ランシエンヌ・コメディ通り(Rue de l'Ancienne-Comedie)|パリ観光の写真 Photo of Paris

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ランシエンヌ・コメディ通り
Rue de l'Ancienne-Comedie

パリ最古のカフェがある小さな通り

知識階級の多いパリ左岸のサン・ジェルマン・デ・プレ地区を歩いていると、ふと小さな石畳の通りがあります。高級ブティックやカフェの連なるサン・ジェルマン大通りを一歩入ったところにあるランシエンヌ・コメディ通りです。中は半分アーケードになっていて、小さな別世界に来たような楽しさがあります。パリ最古のカフェ「プロコープ」や昔のコメディ・フランセーズ(フランス国立劇団)があったりと、歴史的なスポットもたくさん。通りの奥の中庭では、有名な処刑装置ギロチンの製作所やフランス革命期の指導者ジャン=ポール・マラーによる『人民の友』誌の印刷所もありました。サンジェルマンでの買い物に疲れた時には、様々な歴史の詰まったこの通りへ出かけてみませんか?

かつての城壁沿いの道がコメディ通りになるまで。通り名の変遷の歴史

この通りの原型はフィリップ・オーギュスト時代(13世紀)の城壁沿いの道。1560年には一つの通りの形になったと言われています。当初はフォッセ通り(rue des Fosses)と呼ばれていましたが、のちにフォッセ・サン・ジェルマン・デ・プレ通り(rue des Fosses-Saint-Germain-des-Pres)となり、その後コメディ通り(rue de la Comedie)へと変わります。でも何故コメディ通りなんでしょう?現在パレ・ロワイヤルにある有名な劇団コメディ・フランセーズは、設立当初の1687年〜1770年まではこのランシエンヌ・コメディ通り14番地にありました(ジュ・ド・ポーム球戯場の中)。この通りがコメディ通りとなったのも、この劇団があったことに由来します。日本語で言えば演劇通りですね。1799年にコメディ・フランセーズが今のパレ・ロワイヤルに移ってからは、ランシエンヌ・コメディ通り(古い演劇通り)と呼ばれるようになり、今に至っています。

パリ最古のカフェ、プロコープは現在も営業中

ランシエンヌ・コメディ通りには、パリで最も古いカフェがあることで有名です。カフェ・プロコープはシチリア人フランチェスコ・プロコピオが1686年に開いたカフェ。創業者のプロコピオはフランスで初めてジェラート(アイスクリーム)を売った人物でもあり、1672年には店を構えています。なのでカフェとアイスクリームの歴史はほぼ同じことになりますね。ちなみに店の名前の「プロコープ」とはプロコピオをフランス式に発音したもの。当初から文学者や哲学者、啓蒙思想家が集い、その中にはヴォルテールやルソー、ディドロ、ベンジャミン・フランクリンなどがいました。今ではカフェというとコーヒーを飲みおしゃべりをしたり読書をしたりする場所ですが、当初は「文学サロン」としての役割も。革命期にはロベスピエールやジョルジュ・ダントンなどの政治家が議論を交わす場所ともなり、フランス革命後には若き日のナポレオンも訪れました。19世紀には詩人ヴェルレーヌやオスカー・ワイルドも訪れました。オープンからすでに320年以上。多くの文化人に愛され続けてきた老舗中の老舗カフェは現在も同じ場所で営業中です。

ギロチンが作られた通り

この通りは有名な処刑装置が作られた場所としても知られています。フランス革命期に多くの人間の首を切り落としたギロチンです。ギロチンという名前はパリ在住のジョゼブ・イニャス・ギヨタン医師(1738-1814)に由来しますが、この処刑装置の発明自体はアントワーヌ・ルイ医師(1723-1792)で、当初はルイゼットなどと呼ばれていました。その後ギヨタンが「ギヨティーヌ」というフランス語の一般名詞になり、日本では英語読みのギロチンで知られています。
ギヨタン医師は1789年12月の国民議会で、今後の処刑は死刑囚の苦痛を少しでも短くするために瞬時に絶命できる機械装置ギロチンを使用するべきだという法案を提出し、満場一致で承認されました。しかし実際にギロチンを設計・制作したのはヴェルサイユ宮殿に呼ばれたドイツ人のピアノ調律師トビーア・シュミットでした。1792年、彼はランシエンヌ・コメディ通りにあった仕事場(正確には通りの奥にある中庭クール・デュ・コメルス・サン・アンドレ9番地)でギロチンの模型を製作し、実験に成功してから実用化させました。そして1792年4月25日、現在のパリ市庁舎広場であるグレーヴ広場で、初めて生身の人間でギロチンによる処刑が行われました。最初に首を切られたのは追い剥ぎ強盗ジャック・ペルティエでした。驚くことにフランスでは1939年までギロチンによる処刑が公開されていました。処刑はラ・サンテ刑務所の中で行われ、ギロチンによる最後の死刑執行は1972年11月28日に行われました。

Rue de l'Ancienne-Comedie
最寄メトロ:オデオン(Odeon)/パリ6区
エリア:サン・ジェルマン・デ・プレ

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