ドラえもん のび太の恐竜

内容

ジャイアンとスネ夫に意地悪されて恐竜の化石を見せてもらえなかったのび太はみんなに「自分で化石を発掘できなければ鼻でスパゲティを食べてやる」と宣言してしまう。

 

穴を掘っているうちについに恐竜の卵を発見したのび太は自力で卵を温めて、生まれた恐竜の赤ちゃんにピー助と名付けた。どんどん大きくなるピー助だが、人に懐いた珍しい恐竜を奪おうと現れた恐竜ハンターに狙われてしまう。のび太達はピー助を恐竜ハンターの手から守りつつ、白亜紀へ帰そうとする。

 

1980年に公開された1作目の映画です。

初めて見たのは小学3年生の頃で、レンタルビデオで借りて見ました。今回、それからなんと25年ぶり(!)くらいの視聴でしたが当時と変わらず楽しむことができました。

でも、さすがに古いですね!!OPが「ドラえもんのうた」ではなく「ぼくドラえもん」だったところから「うわぁ〜(懐)!」という感じでした。絵柄も、その後のおなじみの物と全然違って昔の「ド根性ガエル」みたいなギャグマンガ調でちょっと雑な感じがしました。あのホンワカした可愛らしい雰囲気ではなく、「面白い」と感じさせる絵柄です。原作ともまた違った雰囲気なんですよね。ドラえもんに限らず、藤子ア二メの絵柄は他のア二メと違って、それ専用のテンプレート(これが目を書くときの丸、これが輪郭・・みたいな感じの)があるんじゃないかと思わせるくらい統一感があって、作画の乱れがないところがスゴイと思ってたんですが、この映画での絵は結構フリーな感じだったのが意外でした。でも次作の「宇宙開拓使」ではその後のイメージとあまり変わらないデザインになっていたので79〜80年が特別に違っていたということでしょうね。

あと、細かい所ではしずかちゃんが「のび太さん」「ドラちゃん」ではなく「のび太くん」「ドラえもん」と呼んでいたり、見た目が男の子っぽくてあまり可愛くなかったり、ジャイアンの和田アキ子カット(・・でも当時のアッコさんはあの髪型ではなかったと思うのでどっちかと言えばアッコさんがジャイアンカットなのかも・・??)の前髪がギザギザではなく丸々(?)になっているところがおなじみの物と違います。タイムマシンに乗った時も、時計がぐにゃぐにゃになった空間ではなく鉛筆で塗りつぶしたようなガサガサした風景になっていて、これも「いつもと違う!」と思いました。後はドラえもんの声が高くて、話し方も早口でまくし立てたり初期のドラえもんは結構毒舌で笑えます。これは原作のイメージに近いんですが、ア二メをやってるうちにどんどんのんびりした優しい性格に変化していったんでしょうね。

でも、BGMと効果音はいつものおなじみのモノ。

・最初、のび太がジャイアンとスネ夫にいじめられたりバカにされたりして、それを見返そうとして始めたことから事件に巻き込まれる

・のび太がやたら知的で勇敢になる。

・ジャイアンが優しくなる

・スネ夫の「ママ〜(泣)」

・ドラえもんが慌てて道具を出そうとするとガラクタが出てくる

という基本パターンはこの当時から既に確立されていました(笑)。

 

肝心の内容ですが、ドラえもんの映画は今後年々スケールが大きくなってすごくなっていくのですが、今回はまだ1作目ということもあり、いつもの日常に毛が生えた程度の地味なストーリーになっています。単に恐竜のピー助を本来存在した時代に帰してやろうというだけの話なので、いつもの大スペクタクル巨編的な展開を期待して見るとちょっと期待はずれに感じてしまうかもしれません。敵も根っからのワルではなく見た目デストロイヤー似の「悪いヤツ」な程度で、最後もパトロール隊の人達に逮捕され「トホホ」みたいな感じで終わりです。のび太やドラえもんの活躍で敵を倒して平和に・・とかではなく駆けつけた大人達に保護されて(たとえパトロール隊が駆け付けていなくても、あの展開ならのび太達だけでも解決できたでしょうけど)終了なんですよ。その後の映画を知っているとすごく意外な展開でした。

でも、今回の話はのび太とピー助の友情がメインなのでそれでも問題なし、ラストでは充分ホロリとさせられます。それも、ピー助との別れのシーンそのものよりも家に帰りついてしばらく経った後です。布団に入ったのび太が部屋に転がったボールを見て、それで遊んでいた小さなピー助を思い出すシーンです。のび太はピー助との日々を思い出しながら、卵を温めていた時のようにボールを抱きしめて眠りに付きます。そのうちに、仲間(嫁?)も出来たし、これでピー助は幸せになれるだろうと安心したのび太の手からボールは転がって離れていく・・。これを見た時涙腺が崩壊しました(笑)。この文章を入力している今もそのシーンを思い出して目頭が熱くなるくらいです。ボールをピー助の存在と重ね合わせるとか、切ないシーンの演出がうますぎる!!「別れ」そのものよりもその後しばらく時間が経った方が寂しさ倍増なのが伝わりすぎる。しかも、のび太達にとってはピー助との時間は結構長期間だっただろうし長旅だったんだろうけど、見ているこっちはたかが2時間あるかないかなんですよね。それなのにピー助がボールで遊んでいた日々があんなに懐かしく感じるなんて・・・。素晴らしすぎるとしか言えません。

 

その他にも感動だけでなく面白くて楽しいシーンがいっぱいあります。のび太が卵を発見した時のドラえもんの「ナウマン象のウ〇コかもしれない」発言には笑ってしまいました。あのセリフは覚えてたなぁ(笑)。続いてのび太まで「ウ〇コぉ〜?」と言ってたのも笑えました。大体、のび太の「鼻でスパゲティを食べてやる」発言からして面白すぎです。どこからその発想が?という感じです。でもこのむちゃくちゃな発言のおかげでのび太がいじめられても悲壮感が漂わないんだと思います^_^; このセリフはのび太の迷言集にゼヒ入れておいて欲しいですね。ちなみにその約束を守らせようと本当にジャイアンとスネ夫はスパゲティを用意してましたが、あれってきっと懐かしのナポリタンですよね。

 

あとは、「桃太郎印のきびだんご」で恐竜を懐かせるシーンが好きですね〜。恐竜の背中に乗ったりしてるシーンは本当に楽しそうで自分もやってみたいな!と思わせられます。大人が見てもそう思うんだから、子供が見たらもう心を鷲掴みにされてしまうのでは??ピー助はマンガチックに可愛らしく描かれていたけど、その他の恐竜達はリアルで怖い感じに描かれてるのが多少違和感がある気がしましたが(例えばドラえもんの中に北斗の拳キャラが出るような感じ・・)そのおかげでこのきびだんごのシーンが「あの恐竜達がドラえもん達に懐いてる!!」と際立っていたんでしょうね。旅の途中でそんな優れモノアイテムのきびだんごを谷底に落としてしまうのですが、それを見た私は『きっと最後に恐竜ハンターがのび太達を恐竜の大群に襲わせるんだろうけど、実はその恐竜達はあの時落としただんごを食べていてみんなのび太達の味方になっていた・・というオチになるに違いない!』と読んでいたのですが、似てるけどちょっと違ってました(笑)。でも、よく考えるとのび太達の味方になってるなら最初から恐竜ハンターに従おうとはしないからそこで気づきますよね・・・まぁ別に深く考える程のことじゃないですが・・。

あと、「タケコプターで日本へ戻るなんて、途中でバッテリーが切れて飛べなくなっちゃうよ〜」みたいなことを話し合っている時、スネ夫が「続けて飛ぶとすぐにダメになるけど、途中で休みながら飛べば長持ちするよ」という案を出した時には目からウロコでした(笑)。君は本当に小学生か?のび太ものび太で「一億年って言うけどさ、実際どのくらい昔なんだろう?」とか哲学的なことを言い始めるし、いつものへっぽこな描写は一体何なんだろうと思っちゃいますよ。でも日本への旅って「どこでもドア」を使って「日本へ!」と言えば一発で解決したことなのでは・・。ドアが使えない理由って何かあったっけ??それか「ビッグライト」で全員思いっきり巨大化すれば少しは距離を縮められたのでは・・と。あと、「大きくなりすぎたピー助を泳がせる場所がないよ〜」と言ってたのもスモールライトで小さくすればOKですよね。旅の途中ではピー助を小さくするために使いまくっていたので、「現代にいた時からそうしていれば良かったんじゃ・・」とツッコミまくりでした。そうすれば公園の川で泳がせることもなく、水槽で飼うことが出来ただろうし恐竜ハンターに見つかることもなかったのでは・・・。

もしかしてこれらのツッコミは全て禁句でしょうか??でもスモールライトのことは当時映画館で見ていた子供達もそう思ったんじゃないかと思います。「志村、後ろ後ろ」みたいに「のび太、ライトライト」とツッコんでいたに違いありません。

でも、何もかもあのラストとピー助の可愛らしさで全てOKになります。恐竜好きな人・ペットを飼っている人には特におススメ!!ボールで遊ぶピー助はとっても可愛いです。あの「ピューイ〜」という鳴き声がまた最高に可愛いんですよね・・。あんな恐竜なら、しかもあれ以上大きくならないなら飼ってみたい・・。

 

                                                                                          12年4月9日 記