依田宣夫の一言コラム

                       

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第280回 家庭生活と家庭簿記(25)

 

.収入勘定の個別の取引を仕訳する

   右方(みぎかた)グループの収入勘定は、勘定科目の金額が増加した場合には

  右方(みぎかた)、減少した場合には左方(ひだりかた)に仕訳されます。

 

右方(みぎかた)

グループ

    勘定科目の金額

  増 加

減 少

 

収入グループ

 

 

右方(みぎかた)

 

左方(ひだりかた)

 

(1)給料収入

   今月分の給料、総額350,000円、社会保険料など30,000円が差し引かれ、

  手取り金額320,000円が普通預金に振り込まれた。この場合の仕訳は、給料の

  総額が普通預金に振り込まれ、同時に社会保険料などが普通預金で支払われたと

  して仕訳をします。

   ”當麺其癲併饂此砲350,000円増加した→左方(ひだりかた)

    給料(収入)が350,000円増加した→右方(みぎかた)

 (仕訳)

   (左 方)       (右 方)

   普通預金350,000円 / 給 料350,000円

 

 

 

 左 方(ひだりかた)

  右 方(みぎかた)

科 目

 金 額

科 目

金 額

普通預金 

350,000円

給 料 

350,000円

 

  ⊆匆駟欷盈疎勝幣暖顱砲30,000円増加した→左方(ひだりかた)

   普通預金(資産)が30,000円減少した→右方(みぎかた)

 (仕訳)

       (左 方)        (右 方)

    社会保険料他30,000円 / 普通預金30,000円

 

  左 方(ひだりかた)

    右 方(みぎかた)

科 目

金 額

科 目

金 額

社会保険料他

30,000円 

普通預金

30,000円 

 

(2)受取利息

   利息1,200円が普通預金に入金された場合

    普通預金(資産)が1,200円増加した→左方(ひだりかた)

    受取利息(特別収入)が1,200円増加した→右方(みぎかた)

 (仕訳)

     (左 方)        (右 方)

    普通預金 1,200円 / 受取利息 1,200円

 

 左 方(ひだりかた)

  右 方(みぎかた)

科 目

金 額

科 目

金 額

普通預金 

,200円

受取利息 

,200円

 

.消費勘定の個別の取引を仕訳する

    左方(ひだりかた)グループの消費勘定は、勘定科目の金額が増加した場合には

   左方(ひだりかた)、減少した場合には右方(みぎかた)に仕訳されます。

 

左方(ひだりかた)

グループ

     勘定科目の金額

  増 加

減 少

 

消費グループ

 

 

左方(ひだりかた)

 

右方(みぎかた)

 

(1)食料費

   スーパーで食料品3,500円購入し、現金で支払った場合

  食料費(消費)が,500円増加した→左方(ひだりかた)

  現金(資産)が3,500円減少した→右方(みぎかた)

(仕訳)

    (左 方)       (右 方)

   食料費 3,500円 /  現金 3,500円

 

 左 方(ひだりかた)

 右 方(みぎかた)

科 目

金 額

科 目

金 額

食料費

,500円

現金 

,500円

 

 

(2)旅費交通費

    電車代500円を現金で支払った場合

     旅費交通費(消費)が500円増加した→左方(ひだりかた)

     現金(資産)が500円減少した→右方(みぎかた)

(仕訳)

     (左 方)    (右 方)

    旅費交通費 500円 / 現 金 500円

 

 左 方(ひだりかた)

右 方(みぎかた)

科 目

金 額

科 目

金 額

旅費交通費

500円

現 金

500円

 

(3)水道光熱費

    電気料金5,800円が普通預金から引き落とされた場合          

     水道光熱費(消費)が5,800円増加した→左方(ひだりかた)

     普通預金(資産)が5,800円減少した→右方(みぎかた)

(仕訳)

     (左 方)       (右 方)

   水道光熱費 5,800円 / 普通預金 5,800円

 

 左 方(ひだりかた)

 右 方(みぎかた)

科 目

金 額

科 目

金 額

水道光熱費

,800円

普通預金 

,800円

 

 

 

 

第279回 家庭生活と家庭簿記(24)

 

第6章 家庭の個別の取引を仕訳する

 

.資産勘定の個別の取引を仕訳する

 「左方(ひだりかた)」グループの資産勘定は、勘定科目の金額が増加した場合には

「左方(ひだりかた)」、減少した場合には「右方(みぎかた)」に仕訳されます。

 

左方(ひだりかた)

グループ

    勘定科目の金額

  増 加

 減 少

 

資産グループ

 

 

左方(ひだりかた)

 

 

右方(みぎかた)

 

(1)現金

(例1)アルバイトをして、現金5,000円を受け取った場合

 

 現金(資産)が5,000円増加した 左方(ひだりかた)

 家族収入(収入)が5,000円増加した→右方(みぎかた)

(仕訳)

(左 方)       (右 方)

現金 5,000円 / 家族収入 5,000円

  左方(ひだりかた)

   右方(みぎかた)

科 目

 金 額

科 目

金 額

現 金

,000円

家族収入

,000円

 

 

 

 

 

 

(例2)スーパーで野菜を購入し、現金300円を支払った場合

 現金(資産)が300円減少した →右 方(みぎかた)

 食料費(消費)が300円増加した→左 方(ひだりかた)

(仕訳)

   (左 方)       (右 方)

  食料費  300円 /  現 金  300円

 

 左 方(ひだりかた)

 右 方(みぎかた)

科 目

金 額

科 目

金 額

食料費 

300円

現 金

300円

 

(2)普通預金

(例1)普通預金に現金10,000円を預け入れた場合

  現金(資産)が10,000円減少した→右 方(みぎかた)

  普通預金(資産)が10,000円増加した→左方(ひだりかた)           

(仕訳)

   (左 方)         (右 方)

   普通預金 10,000円 / 現 金 10,000円

 

 左 方(ひだりかた)

右 方(みぎかた)

科 目

金 額

科 目

 金  額

 普通預金

10,000円 

 現 金 

10,000円 

                      

 

 

 

 

(例2)水道代3,500円が普通預金から引き落とされた場合 

   普通預金(資産)が3,500円減少した→右方(みぎかた)

   水道代(消費)が3,500円増加した →左方(ひだりかた)

(仕訳)

   (左 方)         (右 方)

   水道光熱費 3,500円 / 普通預金 3,500円

 

 左 方(ひだりかた)

右 方(みぎかた)

科 目

金 額

科 目

金  額

水道光熱費

,500円

普通預金

,500円

 

(3)有価証券 

(例)A社株式1000株を500,000円で買い入れ、買入手数料5,000円と

   ともに、代金を普通預金から振り込んだ場合

   普通預金(資産)が505,000円減少した→右方(みぎかた)

   有価証券(資産)が505,000円増加した→左方(ひだりかた)

(仕訳)

    (左 方)          (右 方)

   有価証券505,000円 / 普通預金 505,000円

 

 左 方(ひだりかた)

  右 方(みぎかた)

科 目

金 額

科 目

 金 額

有価証券

505,000円 

普通預金

505,000円 

 

 2. 負債勘定の個別の取引を仕訳する

「 「右方(みぎかた)」グループの負債勘定は、勘定科目の金額が増加した場合には

  「右方(みぎかた)」、減少した場合には「左方(ひだりかた)」に仕訳されます。

 

右方(みぎかた)

グループ

    勘定科目の金額

  増 加

減 少

 

負債グループ

 

 

右方(みぎかた)

 

左方(ひだりかた)

 

(1)「住宅ローン」の場合

   住宅購入資金として銀行から1,000万円借り入れをした場合   

    普通預金(資産)が1,000万円増加した→左方(ひだりかた)

    住宅ローン(負債)が1,000万円増加した→右方(みぎかた)

(仕訳)

    (左 方)        (右 方)

    普通預金1,000万円 / 住宅ローン1,000万円

 

 左 方(ひだりかた)

 右 方(みぎかた)

科 目

金 額

科 目

 金 額

普通預金

,000万円

住宅ローン 

,000万円

 

(2)カード未払金

   レストランで食事をし、代金5,000円をカードで支払った場合

    外食費(消費)が5,000円増加した→左方(ひだりかた)

    カード未払金(負債)が5,000円増加した→右方(みぎかた)

(仕訳)

    (左 方)        (右 方)

    外食費 5,000円 / カード未払金 5,000円

 

左 方(ひだりかた)

右 方(みぎかた)

科 目

金 額

科 目

 金 額

外食費 

,000円

カード未払金

,000円

 

.正味財産勘定の個別の取引を仕訳する

  「右方(みぎかた)」グループの正味財産勘定は、勘定科目の金額が増加した

  場合には「右方(みぎかた)」、減少した場合には「左方(ひだりかた)」に

  仕訳されます。

 

右方(みぎかた)

グループ

    勘定科目の金額

  増 加

減 少

 

正味財産グループ

 

 

右方(みぎかた)

 

左方(ひだりかた)

 

(1)家族財産

  ・住宅購入資金として、親から300万円の現金を贈与された場合

    現金(資産)が300万円増加した→左方(ひだりかた)

    家族財産(正味財産)が300万円増加した→右方(みぎかた)

(仕訳)

      (左 方)      (右 方)

     現金 300万円 / 家族財産 300万円

 

左 方(ひだりかた)

  右 方(みぎかた)

科 目

金 額

科 目

金 額

現 金

300万円

家族財産  

300万円

 

 

 

 

 

 

第278回 家庭生活と家庭簿記(23)

 

7、消費損益計算書の勘定と勘定科目

 

  消費損益計算書には、収入勘定と消費勘定があります。

  それぞれの勘定と勘定科目は次のようになります。

(1)収入勘定と勘定科目

  収入勘定は、収入と特別収入に分けます。

  収入とは、主に使役を伴って得た収入を言い、副業などの臨時収入を含めた労働の

  対価を言います。具体的には給料、賞与、パートやアルバイトなどの家族収入、

  年金その他の臨時収入という4つの科目に区分します。

   特別収入とは、主に使役を伴わない収入で、経済環境によって結果が変動し、

  消費損益の増加要因になるものです。特別とは、主に家庭外部の経済要因によって、

  消費損益に変化をもたらすものを意味します。

   具体的には、受取利息や配当金、受贈給付金、資産の評価益、有価証券売却益など、

  主に金融資産が生み出す利益や金融取引によって得た収入があります。

   資産の評価益は、不動産や有価証券など保有している資産の時価が取得価額より

  値上がりし、含み益が出ている場合に生じるもので、お金が実際に入金していないが、

  収入として計上するものです。

   また、有価証券売却益は、株式などを売却したとき、売却価格から時価評価額

  (または取得価額)を差し引いて利益が出た場合、収益として計上するものです。

 

(2)消費勘定と勘定科目

  消費勘定は、消費と特別消費に分けられます。

   消費は「税金等」、「日常生活費」、「その他生活費」の3つの主たる勘定科目に

  分類されます。「税金等」は、所得税、住民税、社会保険料及び固定資産税や

  自動車税などのその他税金という従たる勘定科目に区分されます。

   「日常生活費」は、日常生活を営む上で、毎月ほぼ同程度の消費が行われる消費科目を

  いい、「その他生活費」は、月によって金額が異なったり、臨時に発生したりする

  消費科目をいいます。

   具体的には、日常生活費は食料費、通信費、交通費、水道光熱費、新聞図書費などの

  従たる勘定科目があり、その他生活費には外食費、交際費、医療費、旅行費、

  教育費などの従たる勘定科目があります。

   特別消費は、経済環境によって結果が変動する消費で、消費損益の減少要因となる

  ものです。具体的には、借入金の支払利息、資産の評価損や有価証券売却損などが

  あります。借入金の支払利息は、例えば住宅ローン返済金額が毎月預金口座から

  引き落とされる場合に、その内容は元金部分と支払利息の部分に区分され、元金部分の

  返済は借入金の返済で、支払利息の部分は特別消費になります。

   資産の評価損は、不動産や有価証券など保有している資産の時価が取得価額よりも

  値下がりし、含み損が出ている場合、実際にお金の支払いはないが、特別消費として

  計上するものです。有価証券売却損は、例えば株式などを売却したとき、売却価額から

  時価評価額(または取得価額)を差し引いて損失が出た場合に消費として計上する

  ものです。

 

  消費損益計算書の勘定科目と内訳

勘定科目

     内     容

収 入

 

給 料

勤務先からの毎月の勤務手当てなどの支給額、諸手当なども含んだ金額を記録するための科目

賞 与

勤務先から臨時に支給される手当の金額を記録するための科目

家族収入

家族の人がパート・アルバイトなどで得た収入の金額を記録するための科目

年金・その他

年金、講演料、原稿料など臨時収入の金額を記録するための科目

消 費

 

税金等

 

(所得税)

所得に係わる国税の金額を記録するための科目

(住民税)

所得に係わる地方税の金額を記録するための科目

(社会保険料)

健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料などの金額を記録するための科目

(その他税金)

固定資産税、都市計画税などの金額を記録するための科目

日常生活費

 

(食料費)

家で取る食事のための主・副材料費などの金額を記録するための科目

(通信費)

電話代、携帯電話やパソコンの通信費、切手、はがき代、TV受信料、宅配便送料などの金額を記録するための科目

(交通費)

交通費、通勤・通学費、ガソリン代などの金額を記録するための科目

(水道光熱費)

電気、ガス、水道料などの金額を記録するための科目

(新聞図書費)

新聞、雑誌、書籍代などの金額を記録するための科目

(消耗品費)

家事、台所用品、園芸用品、一般雑貨などの代金の金額を記録するための科目

その他生活費

 

(外食費)

家庭外で取る食事代金などの金額を記録するための科目

(交際費)

慶弔贈答品、手土産、来客接待費などの金額を記録するための科目

(医療費)

医療に関わる諸費用、薬品代などの金額を記録するための科目

(旅行費)

家族旅行、娯楽・行楽などのレジャー費などの金額を記録するための科目

(教育費)

学費、PTA・給食費、学習塾・お稽古代、文具代、教科書・参考書代などの金額を記録するための科目

(衣料費)

和洋服などの衣料費、靴、アクセサリー、クリーニング代などの金額を記録するための科目

特別収入

 

受取利息・受取配当金

預貯金の利息・株式などの配当の金額を記録するための科目

受贈給付金

祝い金、報奨金、クレジットカードの割引、保険などの給付金の金額を記録するための科目

資産評価益

不動産・有価証券などの評価益の金額を記録するための科目

有価証券売却益

有価証券の売却益の金額を記録するための科目

その他

不動産・車などの売却益の金額を記録するための科目

特別消費

 

住宅ローン支払利息

住宅の購入・増改築に伴う借入金の支払利息の金額を記録するための科目

その他支払利息

教育・自動車ローン、カードローンなど住宅ローン以外の借入金の支払利息の金額を記録するための科目

資産評価損

不動産、有価証券、車などの評価損の金額を記録するための科目

有価証券売却損

有価証券の売却損の金額を記録するための科目

その他

不動産・車などの売却損の金額を記録するための科目

 

 

 

 

第277回 家庭生活と家庭簿記(22)

 

6、財産対照表の勘定と勘定科目

   財産対照表には、資産勘定、負債勘定、正味財産勘定があります。それぞれの

   勘定と勘定科目は次のようになります。

 

(1)資産勘定と勘定科目

  資産とは、家庭で所有しているもののうち、現金化できるすべてのものをいいます。

 具体的には、現金、普通預金や定期性預金など金融機関への預貯金、土地、建物、

 マンションなどの不動産、株式、国債などの有価証券、解約返戻金のある保険積立金、

 売却可能な自家用車などの車両、金地金、ピアノ、宝飾品などの売却可能な高額品など、

 敷金、保証金、会員権などがあります。

  このうち、時価評価(売却予想価格を算定すること)できるもの、例えば土地、

 建物、マンションなどの不動産や株式などの有価証券などについては、時価評価額で

 計上することにより、家庭の実態をより正確に表すことができます。

  また、高額家電製品、ブランド品など売却を目的としない高額品などは、たとえ

 高額品だとしても資産に計上しないほうが管理上複雑になりません。

 

(2)負債勘定と勘定科目

  負債とは、いずれ支払わなければならない債務のことをいいます。具体的には、

 住宅購入に伴う資金を金融機関から借り入れる際の住宅ローン、子供の教育のための

 教育ローンや車を購入する際の自動車ローンなどの借入金、クレジットカードなどで

 買い物をしたときの購入代金のうち、まだ決済されていない金額や、つけなどで飲み

 食いをした代金などの未払金、一時的に現金などを受け入れた預り金や科目が決まら

 ない仮受金などがあります。

  これらの負債のうち、借入金は、通常利息がつき、借り入れの際、借り入れ金額、

 借り入れ利率、借り入れ年数などによって、支払う利息の総額が大きく変わり、

 家庭の消費損益や資金繰りに大きな影響を与えることになるので注意が必要です。

 また借り入れの際、不動産は、金融機関などの担保とされることが通常です。

 

(3)正味財産勘定と勘定科目

  正味財産とは、資産をすべて現金化して、負債をすべて返済したときに手元に残る

 現金のことをいいます。

 この正味財産は、資産から負債を引いて算出します。

  正味財産=資産―負債

   正味財産は、家族財産、留保財産、当期消費損益に分けます。

   家族財産とは、相続や贈与によって父母、祖父母などから譲り受けた財産や結婚時の

  持参金などで、自分の力でなく外部の力(他力)によって築かれた財産を意味します。

   留保財産は、前年までに自分が働いたり、資産を運用したりして築いた財産で、

  当期消費損益の前年までの累計額です。

   当期消費損益は、今年1年間に、自分で働いたり、資産を運用したりして得た収入で、

  消費生活をした結果として築いた財産を意味します。

   留保財産や当期消費損益は、自分の力(自力)で築いた財産を意味します。

 

財産対照表の勘定科目と内訳

科目

     内     容

資産

 

現金

紙幣・硬貨などの通貨(国内・外国)を記録するために用いる科目で、小切手、商品券、トラベラーズチェックなどの通貨代用証券も含まれます。

普通預金

銀行、郵便局、信用金庫など金融機関の預貯金を記録するための科目

定期性預金

銀行、郵便局、信用金庫など金融機関の定期預金など、定期性の預貯金を記録するための科目

その他預金

外貨預金、当座預金、通知預金、金銭信託、社内預金などを記録するための科目

土地

自己所有の土地を記録するための科目

建物

自己所有の建物と建物附属設備を記録するための科目

マンション

自己所有のマンションを記録するための科目

有価証券

株式、公社債、証券投資信託の受益証券などを記録するための科目

保険積立金

保険の解約返戻金を記録するための科目

車両

自己所有の車、自動二輪で売却可能なものを記録するための科目

売却可能な高額品

金地金、ピアノ、家具、宝飾品、書画骨董などで売却可能な高額品を記録するための科目

電子マネー

パスモ、スイカやエディなど前払いの電子マネーを記録するための科目

その他資産

敷金、保証金、借地権、他人に対する貸付金、立替金などを記録するための科目

現金過不足

現金の残高が合わずその内容が分からない場合に使う科目

負債

 

住宅ローン

住宅の購入・増改築に伴う代金の銀行・住宅金融支援機構などからの借り入れを記録するための科目

その他借入金

金融機関・友人などからの借り入れを記録するための科目

カード未払金

色々なクレジットカード形式による購入代金の未払い分で、後日、銀行預金などから引き落とされるものを記録するための科目

未払金

諸資産の購入代金の未払い額、消費代金の未払い額などの金額を記録するための科目

後払い電子マネー

ID・DCMX、クイックペイなど、後払い型電子マネーを記録するための科目

その他負債

一時的に現金などを受け入れた預り金、科目が決まらない仮受金などの金額を記録するための科目

正味財産

 

家族財産

相続や贈与によって家族(父、母、兄弟姉妹、祖父母ほか)から譲り受けた財産、および結婚によって得た財産の金額を記録するための科目

留保財産

給与収入、資産の運用などによって、今までに、蓄積された財産の金額を記録するための科目

当期消費損益

当年度の消費生活の結果としての損益(財産の増減)を示す金額を記録するための科目

 

 

 

 

 

 

第276回 家庭生活と家庭簿記(21)

 

 5、勘定科目と仕訳のルール

 

  野菜を買い、現金を支払った場合、野菜という食料に消費をしたので、

 左方(ひだりかた)に消費勘定の食料費という勘定科目を使い、現金で支払いを

 したので、右方(みぎかた)に資産勘定の現金という勘定科目を使い、仕訳を

 しました。家庭簿記では、野球やサッカー、トランプなどにルールがあるのと同様、

 仕訳をする場合、2つのルールがあります。ルールを守らなければ試合やゲームが

 成り立たないように、この仕訳のルールを守ることで、真実の家庭決算書を作る

 ことが出来ます。

 

  「仕訳の2つのルール」

   1.勘定科目「左右グループ分け」のルール

   2.勘定科目「増加」・「減少」の仕訳のルール

 

 (1)勘定科目「左右グループ分け」のルール

   家庭簿記では、5つの勘定に属する勘定科目を「左方(ひだりかた)」と

 「右方(みぎかた)」に分け、次のようにグループ分けをします。

 

 

 

 

 (グループの内訳)

    ・左 方(ひだりかた)グループ

「資 産」グループ・     「資 産」グループ・・現金、普通預金、土地、建物、有価証券など

      「消 費」グループ・・税金等、日常生活費、その他生活費、特別消費

    ・右 方(みぎかた)グループ

「負 債」グル        「負 債」グループ・・住宅ローン、その他借入金、カード未払金など

「正味財産」グ         「正味財産」グループ・・家族財産、留保財産、当期消費損益

「収 入           「収 入」グループ・給料、賞与、家族収入、特別収入など

   

 (2)勘定科目「増加」・「減少」の仕訳のルール

    各グループの勘定科目の金額が「増加」した場合と「減少」した場合の仕訳は、

   次のようになります。

 

    嶌己(ひだりかた)」グループの仕訳

     「左方(ひだりかた)」グループ(資産グループと消費グループ)は、

    勘定科目の金額が増加した場合には「左方(ひだりかた)」に、減少した

    場合には「右方(みぎかた)」に仕訳されます。

 

   ◆岷κ(みぎかた)」グループの仕訳

     「右方(みぎかた)」グループ(負債グループ、正味財産グループと

    収入グループ)は、勘定科目の金額が増加した場合には「右方(みぎかた)」に、

    減少した場合には「左方(ひだりかた)」に仕訳されます。

 

  (3)仕訳の対象と特徴

   仕訳の対象取引

     仕訳をする場合の対象となる取引は、‐暖饉莪、投資・貯蓄取引

    8魎梗莪があります。

     消費取引とは、財産が減少する取引で、例えば現金などで食料品を購入する

    とか普通預金で水道光熱費が支払われた場合の取引です。

     投資・貯蓄取引とは、将来の消費のために財産を運用する取引のことで、

    定期預金とか有価証券の購入などの取引です。

     交換取引とは、現金や預金などと交換で土地、建物やマンションなどを

    購入する取引です。

    また、投資・貯蓄取引と交換取引は、現金や預金が株式や不動産に変わった

    だけで、正味財産の増加・減少はありません。

 

   仕訳の特徴

     。韻弔硫餬彈莪から1つの記録をする 

     会計取引を勘定科目に分類する

     4定科目は、増加、減少によって左方(ひだりかた)、右方(みぎかた)に

      分かれる

     ぁ嶌己(ひだりかた)」と「右方(みぎかた)」の金額は、一致している

 

   (例1)消耗品を購入し、500円を現金で支払ったとすると、消費が500円

      増加したので左方(ひだりかた)に、資産が500円減少したので右方

      (みぎかた)にきます。

    この場合、次のように考えます。

       1、何が

       2、増加したのか、減少したのか

       3、左方(ひだりかた)か、右方(みぎかた)か

 

     (1)消費グループの消耗品費が・・500円増加した・・左方(ひだりかた)

     (2)資産グループの現金が・・500円減少した・・右方(みぎかた)

     この結果、仕訳は、次のようになります

(仕 訳)

 

 

 

   (例2)株を購入し、500,000円を普通預金で支払った場合

     1、何が

     2、増加したのか、減少したのか

     3、左方(ひだりかた)か、右方(みぎかた)か

 

  (1)資産グループの有価証券が・・500,000円増加した・・左方(ひだりかた)

  (2)資産グループの普通預金が・・500,000円減少した・・右方(みぎかた)

 

仕 訳)

 

 

 

 

 

第275回 家庭生活と家庭簿記(20)

 

2、家庭簿記の勘定と5つのキーワード

 

  家庭簿記には、5つのキーワードがあります。

 5つのキーワードとは、「資産」「負債」「正味財産」「収入」「消費」という

 5つの計算項目のことです。これら5つの計算項目は、家庭の取引によって、増加

 したり減少したりします。この増加したり減少したりする取引を、左右両欄に対象

 表示する計算形式のことを、「勘定」といいます。

 「勘定」は、次の表のようにT字型の形式が一般的に使用されています。

家庭簿記では、勘定の左側を「左方(ひだりかた)」、勘定の右側を「右方

(みぎかた)」と呼ぶことにします。

 家庭決算書の勘定は「財産対照表」は資産、負債、正味財産という勘定から成り立ち、

「消費損益計算書」は収入、消費という勘定から成り立っています。

 

 

3、勘定科目

  5つの勘定は、内容ごとに項目別の区分単位に分けられます。

 項目別の区分単位に分けられた項目のことを、「勘定科目」といいます。例えば、

 財産対照表では、資産勘定には現金という勘定科目、負債勘定には借入金という

 勘定科目、正味財産勘定には家族財産という勘定科目があります。

  また、消費損益計算書では収入勘定に給料という勘定科目、消費勘定には食料費と

 いう勘定科目があります。ここで大切なのは、資産、負債、正味財産、収入、消費と

 いう5つの勘定にどのような勘定科目があり、逆にそれぞれの勘定科目が、資産、

 負債、正味財産、収入、消費という5つの勘定のどこに属するのかということを知る

 ことです。科目というのは、計算を行うひとつの単位として、その内容を分かりやすく、

 簡潔に表現するために設けられたものです。

 科目の設定は、本来、自由に行うことができますが、家庭決算書では、一般的に

使われている科目と、必要と思われる科目を設定してあります。また、家庭で自由に

科目を設定することも可能です。この際注意すべき点は、自分たちが分かりやすい

名称をつけ、一度決めた科目の名称はできるだけ変えないようにすることです。

これは将来、科目ごとに比較したり、推移を見たり、分析する上で役に立つからです。

 また、科目については、会社法では会社計算規則、金融商品取引法適用会社では

財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則(財務諸表等規則)に従って記載

することとされています。

 


 

 

 

4、勘定科目と仕訳

  勘定科目をそれぞれが属する各勘定に記入する前に、取引を左方(ひだりかた)

 要素、右方(みぎかた)要素に分け、勘定科目と金額を決定することを「仕訳」と

 言います。

   すなわち、「仕訳」とは、5つの勘定とそれに属する勘定科目を、取引ごとに

  左右に区分けして金額を決定することです。

 例えば、300円の野菜を買って、現金を支払った場合、複式簿記では、300円の

 野菜を手に入れたという面と、300円の現金が減少したという2つの面から記録

 します。この場合、一方では野菜という食料の購入に消費をしたので、消費勘定の

 食料費という勘定科目を使い、もう一方では、代金の支払いに現金を使ったので、

 資産勘定の現金という勘定科目を使い、仕訳をします。

 

仕 訳

 

 

 

 

 


 

  300円の野菜を買って、現金を支払った上記の取引の場合、「仕訳」は、次の

  ようになります。

(仕 訳)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第274回 家庭生活と家庭簿記(19)

 

第5章 勘定科目と仕訳 

 

   1、家庭の財産のチェックリストと「はじめの財産対照表」の作成

 

    (1)家庭の財産のチェックリスト

      家庭簿記では、主な家庭の財産を科目ごとに次のように分類しています。

 

           「家庭の財産のチェックリスト

    

科目

   内  容

  評 価 額

資産

 

 

 

現金

紙幣・硬貨などの通貨(国内・外国)小切手、商品券、トラベラーズチェックなどの通貨代用証券も含まれます。

手持ち現金、家族全員が所持している現金の総額

 

普通預金

銀行、郵便局、信用金庫など金融機関の預貯金

 

普通預金の残高の合計金額

残高がマイナスの場合も、マイナスのまま合計

定期性預金

銀行、郵便局、信用金庫の定期預金など、金融機関の定期性の預貯金

定期性預金の残高の合計金額

 

その他預金

外貨預金、当座預金、通知預金、金銭信託、社内預金など

その他預金の残高の合計金額。外貨預金の残高は現在の為替レートで円換算した時価を記入します

土地

自己所有の土地

新聞や広告など最新情報をもとにできるだけ実勢価格に近い時価評価額

建物

自己所有の建物と建物附属設備

新聞や広告など最新情報をもとにできるだけ実勢価格に近い時価評価額

マンション

自己所有のマンション

新聞や広告など最新情報をもとにできるだけ実勢価格に近い時価評価額

有価証券

株式、公社債、証券投資信託の受益証券など

株式、公社債、投資信託などの時価評価額の残高の合計金額

保険積立金

掛け捨てタイプではない保険(生命保険、養老保険、個人年金保険など)の解約返戻金の金額

保険の解約返戻金残高の合計金額

車両

自己所有の車、自動二輪などで、売却可能なもの

家族が所有する自家用のクルマ、オートバイ等の時価評価額(下取り価格の概算)の合計金額

売却可能な高額品

金地金、ピアノ、家具、宝飾品、書画骨董などで売却可能な高額品

骨董品、美術品、宝飾品、ピアノ、ブランド品、コレクターズアイテムなど売却できると思われる物の金額(又は購入金額)の合計金額

電子マネー

パスモ、スイカやエディなど前払いの電子マネー

パスモ、スイカやエディなど前払いしている電子マネーの残高の合計金額

その他資産

敷金、保証金、借地権、他人に対する貸付金、立替金など

敷金、保証金、他人に対する貸付金などの合計金額

現金過不足

現金の残高が合わなくてその内容が分からない場合に使う

現金の残高が合わず、その内容が分からない場合、その差額の金額

負債

 

 

住宅ローン

住宅の購入・増改築に伴う代金の銀行・住宅金融支援機構などからの借り入れ

住宅の購入・増改築に伴う代金の銀行や住宅金融支援機構などからの住宅ローンの合計残高

その他

借入金

友人・金融機関(教育ローン・自動車ローン、カードローン、消費者金融ローンなど)などからの借り入れ

住宅ローン以外の借入金の合計残高

カード未払金

クレジットカードによる購入の未払金(銀行決済が済んでいないクレジットカード利用残高)

クレジットカードの未払金の合計残高

 

未払金

諸資産の購入代金の未払い額、消費代金の未払い額など

諸資産購入代金の未払金、支払いの済んでいない消費代金(未払金)の合計残高

後払い電子マネー

ID・DCMX、クイックペイなどによる購入の未払金(銀行決済が済んでいない、後払い型電子マネーの利用残高)

後払い型電子マネーの未払金の合計残高

その他負債

一時的に現金などを受け入れた預り金、科目が決まらない仮受金など

一時的に現金などを受け入れた預り金、科目が決まらない仮受金の合計残高

正味財産

 

 

家族財産

相続や贈与によって家族(父、母、兄弟姉妹、祖父母ほか)から譲り受けた財産、および結婚によって得た財産

相続や生前贈与など父母や兄弟などの家族から譲り受けた財産、結婚したとき配偶者が以前より持っていた財産などの財産の合計残高

 

 

  (2)「はじめの財産対照表」の作成

      「はじめの財産対照表」は、家庭の財産のチェックリスト

     から、現在所有している財産(資産、負債、家族財産)を

     確認し、評価し、その金額を確定して作成します。

 

       (例) 

                                 はじめの財産対照表

       20xx年1月1日現在)(単位:円) 

 

左方(ひだりかた)

 金 額

右方(みぎかた)

 金 額

資産の部

 

負債の部

 

現 金

  15,000

住宅ローン

10,000,000

普通預金

300,000

その他借入金

        0

電子マネー

0 

カード未払金

 30,000

定期性預金

1,000,000 

未払金

        0

その他預金

      0

その他負債

         0 

土 地

        0

負債合計

10,030,000      

建 物

0

 

 

マンション

25,000,000

正味財産の部     

 

有価証券

        0

家族財産

3,000,000  

保険積立金

        0

留保財産 

13,785,000

車 両

  500,000

当期消費損益

         0

売却可能な高額品

        0

正味財産合計

16,785,000

その他資産

        0

 

 

現金過不足

        0

 

 

資産 合 計

26,815,000

負債正味財産合計

26,815,000

 

          (注)「はじめの財産対照表」ではまだ取引が発生していないので、

            当期消費損益は発生しません。

 

 

 

 

第273回 家庭生活と家庭簿記(18)

 

3、家庭簿記

 

(1)家庭簿記

   家庭簿記は、現在のような複雑な経済社会において、複式簿記の知恵を活かし、

  家庭におけるお金や物の出入りを記録するための方法として考えられました。

    家庭簿記とは、家庭用複式簿記のことで、家庭の財産の状況や消費損益を明らか

   にするために、取引の2つの側面を記録し、集計して、決算のときに財産対照表と

   消費損益計算書という2つの報告書(家庭決算書)を作成するためのツール(技術)

   です。これを有効利用することで家庭の財産の状況や消費損益をシステム的に把握し、

   財産が増えたのか減ったのかを明らかにし、どこをどう工夫したり、改善したり

   すれば良いのか、その計画を立てることを可能にします。

 

(2)1年間の消費活動と家庭決算書

   家庭簿記では、はじめの財産対照表(財産対照表1)を作成することからスタートし、

  1年間の消費活動の結果を、家庭決算書(財産対照表2と消費損益計算書)で報告

  します。

   会計期間は1年間で、1月1日から12月31日までを原則(暦年基準)とします。

 

   1年間の家庭の消費活動と2つの報告書

      1月1日    (消費活動)   12月31日      

        (財産1)・・? 収入―消費・・?(財産2)

        財産対照表1  消費損益計算書  財産対照表2

 

(3) 取引の対象となる事実

    家庭簿記で仕訳の対象となる取引とは、家庭の資産や負債が増加したり減少したり

   する事実のことをいいます。

   事実とは、例えば、スーパーで食料品を購入し、代金を現金で支払った、電気代、

  ガス代、水道代が普通預金から引き落とされた、学校に入学金を現金で支払った、

  お医者さんへ診察費を現金で支払ったなどの場合には、現金や普通預金という資産が

  減少したので取引の対象になります。しかし、学校に合格したとか、おなかが痛い

  とか頭が痛いなどという事実は、取引の対象にはなりません。また、お茶碗などの

  消耗品を壊した場合も取引の対象にはなりません。お茶碗などの消耗品は、購入した

  ときに取引の対象として(消耗品費として)すでに処理済だからです。

   このように、家庭簿記(家庭用複式簿記)で取引の対象となる事実とは、資産や

  負債が実際に増加したり減少したりした場合に発生する一切のものを言います。

 

(4)家庭決算書の作成手順 

家庭簿記を利用した家庭決算書の作成手順は、

次の通りです。 

        はじめの財産対照表の作成

        取引の発生

      ↓  

         仕訳帳

      ↓

        総勘定元帳

      ↓

         試算表

      ↓

     決算整理

      ↓

     精算表

      ↓

    家庭決算書

 

 

 

 

 

第272回 家庭生活と家庭簿記(17)

 

2)家庭決算書の特徴と事例

 

  (ア)特徴

    1.家庭決算書は、財産対照表と消費損益計算書から構成されています。

    2.家庭決算書は、家庭簿記で1年に1度、決算をして作ります。また、財産対照表

     と消費損益計算書は連動しているのでそれぞれの「当期消費損益」は、必ず

     一致します。

    3.家庭決算書は、単年で終わることなく翌年、翌翌年と継続していきます。

 

  (イ)事例(財産対照表と消費損益計算書)

                  財産対照表

20xx年12月31日現在) (単位:円)

左方(ひだりかた)

 金 額

右方(みぎかた)

 金 額

資産の部

 

負債の部

 

現 金

26,523  

住宅ローン

9,400,000

電子マネー

   5,000  

その他借入金

       0

普通預金

850,000 

カード未払金

 58,000

定期性預金

1,004,000 

未払金

      0

その他預金

       0

後払い電子マネー

      0

土 地

       0

その他負債

       0

建 物

        0

負債合計

9,458,000

マンション

24,000,000

正味財産の部

 

有価証券

         0

 家族財産

3,000,000  

保険積立金

         0

 留保財産

13,785,000

車 両

  500,000

当期消費損益

  142,523

売却可能な高額品

       0

正味財産合計

16,927,523

その他資産

         0

 

 

現金過不足

         0

 

 

資産合計

26,385,523

負債・正味財産合計

26,385,523

 

   (注)正味財産について

     (1)家庭の正味財産は、資産の合計金額から負債の合計金額を引いて計算

        されます。

        正味財産 =  資産合計 ―  負債合計

      (16,927,523)= (26,385,523)― (9,458,000)

     (2)正味財産の内容

       (ア) 家族財産・・・他力で築かれた財産

            相続、贈与、結婚時の持参金などで父母や祖父など

            の他力で築かれた財産 

       (イ) 留保財産・当期消費損益・・・自力で築かれた財産

         ・留保財産・今まで働いて自力で築き上げた財産

         ・当期消費損益・今年1年間に自力で築き上げた財産

       (ウ)「自力」で築き上げた財産は、正味財産の金額から「他力」で築かれ

         た財産の金額(家族財産)を引いて計算されます。

 

                   消費損益計算書

             (20xx年1月1日〜20xx年12月31日)

                                  (単位:円)

  科 目

 年 間

  科  目

 年 間

収入の部

 

特別収入の部

 金 額

給 料

3,000,000

受取利息

   4,000

賞 与

 500,000

受取配当金

      0

家族収入

       0

受贈給付金

      0

年金・その他

        0

資産評価益

      0

収入合計()

 3,500,000

有価証券売却益

      0

消費の部

 

その他  

       0

税金等

 

特別収入合計()

   4,000

(所得税)

 120,000

特別消費の部

 

(住民税)

 60,000

住宅ローン支払利息

 588,955

(社会保険料)

 360,000

その他支払利息

       0

(その他税金)

      0

資産評価損

 1,000,000

日常生活費

 

有価証券売却損

       0

(食料費)

152,605

  その他

       0

(通信費)

 111,132

特別消費合計()

 1,588,955

(交通費)

 75,310

当期消費損益

 142,523

(水道光熱費)

43,200

 

 

(新聞図書費)

 89,700

 

 

(消耗品費)

  12,325

 

 

その他生活費

 

 

 

(外食費)

 173,300

 

 

(交際費)

119,500

 

 

(医療費)

     0

 

 

(旅行費)

 218,250

 

 

(教育費)

 39,600

 

 

(衣料費)

 197,600

 

 

消費合計()

1,772,522

 

 

通常消費損益

1,727,478

 

 

 

 

      通常消費損益

         1,727,478=3,500,000(イ)−1,772,522(ロ)

      当期消費損益

      142,523=3,500,000−1,772,522+4,000−1,588,955 

           (イ)  (ロ)  (ハ) (二)

 

(3)真実の報告書

   家庭決算書は、家庭の財産状態および消費損益に関する真実の情報を伝えて

  くれるものでなければなりません。企業会計原則一般原則の1「真実性の原則」

  では、「企業会計は、企業の財政状態及び経営成績に関して真実な報告を提供

  するものでなければならない」と、言っています。

   会社が作った決算書は、すべての取引が、事実に基づいて適正に処理された、

  真実な報告書でなければならないということです。家庭でもその考え方は同じで、

  家庭で作る財産状態および消費損益の決算書(家庭決算書)は、真実の報告でな

  ければなりません。

   家庭決算書を作ることで、家庭が健全なのかどうかの事実が明らかになります。

  この家庭決算書に基づいて今年の結果を分析し改善策を考え、翌年以降のライフ

  イベントなどの計画や予算を立てることができます。もし、家庭が債務超過だと

  いうことが分かった場合にも、改善策を考えたり、どのように対応するかを考え

  たりすることができます。

    家庭決算書に表れる結果は、自分たちの家庭生活を客観的に示すデータで、

   自分たちのオリジナル情報であり、利用価値が最も高い、真実の情報を伝える

   報告書でなければいけません。

 

 

 

 

第271回 家庭生活と家庭簿記(16)

 

2、家庭決算書

 

(1)家庭決算書の仕組み

   家庭決算書は、家庭簿記という複式簿記の一定のルールに従って、組織的に作り

  上げられた真実の情報で、家庭生活を継続的に明らかにしていく会計情報です。

   家庭決算書は、財産対照表と消費損益計算書という2つの報告書から構成され

  ています。

   財産対照表は家庭の財産の状態を表すもので、資産、負債と正味財産という内容で

  構成され、資産は負債と正味財産の合計に一致します。消費損益計算書は、家庭の

  収入から消費を差し引いて消費損益を計算します。また、両者は一体となって

  構成されており、どちらか一方が欠けてしまうと、会計情報として家庭の経営には

  役立ちません。

  財産対照表は1年のある時点、例えば年の初めとか、年の終わりなどにおける家庭

 の財産の状態を明らかにしてくれます。家庭の財産は、家庭生活をすることによって、

 年の初めと年の終わりで増減します。消費損益計算書は、財産の増減の原因を明らか

 にし、どうして財産がこのように増えたのか、減ったのか、その理由をはっきり

 させます。

  また、この家庭決算書は1年で終わることなく、今年終えた財産対照表の結果を

 そのまま翌年へ繰り越す(つなげる)ことができ、翌年、家庭の消費活動を記録して

 いくことで、さらに再来年またその次の年へとつなげていくことができます。

  私たちの家庭生活は1年で終わりではありません。これから先、何年、何十年と

 いう長い家庭生活を送るわけですから、自分たちの家庭生活がどのように変化した

 のか、その歴史を継続的に記録しておくことは有意義です。それは自分たちの財産の

 歴史が継続的に記録されるのと同時に、自分たちの家庭の歴史も継続的に記録される

 ことにつながります。

 

   〆盪座仂班

  財産対照表は、左側に「資産」、右側に「負債」と「正味財産」で構成されています。

 「資産」の合計と「負債」+「正味財産」の合計が一致(バランス)するのでバランス

 シートと言い、家庭の消費活動の結果がここに表示されます。

  家庭決算書では、「正味財産」とは「資産」から「負債」を引いて残った額と

 定義づけています。「資産」をすべて売り払い、「負債」をすべて返済したときに、

 最後に手元に残るお金が「正味財産」です。

 

財産対照表

左方(ひだりかた)

右方(みぎかた)

資 産2,000円

負 債  1,000円    

正味財産 1,000円

合 計2,000円

合 計  2,000円

 

  ◆‐暖饌傘弖彁蚕

  消費損益計算書は「収入」、「消費」、「特別収入」と「特別消費」で構成されて

 います。一年間の家庭生活の消費活動の状況を明らかにするため、収入(収入、

 特別収入)から消費(消費、特別消費)を引いて当期消費損益を計算します。

 

         消費損益計算書

左方(ひだりかた)

右方(みぎかた)

消 費   3,000円

特別消費  1,000円

当期消費損益1,000円

収 入  5,000円 

特別収入    0円

合 計   5,000円

合 計  5,000円

 

   財産対照表と消費損益計算書の関係

  財産対照表と消費損益計算書は連動していて、両者の当期消費損益は、必ず一致し、

 当期消費損益がプラスの場合には正味財産も増加し、マイナスの場合には正味財産も

 減少します。

 すなわち、当期消費損益の増減=正味財産の増減という関係で連動しています。

 

 

 

   当期消費損益が1,000円増加したので、正味財産も1,000円増加し、2,000円に

    なります。