2009/11/07
KAICHO: s_naray[at]yahoo[dot]co[dot]jp
※SPAM防止のため捻ってある

300円でできるBD-1リアサスのリジット化(+フロントサスのハード化)

■はじめに

BD-1で困るのは、ケイデンスを上げるとサスが沈んで、 どうしても尻がぴょこぴょこ暴れること。 これをなんとかするには、フロント・リアサスをリジット化するのが一番だ。 なんかイイ方法はないかとDIYのお店をうろうろしてたら、ナイス逸品を発見し、 ちょっとした加工で見事リアのリジット化に成功。あんまり嬉しいので、 皆様にもお知らせする所存ナリ。小学生みたく。

…どうでもいいが、英語のスペルは「rigid」なので、「リジット」ではなくて 「リジッ」が正しいみたい。へぇ。

■解決すること

■準備するもの概要

以上、余る部品も考慮して総計250円。

■組み立て手順

まずはBD-1のリアサスを取り去る。エラストマー部分は挿してあるだけなので、 引っ張れば抜ける。残った金具はネジ止めされているので、6mmヘキサレンチで 緩めて取る。以上、BD-1側の準備は終り。

塩化ビニル 継手 TSキャップ 20A (参考:楽天の出品物)は、 こんなカンジ→のもの。実際の外寸法は内径26mm、外径33mm、 長さ41mm程度。キャップなので当然片方がふさがっている。塩ビの肉厚は3.5mmくらい。

塩ビといってあなどるなかれ、実はかなりの強度と耐久性があるのであるよ。 塩ビ工業・環境協会(ってところがあることも今回初めて知ったが)の、 塩ビ製品の実用特性 ページをとくと見よ。そのスバらしさにもうメロメロ。塩ビだけでゴハン三杯は イケそうな予感。一応強度計算(概略)すると、疲れ強さが1.7kg/mm^2で、 断面積が(33/2)^2*π - (26/2)^2*π = (33^2-26^2)/4*π = およそ324(mm^2) なので、 計算上は551kgの力が一千万回加わると破損することになる。 …まぁ大丈夫じゃなかろうか。

なお、写真のキャップは灰色で、VPと呼ばれるものだ。しかし、実はこれより 強度が高い、藍色または黒色のHIVPという種類のキャップもあり、そっちの方が オススメなので、余裕があったらHIVPを買おう。ちなみにHIVPのTSキャップ20Aは 一個100円くらいとそれでも安い。これだと合計300円くらいに。ただ、 VPの方がHIVPよりやわらかい(?)ので、乗り味がマイルドな気がする。

2010/09/04追記。再作成に伴い、どっか知らん(多分中国)メーカーのTSキャップ 20A HIVP(66円)を購入したら、サイズが今までのより一回り大きかった。実測で内径26mm、 外径34.3mm、長さ42.5mm程度で、これだとフィッシュボーンがハマらない。結構 キャップの種類は選んだ方がいいみたい。オススメは三菱マーク付きのもの(…しか ぴったり合うのを知らない)。さすがメイドインジャパン品質だ!(勘違い)。

で、コレの片側中心に、ドリルでボルトを通す6mm(キツい場合は6.2mmなど臨機応変に) の穴を開ける。ハンドドリルでも十分。 可能な限り中心に穿つことが望ましいが、少々ズレても構わないし、7mmくらいに なったって平気。それよりも、穴の周囲に亀裂が入ったりしないように、 のんびり丁寧に作業すること。

2010/09/04追記。TSキャップの直径は、エラストマーより1mmちょっと大きいので、 装着した時にバッチリ位置あわせするには、中心より1mmくらいずらした所に穴を 開けた方がいいみたい。スイングアーム側の穴と、シートチューブ側のサス受けの 位置関係を元に、現物あわせでどうぞ。なんか、最近のBD-1だとスイングアームの エラストマー受け上にキャリアダボがあって、TSキャップの取り付け位置によっては それが干渉しちゃうこともあるらしい。注意。

穴が開いたら、あとはM6x25キャップボルト → 25mmワッシャ → TSキャップ20A → BD-1のリアフォークブリッジ → M6ワッシャ → M6ばねワッシャ → M6ナット の順にネジ止めする。あんまり締め付けすぎると割れてしまうので、緩まない 程度の力で締めればよい。もともとエラストマーだってハマってただけだし。

これだけ。これで、アナタのBD-1のリアサスはリジットになった。この状態で 体重80kg超の人が100kmくらい荒く乗ってみたが、全く問題なかった。というか 上のTSキャップ20Aの写真は、実は100km乗った後に分解して撮影したものだ、 と言えば、問題の無さっぷりが分かって頂けるだろうか。 もちろんまだ油断はできないけれど。

なお、この改造を施すと、フィッシュボーン(リアスイングアーム左側の、スイング アームがぶらぶらしないように止める黒い樹脂)がパチンとハマらなくなることがある。 その場合は、リアスイングアーム左内側のフィッシュボーン止めネジを少し緩めて、 フィッシュボーンの位置を適宜調整すること。ムリヤリはめてると、そのうち フィッシュボーンが折れる。折れた場合は こちらを参考にして貧乏修理

なお、どうしても強度が心配だという人は、上で述べたHIVPを使うのにあわせ、 キャップ内にもう一つキャップを入れてみてはどうだろう。幸い、水道管の規格に 16Aというものがあって、それの寸法が外径24mm・長さ30.6mm程度で、バッチリ 中に入る。上面をツライチにするためには中を底上げしないといけないが、 それは大き目のワッシャでもいいし、写真のように水道のゴムパッキンを 流用しても構わない(どうせ補助だし)。ちなみにHIVPの場合、 TSキャップ16A一個の価格は70円くらい。

■評価

最初はボルトでガッチガチに固定する心算だったのだが、リアフォーク側の穴が 6mmであって強度的に心もとないことと、フレーム側のサス受けもあんま丈夫そうでは ないので、樹脂にすることにした。今回のTSキャップなら入手性も高いし、 交換費用も安い(50円〜100円)しね。思ったより丈夫だったのは嬉しい誤算だった。

実は、樹脂な上にTSキャップ部分の寸法がほんの1mmくらい長いので、 いいアンバイにサス機能が「ちょっとだけ」残っている。ムリな力がかかった時に 微妙に変形して、破損から守ってくれることを期待する。

あと、塩ビは紫外線に弱いそうなので、ビニルテープを巻くとかの対策をしておいた 方がいいのかもしれない。 …アレだ、SPF50+とかPA+++の日焼け止め塗っとくってーのはどう!?(得意げ)

こんな情報でも皆様のお役に立つことを祈りつつ。 …ところで、BD-1リジット化するくらいならフツーにリジットな小径車買った方が いいんじゃない?とかは言わぬが華。

■もっと安上がりにならんか?

300円をかけられない男らしいアナタのために。もっと安上がりにもなる。それは、 エラストマーをカットして短くしちゃうことだ。これでエラストマーのばね係数は 確実に上がる。当然、これにより後ろが下がっちゃうので、判断は慎重に。 20インチ化すると一インチ上がるから、それにあわせて切っちゃうのはアリだ。 フロントがノーマルだとそれはそれで後ろ下がりになるので、我輩としては、 フロントを20インチリジッドフォークにした(=後ろ上がりになる)ら、エラストマー 切っていいと思う。ちなみに切るのは5〜7mm程度、これで約1インチ後ろが下がる。 これがびっくりするくらい固くなるので、まずは5mmくらいから始めてみては どうだろう。…コレするとフィッシュボーンとのかかりにガタが大きくなっちゃうから それだけ了承する必要あり。

写真のエラストマーは8mm切ったもの。ちょっと後ろが下がりすぎた気が しないでもないが、その固さはノーマルエラストマーなのにハード以上。 なんかすぐ割れそうな気がするけど、そんなのは男らしく気にしない!ヤッフゥ!

■ところでフロントサスは?

BD-1のフロントサスは、リジットにしない方がいい。物理的に非常に華奢なので、 ガチガチにしちゃうとあっという間にリンク部分が壊れる。実際、破損例も 報告されているし。本当にリジットなフロントが欲しければ、普通の 小径車用フォークを考えた方がいいと思う。それはもはやBD-1ではないけれど。

一応、フロントスプリングの内径は22mmちょっとなので、22mmの塩ビパイプを 適当に切って中に入れる、というフロントリジット化の常套手段はある。 でも、前述の理由でお勧めはしない。

我輩はしぶやのスーパーハードスプリングに変更したが、これでは硬すぎる気が しないでもない。普通の赤バネでいいんじゃなかろうか。
…ところでしぶやの スプリングは価格がびっくりするほど高いよね!ということで 自前で発注するプロジェクト始動中

2011/01/30追記。例によってDIYのお店をうろうろしてたら、あたりゴム(No.6) という 製品を発見した。左の写真のようなもので、大きさは23x20x82mm(340円)。 これを削ってフロントスプリングの中に入れたらどうだろう、ということで やってみた。


周囲をカッターナイフで削る。あんまり気にせず四隅を削ればいい。スプリング内に 押し込めるようになったら、長さを合わせて切る。ゴム長は、スプリング長-21mmで イイカンジになる(※スプリング長は標準90mmなので、計算上ゴム長は69mmになるが、 スプリングは結構ヘタって短くなっているので、現物に合わせた方がいい)。 それと、スイングアーム側のネジ頭を逃がすために、ゴム中心部に直径8mm、深さ6mm 程度の穴が必要になる。まぁこれは適当でよい。

あとははめ込むだけ。しぶやのスーパーハードスプリングよりは固く、しかし有る程度 ストロークするので、破損は多分ないと思う。命名ウルトラハード。 今後問題あれば改めてレポートする ... と思ってたら 問題らしきことがあったので対処をレポート。 ただし、折れた部分から推測すると、ウルトラハード化が問題なのではない、と思う。

■四方山

■意外すぎる結末

2010/08/23、自宅マンションの駐輪場で盗難にあう。そ、そんなー!? せっかくフィッシュボーン直したりしたのにー!まさかの結末に我輩ガクゼン。 とりあえず、盗まれるまで1500km走って、HIVPシングルのリアサスに特に 問題はなかった。 直前にチェックしたけど、ひび割れや欠けは無かったので、おそらく問題ないんだと 思う。たいしたもんだ、塩化ビニル。

■その後

あんまりに悔しかったので2010/09に再びボロボロのBD-1を入手。レストアして使用中。 この文書で紹介したように、後輪リジット・前輪ウルトラハードで一年半使用。 そこで フロントフォークが折れたのでフロントをリジットに変更。リアはそのまま 使用中。2014/12/15現在、13000km以上乗って問題なし、欠け・割れもなし。 リアはもうこれで強度的に問題なしと考えていいね。