八ヶ岳中信高原国定公園
にゅう  2,351.9m 長野県小海町
行動日 2007/09/16

天候 曇り一時小雨 後 雨

累積標高差 +671m −671m

沿面距離 約 10.3km


実歩行時間 約 5 時間

駐車場 7:30 〜 麦草ヒュッテ 〜 8:35 丸山(2,329.6m) 〜 9:00 高見石小屋・高見石 (2,269m)9:25〜
 10:40 中山(2,496m)11:00 〜 12:00 にゅう(2,351.9m)12:10 〜(昼食)〜 白駒湿原〜
 13:50 白駒池 14:00 〜白駒の奥庭〜麦草ヒュッテ〜 14:40 駐車場


早朝に中央自動車道恵那山トンネルを抜けたら、南アルプスには既に雨雲がかかり始めていた。
天気予報通り、昼前から雨のようだ。
鳥倉林道から烏帽子岳に登るつもりだったが、行き先を雨の降り出しの遅い八ヶ岳方面へと、あっさり変更した。

盆地特有の朝霧だろうが、飯田ICを通過した頃より急に濃霧に包まれた。
50m先の白い壁に向かって、アクセルを踏み続けるのは、気持ちのいいものではない。
不思議なことに、この視界の悪さでも速度規制は行われていなかったが、用心のために制限速度を下回るスピードで走行する。それでも、先行車の赤いテールランプが、霧の中からふっと現れるとヒヤリとする。

そんな中でも高速路線バスは横着なもので、制限速度を上回るスピードで追い越していく。
プロドライバーにあるまじき危険行為であるが、最近、大型車の傍若無人さは目に余る。
高速道路を走る大型車の全てとは言わないが、その大半が常軌を逸したスピードと、追突必至の車間距離である。
そもそも、大型車の制限速度は何キロだ、高速時の制動距離は何メートルか頭に入っているのか。プンプン。



とまあ、オジサンは怒っているんだぞ、はこれくらいにして、風花車は諏訪から麦草峠へと向かう。
麦草峠から丸山へ登り、「にゅう」に立ち寄る周回としたい。

にゅうへは、随分前に出かけたことがあるが、台風の影響をまともに受けた大雨となり、ザアザア降りの中、白駒池を一周しただけですごすごと帰ってきた。
それ以来、別段にゅうに未練があったわけではないけれど、お散歩に毛の生えた程度に楽しむならにゅうだな、となんとなく気にはしていた。

駐車場からの木道 麦草ヒュッテと、縞枯山、茶臼山

皮膚呼吸、エラ呼吸で、息つくことなくしゃべくりまくる隊員の四方山話に、うんうんと頷いている間に諏訪湖を通過。あれよあれよという間に、R299を駆け上っていた。時間の感覚を忘れたボケモンのようだった。

朝7時過ぎの麦草峠駐車場には、予想に反してほんの10台ほどが停められているだけだ。
幾分風があり、肌寒い。でも、爽やかな秋風とはどこか違う。
ここで隊員が、カメラを忘れたと白状する。
なにイ、そんないい加減な気持ちで、風花哀愁の後ろ姿撮影隊は務まらんぞ、タワケェ〜、、、
なんてことは、思っても口にできません。いえ、思うだけで大変なことになります。
いいのよいいのよ、風花カメラで撮ってね。すいませんねえほんとに、キャイン、キャイン。

青空をバックに、北にデンと構えているのは茶臼山だ。
昨年の夏、軽い気持ちでオネエサマ方にお付き合いしたら、横岳ロープウェイではなく、茶臼山、縞枯山と引きずりまわされ、果ては天池から地獄の登り返し。
麦草峠に帰り着いた時には、息も絶え絶え、老化が倍速進行した記憶がまだ新しい。 レポ、こちら
今日は、あの二の舞は踏むものか。お散歩に毛の生えた程度なのである! と自らに言い聞かせる。

駐車場を後にして、木道を行く。すぐに麦草ヒュッテに出る。
一見、スキー場かと思うような笹原の中を、丸山目指して登っていく。
道はすぐに樹林帯へと入り、やわらかな木漏れ日が差し込んでいる。


掘割状の道はやがて、火山帯特有の岩ゴロ道に変わる。
斜度もきつくなり、木の根と岩の間を縫うようにして登っていく。
岩には、アイゼンの引っかき傷が無数に付いており、岩とはいえなにやら気の毒である。

小1時間で丸山到着。岩だらけの中に、小さな祠が祀られていた。
頂上からは中山が見えるが、奥にある天狗岳までのピストンは、時間的に無理かと思う。

丸山への急登 丸山頂上

丸山から一旦下り、高見石小屋へと出る。
せっかく来たのだから小屋前にザックをデポして、いくつもの大岩をつたい登り、高見岩に上がってみる。
そう大して高くはないはずだが、なかなかに見晴らしのいい所で、遠く浅間山がよく見えた。

高見石から白駒池 高見石小屋

遠く浅間山 縞枯山だな

小屋前に戻ると、細かな雨が降り出した。降りそうな空ではないのに降るのが、山の雨だ。
もう少し雨らしくなったら、にゅうは諦めて、さっさと白駒池へと下る心の準備はできている。
しかし、隊員をどうダマクラカスかが問題である。
「山の雨は頭皮に悪い」とか、、、、納得しないだろうなあ。

カッパを出すかどうか迷っていたら、幸いなことに雨は止んだ。予定どおり中山へと向かう。
中山への登りは緩やかに感じるが岩ゴロが延々と続き、実は意外にきつい。エスカレーターが欲しい。
それに時々ぱらつく雨は、傘の用意をするとやんでしまうというイライラ雨だ。

のどかな所もある 霧の中山展望台

やれやれとたどり着いた中山展望台は、岩の広場である。見事なガスで、なにも見えんわい。
岩陰に風を避けて小休止とした。隊員から、ほどよく冷えた梨をご馳走になった。甘く寒かった。

にゅう にゅうから白駒池

展望台から数分のところにある、なんの変哲も無い中山頂上を通過し、ひと下りして、にゅうへの分岐に出る。
直進すれば中山峠から天狗に至るが、左折してにゅうへ向かう。
分岐からしばらく歩き、右側をよくよく見ると崖になっている。崖の下の窪地を挟んで稲子岳ということか。
崖の縁に立って天狗を探してみるが、ガスに包まれて尾根しか見ることができない。

分岐から50分ほどの所で、突然目の前に岩峰が現れた。どうやらあれがにゅうのようだ。
右側がスパッと切れ落ちているので、登れるだろうかと不安になったが、近づいてみると、左からの巻き道が付いている。
大岩直下までは容易に行けたので、ザックを下ろして、3点支持でよじ登る。
周囲に遮るもののないにゅうのピークは、展望抜群だった。
しかし、雲が多くて肝心の八ヶ岳の峰々は、見えず仕舞いだった。

強風のため、ピークから早々と退散だ。
わずか数メートルの岩場ではあるが、強風でバランスを崩しがちになる体を、3点支持で支えて慎重に下りる。
その横を、ひょいひょいとお気楽に下りる隊員。年功序列もなにも、あったものではない。
岩場に恐怖心など微塵も感じたことのないような、あの落ち着き払った動きは、先のことなど心配しない楽天的な性格か、はたまた有り余る体脂肪が抜群の安定感を生んでいるのか。
いずれにしても、風花の立場はない。

にゅうからは、白駒池を目指して坦々と下るだけだ。
しかし、岩と根っこが続く登山道は、結構体力を消耗する。
足を取られて転倒する人がいたり、バテてしまい居眠りを始める子供を、叱咤激励する父親の姿があったりした。

花も終わった白駒湿原 「乳」と書いてある

白駒湿原を過ぎ、白駒池の遊歩道に出ると、案内標識に「乳」と記してあった。
それまで、「にゅう」を漢字で書くなら「」だとばかり思い込んでいたが、「」だったとは驚きである。
そう言われれば、にゅうのピークにあった大岩は、なんとなくオッパイ型をしていたような。
それがどうした、ではあるが「」の一文字で、なんだかとても嬉しくなってしまったのだ。
思えば乳離れして早や幾年月、「」はやはり懐かしく、永遠の憧れである。

なにか物足らない白駒池 一見の価値あり 白駒の奥庭

下界に近づいた気分のする白駒荘前で、白駒池を眺めて小休止。
昨年の夏にえらい目に遭った天池の方が、はるかに絵になるような気がする。

白駒池から駐車場までは、予定外の登り返しが待っていた。
幾分暗い樹林の歩きにくい坂道を、トボトボと上っていく。
これが結構疲れて、結局、昨年の夏と同じことをやっているのだとあほらしくなる。

麦草ヒュッテが見え出した頃に、今度は本降りの雨となった。
大慌てで傘を取り出してしのいだが、駐車場に着いたらやんでしまった。

帰路はETC通勤割引を駆使すべく、時間調整をしながら伊那北ICまで一般道を走った。
朝、濃霧に悩まされた中央自動車道は、時々土砂降りの雨だった。
烏帽子岳を止めて正解だったかと思ったが、にゅうも決してお気楽ハイキングではなかったと、改めて反省したのだった。


<楽チン推奨コース>
駐車代をけちることなく、白駒池有料駐車場に停める。
白駒池から直接、高見石小屋経由で中山へ。
元気があれば、天狗岳までピストン。
にゅうを回って、白駒池へと戻る。
白駒池から、白駒の奥庭に寄り道するのもお勧め。