小さな奇跡の積み重ね 〜 「ひとつぼ君」物語   次へ   HP入り口へ   

 開発機種が当初の予定通りの性能を発揮し、順調に売れ、設備機として客先に定着し、リピートがポツリポツリと出てくる。

このころになると、設計担当者はなんとも言えない安堵感を覚え、やってよかったと自分を誉める。

ところが、振り返って「何が成功に導いたか」 「成功の秘訣は何か」などと考えても、以外に答えは出てこない。

世に出回っている「成功秘話」なる書籍に語られていることは、いずれも貴重な体験談ではあるが、そのままトレースできるものでもない。

私がコンパクト立型マシニングセンター「ひとつぼ君」の開発に携わったのは1985年頃だから、すでに30年が経過した。

かつての開発状況を思い浮かべても、あれこれと要因らしいものはあるが、「これがあってうまくいった」などと言える決定的なものは見当たらない。

 開発の当初から、それが成功か失敗か、その程度まで含めて、少なくともマイナス面を予想して設計に着手する人はいない。

設計者のみならず、関係したさまざまな立場の、さまざまな関係者の「生み出したい」気持ちの強さが、時には化学変化を起こし、時には火事場の底力を発揮する。

あえて言うならば、こうした幾つもの小さな奇跡の積み重ねが、ヒット商品を生み出してくれたのだろうと思う。

それは、成功秘話なる語り口とは程遠い、華々しさに欠ける地味な物語の羅列である。

(なお、30年前にタイムスリップして執筆しており、多少の食い違いを含んでいることをご容赦いただきたい。)

Pt1 開発の背景・参入障壁   Pt2 初期構想・時代の波  Pt3 形態論・コンセプト  Pt4 ひらめき・割り切り   Pt5 一瀉千里・価格の壁 

Pt6 塵を積もらせ山と成せ  Pt7 特許の出願・ソフトの工夫  Pt8 「ひとつぼ君」の誕生  Pt9 売り込み作戦・受注第一号   Pt10 小さな奇跡の積み重ね

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