飛騨頂上                              継子岳
  岐阜県朝日村胡桃島キャンプ場から

 御嶽飛騨頂上

           2,780m
三の池
 行動日  2004年 7月 25日         行   程
 天 候  曇り一時晴 後 雷雨 一宮IC → 中津川IC → R19 → 木曽福島 → 高根村 → チャオ → 胡桃島キャンプ場

胡桃島登山口 7:25 → 7:50 仙人滝分岐 → 8:50 濁河温泉道合流 → 8:57 のぞき岩 → 9:23
お助け水  →10:10 五の池小屋案内表示 → 10:25 五の池小屋 →
10:30
飛騨頂上 11:25 → 12:07 お助け水 → 12:35 濁河温泉道分岐 → 13:27 → 13:40 胡桃島登山口

胡桃島キャンプ場 → 濁河温泉 → 飛騨小坂 → R41 → 一宮IC
 行動時間  6 時間
 メンバー  単独
 標高差  約 960m

カシミール画像



7月三連休の中日に、胡桃島から御嶽飛騨頂上を予定していた。

胡桃島からのルートは、今まで歩いたことがないだけに、幾分気合が入っていた。

しかし、悪天候のためにやむなく中止。
1週間の延期とした。

しかし運の悪いことに、出撃前夜は仕事絡みの宴会だった。

オネエサマ方のお酌攻撃を右に左にかわし、後ろ髪をひかれつつ電車に飛び乗ったものの、それでも帰宅したのは午後10時
だった。

寝る時間がない、と心配した割には4時間ほど眠ることができた。


まだ暗い名神一宮ICから中津川ICまでは高速に乗った。木曽福島まではR19を走り、開田高原を抜ける。

冬場はほとんど毎週のように、御岳スキーエリアに通い詰めてい
るのでなれた道だ。

日和田高原からチャオスキー場を経由し、濁河温泉へのルートをとる。

スキー場から先の道路も拡幅工事が終了し、本当に快適なドライブである。

登山口の胡桃島キャンプ場手前数キロが細道となるが、朝も早く対向車はほんの数台だった。


一宮ICから胡桃島キャンプ場まで4時間を見込んでいたが、3時間で着いてしまった。嬉しい誤算だ。

キャンプ場管理棟の裏手に登山口があるが、管理棟は建設工事中で「登山者駐車禁止」の立看板があった。

工事に支障が出るような駐車をする困った登山者がいるということだ。

「歩く誠実、座る道徳」と呼ばれている風花は、登山口から100mほど離れた林道脇に迷惑をかけないように駐車する。エライ!

車の外気温計は19度。実際は、もう少し低そうだ。ブルッと来て、長袖シャツを着込む。

自宅駐車場を出た時は、早朝にもかかわらず29度だった。

工事現場の裏手が登山口 木道を誠実が行く

午前7時半前入山。今日、初めての入山者のようだ。

初めてのコースで様子が分からないため、用心してツェルトを持ってきた。

そのせいだけでもないだろうが、日帰りにしては、ザックが重い。

最初、歩き易いと感じた木道も、奥に進むにつれて朽ち果て苔むしてきた。

こうなると始末が悪い。後ろ足が滑る、滑る。

森は徐々に深くなり、曇天のために朝方とはいえ薄暗い。

動物の足跡どころか人の足跡もない湿った道を行くのは、沈みがちな気分になってしまう。

の声も聞こえず、聞こえるのは珍しく付けてきた熊よけの鈴の音だけ。

チリンチリンと控えめに鳴る涼しげな音色は、黄泉の国へのお導きかいなと錯覚してしまう。

藪こぎがないだけは救いだが、このルートは自然に還りつつあるようだ。

自然に還りつつある登山道
鈴の音だけが、静かに響く 濁河道との合流地点

歩き出して1時間半ほどで濁河道(飛騨小阪口登山道)と合流した。

胡桃島からこの合流地点までは、なだらかな登りだったような気がしていたが、地形図を見るとそうでもな
い。

既に400mは登っている。順調に高度を稼いでいるようだ。

合流地点からほんの少し登った所が「のぞき岩」だった。

一応避難小屋もあるにはあるが、なんとか雨露がしのげる程度の小屋だ。

小屋の前で親子連れ3名が休憩していたが、娘さんはお疲れの両親を置いてさっさと出発していった。

風花も撮影だけして、すぐに出発する。えらく立派な木道が続く。

前を行く娘さんの姿は見えるのだが、追いつけそうで追いつけない。

等距離のまま「お助け水・2,450m」に着いてしまったが、追いつかれまいと一生懸命だったのかしらん。

の定、娘さんは大休止に入ったようだった。

濁河道は明るい道だ 「お助け水」に水は無し

いつの頃からか枯れてしまった「お助け水」を後にして淡々と登る。

この頃になると、小屋泊まり組か縦走組か、下山者とよくすれ違うようになった。

小さめザックの軽装備者
が多い中、何泊もしてきたような大型ザックの重装備者もドタンドタンと下りてくる。

多分ザックの中は、食べ切れなかった食糧関係で一杯なんだろうなあ。ご苦労様でござ
います。

森林限界に近づきかけたあたりで、展望がよさそうな場所に出た。

登山道から外れて下を眺めてみるが、ガスである。100mほど下は真っ白け。上も同じく真っ白け。がっかり
である。

休憩もそこそこに再び歩き始める。森林限界を越えると、岩ゴロ道である。

展望はもちろんないが、時々ガスがかかり視界は数10mに下がる。

おまけに、大粒の雨がパラパラ
と来たりする。

「本降りになったら、絶対に撤退するぞ!」と固い決意を胸に秘めてはいるが、不思議に「ここを頂上としよう」とは思わない。まあまあの体調か。

相変わらず下山者は多いが、何10人かでゾロゾロと下ってくるパーティーの中には、ちょっとなあ、と思うようなグループもあった。

登り優先の原則で風花に道を譲ってくれるのはありがたいが、後続が何10人も控えていては、すれ違えないではないか。

あらかじめ小グループに分けておくとか、臨機応変で
先に下るとか、リーダーは少し考えてほしいものだ。プンプン。

あともう少しで飛騨頂上 魔利支天岳
「五の池小屋 0.5km」の標識あたりまで来ると、時折ガスも晴れて飛騨頂上が見え出した。

ほんのわずかな間ではあるが、魔利支天も顔を出す。

春先までは滑落の危険がある幾分ざれた道を行くと、五の池小屋に出た。

岩で組んだ防風壁に丁度遮られているので、どこに小屋があるのかとのぞきこんでしまうが、

トタン
屋根の比較的まだ新しい小屋が、ちゃんと建っている。

以前、剣ヶ峰から飛騨頂上に下りてきたことがあったが、その時はまだ岩室で、小屋らしいものはなかったように思う

飛騨頂上 すぐ後ろに五の池小屋

飛騨頂上は、小屋の裏にある高みである。

大きな祠と「大龍霊神」の石碑、「飛騨頂上 2780m」の山頂標識がある。

胡桃島登山口からほぼ3時間の道のりだったが、予定より30分は早く着いた。

休憩らしい休憩を取らず、トボトボと歩き続けたからだろう。

小屋周囲には、たくさんの人がいるというのに、山頂にはほんの数人しかいない。

セルフタイマーで記念撮影をしたが、タイマーの音が「ピロピロピロ」と鳴り響いたので、

どこぞのバアチャンが勘違いして「電話だよ」と教えてくれる。

すいませんねえ、携帯電話は持っているんですけど、月に数度同僚からかかってくるだけで、最近は奥様からもかかりません。

頂上の足元は、小屋の青い屋根だ。小屋の裏手を通り、三の池を見下ろす所まで行ってみる。

あきませんねえ、次から次へと吹き上げるガスで、うっすらと見える程度だ。

継子岳に至っては、さっぱりである。

昼飯でも食べている内に、ガスも晴れるかもしれない。

コンビニおにぎりと、カレー麺の質素な食事だ。栄養のバランスなど、はなから考えてはいない。

腹がふくれて、エネルギーになればそれでよろしい。

しかしなんだか寂しいではないか。単独行なら当たり前ではあるが、華がない。

たまにご一緒するオネエサマ方、オバサマ方が華であるかというと、一抹の不安というか戸惑いもないわけではないが、

ドライフラワーでも花は花。今後の検討課題である。
飛騨頂上 頂上付近にたくさん咲いていました
魔利支天岳を背に 三の池、遠く剣ヶ峰

たな課題を背負い込んだところで、オオ、太陽だ、青空だ、ガスも切れて来た。

三の池の青さよ、継子の荒々しさよ、遠く剣ヶ峰まで見ることができる。ここぞとばかりに
、シャッターを押しまくる。

が、しかし、雲行きが一つ気に入らない。

「午後からは広い範囲で雷雨の恐れあり」との予報が脳裏をかすめる。決断は早い方がいい。

まるで水溜りのような五の池をチラリ
と見、小屋の前を足早に下山する。

森林限界あたりまで下りてきた頃に、水平方向でゴロゴロとやり出した。まずいぞこれは。

だが、その後太陽が顔を出し、緊張は緩む。やれやれだ。

ところで、田の原や御岳ロープウェイから剣ヶ峰を目指すと、信仰の山だけに、道中、石碑やら銅像が乱立し、極めて辛気くさい。

しかし、飛騨側は石碑もほとんどなく、あ
っけらかんとした登山道である。

大して急ぐこともなく胡桃島への分岐を折れ、朝とは違い結構余裕で樹林帯を下る。

分岐から30分も下った頃より、再びゴロゴロやりだした。

森の中は急に暗くなり、カラカ
ラカラバシャーンと落雷しだす。

距離は多少あるようだが、徐々に近づいてくるのが実感できる。急げや急げ、駆け足だ。

あと5分も下れば登山口だというあたりで、バシッと閃光が走りドカンと来た。

どこに落ちたのかは分からないが、至近距離の落雷だ。

必死で逃げ帰る。車に辿り着いたら雨が激しくなった。

ポリタンクに用意してきた水を頭からかぶり、急いで着替えを済ます。

帰路は、濁河温泉からR41のルートを取ったが、激しい雷雨と1時間近く続く細い山岳道路がいい加減いやになった。

R41の美濃加茂あたりでも、再び激しい雷雨に遭い
、一時はワイパーが効かないほどだった。

この日、駒ケ岳ロープウェイが落雷被害を受けて運休したことは、帰宅してから知った。

雷雲通過中。まるで夕暮れ、仙人滝への分岐。