新・家庭経営ソフト「家庭決算書

 

 

        

 

       家庭決算書の事例

 

 

                新・家庭経営ソフト「家庭決算書」

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    家庭決算書の事例

  

      

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    家庭決算書の事例

 

 

家庭決算書は、財産対照表と消費損益計算書という2つの報告書から構成され、

両者はシステム的に結びついています。財産対照表と消費損益計算書という二つ

の報告書から、家庭のさまざまな現状を明らかにすることができます。また、

家庭の経営者が意思決定をする際、このような会計情報を持つことが、家庭経営

いかに役立つかということも理解できると思います。

   財産対照表と消費損益計算書の中身をそれぞれ分析することによってどのような

   ことが分かるのか、具体的に考えてみましょう。

 

1、財産対照表の現状分析

   財産対照表は、「資産の合計」と「負債の合計+正味財産の合計」が常に一致

 (バランス)しています。

         資産の合計=負債の合計+正味財産の合計

 財産対照表を見ると、家庭が健全な状態だとか、または債務超過の状態だとか、

 家庭の現状を理解することができます。

(1)無借金の場合

          

             財 産 対 照 表

   左   方(ひだりかた)

右   方 (みぎかた)

資   産     1,000

負  債       0

正味財産    1,000

合   計     1,000

合  計    1,000

 

   ローンなどの負債が全くない場合、資産と正味財産の金額は同じになります。

 

 (2)ローンなどの負債がある場合

  資産が1000あり、負債が200ある場合は、次のようになります

 

              財産対照表

   左   方(ひだりかた)

右   方 (みぎかた)

資   産     1,000

負  債       200

正味財産       800

合   計     1,000

合  計      1,000

 

  住宅ローンなどの借り入れによって資産を購入した場合の財産対照表は、

  このようになります。

 

(3)債務超過の場合

  負債が資産より多い場合(資産<負債)には、債務超過の状態と言い、正味財産

  はマイナスとなります。

  例えば、資産が1,000で、負債が1,500ある場合、正味財産はマイナス

  500となります。

 

              財産対照表

   左  方(ひだりかた)

右  方 (みぎかた)

資   産    1,000

負  債     1,500

正味財産     −500

合   計    1,000

合  計     1,000

 

   この場合は、資産をすべて売却して負債を返済しても、なお、負債が残る

   という状態だということを表しています。したがって、もし自分たちの

   財産対照表がこのような状態になっていることが分かったら、家庭の改善策

   を考えることが必要です。

 

2、資産家と財産家の違い

 (1)資産家と財産家の違い

  資産をたくさん持っていて、資産の金額が大きい資産家だからといって、正味

  財産の金額が大きい財産家だとは限りません。

   例えば、資産が1,000、負債が500だとすると、財産対照表は次のように

   なります。

 

 

財 産 対 照 表

  左 方(ひだりかた)

右 方 (みぎかた)

資  産    1,000

負  債      500

正味財産      500

合  計    1,000

合  計    1,000

 

 

   このとき、1,000の借り入れをして資産を購入したとすると、資産の合計は、

   倍の2,000に増加します。しかし、資産が2,000に増えたとしても、正味

   財産は500のままで増加しません。

 

    (仕訳) 

左  方(ひだりかた)

  右  方(みぎかた)

資産     1,000

 借入金   1,000

 

 

 

 

   

 

 財 産 対 照 表

   左 方(ひだりかた)

右 方 (みぎかた)

資  産   2,000

負  債    1,500

正味財産     500

合 計     ,000

合  計    2,000

 

(2)資産家なのに債務超過の状態にある場合

   資産は100,000なのに負債は150,000あるというような状態の

   場合です。

    

財 産 対 照 表

   左 方(ひだりかた)

右  方 (みぎかた)

資  産   100,000

負  債  150,000

正味財産  −50,000

合  計   100,000

合  計  100,000

 

 

  立派な土地や建物を取得したとしても、無理なローンを組み、資産の価値が

  時価の下落により下がった場合、このような状態になります。

   このように、資産の合計が大きければいいというのではなく、自分たちの財産

   状態をよく検討して、ローンを組むことが必要です。

 

  3、有価証券取引

  (1)有価証券に投資をしても正味財産は変わらない

    株式などの有価証券に投資をした場合、現金や預金が減少し有価証券が

    増加します。この場合、財産対照表の資産の中身が変化しただけで、正味

    財産の金額は変わりません。    

    しかし、有価証券を売却したり、時価が変動(上昇、下落)したりした場合、

    財産対照表は影響を受けます。

    例えば、財産対照表が、次のようになっていたとします。

  

              財産対照表

   左   方(ひだりかた)

右   方 (みぎかた)

資   産     

預  金    1,000

負  債       500

正味財産       500

合   計     1,000

合  計      1,000

 

    このとき、株式に500だけ投資をしたとします。すると、財産対照表は

    次のようになります。

 

     (仕訳) 

左  方(ひだりかた)

  右  方(みぎかた)

 株式      500

 預金     500

 

 

 

 

 

財産対照表

   左   方(ひだりかた)

右   方 (みぎかた)

資   産 

預   金     500

株   式     500

負  債       500

正味財産       500

合   計     1,000

合  計      1,000

 

   このように資産の中身が預金と株式に変わっただけで、財産対照表全体には

   影響を与えていません。

 

(2)株式を売却した場合の財産対照表への影響

 ヽ式を売却し、売却益がでた場合

 所有している株式500を、600で売却し、その代金が振り込まれ

たとします。このとき預金は500+600=1,100となります。

また、株式売却により600−500=100の売却益がでて、正味財産が

100増加します。

この結果、財産対照表は次のようになります。

 

(仕訳) 

左  方(ひだりかた)

  右  方(みぎかた)

預金       500

 株式     500

 

 

 

 

   (仕訳) 

左  方(ひだりかた)

  右  方(みぎかた)

預金       100

 株式売却益    100

 

 

 

 

   

       

財産対照表

   左   方(ひだりかた)

右   方 (みぎかた)

資   産 

預   金    1,100

株   式       0

負  債       500

正味財産       600

(内:当期消費損益   100)

合   計     1,100

合  計      1,000

 

 

 

 

 

 

 

 

           消費損益計算書

左  方(ひだりかた)

  右  方(みぎかた)

消 費      0

当期消費損益  100

収  入        

株式売却益     100

 

 

 

 

 

 

株式を売却し、売却損がでた場合

  所有している株式500を、300で売却し、その代金が振り込まれ

   たとします。このとき預金は500+300=800となります。

   また、株式売却により500−300=200の売却損がでて、正味

   財産は200減少することになります。この結果、財産対照表および

   消費損益計算書は次のようになります。

 

(仕訳) 

左  方(ひだりかた)

  右  方(みぎかた)

預金       300

 株式     300

 

 

 

 

   (仕訳) 

左  方(ひだりかた)

  右  方(みぎかた)

株式売却損    200

 株式     200

 

 

 

 

   

 

財産対照表

   左   方(ひだりかた)

右   方 (みぎかた)

資   産 

預   金     800

株   式       0

負  債       500

正味財産       300

(内:当期消費損益  −200)

合   計      800

合  計       800

 

 

 

 

 

 

 

           消費損益計算書

左  方(ひだりかた)

  右  方(みぎかた)

消 費      

株式売却損  200

当期消費損益  −200

収  入    0       

 

 

 

 

 

 

 

(3)   次に、株式の時価(相場)の変動によって、財産対照表がどのような影響を

      受けるのか見てみましょう。

 ヽ式の時価(相場)が上昇した場合

  いま株式の時価(相場)が、550に上昇したとします。このとき、資産に計上

  されている株式の価格は500から550に増加します。また、株式の時価

  (相場)の上昇により、550−500=50の評価益が生じたので、正味財産

  が50増加します。

  この結果、財産対照表および消費損益計算書は次のようになります。

 

  (仕訳) 

左  方(ひだりかた)

  右  方(みぎかた)

株式        50

 株式評価益     50

 

 

 

 

 

財産対照表

   左   方(ひだりかた)

右   方 (みぎかた)

資   産 

預   金     500

株   式     550

負  債       500

正味財産       550

(内:当期消費損益    50)

合   計     1,050

合  計      1,050

 

 

 

 

 

 

 

 

           消費損益計算書

左  方(ひだりかた)

  右  方(みぎかた)

消  費       0

当期消費損益    50

収  入        

株式評価益     50

 

 

 

 

 

 

株式の時価(相場)が下落した場合

 いま株式の時価(相場)が、400に下落したとします。このとき、

資産に計上されている株式の価格は500から400に減少します。

また、株式の時価(相場)の下落により、500−400=100の

評価損が生じ、正味財産が100減少します。

この結果、財産対照表および消費損益計算書は次のようになります。

 

 

  (仕訳) 

左  方(ひだりかた)

  右  方(みぎかた)

株式評価損     100

 株式    100

 

 

 

 

 

財産対照表

   左   方(ひだりかた)

右   方 (みぎかた)

資   産 

預   金     500

株   式     400

負  債       500

正味財産       400

(内:当期消費損益  −100)

合   計      900

合  計       900

 

 

 

 

 

 

 

 

           消費損益計算書

左  方(ひだりかた)

  右  方(みぎかた)

消 費      

株式評価損  100

当期消費損益  −100

収  入    0       

 

 

 

 

 

 

 

 

   このように、株式を購入しただけでは、正味財産に影響は与えませんが、

   購入した株式を売却したり、株式の時価の変動があったりした場合には、

   正味財産が影響を受けることになります。

 

4、資産の中身を見る  

資産の中には、すぐに現金化できる現金や普通預金と、現金化に時間のかかる

不動産や車などがあります。また、負債にはキャッシングやクレジットカード

の支払いなどすぐに返済すべきものと、住宅ローンや割賦代金の返済など長期間

で返済するものがあります。

短期間で現金化できるものとすぐに返済すべきものを比べたとき、すぐに返済

すべきものの金額が短期間で現金化できるものの金額より大きい場合には、家庭

の資金繰りは苦しくなります。

例えば、財産対照表が次のようになっている場合です。

 

財産対照表

   左   方(ひだりかた)

右   方 (みぎかた)

資  産      

短期間で現金化できるもの  50

 (現金、預金など)

現金化に期間を要するもの 500

(土地、マンションなど)    

             

 

負  債

すぐに返済すべきもの   100

 (カード未払金など) 

 長期間で返済するもの   300       

(住宅ローンなど)

       

 

 正味財産        150  

合  計      550    

 合  計        550

       

このような場合には、返済のために、また返済資金を借りなければならない

危険性があります。また、家庭生活をしているとき急な支出や一時的な支出で

現金が必要になる場合もあります。

このような財産対照表では、いざというときの支出の備えが十分であるとは言え

ません。

このように、財産対照表の資産の内容についての検討も大事になります。

 

5、負債の発生とその原因

   負債とは、いずれ支払わなければならない債務のことですが、その発生原因には、

   「資産の購入」の場合と「消費」の場合があります。    

(1)   資産の購入の場合

 住宅の購入や車などを購入した場合に、住宅ローンや自動車ローンなどを

 組むことによって生ずる負債を意味します。

    この場合には、財産対照表の資産に土地、建物またはマンションや車両が

    計上され、購入後には正味財産の増減は生じません。

(2)   消費の場合 

 カードで洋服を購入したり、無担保ローンで海外旅行に出かけたりした場合

 に生ずる負債を意味します。

    この場合には、財産対照表には資産が計上されず、負債だけが計上される

こ    ことになり、正味財産が減少することになります。

(例)

(1)資産の購入の場合・・1,000のマンションをローンで購入

 

資産購入前の財産対照表

   左   方(ひだりかた)

右   方 (みぎかた)

資   産 

預   金     500

負  債         0

正味財産       500

合   計      500

合  計       500

 

 

  (仕訳) 

左  方(ひだりかた)

  右  方(みぎかた)

マンション    1,000

 住宅ローン   1,000

 

 

 

 

 

資産購入後の財産対照表

   左   方(ひだりかた)

右   方 (みぎかた)

資   産 

預   金     500

マンション    1,000

負  債  

住宅ローン     1,000

正味財産        500

合   計     1,500

合  計       1,500

 

   この場合には、購入後に正味財産の増減は生じません。

         

( (2)消費の場合・・海外旅行へ20のローンを組んで行った場合

 

旅行に行く前の財産対照表

   左   方(ひだりかた)

右   方 (みぎかた)

資   産 

預   金     500

負  債         0

正味財産       500

合   計      500

合  計       500

 

        

  (仕訳) 

左  方(ひだりかた)

  右  方(みぎかた)

旅行費       20

旅行ローン     20

 

 

 

 

 

旅行後の財産対照表

   左   方(ひだりかた)

右   方 (みぎかた)

資   産 

預   金     500

負  債      

旅行ローン      20

正味財産       480

(内:当期消費損益  −20)

合   計      500

合  計       500

  

 

 

 

 

 

 

 

 

           消費損益計算書

左  方(ひだりかた)

  右  方(みぎかた)

消 費      

旅行費     20

当期消費損益   −20

収  入    0       

 

 

 

 

 

 

 

 この場合には、正味財産が減少することになります。

 

6、資産の時価の変動と負債

   土地、建物、マンションなどの不動産や車両、有価証券などの資産の価値は、

  景気変動による時価の下落とか減価償却によって目減りしますが、負債は

  そうした影響は受けません。

   例えば、3,500万円の家を購入するのに、頭金700万円、住宅ローン

  2,800万円で購入したとします。

  仮に、10年後に家の時価評価が1,800万円に下がったとすると、この

  場合、負債は10年間の元金返済分しか減っていません。

  このとき、財産対照表をみると、家を売却しても住宅ローンの残高が残って

  しまうというケースが生じていることが分かります。

   このように、土地、マンションなどの高額な資産を購入する場合には、資産

  価値が目減りをする場合もあるということを考慮して、住宅ローンを組むこと

  が必要です。

 

   (参考)

    マンションを購入した場合 

        購入価額    3,500万円

          (頭金700万円  住宅ローン2,800万円)

        10年後のマンションの時価        1,800万円

        10年間の住宅ローンの元金返済額      500万円

        10年後の財産対照表の変化

 

マンション購入時の財産対照表

   左   方(ひだりかた)

右   方 (みぎかた)

資   産 

預   金     600

マンション    3,500

負  債  

住宅ローン     2,800

 

正味財産       1,300

合   計     4,100

合  計       4,100

 

 

   

  (仕訳)住宅ローンの元金の返済

左  方(ひだりかた)

  右  方(みぎかた)

住宅ローン     500

 預金     500

 

 

 

 

 

  (仕訳)時価の下落による評価損 

左  方(ひだりかた)

  右  方(みぎかた)

資産評価損    1,700

 マンション   1,700

 

 

 

 

 

10年後の財産対照表

   左   方(ひだりかた)

右   方 (みぎかた)

資   産 

預   金     100

マンション    1,800

負  債  

住宅ローン     2,300

正味財産       −400

(内:当期消費損益  −1,700)

合   計     1,900

合  計       1,900

 

 

 

 

 

 

 

 

           消費損益計算書

左  方(ひだりかた)

  右  方(みぎかた)

消 費      

資産評価損  1,700

当期消費損益  −1,700

収  入    0       

 

 

 

 

 

 

 

 

 

7、クレジットカードで買い物をした場合   

   クレジットカードで買い物をした場合は、先に消費が行われ、お金の

   支払いは後になります。この場合には、消費損益計算書に消費が計上

   され、財産対照表に負債が計上されることになります。例えば、背広を

   購入したり、レストランなどで食事をしたりして、その代金をクレジット

   カード払いをした場合、消費損益計算書に衣料費とか外食費(または交際費)

   という消費が計上され、財産対照表にカード未払金という負債が計上されます。

   そして、後日、カード決済日にお金の支払いが行われたときには、財産対照表

   の現金や預金が減少し、同時にカード未払金という負債が減少するだけで、

   消費損益計算書には何も計上されません。

例えば、今日までの消費損益計算書と財産対照表が、次のようになっていたと

 します。

 

           消費損益計算書

左  方(ひだりかた)

  右  方(みぎかた)

消 費       200

 税金等       35

日常生活費    120

その他生活費    45

特別消費        5      

当期消費損益    105

収  入    300       

 

 

 

特別収入      10

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

財産対照表

   左   方(ひだりかた)

右   方 (みぎかた)

資   産 

 現   金      10

預   金     300

そ の 他     500

負  債          0 

 

正味財産        810

 家族財産       100

 留保財産       605

当期消費損益     105

合   計      810

合  計        810

 

   今回、デパートで背広を100で購入して、支払い代金をクレジットカード

にしたとします。

この場合、消費損益計算書と財産対照表は、次のようになります。

(背広の購入費は、その他生活費で処理しています)

 

 

  (仕訳) 

左  方(ひだりかた)

  右  方(みぎかた)

その他生活費   100

カード未払金 100

 

 

 

 

 

           消費損益計算書

左  方(ひだりかた)

  右  方(みぎかた)

消 費       200

 税金等       35

日常生活費    120

その他生活費   145

特別消費        5      

当期消費損益      5

収  入    300       

 

 

 

特別収入      10

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

財産対照表

   左   方(ひだりかた)

右   方 (みぎかた)

資   産      810

 現   金      10

預   金     300

そ の 他     500

負  債        100 

カード未払金     100

正味財産        710

 家族財産       100

 留保財産       605

当期消費損益       5

合   計      810

合  計        810

 

  この結果、消費損益計算書のその他生活費(衣料費)が145(45+100)

  となり、財産対照表の負債にカード未払金100が計上されますが、現金や預金

  の支払いは生じません。一方、当期消費損益は105から5に減少しています。

 そして、後日、カード決済日に代金の支払いが行われたとき、預金は100減少し、

 財産対照表は次のようになります。消費損益計算書への影響はありません。

 

 

  (仕訳) 

左  方(ひだりかた)

  右  方(みぎかた)

カード未払金    100

 預金     100

 

 

 

 

 

財産対照表

   左   方(ひだりかた)

右   方 (みぎかた)

資   産      710

 現   金      10

預   金     200

そ の 他     500

負  債          0

カード未払い金      0

正味財産        710

 家族財産       100

 留保財産       605

当期消費損益       5

合   計      710

合  計        710

 

 

8、お金を貯めてからモノを買うのと、いますぐ借入金で買うのとの差

    Aさん、Bさんの2人が、50万円のテレビを買いたいと思っています。

      Aさんは現在の古いテレビで我慢をして1年間に10万円ずつ貯蓄し、

    5年後に新しいテレビに買い換えるつもりです。一方、Bさんはいま

    すぐに新しいテレビが欲しいので、50万円を借り入れして、5年返済

    の予定でテレビを購入しました。このときのローンの金利は20%でした。

AさんとBさんを比較すると次のようになります。

(テレビは消耗品費として処理します。

 

Aさんの場合(10万円ずつ貯蓄して購入) 

 

年  度

貯  蓄

1年目

10万円

2年目

10万円

3年目

10万円

4年目

10万円

5年目

10万円

  合 計

50万円

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  はじめの財産対照表

 

財産対照表

   左   方(ひだりかた)

右   方 (みぎかた)

資   産 

預   金      0

負  債       0

正味財産       0

(内:当期消費損益   0)

合   計       0

合  計       0

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  (仕訳) 

左  方(ひだりかた)

  右  方(みぎかた)

預金       50

 収入     50

 

 

 

 

   (仕訳) 

左  方(ひだりかた)

  右  方(みぎかた)

 消耗品費     50

 預金      50

 

 

 

  

  

財産対照表

   左   方(ひだりかた)

右   方 (みぎかた)

資   産 

預   金       0

株   式       0

負  債       0

正味財産       0

(内:当期消費損益   0)

合   計        0

合  計       0

 

 

 

 

 

 

 

           消費損益計算書

左  方(ひだりかた)

  右  方(みぎかた)

消 費      

消耗品費    50

当期消費損益     0

収  入    50       

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Bさんの場合(50万円借り入れ、5年返済、金利20%) 

 

年  度

貯  蓄

借入金

元金支払

借入残高

支払利息

 

1年目

10万円

50万円

10万円

40万円

10万円

50×20%

2年目

10万円

 

10万円

30万円

8万円

40×20%

3年目

10万円

 

10万円

20万円

6万円

30×20%

4年目

10万円

 

10万円

10万円

4万円

20×20%

5年目

10万円

 

10万円

0万円

2万円

10×20%

 合 計

50万円

 

50万円

 

30万円

 

 

  

財産対照表

   左   方(ひだりかた)

右   方 (みぎかた)

資   産 

預   金       0

 

負  債

 借入金        50

正味財産       −50

(内:当期消費損益   −50)

合   計        0

合  計         0

 

 

 

 

 

 

 

  

 

           消費損益計算書

左  方(ひだりかた)

  右  方(みぎかた)

消 費      

消耗品費    50

当期消費損益   −50

収  入    0       

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  (仕訳) 

左  方(ひだりかた)

  右  方(みぎかた)

預金        50

 収入     50

 

 

 

 

 

  (仕訳) 

左  方(ひだりかた)

  右  方(みぎかた)

借入金       50

 預金     50

 

 

 

 

 

(仕訳) 

左  方(ひだりかた)

  右  方(みぎかた)

支払利息       30

 未払金     30

 

 

 

 

   

 

財産対照表

   左   方(ひだりかた)

右   方 (みぎかた)

資   産 

預   金       0

負  債        30

正味財産       ー30

(内:当期消費損益    20)

合   計        0

合  計         0

 

 

 

 

 

 

 

 

 

           消費損益計算書

左  方(ひだりかた)

  右  方(みぎかた)

消 費      

支払利息    30

当期消費損益    20

収  入    50       

 

 

 

 

 

 

 

    Aさんは、お金を貯めてからテレビを購入し、Bさんはお金を借りてテレビを

  購入しました。この5年間を見ると、Bさんの場合、貯蓄10万円は借入金の

  元金返済に充てられていますが、支払利息の分が不足しているので、他の消費を

  節約するか、自分の他の貯蓄を取り崩して補充しなければなりません。5年間で

  支払利息の合計は30万円となり、この分だけ家計は苦しくなっているはずです。

 Aさんは我慢してからモノを買い、Bさんは先にモノを買ってから我慢するという

 考え方の違いがあります。

 消費による満足を先にするか後にするかの違いです。消費による満足を先にする

 場合、その資金を借り入れに頼ると必ず支払利息が発生します。

  借り入れ金額と支払利息の合計が、自分の消費満足の先取りに見合うものかどうか、

  よく考えることが大切だと思います。

 

9、消費損益計算書から分かること

  ある年の当期消費損益が悪化した場合、なぜ悪化したのかという理由を知ること

  が重要です。悪化した理由が、例えば、冷蔵庫が突然壊れて買い替えをしなけ

  ればいけなくなったためといったイレギュラーな消費である場合には、その悪化

  は継続しないと予測できます。また、その理由が毎年同じ月に同じ原因で悪化し

  ているのであれば、来年も同様に悪化することが予測できます。家計のデータが

  蓄積されれば、家計の中でウェイトの高い消費を把握したり、家計の消費構造の

  変化や傾向もつかめたりしてきます。さらに、消費損益計算書の月次の推移や

  年次の推移を見て、比較分析することにより、家庭の実態がより理解され、家庭

  経営に役立てることが可能となります。

 例えば、消費損益計算書の年次の推移を比較すると次のようになります。

  

               消費損益計算書

 

一年目

二年目

三年目

四年目

五年目

六年目

収入

800

 820

 780

 750

 750

 800

消費

 600

 610

 650

 610

 610

 670

通常消費損益

 200

 210

 130

 140

 140

 130

特別収入

   0

   0

   0

   0

   0

   0

特別消費

  50

  48

  46

  43

 150

  40

当期消費損益

 150

 162

  84

  97

 −10

  90

 

        * 特別消費は住宅ローンの支払利息

     * 3年目の収入減はボーナスの減少

        * 3年目の消費の増加は子供の高校入学

        * 5年目の特別消費の増加は地価下落による資産の評価損

        * 6年目の収入増はパート勤務

        * 6年目の消費の増加は子供の大学入学

 

    このように消費損益計算書の月次の推移や年次の推移を見て、比較分析

    することにより、家庭の実態を理解することが可能となります。

 

10、財産対照表と消費損益計算書の連動

    家庭決算書では、財産対照表と消費損益計算書が家計の両輪となって

    常に連動しているので、家計の全体状況を把握することができます。

    例えば、スタート時点の財産対照表の資産が1000、負債が200、

    正味財産が800だとします。

そして、1年間の消費活動は、収入が800で消費が700だったとします。

この結果、1年後の財産対照表は以下の通りになります。

 

スタート時点の財産対照表

   左   方(ひだりかた)

右   方 (みぎかた)

資   産     1,000

 

負  債       200

正味財産       800

合   計     1,000

合  計      1,000

 

   

           消費損益計算書

左  方(ひだりかた)

  右  方(みぎかた)

消 費     700

当期消費損益   100

収  入    800       

 

 

 

 

 

 

 

 

1年後の財産対照表

   左   方(ひだりかた)

右   方 (みぎかた)

資   産     1,100

 

負  債       200

正味財産       900

(内:当期消費損益   100)

合   計     1,100

合  計      1,100

 

    スタート時点の財産対照表と1年後の財産対照表を比較すると、資産が

    1,000→1,100に100増加し、負債が変化しなかったので、正味

    財産が800→900に100増加したことが分かります。

    このとき、なぜ資産が100増加したかという原因は、消費損益計算書で分

    かります。すなわち、収入800によって資産が増加し、消費700に

    よって資産が減少し、その差額によって資産が100増加したからです。

    このように、財産対照表の正味財産の増加(または減少)と消費損益計算書の

    当期消費損益は、常に一致しています。また、財産対照表は財産の結果を示し、

    その結果の原因を消費損益計算書が示しています。

財産対照表と消費損益計算書は常に連動し、家庭の財産の状況と損益の状況を

示しますから、これらを利用することにより、家庭の全体状況を管理すること

ができます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    「会計主体と簿記の関係」

 

 経済主体

     会計主体

      簿 記

      報告書

     

          

 

       政 府

 

 

 地方公共団体

 

 

   

     法  人

 

 営利法人(株式会社など)

 簿記1級・簿記2級

   財務諸表

 非営利法人(社団など)

 

 

  

   個  人

 

個人事業者(企業又は商店)

  簿記3級

  財務諸表

    給与所得者

  家庭簿記

(家庭用複式簿記)

  家庭決算書

 その他個人(年金など)

  家庭簿記

(家庭用複式簿記)

  家庭決算書

 

 

 

      

    

 

依田宣夫の

 

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                     (1)   「試験問題を解く前に」

                     (2)   「試算表作成のための仕訳問題」

                      (3)  「精算表作成のための仕訳問題」

                      (4)   「帳簿に関する仕訳問題

                      (5)   「伝票に関する仕訳問題

                     (6)   「 仕訳問題演習 」