もう5年も乗ってるんだし、そろそろブレーキのオーバーホールくらいしたらどうなのさ?
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とりあえすシールキットとブレーキフルードを買えばキャリパーのオーバーホールは可能です。この中にはキャリパーについてるゴム製の部品一式(ブリーダーボルトのキャップは含まれないっす)とグリスがセットになっています。前後でピストンの数が違うのに値段が同じなのがちょっと引っかかりますが(笑 あと、キャリパーを外してオーバーホールする場合にはブレーキホースのガスケット、片押しキャリパーは左右に動くのでその辺の部品もついでに換えておこうという場合にはガイドピン,ロックピンスリーブという部品が必要になります。あとついでに色を塗っちゃおうとか思ってる場合には塗料もね(^^; 工具として、エア抜き用のホースとか手伝いさんとか抜いたフルードを入れる缶とか、それとブレーキクリーナー、キャリパーってものすごく強力に留めてあるから、それを緩めるための信頼できるメガネレンチ(12mmと14mm)、ピストンを抜くときに使うエアガン(または電動のエアポンプ)とピストンが飛んでいかないように板切れが必要。う〜む、必要なものをリストアップするだけで頭痛くなってきますなあ。 |
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今回は自分の車のキャリパーと同じ物を友人から借りた(BC5レガシィ用)ので、それをオーバーホールして、自分のキャリパーを友人に返すことになっております。 さっ、何はともあれブレーキキャリパーからピストンを抜きましょう。コレが抜けないと何も始まりません。 僕はエアコンプレッサー&エアガンなんつー大掛かりな物は持っていないので、今回は電動エアポンプ(要は空気入れです。ホームセンターで\3,000くらいで売ってるヤツ)を使ってみます。幸いなことに借りてきたキャリパーにはブレーキホースがついたままで、その先を見ると2mmくらいの穴があいています。むむっ、ここには自転車に空気を入れるときのアレが合いそうだぞ。ということで、電動エアポンプに付属の自転車用アタッチメントを装着します(写真左)。 そして忘れちゃいけない、カマボコ板の登場です。これをブレーキローターがとおっている部分に挟みます。これを忘れると、ピストンがどこかに飛んでいってしまうでしょう。 エアポンプのノズルをブレーキホースの先に握力全開で押しつけ、スイッチをオンにします。キュルルルルル(ポンプの作動音)という音の後にボンッ!と近所迷惑な音とともにピストンがカマボコ板に向かって射出されます。あ〜怖かった。 |
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我がインプレッサ(BC5レガシィもそう)のフロントキャリパーは2ポットなので、エアを吹き込んでも片側しか抜けないなんて事があります。つーか百発百中? そんな時は慌てず騒がず…じゃなくて慌てちゃいました。思わず友人に電話で聞いてしまった…。 で、冷静に考えればわかる事なんですが、先に抜けた側のピストンをちょっとだけ手で差し込んで、ちょうど良い高さの当て木をします。 この状態でエアを入れれば残りのピストンもボンッ!と再び近所迷惑。 |
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なんだか1箇所だけ、なかなか抜けないピストンがあったのよ。エアポンプの圧力ゲージが振り切れるくらいに圧かけてやっと抜けたのね。 で、抜いたピストンはグリスでベトベトなので、ウエスで拭き取ってみました。そしたら、汚れが落ちない…いや汚れじゃない、錆びだ!そう、なかなか抜けなかったのは錆びてたからなんですね〜 さて、どうしましょ。やっぱ使わないほうが良いよねコレは。 ということで1個だけ注文しました。ちなみに桃本(パーツリスト)によると、インプレッサのブレーキのピストンは単品では買えず、キャリパASSYとなるようですが、BC5のパーツリストにはピストン単品の品番が載っているらしいです。で、私はとある親切な方より品番を教えていただきまして、それで発注かけることができました。
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ピストンがはまってた所を良く見ると内側に黒いゴムの輪っかがあります。こいつがピストンとキャリパーの間で頑張ってくれてるからブレーキが効くんですなあ。 これを細いマイナスドライバーなんかで引っ掛けて外し、シールキットに付属している新しいシールと交換します。 新しいピストンシールを入れる前に、ブレーキフルードを塗りたくっておきましょう。でないと後で苦労することに… |
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ピストンを押し込みます。でもその前に、ピストンにもブレーキフルードを塗りたくります。また、キャリパーの中にも塗ったほうが良いでしょう。その方が楽です。 今回、1個だけ新品ピストンを使うつもりでしたが、1200番の耐水ペーパーで軽く磨いてみたら綺麗になったので、再使用することにしました。 ピストンを押し込むときの注意ですが、まずとにかくフルードまみれにしておくこと!これが第一です。あとは一気に押し込む!途中で止まると、あとは専用工具がないと人力では厳しいかも知れません。つーか僕の握力ではダメでした。 ピストンが収まったらダストブーツを取り付けます。シールキット付属の赤いグリスを、本当ならばダストブーツの裏側に塗ればいいのですが…これが曲者。裏側に塗るまではいいのですが、ブーツをはめるのが難しく、格闘してる間にそこら中が赤グリスまみれになります。従って当然、カメラなんて触れないので、この後暫くは写真なしです。 ダストブーツよりもさらに厄介なのが、ダストブーツをキャリパーに固定するCリングです。これをブーツの中に突っ込んで膨らませることでキャリパーにブーツを固定するのですが、はじっこをブーツの内側に引っ掛けて…とグリグリやってる間にピンがブーツから外れちゃったりブーツが捲れあがったりと大変です。また、Cリングと言ってもタダの針金なので、これでブーツを傷つけてしまうと一巻の終わりです。プロに頼めばよかったかな?と、ちらっと思ってみたり…。 |
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ここは単純にO/Hだけならまるで余計な作業なので割愛して結果だけ。貰ったキャリパーの塗装がかなり痛んでいて、かなり灰色がかってたので思い切って塗装しました。 が、結果は…近くで見ちゃ駄目!って感じ。やはり塗装は難しいです。耐熱ブラックとかで軽く誤魔化す程度にしておくべきだったか? |
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ロックピンスリーブを交換します。写真のように金属の筒が埋まってます。で、外してみて思ったたんですが、この筒状の金属は両側がブーツ状になっているゴムの筒を介してキャリパに通っている状態なので、この部品はブーツ破れ等のよほどのことが無い限り交換する必要は無いのではないかと思います。 シールキットに入っていたゴムのブーツの内部に、これまたシールキット付属の赤いグリスを塗ったくります。ハッキリ言ってグリスは余ります。なのでケチケチせずに思いっきり塗っておきましょう。あと塗るときは割り箸なんかを使うと手がベトベトにならなずに…済まないです。例によってもう手がグリスまみれになります。ブーツをキャリパーに取り付けたら、ロックピンスリーブを通します。ああもうキャリパから手から何からグリスまみれです。 |
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ガイドピンブーツの交換はわりと楽勝です。まずキャリパーから古いブーツを外し、ウエス等でキャリパの内部に残っている古いグリスを軽く拭き取ります。で、シールキットに付属していた新しいブーツを取り付けた後、割り箸などを使ってグリスを突っ込んでおきます。特にゴムブーツの中に沢山塗っておくと良いと思います。 ちなみに塗りすぎたグリスはガイドピンを差し込むと反対側からニュルニュルと押し出されてきます。これを知らないと後で心の準備がなくてしばし呆然とすると思います。(^^; |
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キャリパーのステーからガイドピンを取り外し、新品と交換します。今回、ブーツが避けてたピストンの次に死んでた部品がこのガイドピンでした。ここは毎回新品に交換するほうが良いのではないかと思います。そんなに高価な部品じゃないですし。 左の写真は両方とも外したガイドピンです。下側の2本が真っ黒でした。ちなみにこれはフロント用です。グリスが焼けてこびりついたような感じ。 |
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というわけでキャリパー単体でのオーバーホールは終了です。今回はブレーキホースをステンメッシュに交換するので、それも取り付けてみました。 ホース側は四輪全部が別々で、それぞれFRONT LEFT,REAR RIGHT等のように記されています。で、キャリパ側にも良く見るとxxxxL,xxxxRという感じで左右を表す刻印がありますので、恐らく迷わないと思います。ホースをキャリパーに固定する時にホースの両側に銅のワッシャをかますのですが、これが柔らかくてレンチで締めれば締めただけ締まる(変な日本語(^^;)でしょう。締めすぎ注意。僕は持ってないので手ルクレンチですが、本当ならばトルクレンチ使ったほうが良いです。 |
先ずはジャッキアップしてタイヤを外し、キャリパーを外します。と言っても、まだブレーキホースは外さないように。これを外すとフルードだだ漏れになりますので時間との戦いになります。 ロックピン(キャリパ裏側の下のボルト)を外してキャリパーを持ち上げて車体側に押せばガイドピンが抜けてキャリパーがステーを残して外れます。このままではキャリパーが垂れ下がってしまいブレーキホースを痛めるので適当な高さの台を用意しておき、その上に安置しましょう。 次にブレーキPADを外し、キャリパーのステーを外します(つーか、単純にO/Hするだけなら、ここは外さずにガイドピンだけ交換すれば良いです)。 ローターもついでに交換するなら、この後でローターを引っ張れば外れます(リアはサイドブレーキを下ろしてから)。ローターが固着して外れない場合は、ローターにボルト穴が2箇所あいてますので、そこに適当なボルトをねじ込んでいけば外れると思います。 そしてキャリパーのステーを取り付け、O/Hしたキャリパーをガイドピンに突き刺します。この時、ガイドピンの裏側から余分なグリスが排出されます。最初は知らなくて、気がついたら手に赤いグリスがベットリと…何が何だかわからず、しばし呆然としました。 |
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先ずはボンネットを開け、ブレーキフルードのリザーバータンクを満タンにしておきます。 そしていよいよブレーキホース車体側のフレアナットを外します。ここは本来ならばフレアナットレンチという専用工具を使うのですが、10mmのスパナでも楽勝で緩みました。ただし、このナットをナメると最悪で、ブレーキパイプ交換になってしまいDIYでは手に負えなくなるので、くれぐれも慎重に作業してください。当然ですけどブレーキホースが外れている間はブレーキフルードが漏れてきますので、下に受け皿を敷いておきましょう。 ショックが純正のままの場合には、ホースがショックのガイドを通過しています。ここを通し忘れないように注意しましょう。まあ、ここは切込みを入れてコの字形にしてしまうのも手だと思います。実際、TEINのNAダンパーは初めから写真のように切れています。 ブレーキホースを交換する場合には、キャリパーを正規の位置に固定して、そこからショックのガイドを通して車体側に繋ぎます。この時にホースがねじれないように注意して下さい。 最後にホースとフレアナットを固定します。しつこいようですがフレアナットは柔らかいので締めすぎに注意。あと作業が長引くようなら定期的にリザーバータンク内のフルード残量をチェックしてください。ブレーキラインにエアが入ると、ただでさえ大変なエア抜きがさらに大変になります。 |
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各部ボルトの締め忘れが無いかチェックして、エア抜きしたら終了です。今回はフロントのローターが減っていたためAPロッキード製に交換しました。これがまた通販で買うと純正のローターをスバルで買うより全然安いのでお薦めです。スリット無しのタイプならば…ですが。 作業していて思ったのですが、やはりブレーキの作業はパッド&ローター交換程度を除いて、それ以上に深いところの作業はとても大変です。本来、整備士がやるべき作業なのは、作業を終えてなるほどと思いました。まあでもブレーキの仕組みや普段見ることが出来ないキャリパの中身が見えたりして良い勉強になりました。 |