スポーツ走行では邪魔(偏見?)なABSを撤去しました。
ブレーキは重要保安部品ですしパッド交換などとは次元の違うモロに人命に関わりかねないDIYですので、もともと紹介するつもりもなかったので写真が殆どありませんが、掲示板の方で問い合わせを頂いたりしたので概要だけ紹介することにします。
よって、殺風景になっていますがご容赦願います。


■そもそもの経緯
私の車、インプレッサWRX V-Limitedは、特別装備としてABSが標準でついておりました。当初から要らないと思っていて営業さんにも外してくれと頼んでみましたが既に生産されていて無理でした…。
でまぁ、街乗りする分には別に不都合もなかったのですが、ジムカーナ中にABSを効かせると、以下のような現象が発生する時がありました。”時がある”ということで再現性が危うい感じなのと、そもそもABS車には取付け不可な機械式LSDがご丁寧に前後に付いているという事で、ABSだけの問題ではないことはお断りしておきます。
  • 一度ABSを効かせてしまうと、ブレーキをリリースしてタイヤをグリップさせてから、ブレーキを踏み直してもABSが効いたままの時がある。
  • ABSを効かせまくっていると、負圧が足りなくなってブレーキが重くなる時がある。
特に後者の方は、普段の力でブレーキを踏んでもペダルが石でも踏んだように固いので、結構怖い思いをします。停車中にエンジンを切ってペダルを何回か踏むと固くなってしまうアレがジムカーナ走行中に来ると言えば怖さがわかってもらえるかと。
そんなわけでスポーツ走行時はABSソレノイドバルブのヒューズを抜いてABSを効かなくしているのですが、ABS装着車とABS非装着車のカタログ重量が10kgくらい違うので、つまりは10kgのウエイトを積んで走っているようなものです。しかもABSユニットは右ヘッドライトの裏にあり、オーバーハングの外なので回頭性にも悪影響を与えているであろう事は容易に想像つきます。
で、ABSを撤去しようと心に決めてから構想ン年、ついに実現する運びとなりました。

■どのくらい大変なの?
昔、知り合いでGC8のSTi Version IIIにお乗りの方でABS撤去に踏み切った方がいらっしゃいまして、その時聞いた話では「死ぬほど大変だった。」「ブレーキの配管なんてボディに最初に付けるもんだ。」「まる2日かかった。」「ウマで上げたくらいだとスペース的にきつい。」等の談話を断片的に記憶しておりました。恐らくその方は丸ごと全部変えたんだろうと思います。私の場合はヘタレですので、リアの配管はそのまま使いたいと考えておりました。ただ、パーツリスト上で部品番号が違うので、どんなもんだろうと。
ある日、某miner号のE/Gルームを観察する機会がありまして、問題のリアの配管についても確認してみました。するとリア側はABS有無に関わらず、エンジンルーム内に見えるのはPバルブ以降のみであり、Pバルブを経由してマスターシリンダーに接続していることがわかりました。また、Pバルブの形状が若干違うために長さが3〜4cm違うものの、配管の出る向きが同じで、配管の曲げ加減を変えてやれば吸収できそうな範囲であることがわかりました。
ただ、フロント側は全とっかえです。また、マスターシリンダーも配管の本数が違うため使えません。
右フロントの配管は、ABS車はABSソレノイドからタイヤハウス内へ、ABSレス車はマスターシリンダーから直接タイヤハウス内へ、それぞれ伸びています。
左フロントの配管も経路は右フロントと同様ですが、マスターバッグの裏からバルクヘッド伝いに取り回されていて、古い配管を撤去するにも新しい配管を取りつけるにも、障害物をいろいろと外す必要があります。
上の図は、左がABSありの配管、右がABS無しの配管です。実際にはPバルブの先はリアのタイヤハウスまで伸びていますが、一体どこを通っているのかよく知りません…。

■パーツの準備
以下は必要なパーツの一覧です。なお、価格は改定されるのであくまでも目安であること、部品は統合されることがあることをお断りしておきます。さらに言えば、部品番号があっているのかどうかも正直言って不安だったりもします。
 部品番号 部品名称 単価
 26401AA251 マスタシリンダ アセンブリ \20,000
 27673FA000 プレッシャ コントロール バルブ アセンブリ \6,900
 26512AA421 ブレーキパイプ,マスタシリンダ プライマリ PV \310
 26512AA431 ブレーキパイプ,マスタシリンダ セカンダリ PV \330
 26512AA720 ブレーキパイプ,マスタシリンダ プライマリ フロント レフト \2,640
 26512AA380 ブレーキパイプ,マスタシリンダ セカンダリ フロント ライト \770
 26471AA010 リペアキット,マスタシリンダ \5,590
この他に、ブレーキパイプを支持するクリップ類(パーツ番号はご勘弁を)があったほうが良いかも知れません。年式の経った車だと脆くなっていて簡単に折れます。私は無視して固定せずに組んでしまいましたが…。
私の場合、マスターシリンダー(表でいう1行目)、Pバルブ(2行目)、およびマスターシリンダーとPバルブの間の2本の配管(3〜4行目)を解体車から取ってきた関係で、7行目のリペアキットを用意しました。マスターシリンダーに新品を奢るのであれば必要ありません。
また、この他にブレーキフルードや工具類がひと揃え必要なのは言うまでも無いですね。私の車は何故かいつもスパナでいけてしまうのですが、普通はフレアナットレンチがないと死亡する予感がします。

■ざっくりと手順を
以下、ざっくりとした作業手順です。多少前後しても大丈夫そうな気がします。
  1. ジャッキアップし、フロントタイヤを外し、ウマに乗せる。
  2. マスターシリンダーのブレーキフルードを抜く。
  3. 邪魔なもの(エアクリーナー、インタークーラー、ウォッシャータンクなど)を外す。
  4. 右フロントのインナーフェンダーを外す。
  5. ブレーキの配管を緩めまくる。
  6. マスターシリンダーを外す。
  7. ABSユニット(ソレノイド)、Pバルブ、右フロントの配管を外す。
  8. ABSユニットを外す。ステーのボルトはインナーフェンダー内にある。
  9. マスターバック(黒くて丸くて大きい奴)を外す。
  10. 左フロントの配管を外す。
  11. 左右のABSセンサーを外す。
  12. 左フロントの配管を取り付ける。
  13. マスターバックを取り付ける。
  14. 右フロントの配管を取り付ける。
  15. マスターシリンダーを取り付ける。
  16. Pバルブを取り付ける。
  17. ブレーキフルードを入れ、エア抜きする。
  18. 外したもの(インナーフェンダー、エアクリーナー、インタークーラー、ウォッシャータンクなど)を戻す。
  19. フロントタイヤを取り付け、ウマから降ろす。
私の場合、マスターバックを外したまではいいのですが、配管やハーネスとの位置関係の調整やらなんやらに非常にてこずりました。マスターシリンダーにもエアを噛んでいたりして、たっぷり6時間の作業となりました。

■作業の様子
 
キャリパーのオーバーホール中です。この作業は室内で実施しています。写真からわかるように、マスターシリンダーからPバルブまでは、解体車から一体化したまま取ってきております。
スナップリングプライヤーや潤滑用のブレーキフルードが必要です。白い箱の中身はリペアキットです。
マスターバックが外れたところです。右の方から伸びているのが左フロントのブレーキ配管で、マスターバッグの裏にクリップがあるためにマスターバッグを外さないと取り外すことが出来ません。
中央から左に向かって伸びる2本の配管が、リアブレーキの配管です。曲げにゆとりがあるのが写真からもわかると思います。
マスターシリンダーを仮組みしたところです。
Pバルブとリアブレーキ配管の位置関係はこんな感じです。届かないのですが、少し前に引っ張ってねじ山がかかるようにして、あとは工具で締めこんで対処しました。今のところ問題は出ていません。
それにしても手が汚いですねぇ…。危険ですが素手が一番作業が早いので、細かい作業の時はあまり手袋をしないのです。
フロントの配管をマスターシリンダーに接続しようとして、角度がうまくあわせられなくて、諦めてPバルブを一度外したところです。
ブレーキパイプは柔らかいので、もともと適当に曲げてあるだけで、組立て時に現車あわせしているんだろうなと思います。

■フィニッシュ
と、いうことでABSユニットとはさようならしました。この写真を見るからに、私の場合はPバルブと一体化したまま外したようです。
なお体重計計測で6.0kgほどでした。カタログ数値ほど重量はなかったですが、残りの分はABSセンサーやトーンホイール、ABS用コンピュータ等の重量や、標準車より余分にひいてあるハーネス等の分など、誤差が加わって約10kgという事だと思います。


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