依田宣夫の一言コラム

                       

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   特集コラム2  1000兆円の国の借金は、わたしたち、大人の責任です

 

 

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第260回

家庭生活と家庭簿記(6)

第259回

家庭生活と家庭簿記(5)

第258回  

家庭生活と家庭簿記(4)

第257回

家庭生活と家庭簿記(3)

第256回

家庭生活と家庭簿記(2)

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平成 26 年 国民生活基礎調査の概況

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家計調査報告ー平成28年(2016年)5月分速報ー

第251回

定年後のセカンドライフ

 

第260回 家庭生活と家庭簿記(6)

 

(3)消費と消費満足

 

   ‐暖

   消費とは、収入で得たお金を私たちが欲しい物を手に入れるための交換手段として

  使うことです。

    また、消費を、消費の対象から見ると、狭義には市場で販売されている消費財・

   サービスの購買・サービスであるが、広義には、〇埔譴波稜笋気譴討い訃暖餾癲

   サービスに加えて公的に提供される医療・福祉・教育などの公共財・サービス

   C楼茲覆匹廼ε(共同・協同・協働)に提供される共助財・サービスせ篥な

   アンペイド・ワークによって提供される自給的生活財・サービスヅ形鎧餮擦修里發

   によって提供される自然環境財・サービスなど生活のために利用できる財・サービスを

   活かす行為である。

    また、消費のプロセスから見ると、狭義には購買、法律的には消費者契約、経済的には

   消費者取引であるが、広義には〃戚鵝購買前の消費への探索購買(金銭を使って

   消費財・サービスを得る)「独自化」「自事化」(消費財・サービスを自分のための

   生活手段に転化する)ず能消費(生活手段を利活用して満足を得る)ソ萢(満足を

   得た後の消費財・サービスの処分・再利用)η儡・リサイクル(処分・再利活用後の

   廃棄・社会的再生)の6つの段階があるといわれています。

  (御船美智子編著「消費者科学入門」p5光生館)

 

  ⊂暖駛足

   家庭生活においては、消費した結果、すなわち、お金を使った結果、満足したと思える

  ような使い方をすることが、重要です。

    お金を使うことによって得られる満足のことを、「消費満足」と言う言葉で

    呼ぶことにしました。 

    私たちがお金を使う場合、お金を使って良かったと思うこと、すなわち。消費満足が

   大きければ、そのお金は、価値のある使いかたをしたということになります

   消費満足を最大にするためにお金を使うという意味は、欲しい物の自分にとっての価値と

   お金の価値を評価し、お金を使った結果、その満足を最大にするという意味です。

   そのためには、お金を「今、使う方が良い」のか「将来、使う方が良い」のかという

   判断をする必要があります。 今、お金を使ったほうが消費の満足度が大きいと判断する

   なら、今、使うべきだし、将来、何かの目的のために使ったほうが消費の満足度が大きい

   と判断するなら、将来の消費のためにお金を使う、すなわち、貯めたほうが良いと

   判断することになります。

   お金を「今、使う方が良い」のか「将来、使う方が良い」のかという判断をするには、

  お金に関する自分たちの「真実の情報」を持つことが必要です。この情報を生かして、

 お金の使い方を決めていくのです。例えば、家族で海外旅行をするとか、車を購入する

 場合には、自分たちの「真実の情報」のもとで資金計画を立て、家庭の正味財産を計算して、

 合理的な判断に基づいてお金を使うことによって、消費満足を最大にすることが可能です。

   しかし、消費満足を最大にすれば良いと言って、家庭の健全性を害してまで消費に走った

  としても、その消費の結果は決して満足をもたらすものにはなりません。

 私たちは、より良い家庭生活を維持し、向上させるために、自分たちの真実の情報を有効に

 使って、収入を増やすことと同時に、お金を消費すること、すなわち、お金を「今、使う」

 のか、「将来、使う」のかという判断をし、人生という長期間にわたる家庭生活の消費満足の

 総和をできるだけ大きくすることが、最も大切なことであり、その実行力が、問われている

 のです。

 

(4)消費満足と家庭の消費活動

   消費した結果に対する満足度は、人により、各家庭により様々ですが、お金を消費した結果、

  満足したと思えるのは、お金の消費の方法が良かったからであり、満足しない結果となって

  しまった場合には、お金の消費の方法が悪かったという事が、大きな原因であるといえます。

   消費満足を最大化するためのプロセスを、家庭の消費活動から見ていくと、次の

  ようになります。

 

家庭の消費活動の流れと消費満足

 

 

 

  ・収入

    収入とは、給料など主に使役を伴って得た収入や賞与や副業などの臨時の収入を

   含めた労働の対価を言います。労働の対価として得た収入は、通常、お金という形で

   私たちの手元に入ります。そして、このお金を私たちは生活のために使っていきます。

  ・消費(お金を使う)

    お金を消費するということは、生活するために、お金を使うということです。

    また、お金を消費するということは、「現在の消費のため」と「将来の消費のため」に

    分けられます。

    「現在の消費のため」に消費をするとは、現時点で財やサービスを購入することで、

    例えば食料品の購入とかレストランで食事をするとか水道や電気代の支払いなどがあります。

    「将来の消費のため」に消費をするとは、将来の消費に備えてお金を運用することで、

    定期預金などをして貯蓄をするとか株や債券の購入などの投資がこれに当たります。

  ・意思決定

    お金を使うということは、お金を使うという意思決定をしなければいけません。

   私たちは、通常、この意思決定を自分たちが持っている情報によって行っています。

    この情報は、「外部情報」と「内部情報」の二つの情報に分けられます。

    「外部情報」というのは、メディアや個人のネットワーク、雑誌、テレビ、友人など

    からの情報です。

    「内部情報」というのは、自分で作った、自分たちだけに関する情報で、お金に関する

    家庭の会計情報がこれにあたります。

    私たちは、この二つの情報を持つことによって、お金を使うときの意思決定がより

    的確なものとなり、危険を小さくすることが可能となります。もし、片方だけの

    情報しか持っていない場合、例えば、外部情報だけに左右されてしまうと、意思決定の

    危険性は大きくなり、家族全員が満足する結果を得ることは難しいことになるでしょう。

     また、お金を使うという意思決定をする際には、「いつ」、「何のために」、

    「どう使うか」ということを考える必要があります。特に、家族で海外旅行をするとか、

    家を購入するとか、自動車などの高額品を購入するなどの意思決定をする場合には、

    慎重に考える必要があります。

  ・結果に対する満足度

     お金を使った結果に対する満足度は、人により家庭によりさまざまです。各個人、

    各家庭でのライフスタイルや価値観が違っていますので、お隣の家庭と比較をして

    お金を使った結果が良かったとか悪かったとかを、判断するようなものではありません。

    結果の成否は、あくまで自分たちの価値観に照らした消費の満足度が唯一の尺度となります。

    健全な家庭を中長期にわたって維持していけるということを前提にして、消費の満足度を

    最大にしていくべきです。

 

 (5)家族全員の消費満足

     近年、消費の形態が複雑化し、消費をめぐる状況が大きく変化した結果、消費満足を

    高めることが大変難しくなっています。

    例えば外貨預金、株式投資、投資信託などいろいろな利殖の方法を利用できるように

    なったり、インターネットバンキングなどインターネットによる取引ができるように

    なったり、また携帯電話の普及、カード取引や電子マネーの登場など消費の形態も

    非常に複雑になり、選択肢も増えました。さらに、インターネットの普及によって、

    外部情報が洪水のように家庭に流れ込んでくるようになり、選択の複雑化に拍車を

    かけています。

     このように、消費をめぐる状況が変化した結果、今までのように夫が収入を得て、

    妻が家計簿で消費を管理するという構図には無理が生じています。膨大な選択肢と

    膨大な外部情報の中から、消費満足を最大化する選択を妻だけに押しつけるのは酷と

    いうものです。夫と妻と、さらにはこどもも一緒になって、家族全員で消費満足を

    最大化する方法をどのようにするかに知恵を絞るべき時代になったのです。

     家庭は利益を追求する組織ではありません。もし家庭が利益を追求する組織だとしたら、

    収入を増やして消費を削る家庭が良い家庭で、その反対は良くない家庭ということに

    なります。  

    貯めるのは善で、使うのは悪ということになります。

    そうではなくて、家庭の中心は消費にあります。

    家庭という組織が追求すべきものは、給料という限られた収入の中で、いかに消費満足を

    高めるかということで、家族全員の幸せのために何にお金を使うべきかを正しく

    意思決定することです。家族全体の消費満足という観点で言えば、問題点に気づき、

    原因を探し、解決策を練って、自分たちにとって本当の消費満足は何かを見つけ出す

    ことが大切なのです。

 

 (6)家庭と会社の目的の違い

    会社と家庭は、最終的な目的が違います。会社の目的は売り上げを拡大し、コストを

   削減することによって、利益の極大化を図ろうとすることです。

    これに対して、家庭の目的は、家庭の役務の対価である収入と消費を通して、いかに

    消費満足を高めるかということです。家庭の場合、家庭の収入をアップすることは、

    なかなか難しいものです。主な収入が夫のサラリーである場合、定年に向けて微増して

    いくことはあっても、来年の収入がいきなり2倍になるということは、まずありえません。

     一方、消費のほうは、家族の意思決定いかんによって、その内容もボリュームも大きく

    変えることができます。つまり、家庭生活では、実質的にコントロールの対象となるのは、

    収入ではなく消費なのです。

    しかし、消費を削減することは、必ずしも善ではありません。なぜなら、家庭が

    収入を得るのは、まさに消費をするためであり、消費は家庭の経済活動そのもの

    だからです。したがって、会社においてはコストを極力小さくすることが望ましい

    のですが、家庭においては消費が小さければよいというわけではありません。

    問題は、消費の質です。いかに満足度の高い消費をしていくかということが、

    家庭の最大のテーマなのです。そういう意味でも消費の満足度を高めることこそが、

    家庭生活の中心課題と言えるのです。

 

 

 

 

 

第259回 家庭生活と家庭簿記(5)

 

3、消費満足

 (1)財産の変化と消費活動

    家庭の財産は、現在の財産から労働による収入と、それを消費するという消費活動を経て、

   新しい財産へと変化して行きます。このプロセスは、毎年、毎年、継続して繰り返され、

   財産は現在の財産から消費活動を経て翌年度、翌々年度・・・へと毎年新しい財産へ変化

   していきます。

       

  (財産1)・→収入―消費・→(財産2)・→収入―消費・→(財産3)・→

(消費活動)        (消費活動) 

  

    家庭においては、財産の内容と消費活動がどのように行われているのか正しく理解する

   ことが重要です。例えば、現在の財産(財産1)が100で収入が300で消費が250

   だとすると新しい財産(財産2)は150(100+300−250)になります。

   この場合、財産の変化の原因は、家庭の消費活動にあり、財産が100(財産1)から

   150(財産2)に50増加したのは、収入が300で消費が250という消費活動の

   結果です。

             (消費活動)

    (財産1)・→  収入―消費 ・→ (財産2)

    100   300 − 250  150

   

  (2)収入について

    家庭生活の中心である給与所得者(国や法人などに勤務して給与所得を得ている人)は、

   家庭生活を維持し、健全な家庭を築くために会社などで働いてその労働の対価として

   給料などの収入を得て、それを消費していきます。

     給与所得者の家庭生活を支えている収入の主なものは、給料です。給料は、一般的に

    会社から毎月銀行口座へ振り込まれますが、その手取額は給料の総額ではありません。

    毎月支給される給料の総額から所得税、住民税、社会保険料などが天引きされ、その

    差額が振り込まれています。

     また、給与所得以外の収入には、家族が、会社に勤めたりパートやアルバイトをしたり

    して得た収入や、厚生年金や企業年金などによる収入もあります。

     一方、預貯金の利息、株式や保険などの配当や出産などの祝い金、報奨金、保険などの

    給付金、土地や建物の売却益、株式や投資信託などの売却益、宝くじの当籤金とか、

    土地や建物の評価益、株式などの評価益など、主に使役を伴わない収入で経済環境に

    よって結果が変動する収入があります。

     これらの収入は、通常お金が入金されますが、お金の入金のない収入もあります。

    例えば土地、建物やマンションの時価の上昇による評価益や株式の株価の上昇による

   評価益などは、収入として認識しますが、実際にはお金は入金しません。これらは、家庭で

   今すべての財産を売却した場合、手元に現金がいくら残るかという正味財産を計算する上で

   必要となるものです。自分たちが所有している土地や建物などは、売却すればお金の入金は

   ありますが、実際にはすぐに売却するものではありません。しかし、今、いくらで売却

   できるかということを確認しておくことは、家庭経営において実は重要なことなのです。

 

  (参考)給与所得について

    給料というのは、賃金や賞与などとともに、所得税法上、給与所得に含まれます。

   給与所得者の給与所得は、給与の総収入から所得税の計算上必要経費と認められる

   給与所得控除額を差し引いて計算されます。これは会社の売り上げに相当する給与の

   総収入から、会社の経費に相当する給与所得控除額を控除した利益と認識されています。

    給与所得控除は、所得税の税金計算上の必要経費として控除され、その金額は給与などの

   収入金額に応じて概算計算されています。

   必要経費を実額計算でなく概算計算する理由は、給料は役務の対価としてもらうもので、

   もらう金額もおおむね一定額に確定していること、また給与所得者が勤務に関連して

   必要経費を支出する場合、各自の性格やその他の事情を反映して支出形態、金額を異に

   しているし、収入金額との関連性も間接的かつ不明確であること、必要経費と家事上の

   経費またはこれに関連する経費との明確な区分が困難であるからと言われています。

   さらに、給与所得者の数が多いため、個別的に実額控除をすることは、技術的、量的に

   困難で、徴収費用の増加や、混乱を生ずる心配がある、また各自の主観的事情や立証技術に

   よって、かえって租税負担の不公平をもたらすおそれがあると説明されています。

   (昭和60年3月27日最高裁大法廷判決)

    ただし、所得税の計算において、給与所得者がその年に特定支出の対象となる特定支出を

   した場合、特定支出の額の合計額が給与所得控除の金額を超えるときは、超えた金額を

   給与所得から控除できることになっています。特定支出の対象となる特定支出とは…牟佝顱

   転居費、8修費、せ餝兵萋脆顱↓サ宅旅費。Χ侈撹要経費の6種類の支出をいいます。

    給与所得とは、「所得税法上、俸給、給料、賃金、歳費、賞与及びこれらの性質を有する

   給与にかかわる所得」をいうものとされています。(所得税法第28条第1項)

  「これらの性質を有する給与」とは、単に雇用関係に基づき労務の対価として支給される

   報酬というよりは広く、雇用またはこれに類する原因(例えば、法人の理事、取締役等に

   見られる委任又は準委任など)に基づいて、非独立的に提供される労務の対価として、他人

   から受ける報酬及び実質的にこれに準ずべき給付(例えば、各種の経済的利益など)をいいます。

   換言すれば、労務の提供が自己の危険と計算によらず他人の指揮監督に服してなされる場合に、

   その対価として支給されるものが給与所得であるということができるのです。

   したがって、「その雇用関係等が継続的であると一時的であるとを問わず、また、その

   支給名目の如何を問わないし、提供される労務の内容について高度の専門性が要求され、

   本人にある程度の自主性が認められる場合(国会議員の歳費や普通地方公共団体の議会の

   議員の報酬など可成り性質の異なるものも給与所得とされています。)であっても、労務が

   その雇用契約等に基づき、他人の指揮監督の下に提供され、その対価として得られた報酬等

   である限り、給与所得に該当すると言わなければならない」とされています。

   (京都地裁昭和56年3月6日判決)

    このように、給与所得とは、雇用契約またはこれに準ずる関係に基づいて非独立的に

   提供される労働の対価を言い、具体的には雇用主から支払われる給与だけでなく、委任契約に

   基づく役員報酬なども含まれます。

   また給与所得には、金銭で支払われるものだけでなく現物給与や経済的利益、例えば、

   会社からボーナスとしてもらった自社製品、低額な社宅家賃などについても、給与所得に

   含まれます。

    さらに、給与所得と事業所得との区分関係において、「事業所得とは、自己の計算と

   危険において独立して営まれ、営利性、有償性を有し、かつ反復継続して遂行する意思と

   社会的地位とが客観的に認められる業務から生ずる所得を言い、これに対し、給与所得とは、

   雇用契約又はこれに類する原因に基づき使用者の指揮命令に服して提供した労務の対価と

   して使用者から受ける給付を言う。」とされています。

    なお、給与所得については「とりわけ、給与支給者との関係において何らかの空間的、

   時間的な拘束を受け、継続的ないし断続的に労務又は役務の提供があり、その対価として

   支給されるものであるかどうかが重視されなければならない」とされています。

   (最高裁昭和56年4月24日判決)

 

 

 

 

 第258回 家庭生活と家庭簿記(4)

 

 (4)お金の管理

    従来、夫は、サラリー(給料)を運ぶマン(人間)で、毎月のこずかいを節約するだけで、

   家庭の経営や家庭におけるお金の管理など、自分自身の家庭の生活状況についてまったく

   知識を持つ必要がないと考えられてきました。

    しかし、今はどうでしょうか。現在、主婦がパートをするとか、共働きをするなど、

   さまざまな生活形態が生じ、家庭生活が大きく変化しました。健全な家庭経営を維持する

  ために、主婦だけでなく、夫も、サラリー(給料)を得て、それをいかに消費するかという

  ことを、マン(人間)として、家庭のお金の管理方法を夫婦一緒に考える時代になりました。

  お金の管理方法としては、共働きの場合には、例えば、自分の収入は自分で管理し、支払いは

 一括して、半分ずつを負担し、残ったお金は各自が自由に使う方法とか夫婦の収入はすべて

 合算し、すべての支払いを済ませ、残ったお金を半分ずつに分けて、それぞれ自由に使う方法

 など工夫するようになりました。もちろん、お金の管理は、すべて妻任せという方法を

 取っている家庭もあります。

   また、家庭の収入方法もいろいろな形が生じ、取引方法もパソコンによる取引、電子マネー

  による取引やクレジットカードによる取引など複雑になり、節約方法も自分たちに合った

  生命保険をどのように選ぶか、住宅ローンをどのように組むかなど、専門的知識が必要と

  なりました。

   家庭環境や生活形態の変化に伴い、家族全員がそれぞれ同じような生活をすることは

  できなくなり、これからの家庭におけるお金の管理は、主婦が中心であった従来の方法

  ではなく、家族全員が納得できるように、自分たちに合ったお金の使い方や管理の方法を

  考えることが、ますます重要になります。

 

 (5)お金の使い方

   お金の使い方は、現在消費を中心とした使い方と将来消費を中心とした使い方の中間に

  ある使い方を考えることが望ましいと考えられます。

   現在消費を中心としたお金の使い方とは、消費の結果、満足が得られるようにお金を

  使うことです。例えば、レストランで食事をしたときその代金を現金で支払うと、その分の

  現金が減る代わりに、食事を楽しむという満足を得られます。

  クレジットを利用して家族で旅行に行くと、負債を増やす代わりに旅行の思い出を作ると

  いう満足を得ることができます。

   将来消費を中心としたお金の使い方とは、将来の消費で満足を得るために、貯蓄したり、

  運用したりするというお金の使い方です。

   貯蓄をするための節約方法としては、無駄な電気は使わない、電話料金の見直し、

  ティッシュペーパーを半分にして使う、朝風呂、朝シャンをやめて水道代、ガス代を減らす、

  チラシをこまめにチェックして底値買いをする、所有する車を売却して、駐車場代、保険料、

  自動車税などを節約するとか住宅ローンがある場合には金利等の見直しをするとか、さまざまな

  工夫と努力がされています。

   運用する方法とは、定期預金や外貨預金などに預けたり、株式や国債などに投資をしたり

  することです。ただし、株式などに投資をした場合は、運用益を出す可能性がある半面、

  運用損を出すリスクの可能性もあります。

   確かに、お金は私たちにとって大切なものですが、お金を貯めることが良いことで、お金を

  使うことが悪いことというのではなく、現在消費と将来消費のバランスの取れた、自分達の

  個性に合った、最適な家庭生活を考えたお金の使い方を考えることが必要です。

 

 

 

 

 第257回 家庭生活と家庭簿記(3)

 

 2、家庭生活と財産

 

  (1) 家庭の財産

    家庭の財産には資産というプラスの財産と負債というマイナスの財産があります。

  〇饂

   資産とは、家庭で所有しているもののうち、現金化できるすべてのものを言います。

  現金化できるものとは、現金と交換できる価値のあるもので、その価格を示すことが

  出来るものです。具体的には、現金、普通預金や定期性預金など金融機関への預貯金、

  土地、建物、マンションなどの不動産、株式、国債などの有価証券、解約返戻金のある

  保険積立金、売却可能な自家用車などの車両、金地金、ピアノ、宝飾品などの売却可能な

  高額品など、敷金、保証金、会員権などが考えられます。このうち、時価評価(売却

  予想価格を算定すること)できるもの、例えば土地、建物、マンションなどの不動産や

  株式などの有価証券などについては、時価評価額で計上することにより、家庭の実態を

  より正確に表すことができます。

   また、高額家電製品、ブランド品など売却を目的としない高額品などは、たとえ高額品

  だとしても資産に計上しないほうが管理上複雑にならないと思われます。

 

  負債

   負債とは、いずれ支払わなければならない債務のことを言います。具体的には、住宅

  購入に伴う資金を金融機関から借り入れる際の住宅ローン、子供の教育のための教育ローン

  や車を購入する際の自動車ローンなどの借入金、クレジットカードなどで買い物をした

  ときの購入代金のうち、まだ決済されていない金額や、つけなどで飲み食いをした代金など

  の未払金、一時的に現金などを受け入れた預り金や科目が決まらない仮受金などが

  考えられます。

 

 (2)お金の性質

   お金は、価値の尺度 交換の媒介 2礎佑諒歛△箸いΓ海弔竜’修あると

  いわれています。

    通常、市場で使われるお金は、財を供給する売り手と財を需要する買い手の交換手段と

   して使われ、両者の交換価値が一致したときに価格が決まり、取引が行われます。

   この交換比率が、財と用役の値段、すなわち、取引価格です。労働の対価として得る

   給料などの収入や食料品などの購入による支出の金額が、取引価格となります。

   また、お金は、知らないうちに貯まったり、減ったりするという性質も持っています。

   お金がお金を生むと言われますが、預金をしておくと、お金はいつの間にか増えていき、

   逆に、お金を借りていると、いつの間にか減っていきます。お金を預金することと、

   お金を借りることでは、プラスとマイナスの大きな差がつきます。

    例えば1%の金利をもらうのと3%の金利を支払うのでは、その差は4%になります。

   今100万円預金すると、1年間で1万円の利息がつき、一方、100万円借金すると、

   1年間で3万円の利息を支払うことになります。つまり、1年間預金をした場合と借金を

   した場合の差額は、4万円となり、使えるお金にこれだけの差が生じていることになります。

   お金を借りて消費をする場合には、利息を払うということを考えておくことが必要です。

   また、お金を支出する取引による家庭の財産への影響も異なります。

  例えばスーパーで買い物をするとか、本を買うなどしてお金を支払ったり、有価証券を

  購入して証券会社にその代金を支払ったり、住宅ローンの元金と利息をローン会社に

  返済したりする場合、お金は家庭の外部に出て行きます。

   しかし、お金を支出するといっても、スーパーで食料品や消耗品を購入することと、

  有価証券を購入したり住宅ローンの元金を返済したりすることとは、お金を支出した

  ことに変わりはありませんが、家庭の財産に与える影響はまったく違っています。

   スーパーで食料品や消耗品を購入することによってお金を支出した場合は、消費として

   支出した金額だけ家庭の財産は減少します。

    一方、有価証券の購入によるお金の支出は、お金が有価証券に代わっただけだし、

   住宅ローンの元金の返済による支出は、支出した分だけ負債が減っただけで、家庭の

   財産への影響はありません。 このように、お金を支出することに変わりはありませんが、

   お金の支出だけを見ていては、家庭の財産の動きを正しく把握することはできません。

   その内容には大きな違いがあることを、知っておく必要があります。

 

(3)お金に対する不安

    家庭生活で生じるお金に関するさまざまな不安、たとえば、子供の教育費、家を

   購入するか否か、老いた両親の介護、自分たちの老後の生活やリストラなどの問題の

   主な原因は、現状の把握や分析をするために必要な「数字」を、正しく認識出来て

   いないからだといえます。

    毎月、日常生活費にどれくらいの消費をしているのか、税金や社会保険料をいくら

   支払っているのか、家庭の自分名義の普通預金や定期預金の残高はいくらあるのか、

   マンションを、今、売却したらいくらになるのか、住宅ローンの現在の残高はいくらに

   なっているのか等について、現在の財産の実態を「数字」で把握することが、家庭の

   お金に対する不安を解消する第一歩です。

    自分自身の家庭生活の情報を「数字」で把握することができていたら、家庭が

   経営危機に瀕しているのかいないのかとか、家庭のどこが問題かなどを、はっきりさせる

   ことができます。たとえば、老後にいくら資金が必要で、それには現状でいくら

   足りないかということを、「数字」で認識できれば、あとは不足額を形成していく手段を

   考えればよいし、また、失業の可能性があっても、今の貯蓄額で5年程度は生活できると

   分かっていれば、不安にはならないはずです。

 

 

 

 

 

 第256回 家庭生活と家庭簿記(2)

 

3)家庭生活の課題

  家庭生活は、生産技術の進歩や流通機構の発達、核家族化や人口の高齢化、家族問題、

 老後の問題、社会福祉の問題等、人間・家庭を取り巻く内外の環境の変化に対応して、

 大きく変化しました。現在、家庭生活の研究対象として、家庭内生活や社会生活を

 中心とした食物学、被服学、住居学、児童学、家政学原論、家庭(生活)経営学、家族関係学、

 家政教育などが挙げられていますが、これら従来の課題だけでなく、家庭生活全体に

 かかわる家庭の財産という新たな課題も生じてきました。

  ここでは、家庭生活の課題を、大きく(1)家庭内生活(2)社会生活(3)家庭の財産

 3つに区分することにします。

 

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  家庭内生活では、家族が相互に信頼し合い、一人一人が自分の居場所を持ち、安定しており、

 家族が協力して暮らすことに喜びを感じ取り、それぞれが責任ある行動をとることを目指し

 ています。

   ここでの主な課題は、食生活(例えば食物と人との関係、食品の組織構造、食品の性質など)、

  衣生活(例えば被服と人体、被服の材料、被服管理など)、住生活(例えば家族と住まい、

  住環境、住生活など)、児童(例えば子どもの心理、教育、親子、兄弟姉妹など)、夫婦や

  親子など家族間の人間関係や趣味・娯楽・教養などがあります。

 

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  社会生活では、職場、地域、国など社会の一員として、他の人々と協力し合い、他の人の

 ために役立つ意識をもち、他者を信頼し、自分も他者から信頼されるような責任感を持って

 行動することを目指します。ここでの主な課題消費者問題、地域問題、環境問題などが

 あります。

 

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  生活者の視点から、消費満足をし、誰もが安心して暮らせる、健全で持続可能な家庭生活を

 作り上げることを目指した家庭経営をするために、新たな課題として、家庭生活のベースで

 ある家庭の財産が問題となります。

 

 

 

(4)家庭経営

  家庭経営とは、家庭生活の様々な課題に対し、健全で安定した生活を築き、維持、

 向上させるために、生活主体が、経営者として主体的にさまざまな生活資源(人的・物的資源)

 を合理的に配分し、家庭生活の全てにわたって有効に活用することです。

 

 

 

 

  家庭の財産という立場からすると、健全で安定した生活とは、家庭生活を維持できる

 ような財産状態を保つことです。

   また、家庭の経営者とは、家庭で生活主体として自分の収入を持ち、それを自分で

  管理・消費できる人で、アパートやマンションなどで一人暮らしをしている場合には、

  生活主体自身が経営者となり、家族で生活している場合には、家族の中心になる責任者が

  経営者となります。

 

(5)財産の管理

  生活目標を達成するためには、食,衣,住など生活の大部分がお金(貨幣)を通じて

 行われている現在、その管理が、家庭生活にとって重要になりました。

  今はお金の管理を自分で行う時代、すなわち個人個人が、自己責任に基づき財産や損益の

  管理をすることが求められる時代になっていると言えるでしょう。

   家庭においては、妻が家計簿で管理するのは当たり前だと思って済ませた時代は終わり、

  誰もが財産や損益の管理をするため会計の知識を持つことが必要な時代です。私たちを

  取り巻く環境が激しく変化している現在、自分自身の経済状況、消費欲求、生活設計などを

  考えた上で、お金をコントロールし、バランスの取れた生活を築くことを、家庭の経営者と

  して考えるべきではないでしょうか。お金以外に大切な価値があるということは当然ですが、

  その中で、資本主義経済社会においては、日々お金と無縁で過ごすことは不可能だという

  認識を持つことが重要です。家庭の経営者はこのことを踏まえて、家族の各人の目標と

  家族全体の目標を調整し、財産管理のためのさまざまな意思決定をしていかなければいけません。

 

 

 

 

 

 第255回 家庭生活と家庭簿記(1)

 

 第1章  家庭生活と財産

 

 1 家庭生活

 (1)家庭と生活主体

   家庭生活は、明治時代の家父長制から戦後の著しい経済発展を経て大きな変化を遂げました。

  現在、家庭生活とは、社会的な存在としての人間が、労働力を提供し、収入を得てそれを

  消費し、人間活動力を回復し再び労働力を提供するという循環を行うことだと言われています。

  人間の生活は、家庭という場所で生きていくために衣、食、住を営み、生命及び労働力を

  再生産する活動であり、家庭という場所で生活をする人間を生活主体といいます。

   家庭生活を中心とした人間の生活において、家庭を経営するための総合的な研究をする

  学問分野として家政学があります。家政学は「家庭生活を中心とした人間の生活における

  人と環境との相互作用について、人的物的両面から、自然、社会、人文の諸科学を基盤として

  研究し、生活の向上とともに人類の福祉に貢献する実践的総合科学である」と定義づけられて

  います。(日本家政学会編「家政学将来構想1984」光生館)

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   家庭という言葉は、明治中期に女学雑誌等で「ホーム」論が展開され、「ホーム」の訳語

  として「家庭」という言葉が定着してきたと言われています。(家庭管理論(新版):

  宮崎礼子・伊藤セツ編:1989年有斐閣新書:p25

  また、家庭という概念は、我が国の近代社会、資本主義社会の歴史的段階になって、家族が

  生産の機能を失い、家族員の誰かが労働者として社会の生産の場へ出ることによって

  貨幣(賃金)を獲得し、その貨幣で社会的に生産された生活手段を購入して、それを

  消費することを通して家族員の生命及び労働力を再生産する機能に純化していく過程で、

  家族集団を指す概念として出てきたものと思われる。したがって「家庭生活」とは

  家族(集団)すなわち家庭で展開される家族員の生命及び労働力を再生産する諸活動・営み

  といえよう(同:P26)と言われています。

 

   「家庭」とは、家族(集団)・家族員の生命及び労働力を再生産する場所のこと、すなわち、

  人間が人間らしく生きる拠点で、生活をする場所・空間のことを言い、一戸建ての家、

  マンションだけでなく、1DKの賃貸の部屋など人間が生活をしている全ての拠点(生活空間)の

  ことをいいます。

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    生活主体とは、家庭で生活し、社会人としての知識・教養を持ち、道徳・倫理観を備え、

   独立した人間としての判断能力を持って自己責任の下に行動できる人のことです。

   家を所有しているとか、家族がいるとかは問題ではなく、その人が独立した生活基盤を

   確保しているか否かが問題となります。

   独立した人間とは自らの責任と判断の下に自らの能力によって収入を得て生活できる

   人間のことを言います。したがって、子供や老人など独立して自ら生活できない人や

   学生が一人でアパートやマンションで生活をしていたとしても親のお金で生活している

   場合には生活主体とはいえません。

   また、生活主体の目的は、安定した生活、健康的な生活を築いて、更に、より質の高い

   生活を目指し維持、向上、発展させていくことです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

2)生活主体と家族

   家族とは、「血縁や婚姻による小集団としての家族」と「生活を共同する人々としての家族」

  に区分されるが、「血縁や婚姻による小集団」と「生活を共同する人々」がイコールとは

  限らない。例えば、血縁関係のない親子、家計はひとつだが妻と子供はローン付きの持ち家で

  暮らし、夫は単身赴任という生活空間が分離した家族、家族員それぞれに収入があり別々の

  財布で暮らす「個計化」した家族など,これからの社会は従来の家族の定義では捕えられない

  家族形態が生じていると言われている。

 (現代社会の生活経営:御船美智子・上村協子共編著2001年光生館:P25)

    ここでは、家族とは、生活主体の集合体のことで、同一住居、同一家計、同一家族意識を

   持ち、血縁関係があるとかには関係が無く、同じ生活拠点である家庭で生活している人の

   集合体のことをいいます。また、この家族には生活主体に頼る子供や老人も含まれます。

 

 

 

 (参考)家計調査年報によれば、世帯とは、住居及び家計をともにしている人の集まりをいい、

     学生の単身世帯を除く一般世帯を対象にし、この世帯の家計費に充てるための収入を

     得ている人を世帯主と言うとしている。

 

 

 

 

 第254回 読書への支出の変化

 

  

家計ミニトピックス(家計調査) 総務省統計局

  読書への支出の変化

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  第253回 平成 26 年 国民生活基礎調査の概況

 

  平成 26 年 国民生活基礎調査の概況   (厚生労働省)

 

   平成 26 年6月5日現在における全国の世帯総数は 5043 万 1 千世帯となっている。

   また、このうち 65以上の者のいる世帯は 2357 万 2 千世帯(全世帯の 46.7%)となっている。

  65 歳以上の者は 3432 万 6 千人で、家族形態をみると、「子と同居」の者が 1394 万 1 千人

  (65 歳 以上の者の 40.6%)で最も多く、次いで「夫婦のみの世帯」(夫婦の両方又は一方が

  65 歳以上)の者が 1304 万 3 千人(同 38.0%)、「単独世帯」の者が 595 万 9 千人(同 17.4%)と

  なっている。

 

    「平成26年調査」の所得とは、平成25年1月1日から12月31日までの1年間の所得である。

   なお、生活意識については、平成26年7月10日現在の意識である。

 

   年次別の所得の状況

   平成 25 年の1世帯当たり平均所得金額は、「全世帯」が 528 万 9 千円となっている。また、

   「高齢者世帯」が 300 万 5 千円、「児童のいる世帯」が 696 万 3 千円となっている。

 

   所得金額階級別世帯数の相対度数分布をみると、「200〜300 万円未満」が 14.3%、

   「100〜 200 万円未満」が 13.9%及び「300〜400 万円未満」が 13.4%と多くなっている。

   

   世帯の生活意識をみると、「苦しい」(「大変苦しい」と「やや苦しい」)が 62.4%、

   「普通」が 34.0%となっている。

 

 

 

 

 

 

 第252回 家計調査報告ー平成28年(2016年)5月分速報ー

 

 

家計調査(二人以上の世帯)平成28年(2016年)5月分速報 (平成28年7月1日公表)      総務省統計局

  年平均(前年比 %) 月次(前年同月比,【  】内は前月比(季節調整値)  %)
2013年 2014年 2015年 2016年2月 3月 4月 5月
【二人以上の世帯】
      消費支出(実質)
1.0 ▲2.9 ▲2.3 1.2
【1.7】
▲5.3
【0.5】
▲0.4
【0.2】
▲1.1
【▲1.5】
      消費支出(除く住居等※)(実質) 1.0 ▲2.5 ▲2.0 1.9
【1.2】
▲4.3
【▲0.7】
0.4
【2.9】
▲0.9
【▲2.0】
【勤労者世帯】
      実収入(名目,< >内は実質)
1.0
<0.5>
▲0.7
<▲3.9>
1.1
<0.1>
▲2.0
<▲2.4>
0.3
<0.3>
0.7
<1.0>
▲0.8
<▲0.3>

※ 「住居」のほか,「自動車等購入」,「贈与金」,「仕送り金」を除いている。
    また,実質化には消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く総合)を用いた。以下同じ。

≪ポイント≫

 二人以上の世帯
    ・消費支出は,1世帯当たり  281,827円
           前年同月比  実質1.1%の減少      前月比(季節調整値)  実質1.5%の減少
                             名目1.6%の減少
    ・消費支出(除く住居等※)は,1世帯当たり  246,364円
           前年同月比  実質0.9%の減少      前月比(季節調整値)  実質2.0%の減少
                             名目1.4%の減少
    ・勤労者世帯の実収入は,1世帯当たり  426,805円
           前年同月比  実質0.3%の減少
                             名目0.8%の減少
       



 

 

 

 

   家 計 調 査 報 告(貯蓄・負債編)−平成27年(2015年)平均結果速報−(二人以上の世帯)

 

 ●二人以上の世帯における2015年平均の1世帯当たり貯蓄現在高(平均値)は,1805万円で,前年に

  比べ7万円,0.4%の増加となり,3年連続の増加となった。このうち勤労者世帯では1309万円で,

  前年に比べ19万円,1.5%の増加となった

 

 ●二人以上の世帯における2015年平均の1世帯当たり負債現在高(平均値)は,499万円で,前年に

  比べ 10万円,2.0%の減少となった。このうち勤労者世帯では755万円で,前年に比べ1万円,

  0.1%の減少となった。

 

 ●二人以上の世帯について貯蓄現在高階級別の世帯分布をみると,平均値(1805 万円)を下回る世帯

  が約3分の2(68.0%)を占め,貯蓄現在高の低い階級に偏った分布となっている。

 

 ●貯蓄の種類別貯蓄現在高の推移をみると,有価証券,通貨性預貯金及び「生命保険など」が増加と

  なっている。このうち有価証券は 264 万円で,前年に比べ 13 万円,5.2%の増加となり,3年連

  続の増加となっている。 一方,定期性預貯金は 734 万円で,前年に比べ 24 万円,3.2%の減少と

  なり,7年ぶりの減少となっている。

 

 ●二人以上の世帯に占める負債保有世帯の割合は約4割(38.1%)となった。負債保有世帯では,

  平均値(1310 万円)を下回る世帯が約6割(58.1%)を占めている。

 

 ●負債の種類別負債現在高をみると,負債現在高の約9割を占める住宅・土地のための負債は

   446 万円で,前年に比べ 12 万円,2.6%の減少となった。

 

 ●二人以上の世帯のうち高齢無職世帯(世帯主が60歳以上で無職の世帯)の1世帯当たり貯蓄現在高は

  2430万円で,前年に比べ58万円,2.4%の増加となった。

 

 ●貯蓄の種類別にみると,通貨性預貯金は463万円で,前年に比べ27万円,6.2%の増加,有価証券は

  431 万円で,前年に比べ23万円,5.6%の増加などとなっている。一方,定期性預貯金は1105万円

  で,前年に比べ8万円,0.7%の減少となっている。

 

 

 

第251回 定年後のセカンドライフ

 

 

  定年後のセカンドライフは、20年近くもあるといわれていますが、一般的に豊かで安心できる

老後を送るために考えておくべきこととして次のような点が挙げられます。 

(1)リタイア後の生活水準とその希望

(2)居住している現状と将来について(マンション、一戸建て、賃貸)

(3)独立前の子供のいる家庭での教育資金(教育ローン、奨学金制度)

(4)リタイア後に必要な生活費(毎月、毎年)と生活資金はどれくらいか

(5)年金制度、退職金制度、介護保険制度など、自分たちと関係のある社会制度を理解する

(6)所得税、住民税、固定資産税など、さまざまな税制についての理解

(7)資産運用とその方法

(8)インカムゲイン(利息や配当収入)、キャピタルゲイン(株式や債券の値上がり益)、

   一般的に行われているキャッシュフロー計算   

(9)相続に関する問題を考慮しておく

 

    特に、定年退職後、年金受給までの期間をどのような家庭生活をしていくのか、また、

  その後の自分たちの家庭生活をどのように守っていくのか、それらの資金は、手持ちの預貯金と

  退職金でカバーできるのかどうか検討しておかなければいけません。老後資金の問題点としては、

  たとえば老朽化した家の建て替えや新築ができないとか賃貸用の移転先が見つからないなどの住宅問題、

  介護費用などの医療問題、年金の支給額の減額と支給時期の遅れや増税による可処分所得の減少などが

  あります。

  このような老後の家庭生活のことを考えると、家庭の財産と消費損益を正しく認識しておかなければ

  いけません。

 家庭生活の消費は、定年を迎える前後で、大きく変わります。定年前の現役時代の手取り額の消費は、

「消費部分(生活費)」と「貯蓄部分」に分かれますが、定年後のセカンドライフでは、「貯蓄部分」

 ではなく、「消費部分(生活費)」が中心となります。 

  セカンドライフの手取り額は、税込年収から税金(所得税・住民税)や社会保険料(厚生年金・雇用保険・

  健康保険・介護保険分)を引いたものになり、定年後は、財産の形成というより、生活のために、

  財産を取り崩すことになるので、「貯蓄部分」は基本的にはありません。また、定年後の

 「消費部分(生活費)」は、現役時代の生活費が目安となります。

  セカンドライフの生活では、必要のない消費(消費減)が生ずる一方で、健康に関する消費など新たな

  消費(消費増)も発生します。

   したがって、セカンドライフを安心できるものにするためには、毎月の定期的な収入や生活費を

  適正に見積もる事が必要になります。

 

(参考)

 博報堂生活総合研究所は、1986年から30年間にわたり60歳〜74歳を対象にほぼ同じ質問内容の調査を

 続けてきました(1986年、1996年、2006年、2016年の4時点で実査)。
  この30年間で日本は急速に高齢化が進み、特にこの10年では、団塊世代が高齢期を迎え、平均寿命が

 男女ともに80歳を超えるなど「高齢社会」を取り巻く環境は激変。
 こうした中で、高齢者自身はどう変わったのか?
 その30年の変化を最新の調査結果を踏まえて比較分析しましたので、ご報告いたします。

【調査概要】
◆調査手法:訪問留置自記入法
◆調査対象:60歳〜74歳の男女
◆調査時期:2016年2月24日〜3月22日
◆調査地域:首都40Km圏
◆調査人数:首都圏700人
(1986年〜2006年の調査概要はPDF P.8参照)

 【1986年 → 2016年:「シルバー30年変化」のポイント】

 60歳を超えても、まだまだ長く生きる自覚がある

 「希望寿命」 は4年延びて84歳に 

「何歳まで生きたいか」:1986年 80歳 → 2016年 84歳 (+4歳) 

<気持ち年齢>は、「実年齢−14歳」

「あなたの気持ちは何歳くらいだと思いますか」 :

2016年は平均53歳で、実年齢−14歳※この質問は2016年のみ調査 

特に、団塊世代は 「体力もあるし、気持ちも若い」

 「自分は、体力もあるし気持ちも若い」:60歳-64歳 23% / 65歳-69歳(団塊世代含む) 30% / 70歳-74歳 19%  

※2016年の結果で比較

 半数以上の人が、60代を新たな出発の時期と捉えている

− 60代の位置付けは 「再出発の時」:1986年 39% → 2016年 53% (+14pt) 

一方、生活の見通しは暗い欲しいものは 「幸せ」 より 「お金」 に

約半数が、「先の見通しは暗い」 と回答 

「先の見通しは暗いと思う」:1986年 32% → 2016年 47% (+15pt)

1カ月のお小遣いも、30年前以下の水準に 

1カ月のお小遣い(平均)の推移:1986年 28,830円 → 1996年 33,450円 → 2006年 31,620円 → 2016年 26,820円 

欲しいものは、「お金」 が 「幸せ」 を上回る 

現在欲しいもの「お金」:1986年 28% → 2016年 41% (+13pt) 

現在欲しいもの「幸せ」:1986年 31% → 2016年 16% (−15pt) 

長い老後を見据えた 3つのシフト〜気負わない、頼らない、退かない〜 

気負わない 〜肩の力を抜いて、ほどほどに〜 

「なんでもほどほどにやる方だ」:1986年 57% → 2016年 72% (+15pt) 

「気楽な仕事、地位でいたい」: 1986年 71% → 2016年 79% (+8pt)  

頼らない 〜家族にも依存せず、どんどん自立〜 

「夫婦で共通の趣味を持ちたい」:1996年 69% → 2016年 50% (−19pt) ※この質問は1996年から調査 

「子どもといつまでも一緒に暮らしていたい」:1996年 51% → 2016年 28% (−23pt) 

※この質問は1996年から調査          

「一人暮らしをしてみたい」:1986年 18% → 2016年 31% (+13pt) 

退かない 〜頭も身体も、まだまだ現役〜 

「外国語を勉強したい」: 1986年 26% → 2016年 43% (+17pt)

 「スポーツクラブの会員になりたい」:1986年 23% → 2016年 49% (+26pt)