依田宣夫の一言コラム

 

 

               第491回から第500回

 

 

 

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 第500回 改訂版「家庭簿記」入門10

 

 

3仕訳と勘定科目の2つのルール 

 

前述したように、300円の野菜を買って、現金を支払った場合には、一方では野菜と

いう食料に消費をしたので、消費勘定の「食料費」という勘定科目を使い、もう一方では、

現金で支払いをしたので、資産勘定の「現金」という勘定科目を使い仕訳をしました。

家庭簿記では、「仕訳」をする場合、勘定科目の2つのルールがあります。

それは、

(1)勘定科目「左右グループ分け」のルール

(2)勘定科目「増加」・「減少」の仕訳のルール

という2つのルールです。

 

(1)勘定科目「左右グループ分け」のルール

家庭簿記では、取引を仕訳するにあたり、左側を「左方(ひだりかた)」、

右側を「右方(みぎかた)」という用語を使います。

  勘定科目は、各口座勘定に記入する前に、資産、負債、正味財産、収入、

消費という5つの勘定とそれに属する勘定科目を、左側と右側にグループ分けを

します。

  5つの勘定に属する各勘定科目は、「左方(ひだりかた)グループ」と

「右方(みぎかた)グループ」に、次のように分類されます。 

 

 

勘定科目の「左右グループ分け」

 勘定科目の分類 

左方(ひだりかた)グループ

右方(みぎかた)グループ                           

(資産勘定)

現金、電子マネー、普通預金

定期性預金、その他預金、土地

建物、マンション、有価証券

保険積立金、車両、売却可能な高額品

その他資産、現金過不足

 

 

(消費勘定)

税金等

(所得税)(住民税)(社会保険料)

(その他税金)

日常生活費

(食料費)(通信費)(交通費)

(水道光熱費)(新聞図書費)

(消耗品費)

その他生活費

(外食費)(交際費)(医療費)

(旅行費)(教育費)(衣料費)

 

特別消費

住宅ローン支払利息、その他支払利息

資産評価損、有価証券売却損、その他

 

(負債勘定)

住宅ローン、その他借入金、カード未払金、未払金、後払い電子マネー

その他負債

(正味財産勘定)

家族財産、留保財産、当期消費損益

 

 

(収入勘定)

収入

給料、賞与、家族収入、

年金・その他

 

特別収入

受取利息、受取配当金、受贈給付金

資産評価益、有価証券売却益、その他  

 

 

 

(2)勘定科目「増加」・「減少」の仕訳のルール

  

  「左方(ひだりかた)」と「右方(みぎかた)」の各グループの勘定科目の

金額が「増加」した場合と「減少」した場合の仕訳は、次のようになります。

 

  左方(ひだりかた)グループの仕訳

  左方(ひだりかた)グループ(資産グループと消費グループ)は、勘定科目の

金額が増加した場合には「左方(ひだりかた)」、減少した場合には「右方

(みぎかた)」に仕訳されます。

 

左方(ひだりかた)

グループ

勘定科目の金額

増 加

減 少

資産グループ

 

消費グループ

 

左 方

(ひだりかた)

 

右 方

(みぎかた)

  

 

   右方(みぎかた)グループの仕訳

  右方(みぎかた)グループ(負債グループ、正味財産グループと収入グループ)

は、勘定科目の金額が増加した場合には「右方(みぎかた)」、減少した場合

には「左方(ひだりかた)」に仕訳されます。

 

右方(みぎかた)

グループ

勘定科目の金額

増 加

減 少

負債グループ

正味財産グループ

収入グループ

 

右 方

(みぎかた)

 

左 方

(ひだりかた)

 

 

例えば、スーパーで野菜を購入し、500円を現金で支払った場合、

複式簿記では、二つの面から次のように考えます。

顱_燭

髻〜加したのか、減少したのか

 

一面

  (顱鵬燭         (髻冒加したのか、減少したのか

消費グループの食料費が ・・・   増加した

 

消費が500円増加したので左方(ひだりかた)

 

二面

(顱法_燭         (髻冒加したのか、減少したのか

資産グループの現金が  ・・・    減少した

 

資産が500円減少したので右方(みぎかた)

 

にくることになります。

 

この結果、仕訳は、次のようになります。

左 方(ひだりかた)    右 方(みぎかた)

消費グループ        資産グループ

食料費    500円   /   現金 500円

 

左方(ひだりかた)要素

右方(みぎかた)要素

勘定科目

金 額

勘定科目

金 額

消費勘定・

(食料費) 

 

500円

資産勘定・

(現金)

 

500円

 

 

また、レストランで食事をして、5,000円をカードで支払ったとします。

この場合は、消費が5,000円増加したので左方(ひだりかた)に、負債が

,000円増加したので右方(みぎかた)にくることになります。

 

(顱鵬燭         (髻冒加したのか、減少したのか

消費グループの外食費が    ・・・   増加した

負債グループのカード未払金が ・・・   増加した

 

このときの仕訳は、次のようになります。

左方(ひだりかた)   右方(みぎかた)

消費グループ           負債グループ

外食費  ,000円 /  カード未払金5,000円

 

左方(ひだりかた)要素

右方(みぎかた)要素

勘定科目

金 額

勘定科目

金 額

消費勘定・

(外食費) 

 

,000円

負債勘定・

(カード未払金)

 

,000円

 

 

 

(コラム)

 「ホップ・ステップ・ジャンプ仕訳法」 

「ホップ・ステップ・ジャンプ仕訳法」とは、仕訳をする場合、勘定科目が左側(左方)なのか、右側(右方)なのか、よく迷うので、この問題を解決するための方法として考えられたものです。

  

「ホップ・ステップ・ジャンプ仕訳法」とは、.曠奪廖↓▲好謄奪廖

ジャンプの三段跳びの要領で仕訳をする方法です。 

.曠奪廖 _別槁佞韻如⊆莪の勘定科目と得意科目を決定をする

▲好謄奪廖〜減付けで、選んだ得意科目が増加したか減少したかの

     増減付けをする

ジャンプ 左右付けで、勘定科目の「左右グループ分け」のルールに従い、

      左右付けをする

 

 

 ホップ・ステップ・ジャンプ仕訳法

 ホップ

 ステップ

 ジャンプ

 科目付け

 増減付け

 左右付け

 取引がどの勘定科目に分類できるか推測する(得意科目を決定)

 推測した勘定科目の増減を判断する

 右に書くか、左に書くかを確認する

 

例えば、食料品1,500円を購入し、代金を現金で支払ったとします。 

この場合、ホップ・ステップ・ジャンプ仕訳法では次のように考えます。

(機妨酋發箸い資産が、減少した

(供某料費という消費が、増加した

得意科目を現金に決定する・・・現金

 

 ホップ

 ステップ

 ジャンプ

 科目付け

 増減付け

 左右付け

 現金(得意科目)

 減少

  右方

 食料費

 ―

 

 

そこで、現金を右方に書くと、相手科目は左方に書けばよいので「仕訳」は、

つぎのようになります。

 

左方

 右方

勘定科目

 金 額

勘定科目

 金 額

食料費

,500円

現金

 ,500円 

 

 

 

 

 

 

 第499回 改訂版「家庭簿記」入門9

 

2複式簿記と仕訳

 

複式簿記の特徴は、1つの取引を2面的にとらえて記録する点にあります。

例えば、300円の野菜を買って、現金を支払った場合、複式簿記では、この

取引を、300円の野菜を手に入れたという面と、300円の現金が減少したと

いう2つの面から見ることになります。

この場合、一方では野菜という食料の購入に消費をしたので、消費勘定の食料費と

いう勘定科目を使い、左方(ひだりかた)に、他方では、代金の支払いに現金を

使ったので、資産勘定の現金という勘定科目を使い、右方(みぎかた)に記入します。

 

この場合の「仕訳」は、つぎのようになります。

 

左方(ひだりかた)要素

右方(みぎかた)要素

勘定科目

金 額

勘定科目

金 額

消費勘定・

(食料費) 

 

300円

資産勘定・

(現金)

 

300円

 

また、給料28万円が普通預金に振り込まれた場合の仕訳は、

(税金や社会保険料を考慮しないこととする)

 

左方(ひだりかた)要素

右方(みぎかた)要素

勘定科目

金 額

勘定科目

金 額

資産勘定・

(普通預金) 

 

28万円

収入勘定・

(給料)

 

28万円

 

となります。

 

(問)

水道代2,000円が普通預金から引き落とされた場合の仕訳はどうなり

ますか。

 

 

左方(ひだりかた)要素

右方(みぎかた)要素

勘定科目

金 額

勘定科目

金 額

( )勘定・

(   費) 

 

,000円

( )勘定・

(   )

 

,000円

 

(解答)

左方(ひだりかた)要素

右方(みぎかた)要素

勘定科目

金 額

勘定科目

金 額

(消費)勘定・

(水道光熱費) 

 

,000円

(資産)勘定・

(普通預金)

 

,000円

 

 

 

 

 

 

 第498回 改訂版「家庭簿記」入門8

 

 第3章 取引と仕訳

 

 

1仕訳とは

 

取引(会計事実)が少なければ、仕訳帳に記録し、元帳に転記して、家庭決

算書(財産対照表と消費損益計算書)を作ることは簡単ですが、取引(会計事実)が

数百、数千と増えた場合には、いきなり家庭決算書を作ることは困難です。

そこで、まず、取引(会計事実)を仕訳帳に記録し、元帳に転記し、これらを

分類・集計し、試算表を作成し、決算整理をして家庭決算書を作るという、手順が

必要になります。

この手順は次の通りです。

すべての取引(会計事実)→ 仕訳帳 →元帳 →試算表→ 決算整理→家庭決算書

「仕訳」とは、取引ごとに資産、負債、正味財産、収入、消費という5つの勘定と

それに属する勘定科目を左方(ひだりかた)要素と右方(みぎかた)要素に分け、

金額を決定し、記録する方法のことです。

取引ごとに勘定科目を左方(ひだりかた)要素、右方(みぎかた)要素に分け、

金額を決定し、記録するためには、資産、負債、正味財産、収入、消費という

5つの勘定にどのような勘定科目があり、逆にそれぞれの勘定科目が、資産、

負債、正味財産、収入、消費という5つの勘定のどこに属するのかということを

知ることが必要です。

仕訳の特徴は次の通りです。

。韻弔硫餬彈莪から1つの記録をする 

会計取引を勘定科目に分類する

4定科目は、増加、減少によって「左方(ひだりかた)」、「右方(みぎかた)」に

 分かれる

ぁ嶌己(ひだりかた)」、「右方(みぎかた)」の金額は、一致している

 

「仕訳」の基本形は、次のようになります。

 

左方(ひだりかた)要素

右方(みぎかた)要素

勘定科目

金  額

勘定科目

金  額

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 第497回 改訂版「家庭簿記」入門7

 

4 消費損益計算書の勘定と勘定科目

 

消費損益計算書を構成する2つの勘定「収入」と「消費」に含まれる勘定科目は、

次のようになります。

 

            消費損益計算書

左方(ひだりかた)

右方(みぎかた)

消費勘定

 収入勘定

勘定科目

食料費

・・・

 

 勘定科目

給与収入

 ・・・

 

(1)収入勘定と勘定科目

  収入勘定は、家庭簿記では収入と特別収入に分けられています。

収入とは、主に使役を伴って得た収入を言い、副業などの臨時収入を含めた

労働の対価を言います。具体的には給料、賞与、パートやアルバイトなどの

家族収入、年金その他の臨時収入という4つの科目に区分されています。

特別収入とは、主に使役を伴わない収入であり、経済環境によって結果が変動する

収入で、消費損益の増加要因になるものです。特別とは、主に家庭外部の経済要因に

よって、消費損益に変化をもたらすものを意味します。

具体的には、受取利息や配当金、受贈給付金、資産の評価益、有価証券売却益など、

主に金融資産が生み出す利益や金融取引によって得た収入があります。資産の評価益は、

不動産や有価証券など保有している資産の時価が取得価額より値上がりし、含み益が

出ている場合に生じるもので、お金が実際に入金したわけではありませんが、収入と

して計上されるものです。

また、有価証券売却益は、株式などを売却したとき、売却価格から時価評価額

(または取得価額)を差し引いて利益が出た場合に、収益として計上するものです。

 

 

次に、この収入勘定に属する主な勘定科目を項目ごとに見ていきましょう。

(顱房入

 (給 料)

  勤務先からの毎月の勤務手当てなどの支給額、諸手当なども含んだ総額の金額を

  記録するための勘定科目

 (賞 与)

  勤務先から臨時に支給される手当の金額を記録するための勘定科目

 (家族収入)

  家族の人がパート・アルバイトなどで得た収入の金額を記録するための勘定

科目

 (年金・その他)

  年金、講演料、原稿料など臨時収入の金額を記録するための勘定科目

 

(髻貌段娘入

 (受取利息・受取配当金)

  預貯金の利息・株式などの配当の金額を記録するための勘定科目

 (受贈給付金)

  祝い金、報奨金、クレジットカードの割引、保険などの給付金の金額を記録

するための勘定科目

 (資産評価益)

  不動産・有価証券などの評価益の金額を記録するための勘定科目

 (有価証券売却益他)

  不動産・有価証券・車などの売却益の金額を記録するための勘定科目

 

(2)消費勘定と勘定科目

  消費勘定は、家庭簿記では消費と特別消費に分けられています。

消費は「税金等」、「日常生活費」、「その他生活費」の3つの主たる勘定科目に

分類されています。そして、「税金等」は、所得税、住民税、社会保険料及び

固定資産税や自動車税などのその他税金という従たる勘定科目に区分されています。

「日常生活費」とは日常生活を営む上で、毎月ほぼ同程度の消費が行われる消費科目を

言い、「その他生活費」とは月によって金額が異なったり、臨時に発生したりする

消費科目を言います。

具体的には、日常生活費は食料費、通信費、交通費、水道光熱費、新聞図書費などの

従たる勘定科目があり、その他生活費には外食費、交際費、医療費、旅行費、教育費

などの従たる勘定科目があります。

特別消費とは、経済環境によって結果が変動する消費で、消費損益の減少要因と

なるものです。具体的には、借入金の支払利息、資産の評価損や有価証券売却損などが

あります。      

借入金の支払利息は、例えば住宅ローン返済金額が毎月預金口座から引き落とされる

場合に、その内容は元金部分と支払利息の部分に区分されます。元金部分の返済は

借入金の返済であり、支払利息の部分は特別消費になります。

資産の評価損は、不動産や有価証券など保有している資産の時価が取得価額よりも

値下がりし、含み損が出ている場合に、実際にはお金の支払いがあるわけではありま

せんが、特別消費として計上するものです。有価証券売却損は、例えば株式などを

売却したとき、売却価額から時価評価額(または取得価額)を差し引いて損失が出た

場合に消費として計上するものです。

 

次に、この消費勘定に属する勘定科目を項目ごとに見ていきましょう。

(顱望叩“

消費勘定の主たる勘定科目は、それぞれの内容に応じて項目ごとに、従たる

勘定科目(補助科目)に分けられます。

消費勘定の主たる勘定科目「税金等」、「日常生活費」、「その他生活費」のうち、

主な従たる勘定科目(補助科目)の内訳は次のようになります。

 

\廼眦

(所得税)

所得に係わる国税の金額を記録するための科目

(住民税)

所得に係わる地方税の金額を記録するための科目

(社会保険料)

健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料などの金額を

記録するための科目

(その他税金)

固定資産税、都市計画税などの金額を記録するための科目

 

日常生活費

(食料費)

家で取る食事のための主・副材料費などの金額を記録するための科目

(通信費)

電話代、切手、はがき代、TV受信料、宅配便送料などの金額を記録するための科目

(交通費)

交通費、通勤・通学費、ガソリン代などの金額を記録するための科目

(水道光熱費)

電気、ガス、水道料などの金額を記録するための科目

(新聞図書費)

新聞、雑誌、書籍代などの金額を記録するための科目

(消耗品費)

家事、台所用品、園芸用品、一般雑貨などの代金の金額を記録するための科目

 

その他生活費

(外食費)

家庭外で取る食事代金などの金額を記録するための科目

(交際費)

慶弔贈答品、手土産、来客接待費などの金額を記録するための科目

(医療費)

医療に関わる諸費用、薬品代などの金額を記録するための科目

(旅行費)

家族旅行、娯楽・行楽などのレジャー費などの金額を記録するための科目

(教育費)

学費、PTA・給食費、学習塾・お稽古代、文具代、教科書・参考書代などの金額を

記録するための科目

(衣料費)

和洋服などの衣料費、靴、アクセサリー、クリーニング代などの金額を記録する

ための科目

 

(髻貌段名暖

(住宅ローン支払利息)

住宅の購入・増改築に伴う借入金の支払利息の金額を記録するための科目

(その他支払利息)

教育・自動車ローン、カードローンなど住宅ローン以外の借入金の支払利息を記録する

ための科目

(資産評価損)

不動産、有価証券、車などの評価損の金額を記録するための科目

(有価証券売却損他)

不動産、有価証券、車などの売却損などの金額を記録するための科目

 

(3)当期消費損益

消費損益計算書の当期消費損益について考えてみましょう。

消費損益計算書は、家庭生活の一年間の消費活動の結果、どれだけ正味財産が

増えたのか減ったのか、ということを明らかにするための報告書です。このどれだけ

正味財産が増えたのか減ったのかという結果のことを、当期消費損益と言います。

例えば、収入が700、消費が500の場合、消費損益計算書は次のように

なります。

 

 

               消費損益計算書

左方(ひだりかた)

右 方(みぎかた)

消  費

500

  収  入

700

 

当期消費損益

   200

合計 700

合計  700

 

  左方(ひだりかた)には消費、右方(みぎかた)には、収入が並んでいます。

 収入から消費を引くと、当期消費損益が計算されます。

 

収 入 − 消 費 = 当期消費損益

   700 − 500 =  200

この結果、正味財産が200増えたことが分かります。

 

 

 

 

 

 

 

 第496回 改訂版「家庭簿記」入門6

 

3 財産対照表の勘定と勘定科目

 

  財産対照表を構成する3つの勘定「資産・負債・正味財産」に含まれる勘定

科目は次のようになります

                  財産対照表    

左方(ひだりかた)

右方(みぎかた)

資産勘定

負債勘定

勘定科目

現金

・・・

 

勘定科目

借入金

・・・

 

正味財産勘定

勘定科目

家族財産

・・・

 

 

(1)資産勘定と勘定科目

資産とは、家庭簿記では、家庭で所有しているもののうち、現金及び現金化できる

すべてのものを言います。

具体的には、現金、普通預金や定期性預金など金融機関への預貯金、土地、建物、

マンションなどの不動産、株式、国債などの有価証券、解約返戻金のある保険積立金、

売却可能な自家用車などの車両、金地金、ピアノ、宝飾品などの売却可能な高額品など、

敷金、保証金、会員権などが考えられます。

このうち、時価評価(売却予想価格を算定すること)できるものは、時価評価額で

計上することにより、家庭の実態をより正確に表すことができます。例えば土地、

建物、マンションなどの不動産や株式などの有価証券などがあります。

また、売却を目的としない高額品などは、たとえ高額品だとしても資産に計上しない

ほうが管理上複雑にならないと思われます。例えば、高額家電製品、ブランド品など

があります。

 

 次に、この資産勘定に属する主な勘定科目を、項目ごとに見ていきましょう。

(現金)

 紙幣・硬貨などの通貨(国内・外国)を記録するために用いる勘定科目で、小切手、

トラベラーズチェックなどの通貨代用証券も含まれます。

(普通預金)

 銀行、郵便局、信用金庫など金融機関の預貯金を記録するための勘定科目

(定期性預金)

 銀行、郵便局、信用金庫など金融機関の定期性の預貯金を記録するための勘定

科目

(その他預金)

 外貨預金、当座預金、通知預金、定期預金、金銭信託、社内預金などを記録する

 ための勘定科目

(土地)

 自己所有の土地を記録する勘定科目

(建物)

 自己所有の建物と建物附属設備を記録するための勘定科目

(マンション)

 自己所有のマンションを記録する勘定科目

(有価証券)

 株式、公社債、証券投資信託の受益証券などを記録するための勘定科目

(保険積立金)

 保険の解約返戻金を記録するための勘定科目

(車両)

 自己所有の車、自動二輪で売却可能なものを記録するための勘定科目

(売却可能な高額品)

 金地金、ピアノ、家具、宝飾品、書画骨董などで売却可能な高額品を記録する

ための勘定科目

(電子マネー)

 パスモ、スイカやエディなど前払いの電子マネーを記録するための勘定科目

(その他資産)

 敷金、保証金、借地権、他人に対する貸付金、立替金や前払い電子マネーなどを

 記録するための勘定科目

 

(2)負債勘定と勘定科目

負債とは、いずれ支払わなければならない債務のことを言います。

具体的には、住宅購入に伴う資金を金融機関から借り入れる際の住宅ローン、子供の

教育のための教育ローンや車を購入する際の自動車ローンなどの借入金、クレジットカード

などで買い物をしたときの購入代金のうち、まだ決済されていない金額や、つけなどで

飲み食いをした代金などの未払金、一時的に現金などを受け入れた預り金や科目が

決まらない仮受金などが考えられます。

これらの負債のうち注意をしなければいけないのは借入金です。借入金には通常利息がつき、

借り入れの際、借入金額、借入利率、借入年数などによって、支払う利息の総額が

大きく変わり、家庭の消費損益や資金繰りに大きな影響を与えることになるからです。

また借り入れの際、金融機関などでは、不動産が担保となる場合が通常です。

 

次に、この負債勘定に属する主な勘定科目を項目ごとに見ていきましょう。 

(住宅ローン)

 住宅の購入・増改築に伴う代金の銀行・住宅金融公庫などからの借り入れを記録する

 ための勘定科目

(その他借入金)

金融機関・友人などからの借り入れを記録するための勘定科目

(カード未払金)

クレジットカードによる購入代金の未払い分で、後日、銀行預金などから引き落とされる

ものを記録するための勘定科目

(未払金)

 諸資産の購入代金の未払い額、消費代金の未払い額などの金額を記録するための勘定科目

(後払い電子マネー)

IDDCMX、クイックペイなど、後払い型電子マネーを記録するための勘定科目

(その他負債)

一時的に現金などを受け入れた預り金、科目が決まらない仮受金や後払い電子マネーなどの

金額を記録するための勘定科目

 

 

(3)正味財産勘定と勘定科目

正味財産とは、資産をすべて現金化して、負債をすべて返済したときに手元に残る現金の

ことを言います。

正味財産はその性質から、相続や贈与によって父母、祖父母などから譲り受けた財産など

外部の力(他力)によって築かれた財産と自分が働いたり、資産を運用したりして築いた

財産など自分の力(自力)によって築いた財産があります。

前者は家族財産といい、後者は留保財産、当期消費損益に分けられています。

 

次に、この正味財産勘定に属する主な勘定科目を項目ごとに見ていきましょう。 

(家族財産)

 相続や贈与によって家族(父、母、兄弟姉妹、祖父母ほか)から譲り受けた財産、および

 結婚によって得た財産の金額を記録するための勘定科目

(留保財産)

前年までに、給与収入、資産の運用などによって蓄積された、財産の金額を記録するための

勘定科目で、当期消費損益の累計額です。

(当期消費損益)

 今年1年間に、自分で働いたり、資産を運用したりして得た収入で、消費生活をした結果

 としての消費損益(財産の増減)を記録するための勘定科目

 

正味財産は、資産から負債を引いて算出されます。

正味財産=資産―負債

 

例えば、資産の金額が500、負債の金額が350の場合正味財産の金額は

150になります。

 

         財産対照表    

左方(ひだりかた)

右方(みぎかた)

資産  500

負債   350

正味財産 150

合計  500

合計   500

 

 

 

 

 

 

 

 第495回 改訂版「家庭簿記」入門5

 

2 勘定科目

 

これら5つの勘定は、それぞれさらに細かく項目別に区分単位に分けられて

 います。

項目別に区分単位に分けられた各勘定の項目を、「勘定科目」といいます。

 財産対照表では、資産という勘定には、例えば、現金、普通預金という勘定科目、

 負債という勘定には、借入金という勘定科目、また、正味財産という勘定には、

 家族財産という勘定科目などがあります。

消費損益計算書では、消費という勘定には、例えば食料費という勘定科目、

 また、収入という勘定には、給料という勘定科目などがあります。

 

               財産対照表 

左方(ひだりかた)

右方(みぎかた)

資産勘定

負債勘定

勘定科目

(現金)

(普通預金)

 ・・

 勘定科目

(借入金)

(カード未払金)

  ・・

正味財産勘定

勘定科目

(家族財産)

(留保財産)

  ・・

 

 

             消費損益計算書

左方(ひだりかた)

右方(みぎかた)

消 費 勘 定

収 入 勘 定

勘定科目

(食料費)

・・

 

勘定科目

(給料)

・・

 

 

(コラム)

 

「科目設定」とは                  

科目というのは、計算を行うひとつの単位として、その内容を分かりやすく、

簡潔に表現するために設けられたものです。科目の設定は、本来、自由に行う

ことができますが、家庭決算書では、一般的に使われている科目と、必要と

思われる科目を設定してあります。また、家庭で自由に科目を設定することも

可能です。この際注意すべき点は、自分たちが分かりやすい名称をつけ、一度

決めた科目の名称はできるだけ変えないようにすることです。これは将来、

科目ごとに比較したり、推移を見たり、分析する上で役に立つからです。

 

 

 

 

 第494回 改訂版「家庭簿記」入門4

 

 第2章  勘定と勘定科目

 

 

1 勘定と5つのキーワード

 

  家庭簿記(家庭用複式簿記)には、5つのキーワードがあります。

5つのキーワードとは、財産対照表と消費損益計算書の「資産」、「負債」、

「正味財産」、「収入」、「消費」という5つの計算項目のことです。

これら5つの計算項目は、家庭の取引によって、増加したり減少したりします。

この増加したり減少したりする取引を、左と右の両欄に対象表示する計算形式の

ことを、「勘定」といいます。

この「勘定」は、次の表のようにT字型の形式が一般的に使用されています。

 家庭簿記(家庭用複式簿記)では、勘定の左側を「左方(ひだりかた)」、

勘定の右側を「右方(みぎかた)」と呼ぶことにします。

 

             X Y 勘 定

左方(ひだりかた)

右方(みぎかた)

 

 

家庭決算書では、財産対照表の左方(ひだりかた)に資産、右方(みぎかた)に

負債と正味財産という勘定、消費損益計算書の左方(ひだりかた)に消費、

 右方(みぎかた)収入という勘定があります。

  

   財産対照表

左方(ひだりかた)

右方(みぎかた)

資 産 勘 定

負 債  勘 定

正味財産 勘 定

 

 

              消費損益計算書

左方(ひだりかた)

右方(みぎかた)

消 費 勘 定

収 入 勘 定

 

 

 

 

 

 

 

 第493回 改訂版「家庭簿記」入門3

 

3 家庭決算書と二つの報告書

 

(1)家庭決算書

家庭決算書は、家庭簿記という複式簿記の一定のルールに従って、組織的に

作り上げられた真実の情報で、家庭生活を継続的に明らかにしていく会計情報です。

家庭決算書は、財産対照表と消費損益計算書という2つの報告書から構成されています。

財産対照表は家庭の財産の状態を表すもので、資産、負債と正味財産という内容で

構成され、資産は負債と正味財産の合計に一致します。消費損益計算書は、家庭の収入

から消費を差し引いて消費損益を計算します。

財産対照表は1年のある時点、例えば年の初めとか、年の終わりなどにおける家庭の

財産の状態を明らかにしてくれます。消費損益計算書は、財産の増減の原因を明らかにし、

どうして財産がこのように増えたのか、減ったのか、その理由をはっきりさせます。

また、この家庭決算書は1年で終わることなく、今年終えた財産対照表の結果を

そのまま翌年へ繰り越す(つなげる)ことができ、翌年、家庭の消費活動を記録して

いくことで、さらに再来年またその次の年へとつなげていくことができます。

 

(2)二つの報告書

  家庭簿記(家庭用複式簿記)では、一年間の家庭生活の後、決算整理をし、

財産対照表と消費損益計算書という二つの報告書(家庭決算書)を作ります。

その内容は、次のようになっています。

 

  財産対照表

財産対照表は、家庭の財産の状況を明らかにするために作成され、その内容は、

左方(ひだりかた)と右方(みぎかた)の2つに分かれ、左方(ひだりかた)

には、資産、右方(みぎかた)には、負債と正味財産の2つから構成されて

います。

      

       財産対照表

左方(ひだりかた)

右 方(みぎかた)

資  産

負  債

正味財産

 

 

 

 

 

 

資産=負債+正味財産

「資産」とはプラスの財産である

「負債」とはマイナスの財産である

「資産」と「負債」の差が「正味財産」である

 

  消費損益計算書

消費損益計算書は、家庭の消費損益を明らかにするために作成され、その内訳は、

左方(ひだりかた)と右方(みぎかた)の2つに分かれ、左方(ひだりかた)は

消費と当期消費損益の2つから、右方(みぎかた)は収入から構成されています。

 

         消費損益計算書

左方(ひだりかた)

右 方(みぎかた)

消  費

  収  入

当期消費損益

 

消費+当期消費損益=収入

「消費」とは家庭生活に必要な消費のために支払う金額

「収入」とは労働の対価として得る金額        

当期消費損益」について

当期消費損益は、財産対照表の正味財産の欄と消費損益計算書の当期消費損益の欄の

 2ヶ所に顔を出す

当期消費損益は、計算によって求められる(他の項目は事実から求められる)

当期消費損益の計算が正しいかどうかは、財産対照表の正味財産の欄の当期消費損益

 消費損益計算書の当期消費損益が一致するかどうかで、チェックできます。

 

 

(3)財産対照表と消費損益計算書の関係

財産対照表は家庭の財産の状況を明らかにし、消費損益計算書は消費損益を

明らかにします。両者は、当期消費損益で結びついていて、財産対照表の正味

財産の欄の当期消費損益と消費損益計算書の当期消費損益は必ず一致します。

 

   財産対照表

左方(ひだりかた)

右方(みぎかた)

資産

正味財産

現金   300円

 

家族財産   100円

当期消費損益 200円

合計   300円

合計     300円

          

           消費損益計算書         

左方(ひだりかた)

右方(みぎかた)

消費

収入

食料費    100円

当期消費損益 200円

給料  300円

合 計    300円

合 計 300円

 

 

 

 

 

 

 

 

 第492回 改訂版「家庭簿記」入門

 

 

2 家庭生活と財産の管理に必要な情報

 

() 家庭生活

 

家庭生活とは、社会的な存在としての人間が、労働力を提供し、収入を得てそれを消費し、

人間活動力を回復し再び労働力を提供するという循環を行うことだと言われています。

家庭とは人間が人間らしく生きる拠点で、生活をする場所・空間のことをいい、一戸建ての家、

マンションだけでなく、1DKの賃貸の部屋など人間が生活をしている全ての拠点(生活空間)

ことをいいます。

人間の生活は、家庭という場所で、生きていくために衣、食、住を営み、生命

及び労働力を再生産する活動をいい、家庭という場所で生活する人間を生活主体といいます。

生活主体とは、家庭で生活し、社会人としての知識・教養を持ち、道徳・倫理観を備え、

独立した人間としての判断能力を持って自己責任の下に行動できる人のことです。

家を所有しているとか、家族がいるとかは問題ではなく、その人が独立した生活基盤を

確保しているか否かが問題となります。独立した人間とは自らの責任と判断の下に

自らの能力によって収入を得て生活できる人間のことを言います。

 

() 家庭生活の課題

 

家庭生活の課題は大きく(1)家庭内生活(2)社会生活(3)家庭の財産の3つに

区分されます。家庭生活をささえる各種の生活物資の生産技術の進歩や流通機構の発達が、

家庭生活を大きく変化させ、核家族化や人口の少子高齢化だけでなく、取引形態の複雑化を

進めました。

このような家庭を取り巻く環境の変化に対応して、家族問題、老後の問題、社会福祉の

問題等、家庭内生活や社会生活という従来の課題だけでなく、生活者の視点から、

消費満足をし、誰もが安心して暮らせる、持続可能性のある健全な生活を作り上げるため、

家庭の財産という新たな課題も生じてきました。

 

(3)家庭の財産

 

家庭の財産には資産というプラスの財産と負債というマイナスの財産があります。

資産とは、家庭で所有しているもののうち、現金及び現金化できるすべてのものを言います。

現金化できるものとは、現金と交換できる価値のあるもので、その価格を示すことが

出来るものです。具体的には、現金、普通預金や定期性預金など金融機関への預貯金、

土地、建物、マンションなどの不動産、株式、国債などの有価証券、解約返戻金のある

保険積立金、売却可能な自家用車などの車両、金地金、ピアノ、宝飾品などの売却可能な

高額品、敷金、保証金および会員権などが考えられます。

負債とは、いずれ支払わなければならない債務のことを言います。具体的には、住宅購入に

伴う資金を金融機関から借り入れる際の住宅ローン、子供の教育のための教育ローンや

車を購入する際の自動車ローンなどの借入金、クレジットカードなどで買い物をしたときの

購入代金のうち、まだ決済されていない金額や、つけなどで飲み食いをした代金などの

未払金、一時的に現金などを受け入れた預り金や科目が決まらない仮受金などが考えられます。

 

(4)財産管理に必要な情報

 

家庭の財産を管理するためには、家庭の財産の現状を把握し、労働で得た収入をいかに

消費満足が最大にできるような消費をするかという意思決定をしなければいけません。

この意思決定に必要な情報には、他者から与えられる「外部情報」と自分たちで作った

「内部情報」という二つの情報があります。

この二つの情報を持つことによって、意思決定がより正確なものとなり、家庭の財産管理を

より有効なものとすることが可能となります。

 

  外部情報

「外部情報」とは、テレビ、新聞、雑誌などのメディアや個人のネットワーク、友人など

から得る情報のことです。

  内部情報 

「家庭の内部情報」とは、各家庭独自の情報で、先祖からの伝統やしきたりなどがありますが

、財産に関する家庭の内部情報としては、従来の家計簿と家庭簿記(家庭用複式簿記)を

利用して作った家庭決算書があります。

特に、家庭決算書は、家庭簿記という複式簿記の一定のルールに従って、組織的に作り

上げられた真実の情報で、家庭生活を継続的に明らかにしていく会計情報です。

 

 

 

 

 

 

 

 第491回 改訂版「家庭簿記」入門

 

第1章  家庭簿記(家庭用複式簿記)とは

 

 

1 家庭と会社の違い

 

(1)報告書の違い

 

会社の財産の状況や損益を明らかにするための報告書を、「財務諸表」と

言います。財務諸表は3つの表からできています。それらは貸借対照表、株主

資本等変動計算書と損益計算書です。貸借対照表は、会社の財産の状況を明らかにし、

株主資本等変動計算書は、株主資本その他の純資産の項目の増減内容を明らかにし、

損益計算書は、会社の一年間の経営成績を明らかにします。これらは、一体となって

構成されており、どれかが欠けると会社の経営には役立ちません。

 

財務諸表は、1年に1度、「商業簿記・工業簿記」という複式簿記によって決算をして

作ります。

そして、この財務諸表は一年で終わることなく、今年終えた貸借対照表の結果をそのまま

翌年へ繰り越して(つなげて)いきます。さらに翌年、会社の経営活動を記録して

いくことで、再来年またその次の年へとつなげていくことになります。

 

一方、家庭の財産の状況や消費損益を明らかにするための報告書を、「家庭決算書」と

言います。家庭決算書は2つの表からできています。その1つは財産対照表で、

もう1つは消費損益計算書で、財産対照表は家庭の財産の状況を明らかにし、

消費損益計算書は家庭の消費損益を明らかにします。財産対照表と消費損益計算書の

2つが一体となって家庭決算書は構成されており、どちらか一方が欠けると家庭の経営に

は役立ちません。

 

家庭決算書は、1年に1度、「家庭簿記」(家庭用複式簿記)によって決算をして作ります。

この家庭決算書は一年で終わることなく、今年終えた財産対照表の結果をそのまま翌年へ

繰り越して(つなげて)いきます。さらに、翌年、家庭の消費活動を記録していくことで、

再来年またその次の年へとつなげていくことができます。私たちの家庭生活は一年で

終わりではありません。これから先、何年、何十年という長い家庭生活を送るわけです。

そのなかで、自分たちの家庭生活がどのように変化したのか、その歴史を記録しておく

ことは有意義なことです。それは自分たちの財産の歴史が継続的に記録されるのと同時に、

自分たちの家庭の歴史も継続的に記録されることにつながるのです。

  

 

このように決算書と複式簿記は密接不可分の関係にあり、複式簿記を知ら

ずに、会社や家庭の正確な経営分析や利益計画などを行うことはできません。

複式簿記の知識は、会社や家庭の経営にたずさわる人にとって、基本であり、

必要不可欠と言えます。

(2)複式簿記

いままで複式簿記は、主に会社などの経理を担当する人が勉強すればよいと

考えられてきました。また、複式簿記の検定試験・税理士や公認会計士の試験に合格すると、

就職などに有利になるということで、複式簿記の勉強をするものだと考えられてきました。

このような、いままでの複式簿記は、商業簿記や工業簿記と呼ばれています。しかし、

これからの時代は、会社だけでなく家庭でも、複式簿記を利用した決算書を作成して

経営分析をしたり、経営に対する評価や反省をしたりして、今後のあり方を考え、

将来の計画をたてることが必要になりました。この家庭用の複式簿記を家庭簿記といいます。

 

それでは、商業簿記・工業簿記と家庭簿記(家庭用複式簿記)とは、どう

違うのでしょうか。その主な違いは、次のような点にあります。

商業簿記・工業簿記では、仕訳に借方(かりかた)、貸方(かしかた)という

用語を使っていますが、家庭簿記では、仕訳に左方(ひだりかた)、右方(みぎかた)と言う

用語を使っています。

商業簿記・工業簿記で作られる報告書を財務諸表と言い、貸借対照表・株主資本等変動計算書と

損益計算書から構成されています。

一方、家庭簿記で作られる報告書を家庭決算書と言い、財産対照表と消費損益計算書から

構成されています。

商業簿記・工業簿記の対象は株式会社などの会社ですが、家庭簿記の対象は、給与所得者です。

また、会社の目的は利益を最大にすることですが、給与所得者の目的は、消費満足を最大に

することです。

会社と家庭との違いは、次のようになります。

 

 

 

   会  社

   家  庭

 

複 式 簿 記

 

 商 業 簿 記

 工 業 簿 記

 

家 庭 簿 記

(家庭用複式簿記)

 

仕訳の用語

借方(かりかた)

 

貸方(かしかた)

左方(ひだりかた)

 

右方(みぎかた)

 報 告 書

 (決算書)

 財 務 諸 表

(貸借対照表・

 損益計算書・株主資本等変動計算書)

 家庭決算書

(財産対照表・

 消費損益計算書)

 

  目  的

  利   益

 消 費 満 足

  会  計

 企 業 会 計

 給 与 会 計

  対  象

株式会社・合資会社

合名会社・合同会社

 給 与 所得者 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(コラム)

「複式簿記について」

簿記とは、取引を帳簿に記録することをいい、帳簿に記録する方法として、

単式簿記と複式簿記があります。

単式簿記とは、現金の入金と出金の取引を記録する方法のことで、記録する

帳簿を現金出納帳といいます。

単式簿記は、仕訳が無いので試算表が作れない、当期消費損益の発生原因を

明らかにすることが出来ない、経営活動が拡大して記録が増えると、その正確性を

確かめることがむずかしいとか一定の簿記原理を有しないなどという欠点があるため、

現在では家計簿などに利用されているだけで、簿記といえば、複式簿記を意味すると

いわれています。

複式簿記とは、すべての取引をシステム的に記録する方法のことで、記録する

主要な帳簿には仕訳帳と総勘定元帳があります。

複式簿記の考え方は古くからあり、15世紀末にイタリアの数学者ルカ・パチョーリに

よって著作にまとめられてから、すでに500年以上経過しています。商業の発達に

伴って複式簿記は広く認識され、ドイツの文豪ゲーテも、名作『ヴィルヘルム・マイスターの

修行時代』の中で、「複式簿記が商人に与えてくれる利益は計り知れないほどだ。人間の

精神が生んだ最高の発明のひとつだね。立派な経営者は誰でも、経営に複式簿記を取り

入れるべきなんだ」(山崎章甫訳 上.P54 岩波文庫)とその有用性を述べた場面は

よく知られています。

この知恵を活かし、現在のような複雑な経済社会において、家庭におけるお金やものの

出入りを記録するための方法として家庭簿記(家庭用複式簿記)が考えられました。

では何のためにお金やものの出入りを家庭簿記(家庭用複式簿記)で記録するのかというと、

家庭の財産の状況や消費損益をシステム的に明らかにするためです。家庭の財産の状況や

消費損益が把握できれば、財産が増えたのか減ったのかが明らかになり、もっと財産を

増やすためにはどこをどう工夫すればよいのか、その計画を立てることが可能になります。

家庭には、家庭全体を管理する家庭の経営者がいます。家庭の経営者は、家庭簿記

(家庭用複式簿記)で財産対照表と消費損益計算書という2つの報告書(家庭決算書)を

作り、これを自分たちのオリジナルな情報として、また家庭生活における必需品として

利用する時代になったのです。