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  1975年、大型縦型NC型彫り盤を開発した。

 お客さんから徹底的にだめ出しされたことから生まれた機種である。

プロローグ

それまでは、横型NC型彫り盤が求められていた。段取りの点からは縦型が有利だったが、加工時、切りくずの排出が容易で、滞留による加工精度の低下も防げることが要因だった。

1972年、他社と競り合って、結局1台ずつ設計して納入し、その優劣を競ったことがある。

ユーザーの評価も良好で、追加注文が期待できると喜んでいた。

しかし、その後音沙汰が無く、数年経って、ようやく営業から連絡が入り、合同引き合い説明会があるとのことで、客先に出向いた。

数社が説明会にエントリーしたが、前回の競合は無論、新規参入もあった。前回の納入機が好評だったから、実績の点でも有利と踏んで出向いた。

引き合いの見積り仕様書が提示され、目を疑った。

機械のタイプを、それまで主流だった横型ではなくて縦型にするという。生産ラインの都合で段取りの容易さが必要になってきたとのこと。

今までは、横型のメリットを強調してきただけに、ショックだった。

帰社後の会議では、楽観ムードが吹き飛んで、一転重苦しい雰囲気に包まれた。

縦型も機種としてラインアップしていたものの、しばらく生産活動もしていないし、参加した競合の中には縦型の大手が2社含まれていたからだ。

ユーザーへの実績も多い他社に対し、ほとんど始めての状態になる我が社では劣勢には違いなかった。

しかし、このまま引き下がる訳にはいかない。せっかく掴んだチャンスということで、検討に入った。 

機種の選定

この縦型の機種には、構造上大きく分けて2種類あった。

主軸頭ユニットを搭載したクロスレールが上下して加工するタイプと、クロスレールを固定し、細長いラムヘッドが上下して加工するタイプだった。

前者は生産中止してから約10年のブランクがある。後者は、5年前に専用機的に生産したが、実績はその1台だけだった。

実績のある他社との競争力からすれば、どちらにしても五十歩百歩。それなら、最近生産した機種にしよう、との判断で選定した。

機械の仕様は客先要求仕様に合わせて機械サイズを決め、主軸回転数、送り速度も要求仕様を基準に検討をした。

この段階で、実績のある機種と比較してサイズ的に小ぶりとなり、フライス重切削の実績機種に対し、ボールエンドミルの高速切削で回転数も送り速度も大幅アップ。

仕様書段階では要求仕様を満足させられたものの、類似設計とはいえ、ほぼ新規構造となり、他社と価格的に太刀打ちできる可能性は薄かった。

引き下がりたくない気持ちと、客観的に勝ち目が無い思いが交錯しながら、資料を携えて客先に出向いた。

案の定、結果は散々だった。

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