雨ばかりのGWは珍しい気が。でも農家にとってはいいことだ。


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5月31日


5月にトップページでとりあげたニュースのまとめです。


海外版ハルヒ情報

フランス版ハルヒ第1巻は7月2日9日発売予定 (08/05/18、5/30情報更新)
既報ですが、あらためて。
7月2日は、欧州最大のアニメ系イベントJapan Expoの開催日前日で、さらにドイツとイギリスでは5月から発売が始まります。「何かをやる」にはこれ以上ないタイミングだと思うのです。情報をご存じの方はぜひご一報を。
発売日が1週間遅くなりましたが、Japan Expoで先行販売する可能性もないとは言い切れません。

イタリア版ハルヒのメインキャスト発表 (08/05/20 web拍手情報)
>Dynit社が、ハルヒイタリア語吹替え声優を発表しました。レビューを追ってお送りします。
このお方の神速タレコミのおかげで私は情報の最先端に乗っかれているようなものです。ほんとにありがたいことです。
私もこちらで調べてみましたが、キョン役の人はファーストとZでアムロを演じてるんですね。……杉田さんよくアムロの声真似してるよなぁ、あとシャアも(笑)。しかもどっちもうまい。

パリのイベントでハルヒ第1話先行上映 30日から (08/05/30)
フランス語吹き替え版が上映されるかもしれないと考えると羨ましくて涙が出てくらぁ。
それからこのイベントには村田蓮爾さんがゲストで参加するそうで。きっとサイン会などもあるんでしょうね。
※ この情報についてはweb拍手でもメッセージをいただきました。ありがとうございます。

海外版アニメ作品情報

Right Stufが発表した北米版アニメのタイトルは……? (08/05/02)
あーりーあー(←違わないけど違う)
でも予想通り、英語吹き替えはない模様。……他の国から出るのを待つか。

「El Cazador de la Bruja」独に続き仏でも発売 (08/05/15 MANEより)
はやくスペインでも出すんだ。

北米版「シグルイ」公式サイト開設 DVD発売へ (08/05/17)
画面手前を漂う血痕の一部には映像や壁紙等が隠されておる。
ぷれすりりーすによれば、発売は2009年になるそうじゃ。しばし待たれよ。

「マリみて」スペイン版"María nos mira"が既に発売されていた件 (08/05/16 web拍手情報)
>「マリア様が見てる」スペイン版の音声は日本語/スペイン語、字幕はスペイン語/ポルトガル語です。
情報ありがとうございます。第1期ボックスセットが4月に既に発売されていたようですね。いろいろ特典がついて5000円くらいかー。

「MUSASHI -GUN道-」、フランスで全話DVD化 (08/05/21 ULTIMO SPALPEENより)
>ニュースとしたのは、この作品は製作国である日本でも、いまだに全話のDVDがリリースされていないからですね。
ついにフランスのアニメ業界が日本を追い越した。

英語版「BLACK LAGOON」レヴィ役の声優 Maryke Hendrikseさんインタビュー (08/05/29)
このインタビューの序盤で英語版ブラクラの1シーン(レヴィとロックが大喧嘩する場面)が聴けます。英語版ブラクラの魅力の半分がこの中に散りばめられていますので必聴。もう半分は、この場面に出ていない他のキャラクターの魅力です。
番組はポッドキャスト「Voiceprint」のサイトから聴けます。

海外版マンガ作品情報

「ToLOVEる」がフランスで発売へ (08/05/08)
第1巻は2008年10月発売予定だそうです。いろいろ話題を呼びそうだなあ(笑)。
(08/05/09追記)ドイツでも発売されるそうです。(ULTIMO SPALPEENより)

海外アニメ・マンガ系イベント情報

フランスで「Japan Expo Awards」開催 (08/05/21 情報元:MANE
マンガ・アニメ・映画・音楽・ゲームの5ジャンルからさらに細かい部門に分かれています。一般投票も受付中。

米国サンノゼ「FanimeCom 2008」にガイナックス参戦 (08/05/21 情報元
グレンラガン絡みでの参加であることはほぼ間違いないでしょうが、によると声優・絵師を含む総勢15名での参加になるらしいとか。グレンラガンの北米先行上映もするそうです。

「グレンダイザーの父」永井豪が仏Japan Expoゲストに (08/05/22 情報元:MANE
Wikipediaによると、Japan Expo開催期間でもある今年の7月3日は、フランスでグレンダイザーが放送されてちょうど30年にあたるそうです。フランスとイタリアでのグレンダイザー人気は私たちの想像を絶するほどだったそうですよ。
参考 イタリアのグレンダイザー人気に関する証言:
GOLDRAKE ROBOT とは? / AFM3日目cinemacafe.netより)
HIGANレポートCiccia ricciaのイタリアより)

海外アニメ・マンガファン&業界情報

アリゾナの白ひげじいさん、アニメを語る (08/05/08 情報元:日本視覚文化研究会の記事
これはブックマークせざるを得ない。

デジタルコンテンツ協会 シンガポールOdex社をレポート (08/05/12 アニメ!アニメ!より)
Odex社といえば、違法DL(≠UL)者を訴えたりハッカーにサイトを荒らされたことで知られていますが、そのOdex社の現状も含めたシンガポールのDRM(デジタル著作権管理)事情がこの報告から窺い知ることができます。

ネット上の違法ファイル対策の協議会設立 著作権者団体等 (08/05/15 アニメ!アニメ!より)
悲しいことですが、対策をする必要のない時代は終わってしまったと言わざるを得ません。違法配信者も逮捕されるのは覚悟の上でやっているんでしょうから、手を緩めることはないと思います。

【噂】ジェネオンUSAのアニメが(一部)復刻するかもしれない? (08/05/18 情報元
あくまで「交渉段階であるという噂」にすぎませんが、実現してほしいものです。作品に適正な価値を見出して投資してくれる顧客がいないと速攻で元の木阿弥になるでしょうが。

「アニメ・マンガ評論は生き延びることが出来るのか?:日米評論家対談」 (08/05/20 英語で!アニメ・マンガより)
日米両国のアニメ評論家がガチで対談したことってあまりないような気がするので、素晴らしい企画だと思いました。続きにも期待。

スペイン語版自主翻訳サイト 当局からの警告で一時閉鎖 (08/05/21 アニメ!アニメ!より)
私から言えることはただ一つ。Show No Mercy(なさけむよう).

Bandai Entertainmentが、日本時間22日早朝に何かを起こす (08/05/22)
ソースコードを見る限り、ズバリ発売中止となった元Geneon USA作品の大量サルベージ+エヴァ序とみましたが、どうでしょう(←「BVとの統合」が正解でした)。MUSASHIはない!多分!そんなのに資金を浪費する余裕はないはず(笑)。

米国における事業再編に伴うBANDAI VISUAL USA INC.とBANDAI ENTERTAINMENT INC.との統合について (PDFファイル 08/05/23)
アニメ!アニメ!記事 正直、驚きました。密かにチェックしていた公式サイトの更新内容を見た限りでは、BVUSAの作品は「True Tears」等の未発タイトルも含めすべてBEに引き継がれそうです。そこで問題となるのは、「BVの高価格路線をも引き継ぐのか」「英語吹き替えを収録するのか否か」そして、BEによる救済の可能性が低まったと思われる「元ジェネオンUSA作品の行き先」の3点。
ジェネオン作品についてはBEが引き取らないならFuniしか引取先ねーじゃんって感じなのですが、どこかが何とかしてくれることを期待しましょう。もちろん製品の内容とクオリティはジェネオン版から落とさないままでというのが大前提ですが。

角川グループ× YouTube 動画投稿で大型イベント (08/05/27 アニメ!アニメ!より
「9.フラッシュムービー職人部門」と「10.映像作品部門」で9割を占める予感。

角川 YouTubeでMADアニメ等容認 投稿動画で広告事業 (08/05/27 アニメ!アニメ!より
DVDが発売された作品のMADは不可というのはきついなー。セリフ捏造MADとか作品内容の原型を留めてないものはOKにしてほしいところ。それよりも「ネタバレ映像や神シーンを含んだ映像は不可」にした方がいいのではと思いました。
それから、記事には書かれてませんが、角川が関与していない著作物を使った作品も実質上全面不可でしょうね。「なんでうちの著作権を侵害したMADを認めたんだ」とか言われると面倒なことになりますから。

'Anime'-decorated cars latest 'otaku' fad (08/05/30 Japan Times記事)
なのはさん、ていうかおぱんちゅ号吹いた。
正面からの写真を掲載しなかった(あるいは撮らなかった)のは、記者&編集部のお気遣いと解釈せざるをえない。

国内アニメ・マンガ関連情報

井上雄彦さん「最後のマンガ展」上野の森美術館で開催 (08/05/08 情報元:アニメ!アニメ!
なんか穏やかならぬタイトルですが、場所が近いので行ってみようかな。

ゲーム・同人・その他国内ニュース

同人弾幕STG「東方」シリーズ、最新作発表! (08/05/02 情報元:「Canned Dogs」の記事
今回は変わったシステムになりそうです。東方の場合システム(遊び方)がシンプルなほど難しいという印象がありますが、今作はどうなるでしょう。
しかし、この件で最も強く感じたのは、「最近、海外のサイトで日本のオタク系ニュースを知ることが増えた……」ということ。いかに私が国内ニュースサイトの巡回をサボってるかってことですね……。

Jポップっていいじゃん(福島民友新聞ウェブサイトに掲載されていた記事) (08/05/20 Tentative Name.より)
今月のマーティー・フリードマン。ポリリズムポリリズムポリリズム(repeat)

例大祭のアキバ 「下手すりゃコミケ並」 東方では過去最高アキバblogより)
Huge lines in Akihabara for Touhou HisoutenCanned Dogsより)
(08/05/26)
雨が降ってなければ例大祭に行ってみたかったんですが、自分の体力・精神力を考えると行かなくて大正解だった模様。アキバがコミケ並に混んでたって。恐るべし。
追記:第5回博麗神社例大祭で、カタログ未所持の人は14:30まで入場できなかった件Syu's quiz blogより)
……なー。


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web拍手返信。

>しくへっとです。「おぱんちゅ号」って、すごく有名な痛車なんですね。ご指摘を受けて画像を色々探して
ビックリでした。ボンネットのアレがそのままなら、さすがに紙面には載せられませんよね(笑)。

おぱんちゅ号に限った話ではないんですが、生で見ると、多かれ少なかれ迫力がありますよ痛車って。展示会(?)のときには車内までもが抱き枕やフォギュアなどでデコレーションされるので、すごいことになります。

>kaze社は30日から開催の「Epitanime 2008」でハルヒ第1話を初上映するそうです。
Kazeのウェブサイトに情報が載っていましたね。見れる人が羨ましいです。会場はパリかー。




5月28日

web拍手返信。

>説得力のあるご回答ありがとうございました。
>ところで、フランスのハルヒ限定版BOXはドイツと共通になるのでしょうか。
>拡大画像を見ますとKAZE社とAnime Video(Anime Virtual社)のロゴが
>併記されていますし。
(5月26日)
私はアニメ業界の事情通ではなく、先日の発言もあくまで推測に過ぎませんが、そう言っていただけて少し胸をなで下ろしています。ハルヒのボックスについてですが、確かにそうなっていますね。中身も吹き替えトラック以外は同じだったりするのかもしれませんね。


それからしくへっどさん、うちの記事のご紹介ありがとうございます。
Otakon参加を躊躇ってる最大の理由は、ズバリ「SOS団が再び海外のイベントに参加することになった場合にいつでも駆けつけられる準備をしておきたいから」だったりします。AX07でのイベントが最後とは思えませんし。


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アニメと音楽をめぐる日米間の感性の違い

先日アニメ!アニメ!で日米アニメ評論家対談のPART2マンガ・アニメ評論はどこに向う?が公開されましたが、その記事で私の目を引いたのが、2ページめにある「日本アニメ独特のお約束」に関する発言でした。

エド
エヴァには学園ものや、ロボットものや、いろいろな要素が一杯入って来すぎていて、やはりアメリカでは観ている方を混乱させています。ロボットアニメが好きな人はどちらかというと、エヴァが好きではない。物語が多過ぎるからです。コードギアスのような作品が好きな人は美少年が好きでロボットアニメが好きでないという棲み分けができています。(略)アメリカでは女性ファンばかりで、男性ファンはあまりいないことになるでしょうね。コードギアスについていえば、ロボットは全部背景で美少年を見たいという需要があるのではないでしょうか。

藤津
日本では逆にロボットがなければ、女の子ファンだけになっちゃったのでロボットを足したことで男性ファンが上乗せされているんですよね。(略)ロボットは背景に過ぎないんですけど、その背景をロボットにすれば男性ファンはちゃんと反応してくれるはずだと、プロデューサー的なセンスが発揮されているんですよね

エド
それは分かります。(略)ライトなファンは気にしないですけど、コアなファンは学園ものとロボットものの融合とか、ジャンルの融合に対して現在は混乱しており、理解があるとは思えません。アニメの歴史がアメリカでは短いので、やっとそれぞれのジャンルのお約束になれてきたところなので、そこまで理解は進んでいないのではないでしょうか。

例えば、アメリカのロボットアニメファンは「ロボットが悪と戦い勝利する」ただそれだけを作品に求めている、ということでしょうか。エヴァで物語・プロットを楽しまなければ何を楽しむんだとも思いますが、「期待が外れたときの戸惑い」という意味ではある程度共感できます。期待が外れたときに気持ちを切り替え、自分が求めていた期待以上に楽しめるポイントを見つけられればいいのですが、アメリカのアニメファンはなかなかそうはいかないようですね。

藤津さんの「背景をロボットにすれば男性ファンはちゃんと反応してくれる」は、「ロボットに引かれて作品を見始めた男性ファンも、ロボット以外の要素にもちゃんと目をむけて楽しんでくれる」という意味合いだと思います。そういう前提があるからこそ、日本ではジャンル融合(というよりごった煮?)型作品が幅広い層のファンに注目・支持されるのでしょう。

個人的な体験を話しますと、リアルロボット寄りのアニメだと思っていた「創聖のアクエリオン」で無限拳を目の当たりにしたときはあっさりと気持ちの切り換えができました(笑)が、種(ガンダムSeed)では「メカがカッコよくて美形キャラが絡みあってればいいや」という思いには最後まで至りませんでした。しかし世間的に種は、対談のパート1で挙げられているように(かっちょいいメカと美少年のおかげで)ヒット商品になっているんですよね。

なぜアメリカのアニメファンはジャンルの融合に適応できないのか。これはアニメ特有の現象なのでしょうか。その答えについての大きなヒントが隠されていると思われるのが、J-POPに最も詳しい外国人アーティストのひとり(かつ、元メガデスのギタリスト)であるマーティ・フリードマンのコラムです。

例えば、X-JAPANとか聴くと、めちゃめちゃメタルな曲があるのに、ベタベタのバラードもある。(略)でも、アメリカやヨーロッパだと、ヘビメタバンドは様式美を求められるから、そこからちょっとでもズレた曲をやると、ブーイングの嵐だったんだよね。

「いーじゃん!J-POP だから僕は日本にやって来た(マーティ・フリードマン著)」44〜45ページより引用

アメリカの音楽シーンだと、「メタルバンドはメタルだけ」「R&BシンガーはR&Bだけ」っていうふうに、ジャンルの壁が日本よりも厚いし高いんだよね。アーティストが別のジャンルに挑戦したいって思っても、レコード会社がなかなかそういう冒険を許してくれない。ミクスチャー系はあるけど、ラップとメタルとか、テクノとロックとか組み合わせが決まってる。でも、J-POPには、実験的な融合にチャレンジしてる曲がたくさんあるから、アメリカ人の僕の耳からすると最高に刺激的!

同書114ページより引用

アメリカの国民性と音楽性によって育ち大成したミュージシャンでありながら日本の音楽をも聴き込んでいるマーティだからこそ立つことのできた観点。こういったアメリカの実態を私は全く知りませんでした。目から鱗が落ちるとはまさにこのことです。

アメリカではどのアーティストも「ひとつのジャンルを極める」ことを至上命題にしていて、聴衆もそれだけを求めている、と。たぶんそれは、アーティスト自身の実力と目指すものや自分の好きな音楽に対する誇りの現れであり、同時に、人々の音楽的感性の広がりを妨げる壁でもあるんだと思います。特定のスタイルのみを求めるということ自体はもちろん悪くはありません。でも業界すべてがその方向性で、それ故に「多様性」や「発展的融合」といった音楽の新たな進化の可能性が潰れているのだとしたら、それは少し寂しい気がします。

そしてもし、音楽に対するこの考え方がアニメに対しても適用されるのだとしたら、上で引用した対談で話題になったような現象が起こるのも納得がいきます。日本の文化史では明治時代以降「和洋折衷」という概念が出てきますし、もっと溯れば日本は中国から様々な文化を輸入し日本流にアレンジしてきました。アメリカではおそらく、自国の大衆文化を輸出することはあっても、他国文化の大規模な輸入や融合を行なったことがあまりなく、その必要もなかったのでしょう。そんなアメリカの国民性や歴史・文化史(音楽史)の流れが、アメリカ音楽業界とファンの現状を形作ったのではないでしょうか。音楽もアニメも大衆向け娯楽文化という点では同種ですから、アニメファンも「ロボットアニメはロボットだけ」「アクションアニメはアクションだけ」という考え方に縛られているのだとしても無理はありません。日本人の外国恐怖症・コンプレックスと同じく、そう簡単には変わらないと気もします。

しかしながら一方で、エドさんのライトなファンは(ジャンルの融合を)気にしないという発言も見過ごせません。当たり前かもしれませんが、若いうちにどのような文化に接して育ったかによって異文化に対する姿勢も変わってくるのでしょうね。

途中から想像込みの話になってしまいましたが、日米で大衆文化の作り方や楽しみ方が異なるのは確かみたいです。その具体的な実態や成り立ちについてはその道に詳しい方々にお任せすることにしますが、こういった差異を少しずつ理解していくことが、海外販売を視野に入れたアニメ産業や国際文化交流といったものより良い方向に発展させるきっかけになるかもしないと思ったりもしました。


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しかし、もう少し簡潔にまとめられんもんかなー、と自分でも思います。またやたら長くなってしまった。




5月27日

アニソン伝道師、「燃え」不毛の地?へ 〜 JAM Project北米ライブは成功するか

アメリカ東海岸の都市ボルティモア(ボルチモア)で毎年夏に開催される東海岸最大規模のアニメコンベンション「Otakon」。そのイベントで今年は、ベテランアニソン歌手のユニット「JAM Project」がコンサートを行なうことになりました。これは、JAM Projectのワールドツアーの一環で、他には中南米やアジア諸国をまわるそうです。

が、私はJAM Projectのアメリカライブを盛況のうちに終わらせるためには、いくらかの努力が必要ではないかと思っています。

理由はひとつ。北米にアニソンスピリットが根づいているとは考えられないからです。


日本のアニソン、特に青少年向けのアニソンの多くは、昔のロボットアニメやSFアニメの主題歌に端を発し今日まで連綿と受け継がれてきた、熱く気高い魂をうたう歌です。そういった歌がアニメ作品と共に作られつづけ、JAM Projectたちの努力によって古き良きアニソンの精神が復興を遂げているのも、クリエイターとファンが築き上げてきた歴史があるがゆえです。

一方の北米には、熱いアニメとアニソンを数多く見たという歴史もなければ、それを受け入れる土壌もまだありません。アメリカでアニメは人気が出ているのに?と思うかもしれませんが、日本とアメリカでは必ずしも人気作品が完全一致しているわけではありません。

これは私から見た第一印象ですが、アメリカでうけるアニメはあくまで「アメコミに類似した世界観の作品」あるいは「極端に日本的な作品」そして「新しい作品」でしかないように思います。一言で言うと、アメリカ人にとって"Cool"な作品。北米で人気のある作品を分類するとほとんどがこれらの枠内に収まる気がします。人間・超人・ミュータント・吸血鬼などの類が激しいアクションで大立ち回りを演じるアニメには北米人(特に男性)は熱狂的に反応するんですが。どうやら、ロボットではなくあくまで人間・亜人間の"Cool"な行動が"Cool"に描かれた作品でないと北米アニメファンの食指はなかなか動かないようです。「熱血」の要素にも特に関心はなさそうにみえます。私の知っている範囲内では、北米は古き良きアニメ魂・アニソン魂が浸透している地域ではありません。


以上が、JAM Projectアメリカライブの成功に私が疑念を抱いている根拠です。もちろん英語圏にもスパロボアニメを愛するコアなファンはいますし、JAM Projectライブのために日本からOtakonに駆けつける人もいるでしょう。しかし、ドラゴンボールのみならずロボットアニメや特撮までもが人気を獲得しているスペインやブラジルのような熱狂がアメリカでも同様に巻き起こるとも思えません。「だったらオレたちの力でアメリカもアニソンで盛り上げてみせる!」という、布教的な側面もJAM Projectツアーあるのかもしれませんが。

では、実際どうやったら盛り上がるのか。ぶっつけ本番でライブを決行し曲のパワーのみで盛り上げるというのも限界があるでしょう。なので、もう少し実際に効果が見込めそうな方法を考えてみます。

いちばん良いのは「古き良きアニソン&アニメの魂をアメリカ人に植え付ける」方法でしょうが、そんなことがたった1ヶ月でできるわけがないというのは言うまでもありません。

次に確実性があるのは「北米でヒットしたアニソンをライブで歌う」。つまり、ドラゴンボールZのOPや、新しめのものなら武装錬金のOPなどを歌うという手です。しかしこれは、アニソンライブとしてならOKでしょうが「JAM Projectのライブ」としてありなのかどうか。

JAM Projectの曲をメインに歌い、なおかつライブを成功させるには、まずJAM Projectの曲を知ってもらうことが大事でしょう。恐らく北米でCDは出していないはずなので、まずは英語版のサイトを作り、主な曲だけでもいいので、アルファベット版の歌詞と英語の対訳や試聴版を公開するといいのではないでしょうか。ライブ当日に歌詞と対訳の字幕をスクリーンに映すのは必須ですね(これはみんなやってることかもしれませんが)。

それから、海外へアニメ文化を広めることに関して一日の長があるモモーイこと桃井はるこさんのファンに倣い、ファン主導でコールブックのようなものを現地で配布するのもいいかもしれません。

とまあ、JAM Projectの何たるかをOtakon参加者が事前に知ることのできるきっかけはあるにこしたことはありません。繰り返しになりますが、昔からアニメが放映され多くの人の記憶に刻み込まれているラテン系諸国とそうでない北米とでは勝手が違うと考えるべきでしょう。ならば、勝手が違うなりの準備・対策はしても損はないと思うのです。

……こんだけ書いておいて、実は北米もアニソン大国だったり、JAM Projectの皆さんが気合いでライブを成功させたりしても、それはそれで一向にOKなのですが。正当に準備して結果が大成功なら万々歳なんですよ。

今のところ私自身がOtakonに参加するかどうかは微妙ですが(年一で海外旅行というのはツライ……)、JAM Projectの海外ライブツアーが大成功に終わることを心からお祈りしています。




5月24日

日記全然書いてませんね。すみません。

web拍手返信。

>「Akira-sama」の連呼で『AKIRA』にハルヒ、古泉、長門が出ているのを思い出しました。
>DVD収録の吹替えはBang!Zoomだったのですね。
(22日)
ANNデータベースによりますとこんな感じだそうです。おそらく再発売されたジェネオン版のことでしょうね。

>なぜゆえにアメリカではBandaiと名のつく映像企業が並列していたのでしょうか。(23日)
素人による憶測ですが、BVの方で高付加価値(高価格)路線での製品販売を始め、進めていくという意図があったのではないでしょうか。あまりに極端な戦略だったのでほとんどの消費者からは全く支持されませんでしたけど。
心配なのは、BVのとった高価格路線をBandai Entertainmentがそのまま引き継がされてしまわないかですね。発売予定の作品はもちろん既存のBV製品も値下げしないと、BV作品はいつまでも売れないままになってしまい、結局は経営に苦しむ企業がBVからBEに変わるだけでしょう。




5月12日

言葉の奥にある「こころ」を伝えるべし 〜 日本のアニメと外国語吹き替えの改変について思うこと

先日ULTIMO SPALPEEN2008年5月10日分記事で、「クレヨンしんちゃん(以下「クレしん」)」の英語吹き替えに台詞の改変が施されていることが伝えられました。日本では子供向けアニメであるクレしんが、北米で成人向け(テレビでは深夜帯のみの放送、DVD等は18歳未満お断り)になっているのは、日本人としては不思議というより奇怪な印象を受けますが、それだけ北米のレーティングが厳しいということでしょうか。

記事によると、日本人でなければ理解できないようなネタなどの改変や、ストーリーの変更が行なわれたようです。私は日本版DVDも持っておらず英語吹き替えもろくに聞き取れないので、どこでどういった改変があるのかはほとんどわかりません(さすがに「円」が「ドル」になってるのはわかりましたが)。しかし、私が個人的に気にしているのは、言葉やネタの変更という事実よりも「英語版クレしんが視聴者に何を伝えたいのか・どう笑わせたいのか」という点です。

少し話はそれますが、「日本特有の文化を扱ったアニメ」として「らき☆すた」があります。この作品には日本のオタクしか十分に理解できないようなアニメ・ゲームに関するネタが満載です。このアニメの北米版が今月初めにリリースされたのですが、英語吹き替えではオリジナルのネタはほぼそのまま残され、日本のローカルネタについてはパッケージに同梱された4ページ分のライナーノーツで解説されていました(表紙をのぞくと実質3ページ分ですが)。

北米版「らき☆すた」でも、日本人以外にはわかりにくいネタを変更するという手段を使おうと思えば使えたはずです。そうしなかったのは、「らき☆すた」という作品が「日本のサブカルチャーの独自性を重点的に題材としたコメディー」という特性を持っていたからでしょう。作品内で日本のサブカルがフィーチャーされなければ、「らき☆すた」はその本質、アイデンティティを失ってしまう。北米版スタッフはそう考えたのだと思います。

一方、クレしんはどうでしょう。舞台は一般的な日本社会で、メインキャラクターを取り巻く環境や文化は非常に日本的です。ただ、その「日本らしさ」というのが作品にとって絶対に不可欠な要素といえるかというと、少々疑問です(かの有名な「オトナ帝国の逆襲」くらいのレベルになると話は変わってきますが)。クレしんの根幹を成すのは、しんのすけたちの言動とその元になる心理(性癖・理性・感情)ではないでしょうか。

ネタやストーリーの外観ではなく「内面」が重要であるのならば、ネタやストーリー、キャラクターの性格の本質がオリジナルと概ね合致している限りは問題ない――というのが私の考えです。しんのすけが下品なネタを披露する場面があれば、外国人にとって同質の下品さをもった言葉で吹き替えればいい。話のあらすじが変わっても、登場人物の心情の移り変わりが同じような軌道を描いているのなら大丈夫。そんな風に思っています。もっとも、たとえば「実はデスノートに取り憑かれてただけで本性は善人だった夜神月」みたいな改変をされてしまったとしたならがっかりですが(実際の英語版ライトは日本版と同じくバリバリの悪人です(伝聞))。要は、程度の問題ですね。

まあ、英語のwikipediaを見る限りでは、かなり「大人のアメリカ人向けなアレンジ」が施されているようです。いまのところクレしんのDVDを見て検証する余裕は私にはないっぽいので、日本版と北米版の比較・評価は他の方にお任せすることにします。ただ、クレしんの北米版は、北米のアニメ事情や大衆文化を調べる上で格好の題材の一つであるということは言えそうです。

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いま私がいちばん興味を持っているのは、北米版「らき☆すた」第2巻に収録されるであろう「バルサミコ酢」ネタが英語吹き替えでどうなるかということです。このシーンで北米視聴者から笑いをとるのであれば、セリフを英語に直訳するのではなく何かひと工夫を加える必要がある、と考えているのですが、果たしてどうなるでしょう。

そうそう、北米版らき☆すたDVD第1巻を持っていて再生できる人は、こなたがしんのすけの声まねをするシーン(第4話)を北米版クレしんのプレビュー(こちらで見られます)と比較してみましょう。私は、結構似ていると感じました。

参考リンク:
クレヨンしんちゃん (アニメ) - Wikipedia 「 7 海外での展開」を参照
Crayon Shin-chan - Wikipedia 「 3.1.2 English FUNimation version」を参照




5月10日

web拍手で情報をいただきました。ありがとうございます。

>「ToLOVEる」仏出版元がトンカムですか。ドミニク・ヴェレ氏はどんな評価をするのでしょうね。
出したい作品と会社経営のいずれをとるか周辺から天秤にかけられ手塚治虫氏のように
自ら創業した会社を退くという状況になり、今はデルクールのアカタブランドでアドバイザーを
されているそうですが。トンカムがデルクールに吸収統合された今、より複雑なお気持でしょうね。
8、90年代に活躍された欧米のマンガ翻訳者は2000年代の現状についてかなり辛辣な言葉を残して
業界の第一線から退いていった印象があります。
ヴェレ氏、英語圏ではマット・ソーン、トーレン・スミス氏。
イタリア語圏のフェデリコ・コルピ氏も一時は引退を考えたとの話もあります。
世代が変わったといえばそれまでですが、それ以上にマンガの行く末が心配でなりません。

イギリスのハルヒについて、審査機関BBFCのデータベースに11話までの結果が公表されました。
結果は「PG」が3話、「12」が8話で妥当な結論であると思います。またカットはないとのことです。
同じ英語圏でも、やはり豪州のレイティングは厳しいといわざるを得ませんね。

海外のマンガ業界でもいろんな思惑が渦巻いていることを伺い知ることができるお話をありがとうございます。個人的には、少なくとも国内のマンガに関しては今のままの自由度・多様性でいいと思っています。変に法律でマンガ業界が縛られたり、良作の早期打ち切りが幅を利かせたりしなければ。

イギリス版ハルヒのレーティングについては、BBFC内の検索で確認できました。こちらについても情報提供に感謝いたします。




5月5日

トップページのデザインをちょっと変更してみました。いかがでしょうか。あと何か新しげなものも追加されてますが、今の自分の環境でこれを有効に活用できるかどうかは疑問だったりします。なぜなら、自分の携帯が古すぎてメッセージを書き込むどころかウェブサイトにもアクセスできないから。現ウィルコムのPHSを、確実に6年以上は使い続けてます……。まあ試行錯誤してみます、電話の機種変更も視野に入れつつ。






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