小さな奇跡 〜 「ひとつぼ君」物語  目次へ  次へ   戻る  HP入り口へ   

  開発の背景

 高度経済成長の勢いが止まり景気が鈍化していたころ、重厚長大から軽薄短小に世の中が大きく舵をきっていた。

 それまで、当社は比較的大型機種を得意としていた製品構成のため、受注にかげりが見え始め、新しい機種への転換が早急に求められていた。

 重工業の設備投資が鈍るなか、IT関連が脚光を浴び、「鋼材」を削る機械は影が薄く、「アルミ」を削る機械が必要とされ、 旋盤もマシニングセンターも一様に小型機種に注目が集まっていた。

 マシニングセンターには、立型と横型があり、横型の方が比較すると大きい。

 当時、当社にもマシニングセンターをシリーズ化していたが、横型のみであり、そのシリーズの中でも比較的大きい方に強かった。時代の売れ筋と対極に位置していたといえよう。

 マシニングセンターのフルラインアップを図って、小型サイズを強化し、中小型市場に参入の第一歩とする方向が打ち出された。

 参入障壁

 標準的な機種のため、生産統計などで市場の大きさと推移は分かった。

 競合機の状況も、カタログや技術誌、見本市などの調査で概ね把握できた。

 市場が見えていて、製作面でも特段の技術的な問題がないところは掴めていた。

 しかし、汎用的な機種の場合、後発メーカーとして一番のネックが二つあった。

 1) 果たして、価格面で先発メーカーに追従できるかどうか。乾いた雑巾を絞るような世界で、どこまで生産能力を発揮できるか。 

2) 市場の大きさに比例して競合の多さがあり、すでに販売網が張り巡らされている世界で、果たして入り込む余地があるのか。

この2点は、当初から大きな参入障壁として想定されていて、社内では開発を危惧する声も多く聞かれた。

しかし、とにかくスタートしなければ始まらない。この参入障壁の大きさがどの程度のものか、先ずは自社の実力値を検証することとなった。

 

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