ワンダービートS(スクランブル)

 

 

 

このアニメを知っている方ってどのくらいいるんでしょう??

86年に放送されていた「ワンダービートスクランブル」です。ジャンルとしては、ちょっと他のアニメと変わってますが一応SF(・・?サイエンス??)・メカ物ということになると思います。この手のアニメは当時全然興味がなくて、大人になってから「面白そうだな」と興味を持ち、DVDを購入してハマる・・・というのが私の中での定番なのですが、実はこのアニメは珍しくリアルタイムでハマって見ていた物です。当時私は小学2年生で、夢中になっていたのは藤子アニメやいかにも子供向け・ファミリー向けのアニメばかりだったのですが、何がきっかけだったのかこのアニメは毎週楽しみにして見ていました。内容は覚えていないし、最終回まで見たのかどうかも覚えていませんが、主人公達が小さくなって体の中に侵入した悪者を倒す&主人公のススムが勝手な行動を取ってみんなに迷惑をかけるというパターンは忘れられず、ずっと頭に残っていました。そして、自分の体の具合が悪くなった時に必ず浮かんでくるのもこのアニメでした。「私の体の中に宇宙人が入って来て悪さをしている!!」と、今でも体調が悪い時ふとそう思うことがあります。そして具合が良くなってくると「ああ、倒してくれたんだなぁ・・」と妄想してしまいます(笑)。

DVDが発売されていたのは全然知らなかったのですが、近年(おととし?)スカパーのどこかのチャンネルで再放送が始まり、それが面白くて週一回の放送がじれったくて待てず(・・ダメ人間です・・)結局「DVD出てるやんけーー!」とついつい購入してしまったという訳です。でも、キレイな映像が楽しめるし映像特典もあり、当時の雰囲気のまま収録されていたので買ってよかったなぁと思っています。

 

このアニメはいろいろと語るべきネタが多いのですが、何といっても戦いの舞台が人の体の中というのが他のSF・メカ物のアニメと変わっています。しかも、企画監修をあの手塚治虫先生がやっていて、毎回番組の最後に手塚先生直々のトークコーナーがあるというのもポイントでした。アニメの方は映像・絵柄共々あまり古臭い感じがしないのですが、手塚先生のコーナーは昔の特撮やドラマによくあったフィルム映像なのでちょっと時代を感じてしまいます。「やあ!皆さん。手塚治虫です」から始まり、その回のお話にちなんだネタをお茶目な動作を交えて語ってくれます。トークの時間はたったの45秒間なんですが、結構長く感じます。ただ、内容そのものやキャラクターの動向に触れることは一切無く、舞台になった体についての説明が中心です。それにしても企画監修ってどのあたりまで関わるんでしょうね??アニメを全部視聴されていたのかどうかも気になるところです。

 

 

それから、この番組は「テルモ」(詳しくありませんが体温計とか医療関係の製品で有名)の一社提供になっていて、OPの最後に「テルモファンタジーワールド」とクレジットが出るようになっています。(DVDにもそのまま収録されていてちょっと感動的!)この手の話題には疎いですが、多分昔のサザエさんの「東芝」と同じような物なんでしょうね〜。言われてみれば番組の最中、体温計のCMはなんとなくあっていたような気がします。♪テ・ル・モ〜♪というフレーズは耳に残っていますし。デジタル式の体温計が便利そうで憧れていました。

 

そして、主題歌についても触れなければいけません。

OPとEDは70年代に「好きよキャプテン」を歌っていたアイドルデュオ・「ザ・リリーズ」のお二人でした。リリーズではなく本名でクレジットされていたため、気づかなかった人も結構多かったんじゃないでしょうか?アイドル好きで、おまけにリリーズのCDを持っているにも関わらず、私は全然気づかず「言われてみれば声がそんな感じだ〜!」と後で調べてわかりました。それにしても、この時代になぜリリーズ??ちなみに、リリーズの歌では「恋に木枯らし」が好きなんですよ。どうでもいいことですが。

主題歌はとても感動的で超・名曲だと思います。特に初期OP「瞳はコスモス」がイイですね〜。神秘的で意味深な歌詞!映像と共に見ると特に深みが増して感動的です。EDの「ワンダービート」は明るくて元気な曲調で、そのストレートなタイトルと同じくわかりやすい歌です。番組を見た後ホッと一息・・にピッタリな歌(映像も楽しい雰囲気)だったのに、なぜか途中(16話)からEDとOPが逆になってしまいました。最初の組み合わせが気に入っていたため、後半は最後までずっと違和感がありました。昔のアニメの主題歌は明るいOPに対して泣かせるEDという組み合わせが多いですが、前期EDの「ワンダービート」は明るくても何となくOPという感じじゃないんですよね〜・・。ただ、最初からこちらをOPにして放送されていれば何も感じなかったのかもしれませんが・・・。

 

・・・なかなか内容についてのレビューに辿り着けませんが、「手塚治虫」「テルモ」「リリーズ」は「ワンダービートスクランブル」について語る時の必須キーワードだと思うので語ってみました。私なんかが語らなくてもいろんな所で既に語りつくされていますけどね。

 

このアニメは全部で26話。短いですが、子供向けの学習マンガっぽい雰囲気の前半(1〜15話)、シリアスになった後半(16〜26話)と両方の雰囲気を楽しむことができます。視聴率は悪かったそうで、26話の予定が一番肝心なところで打ち切られ、24話で終了。26話分製作されていたのに、テレビでは最後の2話は放送されず、23話の後、新たに製作された24話を最終話にしてバタバタと終了してしまいます。なので、テレビ放送時版(全24話)とDVD版(全26話)ではラストが全然違うんですよ。私は先に放送されなかった方の「本当の最終回」を見て満足していたので、後で放送時版の最終回を見てあまりのあっけなさに驚いてしまいました。24話は途中までほぼ同じ内容で、違うのはなんとラストの5分間だけ。その5分で全ての辻褄を合わせてしまったのは逆にスゴイというか・・・。当時リアルタイムで最終回を見た人は納得できなかったのではないでしょうか。

放送されなかった26話完結バージョンの方は最初からその予定で製作されていたこともあり、素晴らしくビシッとまとまってます。たった2回分だし、最後まで放送すればよかったのにもったいない・・・と今更ながら思ってしまいますが、いろいろ都合があるんでしょうね〜。

ちなみに、このアニメの裏番組は「めぞん一刻」だったそうですが、私は「めぞん一刻」の方も見てたんですよね・・・。当時はビデオデッキも持ってなかったし、一体どうやって両方を視聴していたのかとても気になります・・・・。

 

やっと内容についてですが、

 

舞台は西暦2121年。地球防衛司令部は、宇宙で生命探査の旅を続けるグリーン・スリーブス号の隊長スギタ博士から「移動惑星X23が通過した惑星の生命反応が次々に消滅している」という連絡を受けた。X23が地球へ接近してきていることが判明したため、地球防衛司令部はX23を破壊するよう命令を出しただが、スギタ博士はこの命令を拒否しX23に接近。その後消息を絶ってしまった。

行方不明になった父の帰りを待ち続けるスギタ博士の息子・ススムは父の親友ドクターミヤの勧めで体内医療救急隊・ホワイトペガサスに入隊することになった。仲間達と共に体内出動艇ワンダービート号に乗り、ミクロ化して患者の体内に入り治療をするのが任務だが、異星人(ビジュール星人)が体内に侵入して人々の健康を脅かしていることが判明したため、ススム達は患者の体内でビジュールと戦うことになった。そして、なぜかビジュールが現れる場所からはススムが父へ贈ったオルゴールの音が流れてくるのだった・・。

 

というものです。

 

最大の伏線アイテムはススムが父に渡したオルゴールです。このオルゴールはススムの母が作曲したメロディをススムがオルゴールにして父に贈った物で、家族愛の象徴として要所要所で出てくるしアレンジされてBGMでも流れるしで番組全体に係るとても重要な小道具になっています。この父が「地球を滅亡させるかもしれない惑星・X23」を破壊する命令をはっきりとした理由も言わずに(言う暇すらなかった)拒否したまま行方不明になってしまったため、ススムは「スギタ博士は地球人の裏切り者」という汚名を着せられてしまいます。おまけに、体内に侵入し人々を苦しめるビジュール星人の基地で父に渡したオルゴールの音が流れていたりするもんだから、父を信じたいと思いつつも複雑な思いに苦しめられることになります。

前半はそのことに関するススムの苦悩と、それを乗り越えるまでの成長が描かれています。なんだか「ダンガードA」(77年)を思い出してしまいますが、ここはやっぱり80年代も後半に差し掛かかった時代のアニメですので、そこまで重苦しくなく、悩む姿を描写しつつも爽やかな雰囲気で話は進んでいきます。父親のことでイヤな扱いをしたのもスペンサー博士(ススムの父にX23破壊の命令を出した人)くらいで、ホワイトペガサスの仲間達はとても優しくススムを迎えていたので見ていてイヤな思いをすることもありませんでした。

ススムの友達やススムがその回で出会った人物がビジュールの体内侵入により体調不良を訴える。ススム達ホワイトペガサスはワンダービート号に乗り、ミクロ化して患者の体内に入って行き、ビジュールが送り出すモンスターと戦う・・・というのが毎回のパターンです。

中盤はホワイトぺガサスのメンバーが一人づつビジュールの侵入の被害に遭い、そのついでにキャラクターをクローズアップされるエピソードが続き、後半はビジュール星の王女・ビジュラ姫とススム達地球人の交流を通していろいろと謎が解明されていくところが見所です。

敵と言っていいのかわかりませんが、ビジュール星人が地球人の体内に侵入するのは、地球人の体の中にある(とビジュール星人達は思っている)「生命元素」を探し出し調査をするためです。ビジュール星は地球よりもかなり進んだ科学力を持っているのですが、どんどん荒廃が進んでいます。一方、地球はビジュール星に比べるとあまり大した文明も科学力も持っていないのにみんな生き生きと生活しています。きっと地球人の体内にはビジュール星人の体内にはない「生命元素」があるからに違いない、その生命元素を見つけて利用すればビジュール星を救うことができるかもしれない・・・と考えているからです。決して地球征服がどうのこうのという理由ではない所がミソですね。・・・約一名を除いて・・・ですが。そのあたりについてはキャラクターと共に次のページで語りたいと思います。

ビジュール星人が人間の体内にあると考えた「生命元素」とは一体何か?というのがこのアニメの最大のテーマですが、その答えは終盤でビジュール星人が身を持って知ることになります。「なんだ、そういうことか〜」と思えなくもないですが、その答えが出るまでの過程が暖かくてイイんですよ!改めて「人間って素晴らしい!!」と再確認できるラストでした。

基本的に1話完結型で、話数が短いので気軽に見れます。SF・メカ物としては珍しく、死人もほとんど出ませんし、全編通して暖かさを感じることが出来るアニメなのでおススメです。

 

次のページではキャラクターや最終回等について語りたいと思います。

 

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