最後よければすべてよし!この五個目はかなり期待がもてそうです。それが証拠に、ここに書いてある通りなのですから。ただ、大勢に影響はないかと思いますが、よく見るとたった一字だけ書き忘れている文字があるのに気がつきました。それは大したことではなく、吉本新喜劇などでよく使われている元ユニットバスでお馴染みの「元」という文字です。この文字がどの部分にはいるのかは、すぐにお分かりいただけるでしょうか。この五個目をくれたのは元うら若き女性でした。彼女は多分40年ほど前は間違いなくうら若かったことでしょう。 |