Q(父母が相次いで亡くなって相続人が1名のみの場合の相続登記)
亡父名義の不動産について、相続については何も決めず、相続登記をしないまま、最近母も死亡したのですが、相続人は長女である私一人です。この場合、父についての相続登記と、母についての相続登記と2度に分けてするという話も聞いたような気がしますが、いったいどのように登記を申請すればいいのですか。
A
父の死亡後に相続放棄や遺産分割協議をしないうちに母もまた死亡して現時点では相続人が長女一人ということであれば、1件の申請で直接あなたの単独名義にすることができます。ただし、父親の相続人があなたと母親の二人であったこと、また母親の相続人はあなた一人であることを証する戸籍謄本、除籍謄本その他の相続証明書が必要になります。1件で申請する場合、父親の相続に関して下記のような遺産分割決定書を作成します。当然に登記原因は父親の死亡年月日のみです。上記の類例で子供が複数のとき、父親の相続人兼母親の相続人として、遺産分割協議により子供のうちの一人が単独で相続登記をすることも認められています。(事項別/不動産登記のQ&A112選 参照)
参考1
遺 産 分 割 決 定 書
最後の住所 何県何市何町何丁目何番何号
被相続人 甲 野 一 郎
(最後の本籍 何県何市何町何番地 平成16年7月5日死亡)
最後の住所 何県何市何町何丁目何番何号
相続人兼被相続人 甲 野 花 子
(最後の本籍 何県何市何町何番地 平成18年12月1日死亡)
被相続人甲野一郎の遺産につき、甲野星子は、甲野一郎相続人兼甲野一郎相続人
甲野花子の相続人として、次のとおり分割することを決定しました。
相続人甲野星子が、下記の不動産を相続することとします。
1.何市何町何丁目何番何
宅地 200.22平方メートル
2.同所何番地何
家屋番号何番何
居宅 木造スレート葺2階建
床面積 1階 80.45平方メートル
2階 75.67平方メートル
平成21年3月3日
何県何市何町何丁目何番何号
甲野一郎相続人兼
甲野一郎相続人甲野花子の相続人 甲 野 星 子 実印
※甲野星子の印鑑証明書添付
参考
登記の目的 所有権移転
原 因
平成16年7月5日相続
相 続 人 (被相続人 甲野一郎)
何県何市何町何丁目何番何号
甲 野 星 子
遺産分割決定書(遺産分割協議書)を作成しない場合、法定相続による書面を添付し、父死亡の日の相続による所有権移転登記(持分2分の1、亡母、2分の1子)、その後件で母死亡の日相続による母持分全部移転登記(持分2分の1子)の2件による登記の申請をすることになります。
登記の目的 所有権移転
原 因
平成16年7月5日相続
相 続 人 (被相続人 甲野一郎)
何県何市何町何丁目何番何号
持分2分の1 甲 野 星 子
何県何市何町何丁目何番何号
2分の1 (亡) 甲 野 花 子
登記の目的 甲野花子持分全部移転
原 因
平成18年12月1日相続
相 続 人 (被相続人 甲野花子)
何県何市何町何丁目何番何号
持分2分の1 甲 野 星 子
参考2 相続人が子2人のとき
遺 産 分 割 協 議 書
最後の住所 何県何市何町何丁目何番何号
被相続人 甲 野 一 郎
(最後の本籍 何県何市何町何番地 平成16年7月5日死亡)
最後の住所 何県何市何町何丁目何番何号
相続人兼被相続人 甲 野 花 子
(最後の本籍 何県何市何町何番地 平成18年12月1日死亡)
被相続人甲野一郎の遺産につき、甲野一郎相続人兼甲野一郎相続人甲野花子
の相続人として、その共同相続人甲野星子、甲野月子は、次のとおり分割すること
を協議しました。
相続人甲野月子が、下記の不動産を相続することとします。
1.何市何町何丁目何番何
宅地 200.22平方メートル
2.同所何番地何
家屋番号何番何
居宅 木造スレート葺2階建
床面積 1階 80.45平方メートル
2階 75.67平方メートル
平成21年3月3日
何県何市何町何丁目何番何号
甲野一郎相続人兼
甲野一郎相続人甲野花子の相続人 甲 野 星 子 実印
何県何市何町何丁目何番何号
甲野一郎相続人兼
甲野一郎相続人甲野花子の相続人 甲 野 月 子 実印
※甲野星子・甲野月子の印鑑証明書添付
Q(共同相続人4人のうち1人が特別受益者の場合の遺産分割協議)
共同相続人の4人A・B・C・DのうちのDが特別受益者の場合、他の3人A・B・Cが遺産分割協議をして、Aが相続するとの登記の申請は可能でしょうか。
A
相続分のない特別受益者が遺産分割協議に参加することがなくても、その者の印鑑証明書付の特別受益証明書(民法第903条第2項)を添付し、他の3人の印鑑証明書付の遺産分割協議書を添付すれば、問題なく受理されます。(昭和28.8.1民事甲第1348号民事局長回答 参照)
Q(抵当権設定のある敷地権付きマンションの所有権保存登記の更正)
土地が敷地権の新築マンションを購入して、銀行などの融資を受けて夫単独名義で登記を完了後、妻との共有名義に変更したいのですが、どうすればいいのですか。
A
錯誤を登記原因として所有権更正登記ができますが、売主である表題部所有者からの夫と妻に対しての所有権譲渡証明書と敷地権の登記名義人(所有者)としての承諾書が添付書面となります。また、銀行などの抵当権は所有権更正登記により、いったん夫の持分に対する抵当権に職権更正されるため、更正登記上の利害関係人としての承諾書がないとできません。通常は、妻の持分に改めて追加担保による抵当権設定登記を求められることになります。以上の書類には印鑑証明書や資格証明書も付ける必要がありますので、売主の不動産会社や銀行の貸付担当者などとよく相談して必要な書類を用意してください。万が一、書類が揃えられない場合は、更正登記ではなく、真正な登記名義の回復を登記原因として、所有権一部移転の登記をすることも可能ですが、登録免許税が全然違う(更正登記は土地建物各1個に付き1,000円、所有権一部移転の場合は移転持分の課税価格の1000分の10)ので、できれば更正登記をするようにしましょう。(登記研究第439号 参照)
Q(抵当権設定のある中古住宅の所有権更正登記)
中古の土地付き住宅を購入し、夫単独名義で登記を完了したところ、贈与税の関係で妻との共有名義に変更する必要が生じましたが、どうすればいいのでしょうか。現在抵当権が設定されています。
A
錯誤を登記原因として所有権更正登記ができますが、夫および売主である元の所有者が登記義務者となるので、元の所有者も所有権移転登記に使った登記済権利証と印鑑証明書が必要になります。さらに売主の住所が変わってしまっているときは、変更証明書も必要です。銀行などの抵当権は所有権更正登記により、夫の持分に対する抵当権に職権更正されるため、更正登記上の利害関係人としての承諾書がないとできません。そして、妻の持分に抵当権を追加設定することになります。以上の書類には印鑑証明書や資格証明書も付ける必要があります。万が一、書類が揃えられない場合は、更正登記ではなく、真正な登記名義の回復を登記原因として、所有権一部移転の登記をすることは可能です。不動産を購入するときは資金の出所が問題になるので、事前に税務署や税理士さんに相談することをお勧めします。(昭40.8.26民甲第2429号回答 参照)
Q(検認済みの遺言書が紛失した場合の移転登記)
検認済みの遺言書を紛失した場合、登記の申請はどうすればいいのですか。
A
遺言執行者が遺言の執行のために売却した不動産の所有権移転登記を申請するとき、代理権限証書の一部の資格証明書となる検認済みの遺言書を紛失したケースについて説明します。この先例の場合は、家庭裁判所の遺言検認調書(家事審判規則第123条 参照)の謄本でさしつかえないとされています。なお、この調書には遺言書の全文の写しを添付しています。(平成7.6.1民三第3102号、登記研究第578号、586号 参照)
Q(自筆証書遺言と検認)
自筆証書遺言に検認を受けなくとも遺贈による所有権移転登記ができますか。
A
現在はできません。遺贈を原因とする所有権移転登記に添付する自筆証書遺言、秘密証書遺言の遺言書は必ずしも家庭裁判所の検認を要しないとする先例(昭和33.1.10民甲第4号 参照)はまだ遺言書が登記原因証書として取り扱われていたころのものです。その後、遺言書は遺言の日付と死亡による効力発生日との相違などから登記原因証書(現在、登記原因証書はなく登記原因証明情報と変わっている)として不適格(昭和34.9.9民甲第1995号 参照)とされています。また、検認を受けた遺言書であっても、その後に不自然な加入などが行われたという疑義が生じた場合は、遺言検認調書の謄本を添付させることもあるとされています。(平成7年6月1日民三第3102号第三課長回答、登記研究第578号、586号 参照)そこで、現在では、遺贈による所有権移転登記申請の場合、遺言執行者の資格を証する書面については検認を要しないとする先例は変更され、必ず検認を要すると解されることになります。
Q(検認を受けていない自筆証書による相続登記の申請)
家庭裁判所の検認を受けていない自筆証書による遺言書の場合、相続による所有権移転の登記の申請はできますか。
A
自筆証書の場合は、遺言書は検認を受けない限り、相続による所有権移転登記の申請は受理されません。(平成7年12月4日民三第4343号第三課長回答、同日付第4344号第三課長通知参照)
Q(遺言書の不動産の記載の不備と登記の申請)
遺言書に附属建物の記載が抜けている場合でも、遺言書による所有権移転登記の申請はできますか。
A
遺言公正証書のケースですが、登記簿によると、主たる建物と附属建物があり、遺言書には記載がない場合でも、家屋番号が記載されるなど、附属建物付きの建物を表示していることが明らかであれば、相続による所有権移転登記は認められます。(登記研究第429号 参照)
Q(遺留分減殺による移転登記の相続証明書)
遺留分減殺減殺を原因として所有権移転登記を相手方と共同申請でする場合の相続証明書はどんなものですか。
A
登記の権利者が被相続人の相続人(遺留分権利者)であることが明らかな戸籍謄本などが相続証明書となります。遺留分を侵害された相続人が数人いても、減殺請求権は相続人がそれぞれ単独で行使することができますので、自分が相続人であることを証明することでさしつかえありません。(登記研究第464号 参照)
Q(推定相続人以外への相続させる旨の遺言)
子が生存している場合、孫に相続させるという遺言があった場合はどうなりますか。
A
遺言があっても、民法の規定に反して子が生存中に孫に相続させることはできません。しかし、無効になるのではなくて「遺贈」と解して登記することができます。「登記研究第480号131頁 参照」
Q(株式会社に相続させる旨の遺言書の場合)
株式会社Aに対して、相続させるという遺言公正証書があった場合は、無効になってしまい所有権移転登記の申請はできないのでしょうか。
A
「株式会社Aに相続させる」旨の遺言公正証書により、当然ながら「相続」を原因とする所有権移転登記はできませんが、無効とはならず「遺贈」を原因として所有権移転登記の申請ができます。「登記研究第562号133頁 参照」
Q(「相続させる」遺言と遺言執行者)
私が遺言で不動産を相続することになりましたが、遺言執行者が指定されています。こうした遺言書の場合、相続登記の申請は遺言執行者がするのでしょうか。
A
「相続させる」と遺言書には書かれている場合、相続人が単独で所有権移転登記ができます。遺言執行者は被相続人の義務を承継する相続人の代理人なので、いわゆる義務者がいない相続登記に関しては、不動産を取得する相続人の代理人として申請をする権限がないと解されています。(最判7.1.24 参照)
Q(「相続させる」遺言による単独相続と相続関係説明図)
不動産を単独相続することになりましたが、この場合、相続登記の申請の際に添付する相続関係説明図にはどう記載するのでしょうか。
A
相続人の一人に不動産を相続させるという遺言の場合、登記原因は普通の「年月日相続」となり、単独で登記の申請が可能です。この場合の添付書類は、家庭裁判所の検認を受けた遺言書か、遺言公正証書、の他、被相続人の死亡が分かる戸籍謄本と遺言書で指定されている相続人が相続人の一人であることを証する戸籍謄本となりますので、一般の相続証明書のように相続人全員の除籍謄本、戸籍謄本は不要です。そこで登記実務では、遺言書などの相続証明書や住所証明書の原本還付を受ける場合に添付する相続関係説明図を提出するときは、遺言による相続であることが明らかになるように被相続人と相続人との関係を「遺言相続」として相続関係説明図に記載をすればさしつかえありません。つまり、通常の相続関係説明図と同じ記載をしなくていいわけです。(新法による相続登記・家事審判申立実例集 参照)
Q(持分2分の1が遺贈された場合の登記申請)
兄の遺言により、郷里の土地の2分の1を私が遺贈され、残りの2分の1を義姉と甥が相続することになりました。遺言執行者はいません。義姉と甥も登記をしたいと言っていますが、どうすればいいのでしょうか。
A
持分の2分の1を相続により移転する登記は、そのままでは所有権の一部のみの相続登記となってしまうことから受理されないことになっています。また、同一の申請書で、遺贈と相続を一緒に申請することはできません。そこで、遺贈による登記を前件で申請し、それから後件として相続登記を申請することになります。前件 登記の目的 所有権一部移転/原因 年月日遺贈/権利者 住所省略 持分2分の1 D/義務者/住所省略 亡A相続人B 住所省略 亡A相続人C 以下省略/後件 登記の目的 A持分全部移転/原因 年月日相続/相続人(被相続人 A)住所省略 持分4分の1 B 住所省略 4分の1 C 以下省略。なお、前件の遺贈の登記では、亡A名義の所有権の登記済権利証、遺言書、死亡の記載のある戸籍抄本そしてB・Cの印鑑証明書・委任状、相続証明書などが添付書類として必要になります。その他は、通常の登記と同様です。
Q(農地法の許可書の要否)
登記簿が宅地、評価証明書の現況が農地の場合、所有権移転登記に農地法の許可書が必要でしょうか。
A
評価証明書の地目が「登記簿宅地、現況畑」とある場合、農地転用許可書を添付しなければ所有権移転登記の申請は受理されないかという質疑に対しての「農地転用許可書は不要である」との、東京登記実務協議会の決議があります。
また、「登記簿の地目は農地以外で、評価通知書上「現況農地」とされている土地の所有権移転登記の申請に農地法の許可書の添付の要否について」、という協議問題につき、千葉地方法務局長の、次の回答があります。「農地法所定の許可書の添付は不要である。」(平成8年3月8日2不登9第191号)
千葉司法書士会の協議提案事由は下記のとおり。(内容が変わらないように一部修正)
「権利の登記における審査資料は、申請書及およびその附属書類の法定添付書面と関連する既存登記簿に限られるのが、従来からの裁判例、登記実務先例であるところ、前記事案につき、単に課税価格算定の資料にすぎない固定資産税評価額証明書の現況地目が農地であるゆえをもって、農地法所定の許可書の添付を要するという取扱庁が見受けられるので、協議のうえ、許可書の添付は不要であることをご確認いただきたく提案しました。
Q(破産管財人の印鑑証明書等)
破産管財人の裁判所書記官作成の印鑑証明書や選任証明書に関しても、作成後3月以内とする規定がありますか。
A
破産管財人の裁判所書記官作成の印鑑証明書に関しては、作成後3月以内とする不動産登記令第16条第3項の規定の対象とはならないとされています。申請時において破産管財人であることは、裁判所の選任証明書を添付することによって確認できるからです(「登記研究」第709号203頁)。
破産管財人が破産財団に属する不動産を任意売却し、その登記の申請をする場合、申請書に添付すべき破産管財人の代理権限を証する書面としての裁判所の「破産管財人選任証明書」は、不動産登記令第17条第1項の規定が適用され作成後3月以内のものであることを要するとされています(「登記研究」第529号161頁、第740号88頁)
令
(申請情報を記載した書面への記名押印等)
第十六条 申請人又はその代表者若しくは代理人は、法務省令で定める場合を除き、申請情報を記載した書面に記名押印しなければならない。
2
前項の場合において、申請情報を記載した書面には、法務省令で定める場合を除き、同項の規定により記名押印した者(委任による代理人を除く。)の印鑑に関する証明書(住所地の市町村長(特別区の区長を含むものとし、地方自治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあっては、市長又は区長とする。次条第一項において同じ。)又は登記官が作成するものに限る。以下同じ。)を添付しなければならない。
3 前項の印鑑に関する証明書は、作成後三月以内のものでなければならない。
(代表者の資格を証する情報を記載した書面の期間制限等)
第十七条 第七条第一項第一号又は第二号に掲げる情報を記載した書面であって、市町村長、登記官その他の公務員が職務上作成したものは、作成後三月以内のものでなければならない。
所有権関係 抵当権・根抵当権関係 登記名義人住所等変更・更正関係 その他
Q(利益相反行為と代表取締役の印鑑証明書の兼用)
取締役会設置会社所有の不動産について、代表取締役個人を債務者とする抵当権設定登記を申請する場合の会社法第356条、365条(利益相反関係)による取締役会議事録に添付した代表取締役の印鑑証明書は登記義務者としての印鑑証明書と兼用することはできますか。
A
兼用することはできませんので、2通必要です。
印鑑証明書は、登記義務者である会社の代表取締役の真正な登記申請意思を確認するために添付するもの、取締役会議事録に添付する印鑑証明書は議事録成立の真正の担保のためのものなので、
一方は「印鑑証明書」(有効期限発行後3ヶ月)、もう一方は「取締役議事録」の添付書面(こちらは特に印鑑証明書の有効期限なし)で添付する根拠が異なるからです。
もっとも、便宜的に代表取締役の印鑑証明書は1通で兼用可としてくれる登記所があるかもしれませんので、管轄登記所に確認してみてください。
Q(信用保証協会の取扱店記載の可否)
抵当権者が信用保証協会の場合、銀行のように登記簿に取扱店の表示ができるでしょうか。
A
信用保証協会や信用組合が抵当権者であるときは、その取扱店の表示はできません。(登記研究第449号 参照)
また、抵当権者が信用金庫である場合、その取扱店を登記簿に記載することはできません。(登記研究第492号 参照)
信用保証協会を抵当権者とする抵当権の設定登記において、抵当権者の取扱店(取扱店 株式会社○○銀行□□支店など)が抵当権設定契約書などに記載されていても登記簿に記載することはできません。(登記研究第513号 参照)
Q(登記済抵当権設定証書兼弁済証書の適格性)
抵当権設定登記の登記済証となっている抵当権設定契約書の不動産の表示が抵当権設定時と抵当権抹消時で異なっていても、弁済を受けた旨の奥書があれば、抵当権抹消の原因証書にできるでしょうか。
A
「弁済証書」として、抵当権抹消の原因証書とすることができます。(登記研究第499号 参照)
Q(債務者の変更登記などが未了の場合の極度額の変更登記の可否)
共同根抵当権の一部につき債務者等の変更がなされていない場合、極度額の変更登記はできますか。
A
共同根抵当権の設定後、債務者及び債権の範囲の変更契約をし、一部の物件につき、変更登記が未了の場合でも、共同担保になっている不動産すべてについて極度額の変更登記はできます。(登記研究第502号 参照)
Q(根抵当権の債務者の変更登記と住居表示実施)
根抵当権の債務者の住所変更登記も住居表示実施は非課税ですか。
A
根抵当権の債務者の住所(本店)変更による根抵当権の変更登記の原因が住居表示実施の場合、登録免許税は非課税です。(登録免許税法第5条第4号)非課税の適用には、住居表示実施証明書の添付を要します。
Q(銀行支店長作成の弁済証書の適格性)
支配人として登記のない銀行支店長作成の弁済証書・解除証書も登記原因証明情報として適格ですか。
A
支配人登記のなされていない銀行支店長が作成した弁済証書、解除証書、または放棄証書を登記原因証明情報として、銀行の代表取締役からの委任状が添付された抵当権抹消登記の申請があった場合、受理されます。(昭58.3.24民三第2205号回答 参照)
Q(抵当権設定登記の原因日付の更正)
抵当権設定登記の登記原因および日付けの更正登記はできますか。
A
抵当権設定後、登記原因及びその日付を更正する登記は認められており、抵当権者が登記権利者、設定者が登記義務者となります。(登記研究第499号 参照)
更正後の原因日付を抵当権設定登記の受付年月日の後とする更正登記はできません。(登記研究第505号 参照)
Q(原因証書に銀行の取扱支店の記載がない場合)
(根)抵当権設定登記の登記原因証明情報に銀行の取扱店の記載がない場合でも、委任状に取扱店の記載があれば取扱店の登記ができますか。
A
登記原因証明情報に銀行の取扱支店の記載がない場合でも、委任状に取扱店の記載があれば取扱店を申請書に記載して登記の申請ができます。(登記研究第535号 参照)
Q(既登記抵当権との内容相違の追加設定の可否)
抵当権の追加設定の場合、既登記の抵当権の内容と相違してもそのまま登記できる例について教えて下さい。
A
抵当権設定登記後、利率の引き下げがあった場合、利率引き下げによる前の抵当権の変更登記をしなくても、引き下げ後の利率を記載して追加設定登記の申請をすることができます。(昭41.12.1民甲第3322号回答 参照)
既登記抵当権の債務者の住所に変更があったが、その変更登記をしないまま、債務者について新住所を記載して追加設定登記を申請することができます。(登記研究第425号 参照)また、抵当権設定登記後、抵当権者の本店・商号の変更があった場合、変更証明書を添付すれば、その変更登記をしなくても、新本店・新商号を記載して追加設定登記の申請ができます。(登記研究第560号 参照)
Q(債務者の縮減と根抵当権、抵当権の登記の相違点)
債務者を2名から1名に減らす場合、根抵当権と抵当権とで登記の申請に相違があると聞いたのですが。
A
根抵当権では、債務者がA・Bの2名からAのみに変更する場合は、根抵当権の被担保債権の範囲が形式的に縮減すると考えられるので、登記権利者が設定者、根抵当権者が登記義務者となります。しかし、債務者がA・BからCになるケースについては、必ずしも被担保債権の範囲が縮減するかどうかはは明らかとはいえませんので、原則どおり根抵当権者が登記権利者、設定者が登記義務者となります。また、抵当権の債務者の場合は連帯債務者A・Bから債務者Aのみに変更しても設定者にとっては既発生の被担保債権そのものに変更がないので、原則どおり抵当権者が登記権利者、設定者が登記義務者となります。(登記研究第405号、第402号 参照)
Q(設定者死亡後の抹消原因と抵当権抹消登記の申請)
抵当権設定者が死亡したため、銀行などに手続きして抵当権抹消登記に必要な書類一式をもらいましたが相続登記が遅くなりそうなので、とりあえず抵当権の抹消登記を申請しておきたいのですが。
A
現在では相続登記後に新たに相続により所有者となった者が登記権利者となって抵当権者である登記義務者の銀行などと共同で抵当権抹消登記の申請をすることとされています。それ以前は、抵当権設定者の相続人と抵当権者により所有権の相続登記をする前でも申請できるとされていましたが、この先例は変更されたものと解されます。根拠としては、相続開始後に抵当権について抹消原因が生じている以上、先に相続登記をしなければいけないということです。(登記研究第471号、第564号 参照)
Q(抵当権の更正登記の権利者)
抵当権の金銭消費貸借の日付と、利息についての起算日の但し書きのある抵当権の日付をそれぞれ1日遅らせる場合の登記権利者について説明してください。また設定日を更正する場合もお願いします。
A
抵当権設定者にとって利息の発生が1日遅れることは利益になるところから、抵当権設定者が登記権利者、抵当権者が義務者となって申請することになります。抵当権設定の日付のみを更正する場合は、原則のとおり抵当権者が登記権利者、抵当権設定者が登記義務者となります。なお、同日付けで設定、登記の受付がなされている場合には、登記した日付の翌日の日付に設定日を更正することは不可能ですので、いったん錯誤で抹消後、再度申請し直すしかありません。(登記研究第457号、第499号、第505号 参照)
Q(順位変更の合意の日付)
本日新たに設定登記を申請する根抵当権と、既登記の根抵当権との順位を変更したいと思いますが、順位変更の合意の日付を昨日付けにすることはできますか。また、今日付けで分割譲渡の登記を申請する根抵当権が含まれている場合はどうですか。
A
結論からすると、既登記根抵当権と未登記根抵当権との間の昨日付の合意による順位変更は受理されません。
どちらも昨日以前に既登記の根抵当権同士であれば、昨日付合意で順位変更が可能ですが、未登記の根抵当権と既登記の根抵当権の順位変更については認められません。つまり、あくまでも登記された担保権同士について、その優先弁済権の順位を変更することの合意でなければなりません。そこで、日付に関しては、未登記の根抵当権の設定登記は今日付以降で申請するよりないわけですから、その根抵当権が前件で登記完了したこととして、後件で順位変更登記を申請したにしても、今日付以降の合意によるほかはありません。分割譲渡の登記後でなければ、順位変更の合意ができないのは、上記の場合と同様ですので、結論は同じになります。
Q(極度額増額登記後の根抵当権抹消と必要な登記済証)
根抵当権設定登記後、極度額の増額変更登記を行いましたが、この原根抵当権の設定登記済証の他に極度額増額の根抵当権変更登記済証も根抵当権抹消登記に必要ですか。
A
最初の根抵当権設定登記済証のみでさしつかえありません。根抵当権者が根抵当権を設定したときの登記済証とされています。(不動産登記法第35条第1項第3号)
Q(抵当権者の吸収合併後の抵当権抹消の登記済証)
抵当権設定登記後、吸収合併による抵当権移転登記と連件で提出する弁済による抵当権抹消の登記済証は何でしょうか。
A
前件の合併を原因とする抵当権移転の登記済証が後件の抵当権抹消の登記済証となります。原抵当権の設定登記済証は必要ありません。
所有権関係 抵当権・根抵当権関係 登記名義人住所等変更・更正関係 その他
Q(持分を取得して所有者となった場合の住所変更)
最初甲と乙の共有名義で所有権保存登記をしましたが、その後真正な登記名義の回復を原因として乙持分全部移転登記をし、甲が所有権全部を取得しております。登記した住所はどちらも同じでしたが、その後住所を二回移転しています。この場合の住所変更登記の申請書の登記の目的などの記載はどうなるのでしょうか。
A
所有権保存登記は順位1番ですので、真正な登記名義の回復を原因とする乙持分全部移転登記は2番となり、この段階で甲さんは所有者と記載されますので登記の目的は、1番、2番所有権登記名義人住所変更(あるいは1番、2番登記名義人住所変更)、原因は、平成○年○月○日住所移転(幾度か移転していても、申請書には最後の住所移転の日付のみ記載)としてください。ただし、変更証明書は登記簿上の住所から現在の住所までつながるように全部添付します。
変更後の事項としては、 住所 何市何町何丁目何番何号と現在の住所を記載してください。すでに乙さんは持分を失っており現在は共有でありませんから共有者甲の住所とは記載しません。
Q(住民票の除票や戸籍附票の除票が破棄されてしまったとき)
10年ほどの間に十数回住所を移転しましたが、ずっと住所の変更登記をしておりません。今回売却予定のため住民票の除票や戸籍附票の除票を請求したのですが、昔のものはすでに廃棄処分されていて取ることができません。どうすればいいのですか。
A
登記簿上の住所から現在の住所までのつながりがつかないわけですから、とりあえず、可能な範囲で現在の住民票ないし戸籍の附票や除票を用意し、さらに登記簿上の住所に居住していないことの証明、つまり不在住証明書を取ることになります。また同じようにそこに戸籍がないという証明書、つまり不在籍証明書もできれば取ってください。不在住・不在籍証明書を発行してもらえない場合、あるいは現在肩書地にいない旨の証明しか出してもらえない場合は、さらに所有権登記済権利証の写しを付けて原本還付の手続きを取ることにすればいいと思います。また、印鑑証明書付上申書を求める登記所もあるので、具体的には、各登記所の判断によりますので、管轄の登記所にお訊ねください。
登記の目的は、所有権登記名義人住所変更、更正、原因は、錯誤、平成○年○月○日住所移転、 変更、更正後の事項は、住所 何市何町何丁目何番何号とします。
Q(錯誤と住所移転がある場合)
登記の目的は、「登記名義人表示変更、更正」とすべきでしょうか。
A
登記名義人の住所の錯誤と住所移転がある場合、登記の目的は「登記名義人表示変更」、原因は「錯誤、年月日住所移転」とすべきである。(「登記研究」第567号165頁)
注 「登記名義人住所変更」とするよう求める登記所もあるようですが、その場合はそれに従います。
Q(住所変更登記の同一申請書の不可)
土地A、Bとも同一の住所で登記されていますが、B土地についてはすでに現在の住所に移転後、旧住所で登記しました。今度、さらに住所を別なところへ移転するつもりですが、そのときには同一の申請書で住所変更登記ができますか。
A
新住所に移転後に登記する場合、土地Aは住所の変更登記になり、土地Bは本来現在の住所で登記すべきでしたので、住所の更正登記となりますから、登記の原因などが異なることになるわけです。残念ながら一件で申請することはできません。(登記研究第413号 参照)
Q(住所変更登記の同一申請書の不可)
土地A、Bとも同一の住所で登記されていますが、B土地についてはすでに現在の住所に移転後、旧住所で登記しました。今度、さらに住所を別なところへ移転するつもりですが、そのときには同一の申請書で住所変更登記ができますか。
A
新住所に移転後に登記する場合、土地Aは住所の変更登記になり、土地Bは本来現在の住所で登記すべきでしたので、住所の更正登記となりますから、登記の原因などが異なることになるわけです。残念ながら一件で申請することはできません。(登記研究第413号 参照)
Q(各地へ住所移転後、元の登記簿上の住所へ戻った場合)
住所が転々と移動しましたが、結局登記簿上の住所に戻りました。この場合は、住所の変更登記は必要でしょうか。
A
現在の住所Aが登記簿上の住所Aと同一となった場合(例A→B→C→D→A)は、登記名義人の表示変更登記をする実益がありませんからする必要はあリません。(登記研究第239号 参照)
Q(住所変更登記の必要書面)
登記簿上の住所から数度住所移転した場合で、途中一度登記簿上の住所に移転している場合(例A→B→A→C)、変更証明書としてA→Cの分でよいのでしょうか。
A
A→Cの分だけでは足りません。A→B→A→Cの分が必要です。Cの住民票でAから移転したことがわかりますが、それでは登記した年月日とでは時間の空白があることになります。
1.Aで登記 平成9年1月10日
2.Bに移転 平成12年6月12日
3.Aに移転 平成15年7月7日
4.Cに移転 平成17年5月20日
そこで、さらに、除票でB→A、A→Bへ移転したことをさかのぼって証明します。すると、住所が連続してつながることになります。(登記研究第470号 参照)
Q(中間省略の住所変更登記の必要書面)
登記簿上の住所から数度住所移転(例A→B→C→D)したとき、現在の住民票に本籍Aが記載されている場合は、変更証明書としてC→Dの分でよいのでしょうか。
A
現在のDの住民票で本籍兼登記簿上の住所Aから数度移転してDに移転したことが推認できますので、この場合はC→Dの分のみでもさしつかえないことになります。(登記研究第175号 参照)
Q(住所変更登記の同一申請書可)
土地の所有権と建物の持分を持っていますが、この場合の住所変更登記は一件で申請が可能でしょうか
A
この場合は、同一申請書で登記の申請が可能です。登記の目的は、土地と建物で順位番号が異なるときは所有権登記名義人表示変更(順位番号 後記のとおり)と記載します。そして不動産の地番、家屋番号の下の方に(順位番号 何番)と書いてください。変更後の事項は、所有者及び共有者何某の住所として、新住所を記載します。
Q(何年何月日不詳住所移転)
在留証明書に何年何月以来居住とあり、日が不明の場合は、どう登記申請書に記載すればいいのでしょうか。
A
下記を参考にしてください。
在外日本人からの登記名義人表示変更登記(住所移転)について
在留証明には「何年何月以来居住」の記載しかないので、原因の記載は「何年何月日不詳住所移転」、本人の申し出による「何年何月何日住所移転」など登記所により取り扱いが異なるが、本人からの申出書(上申書)又は委任状等で「日」間で特定されていれば日付まで記載し、特定されていなければ「日不詳」として記載することもやむを得ない。(平成8.9.12二庶統2第372号東京法務局総務部長了承)
Q(住所変更の登記原因が複数ある場合の記載例)
登記した住所が住居表示実施により変更になり、さらに住所を移転した場合、登記名義人表示変更登記の申請書に記載する原因はどうなりますか。また、他への住所移転後、そこで住居表示実施があった場合はどうでしょうか。さらに住所移転、住居表示実施、住所移転の場合は、どうなりますか。
A
原因は、平成○年○月○日住所移転とします。中間の平成○年○月○日住居表示実施については記載しなくてかまいません。また次の事例では、平成○年○月○日住所移転、平成○年○月○日住居表示実施と記載すればさしつかえありません。最後の事例は、平成○年○月○日住所移転のみでいいと解されます。もちろん、登記原因を併記しても特に問題はないと思われます。
Q(住所変更登記の同一申請書可)
同じ法務局の管轄に属する土地1は住所A、土地2は住所Bで登記しましたが、今度住所をCに移転した場合、同一申請書で申請できますか。
A
住所がA、B、Cの順に移転し、登記の時点で錯誤がなければ、同一申請書で住所をCに変更することができます。(登記研究第283号 参照)
Q(住所変更登記の同一申請書可)
土地の持分を二回に分けて取得した後、住所を移転した場合、同一申請書で申請できますか。
A
登記の原因が同一(年月日住所移転のみ)と考えられますから、「登記の目的 何番、何番登記名義人住所変更」として、同一申請書で申請することができます。(登記研究第191号 参照)
Q(登記名義人表示変更更正登記の登録免許税)
登記名義人表示変更または更正登記の申請を同一申請書でする場合の登録免許税について教えてください。非課税の例もお願いします。
A
登記の原因 登録免許税
1.平成8年3月1日住所移転
平成8年4月1日住居表示実施 非課税
2.錯誤(住所)
平成8年4月1日住居表示実施 非課税
3.錯誤(住所)
平成8年3月1日住所移転 1000円(不動産一個)
4.平成8年3月1日住所移転
平成8年3月1日行政区画変更 1000円(不動産一個)
5.錯誤(氏名)
平成8年3月1日住所移転 2000円(不動産一個)
6.錯誤(住所)
平成8年3月1日氏名変更 2000円(不動産一個)
7.平成8年3月1日氏名変更
平成8年3月1日住所移転 1000円(不動産一個)
8.錯誤(住所のみ、氏名のみ、両方とも) 1000円(不動産一個)
会社の場合は本店、商号、社団法人などは主たる事務所、名称と読み替えてください。
所有権関係 抵当権・根抵当権関係 登記名義人住所等変更・更正関係 その他
Q(印鑑証明書の有効期間)
印鑑証明書の有効期間について教えて下さい。
A
印鑑証明書の期間の計算については、初日(発行日)は算入せず、翌日が起算日(民法第140条)となるので、3か月後の起算日の前日が満了日となります。(登記研究第115号、第582号、第585号 参照)
発行日 1月10日(起算日1月11日)
満了日 4月10日
発行日 2月28日(起算日3月1日)
満了日 5月31日
発行日 閏年2月29日(起算日3月1日)
満了日 5月31日
発行日 2月1日(起算日2月2日)
満了日 5月1日
発行日 11月30日(起算日12月1日)
満了日 2月28日(閏年2月29日)
有効期間の満了日が土曜、日曜、その他の休日にあたる場合の満了日はその休日の翌日となります。(民法第142条)(登記研究第308号 参照)
Q(旧住所記載の印鑑証明書添付の可否)
登記簿上の所有者の住所をAからBに変更する住所変更の登記と、抵当権設定登記を続けて申請したいのですが、この場合の印鑑証明書としては発行後3ヶ月以内であっても旧住所で発行された印鑑証明書ではいけないのでしょうか。
A
旧住所の印鑑証明書でも有効期間内のものであれば印鑑証明書として使用できます。改めて取り直すとすると申請手数料や手間がかかりますから、抵当権設定者に余分な負担をかけなくて済むよう登記実務上認められています。ただし、印鑑証明書の住所と登記簿上の所有者の住所が相違する登記申請は許されませんので、住所を連続させるために住民票の写しなど変更証明書を印鑑証明書のほかに添付する必要があります。抵当権設定登記の前提登記として所有権登記名義人表示変更登記とを連件で申請するのであれば、変更証明書は前件添付ということで援用してさしつかえありません。(昭41.1.22民甲第283号 参照)
Q(住民票と印鑑証明書の記載相違)
住民票には、「何県何市何町何丁目何番地何 ○○マンション201号」と記載があり、印鑑証明書には、「何県何市何町何丁目何番地何」までしかない場合、登記申請書にはどのように記載すればいいのでしょうか。
A
所有権移転登記の権利者、抵当権設定登記の債務者兼設定者として、登記申請書に記載する場合であっても、住民票のまま記載して、さしつかえありません。印鑑証明書もそのまま抵当権設定登記に添付できます。
登記先例としては次のものがあります。
1.住民票の謄抄本の住所欄中、「市営住宅○号」等の記載のある場合に、これを申請書に記載し、登記簿にその旨記載する。
2.右の登記後における申請書に添付されたその者にかかる印鑑証明書が、右の記載のないものであつても、住所の更正登記を要しない。
(昭和40.12.25民事甲第3710号民事局長通達)
Q(区分建物の表題部の一棟の建物の名称を記載した場合)
所有権の登記済権利証をよく見ましたら、登記簿に書かれている一棟の建物の構造や床面積が省略されていますが、どうしてですか。
A
区分建物に関する登記の申請書に一棟の建物の名称を記載したときは、一棟の建物の構造及び床面積を記載することを要しないとする登記の先例があるので、通常は省略しています。一棟の建物の構造や床面積の記載はあってもなくても、問題はありません。同一の所在で同一の一棟の建物の名称の建物は他に存在しないので、それで不動産の特定はできるわけです。(昭58.11.10民三第6400号 参照)
Q(区分建物に一棟の建物の名称がない場合)
一棟の建物の名称のない区分建物についても、一棟の建物の構造や床面積を省略はできないのでしょうか。
A
現在のところ省略はできません。理由は一棟の建物の名称がある場合には、省略してさしつかえないとする登記の先例があり、それがなければ認められないからです。(登記研究第448号 参照)
Q(登記簿と評価証明書の地目が相違する場合の課税価格の算出)
土地の所有権移転登記をしたいのですが、登記簿は宅地となっているのに評価証明書では現況が公衆用道路となっており、非課税扱いとなっています。この場合、登録免許税も非課税扱いされるのでしょうか。
A
残念ですが、地方税の固定資産税は非課税であっても、国税の登録免許税については非課税の規定がありませんので、所有権移転登記の際には課税されることになります。この場合、登記実務では、不動産の価格は評価額がないときは近傍宅地価格の100分の30の価格で計算するとしています。この近傍宅地価格については、勝手に申請人の方で近傍宅地の土地を特定するのではなく、市町村役場や都税事務所、または登記所の指定する土地の価格となりますので、登記に使う旨を説明して評価証明書に価格を記載したものを交付してもらいます。
また、登記簿が公衆用道路で、評価証明書の現況が宅地の場合で、非課税の場合も同様です。
ただし、課税価格が記載されている場合は、評価額がそのまま不動産価格となります。なお、どちらも宅地で評価額がない場合は近傍宅地価格相当額が不動産価格となります。(昭和42.7.22民事甲第2121号 参照)
Q(登記簿と評価証明書の地目が相違する場合の課税価格の算出)
土地の登記簿は宅地、評価証明書は現況が雑種地となっていますが、今回建物を新築して保存登記と土地の移転登記を連件で申請する場合でも、その土地の評価額のままで課税価格を算出してさしつかえないのでしょうか。
A
評価証明書に登記簿宅地、現況雑種地として記載してあれば、原則として、評価額でそのまま計算してさしつかえありません。というのは、不動産の表示が評価証明書と登記簿とで相違する場合でも、固定資産課税台帳に評価額を登録後に、地目の変更登記がなされたときなどにかぎり、明白な特別の事情があるものとして、登記官の認定する価格によるとされているからです。このような特別な事情がない限り、評価額でそのまま算出できます。(昭和42.7.22民事甲第2121号 参照)
所有権関係 抵当権・根抵当権関係 登記名義人変更・更正関係 その他
参考図書
「登記研究」(月刊)、「登記関係先例要旨総覧」、「新訂不動産登記関係質疑応答集」
「新法による相続登記・家事審判申立手続実例集」
以上 発行 テイハン(TEL03-3811-5312)
「月刊登記先例解説集(平成8年4月から「月刊登記情報」に改題)」(月刊)
上記 販売 きんざい(TEL03-3358-0019)(発行所 社団法人民事法情報センター)
「精解説例不動産登記添付書面(上、下)」
上記 日本加除出版(TEL03-3953-5757)
「事項別不動産登記のQ&A112選」
上記 日本法令(TEL03-3256-2387)